JP3562263B2 - 多色画像形成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感光体、複数のレーザビームを同時に主走査可能なレーザ走査装置及び現像器を備えた色画像形成装置を複数備えて、主走査および副走査を行って同一の記録材料上に2次元の多色画像形成を行う多色画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザビームにより走査する光走査装置を複数備えて、カラー画像を形成する多色画像形成装置としてのカラー画像形成装置が知られている。このカラー画像形成装置では、高速化を図るために、各色(例えば、K:ブラック、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン)用の各々に対応された画像形成部を備えている。この画像形成部はレーザ走査装置(ROSユニット)を備えており、レーザ走査装置では、それぞれレーザ光源により射出されたレーザビームがコリメータレンズで平行ビームに整形されて回転多面鏡(ポリゴンミラー)で偏向される。偏向されたレーザビームは、fθレンズ等を介して、感光ドラム上に結像され潜像が形成される。この潜像形成の後、現像器でカラートナーが付着され、そのトナー像が順次ペーパーに所定のタイミングで転写され、定着器により定着される。このようなカラー画像形成装置では、色ずれを防止するため、各画像形成部における転写位置を一致させている。
【0003】
上記のように、各色毎に単一のレーザビームで走査露光するのに比べて、さらなる高速化、高画質化を図るために、各色毎に複数のレーザビームによって感光ドラム上を同時に走査して複数ラインを同時に記録するカラー画像形成装置も知られている。
【0004】
ところが、各レーザ走査における複数のレーザビームのアライメントのずれで色ずれが生じるため、色ずれを検出し、複数のレーザビームのアライメントのずれを調整して色ずれを抑制する方法が提案されている(特開平7−72399号公報参照)。
【0005】
ところが、従来の方法では、レーザビームのアライメントのずれ検出専用のセンサが必要で、かつ高い取付精度が要求されるので、コストが高くなる。
【0006】
そこで、本出願人は、複数のレーザビームを同時に主走査可能な複数のレーザ走査装置を備えた画像形成装置に適用され、低コストかつ高精度で感光体上のレーザビームの間隔を調整する方法を提案した(特開平9−193457号公報参照)。この技術では、各走査装置において、基準となるパターンの副走査方向の特定位置及び形成された各パターンの副走査方向の特定位置の差が特定位置間の理論上の間隔から求められた理論値と一致するように複数のレーザビームの間隔を調整することにより、色ずれの少ない高画質を得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数レーザビームの副走査方向間隔を調整するためには、高精度な光学部品の調整機構が必要となり、高コストとなる。また、レーザビームを具備した光走査装置のレーザビームの間隔ずれにおいては、主走査方向のずれだけでなく副走査方向にも発生する。
【0008】
本発明は、上記事実を考慮して、簡単な構成でかつ容易に色ずれを解消できる多色画像形成装置を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
高速化、高画質化を図るために、各色毎に複数のレーザビームによって感光ドラム上を同時に走査して複数ラインを同時に記録する場合、各色毎に複数のレーザビームの位置、すなわち感光ドラム上のビーム位置は、ばらつくことがある。このばらつきは同一の記録材料上に各色を転写等で形成するときに色ずれとなる。
【0010】
本発明者は、各色で用いられる複数のレーザビームについて実質的に記録材料に記録されたときのレーザビームの位置関係の変動量が多色画像形成装置の色間で大きくなると色ずれが大きくなるという点に着目し、変動量自体が小さくなるようにレーザビームの組み合わせを設定すれば、色ずれを抑制できるという知見を得て本発明に至った。
【0011】
そこで、請求項1の発明の多色画像形成装置は、感光体、複数のレーザビームが前記感光体上で1列に配列されかつ前記複数のレーザビームを前記配列に沿う方向と交差する方向へ同時に主走査するレーザ走査装置及び現像器を備えた色画像形成装置を複数備えると共に、前記主走査の方向と交差する方向に副走査する副走査装置を備え、前記主走査および副走査を行って同一の記録材料上に2次元の多色画像形成を行う多色画像形成装置であって、前記色画像形成装置の各々の複数のレーザビームによる色画像が一致した位置で前記同一の記録材料上に形成されるように、前記副走査装置の副走査方向の基準位置を調整する副走査調整手段と、前記複数のレーザビームにより前記記録材料上に形成されるべきビームスポット位置について、前記複数のレーザビームの隣り合うレーザビーム間の距離と、前記複数のレーザビームからなるレーザビーム群が前記副走査によって隣り合う場合の該隣り合うレーザビーム群の間で隣り合うレーザビーム間の距離との最大値または最小値を前記色画像形成装置の各々について検出する検出手段と、前記色画像形成装置の各々について、前記検出距離の最大値または最小値に該当する隣り合うレーザビームの組み合わせを設定する設定手段と、設定された組み合わせの複数のレーザビームによる色画像が一致した位置で前記同一の記録材料上に形成されるように、前記副走査調整手段によって副走査方向の基準位置を調整する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項1の発明では、検出手段によって、隣り合うレーザビーム間の距離の最大値または最小値を色画像形成装置の各々について検出する。隣り合うレーザビーム間の距離とは、複数のレーザビームにより記録材料上に形成されるべきビームスポット位置について、複数のレーザビームの中で隣り合うレーザビーム間の距離、及び複数のレーザビームからなるレーザビーム群が副走査によって隣り合う場合の該隣り合うレーザビーム群の間で隣り合うレーザビーム間の距離をいう。
【0013】
これら色画像形成装置の各々についての隣り合うレーザビーム間の距離の最大値または最小値が検出されると、設定手段は、色画像形成装置の各々について、検出距離の最大値または最小値に一致するように、感光体上で1列に配列させるときの複数のレーザビームの組み合わせを設定する。すなわち、検出距離の最大値または最小値に該当する隣り合うレーザビームの組み合わせを設定することによって、色画像形成装置間における隣り合うレーザビーム間の距離の最大値または最小値が略一致する複数のレーザビームの組み合わせ、つまり使用順序を設定する。
