JP3564414B2 - 室内機ユニット及び空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房又は冷房により快適な室内環境を提供する室内機ユニット及び空気調和機に係り、特に、タンジェンシャルファンを採用した室内機ユニットの送風系で発生する運転騒音を低減することができるようにした室内機ユニット及び空気調和機に用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機は、室内機ユニット及び室外機ユニットの二つの大きな構成要素からなっている。これらの各ユニットには、冷媒と室内気との間及び冷媒と室外気との間における熱交換を行う室内熱交換器及び室外熱交換器が備えられている。
【0003】
これら室内熱交換器及び室外熱交換器は、他に圧縮機、膨張弁等の要素を加えて冷媒回路を構成する要素になっている。冷媒はこの回路を物理的に循環することで、熱的にも高温高圧気体、低温低圧気体、高温高圧液体、低温低圧液体という状態変化の循環プロセスを辿り、室内の冷暖房を実現することになる。なお、この室内の冷暖房は、直接的には室内熱交換器内の冷媒と室内気との熱交換により実現されることになる。
【0004】
ちなみに、暖房運転時は、圧縮機で高温高圧の気体とされた気体冷媒を室内熱交換器に送出し、この冷媒と室内気との間で熱交換を行うことにより冷媒は凝縮し、高温高圧の液冷媒化が実現される。また、冷房運転時は、高温高圧の気体冷媒を室外熱交換器に送出し、室外気と熱交換させて高温高圧の液冷媒とする。この後、高温高圧の液冷媒を膨張弁に通すことで減圧し、低温低圧の液冷媒として室内熱交換器に送出し、この冷媒と室内気との間で熱交換を行うことにより冷媒は蒸発し、低温低圧の気体化が実現される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した空気調和機の場合、室内機ユニットのケーシング形状は従来より経験的に決められているのが実状である。このような空気調和機のうち、たとえば家庭用として広く普及しているようなものでは、室内機ユニット内に設けられるファンとして従来よりタンジェンシャルファン(クロスフローファン)が一般的に採用されている。
【0006】
この場合、タンジェンシャルファン(以下「ファン」と呼ぶ)で吸引した室内の空気(室内気)は、室内熱交換器を通過して空調された後、ファンの外周面とケーシングの風路壁面との間に形成される風路を通って吹出口から室内へ向けて送風される。このような室内機ユニットにおいては、風路形状などケーシング内のファン送風系に関して、風量や騒音といった空力性能面でのさらなる改善を行うことで、空気調和機の商品性をより一層向上させるがことが望まれる。
このような背景から、風路形状等を最適化するための基本的なルールを見出すことが必要となり、このルールに則った設計を行うことで送風系及びケーシング形状の低騒音化及び高効率化を容易に実現できるようにすることが望まれる。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、空気調和機の室内機ユニット内に形成される送風系の形状、特に風路の入口より上方に設けられる空気流入後壁部の形状を最適化し、空力性能を向上させるための設計を容易にする指標を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に記載の室内機ユニットは、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのタンジェンシャルファンと、前記室内気と室外機ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内機ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備えている室内機ユニットにおいて、
前記タンジェンシャルファンのファン径をD、前記ケーシング内の風路入口上流側に設けられる吸込絞り幅をbとした時、b/Dが0.02から0.03の範囲内(0.02≦b/D≦0.03)にあることを特徴とするものである。
【0009】
このような室内機ユニットによれば、b/Dが0.02≦b/D≦0.03となるように設計することで、同一風量におけるファン送風系の低騒音化を達成することができる。
【0012】
請求項2に記載の室内機ユニットは、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのタンジェンシャルファンと、前記室内気と室外機ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内機ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備えている室内機ユニットにおいて、
