JP3549489B2 - 刈取収穫機の姿勢制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行装置の接地部に対して、前部に刈取部を昇降操作自在に備える機体本体の前後傾斜角を変更操作自在な姿勢変更操作手段と、前記機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角を検出する前後傾斜角検出手段と、この前後傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角が設定傾斜角に維持されるように、前記姿勢変更操作手段の作動を制御するピッチング制御を実行する制御手段とが設けられている刈取収穫機の姿勢制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記した刈取収穫機は、走行面に凹凸や傾斜があっても、姿勢変更操作手段と前後傾斜角検出手段と制御手段との作用により、機体本体の前後傾斜角を水平などの設定傾斜角やそれに近いものに維持しながら走行できるようになったものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
収穫機の一例としてのコンバインにおいては一般に、図11に示すように、圃場Mの各辺M1〜M4に沿う作業行程をいわゆる周り刈り形態で刈取走行され、一つの作業行程に沿っての刈取走行が終了すると、刈取部を上昇させて次の作業行程の始端部に移動される。
【0004】
この移動走行を行なう場合にも、制御手段によるピッチング制御をオンにしておくと、走行地面の凹凸や傾斜に起因する機体本体の姿勢変化が抑制され、前後重量がバランスしやすいとか、脱穀装置の選別部に処理不良が発生しにくいなど走行や穀稈処理を有利に行ないながら走行できる。
【0005】
ところが、この移動走行を行なう際、機体本体のピッチング制御が刈取走行を行なうときのピッチング制御と同じ制御形態で行われると、次の如きトラブルが発生することがある。
【0006】
すなわち、一つの作業工程を終えた際の前記移動走行は、図11に示す如くして行われる。つまり、一つの作業工程の刈取り走行(イ)を終了すると、先ずやや横向きに向き変更しながら前進走行(ロ)をされ、この前進走行(ロ)による所定距離の走行を終えると、その位置から後進走行(ハ)をされる。この後進走行(ハ)による所定距離の走行を終えると、その位置から次の作業工程の始端部に向けて前進走行(ニ)をされる。
この最後の前進走行(ニ)を行なう際、これより先に行なった前進走行(ロ)や後進走行(ハ)のためにできた土の盛り上がりを乗り越えて移動することが多々あり、走行装置が盛り上がり部に乗り上がり始めると、これに伴う機体本体の水平基準面に対する姿勢変化のために、機体本体を走行装置に対してそれまでより前傾斜側に姿勢変化する方向にピッチング調節する制御が実行される。このピッチング制御は、走行装置が盛り上がり部を乗り越えるまで行われる。走行装置が盛り上がり部を乗り越えると、走行装置の対地姿勢が前傾斜側や乗り上がり前のものに急激に変化する。すると、走行装置が盛り上がり部を乗り越えて元の対地姿勢に戻ったとき、ピッチング制御による修正遅れのために、機体本体が水平基準面に対して前傾斜側に傾斜し過ぎた状態にあり、場合によっては、刈取部の先端側が地面に突っ込む事態が発生することがある。また、次の作業工程の始端部に到達したとき、機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角が設定傾斜角にまだ戻っておらず、刈取部を人為操作による高さ調節によって所定の刈高さに位置合わせしても、この後に機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角を設定傾斜角にするピッチング制御が実行されて刈取部の高さが変化し、刈取部を所定の刈高さに位置合わせする人為調節を繰り返し行なう必要が生じることがある。
【0007】
本発明の目的は、刈取り走行の際は応答性のよいピッチング制御が行われる状態で走行できるものでありながら、上記した不具合が発生しにくい状態でピッチング制御させながら移動走行できる刈取収穫機の姿勢制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1によれば、冒頭に記した刈取収穫機の姿勢制御装置において、機体本体の走行状態を検出する走行状態検出手段と、機体本体の走行距離を検出する走行距離検出手段とが設けられ、
前記制御手段が、前記走行状態検出手段及び前記走行距離検出手段の検出情報に基づいて、機体本体が前進走行を開始してから設定距離を走行するまでの間、前記ピッチング制御として、前記設定距離を走行した後に設定する制御感度より鈍感な制御感度を設定して前記姿勢変更操作手段の作動を制御する制約付きピッチング制御を実行するように構成されている。
【0009】
すなわち、機体本体が前進走行を開始してから設定距離を走行するまでの間、機体本体の水平基準面に対する前後傾斜が変化してピッチング調節が必要になると、この設定距離を走行した後に設定する制御感度より鈍感な制御感度を設定した制約付きピッチング制御が実行されるものである。
【0010】
これにより、一つの作業工程を終えて上記した移動走行を行うに当り、後進走行の後に行なう前記前進走行によって走行する距離が前記設定距離になるようにしてこの前進走行を行なって次の作業工程の始端部に移動すれば、この前進走行のとき、走行装置が土の盛り上がりに乗り上がって機体本体のピッチング調節が必要になったとしても、鈍感な制御感度を設定した制約付きピッチング制御が実行され、前記設定距離を走行した後に設定する制御感度と同じ敏感な制御感度を設定したピッチング制御が実行される場合に比べ、後に走行装置が盛り上がり部を乗り越えて走行装置の対地姿勢が急激に変化したときに機体本体が水平基準面に対して前傾斜にならないとか、なってもその傾斜角が少なくて済む状態が現出されるようにしてピッチング調節される。
【0011】
次の作業工程の始端部に到達すると、引き続き前進走行をして刈取り作業を行なっていく。すると、移動走行のための最後の前記後進走行を終えて前進走行を開始してからの走行距離が前記設定距離より大になり、機体本体のピッチング調節が必要になった場合、移動走行時の制約付きピッチング制御が実行されるときの制御感度より敏感な制御感度を設定した応答性のよいピッチング制御が実行されて、機体本体を設定傾斜角にピッチング調節される。
【0012】
従って、刈取り作業を行なう際は、機体本体のピッチング調節が必要になれば応答性のよりピッチング制御によって設定傾斜角に迅速にピッチング調節され、刈り高さが所定の高さに精度よく揃うなど有利に作業できる。
【0013】
その割には、上記した如き移動走行をされる際、盛り上がり部の上を移動することになっても機体本体は鈍感な制御感度による規制付きピッチング制御によってピッチング調節され、機体本体の前後重量が極力バランスするなど有利な状態で移動走行できる割には、走行装置が盛り上がり部を乗り越えたとき、機体本体が前傾斜側になり過ぎにくくて刈取り部が地面に突っ込みにくくなるとか、次の作業工程の始端部に到達して刈取部を所定の刈高さに高さ調節するのに迅速に位置合わせできるなど有利に調節できる。
【0014】
請求項2によれば、請求項1において、刈取作業状態であるか非刈取作業状態であるかを検出する作業状態検出手段が設けられ、前記制御手段が、前記作業状態検出手段の検出情報に基づいて、刈取作業状態から非刈取作業状態に変化したことが検出された後設定時間の間、前記制約付きピッチング制御を実行するように構成されている。
【0015】