【0014】
制御手段は、これら設定された組み合わせの複数のレーザビームによる色画像が一致した位置で同一の記録材料上に形成されるように、副走査調整手段によって副走査方向の基準位置を調整する。
【0015】
従って、各色で用いられる複数のレーザビームについて実質的に記録材料に記録されたときのレーザビームの位置関係の変動量は小さくなり、多色画像形成装置の色間での色ずれを抑制できる。
【0016】
複数のレーザビームの中のレーザビーム間の距離は複数のレーザビームの間隔や途中経路にある光学系等のばらつきで定まる。しかし、複数のレーザビームで主走査するときは、その複数のレーザビームが重ならないように副走査しなければならない。これによって、主走査により形成されるラインが副走査方向に連続するが、複数のレーザビームの側縁部の隣り合うレーザビーム間の距離は副走査に起因する距離で定まることになる。すなわち、副走査方向のレーザビーム間の距離は、装置設計当初には基準のレーザビーム間の距離が設定されている。しかし、構造上の微妙な誤差等による機差によって基準のレーザビーム間の距離が変動する。
【0017】
そこで、前記検出手段は、請求項2にも記載したように、副走査方向の予め定めた基準のレーザビーム間の距離からの位置変動量の最大値または最小値を検出するようにしてもよい。このように、副走査方向の予め定めた基準のレーザビーム間の距離からの位置変動量の最大値または最小値を検出することによって、設定手段では、色画像形成装置間における隣り合うレーザビーム間の副走査方向の距離の最大値または最小値が略一致する複数のレーザビームの組み合わせを設定でき、実質的に記録材料に記録されたときのレーザビームの副走査方向についての位置関係の変動量は小さくなり、多色画像形成装置の色間での色ずれを抑制できる。
【0018】
複数のレーザビームを主走査すると、理想的には、主走査の軌跡は同一ラインすなわち同一の長さのラインが形成されるべきである。しかし、途中経路にある光学系等のばらつきや設定の違いから、主走査の起点から終点までの位置がズレルことがある。
【0019】
そこで、前記検出手段は、請求項3に記載したように、主走査方向の位置変動量の最大値または最小値を検出するようにしてもよい。このように、主走査方向の位置変動量の最大値または最小値を検出すれば、設定手段では、色画像形成装置間における主走査方向の位置変動量の最大値または最小値が略一致する複数のレーザビームの組み合わせを設定でき、実質的に記録材料に記録されたときのレーザビームの主走査方向についての位置関係の変動量は小さくなり、多色画像形成装置の色間での色ずれを抑制できる。
【0020】
この検出手段において検出する主走査方向の位置変動量は、請求項6にも記載したように、複数のレーザビームを点灯させて形成された副走査方向に配列させるビームスポットの位置ずれを採用することができる。このようにビームスポットの位置ずれを用いれば、位置変動量の検出は容易となる。
【0021】
上記副走査方向の位置変動量及び主走査方向の位置変動量は、組み合わせて用いることができる。すなわち、前記検出手段は、請求項4に記載したように、副走査方向の予め定めた基準のレーザビーム間の距離からの位置変動量の最大値または最小値、及び主走査方向の位置変動量の最大値または最小値を検出し、前記設定手段は、検出した最大値または最小値を用いて位置変動量が最小となる組み合わせを設定するようにしてもよい。このようにすれば、位置変動量が最小となる組み合わせを設定でき、実質的に記録材料に記録されたときのレーザビームの位置関係の変動量は小さくなり、多色画像形成装置の色間での色ずれを抑制できる。この場合の主走査方向の位置変動量は、請求項6にも記載したように、複数のレーザビームを点灯させて形成された副走査方向に配列させるビームスポットの位置ずれを採用することができる。このようにビームスポットの位置ずれを用いれば、位置変動量の検出は容易となる。
【0022】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の多色画像形成装置において、前記制御手段は、前記最大値または最小値となる組み合わせの複数のレーザビームのレーザビーム間の中心位置が、前記色画像形成装置の各々で一致するように副走査方向の基準位置を調整することを特徴とする。このようにすることで、上記組み合わせの複数のレーザビームのレーザビーム間では、中心位置による振り分けの各レーザビームが得られることになり、位置ずれが一方によることなく、色ずれを抑制できる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、請求項2または4に記載の多色画像形成装置において、前記検出手段では、レーザビーム数の整数倍のパターンを、複合光強度プロファイルに飽和領域が形成されかつ各色画像形成装置の全てのレーザビームがいずれかのパターンの書き込み開始ラインを形成するように、略等間隔で形成し、形成されたパターンからレーザビーム間の距離の最大値または最小値を検出することにより副走査方向の位置変動量を検出することを特徴とすることを特徴とする。このようなパターンを形成してレーザビーム間の距離を検出すれば、位置変動量の検出は容易となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態は、ブラック(K),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の各色毎に色画像形成部を有するカラー画像形成装置に本発明を適用したものである。
【0025】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置10は、CPU、カラー画像形成装置10全体を制御するプログラムや後述するレーザビームの間隔調整用のパターン作成データ等が格納されたROM、入出力バッファやワークエリアとしてのRAM、及び操作パネル等を備えた制御部16と、各色のレーザ走査の駆動を制御するレーザ走査駆動回路15と、原稿をスキャニングし得られた光信号をフィルタによって各色の信号に分解しこれらを光電変換して各色の画像信号を形成する画像読取装置14と、搬送ローラ30,31,32,33と、搬送ローラ30〜33に巻き掛けられ光を透過させることができる無端の転写ベルト24とを備えている。
【0026】
転写ベルト24の下方には、画像を形成するための記録材料としてのペーパー26が貯留された供給トレイ27が設けられている。供給トレイ27に貯留されたペーパー26は、ローラ31の近傍から転写ベルト24の上面に送り込まれる(白抜き矢印B)。
