JPS61160670A - 磁性流体シ−ル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、磁性流体を用いたシール装置に関わり、特に
常温の高圧雰囲気側と高温の低圧雰囲気側との間の異種
雰囲気間に伸張する回転軸の周囲を、そのシール部の磁
性流体に対する熱の影響を排除しつつ、極めて気密にシ
ールする磁性流体シール装置に関する。

従来、例えば、常温の高圧雰囲気としての大気圧から半
導体関連部材等を処理するように、高温状態で低圧雰囲
気としての真空室に伸張する部分の回転軸周囲を極めて
気密にシールしつつ真空室に回転力を導入するために、
高圧雰囲気と低圧雰囲気とを遮断する遮断シールとして
磁性流体を用いた回転軸用磁性流体シール装置がこれま
で度々用いられてきた。この磁性流体シール装置は、シ
ールされるべき２つの雰囲気間に伸張する透磁性スリー
ブと、このスリーブを取巻くように形成された環状の磁
石と、このスリーブを取巻くように形成されると共に前
記磁石の一方および他方の磁極端部に接する透磁性磁極
片と、スリーブ外径と磁極片内径との間に配置されてス
リーブを支持するベアリングと、このベアリングによっ
て、スリーブに面する磁極片の内径面とこのスリーブ外
表面との間に形成される間隙に充填される磁性流体と、
それぞれ必要な箇所に配置されるスナップリング、０リ
ングおよびこれらを収容するハウジング、カバー等で構
成されていた。そして、磁石、磁極片およびスリーブで
磁気回路を構成し、このときの磁束によって、上記間隙
中にある磁性流体を所定位置にＯリング状に保持してシ
ール機能を発揮せしめると共に、真空室に回転を導入す
るための回転軸をスリーブに挿入し、この軸をスリーブ
と一体的なりランプなどによって緊締して、回転軸とス
リーブとを一体的に回転し、真空室へ回転力を導入して
いた。しかし、半導体関連部材等を処理するために、真
空室が高温状態にされている場合には、真空室からの熱
が磁性流体シール装置の回転軸、スリーブ、磁極片等を
介して直接的に、間隙中の磁性流体に伝わり、磁性流体
が蒸発しやすい環境におかれていた。このシール部とな
る間隙中の磁性流体が蒸発すると、シール機能が失われ
て磁性流体シール装置の寿命がつきるのは明らかで、こ
のため、磁性流体の蒸発を防ぐように、別の装置構成、
例えば冷却手段として、直接的に磁極片および回転軸に
貫通孔を穿設してこの貫通孔に水等を循環させて、回転
軸を冷却し、真空室からの熱が磁性流体に直接、影響す
るのを防げるような装置が構じられていた。しかし、こ
の場合、上記したような冷却装置は大がかシとなり、磁
性流体シール装置自体も大きくなると共に冷却用の水が
磁性流体シール装置内の所定部分以外れ流れないように
、シールしなければならず、かつそのためのコストも上
昇するという欠点があった。

また、冷却水を循環させるために、回転軸に貫通孔を穿
設しなければならないので、必要以上に回転軸径を大き
くしなければならず、これも必然的に磁性流体シール装
置を大きくするという欠点があった。

本発明は上記の欠点に鑑みてなされたもので、その目的
は、磁性流体シール装置内の磁性流体に対する熱の影響
を、別の装置構成を使用することなく簡単な構成で、排
除して、シール機能の低下を防止すると共に長寿命化を
計ったコンパクトな磁性流体シール装置を提供すること
にある。

本発明の要旨は、高温側と低温側との間のシールされる
べき雰囲気間に伸張する透磁性の回転スリーブと、この
回転スリーブを堆巻くように形成された環状の磁石と、
前記回転スリーブを取巻き、かつ近接して非接触に伸張
すると共に前記磁石の磁極端部となる両側に接する透磁
性磁極片と、この磁極片と前記回転スリーブとの間に装
着されて、前記回転スリーブを回転自在に支持するベア
リングと、前記磁極片に面する前記回転スリーブの外径
面の所定部分もしくけ前記回転スリーブに面する前記磁
極片の内径面に形成される突状部と、磁性流体のＯリン
グを形成すべく前記突状部と前記磁極片の内径面もしく
は前記回転スリーブの外径面との間に充填される磁性流
体とを備える磁性流体シール装置であって、高温側と磁
性流体のある低温側との間に真空断熱部を設けたことを
特徴とする磁性流体シール装置にある。

