JP4520583B2 - 珪酸カルシウム板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築用内装材や化粧板の基材として広く使用されているアスベストを含有しない珪酸カルシウム板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築用の内、外装材として使用される窯業系成形体はプロセスファイバー及び補強繊維とを兼ねてアモサイトやクリソタイル等の石綿を5〜20質量%添加して製造されていた。
しかし、近年、石綿繊維の人体への影響が懸念され、石綿曝露による被害を最小限に抑える動きが広まっている。これは窯業素材分野においても例外ではなく、現在ではほとんどの窯業系成形体が石綿代替繊維として木質系セルロース繊維を使用して製造されている。
【0003】
例えば、主として外装材として使用されるセメント板は、木質系セルロースパルプをビーター叩解機やディスクリファイナー等で叩解し、セメント、骨材、充填材等を各々の製造方法に適した水量で混合し、例えば抄造方法においては固形分濃度2〜5%に調整したスラリーを常法に従い丸網式抄造機で抄き取り、抄き取った成形体を自然養生または蒸気養生によりセメントを硬化させ製造されている。また、主として内装材として使用される珪酸カルシウム板は木質系セルロースパルプをビーター叩解機やディスクリファイナー等で叩解し、石灰質原料、珪酸質原料、充填材等を各々の製造方法に適した水量で混合し、例えばプレス成形法においては固形分濃度1〜20%に調整したスラリーをモールドに流し込んだ後プレスすることによって脱水成形し、得られた成形体をオートクレーブ中で15時間以上水熱反応させることによって製造されている。
【0004】
しかしながら、木質系パルプは叩解処理により補強効果が増加するものの、窯業系成形体における強度発現性は石綿よりも低く、ノンアスベスト化に伴う強度低下は避けられないため、外的応力を受けにくい天井板等の用途に対しては実用上十分な強度を有するものの、内、外壁用としては石綿含有品に比べ破損しやすいという問題があり、より高強度化が望まれていた。
【0005】
これに対し特開昭52−22026号公報には、セメント板についてはキトサンを溶解した酸性水溶液と塩基性の水硬性無機物質を混合して系全体を塩基性にして高強度化を図る方法が開示されているが、これはセメントスラリー中でキトサンを不溶化(遊離)させて、繊維状化させ、常温養生により補強効果を奏するものである。
また、特開平08−217522号公報には、人工大理石として各種建材、装飾材等に使用可能な炭酸カルシウム固化体の製造方法において、カルサイト以外の炭酸カルシウム粉末に固化助剤として有機酸、無機酸、タンパク並びに天然多糖類を添加し、結晶転移させる製造方法が開示されているが、固化助剤を珪酸カルシウム成形体原料中にそのまま添加した場合、スラリー分と分離して、成形できない、また成形できたとしても層間強度が低下してしまう。
【0006】
さらに珪酸カルシウム板の製造に不可欠なオートクレーブ養生工程に必要な時間は15時間程度に及ぶ場合もあり、生産効率の低下や設備的コスト上昇の大きな要因となるため、養生時間の短縮化が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解決すると同時にこれまでのアスベスト不含の珪酸カルシウム板をより高強度化し、内、外装材又は化粧基材として使用した場合でも破損しにくい珪酸カルシウム板の製造方法を提供することにある。また、オートクレーブ養生時間を短縮し効率よく、より低コストで珪酸カルシウム板を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、珪酸カルシウム板の添加剤としてキチンまたはキトサンを溶解した酸性溶液を固形分換算で2〜10質量%添加混合することによって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
【0009】
すなわち、珪酸質原料(30〜40質量%)、石灰質原料(25〜40質量%)、充填材(15〜25質量%)、補強繊維(2〜10質量%)、添加剤(2〜10質量%)、水からなる混合原料スラリーを、板状に成形し、さらに必要に応じて加圧成形し、オートクレーブ養生により硬化させる珪酸カルシウム板の製造方法であって、該添加剤がキチンまたはキトサンを溶解した酸性溶液を固形分換算で2〜10質量%であることを特徴とする珪酸カルシウム板の製造方法を提供するものであり、キチン、キトサンを溶解した酸性溶液の添加により、オートクレーブ養生における石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応を促進すると同時にオートクレーブ養生時間を短縮できるものである。また、キチン、キトサンの分子量が、10万〜30万であることを特徴とする前記の珪酸カルシウム板の製造方法。
【0010】
