JP3564038B2 - 軸封装置 - Google Patents

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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転軸等といった運動軸を異なる環境領域の間で軸封する軸封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の産業分野では、異なる環境に置かれた2つの領域にわたって回転軸等といった運動軸を配設し、一方の領域の環境が他方の領域の環境から影響を受けないように軸封した状態で上記一方の領域内で上記運動軸の運動を利用して適宜の処理を行うようにした処理装置が知られている。
【0003】
例えば、PVD(Physical Vapor Deposition:物理的薄膜成長法)装置やCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的薄膜成長法)装置では、真空環境に置かれた処理領域又は特定のガス雰囲気に置かれた処理領域内に半導体基板を配置すると共にそれらの領域内へ回転軸を導入し、上記処理領域が外部環境によって汚染されないように軸封した状態で、上記回転軸によって半導体基板を回転させながらその半導体基板に対して所定の処理が行われる。
【0004】
上記のような処理装置として、例えば図4に示すように、例えば隔壁52に囲まれて真空に設定された第1領域R1と大気圧である第2領域R2との間にわたって運動軸としての回転軸53を設けた処理装置がある。この装置では、回転軸53を軸封装置51によって軸封して第1領域R1の真空状態が第2領域R2によって影響されないように保持し、回転軸53の第1領域R1内の先端に被処理物体、例えば半導体基板54を取り付け、さらに、回転軸53の外部端にモータ59及びベルト等といった動力伝達系58を含んだ駆動機構57を取り付ける。駆動機構57によって回転軸53が回転駆動されて被処理物体54が回転する間に、真空環境を必要条件とする所定の処理が被処理物体54に対して行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に模式的に示した従来の軸封装置では、回転軸53すなわち運動軸が中実軸であり、その中実軸の先端に接着又は適宜の固定具によって被処理物体54が固定されていた。このため、隔壁52には回転軸53を導入するための開口以外に被処理物体54を挿入するための挿入口が必要であった。この挿入口に関しては、第1領域R1の環境を保持するための特別な密封構造を施す必要があり、そのため、隔壁52の構造が複雑且つ大型にならざるを得ないと共にコストが高くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、軸封装置によって封止される運動軸のまわりの構造を簡単にすることのできる軸封装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記の目的を達成するため、本発明に係る軸封装置は、物体に運動を与える運動軸であって前記物体を含む第1領域とそれとは異なった第2領域との間にわたって設けられた運動軸に設けられたシール手段を有し、該シール手段は前記運動軸の運動を許容しつつ該運動軸を前記第1領域と前記第2領域との間で封止する軸封装置において、前記運動軸は前記第1領域に面する開口及び該開口につながる中空部を有し、前記物体は該中空部を介して前記開口に取り付けられることを特徴とする。
【0008】
上記構成において、「運動軸」とは、回転軸、直動軸、その他任意の運動を行う軸部材である。また、「第1領域」と「第2領域」とは、何等かの意味で環境が異なっている領域のことであり、例えば、気圧が異なっていたり、ガス雰囲気が異なっていたりする複数の領域のことである。また、「シール手段」としては、磁気シール装置、メカニカルシール装置、その他任意のシール用機器を用いることができる。
【0009】