すなわち、刈取作業状態から非刈取作業状態に切り換えると、これから設定時間の間、前記制約付きピッチング制御が実行されるようになるものである。これにより、タンクに貯留された穀粒を排出するなど、刈取り作業を中断して走行する際、刈取作業状態から非刈取作業状態に切り換えてから前記設定時間が経過した後に走行すると、後進と前進走行を繰り返すことがあっても、機体本体のピッチング調節が必要になれば敏感な制御感度によるピッチング制御が実行されて応答性よくピッチング調節される。
【0016】
従って、タンクから穀粒を排出するなど、非刈取作業状態で走行する際、前後進を繰り返すことがあっても、かつ、地面に傾斜や凹凸があっても、機体本体が敏感な制御感度によるピッチング制御によって設定傾斜角に応答性よくピッチング調節され、機体本体の前後重量が良好にバランスするなど有利な状態で走行できる。
【0017】
請求項3によれば、請求項1又は2において、前記制御手段が、前記制約付きピッチング制御を実行するとき、機体本体の前後傾斜角が後傾斜側に変化する方向に前記姿勢変更操作手段を作動させる場合、機体本体の前後傾斜角が前傾斜側に変化する方向に前記姿勢変更操作手段を作動させる場合より敏感な制御感度を設定するように構成されている。
【0018】
すなわち、刈取収穫機にあっては、前下がり傾斜地から圃場に進入することがある。また、この傾斜地進入を行なう際、刈取り作業を行ないながら進入することを要望されることがある。このとき、機体本体を走行装置の接地部に対して後傾斜側に変化する方向に姿勢変更操作手段を作動させる制約付きピッチング制御が実行されることになるが、このときも、鈍感な制御感度を設定して実行されるものであれば、機体本体が後傾斜側に充分にピッチング調節されなくて機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角が設定傾斜角にならず、刈取り作業を行なえないことがある。これに対し、制約付きピッチング制御されるときであっても、機体本体の前後傾斜角が後傾斜側に変化する方向に姿勢変更操作手段を作動させるときには、機体本体の前後傾斜角が前傾斜側に変化する方向に姿勢変更操作手段を作動させる場合より敏感な制御感度を設定して実行されるものだから、走行装置の接地部が前下がり状態になったときでも、機体本体が後傾斜側に充分にピッチング調節されて、機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角を設定傾斜角に維持されるようになる。
【0019】
従って、一つの作業工程を終えて次の作業工程に移動走行するとき、前記した如く鈍感な制御感度を設定した規制付きピッチング制御が実行されて有利に移動できる割には、前記した傾斜地進入を行なうとき、敏感な制御感度を設定した規制付きピッチング制御によって機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角を設定傾斜角に維持させられ、刈取り作業を行ないながら進入できる。
【0020】
請求項4によれば、請求項1〜3のいずれか1項において、前記制御手段が、前記ピッチング制御として、前記前後傾斜角検出手段の検出信号と、前記設定傾斜角に対応する設定信号値との偏差が姿勢制御用の不感帯を外れると、前記偏差が前記不感帯に入るように前記姿勢変更操作手段を作動させる動作を実行するように構成され、且つ、前記制約付きピッチング制御を実行するとき、機体本体が前進走行を開始してから定期的に、前記偏差を計測用の設定基準距離に対して積分した積分値と、設定値とを比較し、積分値が設定値より大であれば前記姿勢変更操作手段を作動させることにより、制御感度を鈍感に設定して前後姿勢変更操作手段を作動させるように構成されている。
【0021】
つまり、機体本体が前進走行を開始してから定期的に、前記偏差を計測用の設定基準距離に対して積分した積分値と、設定値とを比較し、積分値が設定値より大であれば前記姿勢変更操作手段を作動させることにより、制御感度を鈍感に設定するものだから、機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角が設定傾斜角から外れても一時的なものであれば制約付きピッチング制御が実行されなくなる。これにより、走行装置が盛り上がり部を乗り越えて元の対地姿勢に戻ったとき、この走行装置の対地姿勢に対応するものとして設定してある機体本体の前後傾斜角と、このときに実際に現出されている機体本体の前後傾斜角との間に生じる差が極力小になるようにしながら機体本体の規制付きピッチング制御を実行させられる。
【0022】
従って、前記した移動走行のときに盛り上がり部の上を移動することになっても、走行装置が盛り上がり部を乗り越えたときの機体本体の前傾斜側への傾き過ぎを一層効果的に抑制し、前記した刈取部の突っ込みがより回避しやすくなるとか、次の作業工程の始端部に到達したとき、刈取部を所望の刈高さにより調節しやすくなるなど一層有利になる。
【0023】
請求項5によれば、請求項1〜4のいずれか1項において、前記制御手段が、前記制約付きピッチング制御を実行するとき、前記姿勢変更操作手段を一定量ずつ作動させる動作を実行することにより、制御感度を鈍感に設定して前後姿勢変更操作手段を作動させるように構成されている。
【0024】
すなわち、姿勢変更操作手段を一定量ずつ作動させる動作を実行することによって制御感度を鈍感に設定しているものだから、走行装置が盛り上がり部に乗り上がったとき、機体本体が設定傾斜角に一定量ずつピッチング調節される。これにより、走行装置が盛り上がり部を乗り越えて元の対地姿勢に戻ったとき、この走行装置の対地姿勢に対応するものとして設定してある機体本体の前後傾斜角と、このときに実際に現出されている機体本体の前後傾斜角との間に生じる差が極力小になるようにしながら機体本体の規制付きピッチング制御を実行させられる。
【0025】
従って、前記した移動走行のときに盛り上がり部の上を移動することになっても、走行装置が盛り上がり部を乗り越えたときの機体本体の前傾斜側へ傾き過ぎを一層効果的に抑制し、前記した刈取部の突っ込みがより回避しやすくなるとか、刈取部を所望の刈高さにより調節しやすくなるなど一層有利になる。
【0026】
請求項6によれば、請求項1〜5のいずれか1項において、前記姿勢変更操作手段が、機体本体における左側前部、左側後部、右側前部、及び、右側後部のそれぞれにおいて前記走行装置の接地部に対する高さを各別に変更調節自在な4個の駆動手段を備えて構成され、前記制御手段が、前記ピッチング制御において、前記4個の駆動手段のうち、左側前部及び右側前部に作用する2個の駆動手段と、左側後部及び右側後部に作用する2個の駆動手段のいずれか一方の2個の駆動手段を駆動停止させた状態で、他方の2個の駆動手段を駆動操作するように構成されている。
【0027】
すなわち、姿勢変更操作手段が、前記4個の駆動手段を備えて構成されているものだから、機体本体の前後方向での一端部を走行装置に対して下降限界まで移動調節してなった傾斜姿勢の状態と、他端部を走行装置に対して上昇限界まで移動調節してなった傾斜姿勢の状態との間で機体本体の前後傾斜角が変化するようにできる。これにより、機体本体が走行装置の接地部に対して移動する最大ストロークを小にしながら、かつ、機体本体が水平姿勢にあるときの機体重心を低くしながら前後傾斜角の変化量を大きくできる。
【0028】
機体本体の前後傾斜角を変更操作するのに、4個の駆動手段のうち、3個以上の駆動手段を同時に駆動すると、機体本体の姿勢が不安定になって各駆動手段に対する荷重負荷が変動し、その荷重負荷の変動によって各駆動手段の操作速度が変化しようとして他の駆動手段に対して互いに影響し合うため、滑らかな駆動操作が行なわれにくくなる。これに対し、機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角を設定前後傾斜角に維持するピッチング制御において、機体本体の左側前部及び右側前部に作用する2個の駆動手段と、左側後部及び右側後部に作用する2個の駆動手段のうちの一方の2個の駆動手段だけが駆動されものだから、機体本体の姿勢が不安定になりくくしながら、かつ、2個の駆動手段を極力滑らかに駆動操作させながら適正なピッチング制御を実行させられる。
