JP3564226B2 - テープ印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷に供するテープ状部材を搭載した各種厚みの異なるカートリッジが、着脱自在に装着されるテープ印刷装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のテープ印刷装置として、例えば特開平6−122239号公報に記載のものが知られている。このテープ印刷装置は、インクリボンを用いて無地のテープに所望の文字を印刷(印字)すると共に、これを切断してラベルを作成するものである。消耗品であるテープおよびインクリボンは、それぞれリールに巻回してカートリッジに収容され、この状態で機器本体に提供される。機器本体には、カートリッジが上側から着脱自在に装着されるポケットが形成されると共に、ポケットに装着したカートリッジに臨んで、テープおよびインクリボンを走行させる各種の駆動軸やこれに印字を行う印字ヘッドが設けられている。
【0003】
テープおよびインクリボンには幅の異なる5種類(6mm、9mm、12mm、18mm、24mm)のものが用いられ、これに対応して厚みの異なる2種類(6mm、9mmおよび12mm用と、18mmおよび24mm用)のカートリッジが用意されている。また、厚みの異なる5種類のインクリボン(およびテープ)に対応して、機器本体には最大幅のインクリボンに合わせて発熱素子アレイを持つ印字ヘッドが搭載されている。また、厚みの異なる2種類のカートリッジが、いずれもポケットの底板に着座するように装着されるため、薄型のカートリッジでも簡単に取り出し得るように、ポケットの両側部には指を挿入するための深いカートリッジ取出し溝が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、このようなテープ印刷装置において、更に幅の広いテープ(例えば36mmなど)の使用が要望されている。かかる場合には、より厚型のカートリッジが必要になると共に、このカートリッジ用にポケットを深く執れるように装置本体の高さを高くする必要がある。この場合、ポケットが深くなる分、カートリッジ取出し溝も深くする必要があるが、実際にはカートリッジ取出し溝の幅も広く形成しないと、指を深く挿入することができなくなり、薄型のカートリッジの取り出しができなくなる。このため、装置本体の幅も広くする必要が生ずる。もっとも、薄型のカートリッジをやめ、6mm、9mmおよび12mmのテープ(およびインクリボン)も、18mmおよび24mm用の中型のカートリッジに収容するようにすれば、かかる問題は解消される。しかし、このようにすると、既に出回っている薄型のカートリッジが使用できなくなる不具合が生ずる。
【0005】
また、この種の印字ヘッドでは、発熱素子アレイがテープおよびインクリボンに均一に当接するように、中間位置を中心に軽く付勢された状態で揺動自在に設けられている。したがって、幅の広いテープに対応する印字ヘッドに、薄型のカートリッジを介して幅の狭いテープを臨ませると、印字ヘッドの中心から大きく偏った位置にテープおよびインクリボンが当接し、印字が良好に行われ難くなるおそれがある。
【0006】
本発明は、カートリッジの取出し溝を深くすることなく、かつ機器本体に対するテープ状部材の位置を大きく変えることなく、薄型のカートリッジおよび厚型のカートリッジが使用可能なテープ印刷装置を提供することをその目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のテープ印刷装置は、機器本体が、インクリボンをリールに巻回した状態で収容したカートリッジを着脱自在に装着するポケットを備え、ポケットが、少なくとも幅狭のインクリボンを収容した薄型カートリッジおよび幅広のインクリボンを収容した厚型カートリッジを受容可能に構成されたテープ印刷装置において、薄型カートリッジには、リールの回転を阻止する第1阻止片が設けられ、厚型カートリッジには、リールの回転を阻止する第2阻止片が設けられ、機器本体は、ポケットに臨み、薄型カートリッジの着座部をポケットの浅い位置に受ける第1支持部および厚型カートリッジの着座部をポケットの深い位置に受ける第2支持部を有すると共に、ポケットに臨み、第1阻止片の阻止状態を解除させると共にポケットから退避可能に構成された第1解除部材および第2阻止片の阻止状態を解除させる第2解除部材を有し、第1支持部は、ポケットに装着した厚型カートリッジの着座部に対し相対的に逃げた位置に配設され、第2支持部は、ポケットに装着した薄型カートリッジの着座部に対し相対的に逃げた位置に配設され、第2解除部材は、ポケットに装着した薄型カートリッジに対し相対的に逃げた位置に配設され、厚型カートリッジには、ポケットへの装着に伴い第1解除部材をポケットから退避させる押圧部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、ポケットの浅い位置に留まるように薄型カートリッジを装着すると、その第1阻止片は機器本体に設けた第1解除部材により、リールの回転阻止状態を解除される。また、ポケットの深い位置に達するように厚型カートリッジを装着すると、その第2阻止片は機器本体に設けた第2解除部材により、リールの回転阻止状態を解除される。この場合、薄型カートリッジを装着するときには、第2解除部材は薄型カートリッジから逃げているため、これと干渉することがなく、逆に厚型カートリッジを装着するときには、第1解除部材は厚型カートリッジによりポケットから退避させられるため、これに干渉することがない。したがって、薄型、厚型を問わず、またカートリッジの着脱に影響を与えることなく、各カートリッジの阻止片の解除動作を確実に行うことができる。
【0013】