上記構成の軸封装置によれば、運動軸によって運動を与えられる物体は該運動軸の中空部を通して第1領域内へ装着されるので、第1領域を形成する部材、例えば隔壁には物体を挿入するための挿入口等を設ける必要がなくなる。よって、運動軸のまわりの構造を小型且つ簡単にすることができ、コストも低減できる。
【0010】
なお、本発明の軸封装置は種々の条件の第1領域及び第2領域にわたって配設できる。例えば、第2領域は作業員が存在する空間と同じ気圧及びガス雰囲気である大気圧領域とし、第1領域は真空とすることができる。また、第1領域を真空に代えて、低圧力や、大気圧のガス雰囲気や、圧力の高いガス雰囲気等とすることもできる。
【0011】
(2) 上記(1)項に記載した構成の軸封装置において、前記運動軸の前記開口には前記物体を支持するための物体支持部を設けることが望ましい。この物体支持部は任意の構造によって構成できるが、例えば、運動軸の半径方向すなわち内部方向へ適宜の寸法で張り出す張出し部を数ヶ所設けることによって構成でき、この場合には、それらの張出し部によって物体を受けることにより、物体を運動軸の開口の所に支持できる。
【0012】
(3) 上記各項に記載した構成の軸封装置において、前記運動軸は回転軸であることが望ましい。
【0013】
(4) 上記各項に記載した構成の軸封装置において、前記シール手段は前記運動軸の外周に磁性流体膜を形成して該磁性流体膜によって該運動軸を前記第1領域と前記第2領域との間で封止することが望ましい。この構成はシール手段として、いわゆる磁気シール装置を用いる構成である。
【0014】
「磁性流体」は、磁性体から成る金属微粒子を界面活性剤の助けを借りて非磁性の流体媒体にコロイド状に分散させることによって形成された流体である。例えば、炭化水素、炭化フッ素、脂肪酸等から成る流体にフェライトその他の磁性流体粉を分散させた流体とすることができる。また、金属微粒子は、例えば、MnZnFeから成る直径100Å程度の微粒子によって構成できる。
【0015】
磁気シール装置を用いて軸封を行えば、メカニカルシール装置やOリング等を用いて軸封を行う場合に比べて、第1領域及び第2領域のそれぞれの環境を明確に遮蔽でき、特に低圧領域への圧力漏れや、不純ガスを含まないクリーンな領域へのガス漏れ等を確実に防止できる。
【0016】
(5) 上記(3)項に記載した構成、すなわち、運動軸として回転軸を用いる構成の軸封装置に関しては、前記運動軸を支持する一対の軸受と、それらの軸受を支持するケーシングと、前記運動軸の軸方向に関して前記一対の軸受の間に設けられると共に前記ケーシングによって支持されるモータとを設けることが望ましい。そして、該モータは前記ケーシングに固定されたステータを有すると共に前記運動軸をロータとすることが望ましい。
【0017】
この構成は、運動軸としての回転軸を駆動するための駆動源を軸封装置の内部に組み込まれる、いわゆるビルトイン方式のモータ、特にダイレクトドライブ方式のモータとするものである。
【0018】
回転軸の駆動方法としては、上記のビルトイン方式以外に、外付けモータの動力をベルト等といった動力伝達系を用いて回転軸へ伝達するという構成が考えられるが、そのような外付け動力源を用いた方法では、振動が大きくなり、高速回転ができず、駆動系を含めた軸封装置の形状が大きくなるという問題が考えられる。
【0019】
それに対し、ビルトイン方式を用いた構成によれば、運動軸を回転させたときの振動が少なく、ベルト荷重等の場合に見られる偏荷重もないので安定した回転が得られる。この結果、長寿命、高速化、一定速回転、クリーン環境を実現できるので、特に、PVD装置やCVD装置等といった塵等の無いクリーンな環境を必要とする大型高速精密回転機器のシールに好適である。また、外付け動力源を用いる場合に比べて形状を著しく小型にできる。
【0020】