以下、本発明をその一実施例について添付図面を参照し
つつ説明する。

第１図は本発明による磁性流体シール装置の一実施例の
概略部分断面図である。第１図に示すように、回転軸１
０表面には、その長手方向に沿ってやや細長く浅い溝２
が設けられている。この溝２を囲うように、回転軸１に
環状の透磁性回転スリーブ３が挿入されている。このス
リーブ３の周囲には、これを取巻くように形成された環
状の磁石４が配設されると共にスリーブ３の周囲を取巻
き、かつ近接して非接触に伸張するように形成された略
環状の透磁性磁極片５が磁極端部となる磁石４の両側に
、それと接するようにそれぞれ配設されている。なお、
スリーブ３は、真空側になるＶＡＣ側に近いところでそ
の環状周囲上に等配に貫通孔６が穿設され、この貫通孔
６は溝２と連通している。スリーブ３０両端部でスリー
ブ外径とスリーブ３の両端部に対応してそれぞれ配設さ
れる階段状の段部を有する磁極片内径と゛の間には、ベ
アリング７．８がそれぞれ配設されている。磁極片５の
スリーブ３に面する内径面には、磁性流体シールとして
の複数の分離した磁性流体充填用の段部を形成させるた
めに、櫛歯状の複数の歯すなわち突状部９が形成されて
おり、かつこの突状部９のスリーブ３に面する先端部分
とスリーブ３の外径面との間には、好適に設定された外
径を有するベアリング７．８によって、半径方向の間隙
１０が形成されている。したがって、磁極片５の内径面
は、前述したように、スリーブ３の外径面と近接して非
接触関係を維持している。また、スリーブ３の外径面と
これに面する磁石４の内径面との間にも、間隙１０より
もやや大きな間隙Ｘが形成されることになる。なお、と
の突状部９１′！、スリーブ３の磁極片５に面する外径
面に形成してもよいことはもちろんのことである。磁石
４、磁極片５およびスリーブ３け、これらで磁気回路を
構成して、各突状部９の下にある半径方向の間隙中に集
中した磁束を与え、この間隙中には、好適な粘性および
飽和磁化値を有する磁性流体１１が充填され、前述した
磁束によって、その所定位置に保持、拘束され、磁性流
体シールとして作用している。さらに、スリーブ３に面
しない磁極片５の外径面側には、中空の環状溝１２が形
成され、この溝１２は磁極片５を冷却するために冷却溶
媒、例えば水などの循環通路となる。磁極片５の溝１２
を介した最外逆面両側には、それぞれＯす７グ１３がリ
ング溝に配設されている。フランジ部１４を有する略環
状のハウジング１５はその内径面でそれぞれの磁極片５
の最外径面と接しつつ、これら磁極片５およびこれら磁
極片５に挾持されている磁石４、ベアリング６．７、ス
リーブ３等を収容している。なお、このハウジング１５
の胴部には、等配に、好ましくは相対する位置に、貫通
孔１６が穿設され、この貫通孔１６は溝１２と連通し、
管継手１７を介して図示しない冷却装置からの冷却溶媒
を溝１２に供給および排出して磁極片５を冷却するもの
である。その際、Ｏリング１３がシール性を発揮して、
冷却溶媒をハウジング１５の内径面と溝１２に封じ込め
冷却溶媒の溝１２からの洩漏を防止している。さらに、
真空室側になるＶＡＣ側には、ベアリング７の軸方向移
動を防止するために、カラー１８を介してスナップリン
グ１９が、回転軸１に設けられたスナップリング溝２０
に配設されている。大気側になるＡＴＭ側には、カラー
１８およびスナップリング１９と協働して、ベアリング
７．８、スリーブ３、磁石４および磁極片５の軸方向移
動を防止し、それらを所定位置に固定するカバー２１の
周囲に螺刻されたネジ部がハウジング１５に螺刻された
ネジ部と輝部２２と螺合するナツト２３が配設されてい
る。

２４Ｆｉフランジ部１４に穿設された取付穴である。

なお、スリーブ３の両端部の内径面と、回転軸１との間
にもＯリング２５がそれぞれリング溝に配設されている
。さらに、スリーブ３の一端側は図示しない大気側の回
転駆動部に連結され、その他端側は図示しない真空室の
被駆動部に連結されている。

以上のように構成される上記実施例の作用について以下
に述べる。

上記に述べたような磁性流体シール装置が、例えば常温
の高圧雰囲気としての大気圧（第１図のＡＴＭ側）から
半導体関連部材等を処理するように、高温状態で低圧雰
囲気としての真空室（第１図゛のＶＡＣ側）に伸張する
部分の回転軸周囲を極めて気密にシールしつつ真空室に
回転力を導入するために、半導体製造装置であるスパッ
タリング装置に装着されている場合について述べる。今
、このスパッタリング装置の真空室が、所定の低圧レベ
ルすなわち真空レベルまで真空引きされていると共に真
空室が高温状態にされて、半導体関連部材の処理状態に
必要な作動状態にある。このときには、スリーブ３と突
状部９との間に形成される間隙１０に磁性流体１１が充
填され、この磁性流体１工が磁気回路からの磁束によっ
て、その位置に保持、拘束されて、スリーブ３上で各段
部すなわち突状部９に０リング状のシール部（図示せず
）を形成し、この各段部のシール部が磁性流体シールと
しての各段を構成し、各段部の磁性流体シールの累加に
よって充分大きな耐圧を有して極めて高いシール効果を
示し、スリーブ３の一側である大気側から好ましくない
ゴミ、蒸気、霧、気体などの汚染物が、スリーブ３の他
側である真空室側へ侵入するのを防止して、図示しない
大気側の回転駆動部から真空室の被駆動部に回転力をス
リーブ３を介して導入することができる。なお、この回
転力の真空室への導入の際には、もちろんスリーブ３と
磁極片５とは非接触状態である。なお、上記真空室を真
空引きする際には、カラー１８゜ベアリング７、このベ
アリング７、磁性流体＋１゜磁極片５およびスリーブ３
で囲まれる空間ならびに貫通孔６を介して、溝２も真空
引きされて、溝２は低圧レベルすなわち真空状態にされ
ている。