本発明の他のテープ印刷装置は、機器本体が、印刷対象物であるテープ状部材を収容したカートリッジを着脱自在に装着するポケットを備え、ポケットが、少なくとも幅狭のテープ状部材を収容した薄型カートリッジおよび幅広のテープ状部材を収容した厚型カートリッジを受容可能に構成されたテープ印刷装置において、各カートリッジには、テープ状部材を巻回したテープリールとテープリールの回転を規制する回転規制部材とがそれぞれ設けられ、機器本体は、ポケットに臨み、薄型カートリッジの着座部をポケットの浅い位置に受ける第1支持部および厚型カートリッジの着座部をポケットの深い位置に受ける第2支持部を有すると共に、ポケットに臨み、各回転規制部材を規制解除状態に相対的に押圧する規制解除突起を有し、第1支持部は、ポケットに装着した厚型カートリッジの着座部に対し相対的に逃げた位置に配設され、第2支持部は、ポケットに装着した薄型カートリッジの着座部に対し相対的に逃げた位置に配設され、規制解除突起は、薄型カートリッジの回転規制部材を押圧する第1押圧部と、厚型カートリッジの回転規制部材を押圧する第2押圧部とを有し、第1押圧部は、ポケットに装着した厚型カートリッジの回転規制部材に対し相対的に逃げた位置に配設され、第2押圧部は、ポケットに装着した薄型カートリッジの回転規制部材に対し相対的に逃げた位置に配設されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、ポケットの浅い位置に留まるように薄型カートリッジを装着すると、その回転規制部材は機器本体に設けた規制解除突起の第1押圧部により、テープリールの回転規制状態を解除される。また、ポケットの深い位置に達するように厚型カートリッジを装着すると、その回転規制部材は機器本体に設けた規制解除突起の第2押圧部により、テープリールの回転規制状態を解除される。この場合、薄型カートリッジを装着するときには、第2押圧部はその回転規制部材から逃げているためこれと干渉することがなく、また厚型カートリッジを装着するときには、第1押圧部はその回転規制部材から逃げているためこれと干渉することがない。したがって、薄型、厚型を問わず、またカートリッジの着脱に影響を与えることなく、各カートリッジの回転規制部材の回転規制解除を確実に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置について説明する。このテープ印刷装置は、キー入力によりテープに所望の印字(印刷)を行うと共に、テープの印字部分を切断する機能を有しており、切断されたテープの印字片は書類ファイルなどに貼着するラベルとして用いられる。すなわち、テープ印刷装置は無地のテープから文字を印刷したラベルを作成するものである。この場合、消耗品となる無地のテープおよびインクリボンはカートリッジに収容されており、カートリッジを介して装置本体に供給される。
【0016】
図1に示すように、このテープ印刷装置1は、上下2分割の装置ケース3によりその装置本体2の外殻が形成され、前部にキー入力部4を、右後部にディプレイ5を、そして左後部にカートリッジ6を装着するためのポケット7を配設して、構成されている。ポケット7には窓付きの開閉蓋8が設けられており、開閉蓋8は後述するヒンジ部を介して装置本体2に開閉自在に取り付けられている。また、ポケット7の内部には後述するイジェクト機構(図4参照)9が組み込まれており、イジェクト機構9はカートリッジ6を受け入れると共に、受け入れたカートリッジ6を取り出し易い位置まで上昇させる。
【0017】
このテープ印刷装置1によりラベルを作成する場合には、先ず、開閉蓋8の隅部に位置する開放ボタン10を押して開閉蓋8を跳ね上げ後、開閉蓋8を手動で完全開放させる(図13参照)。次に、ポケット7に上側からカートリッジ6をセットし、さらにカートリッジ6を押し込んで完全に装着する。カートリッジ6を装着したら、開閉蓋8を閉塞し、テープ印刷装置1を印字待機状態にする。次に、ディプレイ5を見ながらキー入力部4を操作して、所望の入力を行う。ディプレイ5で所望の入力が確認できたら、さらにキー入力部4を操作して印字動作を指令する。
【0018】
印字動作が指令されると、カートリッジ6のテープTとインクリボンR(図2参照)が同時に走行を開始し、熱転写による印字が行われる。この印字の進行と共に、インクリボンRはカートリッジ6内で巻き取られるが、印字が行われたテープTは、装置ケース3の側面に形成したテープ排出スリット11から送り出されてゆく。印字が完了すると、余白部分用の送りが行われた後、テープTおよびインクリボンRの走行が停止する。続いて、装置本体2のオートカット機構が働いて、テープ排出スリット11の部分に収容したカッタ(図示省略)が作動し、テープTが切断される。また、カートリッジ6を取り出す場合には、開放ボタン10を押して開閉蓋8を跳ね上げ後、開閉蓋8を手動で完全開放させる。するとこの開放動作に連動してイジェクト機構9が働き、カートリッジ6は上記のセット状態まで押し上げられる(図14参照)。
【0019】
図2に示すように、カートリッジ6は、上ケース21aと下ケース21bとから成るケース21を有し、ケース21内には、テープTを巻回したテープリール22と、インクリボンRを巻回したリボン巻出しリール23と、使用後のインクリボンRを巻き取るリボン巻取りリール24とが、それぞれ回転自在に収容されている。また、ケース21内には、後述する印字ヘッド53に対峙するプラテンローラ25が、回転自在に収容されている。このプラテンローラ25とリボン巻取りリール24とが同期して回転すると、テープTおよびインクリボンRは同時に走行し、プラテンローラ25の位置で重ね合わされて、印字が行われる。印字後、インクリボンRはリボン巻取りリール24に巻き取られ、またテープTは、上記のテープ排出スリット11に連なるテープ排出口26から送り出される。
【0020】
また、カートリッジ6には、これを運搬および保管する時に、テープTの先端がテープ排出口26から内部に引き込まれないようにする機構や、インクリボンRに弛みが生じないようにする機構が組み込まれている。テープTが引き込まれないようにする機構は、図2および図9に示すように、テープリール22の円筒状軸部27の上側に配設されたコイルばね28と、円筒状軸部27の上面に形成されたクラウン歯車様の係合部29とから成り、コイルばね28の下端を径方向に折曲げて延設した線材部28aが、係合部29に付勢された状態で係合する構造になっている。なお、この線材部28aと係合部29との係合状態は、クリック的なものであり、テープTの先端を強く引くことにより、テープTをケース21から引き出すことは可能である。
