JP3561334B2 - 作業車の車高と左右傾斜との統一制御方法 - Google Patents

作業車の車高と左右傾斜との統一制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、作業車の車高と左右傾斜との統一制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンバイン等の作業機では、刈取部で刈り取り、脱穀部で脱穀した穀粒を、選別部に設けた各種シーブで選別して精穀を得るようにしているが、機体が左右傾斜していると、選別中の穀粒が上記シーブの左右側のいずれか一方に偏して選別精度と能率を低下させることがあり、これを防止するために、機体に傾斜角センサを取り付け、同傾斜角センサの出力及び同出力の時間に関する変化率とに基づき比例・微分制御を行い、左右走行装置を機体に対して個別に上下変位させることにより、機体を左右水平に保持する左右水平制御が行われている。
【0003】
一方、機体を地表から一定の高さに保持する必要があるため、同機体に地上高センサを取り付けて、同センサの出力に基づき比例制御を行って、左右走行装置を機体に対して上下変位させることにより、機体の地上高を一定に保持する地上高制御が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の左右水平制御及び地上高制御では、次のような問題がある。
【0005】
▲1▼ 上記2つのパラメータに、それぞれリニアに対応した制御出力しか得られないため、機体の左右傾斜や車高の偏差と、上記アクチュエータへの出力との対応を最適に設定することが非常に困難である。
【0006】
▲2▼ 同一機体において、前記左右水平制御と地上高制御とを同時に行うために、各制御のプログラムを単に合成したのでは、各制御からのアクチュエータへの出力が矛盾して制御動作に異常を来すことがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明では、左右油圧シリンダの伸縮作動によって走行機体に対して個別に上下変位可能とした左右走行装置と、走行機体の左右傾斜を検出する傾斜角センサと、左右走行装置の上下変位量をそれぞれ検出する左右車高センサと、制御装置とを具備して、制御装置により左右車高センサの検出値から左油圧シリンダに連通した左電磁弁の昇降ソレノイド、または右油圧シリンダに連通した右電磁弁の昇降ソレノイドを制御することにより、走行機体の左右傾斜と車高とを自動的に制御すべく構成した作業車において、制御装置では、傾斜角センサの検出値を逐次読込んで、連続した5個の検出値から移動平均を傾斜角検出値として算出し、この傾斜角検出値と傾斜角目標値との差である傾斜角偏差を算出し、最近算出した傾斜角偏差から前回算出した傾斜角偏差を差引いた値である傾斜角変化率を算出し、この傾斜角変化率の数値と前記傾斜角偏差の数値から制御装置のメモリに記憶した第1ファジーテーブルを用いて傾斜ファジー出力の数値を求める一方、左右車高センサの検出値を演算部に逐次読込んで左右平均値をとり、連続5個の左右平均値の移動平均から車高検出値を算出し、この車高検出値と車高目標値との差を車高偏差として算出し、この車高偏差の数値と前記傾斜ファジー出力の数値から制御装置のメモリに記憶した第2ファジーテーブルを用いて制御信号の数値を求め、この制御信号の数値の絶対値に所定の係数を乗じた後に最小開弁時間を加算した値をパルス周期で除して得られた値をデューティ比としたパルスを制御装置の制御出力部で生成し、制御信号の数値が「0」のときは、制御出力部で生成したパルスの右 ( ) 昇降ソレノイドへの出力を行行わない一方で、制御信号の数値が正の場合は、制御出力部で生成したパルスを右(左)上昇ソレノイドに出力し、制御信号の数値が負のときは、制御出力部で生成したパルスを右(左)下降ソレノイドに出力することを特徴とする作業車の左右傾斜制御方法を提供せんとするものである。
【0008】
【実施例】
本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0009】