【0027】
転写ベルト24の上方には、シアン(以下、C色という)画像形成用の画像形成部12A、マゼンタ(以下、M色という)画像形成用の画像形成部12B、イエロー(以下、Y色という)画像形成用の画像形成部12C、及びブラック(以下、K色という)画像形成用の画像形成部12Dが搬送方向(矢印A方向)に略等間隔で配置されている。
【0028】
これらの画像形成部12A〜12Dは同一の構成を有しており、各画像形成部12A〜12Dは、軸方向が搬送方向(矢印A方向)と直交する方向に配置された像担持体である感光ドラム20を備えており、各感光ドラム20の周囲には、感光ドラム20を帯電させるための帯電器34、帯電された感光ドラム20上に潜像を形成するためのデュアルビーム式のレーザ走査装置(ROS)18、潜像に各色のトナーを付着させるための現像器22、及び感光ドラム20に残されたトナーを除去するためのクリーナ36が配置されている。すなわち、現像処理のために、感光ドラム20の露光位置より前工程位置にクリーナ36、帯電器34、を配置し、露光位置より後工程位置に現像器22が配置されている。
【0029】
本実施の形態では、画像形成部12Aは感光ドラム20へ向けてレーザビームLcを照射する。レーザビームLcは、2本のレーザビームLc1、Lc2から構成され、感光ドラム20上で主走査方向と交差する方向(矢印A)に並ぶように構成されている(詳細は後述)。同様に、画像形成部12Bでは2本のレーザビームLm1、Lm2から構成されたレーザビームLmが感光ドラム20上で副走査方向に並ぶように照射され、画像形成部12Cでは2本のレーザビームLy1、Ly2から構成されたレーザビームLyが感光ドラム20上で副走査方向に並ぶように照射され、画像形成部12Dでは2本のレーザビームLk1、Lk2から構成されたレーザビームLkが感光ドラム20上で副走査方向に並ぶように照射される。
【0030】
また、画像形成部12より搬送方向下流側でかつ転写ベルト24の幅方向の両側の上方には、転写ベルト24上に形成されたパターンを読み取るためのCCDセンサ28が配置され、CCDセンサ28は制御部16に接続されている。さらに、CCDセンサ28と対向する転写ベルト24の下方には光源40が配置されており、搬送方向下流側の搬送ローラ30、32と対向する位置には、転写ベルト24上に形成されたパターンを除去するためのクリーナ42が配置されている。これらのCCDセンサ28及び光源40は、各色の色ずれを検知するためのものであり、詳細は後述するが、転写ベルト24の幅方向の両側に形成されたパターンを読み取って、各色のずれを演算し、演算結果から各色のドットズレを補正する。
【0031】
また、CCDセンサ28、光源40及び搬送ローラ30の搬送方向下流側には、定着器38が設けられている。定着器38の搬送方向下流側で外部、すなわちケーシングの外側には排出されたペーパー26を一時的に集積する排紙トレー43が取り付けられている。
【0032】
本カラー画像形成装置10では、画像読取装置14によって読み取られたR、G、Bの画像信号が、画像データK、Y、M、Cに変換されてレーザー駆動信号をレーザ走査駆動回路15に出力される。レーザ走査駆動回路15は、各色のレーザー光源を駆動するためのレーザー駆動信号(変調信号)を画像形成部12A〜12Dへ出力する。各色の画像形成部12A〜12Dでは入力された信号によりレーザー光源を駆動することによって、感光ドラム20が露光される。
【0033】
各色の感光ドラム20は、所定間隔で配置されており、供給トレイ27から供給されたペーパー26が、転写ベルト24の上面に送り込まれ、各感光体ドラム20の下を順に通過して、このときそれぞれの色(K,Y,M,C)のトナー像が転写される。各色のトナー像の転写が行われたペーパー26は、ローラ30の近傍で転写ベルト24の表面から剥離され、定着装置38で定着された後、排紙トレー43上に排出される。
【0034】
次に、K色のレーザ走査装置18を図2を参照して説明する。図2(1)、(2)に示されるように、K色のレーザ走査装置18は、副走査方向に沿って照射されるべき2本のレーザビームLk1,Lk2を射出するレーザ光源44を備えており、レーザ光源44から射出されたレーザビームはコリメータレンズ45、球面レンズ46を介してミラー47へ照射される。ミラー47は球面レンズ46から射出されたレーザビームを回転多面鏡48へ向けて反射する。
【0035】
ミラー47の反射側にはレンズ50a,50bからなるfθレンズ50が設けられており、入射されたレーザビームはレンズ50a,50bを順に透過して射出される。この射出側には回転多面鏡48が設けられており、回転多面鏡48は略等角速度で回転して入射されたレーザビームを偏向(走査)する。回転多面鏡48で偏向されたレーザビームは、再度fθレンズ50に入射され、レンズ50b,50aの順に透過される。このfθレンズ50では、走査速度補正がなされる。回転多面鏡48で偏向されfθレンズ50を透過したレーザビームの射出側には、レーザビームを感光ドラム20へ向けて反射するシリンドリカルミラー49、及びSOSセンサ52へ向けて反射するミラー51が設けられている。ミラー51の反射側には、感光ドラム20上での主走査方向の画像信号書き込み開始信号(SOS)を検出するためのSOSセンサ52が設けられている。
【0036】
従って、レーザー光源44から照射された2本のレーザビームLk1、Lk2はそれぞれコリメータレンズ45、球面レンズ46を透過してミラー47で反射され、fθレンズ50を透過して回転多面鏡48に入射される。回転多面鏡48によって反射されたビームは再度fθレンズ50を透過してシリンドリカルミラー49で反射され感光ドラム20を露光する。SOSセンサー52は、レーザー光源44の照射開始タイミングの基準とするものであり、レーザー光によってSOSセンサー52が検知してから所定のクロック数又は時間を制御することによって主走査方向の書き出しを調整する。
【0037】
なお、上記では、K色のレーザ走査装置18について説明したが、各色の画像形成部12A〜12Dのレーザ走査装置18の構成は同一のため、他色のレーザ走査装置18についての詳細な説明は省略する。
【0038】