(6) 上記(5)項に記載した構成の軸封装置に関しては、前記ケーシングに蓋部材を設け、前記運動軸は前記第1領域に面する開口の反対側に第2開口を有し、該第2開口は前記蓋部材によって前記第2領域から塞がれ、前記蓋部材には前記運動軸の中空部に挿入される冷却液通流管が設けられることが望ましい。この構成は、運動軸に設けた中空部を物体挿入用として用いることに加えて、冷却機器の設置スペースとして用いるものである。
【0021】
この構成によれば、第1領域を形成する部材、例えば隔壁には物体を挿入するための挿入口等を設ける必要がなくなると共に、冷却用機器を付設するための構造も必要が無くなるので、運動軸のまわりの構造をより一層小型且つ簡単にすることができ、コストもより一層低減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る軸封装置の一実施形態を示している。ここに示す軸封装置1は、隔壁2によって囲まれた第1領域R1と隔壁1の外側領域である第2領域R2との間に設けられる運動軸としての回転軸3を第1領域R1と第2領域R2との間で軸封するために用いられる。この軸封により、回転軸3の自己軸Xまわりの回転が許容され、さらに第1領域R1内の環境と第2領域R2内の環境とが互いに影響を及ぼし合うことを防止する。
【0023】
第1領域R1は、例えば、大気圧よりも低い気圧に減圧され、しかもその内部は塵等といった汚染物が少ないクリーンな状態に設定される。そして、第2領域R2は、例えば、一般的な地上雰囲気状態、具体的には大気圧で塵等を含む状態に設定されている。第1領域R1内に存在する回転軸3の先端には概ね円盤形状の被処理物体4、例えば半導体基板が取り付けられ、この物体4には、低圧でクリーンな環境下で物体4を回転させることを必要条件とする適宜の処理、例えば薄膜形成処理が行われる。
【0024】
軸封装置1は、ボルトその他の締結手段によって隔壁2に固定された第1ケーシング6aと、隔壁2の外側においてその第1ケーシング6aに固定される第2ケーシング6bとによって構成されるケーシング6を有する。このケーシング6は、例えば概ね円筒形状に形成される。
【0025】
ケーシング6の内部には、第1領域R1側から順に、第1磁気シール装置7、組合せアンギュラ軸受8、ビルトイン・ダイレクト・モータ9、ラジアル軸受11、そして第2磁気シール装置12が設けられる。組合せアンギュラ軸受8は、周知の通り、ラジアル荷重及びスラスト荷重の両方を受けることができる一対のアンギュラ軸受を予め予圧を与えて並列に取り付けることにより、軸方向の遊びを無くしたものである。回転軸3は、組合せアンギュラ軸受8及びラジアル軸受11によって回転可能且つ軸方向移動しないように支持される。
【0026】
第1磁気シール装置7は、図2に示すように、ほぼ円筒形状のケーシング13と、そのケーシング13の中に互いに平行に配列された複数の環状の磁石14と、それらの磁石14の間に配置された環状の磁性部材16とを有する。磁性部材とは、磁場をかけられたときに磁化する性質を有する部材、すなわち磁石から出る磁束線を通すことのできる性質を有する部材のことである。
【0027】
各磁性部材16と回転軸3との間には、磁性流体17が置かれている。また、各磁石14は、N極及びS極のうちの同極が互いに隣り合うように並べられており、各磁石14のN極から出る磁束線は、磁性部材16、磁性流体17、そして回転軸3を通って各磁石14のS極へ到達する循環路を形成する。この磁束線により、磁性流体17が回転軸3及び磁性部材16の両方に磁力によって吸着して磁性流体膜を形成し、この磁性流体膜により回転軸3が自己軸Xまわりの回転を許容された状態で第1領域R1と第2領域R2との間で軸封される。すなわち、回転軸3が回転する間、磁性流体17によって、第2領域R2側の高圧空気が低圧領域である第1領域R1へ漏れ出ることが防止される。この磁気シール装置7を用いれば、確実な軸封効果が得られると共に、回転軸3の磨耗が少なく、長寿命を確保できる。
【0028】
磁性流体17は、非磁性の流体媒体に磁性体の金属微粒子をコロイド状に分散させることによって形成された流体のことである。例えば、炭化水素、炭化フッ素、あるいは脂肪酸等といった液体にフェライトその他の磁性体粉末を分散した流体を用いることができる。
