JP2001297987A - 軸封装置 - Google Patents

軸封装置

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JP2001297987A
JP2001297987A JP2000115093A JP2000115093A JP2001297987A JP 2001297987 A JP2001297987 A JP 2001297987A JP 2000115093 A JP2000115093 A JP 2000115093A JP 2000115093 A JP2000115093 A JP 2000115093A JP 2001297987 A JP2001297987 A JP 2001297987A
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  • Sealing Using Fluids, Sealing Without Contact, And Removal Of Oil (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸封装置によって封止される運動軸のまわり
の構造を簡単にすることのできる軸封装置を提供する。 【解決手段】 被処理物体4を回転させる回転軸3が、
物体4を含む第1領域R1とそれとは異なった第2領域
R2との間にわたって設けられる。回転軸3の先端部分
に第1磁気シール装置7が設けられ、他端部分に第2磁
気シール装置12が設けられる。これらのシール装置は
回転軸3の回転を許容しつつこの回転軸3を第1領域R
1と第2領域R2との間で軸封する。回転軸3は第1領
域R1に面する開口22を有する中空軸であり、物体4
は開口22を通して回転軸3に取り付けられる。物体4
は回転軸3の中空部を通して開口22に取り付けられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸等といった
運動軸を異なる環境領域の間で軸封する軸封装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の産業分野では、異なる環境に置か
れた2つの領域にわたって回転軸等といった運動軸を配
設し、一方の領域の環境が他方の領域の環境から影響を
受けないように軸封した状態で上記一方の領域内で上記
運動軸の運動を利用して適宜の処理を行うようにした処
理装置が知られている。
【0003】例えば、PVD(Physical Vapor Deposit
ion:物理的薄膜成長法)装置やCVD(Chemical Vapo
r Deposition:化学的薄膜成長法)装置では、真空環境
に置かれた処理領域又は特定のガス雰囲気に置かれた処
理領域内に半導体基板を配置すると共にそれらの領域内
へ回転軸を導入し、上記処理領域が外部環境によって汚
染されないように軸封した状態で、上記回転軸によって
半導体基板を回転させながらその半導体基板に対して所
定の処理が行われる。
【0004】上記のような処理装置として、例えば図4
に示すように、例えば隔壁52に囲まれて真空に設定さ
れた第1領域R1と大気圧である第2領域R2との間に
わたって運動軸としての回転軸53を設けた処理装置が
ある。この装置では、回転軸53を軸封装置51によっ
て軸封して第1領域R1の真空状態が第2領域R2によ
って影響されないように保持し、回転軸53の第1領域
R1内の先端に被処理物体、例えば半導体基板54を取
り付け、さらに、回転軸53の外部端にモータ59及び
ベルト等といった動力伝達系58を含んだ駆動機構57
を取り付ける。駆動機構57によって回転軸53が回転
駆動されて被処理物体54が回転する間に、真空環境を
必要条件とする所定の処理が被処理物体54に対して行
われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
模式的に示した従来の軸封装置では、回転軸53すなわ
ち運動軸が中実軸であり、その中実軸の先端に接着又は
適宜の固定具によって被処理物体54が固定されてい
た。このため、隔壁52には回転軸53を導入するため
の開口以外に被処理物体54を挿入するための挿入口が
必要であった。この挿入口に関しては、第1領域R1の
環境を保持するための特別な密封構造を施す必要があ
り、そのため、隔壁52の構造が複雑且つ大型にならざ
るを得ないと共にコストが高くなるという問題があっ
た。
【0006】本発明は、上記の問題点に鑑みて成された
ものであって、軸封装置によって封止される運動軸のま