前記タンジェンシャルファンのファン径をD、前記ケーシング内の風路入口上流側に設けられる吸込助走長をe、吸込絞り角をγとした時、e/Dが0.25から0.3の範囲内(0.25≦e/D≦0.3)にあり、かつ、γが80度から90度の範囲内(80度≦γ≦90度)にあることを特徴とするものである。
【0013】
このような室内機ユニットによれば、e/Dが0.25≦e/D≦0.3で、かつ、γが80度≦γ≦90度となるように設計することで、同一風量におけるファン送風系の低騒音化を達成することができる。
【0014】
請求項3に記載の室内機ユニットは、吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのタンジェンシャルファンと、前記室内気と室外機ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内機ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備えている室内機ユニットにおいて、
請求項1と請求項2とを組み合わせて構成したことを特徴とするものである。
【0015】
このような室内機ユニットによれば、上述した請求項1と請求項2とを組み合わせて設計することで、互いの相乗効果により同一風量におけるファン送風系のさらなる低騒音化を達成することができる。
【0018】
請求項4に記載の空気調和機は、室外熱交換器と、熱交換器に高温高圧の気体冷媒を送出する圧縮機と、各種電気回路素子よりなる室外機ユニット制御部とを具備してなる室外機ユニットと、請求項1から3のいずれかに記載の室内機ユニットと、を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
このような空気調和機によれば、同一風量における低騒音化を容易に達成できる室内機ユニットを備えているため、空力性能に優れた商品性の高い空気調和機の提供が可能になる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による室内機ユニット及び空気調和機の実施の形態について、図を参照して説明する。
図2は空気調和機の全体構成を示す説明図である。空気調和機は、室内ユニット10及び室外ユニット20から構成されている。これら室内ユニット10及び室外ユニット20は、冷媒が導通する冷媒配管21や図示しない電気配線等により接続されている。冷媒配管21は2本備えられており、冷媒は、その一方において室内ユニット10から室外ユニット20へ、また他方において室外ユニット20から室内ユニット10へと流れることになる。
【0021】
室内ユニット10は、ケーシングとなるベース11及び前面パネル12が一体的に構成されたものとなっている。ベース11には、プレートフィンチューブ型の室内熱交換器13、略円筒形状のタンジェンシャルファン(以下「ファン」と呼ぶ)14等の各種機器が備えられている。ベース11には、この他室内ユニット10に関する種々の動作制御等を行うため、各種電気回路素子等から構成された室内ユニット制御部15が備えられている。室内ユニット制御部15には、運転状況やエラーモードを表示するための適当なインジケータ15aが備えられている。このインジケータ15aは、前面パネル12に設けられた透視部12aにより、外部から視認することが可能となっている。なお、ベース11の後方には据え付け板16が備えられ、これにより室内ユニット10を室内の壁等に設置することが可能となっている。
【0022】
前面パネル12には、吸込グリル(吸込口)12bが前面及び上面のそれぞれに形成されている。室内の空気(室内気)は、これら吸込グリル12bにより多方向から室内ユニット10内に吸い込まれるようになっている。ちなみに、吸込グリル12bの背後にはエアフィルタ17が備えられており、吸い込まれた空気等の粉塵を除く働きをしている。また、前面パネル12には、その下方に吹出口12cが形成されており、ここから暖められた空気あるいは冷やされた空気(すなわち空調空気)が吹き出されるようになっている。なお、この空気吸込及び空気吹出は、ファン14が回転することによって行われる。
【0023】
上述した室内ユニット10は、各種の運転操作を行う操作部として、リモートコントローラ(リモコン)30を備えている。このリモートコントローラ30には各種スイッチや液晶表示部などが設けられており、空気調和機の各種運転操作信号、設定温度などを室内ユニット制御部15の受信部(図示省略)へ向けて、たとえば赤外線信号として送信することができる。なお、空気調和機の運転操作は、室内ユニットの適所に設けられた図示省略のスイッチ類でも一部実施可能である。
【0024】