図1及び図2は、本発明に係る車高と左右傾斜との統一制御方法を実施した作業車としてのコンバインAを示しており、同コンバインAは、走行機体1の下方に同走行機体1に対し、個別に上下変位可能の左右一対のクローラ式の走行装置2L,2R を配設しており、走行機体1の機体フレーム3の前端部には、機枠4を介して刈取部5を昇降調節自在に装着しており、同刈取部5には刈取前処理装置として、分草体6と、穀稈引起し装置8と、刈取機構7とが配設されている。
【0010】
なお、刈取部5には刈取部高さセンサ(図示せず)が装着されており、前記車高と左右傾斜との統一制御方法とは別途の制御装置で、同センサの出力に基づき刈取部5が一定の対地高さを保持するように制御されている。
【0011】
機体フレーム3の上面には、走行機体1の前方に向かって右側に、前記刈取部5から刈取穀稈を搬入するためのフイードチエン10を具備した脱穀部11を配設し、その下方に脱穀された穀粒を選別して精穀にする選別部9を配設し、機体フレーム3の上面左側には、脱穀・選別済みの穀粒を収納する穀粒タンク12を配設しており、穀粒タンク12の前方に運転部13を設けている。
【0012】
また、前記走行機体1には、エンジン(図示せず)からの動力をミッションケース14を介して前記刈取部5、脱穀部11及び選別部9に伝達すると共に、ミッションケース14の左右側に回動自在に軸支した駆動スプロケット16を介して左右履帯17,17 を駆動するようにしている。
【0013】
左右走行装置2L,2R は、図3〜図6で示すように、それぞれ前後長手の左右トラックフレーム18,18 の後端に設けた付勢手段19によって後方に付勢された緊張スプロケット20,20 と、左右トラックフレーム18,18 の下面に適宜間隔を設けて軸支した転輪22と、前記駆動スプロケット16とを囲繞した左右履帯17,17 とで構成されている。
【0014】
図中、23はイコライザ支持軸、24はイコライザ、25はイコライザ転輪、26,27 はそれぞれ第1、第2転輪である。
【0015】
かかる左右走行装置2L,2R は、機体フレーム3に対して個別に上下変位可能に構成されている。左右走行装置2L,2R は対称的に構成されているので、左走行装置2Lについて説明する。左走行装置2Lは、機体フレーム3の下部に前後長手のシャシ30を設け、同シャシ30の前後部下面にそれぞれ垂設した前後枢支部31,31 をそれぞれ挿通する前後支軸33,33 を介して前後ベルクランク32,32 の屈折部をそれぞれ回動自在に枢着し、前後ベルクランク32,32 の下端部32a をトラックフレーム18の内側面に突設した前後枢軸39,39 に回動自在に枢着して、上記シャシ30、前後ベルクランク32,32 及びとラックフレーム18で平行リンク機構を形成し、後ベルクランク32の上端部32b と機体フレーム3に突設した油圧シリンダ支持体35,35 との間に左油圧シリンダ36L を介装して、左油圧シリンダ36L の伸縮作動により、トラックフレーム18を機体フレーム3に対して上下変位可能としている。図中、36R は右油圧シリンダ、34は連結ロッドである。
【0016】
上記構成により、図6で示すように、左右油圧シリンダ36L,36R を個別に伸縮作動させることにより、左右走行装置2L,2R を機体に対して個別に上下変位できることになる。
【0017】
かかるコンバインAに、本発明要旨の車高と左右傾斜との統一制御方法を実施しており、まず、同制御方法を実施するための制御装置50について説明する。
【0018】
制御装置50は、図7で示すように、検出部51と、演算部52と、メモリ53と、制御出力部54と、操作部55とで構成されている。
【0019】