わりの構造を簡単にすることのできる軸封装置を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1) 上記の目的を達
成するため、本発明に係る軸封装置は、物体に運動を与
える運動軸であって前記物体を含む第1領域とそれとは
異なった第2領域との間にわたって設けられた運動軸に
設けられたシール手段を有し、該シール手段は前記運動
軸の運動を許容しつつ該運動軸を前記第1領域と前記第
2領域との間で封止する軸封装置において、前記運動軸
は前記第1領域に面する開口及び該開口につながる中空
部を有し、前記物体は該中空部を介して前記開口に取り
付けられることを特徴とする。
【0008】上記構成において、「運動軸」とは、回転
軸、直動軸、その他任意の運動を行う軸部材である。ま
た、「第1領域」と「第2領域」とは、何等かの意味で
環境が異なっている領域のことであり、例えば、気圧が
異なっていたり、ガス雰囲気が異なっていたりする複数
の領域のことである。また、「シール手段」としては、
磁気シール装置、メカニカルシール装置、その他任意の
シール用機器を用いることができる。
【0009】上記構成の軸封装置によれば、運動軸によ
って運動を与えられる物体は該運動軸の中空部を通して
第1領域内へ装着されるので、第1領域を形成する部
材、例えば隔壁には物体を挿入するための挿入口等を設
ける必要がなくなる。よって、運動軸のまわりの構造を
小型且つ簡単にすることができ、コストも低減できる。
【0010】なお、本発明の軸封装置は種々の条件の第
1領域及び第2領域にわたって配設できる。例えば、第
2領域は作業員が存在する空間と同じ気圧及びガス雰囲
気である大気圧領域とし、第1領域は真空とすることが
できる。また、第1領域を真空に代えて、低圧力や、大
気圧のガス雰囲気や、圧力の高いガス雰囲気等とするこ
ともできる。
【0011】(2) 上記(1)項に記載した構成の軸
封装置において、前記運動軸の前記開口には前記物体を
支持するための物体支持部を設けることが望ましい。こ
の物体支持部は任意の構造によって構成できるが、例え
ば、運動軸の半径方向すなわち内部方向へ適宜の寸法で
張り出す張出し部を数ヶ所設けることによって構成で
き、この場合には、それらの張出し部によって物体を受
けることにより、物体を運動軸の開口の所に支持でき
る。
【0012】(3) 上記各項に記載した構成の軸封装
置において、前記運動軸は回転軸であることが望まし
い。
【0013】(4) 上記各項に記載した構成の軸封装
置において、前記シール手段は前記運動軸の外周に磁性
流体膜を形成して該磁性流体膜によって該運動軸を前記
第1領域と前記第2領域との間で封止することが望まし
い。この構成はシール手段として、いわゆる磁気シール
装置を用いる構成である。
【0014】「磁性流体」は、磁性体から成る金属微粒
子を界面活性剤の助けを借りて非磁性の流体媒体にコロ
イド状に分散させることによって形成された流体であ
る。例えば、炭化水素、炭化フッ素、脂肪酸等から成る
流体にフェライトその他の磁性流体粉を分散させた流体
とすることができる。また、金属微粒子は、例えば、M
nZnFe23から成る直径100Å程度の微粒子によ
って構成できる。
【0015】磁気シール装置を用いて軸封を行えば、メ
カニカルシール装置やOリング等を用いて軸封を行う場
合に比べて、第1領域及び第2領域のそれぞれの環境を
明確に遮蔽でき、特に低圧領域への圧力漏れや、不純ガ
スを含まないクリーンな領域へのガス漏れ等を確実に防
止できる。
【0016】(5) 上記(3)項に記載した構成、す
なわち、運動軸として回転軸を用いる構成の軸封装置に
関しては、前記運動軸を支持する一対の軸受と、それら
の軸受を支持するケーシングと、前記運動軸の軸方向に
関して前記一対の軸受の間に設けられると共に前記ケー
シングによって支持されるモータとを設けることが望ま
しい。そして、該モータは前記ケーシングに固定された
ステータを有すると共に前記運動軸をロータとすること
が望ましい。
【0017】この構成は、運動軸としての回転軸を駆動
するための駆動源を軸封装置の内部に組み込まれる、い
わゆるビルトイン方式のモータ、特にダイレクトドライ
ブ方式のモータとするものである。
【0018】回転軸の駆動方法としては、上記のビルト
イン方式以外に、外付けモータの動力をベルト等といっ
た動力伝達系を用いて回転軸へ伝達するという構成が考
えられるが、そのような外付け動力源を用いた方法で
は、振動が大きくなり、高速回転ができず、駆動系を含
めた軸封装置の形状が大きくなるという問題が考えられ
る。
【0019】それに対し、ビルトイン方式を用いた構成