室外ユニット20には、筐体20a内に室外熱交換器20b、プロペラファン20c、圧縮機20f、室外ユニット制御部20g等が備えられている。室外熱交換器20bは、周囲に多数のプレート状フィンを備えた冷媒配管により構成されており、冷媒と室外気との熱交換を実現するためのものである。プロペラファン20cは、筐体20a内に背面から前面へと抜ける空気流を生じさせることにより新たな空気を常に筐体20a内に取り込んで、室外熱交換器20bにおける熱交換効率の向上を図るために設けられている。
【0025】
なお、前記室外熱交換器20b及びプロペラファン20cが外部と向き合う筐体20aの面には、それぞれフィンガード20d及びファンガード20eが設けられている。フィンガード20dは、前記プレート状フィンが外部からの不意の衝撃により破損することなどがないように設けられているものである。ファンガード20eも、これと同様にプロペラファン20cを外部衝撃から保護することを目的として備えられているものである。
【0026】
圧縮機20fは、低温低圧の気体冷媒を、高温高圧の気体冷媒に変換して吐出するものであり、冷媒回路を構成する部品の中では最も中心的な働きを担うものである。ちなみに冷媒回路とは、この圧縮機20fに加えて、上記した室内熱交換器13、室外熱交換器20b、冷媒配管21、膨張弁、及び冷媒の流れ方向を規定する四方弁(膨張弁及び四方弁は共に不図示)等から概略構成され、冷媒を室内ユニット10と室外ユニット20との間で循環させる回路である。
【0027】
室外ユニット制御部20gは、前記プロペラファン20c、圧縮機20f、その他室外ユニット20に備えられた各種機器に関する動作制御等を行うもので、各種電気回路素子から構成されているものである。
【0028】
室外ユニット20には、上記の他、筐体20aを支持するとともに外部振動等の影響を回避するため、台座20hが備えられている。また、前記圧縮機20fに近い筐体20aの壁は、前記圧縮機20fのメンテナンス等を実施するため取り外し可能なパネル20iを備えたものとなっている。
【0029】
以下では、これらの構成よりなる空気調和機の作用について、暖房運転時及び冷房運転時のそれぞれの場合に分けて説明する。
まず、暖房運転時には、圧縮機20fで高温高圧の気体とされた冷媒は、冷媒配管21を通り室内ユニット10の室内熱交換器13に送られる。室内ユニット10内では、ファン14により吸込グリル12bから取り込まれた室内気に対して、室内熱交換器13を通過する高温高圧の気体冷媒から熱が与えられる。このことにより、前面パネル12下方の吹出口12cから温風が吹き出されることになる。また同時に、高温高圧の気体冷媒は、前記室内熱交換器13において凝縮液化し、高温高圧の液冷媒となる。
【0030】
この高温高圧の液冷媒は、再び冷媒配管21を通って室外ユニット20における室外熱交換器20bに送られる。室外ユニット20では、図示しない膨脹弁を通過し減圧されて低温低圧の液冷媒となり、プロペラファン20cにより筐体20a内に取り込まれた新しい室外気から、室外熱交換器20bを通過する低温低圧の液冷媒が熱を奪うことになる。低温低圧の液冷媒は、このことにより蒸発気化して低温低圧の気体冷媒となる。これが再び圧縮機20fに送出され、上記過程を繰り返すことになる。
【0031】
次に、冷房運転時には、冷媒は上記とは逆方向に冷媒回路中を流れる。すなわち、圧縮機20fで高温高圧の気体とされた冷媒が、冷媒配管21を通過して室外熱交換器20bに送られ、室外気に熱を与えて凝縮液化し高温高圧の液冷媒となる。この高温高圧の液冷媒は、図示しない膨張弁を通過して低温低圧の液冷媒となり、再び冷媒配管21を通り室内熱交換器13に送られる。低温低圧の液冷媒は、ここで室内気から熱を奪って当該室内気を冷却するとともに、冷媒自身は蒸発気化して低温低圧の気体冷媒となる。これが再び圧縮機20fに送出され、上記過程を繰り返すことになる。
【0032】
これらの運転は、室内ユニット10内に収められた室内ユニット制御部15及び室外ユニット20内に収められた室外ユニット制御部20gが協調することによって制御される。
【0033】
以下では、本発明の特徴的な部分について、図1を参照して説明する。なお、ここで使用する図1は、図2のA−A線に沿う断面のうち、ファン14及びその送風系を示したものである。
上述した室内ユニット10内には、ファン14を運転することで室内気を吸込グリル12bから吸引し、室内熱交換器13を通過させて熱交換した空調空気を吹出口12cから室内へ吹き出すためのファン送風系が設けられている。このファン送風系には、空調空気を吹出口12cへ導く風路40が設けられている。
【0034】
風路40は、円筒状となるファン14の外周面14aとケーシングの構成部材であるベース11に設けられた風路壁面41との間に形成される空間である。