検出部51は、機体に取付けられ所定のサンプリング周期で機体の左右傾斜を電圧として検出し、この傾斜検出値(本実施例では−7.5 °〜+7.5 °の傾斜に対し2.25V 〜4.25V )を演算部52に対して出力する傾斜角センサ56と、前記左右油圧シリンダ36L,36R のシリンダ部とピストンロッドとの間に介設されて、所定のサンプリング周期で各油圧シリンダ36L,36R 伸縮のストローク検出(本実施例ではフルストロークに対して1.5V〜3.5V)を介して左右走行装置2L,2R の機体に対する上下変位量を検出する左右車高センサ57L,57R と、各センサ56,57L,57Rと演算部52との間にそれぞれ介設した10ビットの分解能を有するA/D 変換器58,58,58と、脱穀部11に設けた脱穀クラッチと連動した脱穀スイッチ60と、運転部13に設けた手動左傾スイッチ61L と、手動右傾スイッチ61R と、自動スイッチ63と、オートセットスイッチ64とで構成されており、各センサ56,57L,57R及び各スイッチ60,61L,61R,63,64の出力を演算部52に入力するようにしている。
【0020】
演算部52は、マイクロプロセッサMPU で構成されており、後述する制御プログラムと、数表とを記憶したメモリ53を接続しており、検出部51から入力した検出値に基づき後述する制御プログラムに従い演算を行って、その結果を制御信号として制御出力部54に出力するようにしている。
【0021】
制御出力部54では、演算部52からの制御信号を電力増幅して、次に述べる左右電磁弁65L,65R の左右昇降ソレノイドSLU,SLD,SRU,SRD を駆動するためのPWM制御出力を操作部55に入力するようにしている。
【0022】
操作部55は、前記左右油圧シリンダ36L,36R にそれぞれ連通した左右電磁弁65L,65R と、左電磁弁65L の昇降ソレノイドSLU,SLD と、右電磁弁65R の昇降ソレノイドSRU,SRD とで構成されており、制御出力部54からの制御信号によって、各油圧シリンダ36L,36R に送給される圧油の方向と、PWM制御出力のデューティ比によって流量を制御することにより、機体左右側の昇降とこれらの速度を制御するようにしている。
【0023】
かかる構成の制御装置50の演算部52において、検出部51から入力する検出値を処理して制御信号を生成するのに、本発明要旨の車高と左右傾斜との統一制御方法を実施しており、まず、制御モードの切換について説明する。
【0024】
制御モードは、自動モード、手動モード、初期設定モードと自動OFFモードとがあり、各スイッチ操作と各モードとの関係を説明する。
【0025】
パワーオン又はオートセットスイッチ64によって、自動モードによる制御のための目標値を予め設定した(例えば、工場出荷時)デフォルト値に設定する。
【0026】
脱穀スイッチ60と自動スイッチ63とが両方ともONのとき自動モードになり、その他の場合は手動モードとなる。
【0027】
なお、傾斜角センサ56と左右車高センサ57L,57R とは、手動モード中であってもセンシングと検出値の処理を継続しており、手動モードが終了すると、各目標値を手動操作終了時点から所定時間経過後の連続した5個の検出値の移動平均値(以下、移動平均値という)に更新して自動モードに復帰する。
【0028】
各目標値の設定には、手動左傾スイッチ61L と手動右傾スイッチ61R とによって行われる。
【0029】
手動左傾スイッチ61L と手動右傾スイッチ61R のいずれか一方がONした場合、自動モードから手動モードに切換わり、傾斜角の目標値を、上記スイッチがOFFしてから所定時間(本実施例では1sec )後の傾斜角センサ56の検出値の移動平均値に更新して自動モードに切換わる。
【0030】
手動左傾スイッチ61L と手動右傾スイッチ61R とが同時にONすると、自動モードから手動モードに切換わり、手動操作が終了すると、車高の目標値を、手動操作終了時点から所定時間(本実施例では1sec )経過後の左右車高センサ57L,57R の検出値の平均値の移動平均値に更新して自動モードに切換わる。
【0031】
脱穀スイッチ60がOFF、自動スイッチ63がON,オートセットスイッチ64が所定時間(本実施例では10sec )以上ONであると、初期設定モードになり、自己診断出力が連続してランプが点灯してこの旨を表示する。ただし、他の制御が手動モードでない場合は、初期設定モードにならず自動OFFモードになる。
【0032】