によれば、運動軸を回転させたときの振動が少なく、ベ
ルト荷重等の場合に見られる偏荷重もないので安定した
回転が得られる。この結果、長寿命、高速化、一定速回
転、クリーン環境を実現できるので、特に、PVD装置
やCVD装置等といった塵等の無いクリーンな環境を必
要とする大型高速精密回転機器のシールに好適である。
また、外付け動力源を用いる場合に比べて形状を著しく
小型にできる。
【0020】(6) 上記(5)項に記載した構成の軸
封装置に関しては、前記ケーシングに蓋部材を設け、前
記運動軸は前記第1領域に面する開口の反対側に第2開
口を有し、該第2開口は前記蓋部材によって前記第2領
域から塞がれ、前記蓋部材には前記運動軸の中空部に挿
入される冷却液通流管が設けられることが望ましい。こ
の構成は、運動軸に設けた中空部を物体挿入用として用
いることに加えて、冷却機器の設置スペースとして用い
るものである。
【0021】この構成によれば、第1領域を形成する部
材、例えば隔壁には物体を挿入するための挿入口等を設
ける必要がなくなると共に、冷却用機器を付設するため
の構造も必要が無くなるので、運動軸のまわりの構造を
より一層小型且つ簡単にすることができ、コストもより
一層低減できる。
【0022】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1は、本発明
に係る軸封装置の一実施形態を示している。ここに示す
軸封装置1は、隔壁2によって囲まれた第1領域R1と
隔壁1の外側領域である第2領域R2との間に設けられ
る運動軸としての回転軸3を第1領域R1と第2領域R
2との間で軸封するために用いられる。この軸封によ
り、回転軸3の自己軸Xまわりの回転が許容され、さら
に第1領域R1内の環境と第2領域R2内の環境とが互
いに影響を及ぼし合うことを防止する。
【0023】第1領域R1は、例えば、大気圧よりも低
い気圧に減圧され、しかもその内部は塵等といった汚染
物が少ないクリーンな状態に設定される。そして、第2
領域R2は、例えば、一般的な地上雰囲気状態、具体的
には大気圧で塵等を含む状態に設定されている。第1領
域R1内に存在する回転軸3の先端には概ね円盤形状の
被処理物体4、例えば半導体基板が取り付けられ、この
物体4には、低圧でクリーンな環境下で物体4を回転さ
せることを必要条件とする適宜の処理、例えば薄膜形成
処理が行われる。
【0024】軸封装置1は、ボルトその他の締結手段に
よって隔壁2に固定された第1ケーシング6aと、隔壁
2の外側においてその第1ケーシング6aに固定される
第2ケーシング6bとによって構成されるケーシング6
を有する。このケーシング6は、例えば概ね円筒形状に
形成される。
【0025】ケーシング6の内部には、第1領域R1側
から順に、第1磁気シール装置7、組合せアンギュラ軸
受8、ビルトイン・ダイレクト・モータ9、ラジアル軸
受11、そして第2磁気シール装置12が設けられる。
組合せアンギュラ軸受8は、周知の通り、ラジアル荷重
及びスラスト荷重の両方を受けることができる一対のア
ンギュラ軸受を予め予圧を与えて並列に取り付けること
により、軸方向の遊びを無くしたものである。回転軸3
は、組合せアンギュラ軸受8及びラジアル軸受11によ
って回転可能且つ軸方向移動しないように支持される。
【0026】第1磁気シール装置7は、図2に示すよう
に、ほぼ円筒形状のケーシング13と、そのケーシング
13の中に互いに平行に配列された複数の環状の磁石1
4と、それらの磁石14の間に配置された環状の磁性部
材16とを有する。磁性部材とは、磁場をかけられたと
きに磁化する性質を有する部材、すなわち磁石から出る
磁束線を通すことのできる性質を有する部材のことであ
る。
【0027】各磁性部材16と回転軸3との間には、磁
性流体17が置かれている。また、各磁石14は、N極
及びS極のうちの同極が互いに隣り合うように並べられ
ており、各磁石14のN極から出る磁束線は、磁性部材
16、磁性流体17、そして回転軸3を通って各磁石1
4のS極へ到達する循環路を形成する。この磁束線によ
り、磁性流体17が回転軸3及び磁性部材16の両方に
磁力によって吸着して磁性流体膜を形成し、この磁性流
体膜により回転軸3が自己軸Xまわりの回転を許容され
た状態で第1領域R1と第2領域R2との間で軸封され
る。すなわち、回転軸3が回転する間、磁性流体17に
よって、第2領域R2側の高圧空気が低圧領域である第
1領域R1へ漏れ出ることが防止される。この磁気シー
ル装置7を用いれば、確実な軸封効果が得られると共
に、回転軸3の磨耗が少なく、長寿命を確保できる。