【0021】
また、インクリボンRの弛みを防止する機構は、図3に示すように、リボン巻出しリール23の下端部およびリボン巻取りリール24の下端部に、それぞれ爪片30,30を係止するものである。下ケース21bの下面に形成された一対の丸孔31,31には、両リール23,24の下端部が面一に臨んでおり、この各下端部には周方向に複数の切欠き溝32が形成されている(図8参照)。また、下ケース21bには、各丸孔31に連なる部位に2本のスリットが略平行に形成され、このスリットで挟まれた部分に切欠き溝32に係止する爪片30が形成されている。このようにして、テープリール22の回転を規制し、またインクリボンRの回転を阻止してテープTおよびインクリボンRの弛みなどを防止しているが、カートリッジ6をポケット7に装着すると、これら回転規制および回転阻止がそれぞれ解除され、テープTおよびインクリボンRは走行可能な状態となる(詳細は後述する)。
【0022】
ところで、テープ(=インクリボンR)Tには、幅の異なる複数種のものが用意され、これに対応してカートリッジ6には、厚みの異なる複数種のものが用意されている。具体的には、例えばテープTは6mm、9mm、12mm、18mm、24mmおよび36mm幅の6種類があり、カートリッジ6は6mm、9mm、12mm用、18mm、24mm用および36mmの3種類がある。このうち、6mm、9mm、12mm、18mm、24mm幅のテープTは、本実施形態のテープ印刷装置1の従来機に用いられているものであり、36mm幅のテープTは本実施形態のテープ印刷装置1において使用可能としたものである。なお、図2中の符号33は、上記のテープTの幅を記載したシールであり、上ケース21aの表面に貼着されている。
【0023】
このように、本実施形態のテープ印刷装置1では、薄型カートリッジ、中型カートリッジ、厚型カートリッジの3種類のカートリッジ6が使用可能である。この場合、厚型カートリッジは薄型カートリッジのほぼ2倍の厚みがあるため、これら厚みの異なる3種類のカートリッジ6をポケット7に無理なく着脱できるように、また幅の異なる6種類のテープTに適切な印字ができるように、さらに既に出回っている薄型・中型カートリッジとの互換性を保持できるように、本実施形態のテープ印刷装置1では、イジェクト機構9を始めとする種々の構造上の工夫が為されている。以下、工夫が為された部分を中心に説明を進めるが、構造上の工夫はカートリッジ6まで及ぶため、先ずカートリッジ6の工夫部分から説明する。
【0024】
図3は、薄型カートリッジ(同図(a))6aと厚型カートリッジ(同図(b))6bの底面図である。なお、薄型カートリッジ6aの底面の構造と中型カートリッジの底面の構造とは、ほぼ同一(厚さのみ異なる)となるため、中型カートリッジの説明は省略する。同図に示すように、各カートリッジ6a,6bのケース21には、印字ヘッド53を逃げる方形の貫通開口34が形成されると共に、貫通開口34の上側にはプラテンローラ25を回転させるローラ駆動軸(図4参照)54が係合する係合孔35が形成されている。また、テープリール22に対応する位置には、上述したコイルばね28を回転規制解除させる規制解除突起(図4参照)56が挿入される挿入孔36が形成されている。
【0025】
さらに、リボン巻出しリール23およびリボン巻取りリール24に対応する位置には、上記の一対の丸孔31,31が形成され、一対の丸孔31,31のうち、リボン巻取りリール24に対応する丸孔31には、リボン巻取りリール24に係合してこれを回転させるリール駆動軸(図4参照)55が挿入される。また、薄型カートリッジ(同図(a))6aには、一対の丸孔31,31に臨んで上記の一対の爪片30,30がそれぞれ形成され、厚型カートリッジ(同図(b))6bには、リボン巻取りリール24に対応する丸孔31側にのみ爪片37が形成されている。この場合爪片30,37の位置は、薄型カートリッジ6aと厚型カートリッジ6bとでは異なっており、この薄型カートリッジ6aの爪片30の係止を解除する第1係止解除突起(図8(a)参照)57と、厚型カートリッジ6bの爪片37の係止を解除する第2係止解除突起(図8(b)参照)58も、異なる位置に配設されている(詳細は後述する)。
【0026】
一方、厚型カートリッジ6bの下ケース21bには、周縁部の数カ所に段部38が形成されている。この段部38は後述するイジェクト機構9のベースプレート(図5参照)51に形成した支持突起52を逃げるものである。すなわち、厚型カートリッジ6bでは、この段部38を除く底面全域がベースプレート51に着座する着座部39bとなり、薄型カートリッジ6aではこの段部38に対応する部分が、ベースプレート51に着座する着座部39aとなる(詳細は後述する)。また、図3(b)の厚型カートリッジ6bの左下部には、下ケース21bの底面が傾斜する傾斜部40が形成されている。この傾斜部40は、ポケット7に装着した厚型カートリッジ6bが第1係止解除突起57を押し倒すときの押圧部を構成している(詳細は後述する)。
【0027】
なお、爪片37の近傍およびその対角位置の2箇所には、各カートリッジ6a,6bをポケット7内で位置決めするための、一対の位置決め穴41,41が形成され、また爪片37が位置する各カートリッジ6a,6bの隅部には、各カートリッジ6a,6bのポケット7への装着を検出すると共にテープTの種別を検出する検出穴(テープ幅による個数および位置が異なる)42が形成されている。
【0028】