したがって、真空室側の高温け、溝２、貫通孔６および
空間などによってスリーブ３、磁極片５に直接、伝達さ
れない。すなわち、溝２、貫通孔６および空間が真空断
熱部となっている。さらに図示しない冷却装置からの冷
却溶媒を管継手１７を介して溝１２に循環するので、磁
極片５が冷却される。その結果、この真空断熱部と冷却
装置からの冷却との併用によって真空室からの高温の伝
達を極めて効果的に断熱でき、スリーブ３と磁極片５と
の間に充填されている磁性流体１１に、真空室側の高温
が直接伝わらず、高温によって、磁性流体１１を蒸発さ
せることがないので、そのシール機能を損うことなくシ
ール寿命を長寿命化させ得る。なお、本実施例では、こ
の真空断熱部の溝２を回転軸１側に設けたが、この溝２
をスリーブ３側に設けてもよいことは勿論のことである
。さらに、従来の、回転軸に貫通孔を設けて、その貫通
孔に冷媒溶媒を循環させて、回転軸自身を冷却する手段
を併用すれば、一層効果的に断熱できる。

第２図は本発明による磁性流体シール装置の第２実施例
の概略部分断面図である。この第２実施例は第１図に示
す実施例とほぼ同様であるが、第１図に示す真空断熱部
の部分が相異している。すなわち、この実施例では、回
転スリーブ３の内径側および外径側の両側に真空断熱部
の溝２ａ１２ｂが設けられており、これらの溝２ａ１２
ｂを連通する貫通孔６ａがスリーブ３に穿設されている
。

そして、スリーブ３の外径側の溝２ｂを囲うように、透
磁性のスリーブ３ａがスリーブに挿入されている。この
スリーブ３　ａ　ｙ磁極片５．磁石４で磁気回路を構成
し、所定位置に磁性流体１１を保持、拘束して磁性流体
シールを形成するのは第１実施例で述べた場合と同様で
ある。このスリーブ３ａけ真空側に近いところで、その
環状周囲上に等配に貫通孔６ｂが穿設され、この貫通孔
６ｂは溝２ｂ、貫通孔６ａを介して溝２ａと連通してい
る。したがって、第１実施例で述べたように、真空室側
が真空レベルまで真空引きされているときには、ベアリ
ング７、このベアリング７、磁性流体１１．磁極片５お
よびスリーブ３ａで囲まれる空間ならびに貫通孔５ａ、
５ｂを介して溝２　ａ　＋２ｂも真空状態になっている
。この実施例の場合には、真空断熱部の溝２ａ１２ｂが
２段になっているので、真空室からの高温のベアリング
７側への伝達を極めて効果的に断熱するので、断熱効果
以上説明してきたように、本発明によれば、磁性流体シ
ール装置内に簡単な構成の真空断熱部を設けたので、高
温状態の真空室からの高温が、真空断熱効果によって、
スリーブと磁極片との間の間隙に充填されている磁性流
体に直接伝達せず、熱による磁性流体の蒸発を防止する
ことができ、シール機能の低下を防止することができる
と共に磁性流体シール装置の長寿命化が計れるという極
めてすぐれた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による磁性流体シール装置の一実施例の
概略部分断面図、第２図は本発明による磁性流体シール
装置の他の実施例の概略部分断面図である。 １・・・・・・回転軸 ２　＋　２　ａ　＋　２　ｂ　”’溝 ３・・・・・・回転スリーブ ４・・・・・・磁石 ５・・・・・・磁極片 ６＋６ａ、５ｂ・・・・・・貫通孔 ７．８・・・ベアリング ９・・・・・・突状部 １１・・・・・・磁性流体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 高温側と低温側との間のシールされるべき雰囲気間に伸
   張する透磁性の回転スリーブと、この回転スリーブを取
   巻くように形成された環状の磁石と、前記回転スリーブ
   を取巻き、かつ近接して非接触に伸張すると共に前記磁
   石の磁極端部となる両側に接する透磁性磁極片と、この
   磁極片と前記回転スリーブとの間に装着されて、前記回
   転スリーブを回転自在に支持するベアリングと、前記磁
   極片に面する前記回転スリーブの外径面の所定部分もし
   くは前記回転スリーブに面する前記磁極片の内径面に形
   成される突状部と、磁性流体のＯリングを形成すべく前
   記突状部と前記磁極片の内径面もしくは前記回転スリー
   ブの外径面との間に充填される磁性流体とを備える磁性
   流体シール装置であって、高温側と磁性流体のある低温
   側との間に真空断熱部を設けたことを特徴とする磁性流
   体シール装置。