【0029】
したがって、前後傾斜の調節範囲を大きくし、地面凹凸のレベル差が大きくても充分に対応できるなど有利にピッチング制御を行なわせられる。しかもその割には、機体本体や駆動手段を小型してコンパクトに得られる。さらには、機体重心が低くなるとともに、ピッチング制御が実行される際に駆動手段がスムーズに安定よく駆動されて安定よくかつ乗り心地よく走行できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、左右一対のクローラ走行装置1L,1Rによって支持されるように構成してあるとともに搭乗型の運転部2、運転座席の下方に位置する原動部を備えている機体本体Vの機体フレーム11に脱穀装置3や穀粒タンク4などを搭載し、引起装置5やバリカン型の刈取装置7などを備える刈取部10の刈取部フレーム10aの基端部を、前記機体フレーム11の前部に位置する支持部11aに機体横向きの軸芯P1まわりで回動自在に連結し、刈取部フレーム10aに一端側が連結している屈伸自在なリンク機構10bと、機体フレーム11とにわたって油圧式のリフトシリンダC1を取付け、機体本体Vの原動部から刈取部10に動力伝達するように構成して、コンバインを構成してある。このコンバインは、稲・麦などの収穫作業を行うものであり、詳しくは次の如く構成してある。
【0031】
すなわち、リフトシリンダC1によって刈取部フレーム10aを軸芯P1まわりで上下に揺動操作することにより、刈取部10を機体本体Vに対して昇降操作する。つまり、引起装置5の下端や刈取装置7が地面上近くに位置して穀稈の刈取りを行なう下降作業位置と、機体本体Vに対して上昇エンドやその近くまで上昇して刈取りしないで走行する上昇非作業位置とに昇降操作する。そして、刈取部10を作業位置にして機体本体Vを走行させると、刈取部10は、分草具6によって稲・麦などの植立穀稈を刈取り対象と非刈取り対象とに分草し、刈取り対象の植立穀稈を引起装置5によって引起こし処理するとともにその株元を刈取装置7によって切断し、刈取装置7からの刈取穀稈を株元側に挟持搬送作用する株元側搬送部と、穂先側に係止搬送作用する穂先側搬送部とで成る搬送装置8によって機体後方に搬送して脱穀装置3の脱穀フィードチェーン3aの搬送始端部に供給する。脱穀装置3は、前記搬送装置8からの刈取穀稈の株元側を脱穀フィードチェーン3aによって挟持して搬送しながら穂先側を扱室に供給して回動する扱胴によって扱き処理し、脱穀排ワラを脱穀フィードチェーン3aによって扱室から搬出する。脱穀装置3からの脱穀粒をコンベアによって穀粒タンク4に搬送して貯留していく。
【0032】
図2に示すように、左側のクローラ走行装置1Lは、機体本体Vの機体フレーム11が備えている支持フレーム12の前端側に前ベルクランク17aを介して前端側が連結し、前記支持フレーム12の後端側に後ベルクランク17bと補助リンク17b1とを介して後端側が連結している機体本体の前後方向に長いトラックフレーム16と、前記支持フレーム12の前端部によって回動自在に支持されている駆動自在なクローラ駆動スプロケット13と、前記支持フレーム12の前後方向での中間部に遊転自在に支持されている上部転輪14aと、前記トラックフレーム16の長手方向での複数箇所に遊転自在に支持されている接地転輪14と、前記トラックフレーム16の後端部に遊転自在に支持されているクローラ緊張輪15と、前記複数個の輪体15,13,14a,14の全てにわたって巻回しているゴム製の無端クローラベルトBとによって構成してある。
【0033】
前ベルクランク17aのうち、支持フレーム12に回動自在に連結している回転支軸部からトラックフレーム16の方とは反対側に一体回動自在に延出している揺動自在なアーム部と、支持フレーム12によって支持されているシリンダブラケットとにわたって油圧式で複動型の前シリンダC2を取付け、後リンク17bのうち、支持フレーム12に回動自在に連結している回転支軸部からトラックフレーム16の方とは反対側に一体回動自在に延出している揺動自在なアーム部と、支持フレーム12によって支持されているシリンダブラケットとにわたって油圧式で複動型の後シリンダC3を取付けてある。
すなわち、前シリンダC2が前ベルクランク17aを軸芯P2まわりで支持フレーム12に対して回動操作してトラックフレーム16の前端側を機体フレーム11に対して昇降操作し、後シリンダC3が後ベルクランク17bを軸芯P3まわりで支持フレーム12に対して回動操作してトラックフレーム16の後端側を機体フレーム12に対して昇降操作するように構成してある。
【0034】
右側のクローラ走行装置1Rは、左側のクローラ走行装置1Lと同一の構成を備えており、左側のクローラ走行装置1Lにおいても、右側のクローラ走行装置1Rにおいても、前シリンダC2,C4と後シリンダC3,C5とを駆動操作することにより、前シリンダC2,C4と後シリンダC3,C5の駆動力によってトラックフレーム12が機体フレーム11に対して昇降する。
【0035】
これにより、図2に示すように、左右の前シリンダC2,C4を最も伸張させ、且つ、左右の後シリンダC3,C5を最も短縮させると、左右走行装置1L,1Rのトラックフレーム16が機体フレーム11に最も近づいてほぼ平行になった状態になる。このときの機体本体Vの姿勢が下限基準姿勢である。
【0036】
図3に示すように、前記下限基準姿勢にある状態から、左右の後シリンダC3,C5をそのままの状態に維持しながら左右の前シリンダC2,C4を短縮作動させると、左右走行装置1L,1Rのトラックフレーム16の前端側が後端側より機体フレーム11に対して下降した状態になる。すなわち、機体本体Vを前部側がクローラ走行装置1L,1Rの接地部に対して離間する方向に姿勢変更(前上昇操作)することになる。
図4に示すように、前記下限基準姿勢にある状態から、左右の前シリンダC2,C4をそのままの状態に維持しながら左右の後シリンダC3,C5を伸長作動させると、左右走行装置1L,1Rのトラックフレーム16の後端側が前端側より機体フレーム11に対して下降した状態になる。機体本体Vを後部側がクローラ走行装置1L,1Rの接地部に対して離間する方向に姿勢変更(後上昇操作)することになる。
図5に示すように、前記下限基準姿勢にある状態から、左右の前シリンダC2,C4を短縮作動させ、且つ、左右の後シリンダC3,C5を伸長作動させると、左右走行装置1L,1Rのトラックフレーム16が機体フレーム11に対してほぼ平行に下降した状態になる。機体本体Vを走行装置1L,1Rの接地部に対して平行姿勢のまま離間する方向に姿勢変更(上昇操作)することになる。
【0037】
左側のクローラ走行装置1Lにおけるトラックフレーム16と機体フレーム11との上下間隔が、右側のクローラ走行装置1Rにおけるトラックフレーム16のそれより小になる側に各油圧シリンダC2〜C5を操作させると、機体本体Vを走行装置1L,1Rの接地部に対して右上げ方向に姿勢変更(左傾斜操作)することになる。
【0038】
右側のクローラ走行装置1Rにおけるトラックフレーム16と機体フレーム11との上下間隔が、左側のクローラ走行装置1Lにおけるトラックフレーム16のそれより小になる側に各油圧シリンダC2〜C5を操作させると、機体本体Vを走行装置1L,1Rの接地部に対して左上げ方向に姿勢変更(右傾斜操作)することになる。
【0039】