また、このとき珪酸質原料が、珪石または珪砂のいずれかとフライアッシュ、珪藻土、シリカヒュームから選ばれた1種類以上の組み合わせで、かつ石灰質原料が、消石灰、生石灰あるいはセメントから選ばれた1種類以上であることを特徴とし、さらにオートクレーブ養生温度が150〜220℃、好ましくは180〜200℃であることを特徴とする前記珪酸カルシウム板の製造方法を提供するものであり、生産性を損なうことなく高強度の珪酸カルシウム板を効率よく得るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、オートクレーブ養生における石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応を促進し、アスベスト不含の珪酸カルシウム板をより高強度化し、内、外装材として使用した場合でも破損しにくいことを特徴とした珪酸カルシウム板の製造方法である。また、オートクレーブ養生時間を短縮し、生産効率よく、より低コストで得ることを特徴とした珪酸カルシウム板の製造方法である。
本発明において使用されるキチン、キトサンとはアミノ酸からなる多糖類の一種で天然に存在する生体高分子である。一般的にはエビやカニ等の甲殻類の角皮(表面の硬い部分)を原料とし、これを化学処理してタンパク質、脂質、色素等を除去することによってキチンが得られ、これをさらに脱アセチル化することによってキトサンが得られる。
【0012】
本発明は、珪酸質原料(30〜40質量%)、石灰質原料(25〜40質量%)、充填材(15〜25質量%)、補強繊維(2〜10質量%)、添加剤(2〜10質量%)、水からなる混合原料スラリーを、板状に成形し、水熱反応により得られる珪酸カルシウム板であり、上述のキチン、キトサンを溶解した酸性水溶液を固形分換算で2〜10質量%添加することを特徴としたものであるが、ここでいう酸性溶液とはキチン、キトサンを後述の酸により溶解したpH5以下の水溶液である。
この酸性溶液は、分子量10万〜30万のキチン、キトサンを溶解してなるものであり、調整方法としては上述のキチン、キトサンを水中に分散し固形分濃度を0.3〜1.0%に調整した混濁液を撹拌しながら所望の酸を添加して溶解させることができる、この時、好ましくはpH1〜pH5の範囲にすることによって得られる酸性の水溶液である。pH5を超えるとキチンまたはキトサンの溶解度が極めて小さくなり、強度向上や水熱養生の促進効果が得られない、逆にpH1未満になると溶解度は飽和し、これ以上酸を加えてpHを低くしても強度や水熱養生の促進の点において効果は飽和し、原料費を無駄にするだけである。また溶解後、必要に応じて希釈水として数倍量まで水を添加することができる。
但し、キトサンは脱アセチル化の度合いによって分子量が異なり、(脱アセチル化率の高いものは分子量が低い)分子量が10万を下回るキトサンを使用した場合は、オートクレーブ養生における石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応が促進されず、珪酸カルシウム板の高強度化を図ることができない他、オートクレーブ養生時間を短縮し、効率よく珪酸カルシウム板を得ることが難しい。すなわち、使用するキトサンの好ましい分子量は10万〜30万である。またキチン、キトサンを酸に溶解せず、そのまま添加した場合は、上述同様にオートクレーブ養生における石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応が促進されず、珪酸カルシウム板の高強度化を図ることができない。
【0013】
また、キチン、キトサンの分子量が30万を越えるものを使用した場合やキトサン混濁液中の固形分濃度が1%を越えた場合は、酸を添加した際に著しい粘度上昇を生じ、酸性溶液を均一に原料スラリー中に分散することができなくなり、曲げ強度の増大効果が損なわれるほか、スラリーの脱水性が著しく低下し、例えば抄造法においてはフェルトの目づまりやグリーンシートの軟質化を生じる。プレス成形法においては、プレスの脱水成形性や生板のハンドリングが困難になる。
尚、上述の酸処理に使用する酸は塩酸や硫酸等の無機酸のほか、ギ酸、酢酸、シュウ酸等の有機酸およびグルコン酸、乳酸、酒石酸等のオキシ酸を使用することが可能で特に制限されるものではないが、工業的にみれば安価な塩酸や硫酸を使用することが好ましい。
【0014】
本発明では、このようにしてキチン、キトサンを溶解した酸性水溶液を特開昭52−22026のような中和処理をすることなく使用することが可能で、珪酸質原料、石灰質原料、充填材と木質系セルロース繊維を各々の製造方法に適した水量で混合した原料スラリーに、該酸性溶液をキチン、キトサンの固形分換算で2〜10質量%添加し、各々の製造方法で得られた成形体を150〜220℃、好ましくは180〜200℃の飽和水蒸気圧下で好ましくは6〜15時間、さらに好ましくは6〜12時間養生することによって、石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応が促進され、珪酸カルシウム板の高強度化を図ることが可能となる。
キチンまたはキトサンを溶解した酸性溶液の添加混合方法としては、例えば、珪酸質原料、石灰質原料、充填材、補強繊維、水の添加剤を除く原料を撹拌混合機中に供給しながら好ましくは供給した後、予め調整されたキチンまたはキトサンの酸性溶液を添加して、撹拌混合することにより原料スラリーとする方法である。あるいは、珪酸質原料、石灰質原料、充填材、補強繊維、水の添加剤を除く原料を撹拌混合機中で混合撹拌しながら、または予備混合した後、予め調整されたキチンまたはキトサンの酸性溶液を添加して、さらに撹拌混合することにより原料スラリーとする方法である。