初期設定モードでは、手動左傾スイッチ61L と手動右傾スイッチ61R とが同時に所定時間(本実施例では10sec )以上ONし、左右車高センサ57L,57R の検出値が両方とも所定の電圧範囲(本実施例では0.8V〜1.2V)内であれば、後述する上限リミット値を上記検出値に所定の値を加えた値に設定し、左右車高センサ57L,57R の検出値が両方とも所定の電圧範囲(本実施例では3.8V〜4.2V)内であれば、後述する下限リミット値を上記検出値から所定の値を差引いた値に設定して、自動モードに切換わる。
【0033】
また、自動OFFモードでは、すべてのソレノイドの駆動を停止する。そして、自動スイッチ63がONで、脱穀スイッチ60がONからOFFに切換わると、車高の目標値を再下限にした制御を、車高及び傾斜角センサからの出力が、不感帯に入るまで続行する。その後、傾斜角センサの出力が不感帯を越えると左右車高センサ57L,57R の検出値が下限リミット値になるまで左右のソレノイドを駆動し、その後、自動モードに切換わる。また、上記正動作の途中で手動右傾スイッチ61R 又は手動左傾スイッチ61L のいずれかがONするか、脱穀スイッチ60がONすると、上記制御動作を停止する。また、自動OFFモードの間、左右車高センサ57L,57R の検出値の移動平均値を車高の目標値として記憶する。
【0034】
なお、オートセットスイッチ64がONした場合と、自動OFFモードから自動モードに移行した場合は、傾斜角の目標値を水平状態にリセットする。
【0035】
次ぎに、自動モードでの制御動作について説明する。本実施例では、ビット数やクロック周波数が小さいマイクロプロセッサや、小さな記憶容量のメモリで構成された制御装置でも、処理時間を短縮できるように、ファジーテーブルを二段階にアクセスして制御出力を得るようにしており、図8及び表1〜表4を参照して説明する。
【0036】
自動モードでの制御が開始すると、傾斜角センサ56の検出値と、左右車高センサ57L,57R の検出値を演算部52に逐次読込んで、連続した5個の検出値の移動平均を算出して傾斜角検出値とし、この値と傾斜角目標値との差を傾斜角偏差とし、この傾斜角偏差から第1ファジーテーブルをアクセスするときの一方の値を求める。この一方の値は、傾斜角偏差を8で除した商が、±7の範囲にあればその値、この商が7より大のときは7、−7より小のときは−7とする。
【0037】
更に、最近算出した傾斜角偏差から前回算出した傾斜角偏差を差引いた値を傾斜角変化率とし、この傾斜角変化率値から第1ファジーテーブルをアクセスするときの他方の値を求める。この他方の値は、傾斜角変化率を8で除した商が、±7の範囲にあればその値、この商が7より大のときは7、−7より小のときは−7とする。
【0038】
表1は、表2で示すファジールールに従って設定した第1ファジーテーブルを示しており、縦軸に傾斜角偏差、横軸に傾斜角変化率をとって、上記二つの値がクロスする交点の数値を第2ファジーテーブルをアクセスするときの傾斜ファジー出力、すなわち、参照値とする。
【0039】
また、左右車高センサ57L,57R から逐次入力する検出値の左右平均値をとり、連続5個の左右平均値の移動平均を算出して車高検出値とし、この値と車高目標値との差を車高偏差とし、この車高偏差から第2ファジーテーブルをアクセスするときの一方の値を求める。この一方の値は、車高偏差を16で除した商が、±7の範囲にあればその値、この商が7より大のときは7、−7より小のときは−7とする。
【0040】
【表1】
Figure 0003561334
【0041】
【表2】
Figure 0003561334
【0042】
表3は、表4で示すファジールールに従って設定した第2ファジーテーブルを示しており、縦軸に前記傾斜ファジー出力を取り、横軸に車高偏差をとって、上記二つの値がクロスする点の数値を制御出力部54へファジー出力、すなわち、制御信号として出力する。
【0043】
【表3】
Figure 0003561334
【0044】
【表4】
Figure 0003561334
【0045】