したがって、左側の前シリンダC2(以下、単に左前シリンダC2と呼称する。)と、左側の後シリンダC3(以下、単に左後シリンダC3と呼称する。)と、右側の前シリンダC4(以下、単に右前シリンダC4と呼称する。)と、右側の後シリンダC5(以下、単に右後シリンダC5と呼称する。)とが、走行装置1L,1Rの接地部に対する機体本体Vの左右傾斜角及び前後傾斜角を変更操作する姿勢変更操作手段100を構成している。そして、左前シリンダC2が、機体本体Vにおける左側前部に昇降操作するべく作用する駆動手段となっており、機体本体Vにおける左側前部の走行装置1L,1Rの接地部に対する高さを変更調節する。左後シリンダC3が、機体本体Vにおける左側後部に昇降操作するべく作用する駆動手段となっており、機体本体Vにおける左側後部の走行装置1L,1Rの接地部に対する高さを変更調節する。右前シリンダC4が、機体本体Vにおける右側前部に昇降操作するべく作用する駆動手段となっており、機体本体Vにおける右側前部での走行装置1L,1Rの接地部に対する高さを変更調節する。右後シリンダC5が、機体本体における右側後部に昇降操作するべく作用する駆動手段になっており、機体本体における右側後部での走行装置1L,1Rの接地部に対する高さを変更調節する。
【0040】
左右のクローラ走行装置1L,1Rにおける前記各ベルクランク17a,17bの回転支軸部に対応する箇所に、その回転支軸部の回動量に基づいて前記各油圧シリンダC2,C3,C4,C5の操作量(油圧シリンダC2〜C5の伸縮作動したストローク量)を検出する操作量検出手段としてのポテンショメータ形のストロ−クセンサ18,19,20,21が設けられている。
【0041】
機体本体Vには、機体本体Vの水平基準面に対する左右傾斜角を検出する左右傾斜角検出手段としての重力式の左右傾斜角センサ23、及び、機体本体Vの水平基準面に対する前後傾斜角を検出する前後傾斜角検出手段としての重力式の前後傾斜角センサ24が備えられている。
【0042】
前記搬送装置8の始端部には、刈取穀稈に接当したときにオン状態となり、刈取穀稈が外れたときにオフ状態となる株元センサ53が設けられている。そして、刈取り作業を行なうと、刈取穀稈が刈取部10に導入されて株元センサ53に当接し、刈取作業を止めると、刈取穀稈が刈取部10に入り込まなくて株元センサ53が穀稈に当接しなくなる。これにより、株元センサ53が、刈取作業状態であるか非刈取作業状態であるかを検出する作業状態検出手段300を構成する。
【0043】
前記分草具6の後方側箇所に、刈取部10の地面に対する高さを検出する超音波式の刈高さセンサ9が設けられている。詳述はしないが、この刈高さセンサ9は、下方側に向けて超音波を発信してから受信するまでの時間を計測することで、刈取部10の地面に対する高さを検出するように非接触式に構成されている。
【0044】
動力伝達系を図6に示すように構成してある。
すなわち、機体本体Vの原動部に搭載されたエンジンEから出力された動力は、脱穀クラッチ45を介して脱穀装置3に伝達されるとともに、走行クラッチ46及び油圧式の無段変速装置47を介して左右のクローラ走行装置1L,1Rのミッション部48に伝達され、ミッション部48に伝達された動力は、クローラ走行装置1L,1Rに伝達されるとともに、刈取クラッチ49を介して刈取部10に伝達される。図中、50は、ミッション部48への入力回転数に基づいて車速を検出する車速センサである。
【0045】
上記無段変速装置47は、前記搭乗運転部2に設けた変速レバー51によって変速操作される。
図6に示すように、変速レバー51の基端部付近に中立スイッチ52と前進スイッチ54とを設けてある。変速レバー51が中立位置にあると、変速レバー51の基部に変速操作レバー51と一体回動するように付設してある一対の検出対象体としての一方の中立カム51aが中立スイッチ52の操作部に押圧作用してこの中立スイッチ52をオンに操作し、他方の前進カム51bが前進スイッチ54の操作部から離れていて前進スイッチ54がオフになる。変速レバー51が中立位置Nから前進側の操作域Fに操作されると、中立カム51aが中立スイッチ52の操作部から離れて中立スイッチ52がオフになり、前進カム51bが前進スイッチ54の操作部に押圧作用してこの前進スイッチ54をオンに操作する。変速レバー51が中立位置Nから後進側の操作域Rに操作されると、中立カム51aが中立スイッチ52の操作部から離れて中立スイッチ52がオフになり、前進カム51bが前進スイッチ54の操作部から離れ、前進スイッチ54はオフのままになる。
したがって、前進スイッチ54と中立スイッチ52とが機体本体の走行状態を検出する走行状態検出手段400を構成しており、この走行状態検出手段400により、機体本体Vが前進走行を開始したことを検出できる。すなわち、前進スイッチ54がオフからオンに切り換わり、中立スイッチ52がオンからオフに切り換わったことを検出することにより、機体本体が前進走行を開始したと検出できる。
【0046】
図7に示すように、機体本体Vに設けたマイクロコンピュータ利用の制御装置22に、前記各ストロークセンサ18〜21、刈高さセンサ9、左右傾斜角センサ23、前後傾斜角センサ24、車速センサ50、中立スイッチ52、前進スイッチ54、及び株元センサ53の各検出情報が入力されている。
又、搭乗運転部2の操作パネルには、姿勢変更スイッチユニットSUと、前上げスイッチ40a及び後上げスイッチ40bが設けられ、それらの各操作情報も制御装置22に入力されている。
【0047】
さらに、搭乗運転部2の操作パネルには、機体本体Vに対する刈取部10の地面に対する高さ即ち刈取高さを設定するボリューム式の刈高さ設定器39、刈取部10の上昇指令及び下降指令を指令する刈取昇降レバー28の操作に基づいて、刈取部上昇を指令する上昇スイッチSW1、刈取部下降を指令する下降スイッチSW2等が備えられ、これらの情報も前記制御装置22に入力されている。
【0048】
図8に示すように、上記姿勢変更スイッチユニットSUには、機体本体Vの水平基準面に対する左右傾斜角を設定する左右傾斜角設定器25、水平制御(後述のローリング制御)を入り切りする水平自動スイッチ26、水平制御の入り状態を示す水平ランプ26a、前後制御(後述のピッチング制御)を入り切りする前後自動スイッチ27、前後制御の入り状態を示す前後ランプ27aが設けられ、前後制御の入り状態を示す前後ランプ27a、湿田状態を入力するための湿田スイッチ35、及び湿田状態が入力されていることを示す湿田ランプ35aが設けられ、さらに、十字レバー式の操作具36にて作動する、右上げスイッチ37a、左上げスイッチ37b、機体上げスイッチ38a及び機体下げスイッチ38bが設けられている。
【0049】
従って、上記湿田スイッチ35にて、走行機体Vが走行する走行面が軟弱である軟弱面状態(湿田状態)を入力する軟弱面状態入力手段が構成されている。
具体的には、前記湿田ランプ35aが消灯している状態で湿田スイッチ35を押すと、前記軟弱面状態として湿田状態が入力され、前記湿田ランプ35aが点灯している状態で湿田スイッチ35を押すと、前記湿田状態が入力されていない状態になる。
【0050】
上記十字レバー式の操作具36の操作について説明すると、操作具36を左側に倒したときに、右上げスイッチ37aがオン作動して右上げ操作(左傾斜操作)が指令され、操作具36を右側に倒したときに、左上げスイッチ37bがオン作動して左上げ操作(右傾斜操作)が指令される。又、操作具36を後方側に倒したときに、機体上げスイッチ38aがオン作動して機体上げ操作が指令され、操作具36を前方側に倒したときに、機体下げスイッチ38bがオン作動して機体下げ操作が指令される。
【0051】
前記前上げスイッチ40aと後上げスイッチ40bとは、前記操作具36の握り部に設けてある。そして、前上げスイッチ40aがオンすると機体前上げ操作(後傾斜操作)が指令され、後上げスイッチ40bがオンすると機体後上げ操作(前傾斜操作)が指令される。
【0052】