【0029】
図1において、第1磁気シール装置7が設けられた回転軸3の一端部の反対側の端部に設けられた第2磁気シール装置12は、第1磁気シール装置7と同様に構成されているので、詳しい説明は省略する。
【0030】
ビルトイン・ダイレクト・モータ9は、ステータ18及びロータ19を有し、ステータ18はケーシング6、具体的には第1ケーシング6aに固定され、ロータ19は回転軸3の一部分として形成されている。このモータ9のステータ18にはモータ制御装置21が電気的に接続され、ステータ18への給電をモータ制御装置21によって制御することにより、ロータ19すなわち回転軸3の回転を制御する。
【0031】
ビルトイン・ダイレクト・モータ9は、ケーシング6の内部であって回転軸3を支持する軸受8と軸受11との間に配置されるというビルトイン形式であると共に、回転軸3それ自体をロータとするダイレクトドライブ形式であるので、回転軸3を回転させたときの振動が少なく、偏荷重もないので、安定した回転が得られる。
【0032】
回転軸3は中空構造の円筒状部材によって、例えば内径φ120mm程度に形成され、この中空部は第1領域R1に面する開口22及びその反対側に別の第2開口23を有する。また、回転軸3の第1磁気シール装置7よりも先端側の適所には通気口24が設けられている。この通気口24の作用により、回転軸3の中空部は気圧、クリーン度等に関して第1領域R1と同じ環境に置かれる。そして、この中空部の環境と第2領域R2の環境との間の環境封止は第2磁気シール装置12によって確保される。
【0033】
回転軸3によって回転運動を与えられる被処理物体4は回転軸3の第1領域R1に面する開口22に取り付けられた状態で第1領域R1に露出する。そして、その露出部分に対して第1領域R1内の環境条件を必要条件とする適宜の処理、例えばPVD処理やCVD処理が行われる。
【0034】
なお、物体4を開口22に取り付けるための方法は種々考えられる。例えば、本実施形態のように、開口22に半径方向へ張り出す張出し部5をストッパとして複数ヶ所に設け、これらの張出し部によって物体4の外周フランジ部を受けることにより、物体4を開口22の所に支持することができる。もちろん、開口22に専用の取り付け治具を設け、この治具によって物体22を固定するという方法も考えられる。
【0035】
ケーシング6の第2領域R2側の端部、具体的には第2ケーシング6bの端部には蓋部材26がボルト、その他適宜の締結具によって気密に固定される。この蓋部材26には冷却液供給装置27から延びる冷却液通流管28が溶接その他適宜の固定方法によって固定され、それらの冷却液通流管28はそれらの先端において円盤部材29によってつながっている。円盤部材29の内部には2つの冷却液通流管28を連通させるための通路が形成されている。
【0036】
蓋部材26は締結具を解除することによりケーシング6から取り外すことができ、この取り外し状態において回転軸3の中空部が第2開口23を通して第2領域R2へ開放される。そして、この開放状態において、第2開口23及び中空部を介して第2領域R2側から被処理物体4を挿入して所定の取り付け位置、すなわち回転軸3の開口22に装着できる。このとき、被処理物体4は適宜の固定具によって回転軸3に固定しても良いし、あるいは、何等の固定具を使うことなく単に開口22に置くだけでも良い。
【0037】
被処理物体4を上記のようにして開口22に装着したあと、蓋部材26をケーシング6の端部に固定すると、その蓋部材26に固定した冷却液通流管28が回転軸3の中空部に挿入され、その先端の円盤部材29が開口22に近い位置、すなわち被処理物体4に近い位置に配置される。この状態で、冷却液供給装置27が作動して冷却液通流管28へ冷却液、例えば冷却水が流されると、被処理物体4が冷却される。これにより、温度の調節が必要である処理を被処理物体4に施すことが可能となる。
【0038】