次に、本実施の形態のカラー画像形成装置において、色ずれを抑制するための演算及び補正の流れの概略を説明する。詳細は後述するが、図11に示すように、まずステップ100において、パターンを形成する。そして次のステップ200において、ステップ100で形成したパターンをCCDセンサで検出して、複数のレーザビームの間の相互的なずれ量及び各色間でのずれ量を求める。このようにして求めたずれ量(ビーム間距離の最大値や最小値)を用いて次のステップ300ではずれ量を補正するための補正量及び複数のレーザビームのうちで使用するレーザビームの順序を決定する。次のステップ400では、上記ステップ300で決定した補正量及び用いるレーザ光源の順序に応じて各色のレーザ走査装置を設定する。すなわち、各レーザ走査装置の各走査ピッチの最大値同士(または最小値同士)の位相が合うようにポリゴンミラーの位相制御や折り返しミラーの可動によって調整する。このように、複数のレーザビームによって発生する色ずれを複数のレーザ走査装置の副走査方向の位相を合わせることにより調整することができるので、低コストで高画質を提供することができる。
【0039】
以下、本カラー画像形成装置において、色ずれを抑制するためのずれ検出や補正について詳細に説明する。
【0040】
次に、本実施の形態のカラー画像形成装置の色ずれ補正の原理について、色ずれ発生の概念と合わせて説明する。
【0041】
なお、以下の説明で、各色の第1のレーザビームLk1,Ly1,Lm1,Lc1に共通に摘要される場合には総称してレーザビームL1と表記し、各色の第2のレーザビームLk2,Ly2,Lm2,Lc2に共通に摘要される場合にはレーザビームL2と表記する。
【0042】
まず、副走査方向の色ずれについて図3を参照して説明する。
図3(1)には、レーザ走査装置18において、主走査方向の走査範囲において、両端部と中央部で、レーザビームL1、L2によりビームスポットを形成した場合に、理想的なドット位置を示した。図3(1)では、2回の主走査を行った場合を示しており、形成されるビームスポットは、レーザビーム間(レーザビームL1とL2の間)の基準間隔P0でかつ副走査のピッチQで、主走査方向及び副走査方向の各方向共に同一ライン上に形成される。すなわち、ビームスポットは、副走査方向に所定間隔で並ぶように形成される。
【0043】
しかしながら、レンズ等の光学部品の部品公差及び位置公差(アライメント)によって、理想的なドット位置から位置ずれが生じてビームスポットが形成されることがある。
【0044】
図3(2)に示すように、副走査方向のレーザビーム間の間隔P1が基準間隔P0より長い(P1>P0)ときには、主走査毎のレーザビーム間は離間し、かつ第1回目の主走査のレーザビームL2と、第2回目の主走査のレーザビームL1との一部が重なって形成される。また、図3(3)に示すように、副走査方向のレーザビーム間の間隔P2が基準間隔P0より短い(P0>P2)ときには、副走査毎のレーザビーム間は離間し、かつ主走査毎のレーザビームは一部が重なって形成される。
【0045】
例えば、M色のレーザビームLmにより形成されたビームスポット(ドット位置)が図3(2)の状態で、C色のレーザビームLcにより形成されたビームスポットが図3(3)の状態である場合を仮定する。この場合、図4(1)に示すように、M色とC色のレーザ走査装置18の第1のレーザビームLm1,Lc1を基準に副走査方向の走査線の位相を合わせると、M色とC色の副走査方向の2本のドット間隔差α(=P1−P2)が発生する。すなわち、α(=P1−P2)の色ずれが発生する。
【0046】
また、図4(2)に示すように、M色のレーザビームLm1,Lm2,及びC色のレーザビームLc1,Lc2の中心位置に副走査方向の走査線の位相を合わせると、1/2×αの色ずれが発生する。
【0047】
このため、ポリゴンミラー前に三角レンズ(プリズム)等を利用して光軸と略90°を軸として回転機構を設けることでレーザビームL1とL2のレンズ間を通過する距離を制御してレーザビームL1とL2間隔を補正することが考えられるが、三角レンズと補正に伴う高精度の補正機構が必要となる。通常複数のレーザ走査装置を備えた多重画像形成装置においては、複数色間の副走査方向の色ずれを補正する為にポリゴンミラーの位相制御、または、折り返しミラーの可動調整が備えられているが、これらの構成に加えて更に副走査方向の2本のドット間隔を制御するために、三角レンズと補正に伴う高精度の補正機構を備えると、多重画像形成装置が高コストになる。
【0048】
そこで、通常備えられているポリゴンミラーの位相制御や折り返しミラーの可動調整を利用し、以下のようにして、副走査方向の2本のドット間隔差による色ずれを極力小さくすることができる。
【0049】
M色とC色の各走査線ピッチ間の最大ピッチの中心値に副走査方向の走査線の位相を合わせると、1/2×αの色ずれに抑えることができる(図4(2)参照)。この場合、各レーザ走査装置18の間隔P1,P2の値に対する規定値(基準間隔P0)の差の各々が同符号でないときは更に色ずれを小さくすることができる。すなわち、レーザ走査装置18の間隔Pが基準間隔P0からずれた場合、副走査することによって、成立する前回の走査の再度のレーザビームと今回の走査の最初のレーザビームとの間隔(Q−P)は、そのずれた方向と逆方向にずれることになる。このため、複数のレーザビームで成立するレーザビーム間の間隔は最大値と最小値とを有することになる。
【0050】
従って、複数(n、本実施の形態では2本)のレーザビームを射出可能なレーザ走査装置において、副走査によるピッチQを含めて、第1のレーザビームL1と第2のレーザビームL2との間隔について、同一走査内での間隔Pa(レーザビームL1の位置からレーザビームL2の位置までの距離)と、副走査により隣合うレーザビーム間の間隔Pb(前回走査時のレーザビームL2の位置から今回走査時のレーザビームL1の位置までの距離)のデータを測定する。すなわち、図3(2)の例では、間隔P1が間隔Paとなり、ピッチQから間隔P1を減算した間隔が間隔Pbとなる。また、図3(3)の例では、間隔P2が間隔Paとなり、ピッチQから間隔P2を減算した間隔が間隔Pbとなる。この測定は、AC成分を取り除ける程度データ数を採取し平均化することで各ピッチ間を検出することが好ましい。そして、図4(3)に示すように、各レーザ走査装置の各走査ピッチの最大値同士の位相が合うようにポリゴンミラーの位相制御や折り返しミラーの可動によって調整すれば、更に色ずれを小さくすることができる。なお、各走査ピッチの位相は、最小値でも同様の効果がでることは勿論である。
【0051】
また、同一走査内での間隔Pa、隣合うレーザビーム間の間隔Pbを検出する場合、間隔PaのデータをAC成分を取り除ける程度データ数を採取し平均化することでピッチ間を検出し、既定値との差分を計算して間隔Pbを求めることも可能である。
【0052】