又、上記左右傾斜角設定器25には、水平スイッチ25a、左傾斜スイッチ25b及び右傾斜スイッチ25cが備えられている。つまり、水平スイッチ25aを押すと、設定左右傾斜角として水平状態に対応する傾斜角が設定され、左傾斜スイッチ25bを押すと、現在設定されている設定左右傾斜角が設定角度づつ左傾斜方向に修正され、右傾斜スイッチ25cを押すと、現在設定されている設定左右傾斜角が設定角度づつ右傾斜方向に修正される。そして、左右傾斜角設定器25にて設定されている左右傾斜角については、搭乗運転部2の前方側に設けた表示装置(図示しない)に、図9に示すように、1〜7の7段階(角度0の段階4が水平状態を表わし、プラスの角度が右傾斜方向、マイナスの角度が左傾斜方向を夫々表わす)のいずれであるかが表示される。尚、前後傾斜角については、傾斜角0(水平状態)が設定前後傾斜角として予め設定されている。
【0053】
制御装置22は、車速センサ50及び走行状態検出手段400からの情報を基に、前進走行を開始されてからの走行距離が如何なる距離になったかを演算する。これにより、制御装置22は、機体本体が前進走行を開始してから走行した距離がどれだけの距離になったかを検出する走行距離検出手段500を構成している。
【0054】
一方、制御装置22からは、前記リフトシリンダC1及び前記4個の機体姿勢変更用の油圧シリンダC2〜C5を制御するための電磁制御弁29〜32に対する駆動信号が夫々出力されている。
尚、前記制御装置22は、刈取作業中において、刈高さセンサ9の検出値が刈高さ設定器39にて設定された設定刈高さに維持されるようにリフトシリンダC1を作動させる刈高さ制御を実行する。
【0055】
上記制御装置22を利用して、前記前後傾斜角センサ24の検出情報に基づいて、機体本体Vの水平基準面に対する前後傾斜角が設定傾斜角(前後水平)に維持されるように、前記姿勢変更操作手段100の作動を制御する前後姿勢制御 (以下、ピッチング制御と称する。)、及び、前記左右傾斜角センサ23の検出情報に基づいて、機体本体Vの水平基準面に対する左右傾斜角が設定傾斜角に維持されるように、前記姿勢変更操作手段100の作動を制御する左右姿勢制御 (以下、ローリング制御と称する。)を実行する制御手段200が構成されている。
【0056】
制御手段200は、ピッチング制御を実行するに当り、前記前後傾斜角センサ24の検出信号と、前記設定傾斜角(前後水平)に対応する設定信号との偏差が姿勢制御用の不感帯を外れた否かを判別し、偏差が不感帯を外れたと判断すると、偏差が不感帯に入るように姿勢変更操作手段100を作動させる動作を実行する。ローリング制御を実行する場合も、同様に、左右傾斜角センサ23の検出信号と、設定傾斜角に対応する設定信号との偏差が姿勢制御用の不感帯を外れると、偏差が不感帯に入るように姿勢制御手段100を作動させる動作を実行する。
【0057】
そして、上記制御手段200が、上記ピッチング制御において、前記4個の油圧シリンダC2〜C5のうち、左側前部及び右側前部に位置する2個の油圧シリンダ(左前シリンダC2と右前シリンダC4)と、左側後部及び右側後部に位置する2個の油圧シリンダ(左後シリンダC3と右後シリンダC5)のいずれか一方の2個の油圧シリンダC2〜C5を駆動停止させた状態で、他方の2個の油圧シリンダC2〜C5を駆動操作するように構成され、且つ、上記ローリング制御において、前記4個の油圧シリンダC2〜C5のうち、左側前部及び左側後部に位置する2個の油圧シリンダ(左前シリンダC2と左後シリンダC3)と、右側前部及び右側後部に位置する2個の油圧シリンダ(右前シリンダC4と右後シリンダC5)のいずれか一方の2個の油圧シリンダC2〜C5を駆動停止させた状態で、他方の2個の油圧シリンダC2〜C5を駆動操作するように構成されている。
【0058】
次に、前記ローリング制御、及びピッチング制御による姿勢変更操作について具体的に説明する。
即ち、ローリング制御の場合は、走行面が左下がり状態であれば、前記下限基準姿勢(図2)にある状態から、左側のクローラ走行装置1Lにおいて、左前シリンダC2を短縮作動させ、且つ、左後シリンダC3を伸長作動させると、機体本体Vが接地部に対して左上り傾斜姿勢(右傾斜姿勢)に変化して、機体本体Vの水平基準面に対する左右傾斜角を水平状態にすることができる。又、走行面が右下がり状態であれば、前記下限基準姿勢にある状態から、右側のクローラ走行装置1Rにおいて、右前シリンダC4を短縮作動させ、且つ、右後シリンダC5を伸長作動させると、機体本体Vが接地部に対して右上り傾斜姿勢(左傾斜姿勢)に変化して、機体本体Vの水平基準面に対する左右傾斜角を水平状態にすることができる。
【0059】
ピッチング制御の場合は、走行面が前下がり状態であれば、前記下限基準姿勢(図2)にある状態から、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を、夫々、そのままの状態に維持しながら、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を同時に短縮作動させると、機体本体Vの前部側が左右のクローラ走行装置1L,1Rの夫々の接地部に対して上昇して後傾姿勢に姿勢変化して、機体本体Vの水平基準面に対する前後傾斜角を水平状態にすることができる。又、走行面が前上がり状態であれば、前記下限基準姿勢にある状態から、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を、夫々、そのままの状態に維持しながら、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を同時に伸長作動させると、機体本体Vの後部側が左右のクローラ走行装置1L,1Rの夫々の接地部に対して上昇して前傾姿勢に姿勢変化して、機体本体Vの水平基準面に対する前後傾斜角を水平状態にすることができる。
【0060】
又、前記機体本体Vの走行装置1L,1Rの接地部に対する傾斜状態を検出する傾斜状態検出手段18〜21が、前記各ストロークセンサ18〜21にて構成されている。具体的には、前記各ストロークセンサ18〜21にて検出される4個の油圧シリンダC2〜C5の走行装置1L,1Rの接地部に対する各高さ位置の差に基づいて、機体本体Vの傾斜状態を求める。例えば、図10の場合について説明すると、斜線で示される位置の機体本体Vは、左前部の高さaが最も低く、次に、右前部の高さc、左後部の高さb、右後部の高さdの順で高くなっているので、この場合、機体本体Vは全体として前傾側に傾斜した状態であることが検出される。尚、図中a2は、左前部の最高を示し、a0は、左前部の最低を示す。b2は、左後部の最高を示し、b0は、左後部の最低を示す。c2は、右前部の最高を示し、c0は、右前部の最低を示す。d2は、右後部の最高を示し、d0は、右後部の最低を示す。
【0061】
そして、前記制御手段200が、前記走行状態検出手段400及び走行距離検出手段500の検出情報に基づいて、機体本体Vが前進走行を開始したとき(前進スイッチ54がオフ状態からオン状態に、かつ、中立スイッチ52がオン状態からオフ状態にそれぞれ切り換わったとき)から、図11に示す前進走行(ニ)によって走行されるものとして設定した設定距離(3〜5m)を走行するまでの間、前記ピッチング制御として、前記設定距離を走行した後に設定する制御感度より鈍感な制御感度を設定して姿勢変更操作手段100の作動を制御する制約付きピッチング制御を実行するように構成されている。
【0062】
また、制御手段200は、前記作業状態検出手段300の検出情報に基づいて、刈取作業状態から非刈取作業状態に変化したことが検出された後、一つの作業工程を終了してから次の作業工程の始端部に移動走行するのに掛かるものとして設定した設定時間が経過するまでの間、前記制約付きピッチング制御を実行するように構成されている。
【0063】