【0015】
但し、キチン、キトサンを溶解した酸性溶液の添加量が、全原料固形分に対してキチン、キトサンの固形分換算で2質量%を下回った場合は石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応が促進されず、10質量%を越えて添加した場合は粘性が著しく、分散性が低下し、石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応が不均一なものとなるため、曲げ強度の増大効果が損なわれる。
また、オートクレーブ養生における水熱反応温度が150℃を下回る場合、石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応が十分に行われず成形体に強度低下を生じ、200℃を越えた場合は成形体が脆弱化し、強度にバラツキを生じる。さらに、オートクレーブ養生時間が15時間を超える場合、生産効率が低下するのみで最終的に得られる珪酸カルシウム板に悪影響をおよぼすものではないが、6時間を下回ると曲げ強度の増大効果が損なわれ、珪酸カルシウム板の高強度化を図ることができなくなる。
【0016】
しかしながら3〜6時間の水熱反応で得られた珪酸カルシウム板の曲げ強度は、15時間を超える水熱反応により硬化させ製造されていた従来品に比べて何ら劣るものではなく、キチン、キトサンを溶解した酸性溶液を珪酸カルシウム板に添加する本発明によれば、オートクレーブ養生時間を短縮し、効率よく、より低コストで天井板等の用途に対する珪酸カルシウム板を製造することが可能となる。但し養生時間が3時間を下回った場合は強度発現性が損なわれ、従来品同等の曲げ強度を保持することができない。
【0017】
また、前述同様オートクレーブ養生における水熱反応温度が150℃を下回る場合は石灰質原料と珪酸質原料の水熱反応が十分に行われず成形体に強度低下を生じ、220℃を越えた場合は成形体が脆弱化し、強度にバラツキを生じる。
尚本発明において使用される珪酸質原料は、珪石または珪砂のいずれかとフライアッシュ、珪藻土、シリカヒューム、ホワイトカーボンから選ばれた1種類以上の組み合わせである。珪石または珪砂は結晶質であり、併用しても良いが製造管理の観点からいずれか1種を選択することが好ましい。また、フライアッシュ、珪藻土、シリカヒューム、ホワイトカーボンは非晶質かつ嵩高な原料であることから珪酸カルシウム板の嵩密度低減に効果的で、先の結晶質珪酸質原料と非晶質珪酸質原料との組み合わせで使用することが好ましい。
また石灰質原料としては消石灰、生石灰あるいはセメントから選ばれた1種類以上を使用し、珪酸質原料と石灰質原料の比率はCaO/(SiO+Al)モル比で0.4〜1.2、さらに好ましくは0.6〜1.0の範囲とする必要がある。CaO/(SiO+Al)モル比が0.4未満、または1.2を超える場合は最終的に得られる珪酸カルシウム板の曲げ強度が損なわれる。なお、本願で使用されるセメントは、ポルトランド系のセメントで、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント等の他、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメントを使用することができる。特に好ましい組み合わせとしては、珪酸質原料としては珪石または珪砂及び珪藻土と、石灰質原料としては消石灰または生石灰である。
【0018】
また本発明において使用される充填材としては、ワラストナイト、マイカ、炭酸カルシウム、タルク、パーライト、ベントナイト、セピオライト等が挙げられ、これらは増量材、あるいは寸法安定材としての機能も果たすことができる。
さらに本発明において使用される補強繊維は、木質系パルプをビーター叩解機またはディスクリファイナー等で叩解しJIS P 8121に規定されるカナダ標準型ろ水度試験方法でろ水度を100〜350mlに調整したものを使用することができる。例えば、抄造方法において珪酸カルシウム板を製造する場合、ろ水度が350mlを越えるとオートクレーブ養生後の製品に層間剥離強度の低下を生じ、ろ水度が100mlを下回ると原料スラリーのろ水性が著しく低下し抄造性が低下する。
【0019】
このように叩解されたセルロース繊維の添加量は各々の成形方法により異なるが、例えば抄造方法、プレス成形法の場合は珪酸カルシウム板の全原料の2〜10質量%とする必要があり、2質量%未満の場合は十分な補強効果を発揮することができず、10質量%を越える場合は耐火性能や不燃性の観点から好ましくない。その他の補強繊維としては木質系セルロース繊維のほかに炭素繊維、ポリプロピレン、レーヨン、アクリル系の有機合成繊維を使用することができる。本発明の珪酸カルシウム板の成形方法としては従来から行われている方法を用いることができ、プレス成形法、抄造法、流し込み法等が例示され、各々の成形法に適したスラリー濃度で成形することができる。