本実施形態の軸封装置は以上のように構成されているので、被処理物体4は蓋部材26をケーシング6から取り外した状態で回転軸3の中空部を通して開口22へ装着される。この装着は、必要に応じて、適宜の固定具を用いた固着であったり、固定具を用いない装着であったりする。その後、冷却液通流管28を回転軸3の中空部へ挿入しながら蓋部材26をケーシング6の端部に固着して回転軸3の第2開口23を第2領域R2から遮蔽する。
【0039】
次に、隔壁2によって遮蔽された第1領域R1を図示しない空気吸引手段によって減圧して減圧状態、例えば真空状態に設定し、さらに図示しない防塵手段の働きによってクリーンな状態に設定する。なお、第2領域R2は自然な大気圧の外部空間状態である。一方、モータ制御装置21によって回転軸3の回転、すなわち被処理物体4の回転を制御すると共に、冷却液通流管28に冷却液を流すことによって被処理物体4の温度を調節しながら、第1領域R1に面する被処理物体4に対して所定の処理、例えば、PVD処理、CVD処理等を行う。
【0040】
以上のように回転軸3を回転させる間、回転軸3に関する第1領域R1と第2領域R2との間の軸封は、第1磁気シール装置7及び第2磁気シール装置12によって確実に達成される。磁気シール装置7及び12はメカニカルシール装置等に比べて回転軸3を摩耗や損傷させることが少なく、また、第1領域R1のクリーン度を長時間にわたって高く維持できる。
【0041】
また、本実施形態のモータ9は、ビルトイン方式且つダイレクトドライブ方式に構成されているので、回転軸3は低振動及び低回転ムラでバランス良く回転する。また、ベルト駆動による方法に比べて軸受7及び12に対する偏荷重が小さいので、回転軸3を高速、例えば1200rpmで回転させることができる。
【0042】
さらに、被処理物体4は回転軸3の中空部を通して第1領域R1内へ装着されるので、第1領域R1を形成する隔壁2には被処理物体4を挿入するための挿入口等を設ける必要がない。よって、回転軸3のまわりの構造を小型且つ簡単にすることができ、コストも低減できる。
【0043】
(第2実施形態)
図3は、本発明に係る軸封装置の他の実施形態を示している。この実施形態が図1に示した実施形態と大きく異なる点は、被処理物体4を冷却するための装置が用いられていないことである。つまり、本実施形態は被処理物体4を冷却する必要がない場合に好適な実施形態である。なお、図3において図1と同じ部材は同じ符号を用いて示してある。
【0044】
本実施形態では、回転軸3の第2領域R2側の端部にボルトその他の締結具によって蓋部材36が直接に且つ気密に固定され、これにより、回転軸3の開口23が第2領域R2から遮蔽されている。図1の実施形態では、回転軸3の中空部の環境は第2磁気シール装置12によって第2領域R2から遮蔽されていたが、図3に示す本実施形態では、蓋部材36それ自体によって回転軸3の中空部の環境が保持されている。被処理物体4に対してPVD処理等といった所定の処理が行われるときには、モータ制御装置21によって回転軸3の回転を制御しつつ、被処理物体4を回転させる。
【0045】
被処理物体4を第1領域R1内の回転軸3の先端開口22に装着する際、あるいは被処理物体4を先端開口22から取り外す際には、回転軸3の後端の第2開口23から蓋部材36を取り外し、その第2開口23を通して回転軸3の中空部に対して被処理物体4を出し入れする。
【0046】
この実施形態においても、磁気シール装置7を用いたクリーンで長寿命の軸封が得られる。また、ビルトイン及びダイレクトドライブ形式のモータ9により、低振動及び低回転ムラでバランスの良い回転を達成でき、さらに、偏荷重が小さいので、回転軸3を高速、例えば1200rpmで回転させることができる。さらに、被処理物体4は回転軸3の中空部を通して第1領域R1内へ装着されるので、第1領域R1を形成する隔壁2には被処理物体4を挿入するための挿入口等を設ける必要がない。よって、回転軸3のまわりの構造を小型且つ簡単にすることができ、コストも低減できる。
【0047】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