風路40の入口42は、ファン14が回転する際の軸中心となるファン中心Cと、風路壁面41上の点Kとを結ぶ線上にあり、その入口幅はWiである。点Kはケーシング巻線(風路壁面41の流れ方向における凹曲面)の起点となるものであり、室内機ユニット10の前面パネル12側から見て、概ねファン14の上部背面側(壁側)に位置している。
【0035】
風路40は、入口42を起点としてファン14の回転方向(図示の例では時計廻り)へ出口43まで形成されている。風路40の幅、すなわち風路幅Wは、入口42の入口幅Wiから出口43の出口幅Woまで徐々に拡大している。出口幅Woは、ケーシング壁面41におけるケーシング巻線の終点Mから、風路中心線44と直交する線が出口上部面45に到達するまでの距離である。
出口43の流れ方向前方(室内機ユニット10の前面側)には前面パネル12が配置され、同パネル12の吹出口12cが室内へ向けて開口している。また、一般的な構成では、出口43の近傍に左右の吹出方向を調整するルーバ(図示省略)が配設され、また、吹出口12cに上下の吹出方向を調整するフラップ(図示省略)が配設されている。
なお、図中の符号46はスタビライザ、50は風路40の上部に設けられる空気流入後壁部である。
【0036】
空気流入後壁部50は、風路40の入口42より上部に位置し風路壁面41と連続して設けられた部分であり、吸込助走部51の先端(上端)部には反転部52が設けられている。吸込助走部51は、風路壁面41の起点Kから壁面始点Nまで凹部を形成して連続する壁面であり、絞込助走部51となる凹部の深さ(起点Kと壁面始点Nとを結ぶ線から凹部の最深部までの深さ)を以下では吸込絞り幅bと呼ぶことにする。
一方、反転部52は、風路壁面41及び空気流入後壁部50の背後に配置されている室内熱交換器13を通過した空調空気を風路40に導くよう空調空気の流れを反転させる部分であり、その先端形状は、壁面始点Nから頂点Pまで上方へ延びる略垂直な面を形成する第1平面部53と、頂点Pから反転部始点Qまで後方(背面側)へ延びる略水平な面を形成する第2平面部54とを具備して構成される。なお、吸込助走部51の背面には、反転部始点Qから斜め下方へ向けて傾斜面を形成する背面部55が設けられている。
【0037】
そして、上述した反転部52の幅、すなわち壁面始点Nから反転部始点Qまでの距離NQを以下では反転部幅(反転厚み)gと呼び、起点Kから壁面始点Nまでの距離KNを吸込助走長eと呼び、ファン中心Cと起点Kとを結ぶ線から吸込助走長さeを規定する線分KNまでの角度を吸込絞り角γと呼ぶことにする。
【0038】
上述したファン送風系において、第1の実施形態では、空気流入後壁部50の形状のうち、吸込絞り幅bについて、以下に説明するように規定する。
吸込絞り幅bは、風路40を形成する風路壁面41の入口42(起点K)より上方へ向けて連続して設けられた凹部壁面、すなわち吸込助走部51の凹部深さを示す値であり、線分KNから最深部までの垂直距離を示している。ここで、ファン14のファン径をDとすれば、ケーシング内の風路入口上流側に設けられる吸込絞り幅bを、ファン径Dに対する割合(b/D)が0.02から0.03の範囲内(0.02≦b/D≦0.03)となるように設定する。
【0039】
図3は、上述したb/Dを適宜変更することにより、同一風量ベースにおける騒音をそれぞれ計測した結果を示している。
この計測結果から、b/Dが概ね0.025の時が最も低騒音となり、かつ、吸込絞り幅bをこの最低騒音値に対応する値より増減すると、いずれの場合も騒音を増すことが分かった。そこで、同一風量ベースにおける騒音が最も低いb/DからΔdBが1dB(A)上昇する範囲を吸込絞り幅bの適正な設計範囲と判断し、図3に示す結果より、b/Dの範囲を0.02≦b/D≦0.03と定める。
なお、ΔdB=1dB(A)としたのは、1dB(A)という値が測定誤差やばらつき等を考慮して騒音低減効果を明確に認識できるレベルであるという理由に基づくものである。
【0040】
次に、上述したファン送風系において、第2の実施形態では、空気流入後壁部50の形状のうち、反転部幅gについて、以下に説明するように規定する。
反転部幅(反転厚み)gは、反転部52の幅を示す壁面始点Nから反転部始点Qまでの距離NQのことである。ここで、ファン14のファン径をDとすれば、ケーシング内の風路入口上流側に設けられる流入空気流れの反転部幅gを、ファン径Dに対する割合(g/D)が0.06≦g/Dとなるように設定する。
【0041】
図4は、上述したg/Dを適宜変更することにより、同一風量ベースにおける騒音をそれぞれ計測した結果を示している。
この計測結果から、g/Dを0.06にした場合が最も低騒音となり、g/Dが0.06より小さくすると騒音値は増加し、g/Dを0.06より大きくしても騒音値はほとんど変化しない、すなわち略一定であることが分かった。そこで、同一風量ベースにおける騒音がほとんど減少しなくなるg/D=0.06が反転部幅gの境界値と判断し、図4に示す結果より、適正な設計範囲を0.06≦g/Dと定める。