制御出力部54では、上記ファジー出力の制御信号に基づいて、左右電磁弁65L,65Rの昇降ソレノイドSLU,SLD,SRU,SRDを駆動するためのPWM制御出力を発生する。このPWM制御出力は、所定の最小開弁時間(本実施例では60msec)にファジー出力の制御信号数値の絶対値に所定係数(本実施例では3msec)を乗じて得た時間を加え、これをパルス周期(本実施例では200msec )で除した値をデューティ比としたパルスである。
【0046】
右(左)電磁弁65R(65L)の右(左)昇降ソレノイドSRU,SRD(SLU,SLD)へのPWM制御出力は次の通りである。
【0047】
上記ファジー出力の制御信号が正のときは右(左)上昇ソレノイドSRU(SLU)に出力し、右(左)下降ソレノイドSRD(SLD)には出力しない。
【0048】
制御出力が0のときは、右(左)昇降ソレノイドSRU,SRD(SLU,SLD)に出力しない。
【0049】
制御出力が負のときは、右(左)上昇ソレノイドSRU(SLU)には出力せず、右(左)下降ソレノイドSRD(SLD)に出力する。
【0050】
また、左右車高センサ57L,57R の検出値に対する上限及び下限リミット値を設定しており、左右いずれかの車高センサの検出値が上限リミット値を逸脱した場合には、逸脱した側の上昇ソレノイドへの出力を禁止すると共に、反対側の昇降ソレノイドへの出力を決定する際の車高偏差に0とし、左右いずれかの車高センサの検出値が下限リミット値を逸脱した場合には、逸脱した側の下降ソレノイドへの出力を禁止すると共に、反対側の昇降ソレノイドへの出力を決定する際の車高偏差に0とする。
【0051】
図9は、本実施例における制御動作の一例を示しており、車高が目標値よりもやや高く、かつ左右傾斜している場合の機体の姿勢及びこれに対する制御動作の各諸元を示している。
【0052】
上記のように、傾斜角センサで機体の左右傾斜の偏差と傾斜変化率を検出して、第1ファジーテーブルによって第2ファジーテーブルをアクセスするための傾斜ファジー出力を求め、次いで、上記傾斜ファジー出力と左右車高センサ出力の平均値とで、第2ファジーテーブルをアクセスして最終的なファジー出力を生成するので、ファジー出力に、すべてのセンサの検出値が合理的に加味されることになり、機体の左右傾斜と車高とを統一的に制御することができる。
【0053】
また、各検出値の移動平均を検出値とすることによって、偶発的な検出値の乱れを抑制して、正確な車高及び左右傾斜の制御を行うことができる。
【0054】
また、手動モードでの最終状態を検出し、これを車高及び傾斜角の目標値として設定するので、別途目標値設定のための装置と面倒な手続きとを要せず、しかも、状況に即して感覚的に目標値の設定を行うことができる。
【0055】
更に、手動モード終了から所定時間経過後、各検出値の移動平均を検出値とすることによって、機体の姿勢が安定した状態で、しかも、偶発的な検出値の乱れが抑制された検出値を得ることができる。
【0056】
なお、本実施例では、ビット数やクロック周波数が小さく演算速度が遅いマイクロプロセッサやメモリで構成された制御装置でも、高速処理ができるようにファジーテーブルを用いたが、ファジーテーブルを用いることなく、ファジー演算アルゴリズムにしたがって制御出力を算出することが可能である。
【0057】
なお、前記左右電磁弁65L,65R を駆動する油圧ポンプ70を、刈取部昇降油圧シリンダ等の他の油圧機器72と共用している場合には、図7で示すように、左右電磁弁65L,65R と油圧ポンプ70との間に電磁切換弁71を介設して、左右昇降ソレノイドSLU,SLD,SRU,SRD に出力がある時は、必ず電磁切換弁71に出力して、油圧ポンプ70からの圧油の送給先を左右油圧シリンダ36L,36R 側に切換えるようにすればよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明では、機体に対して個別に上下変位可能とした左右走行装置と、機体の左右傾斜を検出する傾斜角センサと、左右走行装置の上下変位量をそれぞれ検出する左右車高センサと、制御装置とを具備して、機体の左右傾斜と車高とを自動的に制御すべく構成した作業車において、制御装置によって、傾斜角の偏差と上記傾斜角の変化率とから参照値を算出し、この参照値と車高の偏差とから左右走行装置を上下変位させるための制御信号を生成することによって、制御信号に全てのセンサの検出値が合理的に加味されることになり、機体の左右傾斜と車高とを統一的に制御することができる。