【0048】
例えば、図1及び図3の実施形態では、シール手段として磁気シール装置を用いたが、シール手段としてはその他のシール要素、例えば、メカニカルシール装置、Oリング等を用いることも可能である。
【0049】
また、図1及び図3の実施形態では運動軸として回転軸を考えたが、運動軸としては回転以外の運動をするもの、例えば、直動軸とすることもできる。また、図1及び図3の実施形態では、回転軸3の先端開口22に被処理物体4を直接に装着してその開口22を遮蔽する構造を採用したが、この構造に代えて、専用の遮蔽部材を用いて開口22を遮蔽した上で、その遮蔽部材に被処理物体4を取り付けるという構造を採用することもできる。
【0050】
なお、図2に示した磁気シール装置の構造は単なる一例であり、回転軸3の外周に磁性流体膜を形成できる構造であれば、磁気シール装置としてその他種々の構造を採用できることはもちろんである。
【0051】
【発明の効果】
本発明に係る軸封装置によれば、回転軸等といった運動軸によって運動を与えられる被処理物体は該運動軸の中空部を通して第1領域内へ装着されるので、第1領域を形成する部材、例えば隔壁には物体を挿入するための挿入口等を設ける必要がなくなる。よって、運動軸のまわりの構造を小型且つ簡単にすることができ、コストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸封装置の一実施形態を示す側面断面図である。
【図2】図1の要部である磁気シール装置の断面構造を示す断面図である。
【図3】本発明に係る軸封装置の他の一実施形態を示す側面断面図である。
【図4】従来の軸封装置の一例を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 軸封装置
2 隔壁
3 回転軸(運動軸)
4 被処理物体
6 ケーシング
7 第1磁気シール装置(シール手段)
9 ビルトイン・ダイレクトドライブ・モータ
12 第2磁気シール装置(シール手段)
18 ステータ
19 ロータ
22 開口
23 開口
24 通気口
26 蓋部材
28 冷却液通流管
29 円盤部材
36 蓋部材
R1 第1領域
R2 第2領域

Claims (6)

  1. 物体に運動を与える運動軸であって前記物体を含む第1領域とそれとは異なった第2領域との間にわたって設けられた運動軸に設けられたシール手段を有し、該シール手段は前記運動軸の運動を許容しつつ該運動軸を前記第1領域と前記第2領域との間で封止する軸封装置において、前記運動軸は前記第1領域に面する開口及び該開口につながる中空部を有し、前記物体は該中空部を介して前記開口に取り付けられることを特徴とする軸封装置。
  2. 請求項1において、前記運動軸の前記開口には前記物体を支持するための物体支持部が設けられることを特徴とする軸封装置。
  3. 請求項1又は請求項2において、前記運動軸は回転軸であることを特徴とする軸封装置。
  4. 請求項1から請求項3の少なくともいずれか1つにおいて、前記シール手段は前記運動軸の外周に磁性流体膜を形成して該磁性流体膜によって該運動軸を前記第1領域と前記第2領域との間で封止することを特徴とする軸封装置。
  5. 請求項3において、前記運動軸を支持する一対の軸受と、それらの軸受を支持するケーシングと、前記運動軸の軸方向に関して前記一対の軸受の間に設けられると共に前記ケーシングによって支持されるモータとを有し、該モータは前記ケーシングに固定されたステータを有すると共に前記運動軸をロータとすることを特徴とする軸封装置。
  6. 請求項5において、前記ケーシングには蓋部材が設けられ、前記運動軸は前記第1領域に面する開口の反対側に第2開口を有し、該第2開口は前記蓋部材によって前記第2領域から塞がれ、前記蓋部材には前記運動軸の中空部に挿入される冷却液通流管が設けられることを特徴とする軸封装置。
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