制御手段200は、ピッチング制御を実行するに当り、前記前後傾斜角センサ24の検出信号と、前記設定傾斜角(前後水平)に対応する設定信号との偏差がピッチング制御用の不感帯を外れたか否かを判別し、偏差が不感帯を外れたと判断すると、偏差が不感帯に入るように姿勢変更操作手段100を作動させる動作を実行する。そして、刈取作業状態から非刈取作業状態に変化すると、この変化から前記移動走行用の設定時間が経過するまでの間、機体本体Vの前進走行が開始されると、機体本体Vが演算用の設定基準距離(1cm)を走行する毎に、それまでの過去に計測用の設定基準距離(50cm)を走行された間における前後傾斜角センサ24の検出信号と、設定傾斜角に対応する設定値との偏差を前記設定基準距離に対して積分した積分値を演算していき、機体本体Vが前進走行を開始してから制御用の設定基準距離(10cm)を走行する毎に、前記積分値と、設定値とを比較し、積分値が設定値より大であれば姿勢変更操作手段100を作動させる動作を実行する。さらにこのとき、姿勢変更操作手段100を一定量ずつ作動させる動作を実行する。そして、作業状態から非作業状態に変化したことが検出されてから前記移動走行用の設定時間が経過した後は、前記偏差が不感帯を外れると、偏差が不感帯に入るように姿勢変更操作手段100を作動させる動作を実行する。これにより、制御手段200は、前記制約付きピッチング制御を実行する場合、制約付きでない通常のピッチング制御を実行する場合より鈍感な制御感度を設定して制約付きピッチング制御を実行する。
【0064】
さらに、制御手段22は、前記制約付きピッチング制御を実行するとき、機体本体Vの走行装置1L,1Rの接地部に対する前後傾斜角が後傾斜側に変化する方向に前記姿勢変更操作手段100を作動させる場合、機体本体Vの走行装置1L,1Rの接地部に対する前後傾斜角が前傾斜側に変化する方向に前記姿勢変更操作手段100を作動させる場合より敏感な制御感度を設定するように構成されている。
【0065】
次に、制御装置22による姿勢変更動作について、図12〜図16のフローチャートに基づいて説明する。
図12に示すように、先ず、手動操作指令(左右傾斜、前後傾斜、上下昇降)がされた否かを判断し、手動操作指令がされた場合には、手動姿勢変更処理を実行する。
上記手動操作指令がされていない場合は、前記湿田スイッチ35aにて湿田状態が入力されているか否か、及び、前記株元センサ53がオンからオフに変化した後、すなわち作業状態から非作業状態に切り換わった後、前記設定時間内であるか否かを調べ、湿田状態が入力され且つ株元センサ53がオフに変化後の設定時間内である場合にのみ、前記制約付きピッチング制御を実行する。
【0066】
湿田状態が入力されていない場合、及び、株元センサ53がオフに変化後の設定時間内でない場合には、水平自動スイッチ26の状態を調べて、水平自動スイッチ26がオンしていないときは、ローリング制御及びピッチング制御のいずれも実行しない。水平自動スイッチ26がオンしているときに、前後自動スイッチ27がオンしていなければ、ローリング制御だけを実行する。水平自動スイッチ26と前後自動スイッチ27が共にオンしているときは、ローリング制御を優先して先に実行し、その後、ピッチング制御を実行する。
【0067】
図13に示すように、手動姿勢変更処理では、左上げスイッチ37bにて左上げが指令されていれば、右傾斜処理を実行する。尚、右傾斜処理では、右前シリンダC4及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に達するまで、右前シリンダC4を伸長作動させるとともに右後シリンダC5を短縮作動させ、右前シリンダC4及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが上限位置に達するまで、左前シリンダC2を短縮作動させるとともに左後シリンダC3を伸長作動させる。
【0068】
又、右上げスイッチ37aにて右上げが指令されていれば、左傾斜処理を実行する。尚、左傾斜処理では、左前シリンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが下限位置に達するまで、左前シリンダC2を伸長作動させるとともに左後シリンダC3を短縮作動させ、左前シリンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが下限位置に操作されれば、右前シリンダC4及び右後シリンダC5のいずれかが上限位置に達するまで、右前シリンダC4を短縮作動させるとともに右後シリンダC5を伸長作動させる。
【0069】
又、後上げスイッチ40bにて後上げが指令されていれば、前傾斜処理を実行する。尚、前傾斜処理では、左前シリンダC2及び右前シリンダC4のいずれかが下限位置に達するまで、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を伸長作動させ、左前シリンダC2及び右前シリンダC4のいずれかが下限位置に操作されれば、左後シリンダC3及び右後シリンダC5のいずれかが上限位置に達するまで、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を伸長作動させる。
【0070】
又、前上げスイッチ40aにて前上げが指令されていれば、後傾斜処理を実行する。尚、後傾斜処理では、左後シリンダC3及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に達するまで、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を短縮作動させ、左後シリンダC3及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリンダC2及び右前シリンダC4のいずれかが上限位置に達するまで、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を短縮作動させる。
【0071】
又、機体上げスイッチ38aにて機体上げが指令されていれば、機体上昇処理を実行する。尚、機体上昇処理では、左前シリンダC2が上限位置になるまで短縮作動させ、左後シリンダC3が上限位置になるまで伸長作動させ、右前シリンダC4が上限位置になるまで短縮作動させ、右後シリンダC5が上限位置になるまで伸長作動させる。
【0072】
又、機体下げスイッチ38bにて機体下げが指令されていれば、機体下降処理を実行する。尚、機体下降処理では、左前シリンダC2が下限位置になるまで伸長作動させ、左後シリンダC3が下限位置になるまで短縮作動させ、右前シリンダC4が下限位置になるまで伸長作動させ、右後シリンダC5が下限位置になるまで短縮作動させる。
【0073】
図14に示すように、ローリング制御では、左右傾斜角センサ23の検出値と設定左右傾斜角に対応する信号値との偏差がローリング制御用の不感帯を機体本体Vの左傾斜側に外れていれば、機体右側の前後に位置する各ストロークセンサ20、21の検出情報に基づいて、右前シリンダC4及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作されているか否かを判断し、両シリンダC4,C5がいずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリンダC4,C5のいずれかが下限位置に達するまで、右前シリンダC4を伸長作動させるとともに右後シリンダC5を短縮作動させる。右前シリンダC4及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが上限位置に達するまで、左前シリンダC2を短縮作動させるとともに左後シリンダC3を伸長作動させる。
【0074】