【0059】
特に、左右傾斜角の偏差と傾斜角変化率とから参照値を算出するので、傾斜角に関するリスポンスを良くしながらオーバーシュートやアンダーシュートを防止して、応答性を向上することができる。
【0060】
このように、まず、傾斜角に関する参照値を求め、この参照値と車高の偏差とから制御出力を求めるようにしたので、傾斜角制御と車高制御との間の矛盾が発生せず、これらの制御を合理的に統一することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車高と左右傾斜との統一制御方法を実施した作業車の側面図。
【図2】同正面図。
【図3】走行装置の側面図。
【図4】走行装置の側面図。
【図5】走行装置の平面図。
【図6】走行装置の正面図。
【図7】制御装置の構成を示す説明図。
【図8】制御動作を示すフローチャート。
【図9】制御動作の一例を示す説明図。
【符号の説明】
A 作業車(コンバイン)
2L 左走行装置
2R 右走行装置
50 制御装置
56 傾斜角センサ
57L 左車高センサ
57R 右車高センサ

Claims (1)

  1. 左右油圧シリンダ (36L,36R) の伸縮作動によって走行機体(1)に対して個別に上下変位可能とした左右走行装置(2L,2R)と、走行機体(1)の左右傾斜を検出する傾斜角センサ(56)と、左右走行装置(2L,2R)の上下変位量をそれぞれ検出する左右車高センサ(57L,57R)と、制御装置(50)とを具備して、
    制御装置 (50) により左右車高センサ (57L,57R) の検出値から左油圧シリンダ (36L) に連通した左電磁弁 (65L) の昇降ソレノイド (SLU,SLD) 、または右油圧シリンダ (36R) に連通した右電磁弁 (65R) の昇降ソレノイド (SRU,SRD) を制御することにより、走行機体(1)の左右傾斜と車高とを自動的に制御すべく構成した作業車において、
    制御装置(50) では、
    傾斜角センサ (56) の検出値を逐次読込んで、連続した5個の検出値から移動平均を傾斜角検出値として算出し、
    この傾斜角検出値と傾斜角目標値との差である傾斜角偏差を算出し、
    最近算出した傾斜角偏差から前回算出した傾斜角偏差を差引いた値である傾斜角変化率を算出し、
    この傾斜角変化率の数値と前記傾斜角偏差の数値から制御装置 (50) のメモリ (53) に記憶した第1ファジーテーブルを用いて傾斜ファジー出力の数値を求める一方、
    左右車高センサ (57L,57R) の検出値を演算部 (52) に逐次読込んで左右平均値をとり、連続5個の左右平均値の移動平均から車高検出値を算出し、
    この車高検出値と車高目標値との差を車高偏差として算出し、
    この車高偏差の数値と前記傾斜ファジー出力の数値から制御装置 (50) のメモリ (53) に記憶した第2ファジーテーブルを用いて制御信号の数値を求め、
    この制御信号の数値の絶対値に所定の係数を乗じた後に最小開弁時間を加算した値をパルス周期で除して得られた値をデューティ比としたパルスを制御装置 (50) の制御出力部 (54) で生成し、
    制御信号の数値が「0」のときは、制御出力部 (54) で生成したパルスの右 ( ) 昇降ソレノイド (SRU,SRD(SLU,SLD)) への出力を行行わない一方で、
    制御信号の数値が正の場合は、制御出力部 (54) で生成したパルスを右(左)上昇ソレノイド SRU(SLU) に出力し、
    制御信号の数値が負のときは、制御出力部 (54) で生成したパルスを右(左)下降ソレノイド SRD(SLD) に出力する
    ことを特徴とする作業車の左右傾斜制御方法。
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