ここで一例として、既定値42.3μmに対してM色の間隔P1=50μm、C色の間隔P2=30μmの場合に、上記図4に示す各状態による色ずれを測定した結果を示す。図4(1)の状態では第1のレーザビームL1の各々に副走査の位相を合わせるので、色ずれ20μm発生する。また、図4(2)の状態では各レーザビーム間のピッチの平均値により位相を合わせるので、10μmの色ずれが発生する。一方、図4(3)の状態では、M色とC色の各走査線ピッチ間の最大ピッチの中心値に副走査方向の走査線の位相を合わせることにより色ずれ2.3μmに抑えることができる。
【0053】
次に、複数のレーザビームの影響による主走査方向のドット位置ずれについて図5を参照して説明する。
【0054】
図5(1)には、図3(1)と同様の理想的なドット位置を示した。図3(1)では、走査範囲の両端部の間の基準距離R0で主走査される場合を示している。しかし、上記副走査の場合と同様に、レンズ等の光学部品の部品公差(性能を含む)及び位置公差(アライメント)によって、理想的なドット位置から位置ずれが生じてビームスポットが形成されることがある。
【0055】
図5(2)に示すように、主走査方向の走査距離R1が基準距離R0より長い(R1>R0)ときには、走査範囲の主走査方向の端部に向かうに従ってドット位置ずれが大きくなる。また、図5(3)に示すように、主走査方向の走査距離R2が基準距離R0より短い(R0>R2)ときには、走査範囲の主走査方向の端部に向かうに従ってドット位置ずれが大きくなる。
【0056】
複数のレーザビームの影響による主走査方向のドット位置ずれが生じる現象は、各光学部品性能及び取り付け誤差によって発生し、通常複数のレーザ走査装置を備えた多色画像形成装置においては、複数色間の主走査方向の倍率を補正するために、画像データの周波数を制御(変調)して主走査方向の倍率補正が備えられている。この倍率補正により各レーザ走査装置の複数の主走査位置の平均値を合わせた状態になる。この状態を図6(1)に示した。
【0057】
すなわち、M色のレーザビームLmにより形成されたビームスポット(ドット位置)が図5(2)の状態で、C色のレーザビームLcにより形成されたビームスポットが図5(3)の状態である場合を仮定する。この場合、図6(1)に示すように、各レーザ走査装置の複数の主走査位置の平均値を合わせると、走査範囲の中心付近で走査線の位相が合致するが、両端部付近ではM色とC色の主走査方向のドット誤差β(=R1’/2−R2’/2)が発生する。すなわち、ドット誤差βの色ずれが発生する。
【0058】
この場合、各レーザ走査装置18の走査範囲(走査幅)について第1のレーザビームに対する第2のレーザビームの長さの差(ドット差)が同符号でないときは更に色ずれを小さくすることができる。すなわち、レーザ走査装置18の走査範囲の両端部の間の距離Rが基準距離R0からずれた場合、走査範囲に最大値と最小値とを有することになる。
【0059】
従って、複数(n、本実施の形態では2本)のレーザビームを射出可能なレーザ走査装置において、レーザビームL1とL2との走査範囲について、データ距離を測定する。すなわち、各走査線(レーザビームL1、L2の走査による軌跡)の位置ずれを測定する。この測定は、AC成分を取り除ける程度データ数を採取し平均化することが好ましい。そして、図6(2)に示すように、色ずれが極力小となるように、各レーザ走査装置の各走査範囲の最大値同士の位相が合うように、つまり、各レーザ走査装置の走査位置ずれの最大値同士の位相が合うようにポリゴンミラーの位相制御や折り返しミラーの可動によって調整すれば、更に色ずれを小さくすることができる。なお、各走査ピッチの位相は、最小値でも同様の効果がでることは勿論である。
【0060】
次に、位置ずれを検知するためのパターンについて説明する。
図7には、2本のレーザビームを射出可能な本実施の形態のレーザ走査装置18における副走査方向の走査ピッチを測定するパターンを示した。パターンはレーザビームの本数n、任意の定数kとした場合、n×k+1の走査線でパターンを形成し、パターンのピッチQPは、解像度(図7の例では600dpi=42.3μm)×(n×k’+1)で形成することによって各パターンの中心値の距離差から複数のドット位置ずれを求める。なお、kとk’は任意の定数(整数)とする。
【0061】
例えば、各走査線の間隔(レーザビームL1、L2の走査による軌跡の間隔)の既定値42.3mmに対して63μmの場合、上記の式に従い(2×0+1)でレーザビームL1、L2、L1のパターン1を形成し、次に42.3×(2×3+1)=296.1μmの走査ピッチのタイミングでレーザビームL2、L1、L2のパターン2を形成する。これら形成されたパターンの中心値を求め、理想値(=296.1μm)と実際の走査ピッチ(=316.8μm)との差(=20.7μm)を求めることにより、ドット位置ずれを求めることができる。
【0062】
すなわち、図7に示すように、各レーザ走査装置18において、連続する3本のラインで構成されたパターン1(PT1)とパターン2(PT2)の2種類のパターンを形成する。これらの各パターンの複合光強度プロファイルには飽和領域が形成される。
【0063】
そして、パターン1(PT1)はレーザビームL1、L2及びL1で形成され、レーザビームL1で形成されたラインが書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインとなる。また、パターン2(PT2)はレーザビームL2、L1及びL2で形成され、レーザビームL2で形成されたラインが書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインとなる。
【0064】
パターンは、制御部16は、転写ベルト24の移動によってCCDセンサ28の下方を通過する位置に、各レーザ走査装置18に等間隔でパターン1とパターン2とを形成させる。これにより、パターン1と、パターン2が副走査方向に対し並列に配置されて転写ベルト24の両側に配置される。
【0065】
これら形成されたパターンの副走査方向の中央位置を、CCDセンサ28からのデータに基づいて検出する。レーザビームL1のアライメントを基準とすると、パターン1ではレーザビームL1が書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインを構成しているため、その中央位置はレーザビームL2のアライメントのずれ(ΔL)を含まない。一方、パターン2ではL2が書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインを構成しているため、その中央位置はレーザビームL2のアライメントのずれ(ΔL)を含む。従って、パターン1の副走査方向の中央位置とパターン2の副走査方向の中央位置との差は、レーザビームL2のアライメントのずれΔLと一致する。