【0028】磁性流体17は、非磁性の流体媒体に磁性
体の金属微粒子をコロイド状に分散させることによって
形成された流体のことである。例えば、炭化水素、炭化
フッ素、あるいは脂肪酸等といった液体にフェライトそ
の他の磁性体粉末を分散した流体を用いることができ
る。
【0029】図1において、第1磁気シール装置7が設
けられた回転軸3の一端部の反対側の端部に設けられた
第2磁気シール装置12は、第1磁気シール装置7と同
様に構成されているので、詳しい説明は省略する。
【0030】ビルトイン・ダイレクト・モータ9は、ス
テータ18及びロータ19を有し、ステータ18はケー
シング6、具体的には第1ケーシング6aに固定され、
ロータ19は回転軸3の一部分として形成されている。
このモータ9のステータ18にはモータ制御装置21が
電気的に接続され、ステータ18への給電をモータ制御
装置21によって制御することにより、ロータ19すな
わち回転軸3の回転を制御する。
【0031】ビルトイン・ダイレクト・モータ9は、ケ
ーシング6の内部であって回転軸3を支持する軸受8と
軸受11との間に配置されるというビルトイン形式であ
ると共に、回転軸3それ自体をロータとするダイレクト
ドライブ形式であるので、回転軸3を回転させたときの
振動が少なく、偏荷重もないので、安定した回転が得ら
れる。
【0032】回転軸3は中空構造の円筒状部材によっ
て、例えば内径φ120mm程度に形成され、この中空
部は第1領域R1に面する開口22及びその反対側に別
の第2開口23を有する。また、回転軸3の第1磁気シ
ール装置7よりも先端側の適所には通気口24が設けら
れている。この通気口24の作用により、回転軸3の中
空部は気圧、クリーン度等に関して第1領域R1と同じ
環境に置かれる。そして、この中空部の環境と第2領域
R2の環境との間の環境封止は第2磁気シール装置12
によって確保される。
【0033】回転軸3によって回転運動を与えられる被
処理物体4は回転軸3の第1領域R1に面する開口22
に取り付けられた状態で第1領域R1に露出する。そし
て、その露出部分に対して第1領域R1内の環境条件を
必要条件とする適宜の処理、例えばPVD処理やCVD
処理が行われる。
【0034】なお、物体4を開口22に取り付けるため
の方法は種々考えられる。例えば、本実施形態のよう
に、開口22に半径方向へ張り出す張出し部5をストッ
パとして複数ヶ所に設け、これらの張出し部によって物
体4の外周フランジ部を受けることにより、物体4を開
口22の所に支持することができる。もちろん、開口2
2に専用の取り付け治具を設け、この治具によって物体
22を固定するという方法も考えられる。
【0035】ケーシング6の第2領域R2側の端部、具
体的には第2ケーシング6bの端部には蓋部材26がボ
ルト、その他適宜の締結具によって気密に固定される。
この蓋部材26には冷却液供給装置27から延びる冷却
液通流管28が溶接その他適宜の固定方法によって固定
され、それらの冷却液通流管28はそれらの先端におい
て円盤部材29によってつながっている。円盤部材29
の内部には2つの冷却液通流管28を連通させるための
通路が形成されている。
【0036】蓋部材26は締結具を解除することにより
ケーシング6から取り外すことができ、この取り外し状
態において回転軸3の中空部が第2開口23を通して第
2領域R2へ開放される。そして、この開放状態におい
て、第2開口23及び中空部を介して第2領域R2側か
ら被処理物体4を挿入して所定の取り付け位置、すなわ
ち回転軸3の開口22に装着できる。このとき、被処理
物体4は適宜の固定具によって回転軸3に固定しても良
いし、あるいは、何等の固定具を使うことなく単に開口
22に置くだけでも良い。
【0037】被処理物体4を上記のようにして開口22
に装着したあと、蓋部材26をケーシング6の端部に固
定すると、その蓋部材26に固定した冷却液通流管28
が回転軸3の中空部に挿入され、その先端の円盤部材2
9が開口22に近い位置、すなわち被処理物体4に近い
位置に配置される。この状態で、冷却液供給装置27が
作動して冷却液通流管28へ冷却液、例えば冷却水が流
されると、被処理物体4が冷却される。これにより、温
度の調節が必要である処理を被処理物体4に施すことが
可能となる。
【0038】本実施形態の軸封装置は以上のように構成
されているので、被処理物体4は蓋部材26をケーシン
グ6から取り外した状態で回転軸3の中空部を通して開
口22へ装着される。この装着は、必要に応じて、適宜
の固定具を用いた固着であったり、固定具を用いない装
着であったりする。その後、冷却液通流管28を回転軸