上記左右傾斜角センサ23の検出値と設定左右傾斜角に対応する信号値との偏差がローリング制御用の不感帯を機体本体Vの右傾斜側に外れていれば、機体左側の前後に位置する各ストロークセンサ18、19の検出情報に基づいて、左前シリンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが下限位置に操作されているか否かを判断し、両シリンダC2,C3がいずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリンダC2,C3のいずれかが下限位置に達するまで、左前シリンダC2を伸長作動させるとともに左後シリンダC3を短縮作動させる。左前シリンダC2及び左後シリンダC3のいずれかが下限位置に操作されれば、右前シリンダC4及び右後シリンダC5のいずれかが上限位置に達するまで、右前シリンダC4を短縮作動させるとともに右後シリンダC5を伸長作動させる。
このようにして、機体本体Vの高さを極力低くするようにしながら、機体本体Vの左右傾斜角と左右傾斜角設定器25にて設定された設定左右傾斜角との角度ずれが不感帯内に収まるようにローリング制御を実行するのである。
【0075】
図15に示すように、ピッチング制御では、前後傾斜角センサ24の検出値と水平状態に対応する信号値との偏差がピッチング制御用の不感帯を機体本体Vの前傾斜側に外れていれば、機体後部に位置する左右のストロークセンサ19、21の検出情報に基づいて、左後シリンダC3と右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作されているか否かを判断し、両シリンダC3,C5がいずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリンダC3,C5のいずれかが下限位置に達するまで、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を短縮作動させる。左後シリンダC3及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリンダC2及び右前シリンダC4のいずれかが上限位置に達するまで、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を短縮作動させる。
【0076】
前後傾斜角センサ24の検出値と水平状態に対応する信号値との偏差がピッチング制御用の不感帯を機体本体Vの後傾斜側に外れていれば、機体前部に位置する左右のストロークセンサ18、20の検出情報に基づいて、左前シリンダC2と右前シリンダC4のいずれかが下限位置に操作されているか否かを判断し、両シリンダC2,C4がいずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリンダC2,C4のいずれかが下限位置に達するまで、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を伸長作動させる。左前シリンダC2及び右前シリンダC4のいずれかが下限位置に操作されれば、左後シリンダC3及び右後シリンダC5のいずれかが上限位置に達するまで、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を伸長作動させる。
このようにして、機体本体Vの高さを極力低くするようにしながら、機体本体Vの前後傾斜角と水平状態に対応する前後傾斜角との角度ずれが不感帯内に収まるようにピッチング作動処理を実行するのである。
【0077】
図16に示すように、前記制約付きピッチング制御では、ステップ1〜3に示す如く、機体本体Vの前進走行が開始されてから前記設定距離を走行したか否かを判断し、走行距離内がまだ設定距離内であると判断した場合、前後傾斜角センサ24の検出信号と、前記設定傾斜角(前後水平)に対応する設定信号との偏差がピッチング制御用の不感帯を外れたか否かを判断し、不感帯を外れたと判断した場合、その不感帯を機体本体Vの後傾斜側と前傾斜側のいずれの方向に外れているかを判断する。
ステップ4〜9に示すように、前記偏差が不感帯を機体本体Vの後傾斜側に外れていると判断した場合、走行距離検出手段500からの情報に基づいて、機体本体Vの走行距離が前記制御用の設定基準距離(10cm)に達した否かを判断し、制御用の設定基準距離に達したと判断した場合、前記偏差を前記計測用設定基準距離(50cm)に対して積分した積分値が、設定値より大であるか否かを判断する。積分値が設定値より大であると判断した場合、機体前部に位置する左右のストロークセンサ18、20の検出情報に基づいて、左前シリンダC2と右前シリンダC4のいずれかが下限位置に操作されているか否かを判断し、両シリンダC2,C4がいずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリンダC2,C4のいずれかが下限位置に達するまで、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を伸長作動させる。このとき、ピッチング制御を一度実行するとき、左前シリンダC2及び右前シリンダC4が予め設定してある一定量だけ伸長するように、両シリンダC2,C4を一定量ずつ伸長作動させる。左前シリンダC2と右前シリンダC4のいずれかが下限位置に操作されれば、左後シリンダC3と右後シリンダC5のいずれかが上限位置に達するまで、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を伸長作動させる。このとき、ピッチング制御を一度実行するとき、左後シリンダC3及び右後シリンダC5が予め設定してある一定量だけ伸長するように、両シリンダC3,C5を一定量ずつ伸長作動させる。
【0078】
ステップ3において、前記偏差が不感帯を機体本体Vの前傾斜側に外れていると判断した場合、ステップ10〜13に示すように、通常のピッチング制御を実行する。すなわち、機体後部に位置する左右のストロークセンサ19、21の検出情報に基づいて、左後シリンダC3と右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作されているか否かを判断し、両シリンダC3,C5がいずれも下限位置に操作されていなければ、その両シリンダC3,C5のいずれかが下限位置に達するまで、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を短縮作動させる。左後シリンダC3及び右後シリンダC5のいずれかが下限位置に操作されれば、左前シリンダC2及び右前シリンダC4のいずれかが上限位置に達するまで、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を短縮作動させる。
【0079】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
上記実施形態では、制約付きピッチング制御において、前進走行が開始されてから定期的に前記偏差の積分値と設定値とを比較し、この比較結果に基づいて姿勢変更操作手段100を一定量ずつ作動させるようにピッチング制御させることにより、制約付きピッチング制御での制御感度を鈍感に設定させるように構成しているが、定期的に偏差の積分値と設定値との比較結果に基づいて姿勢変更操作手段100を作動させるピッチング制御と、姿勢変更操作手段100を一定量ずつ作動させるピッチング制御とのいずれか一方のみを実行させるように構成することにより、制約付きピッチング制御での制御感度を通常のピッチング制御の場合より鈍感に設定させるようして実施してもよい。また、この他、ピッチング制御用の不感帯を広くすることにより、あるいは、油圧シリンダC2〜C5の作動速度を遅くすることにより、制約付きピッチング制御での制御感度を通常のピッチング制御の場合より鈍感に設定させるようして実施してもよい。
【0080】
上記実施形態では、走行装置を、左右一対のクローラ走行装置1L,1Rで構成したが、これに限るものではなく、例えば、単一の走行装置でもよく、又、クローラ式ではなく車輪式の走行装置でもよい。
【0081】