このように構成されたカートリッジ6を装置本体のポケット7に装着すると、装置本体2側から各種のアクセス部材がカートリッジ6に臨む。図4は、イジェクト機構9のベースプレート51が下降端位置にある状態のポケット7の底部を表している。同図に示すように、イジェクト機構9のベースプレート51には、上記の支持突起52が3箇所(図17参照)に設けられている。また、ベースプレート51の切欠き部分からポケット7に臨むように、印字ヘッド53、ローラ駆動軸54、リール駆動軸55、規制解除突起56、第1係止解除突起57および第2係止解除突起58が設けられている。この場合、印字ヘッド53のみ、カートリッジ6の貫通開口34が挿通するヘッドカバー59に覆われている。さらに、上記の位置決め穴41に対応する一対の位置決め突起60,60および上記の検出穴42に対応する検出スイッチ61の3個のプッシャが設けられている。なお、図中の符号62,62は、ポケット7に装着されたカートリッジ6の両側部に係合して、カートリッジ6を不動に保持する一対の係合爪片である。
【0029】
ここで、カートリッジ6自体およびカートリッジ6の構成部品と、装置本体2側のアクセス部品との関係を、薄型カートリッジ6aを装着した場合と厚型カートリッジ6bを装着した場合とで、比較しながら説明する。
【0030】
図5(a)は、ポケット7に薄型カートリッジ6aを装着した場合を、図5(b)は、ポケット7に厚型カートリッジ6bを装着した場合を模式的に表している。上述したように、厚型カートリッジ6bでは、段部38を除く底面全域がベースプレート51に着座する着座部39bとなり、薄型カートリッジ6aではこの段部38に対応する部分が、ベースプレート51に着座する着座部39aとなっている。一方、ベースプレート51には、3点支持となるように、その周縁部の3箇所を上側に切り起こして3個の支持突起52,52,52が形成されている。すなわち、3個の支持突起52,52,52により薄型カートリッジ6aを支持する第1支持部が構成され、ベースプレート51の平坦面により厚型カートリッジ6bを支持する第2支持部が構成されている。
【0031】
したがって、ポケット7に薄型カートリッジ6aを装着すると、薄型カートリッジ6aは、3個の支持突起52によりベースプレート51の平坦面から浮いた状態で支持される(同図(a)参照)。一方、ポケット7に厚型カートリッジ6bを装着すると、厚型カートリッジ6bは、段部38の部分で3個の支持突起52を逃げ、ベースプレート51の平坦面に支持される(同図(b)参照)。このように、薄型カートリッジ6aおよび厚型カートリッジ6bを装着した場合に、薄型カートリッジ6aはポケット7の浅い位置に支持され、厚型カートリッジ6bはポケット7の深い位置に支持されて、薄型カートリッジ6aがポケットに深く装着されることがない。
【0032】
したがって、イジェクト機構9の昇降ストークを、カートリッジ6の厚さにより変えなくても、各種のカートリッジ6を取り出し易い位置まで、上昇(浮上)させることができる。また、薄型カートリッジ6aには、特別な加工を施す必要がないため、既に出回っているものをそのまま使用することができる。なお、この実施形態では、3個の支持突起52により薄型カートリッジ6aを支持するようにしているが、薄型カートリッジ6aをポケット7の浅い位置に、厚型カートリッジ6bを深い位置に支持できる限り、その支持構造や支持部材の個数は任意である。またこの構造は、イジェクト機構9が無いものにも適用可能である。
【0033】
一方、同図に示すように、厚型カートリッジ6bではテープ(およびインクリボンR:36mm)Tが、その厚みいっぱいに収容されているが、薄型カートリッジ6aではテープ(およびインクリボンR:6mm)Tが、上側に寄った位置に収容されている。このため、両テープTの幅方向の中心位置は、ほぼポケット7との深さの中間位置となる。この状態を、図6を参照して、印字ヘッド53およびプラテンローラ25の関係において説明する。印字ヘッド53は、上下方向にアレイ状の発熱素子64を備えており、上下方向の中間位置で弱いばね65により中立位置を保持するようにして揺動自在に支持されている。このため、プラテンローラ25側に発熱素子64を均一に押し付け得るようになっている。
【0034】
例えば、同図(a)において、テープ(6mm)Tの位置が下側に偏っていると、これに印字ヘッド53を押し付けたときに、印字ヘッド53が傾き、テープ(6mm)Tの下端と発熱素子64との間に隙間が生じ、印字結果が不鮮明になる。したがって、各種テープTの幅方向の中心を、ほぼポケット7との深さの中間位置、すなわち印字ヘッド53の上下方向の中間位置になるようにしていることにより、幅の異なるテープTを使用しても、印字が不鮮明になることがない。
【0035】
次に、図7を参照して、カートリッジ6のプラテンローラ(回転体)25とローラ駆動軸54との関係について説明する。同図に示すように、カートリッジ6には、上記の係合孔35に臨んでプラテンローラ25の軸部材67が配設されており、軸部材67には、下端部の太軸孔68と、これに連なり上側に延びる細軸孔69とが形成されている。一方、ローラ駆動軸54は、上部で太軸孔68に係合すると共に下部で駆動源に連結された駆動軸本体70と、駆動軸本体70を回転自在にかつ軸方向に移動可能に軸支したセンターピン71と、駆動軸本体70を上側に付勢するコイルばね72とで、構成されている。
【0036】
駆動軸本体70は、上記の太軸孔68にスプライン様に係合する係合部73と、駆動源側の出力軸74に噛み合う歯車部75とで構成されている。センターピン71は、上記の細軸孔69に挿通するピン本体76と、ピン本体76を支持する支持部77とで構成されている。駆動軸本体70の歯車部75を含む下部は、センターピン71の支持部77を覆うように設けられており、駆動軸本体70の下部内周面と、センターピン71の支持部77外周面との間の間隙に、コイルばね72が装着されている。
【0037】
同図(a)は、ポケット7に薄型カートリッジ6aを装着した場合を示し、同図(b)は、ポケット7に厚型カートリッジ6bを装着した場合を示している。同図に示すように、薄型カートリッジ6aを装着すると、上記のように薄型カートリッジ6aはポケット7の浅い位置に支持される。このため、コイルばね72に付勢された駆動軸本体70は、小さく沈み込み、プラテンローラ25との係合状態を維持する。また、厚型カートリッジ6bを装着すると、上記のように厚型カートリッジ6bはポケット7の深い位置に支持される。このため、コイルばね72に付勢された駆動軸本体70は、大きく沈み込み、プラテンローラ25との係合状態を維持する。すなわち、ローラ駆動軸54は、薄型、厚型のいずれのカートリッジ6a,6bにも適切に係合し、これを回転させる。