【0066】
従って、レーザビームL2のアライメントのずれΔLと、各走査線の間隔(レーザビームL1、L2の走査による軌跡の間隔)の既定値とを加算すれば、同一走査内での間隔Paを求めることができる。また、隣合うレーザビーム間の間隔Pbは、各走査線の間隔(レーザビームL1、L2の走査による軌跡の間隔)の既定値からレーザビームL2のアライメントのずれΔLを減算すればよい。これらの間隔Pa及び間隔Pbの算出は、レーザ走査装置18毎に、すなわち各色毎に行う。
【0067】
次に、レーザ走査装置18がトリプルビーム式のレーザ走査装置である場合について説明する。
【0068】
図8には、3本のレーザビームを射出可能なレーザ走査装置における副走査方向の走査ピッチを測定するパターンを示した。
【0069】
パターンは、上記と同様にレーザビームの本数n、任意の定数kとした場合、n×k+1の走査線でパターンを形成し、パターンのピッチQPは、解像度(図7の例では600dpi=42.3μm)×(n×k’+1)で形成することによって各パターンの中心値の距離差から複数のドット位置ずれを求める。なお、kとk’は任意の定数(整数)とする。
【0070】
例えば、レーザビームL1を基準として、各走査線の間隔の既定値42.3mmに対して、レーザビームL2による走査線までのの間隔が57μmで、レーザビームL3による走査線までのの間隔が70μmであるとき、上記の式に従い(2×1+1)でレーザビームL1、L2、L3、L1のパターン3(PT3)を形成し、次に42.3×(2×3+1)=296.1μmの走査ピッチQTのタイミングでレーザビームL2、L3、L1、L2のパターン4(PT4)を形成し、次に走査ピッチQTのタイミングでレーザビームL3、L1、L2、L3のパターン5(PT5)を形成し、次に走査ピッチQTのタイミングで再度パターン3(PT3)を形成する。なお、以下の説明で混同を避けるため、再度形成するパターン3をPT3’と表記する。
【0071】
これら形成されたパターンの中心値を求め、パターン3とパターン4との走査ピッチ(=310.8μm)、パターン4とパターン5との走査ピッチ(=266.8μm)、パターン5とパターン3(PT3’)との走査ピッチ(=310.7μm)が得られる。これら求めた実際の走査ピッチと、理想値(=296.1μm)との差を求めることにより、各レーザビームL1、L2、L3の間の隣り合うレーザビームのドット位置ずれを求めることができる。
すなわち、図8に示すように、各レーザ走査装置18において、連続する4本のラインで構成されたパターン3(PT3)、パターン4(PT4)、パターン5(PT5)、パターン3(PT3’)を所定の走査ピッチで形成する。これらの各パターンの複合光強度プロファイルには飽和領域が形成される。
【0072】
そして、パターン3(PT3)はレーザビームL1、L2、L3及びL1で形成され、レーザビームL1で形成されたラインが書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインとなる。同様に、パターン4(PT4)はレーザビームL2で形成されたラインが書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインとなり、パターン5(PT5)はレーザビームL3で形成されたラインが書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインとなる。各パターンは、上記と同様に、副走査方向に対し並列に配置されて転写ベルト24の両側に配置される。
【0073】
これら形成されたパターンの副走査方向の中央位置を、CCDセンサ28からのデータに基づいて検出する。レーザビームL1のアライメントを基準とすると、パターン3ではレーザビームL1が書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインを構成しているため、その中央位置はレーザビームL2,L3のアライメントのずれ(ΔL)を含まない。一方、パターン4ではL2が書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインを構成しているため、その中央位置はレーザビームL2のアライメントのずれ(ΔL)のみを含む。従って、パターン3の副走査方向の中央位置とパターン4の副走査方向の中央位置との差は、レーザビームL1に対するレーザビームL2のアライメントのずれΔL12と一致する。従って、ずれΔL12と、各走査線の間隔QTの既定値とを加算すれば、レーザビームL1とレーザビームL2との間隔を求めることができる。
【0074】
次に、レーザビームL2のアライメントを基準とすると、パターン4ではレーザビームL2が書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインを構成し、その中央位置はレーザビームL1,L3のアライメントのずれ(ΔL)を含まない。一方、パターン5ではL3が書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインを構成しているため、その中央位置はレーザビームL3のアライメントのずれ(ΔL)のみを含む。従って、パターン4の副走査方向の中央位置とパターン5の副走査方向の中央位置との差は、レーザビームL2に対するレーザビームL3のアライメントのずれΔL23と一致する。従って、ずれΔL23と、各走査線の間隔QTの既定値とを加算すれば、レーザビームL2とレーザビームL3との間隔を求めることができる。
【0075】
また、レーザビームL3のアライメントを基準とすると、パターン5ではレーザビームL3が書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインを構成し、その中央位置はレーザビームL1,L2のアライメントのずれ(ΔL)を含まない。一方、パターン3(PT3’)ではL1が書き込み開始ライン及び書き込み終了ラインを構成しているため、その中央位置はレーザビームL1のアライメントのずれ(ΔL)のみを含む。従って、パターン5の副走査方向の中央位置とパターン3(PT3’)の副走査方向の中央位置との差は、レーザビームL3に対するレーザビームL1のアライメントのずれΔL31と一致する。従って、ずれΔL31と、各走査線の間隔QTの既定値とを加算すれば、レーザビームL3とレーザビームL1との間隔を求めることができる。