上記実施形態では、左右傾斜角検出手段23及び前後傾斜角検出手段24を、重力式の傾斜角センサ23,24にて構成したが、これに限るものではなく、例えばレーザージャイロ等の角速度を検出するセンサの検出信号を積分して傾斜角を検出する手段でもよい。
【0082】
上記実施形態では、姿勢変更操作手段100を、機体本体Vの前後左右の4箇所に位置した4個の駆動手段C2〜C5にて構成したが、例えば、左右の走行装置を各別に昇降駆動する左右一対の駆動手段(ローリング用油圧シリンダ)と、左右の走行装置を一体的に前後方向に傾斜させる1個の駆動種手段(ピッチング用油圧シリンダ)とにて構成してもよい。
又、上記4個の駆動手段C2〜C5を構成する場合も、油圧シリンダ以外に、電動モータとネジ送り機構等からなる他の駆動手段にて構成してもよい。
【0083】
上記実施形態では、エンジンEからの動力を油圧式の無段変速装置47によって変速して走行装置1L,1Rに伝達するとともに、走行状態検出手段400を、上記無段走行装置47を変速操作する変速レバー51が中立位置Nに操作されているか否かを検出する中立スイッチ52、及び、変速レバー51が前進操作域Fに操作されているか否かを検出する前進スイッチ54にて構成したが、これに限るものではない。例えば、無段変速装置ではなく、スイッチ操作によって複数段(例えば、低速、中速、高速の3段式)に切り換えられる有段式の変速装置で変速された動力を走行装置に伝達する場合には、その各変速位置(低速、中速、高速)に切り換えられていることを検出する検出スイッチにて構成してもよい。
【0084】
上記実施形態では、作業状態検出手段300を、刈取部10に設けた株元センサ53にて構成したが、これ以外に、脱穀装置3の内部の穀稈の有無を検出する穀稈センサ等にて作業状態検出手段300を構成して、穀稈有りの状態から穀稈無しの状態に変化したときに、刈取作業状態から非刈取作業状態に変化したことを検出するようにしてもよい。刈取部10に対する伝動を入り切りする刈取クラッチの入り切りを検出するセンサによって構成してもよい。
【0085】
上記実施形態では、走行面状態検出手段を、湿田スイッチ35にて構成したが、これに限るものではない。例えば、砂地等の走行面の場合には、水分を含んでいなくても軟弱状態になるので、砂地を走行する場合にオン操作する砂地走行スイッチ等にて走行面状態検出手段を構成して、砂地を走行する場合に前記強制傾斜制御を実行させるように構成してもよい。
【0086】
上記実施形態では、刈取収穫機としてコンバインを例示したが、コンバイン以外の刈取収穫機であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの前部を示す側面図
【図2】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図3】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図4】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図5】走行装置の昇降操作構成を示す側面図
【図6】コンバインの動力伝達図
【図7】制御構成を示すブロック図
【図8】姿勢変更操作用のスイッチユニットの正面図
【図9】左右傾斜角の設定値を示す図
【図10】機体本体の傾斜状態の検出要領を示す説明図
【図11】コンバインによる刈取走行を示す説明図
【図12】制御作動を示すフローチャート
【図13】制御作動を示すフローチャート
【図14】ローリング制御を示すフローチャート
【図15】ピッチング制御を示すフローチャート
【図16】制約付きピッチング制御を示すフローチャート
【符号の説明】
1L,1R 走行装置
10 刈取部
24 前後傾斜角検出手段
100 姿勢変更操作手段
200 制御手段
300 作業状態検出手段
400 走行状態検出手段
500 走行距離検出手段
C2〜C5 駆動手段
V 機体本体

Claims (6)

  1. 走行装置の接地部に対して、前部に刈取部を昇降操作自在に備える機体本体の前後傾斜角を変更操作自在な姿勢変更操作手段と、前記機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角を検出する前後傾斜角検出手段と、この前後傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、機体本体の水平基準面に対する前後傾斜角が設定傾斜角に維持されるように、前記姿勢変更操作手段の作動を制御するピッチング制御を実行する制御手段とが設けられている刈取収穫機の姿勢制御装置であって、
    機体本体の走行状態を検出する走行状態検出手段と、機体本体の走行距離を検出する走行距離検出手段とが設けられ、
    前記制御手段が、前記走行状態検出手段及び前記走行距離検出手段の検出情報に基づいて、機体本体が前進走行を開始してから設定距離を走行するまでの間、前記ピッチング制御として、前記設定距離を走行した後に設定する制御感度より鈍感な制御感度を設定して前記姿勢変更操作手段の作動を制御する制約付きピッチング制御を実行するように構成されている刈取収穫機の姿勢制御装置。
  2. 刈取作業状態であるか非刈取作業状態であるかを検出する作業状態検出手段が設けられ、
    前記制御手段が、前記作業状態検出手段の検出情報に基づいて、刈取作業状態から非刈取作業状態に変化したことが検出された後設定時間の間、前記制約付きピッチング制御を実行するように構成されている請求項1記載の刈取収穫機の姿勢制御装置。
  3. 前記制御手段が、前記制約付きピッチング制御を実行するとき、機体本体の前後傾斜角が後傾斜側に変化する方向に前記姿勢変更操作手段を作動させる場合、機体本体の前後傾斜角が前傾斜側に変化する方向に前記姿勢変更操作手段を作動させる場合より敏感な制御感度を設定するように構成されている請求項1又は2記載の刈取収穫機の姿勢制御装置。
  4. 前記制御手段が、前記ピッチング制御として、前記前後傾斜角検出手段の検出信号と、前記設定傾斜角に対応する設定信号値との偏差が姿勢制御用の不感帯を外れると、前記偏差が前記不感帯に入るように前記姿勢変更操作手段を作動させる動作を実行するように構成され、且つ、前記制約付きピッチング制御を実行するとき、機体本体が前進走行を開始してから定期的に、前記偏差を計測用の設定基準距離に対して積分した積分値と、設定値とを比較し、積分値が設定値より大であれば前記姿勢変更操作手段を作動させることにより、制御感度を鈍感に設定して前後姿勢変更操作手段を作動させるように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の刈取収穫機の姿勢制御装置。
  5. 前記制御手段が、前記制約付きピッチング制御を実行するとき、前記姿勢変更操作手段を一定量ずつ作動させる動作を実行することにより、制御感度を鈍感に設定して前後姿勢変更操作手段を作動させるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の刈取収穫機の姿勢制御装置。
  6. 前記姿勢変更操作手段が、機体本体における左側前部、左側後部、右側前部、及び、右側後部のそれぞれにおいて前記走行装置の接地部に対する高さを各別に変更調節自在な4個の駆動手段を備えて構成され、
    前記制御手段が、前記ピッチング制御において、前記4個の駆動手段のうち、左側前部及び右側前部に作用する2個の駆動手段と、左側後部及び右側後部に作用する2個の駆動手段のいずれか一方の2個の駆動手段を駆動停止させた状態で、他方の2個の駆動手段を駆動操作するように構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の刈取収穫機の姿勢制御装置。
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