【0038】
次に、図8を参照して、カートリッジ6の爪片30,37と装置本体2側の第1係止解除突起57および第2係止解除突起58との関係について説明する。同図に示すように、第1係止解除突起57は一対の突起部80,80と、一対の突起部80,80を連結する連結部81と、一対の突起部80,80を連結部81を介して起立するように付勢する捻りコイルばね82とで構成されている。連結部81は、装置本体2側に回動自在に支持され、また一対の突起部80,80はポケット7に装着した薄型カートリッジ6aの一対の爪片30,30に対応するように配設されている。一方、第2係止解除突起58はリール駆動軸55の近傍に固定的に立設されている。この場合、第2係止解除突起58は、ポケット7に装着した薄型カートリッジ6aの下面より低い位置に配設されている。
【0039】
同図(a)に示すように、ポケット7に薄型カートリッジ6aを装着すると、薄型カートリッジ6aの一対の爪片30,30に、第1係止解除突起57の一対の突起部80,80が係合し、各爪片30が折り曲げられて、リボン巻出しリール23の切欠き溝32およびリボン巻取りリール24の切欠き溝32との係止状態が、それぞれ解除される。これにより、リボン巻出しリール23およびリボン巻取りリール24は回転可能な状態になる。また、この場合薄型カートリッジ6aは、ポケット7の浅い位置に支持されており、薄型カートリッジ6aの底面は第2係止解除突起58の上側に位置していて、これに干渉することがない。
【0040】
一方、同図(b)に示すように、ポケット7に厚型カートリッジ6bを装着すると、厚型カートリッジ6bの爪片37に、第2係止解除突起58が係合し、爪片37が折り曲げられて、リボン巻取りリール24の切欠き溝32との係止状態が解除される。また、厚型カートリッジ6bの上記傾斜部(図3(b)参照)40が、第1係止解除突起57の一対の突起部80,80に当接し、これを捻りコイルばね82に抗して押し倒す。これにより、第1係止解除突起57は、厚型カートリッジ6bから逃げ、厚型カートリッジ6bの装着が許容される。
【0041】
このように、薄型カートリッジ6aを装着しても、第2係止解除突起58はこれから逃げており、また厚型カートリッジ6bを装着すると、第1係止解除突起57は押し倒されるため、薄型カートリッジ6aに対する第1係止解除突起57の係止、および厚型カートリッジ6bに対する第2係止解除突起58の係止を支障なく行わせることができる。
【0042】
次に、図9を参照して、カートリッジ6のテープリール22と装置本体2側の規制解除突起56との関係について説明する。同図に示すように、規制解除突起56は装置本体2に立設され、ベースプレート51の中央部を貫通するようにして上方に延びている。規制解除突起56の先端部は二股に形成されており、この二股の基端面が薄型カートリッジ6aのコイルばね28が当接する第1押圧部84となっており、また二股の先端面が厚型カートリッジ6bのコイルばね28が当接する第2押圧部85となっている。具体的には、テープリール22の円筒状軸部27に配設されたコイルばね28の線材部28aは、薄型カートリッジ6aにおいては縦方向に延び、厚型カートリッジ6bにおいては横方向に延びている。これに対応して、規制解除突起56は、第1押圧部84が縦方向に延在するように設けられている。
【0043】
同図(a)に示すように、ポケット7に薄型カートリッジ6aを装着すると、薄型カートリッジ6aのコイルばね28の線材部28aが第1押圧部84に当接して浮き上がり、その係合部29との係合状態が解除される。これにより、テープリール22が回転可能な状態になる。また、同図(b)に示すように、ポケット7に厚型カートリッジ6bを装着すると、厚型カートリッジ6bのコイルばね28の線材部28aが第2押圧部85に当接して浮き上がり、その係合部29との係合状態が解除される。
【0044】
このように、薄型カートリッジ6aを装着すると、その線材部28aは第2押圧部85を避けて第1押圧部84に当接し、厚型カートリッジ6bを装着すると、その線材部28aは第1押圧部84に達することなく第2押圧部85に当接する。したがって、ポケット7に薄型、厚型のいずれのカートリッジ6a,6bを装着しても、コイルばね28の係合部29からの係合解除を適切かつ確実に行うことができる。
【0045】
次に、開閉蓋8および開閉蓋8廻りの構造について詳細に説明する。図10および図11に示すように、開閉蓋8は蓋本体91の中央に窓92を有すると共に、左部が装置本体2のテープ排出スリット11の部分に合わせて「V」字状に形成されている。開閉蓋8の裏面後部には、ヒンジ部を構成する左右一対のヒンジ片93,93が形成されており、各ヒンジ片93には円形の係合孔94が形成されている。両ヒンジ片93,93は、装置本体2の後部に形成した左右一対のスリット95,95に差し込まれ、スリット95内に突出する係合突起(図示省略)に回動自在に係合している。この各係合突起は半球形に形成され、開閉蓋8の幅方向外側から係合孔94に係合している。すなわち、この一対のヒンジ片93,93と一対の係合突起とにより、開閉蓋8のヒンジ部が構成されている。
【0046】
また、各ヒンジ片93はばね性を有し、その各係合孔94は各係合突起に対し離脱可能に構成されている。このため、開閉蓋8に無理な力が加わると、開閉蓋8は装置本体2から離脱する。すなわち、この実施形態では、カートリッジ6がポケット7に完全に装着されない状態で開閉蓋8を無理に閉塞しようとすると、閉塞阻止部材96が邪魔してヒンジ片93が装置本体2から外れるようになっている。
【0047】