【0042】
ところで、反転部幅gについては、上述したようにファン径Dに対する割合を0.06以上と大きくするのが好ましいのであるが、g/Dが大きくなることは反転部幅gが厚くなることを意味する。しかし、ベース11とともに一体的に成形される樹脂成形部品である反転部52の肉厚が厚くなると、成形時における熱収縮の影響を大きく受けて、熱変形による歪みが生じやすくなる。このため、反転部幅gの上限値については、熱変形を生じないという生産技術上の問題から制約を受けることになる。
そこで、低騒音化が可能な反転部幅gを確保するとともに、成形時の熱変形を生じにくくした反転部52の形状が望まれる。
【0043】
図7は反転部52の変形例を示したもので、第1平面部53に矩形断面の凹部56を設けてある。このようにすれば、反転部幅gを確保しつつ、反転部52に厚肉部が生じるのを防止することができる。従って、樹脂成形による熱変形を原因とする歪みが生じるのを防止できるため、生産技術上の制約を小さくすることで、反転部幅gの設計自由度を増すことが可能になる。なお、図示の例では、凹部56を矩形断面形状としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば面56aを凹曲面にするなど他の変形例も有効である。
【0044】
次に、上述したファン送風系において、第3の実施形態では、空気流入後壁部50のうち、吸込助走長e及び吸込絞り角γについて、以下に説明するように規定する。
吸込助走長eは、起点Kから壁面始点Nまでの距離KNのことであり、また、吸込絞り角γは、ファン中心Cと起点Kとを結ぶ線CKから吸込助走長さeを規定する線分KNまでの角度のことである。ここで、ファン14のファン径をDとすれば、ケーシング内の風路入口上流側に設けられる吸込助走長eを、ファン径Dに対する割合(e/D)が0.25≦e/D≦0.3の範囲内となるように設定する。さらに、吸込絞り角γが80度≦γ≦90度の範囲内となるように設定する。
【0045】
図5は、上述したe/Dを適宜変更することにより、同一風量ベースにおける騒音をそれぞれ計測した結果を示している。
この計測結果から、e/Dを概ね0.275とした時が最も低騒音となり、かつ、吸込助走長eをこの最低騒音値に対応する値より増減すると、いずれの場合も騒音を増すことが分かった。そこで、上述した吸込絞り幅bと同様に、同一風量ベースにおける騒音が最も低いe/DからΔdBが1dB(A)上昇する範囲を吸込絞り幅bの適正な設計範囲と判断し、図5に示す結果より、e/Dの範囲を0.25≦e/D≦0.3と定める。
【0046】
図6は、上述したγを適宜変更することにより、同一風量ベースにおける騒音をそれぞれ計測した結果を示している。
この計測結果から、吸込絞り角γを概ね85度に設定した場合が最も低騒音となり、同角度γを増減させても騒音を増す傾向にあることが分かった。そこで、上述した吸込絞り幅bと同様に、同一風量ベースにおける騒音が最も低い吸込絞り角γからΔdBが1dB(A)上昇する範囲を吸込絞り角γの適正な設計範囲と判断し、図6に示す結果より、γの範囲を80度≦γ≦90度と定める。
【0047】
このように、上述した第1の実施形態から第3の実施形態で説明した規定を指標としてファン送風系における空気流入後壁部50の形状を設計すると、風量や騒音といった空力性能を容易に向上させることができる。また、各実施形態で規定した値は、同一風量ベースの騒音が最低となる騒音値から1dB(A)高い範囲内に収まるように決められているので、上述した規定値内の風路形状とすることで、低騒音の風路形状を容易に設定することができる。
【0048】
また、上述した各実施形態は、それぞれ単独で採用しても空力特性を向上させるという作用効果を得られるものであるが、各実施形態を適宜組み合わせて採用すれば、すなわち少なくとも2以上を適宜組み合わせて採用することで、互いの相乗効果によって同一送風量における空気流入後壁部50及びファン送風系の低騒音化をより一層促進することができる。
すなわち、上述した規定を採用して設計した形状の空気流入後壁部50を備えた室内機ユニット10は、ファン送風系の低騒音化など空力特性に優れたものとなり、これを構成要素とする空気調和機についても、その商品性を向上させることが可能になる。
なお、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【0049】
【発明の効果】
上述した本発明の室内ユニット及び空気調和機によれば、室内機ユニットのファン送風系を定める場合に使用する指標、すなわち、(1)吸込絞り幅bのファン径Dに対する割合を0.02≦b/D≦0.03と定めたこと、(2)吸込助走長eのファン径Dに対する割合を0.25≦e/D≦0.3と定め、かつ、吸込絞り角γを80度≦γ≦90度と定めたことにより、室内機ユニットにおけるファン送風系の最適設計を容易に実施することが可能になる。