3の中空部へ挿入しながら蓋部材26をケーシング6の
端部に固着して回転軸3の第2開口23を第2領域R2
から遮蔽する。
【0039】次に、隔壁2によって遮蔽された第1領域
R1を図示しない空気吸引手段によって減圧して減圧状
態、例えば真空状態に設定し、さらに図示しない防塵手
段の働きによってクリーンな状態に設定する。なお、第
2領域R2は自然な大気圧の外部空間状態である。一
方、モータ制御装置21によって回転軸3の回転、すな
わち被処理物体4の回転を制御すると共に、冷却液通流
管28に冷却液を流すことによって被処理物体4の温度
を調節しながら、第1領域R1に面する被処理物体4に
対して所定の処理、例えば、PVD処理、CVD処理等
を行う。
【0040】以上のように回転軸3を回転させる間、回
転軸3に関する第1領域R1と第2領域R2との間の軸
封は、第1磁気シール装置7及び第2磁気シール装置1
2によって確実に達成される。磁気シール装置7及び1
2はメカニカルシール装置等に比べて回転軸3を摩耗や
損傷させることが少なく、また、第1領域R1のクリー
ン度を長時間にわたって高く維持できる。
【0041】また、本実施形態のモータ9は、ビルトイ
ン方式且つダイレクトドライブ方式に構成されているの
で、回転軸3は低振動及び低回転ムラでバランス良く回
転する。また、ベルト駆動による方法に比べて軸受7及
び12に対する偏荷重が小さいので、回転軸3を高速、
例えば1200rpmで回転させることができる。
【0042】さらに、被処理物体4は回転軸3の中空部
を通して第1領域R1内へ装着されるので、第1領域R
1を形成する隔壁2には被処理物体4を挿入するための
挿入口等を設ける必要がない。よって、回転軸3のまわ
りの構造を小型且つ簡単にすることができ、コストも低
減できる。
【0043】(第2実施形態)図3は、本発明に係る軸
封装置の他の実施形態を示している。この実施形態が図
1に示した実施形態と大きく異なる点は、被処理物体4
を冷却するための装置が用いられていないことである。
つまり、本実施形態は被処理物体4を冷却する必要がな
い場合に好適な実施形態である。なお、図3において図
1と同じ部材は同じ符号を用いて示してある。
【0044】本実施形態では、回転軸3の第2領域R2
側の端部にボルトその他の締結具によって蓋部材36が
直接に且つ気密に固定され、これにより、回転軸3の開
口23が第2領域R2から遮蔽されている。図1の実施
形態では、回転軸3の中空部の環境は第2磁気シール装
置12によって第2領域R2から遮蔽されていたが、図
3に示す本実施形態では、蓋部材36それ自体によって
回転軸3の中空部の環境が保持されている。被処理物体
4に対してPVD処理等といった所定の処理が行われる
ときには、モータ制御装置21によって回転軸3の回転
を制御しつつ、被処理物体4を回転させる。
【0045】被処理物体4を第1領域R1内の回転軸3
の先端開口22に装着する際、あるいは被処理物体4を
先端開口22から取り外す際には、回転軸3の後端の第
2開口23から蓋部材36を取り外し、その第2開口2
3を通して回転軸3の中空部に対して被処理物体4を出
し入れする。
【0046】この実施形態においても、磁気シール装置
7を用いたクリーンで長寿命の軸封が得られる。また、
ビルトイン及びダイレクトドライブ形式のモータ9によ
り、低振動及び低回転ムラでバランスの良い回転を達成
でき、さらに、偏荷重が小さいので、回転軸3を高速、
例えば1200rpmで回転させることができる。さら
に、被処理物体4は回転軸3の中空部を通して第1領域
R1内へ装着されるので、第1領域R1を形成する隔壁
2には被処理物体4を挿入するための挿入口等を設ける
必要がない。よって、回転軸3のまわりの構造を小型且
つ簡単にすることができ、コストも低減できる。
【0047】(その他の実施形態)以上、好ましい実施
形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形
態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明
の範囲内で種々に改変できる。
【0048】例えば、図1及び図3の実施形態では、シ
ール手段として磁気シール装置を用いたが、シール手段
としてはその他のシール要素、例えば、メカニカルシー
ル装置、Oリング等を用いることも可能である。
【0049】また、図1及び図3の実施形態では運動軸
として回転軸を考えたが、運動軸としては回転以外の運
動をするもの、例えば、直動軸とすることもできる。ま
た、図1及び図3の実施形態では、回転軸3の先端開口
22に被処理物体4を直接に装着してその開口22を遮