この構造を具体的に説明すると、図10に示すように、イジェクト機構9の後端部中央には、長方形の閉塞阻止部材96が突設されており、これに対応して、開閉蓋8の裏面の後端部中央には受け部材97が突設されている。閉塞阻止部材96は、基部でイジェクト機構9のベースプレート51に回動自在に取り付けられると共に、図外のばねにより起立方向に付勢されている。このため、閉塞阻止部材96は、ベースプレート51と共に昇降し、かつばねに抗して前倒し可能に取り付けられている。すなわち、同図のように、カートリッジ6がポケット7にセットされていない状態(ただし、ベースプレート51は上昇端位置にある)で開閉蓋8を閉塞すると、閉塞阻止部材96は受け部材97に押されて前倒しの状態になる。しかし、カートリッジ6がポケット7にセットされている状態(図14参照)で開閉蓋8を閉塞すると、閉塞阻止部材96はカートリッジ6により起立状態を保持され、開閉蓋8が閉塞阻止部材96からの反力で装置本体2から脱落する。
【0048】
後述するように、ベースプレート51が上昇端位置にある場合において、ポケット7にセットしたカートリッジ6は、ポケット7に完全に装着されておらず、仮装着の状態にある。したがって、開閉蓋8を閉塞を阻止する閉塞阻止部材96を設けることにより、使用者にカートリッジ6が仮装着の状態にあることを気付かせることができる。しかも、これに気付かず開閉蓋8を閉塞しても、単に開閉蓋8が外れるだけなので、開閉蓋8或いはカートリッジ6の破損を有効に防止することができる。また、カートリッジ6がセットされていない状態では、閉塞阻止部材96の阻止機能が働かないようになっているため、開閉蓋8を閉塞することができ、装置本体2を簡単に待機状態にすることができる。
【0049】
ところで、左右のヒンジ片93,93のうち左側のヒンジ片93は、下方に延設されている。この延設部98は、イジェクト機構9に係合するものであり、イジェクト機構9のロックを解除すると共に、イジェクト機構9のばね(図示せず)と協働して開閉蓋8の半開き状態(開放途中位置)に保持する。すなわち、閉塞状態にある開閉蓋8に対し、開放ボタン10を押すと開閉蓋8は、イジェクト機構9のばねにより跳ね上げられて半開き状態になる。さらに、半開き状態の開閉蓋8を手で完全開放に向かって開くと、イジェクト機構9のロックが解除されて、イジェクト機構9のベースプレート51が下降端位置から上昇端位置に移動して、イジェクト動作が行われる(詳細は後述する)。
【0050】
一方、開閉蓋8の裏面前部には横向きにフック片99が設けられており、このフック片99が、装置本体2側の開放操作機構100に係脱されるようになっている。開放操作機構100は、図12に示すように、上記の開放ボタン10と、開放ボタン10により動作する係止部材101と、係止部材101を係止方向に付勢する図外のばねとで構成されている。係止部材101は、中間位置で装置本体2に回動自在に軸支されており、中間上部には上記のフック片99が掛け止めされるフック受け片部102が形成されている。また、係止部材101の一方の端部には開放ボタン10が当接する当接片部103が、他方の端部には開閉蓋8を押圧する押圧片部104が形成されている。
【0051】
開閉蓋8を閉塞すると、フック片99はばねに抗して係止部材101を回動させフック受け片部102に掛け止めされる。一方、閉塞状態の開閉蓋8に対し、開放ボタン10を押釦すると、ばねに抗して係止部材101を回動し、フック受け片部102からフック片99が外れると共に押圧片部104が開閉蓋8を押し、上述したように開閉蓋8はイジェクト機構9のばねにより跳ね上げられる。なお、図中の符号105は、図外のリンクを介して印字ヘッド53をプラテンローラ25側に押し付ける操作子である。印字ヘッド53は、開閉蓋8が開放している状態では、カートリッジ6の装着を許容できるように、装着待機位置に回動しているが、開閉蓋8を閉塞すると、この操作子105により印字ヘッド53は、プラテンローラ25側に回動して印字可能な状態になる。
【0052】
次に、図13ないし図16を参照して、開閉蓋8の開放動作をカードリッジ6のイジェクト動作と共に説明する。図1に示すように開閉蓋8が完全閉塞している状態から、先ず開放ボタン10を押釦して開閉蓋8を半開きの状態に開放し、さらに手で開閉蓋8を完全開放する。この状態では、イジェクト機構9のベースプレート51は上昇端位置にある(図13参照)。次に、所望のカートリッジ6を、このベースプレート51に載せるようにしてポケット7にセットする。この状態では、カートリッジ6は下半部がポケット7に挿入され浮き上がった状態になっている(図14参照)。
【0053】
次に、カートリッジ6を下方に押して、ポケット7に深く押し込むようにする。カートリッジ6が所定の深さまで押し込まれると、ベースプレート51がロックされ、カートリッジ6はポケット7に適切に装着された状態になる(図15参照)。そして、次に図1のように開閉蓋8を閉塞する。開閉蓋8が閉塞されると、印字ヘッド53がカートリッジ6のプラテンローラ25側に押し当てられ、印字待機状態となる。
【0054】
以降、キー操作により文字などの入力を行い、さらに印字動作を行わせるが、この時点(印字動作前)で、ポケット7に装着したカートリッジ6のシール33を確認したくなることがある。すなわち、カートリッジ6に搭載したテープTの幅などを確認したくなることがある。かかる場合には、再度、開放ボタン10を押釦して開閉蓋8を半開きの状態に開放する(図16参照)。このようにして、カートリッジ6の上面を開放しシール33の確認を行う。
【0055】
この確認により、カートリッジ6を交換する必要がなければ、再度手で、半開きの状態の開閉蓋8を閉塞する。また、カートリッジ6を交換する必要があれば、手で、半開きの状態の開閉蓋8を完全開放する。開閉蓋8を完全開放すると、これに連動してベースプレート51のロックが解除され、ベースプレート51が下降端位置から上昇端位置まで移動して、カートリッジ6を浮上させる(図14の状態)。そして、カートリッジ6を交換した後は、上記と同様に手順でカートリッジ6を装着し、且つ開閉蓋8を閉塞する。
【0056】
一方、印字が完了してカートリッジ6を取り出す場合には、先ず開放ボタン10を押釦して開閉蓋8を半開きの状態にする(図16の状態)。次に、手で開閉蓋8を完全開放し、上記と同様にカートリッジ6を浮上させる(図14の状態)。そして、カートリッジ6を取り去った後、開閉蓋8を完全に閉塞する(図1の状態)。