このため、室内機ユニットにおけるファン送風系の運転騒音を従来より大幅にかつ容易に低減することができ、室内機ユニット及びこれを構成要素とする空気調和機の低騒音化により、商品性が向上するという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る室内ユニットの第1〜第3の実施形態を示す説明図で、図2のA−A線に沿う断面のうち、タンジェンシャルファン及びその送風系を示したものである。
【図2】本発明に係る室内ユニット及び空気調和機の一実施形態を示す部分断面斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る作用を説明するための図で、ファン径(D)に対する吸込絞り幅(b)の割合を適宜変更して、同一風量ベースの騒音を計測した結果を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る作用を説明するための図で、ファン径(D)に対する反転部幅(g)を適宜変更して、同一風量ベースの騒音を計測した結果を示すグラフである。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る作用を説明するための図で、ファン径(D)に対する吸込助走長(e)の割合を適宜変更して、同一風量ベースの騒音を計測した結果を示すグラフである。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る作用を説明するための図で、吸込絞り角(γ)を適宜変更して、同一風量ベースの騒音を計測した結果を示すグラフである。
【図7】本発明による反転部形状の変形例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 室内ユニット
12 前面パネル
13 室内熱交換器
14 タンジェンシャルファン(ファン)
14a 外周面
15 室内ユニット制御部
20 室外ユニット
21 冷媒配管
30 リモートコントローラ(操作部)
40 風路
41 風路壁面
42 入口
43 出口
44 風路中心線
45 出口上部面
50 空気流入後壁部
51 吸込助走部
52 反転部
53 第1平面部
54 第2平面部
55 背面部
56 凹部
K 起点
N 壁面始点
P 頂点
Q 反転部始点

Claims (4)

  1. 吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのタンジェンシャルファンと、前記室内気と室外機ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内機ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備えている室内機ユニットにおいて、
    前記タンジェンシャルファンのファン径をD、前記ケーシング内の風路入口上流側に設けられる吸込絞り幅をbとした時、b/Dが0.02から0.03の範囲内(0.02≦b/D≦0.03)にあることを特徴とする室内機ユニット。
  2. 吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのタンジェンシャルファンと、前記室内気と室外機ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内機ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備えている室内機ユニットにおいて、
    前記タンジェンシャルファンのファン径をD、前記ケーシング内の風路入口上流側に設けられる吸込助走長をe、吸込絞り角をγとした時、e/Dが0.25から0.3の範囲内(0.25≦e/D≦0.3)にあり、かつ、γが80度から90度の範囲内(80度≦γ≦90度)にあることを特徴とする室内機ユニット。
  3. 吸込口から室内気を吸い込みかつ吹出口から吹き出すためのタンジェンシャルファンと、前記室内気と室外機ユニットから供給された冷媒との間で熱交換を行う室内熱交換器と、各種電気回路素子よりなる室内機ユニット制御部と、これらの各機器を収納するケーシングとを備えている室内機ユニットにおいて、
    請求項1と請求項2とを組み合わせて構成したことを特徴とする室内機ユニット。
  4. 室外熱交換器と、熱交換器に高温高圧の気体冷媒を送出する圧縮機と、各種電気回路素子よりなる室外機ユニット制御部とを具備してなる室外機ユニットと、
    請求項1から3のいずれかに記載の室内機ユニットと、
    を備えたことを特徴とする空気調和機。
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