【0076】
従って、レーザビームL1とレーザビームL2との間隔は310.8−296.1=14.7μmのずれから規定値(42.3μm)を加算して57.0μmと求めることができる。同様に、レーザビームL2とレーザビームL3との間隔は266.8−296.1=−29.3μmを用いて13.0μmと求めることができ、レーザビームL3とレーザビームL1との間隔は310.7−296.1=14.6μmを用いて56.9μmと求めることができる。
【0077】
このように、パターンの副走査方向の中央位置と次のパターンの副走査方向の中央位置との差を用いて各レーザビーム間の間隔を求めることができる。
【0078】
次に、パターンから各色の色ずれと位相量の演算について説明する。
図9には、各走査線の各レーザ走査装置におけるパターンを示す。各色ごとのピッチとパターンの走査線数は上記の説明と同様にして行い、各レーザ走査装置のパターンピッチは略等間隔とし同パターン構成をとる。すなわち、パターン形成時には、制御部16は、転写ベルト24の移動によってCCDセンサ28の下方を通過する位置に、各レーザ走査装置18に等間隔でパターン1とパターン2とを形成させ、かつ、各レーザ走査装置18に同種のパターン、例えば、パターン1を等間隔で形成させる。これにより、パターン1がK、Y、M、Cの順で副走査方向に対し並列に配置されたグループA(GA)と、パターン2がK、Y、M、Cの順で副走査方向に対し並列に配置されたグループB(GB)とが転写ベルト24の両側に配置される。また、これらグループAとグループBとを繰り返し形成する。
【0079】
次に、上記説明したように、中心位置を検出し、第1のレーザビームL1と第2のレーザビームL2との間隔Pa、Pbを各色毎に求める。各色の間隔Paは、K色がK1、Y色がY1、M色がM1、C色がC1であり、間隔Pbは、K色がK2、Y色がY2、M色がM2、C色がC2である。これらの各値から規定値(理想値)との差をずれ△(すなわち各色のピッチ間ずれ)として得る。K色が△K1と△K2、Y色が△Y1と△Y2、M色が△M1と△M2、C色が△C1と△C2である。このようにして、ΔK1とΔK2、ΔY1とΔY2、ΔM1とΔM2、ΔC1とΔC2を求めることにより、各色のピッチ間を検出する。次に、基準色(本実施の形態ではK色)からの各色Y,M,Cのずれ量を検出する。第1のレーザビームを基準とするパターン1についてはΔy,Δm,Δcが検出され、第2のレーザビームを基準とするパターン2についてはΔy’,Δm’,Δc’が検出される。
【0080】
次の表1には、位相量の計算の一例を示す。基準色のピッチが大きい方のパターン構成を求める。以下、表1を例として、ΔK1が大、ΔY2、ΔM1、ΔC1が大の場合を説明する。
【0081】
Y色の副走査方向の位相量計算式は、Δy’の平均+ΔK1の平均−(ΔK1−ΔY2)/2とし、レーザビームL1、L2の画像データを切替える。すなわち、通常レーザビームL1、L2を同時に走査して画像形成を行うが、本実施の形態ではこれらのレーザビームL1、L2のいずれを用いるかは、その間隔によって各色毎に設定されるものである。すなわち、レーザビームL1、L2の各々に順次画像データが割り当てられるが、本実施の形態では、レーザビームL2、L1の順序で画像データが割り当てられることがある。この場合には、本来レーザビームL1に対する画像データをレーザビームL2に切り換えなければならないからである。
【0082】
また、M色に関しては、ΔK1とΔM1が同パターンにてピッチが大のため、レーザビームL1、L2の画像データを切替える必要はなく、副走査方向の位相量計算式は、Δmの平均−(ΔK1−ΔM1)/2で求めることが可能である。また、C色に関しては、Y色と同様でΔK1とΔC2がピッチが大であり、同パターン大小が異なるため、レーザーL1、L2の画像データを切替える必要があり、副走査方向の位相量計算式は、Δm’の平均+ΔK1の平均−(ΔK1−ΔM2)/2として求めることができる。
【0083】
【表1】
Figure 0003562263
【0084】
但し、△Y1=Y1−規定値(理想値)
△y1=y1−規定値(理想値)
〔計算式(1)〕
△y’平均+△K1平均−(△K1−△Y2)/2
〔計算式(2)〕
△m平均−(△K1−△M1)/2
〔計算式(3)〕
△c’平均+△K1平均−(△K1−△C2)/2
【0085】
以上のようにして、各色Y,M,Cのずれ量等の検出が終了した後には、各走査線のずれと複数のレーザビームのずれが最小となるようにポリゴンミラーの位相制御や折り返しミラーの可動によって調整する。すなわち、各レーザ走査装置の各走査ピッチの最大値同士(または最小値同士)の位相が合うようにポリゴンミラーの位相制御や折り返しミラーの可動によって調整するこれにより、色ずれを小さくすることができる。この調整は、自動的に行ってもよい。
【0086】
次に主走査方向のずれを求めるパターンを説明する。
図10(1)に示すように、複数のレーザビームの内、何れか1つのレーザビームを、主走査方向に同一のタイミングで単独で点灯させてパターンを形成させる。これによって任意のレーザビームにより副走査方向に伸びるラインとなるパターンが形成できる。次に、複数のレーザビームの内、上記パターンを形成させたレーザビームとは別個のレーザビームの何れか1つのレーザビームを、主走査方向に同一のタイミングで単独で点灯させてパターンを形成させる。これによって任意のレーザビームにより副走査方向に伸びるラインとなるパターンが形成できる。この処理を複数のレーザビームの全てについて行うことにより、各レーザビームによる主走査方向のずれが含まれたパターンを形成でき、これらのパターンを検出することで、各レーザビームによる主走査方向のずれを求めることができる。図10(1)の例では、2本のレーザビームを射出可能なレーザ走査装置による、K色,Y色,M色,C色の各色について形成されたパターンを示したものである。
【0087】
次に、主走査と副走査方向のずれを同時に検知できるパターンについて説明する。図11にはK色,Y色,M色,C色の各色について図8と同様の副走査方向のパターンピッチで形成した十字パターンを示した。位置ずれの検出は、CCDセンサ28で検出した十字パターンについて制御部16で位置を演算するときに、パターンの重心位置を主と副に分解して演算することによって主走査方向と副走査方向の位置ずれを求めることができる。
【0088】