【0057】
このように本実施形態では、カートリッジ6を印字可能な位置に装着した状態で、開閉蓋8を半開き状態に開放することができる。このため、カートリッジ6をポケット7に装着したまま、そのシール33などを確認することができる。また、この半開き状態から、開閉蓋8を閉塞して印字待機状態に迅速に戻すことができると共に、開閉蓋8を開放してカートリッジ6の交換を迅速に行うことができる。したがって、シール33確認の煩雑さがなく、かつ印字動作への移行を迅速に行うことができる。特に、シール33の確認は、文字の入力後であって印字動作前に行うことが多く、かかる場合に、誤ってキーを押してしまうなどの支障が生じ難く、かつ確認から印字開始までの時間を短くすることができる。
【0058】
次に、図17、図18および図19を参照して、イジェクト機構9について説明する。これらの図に示すように、イジェクト機構9は、装置本体2に固定した固定プレート110と、固定プレート110の上側に配設したベースプレート51と、ベースプレート51を昇降自在に支持する一対のXリンク111,111とを備えている。各Xリンク111は、ベースプレート51の前側および後側にそれぞれ配設され、ベースプレート51を上下方向に平行移動させる。
【0059】
各Xリンク111は、中間位置で相互に回動自在に連結した2個のリンク112,112から成り、2個のリンク112,112の一方の端部は、ピン113,113を介してそれぞれ固定プレート110およびベースプレート51に回動自在にかつ水平方向にスライド自在に取り付けられている。また、2個のリンク112,112の他方の端部は、ピン113,113を介してそれぞれ固定プレート110およびベースプレート51に回動自在に取り付けられており、下側のピン113には捻りコイルばね114が巻回されている。捻りコイルばね114は、Xリンク111を閉脚させる方向、すなわちベースプレート51を上昇させる方向に付勢している。
【0060】
一方、Xリンク111が取り付けられたベースプレート51の立上げ部分には、一対の角孔115,115が形成されており、この角孔115にはロック爪116が係脱自在に臨んでいる。ロック爪116は、固定プレート110の下側に配設した作動リンク(図示省略)の前端部に連結され、作動リンクの後端部は、開閉蓋8のヒンジ片93が対峙する作動レバー117に連結されている。作動レバー117は、固定プレート110に回動自在に取り付けられると共に、図外のばねにより後方斜めに向く姿勢を中立位置として、両回動方向に付勢されている。
【0061】
開閉蓋8が閉塞されている状態では、ヒンジ片93の前側の湾曲部93aが作動レバー117の上側に当接しており、開閉蓋8は開放方向に軽く付勢されている。また、開閉蓋8が半開きの状態では、作動レバー117は中立位置にあって、開閉蓋8を半開きの状態に軽く保持している。この状態から開閉蓋8を開放方向に回動させると、ヒンジ片93の湾曲部93aは作動レバー117から離れ、これに代わってヒンジ片93の先端部である延設部98が、作動レバー117の下側に回り込み、ばねに抗して作動レバー117を起立方向(手前)に回動させる。作動レバー117が手前に回動すると、作動リンクを介してロック爪116が角孔115から離脱し、ベースプレート51はロック状態を解かれ、捻りコイルばね114により上昇する。
【0062】
更に、作動レバー117が手前に大きく回動すると、ヒンジ片93の延設部98は作動レバー117から離脱し、作動レバー117は中立位置に復帰する一方、開閉蓋8は自由状態となって完全開放される。なお、ベースプレート51の下降端位置は、ロック爪116が角孔115に係合する位置であり、上昇端位置は、Xリンク111のスライド側のピン113がスライド端位置に当接する位置である。また、図中の符号118は、ベースプレート51に形成した鋸刃片であり、この鋸刃片118は図外の制動歯車に噛み合って、ベースプレート51の上昇を制動する。すなわち、ベースプレート51は、ロック解除の後ゆっく上昇する(図21参照)。
【0063】
次に、図20および図21を参照して、イジェクト機構9の動作を簡単に説明する。図20は上記の図14に対応する状態であり、Xリンク111は閉脚状態にある。この状態からカートリッジ6を押圧すると、Xリンク111は開脚状態になってゆき、ベースプレート6が下降端位置に達するとロック爪116が角孔115に係合して、ベースプレート51がロックされると共に、カートリッジ6が完全に装着される(図21および図15参照)。一方、半開き状態の開閉蓋8を開放方向に回動(開放)させると、ロック爪116が角孔115から外れ(ロック解除)、Xリンク111は閉脚状態に変化しながらベースプレート51を上昇端位置まで上昇させる(図20参照)。
【0064】
このように、半開き状態の開閉蓋8を開放方向に回動させる動作をトリガとして、イジェクト機構9を動作させるようにしているため、イジェクト機構9を違和感なく操作することができる。また、カートリッジ6をポケット7に押し込むことで、イジェクト機構9を下降端位置に戻すようにしているため、イジェクト機構9自体、動力を必要とすることなく簡単に構成することができる。しかも、使用者はカートリッジ6の押込み動作により、カートリッジ6の適切な装着を確認することができる。
【0065】
なお、本発明は、厚みの異なる複数種のテープカートリッジを用いる各種のテープ印刷装置に適用できることは、いうまでもない。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明のテープ印刷装置によれば、薄型のカートリッジをポケットの浅い位置に支持し、厚型のカートリッジをポケットの深い位置に支持するようにしているので、薄型のカートリッジおよび厚型のカートリッジが使用可能であると共に、これらの着脱をカートリッジの取出し溝を深くすることなく、簡単に行うことができる。また、機器本体に対するテープ状部材の位置が薄型、厚型のカートリッジで大きく変わることがないので、カートリッジの影響を受けることなく、テープ状部材への印刷を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置の外観斜視図である。