蔽する構造を採用したが、この構造に代えて、専用の遮
蔽部材を用いて開口22を遮蔽した上で、その遮蔽部材
に被処理物体4を取り付けるという構造を採用すること
もできる。
【0050】なお、図2に示した磁気シール装置の構造
は単なる一例であり、回転軸3の外周に磁性流体膜を形
成できる構造であれば、磁気シール装置としてその他種
々の構造を採用できることはもちろんである。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る軸封装置によれば、回転軸
等といった運動軸によって運動を与えられる被処理物体
は該運動軸の中空部を通して第1領域内へ装着されるの
で、第1領域を形成する部材、例えば隔壁には物体を挿
入するための挿入口等を設ける必要がなくなる。よっ
て、運動軸のまわりの構造を小型且つ簡単にすることが
でき、コストも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸封装置の一実施形態を示す側面
断面図である。
【図2】図1の要部である磁気シール装置の断面構造を
示す断面図である。
【図3】本発明に係る軸封装置の他の一実施形態を示す
側面断面図である。
【図4】従来の軸封装置の一例を示す側面断面図であ
る。
【符号の説明】
1 軸封装置 2 隔壁 3 回転軸(運動軸) 4 被処理物体 6 ケーシング 7 第1磁気シール装置(シール手段) 9 ビルトイン・ダイレクトドライブ・モータ 12 第2磁気シール装置(シール手段) 18 ステータ 19 ロータ 22 開口 23 開口 24 通気口 26 蓋部材 28 冷却液通流管 29 円盤部材 36 蓋部材 R1 第1領域 R2 第2領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 皖史 東京都昭島市松原町3丁目9番12号 理学 電機株式会社拝島工場内 Fターム(参考) 3J042 AA03 BA04 CA17 DA06 DA20 5F045 BB14 EM01 EM10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体に運動を与える運動軸であって前記
    物体を含む第1領域とそれとは異なった第2領域との間
    にわたって設けられた運動軸に設けられたシール手段を
    有し、該シール手段は前記運動軸の運動を許容しつつ該
    運動軸を前記第1領域と前記第2領域との間で封止する
    軸封装置において、前記運動軸は前記第1領域に面する
    開口及び該開口につながる中空部を有し、前記物体は該
    中空部を介して前記開口に取り付けられることを特徴と
    する軸封装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記運動軸の前記開
    口には前記物体を支持するための物体支持部が設けられ
    ることを特徴とする軸封装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記運
    動軸は回転軸であることを特徴とする軸封装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3の少なくともいず
    れか1つにおいて、前記シール手段は前記運動軸の外周
    に磁性流体膜を形成して該磁性流体膜によって該運動軸
    を前記第1領域と前記第2領域との間で封止することを
    特徴とする軸封装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、前記運動軸を支持す
    る一対の軸受と、それらの軸受を支持するケーシング
    と、前記運動軸の軸方向に関して前記一対の軸受の間に
    設けられると共に前記ケーシングによって支持されるモ
    ータとを有し、該モータは前記ケーシングに固定された
    ステータを有すると共に前記運動軸をロータとすること
    を特徴とする軸封装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記ケーシングには
    蓋部材が設けられ、前記運動軸は前記第1領域に面する
    開口の反対側に第2開口を有し、該第2開口は前記蓋部
    材によって前記第2領域から塞がれ、前記蓋部材には前
    記運動軸の中空部に挿入される冷却液通流管が設けられ
    ることを特徴とする軸封装置。
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