以上説明したように、複数のレーザビームにより感光体面上を同時に主走査方向に走査させて複数のラインを同時に記録させる複数のレーザ走査装置と複数の感光体、現像器を備えた多重画像形成装置において、複数のレーザビームによって発生する色ずれを複数のレーザ走査装置の副走査方向の位相を合わせることにより調整し、低コストで高画質を提供することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、色画像形成装置の各々についての隣り合うレーザビーム間の距離の最大値または最小値を検出し、色画像形成装置の各々について、検出距離の最大値または最小値に一致するように、すなわち複数のレーザ走査装置の副走査方向の位相が合致するように複数のレーザビームの組み合わせを設定するので、各色で用いられる複数のレーザビームについて実質的に記録材料に記録されたときのレーザビームの位置関係の変動量は小さくなり、多色画像形成装置の色間での色ずれを抑制することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるカラー画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】レーザ走査装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】レーザ走査装置により形成されるレーザビームの理想のドット配置及び副走査方向の位置ずれを示したイメージ図である。
【図4】副走査方向の位置ずれを有するM色とC色のレーザ走査装置により形成されるレーザビームの位置関係を示したイメージ図である。
【図5】レーザ走査装置により形成されるレーザビームの理想のドット配置及び主走査方向の位置ずれを示したイメージ図である。
【図6】主走査方向の位置ずれを有するM色とC色のレーザ走査装置により形成されるレーザビームの位置関係を示したイメージ図である。
【図7】2本のレーザビームを射出可能なレーザ走査装置において、各レーザビームの副走査方向間隔の位置ずれを求めるパターンを説明するための説明図である。
【図8】3本のレーザビームを射出可能なレーザ走査装置において、各レーザビームの副走査方向間隔の位置ずれを求めるパターンを説明するための説明図である。
【図9】各色を担当するレーザ走査装置の各々について副走査方向間隔の位置ずれを求めるパターンを説明するための説明図である。
【図10】各レーザビームの主走査と副走査方向の位置ずれを求めるパターンを説明するための説明図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかるカラー画像形成装置の色ずれ抑制のための処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 カラー画像形成装置
12 画像形成部
14 画像読取装置
15 レーザ走査駆動装置
16 制御装置
18 レーザ走査装置
20 感光体ドラム(像担持体)
22 現像器
24 転写ベルト
26 ペーパー
28 CCDセンサー
34 帯電器
36 クリーナー
38 定着器
40 光源

Claims (7)

  1. 感光体、複数のレーザビームが前記感光体上で1列に配列されかつ前記複数のレーザビームを前記配列に沿う方向と交差する方向へ同時に主走査するレーザ走査装置及び現像器を備えた色画像形成装置を複数備えると共に、前記主走査の方向と交差する方向に副走査する副走査装置を備え、前記主走査および副走査を行って同一の記録材料上に2次元の多色画像形成を行う多色画像形成装置であって、
    前記色画像形成装置の各々の複数のレーザビームによる色画像が一致した位置で前記同一の記録材料上に形成されるように、前記副走査装置の副走査方向の基準位置を調整する副走査調整手段と、
    前記複数のレーザビームにより前記記録材料上に形成されるべきビームスポット位置について、前記複数のレーザビームの隣り合うレーザビーム間の距離と、前記複数のレーザビームからなるレーザビーム群が前記副走査によって隣り合う場合の該隣り合うレーザビーム群の間で隣り合うレーザビーム間の距離との最大値または最小値を前記色画像形成装置の各々について検出する検出手段と、
    前記色画像形成装置の各々について、前記検出距離の最大値または最小値に該当する隣り合うレーザビームの組み合わせを設定する設定手段と、
    設定された組み合わせの複数のレーザビームによる色画像が一致した位置で前記同一の記録材料上に形成されるように、前記副走査調整手段によって副走査方向の基準位置を調整する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする多色画像形成装置。
  2. 前記検出手段は、副走査方向の予め定めた基準のレーザビーム間の距離からの位置変動量の最大値または最小値を検出することを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成装置。
  3. 前記検出手段は、主走査方向の位置変動量の最大値または最小値を検出することを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成装置。
  4. 前記検出手段は、副走査方向の予め定めた基準のレーザビーム間の距離からの位置変動量の最大値または最小値、及び主走査方向の位置変動量の最大値または最小値を検出し、前記設定手段は、検出した最大値または最小値を用いて位置変動量が最小となる組み合わせを設定することを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記最大値または最小値となる組み合わせの複数のレーザビームのレーザビーム間の中心位置が、前記色画像形成装置の各々で一致するように副走査方向の基準位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成装置。
  6. 前記検出手段において検出する主走査方向の位置変動量は、複数のレーザビームを点灯させて形成された副走査方向に配列させるビームスポットの位置ずれであることを特徴とする請求項3または4に記載の多色画像形成装置。
  7. 前記検出手段では、レーザビーム数の整数倍のパターンを、複合光強度プロファイルに飽和領域が形成されかつ各色画像形成装置の全てのレーザビームがいずれかのパターンの書き込み開始ラインを形成するように、略等間隔で形成し、形成されたパターンからレーザビーム間の距離の最大値または最小値を検出することにより副走査方向の位置変動量を検出することを特徴とすることを特徴とする請求項2または4に記載の多色画像形成装置。
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