【図2】テープ印刷装置用のテープカートリッジの部分破断平面図である。
【図3】薄型カートリッジ(a)および厚型カートリッジ(b)を裏面側から見た斜視図である。
【図4】開閉蓋を取り外した状態のポケット廻りの斜視図である。
【図5】薄型カートリッジ(a)および厚型カートリッジ(b)をポケットに装着した状態の側面図である。
【図6】薄型カートリッジのテープ(a)および厚型カートリッジのテープ(b)と、印字ヘッドとの位置関係を模式的に表した断面図である。
【図7】薄型カートリッジのプラテンローラ(a)および厚型カートリッジのプラテンローラ(b)と、ローラ駆動軸との関係を表した断面図である。
【図8】薄型カートリッジの巻取り・巻出しリール(a)および厚型カートリッジの巻取り・巻出しリール(b)と、係止解除突起との関係を表した構造図である。
【図9】薄型カートリッジのテープリール(a)および厚型カートリッジのテープリール(b)と、規制解除突起との関係を表した構造図である。
【図10】開閉蓋と装置本体との関係を表した開閉蓋廻りの斜視図である。
【図11】開閉蓋を裏面側から見た斜視図である。
【図12】開閉蓋と開放操作機構との関係を表した斜視図である。
【図13】開閉蓋を完全開放した状態のテープ印刷装置の斜視図である。
【図14】カートリッジをセットした状態のテープ印刷装置の斜視図である。
【図15】カートリッジを完全に装着した状態のテープ印刷装置の斜視図である。
【図16】開閉蓋を半開きにした状態のテープ印刷装置の斜視図である。
【図17】イジェクト機構と開閉蓋との関係を表したイジェクト機構廻りの斜視図である。
【図18】イジェクト機構の主要部を前方から見た斜視図である。
【図19】イジェクト機構の主要部を後方から見た斜視図である。
【図20】上昇したイジェクト機構とカートリッジとの関係を表した斜視図である。
【図21】下降したイジェクト機構とカートリッジとの関係を表した斜視図である。
【符号の説明】
1 テープ印刷装置
2 装置本体
6 カートリッジ
6a 薄型カートリッジ
6b 厚型カートリッジ
7 ポケット
9 イジェクト機構
21 ケース
22 テープリール
23 リボン巻出しリール
24 リボン巻取りリール
25 プラテンローラ
28 コイルばね
28a 線材部
30 爪片
32 切欠き溝
37 爪片
38 段部
39a 着座部
39b 着座部
40 傾斜部
51 ベースプレート
52 支持突起
53 印字ヘッド
54 ローラ駆動軸
55 リール駆動軸
56 規制解除突起
57 第1係止解除突起
58 第2係止解除突起
70 駆動軸本体
71 センターピン
73 コイルばね
82 捻りコイルばね
84 第1押圧部
85 第2押圧部
T テープ
R インクリボン

Claims (2)

  1. 機器本体が、インクリボンをリールに巻回した状態で収容したカートリッジを着脱自在に装着するポケットを備え、当該ポケットが、少なくとも幅狭のインクリボンを収容した薄型カートリッジおよび幅広のインクリボンを収容した厚型カートリッジを受容可能に構成されたテープ印刷装置において、
    前記薄型カートリッジには、前記リールの回転を阻止する第1阻止片が設けられ、前記厚型カートリッジには、前記リールの回転を阻止する第2阻止片が設けられ、
    前記機器本体は、前記ポケットに臨み、前記薄型カートリッジの着座部を当該ポケットの浅い位置に受ける第1支持部および前記厚型カートリッジの着座部を当該ポケットの深い位置に受ける第2支持部を有すると共に、前記ポケットに臨み、前記第1阻止片の阻止状態を解除させると共に当該ポケットから退避可能に構成された第1解除部材および前記第2阻止片の阻止状態を解除させる第2解除部材を有し、
    前記第1支持部は、前記ポケットに装着した前記厚型カートリッジの着座部に対し相対的に逃げた位置に配設され、
    前記第2支持部は、前記ポケットに装着した前記薄型カートリッジの着座部に対し相対的に逃げた位置に配設され、
    前記第2解除部材は、前記ポケットに装着した前記薄型カートリッジに対し相対的に逃げた位置に配設され、
    前記厚型カートリッジには、前記ポケットへの装着に伴い前記第1解除部材を前記ポケットから退避させる押圧部が形成されていることを特徴とするテープ印刷装置。
  2. 機器本体が、印刷対象物であるテープ状部材を収容したカートリッジを着脱自在に装着するポケットを備え、当該ポケットが、少なくとも幅狭のテープ状部材を収容した薄型カートリッジおよび幅広のテープ状部材を収容した厚型カートリッジを受容可能に構成されたテープ印刷装置において、
    前記各カートリッジには、前記テープ状部材を巻回したテープリールと当該テープリールの回転を規制する回転規制部材とがそれぞれ設けられ、
    前記機器本体は、前記ポケットに臨み、前記薄型カートリッジの着座部を当該ポケットの浅い位置に受ける第1支持部および前記厚型カートリッジの着座部を当該ポケットの深い位置に受ける第2支持部を有すると共に、前記ポケットに臨み、前記各回転規制部材を規制解除状態に相対的に押圧する規制解除突起を有し、
    前記第1支持部は、前記ポケットに装着した前記厚型カートリッジの着座部に対し相対的に逃げた位置に配設され、
    前記第2支持部は、前記ポケットに装着した前記薄型カートリッジの着座部に対し相対的に逃げた位置に配設され、
    前記規制解除突起は、前記薄型カートリッジの前記回転規制部材を押圧する第1押圧部と、前記厚型カートリッジの前記回転規制部材を押圧する第2押圧部とを有し、
    前記第1押圧部は、前記ポケットに装着した前記厚型カートリッジの前記回転規制部材に対し相対的に逃げた位置に配設され、
    前記第2押圧部は、前記ポケットに装着した前記薄型カートリッジの前記回転規制部材に対し相対的に逃げた位置に配設されていることを特徴とするテープ印刷装置。
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