【0020】
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例)
予め分子量10万〜30万のキチンまたはキトサンを水中に分散して固形分濃度を1%または1.2%に調整した混濁液を撹拌し、液層がpH5になるまでギ酸または塩酸を添加した後、キチンまたはキトサンの固形分濃度が0.8〜1.1%の酸性溶液を得た。
この酸性溶液とその他原料を表1及び表2に示した割合で秤量し、水中に分散して固形分濃度を10%に調整した原料スラリーを抄造法により長さ180cm、幅90cm、厚さ6mmの成形体を得た。
得られた成形体について表1及び表2に示した温度と時間でオートクレーブ養生を行うことにより、珪酸カルシウム板を得た。
【0021】
この珪酸カルシウム板についてJIS A 1408に準拠し、試験体の大きさを3号(50×40cm)として曲げ強度を測定した。
尚試験体は60℃恒量、飽水状態の2水準とした。
表1及び表2から判る通り、180℃で6〜15時間のオートクレーブ養生を行うことによって得られた珪酸カルシウム板は比較例のものに比べて曲げ強度が著しく増加していた。
またオートクレーブ養生時間を3〜6時間とした場合でも、15時間のオートクレーブ養生により硬化してなる比較例と同等またはそれ以上の曲げ強度が得られており、本技術によってオートクレーブ養生時間を著しく短縮することが可能となった。
尚上述の酸処理において、キトサン混濁液中の固形分濃度を1.2%とした場合、60℃恒量とした試験体に曲げ強度の顕著な増大傾向はみられなかったが、飽水状態とした試験体においては比較例に示したキチン、キトサン無添加品に比べて曲げ強度が若干増加する傾向にあった。
【0022】
(比較例)
比較例として、分子量30万のキトサンの固形分濃度を1%に調整した混濁液を撹拌し、液層がpH5になるまで塩酸またはギ酸を添加した後、キトサン固形分濃度0.8%の酸性溶液を得た。
この酸性溶液とその他原料を表3に示した割合で秤量し、実施例同様抄造法により長さ180cm、幅90cm、厚さ6mmの成形体を得た。
得られた成形体について表3に示した温度と時間でオートクレーブ養生を行うことにより珪酸カルシウム板を得た後、実施例同様にして曲げ強度を測定した。
表3に示した結果の通り、キトサン無添加品はオートクレーブ養生時間の短縮により曲げ強度が低下した。
キチン、キトサンの添加量が2%を下回った場合または10%を超えた場合には曲げ強度の増大効果がみられなかった。
【0023】
【発明の効果】
上述のようにキチンまたはキトサンを溶解した酸性溶液を使用して、150〜220℃で、6〜15時間のオートクレーブ養生を行うことすることによって、珪酸カルシウム板の強度発現性が改善され、内、外装材として使用した場合に生じていた破損を防止することが可能となった。また外的応力を受けにくい天井板等の用途に対する珪酸カルシウム板についてはオートクレーブ養生時間の短縮を図り、効率よく、より低コストで製造することが可能となった。
【0024】
【表1】
Figure 0004520583
【0025】
【表2】
Figure 0004520583
【0026】
【表3】
Figure 0004520583

Claims (5)

  1. 珪酸質原料30〜40質量%(固形分換算)、石灰質原料25〜40質量%(固形分換算)、充填材15〜25質量%(固形分換算)、セルロース繊維、炭素繊維及び有機合成繊維から選ばれる補強繊維、添加剤2〜10質量%(固形分換算)、水からなるスラリーを、抄造法で成形し、さらに必要に応じて加圧成形し、オートクレーブ養生により硬化させる内装材用珪酸カルシウム板の製造法であって、該セルロース繊維が木質系パルプを叩解しJIS P8121に規定されるカナダ標準型ろ水度試験方法でろ水度100〜350mLに調整したセルロース繊維を固形分換算で2〜10質量%であり、該添加剤がキチンまたはキトサンを溶解した酸性溶液を固形分換算で2〜10質量%であり、オートクレーブ養生時間が3〜6時間であることを特徴とする内装材用珪酸カルシウム板の製造方法。
  2. キチン、キトサンの分子量が、10万〜30万であることを特徴とする請求項1に記載の珪酸カルシウム板の製造方法。
  3. 珪酸質原料が、珪石または珪砂のいずれかとフライアッシュ、珪藻土、シリカヒュームから選ばれた1種類以上の組み合わせで、かつ石灰質原料が、消石灰、生石灰あるいはセメントから選ばれた1種類以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の珪酸カルシウム板の製造方法。
  4. オートクレーブ養生温度が、150〜220℃であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の珪酸カルシウム板の製造方法。
  5. オートクレーブ養生温度が、180〜200℃であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の珪酸カルシウム板の製造方法。
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