JP4053018B2 - 作業車の姿勢制御装置 - Google Patents
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Description
このようにすると、例えば、駆動手段の操作速度が目標値になるように速度制御する等の煩わしい制御を実行しなくとも、同一操作力で駆動状態と停止状態とを単に繰り返すだけの簡単なオン・オフ制御にて対応することができるのであり、請求項3を実施するのに好適な手段が得られる。
図1に示すように、左右一対のクローラ走行装置1R,1L(走行装置に相当する)、刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置3、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンク4、搭乗運転部2等を備えた走行機体V(機体本体に相当する)に対して、稲や麦等の植立穀稈を刈り取って脱穀装置3に供給する刈取部10が昇降調節自在に備えられて、刈取収穫機としてのコンバインを構成してある。
尚、上記分草具6の後方側箇所に、刈取部10の地面に対する高さを検出する超音波式の刈高さセンサ9が設けられている。詳述はしないが、この刈高さセンサ9は、下方側に向けて超音波を発信してから受信するまでの時間を計測することで、刈取部10の地面に対する高さを検出するように非接触式に構成されている。
先ず、左右のクローラ走行装置1R,1Lの走行機体Vへの取付構造を説明する。尚、左右のクローラ走行装置1R,1Lは夫々同一構成であるから、そのうち左側のクローラ走行装置1Lについて以下に説明し、右側のクローラ走行装置1Rについてはその説明を省略する。
図2に示すように、走行機体Vを構成する前後向き姿勢の主フレーム11に対して固定される支持フレーム12の前端側には駆動スプロケット13が回転自在に支持されるとともに、この複数個の遊転輪体14を前後方向に並べた状態で枢支され、且つ、後端部にテンション輪体15を支持したトラックフレーム16が前記支持フレーム12に対して上下動可能に装着されている。そして、前記駆動スプロケット13とテンション輪体15及び各遊転輪体14にわたり無端回動体であるクローラベルトBが巻回されている。
前記支持フレーム12の前部側には水平軸芯P2周りで回動可能に側面視で略L字形に構成される前ベルクランク17aが枢支され、支持フレーム12の後部側には水平軸芯P3周りで回動可能に側面視で略L字形に構成される後ベルクランク17bが枢支されている。そして、前ベルクランク17aの下方側端部がトラックフレーム16の前部側個所に枢支連結され、後ベルクランク17bの下方側端部は、ストローク吸収用の補助リンク17b1を介して、トラックフレーム16の後部側個所に枢支連結されている。
一方、前後ベルクランク17a,17bの夫々の上方側端部には、夫々、駆動手段としての油圧シリンダC2,C3のシリンダロッドが連動連結されている。前記各油圧シリンダC2,C3のシリンダ本体側は主フレーム11における横フレーム部分に枢支連結されており、前記各油圧シリンダC2,C3は夫々複動型の油圧シリンダにて構成されている。
前記下限基準姿勢にある状態から、左前シリンダC2をそのままの状態に維持しながら左後シリンダC3を伸長作動させると、図4に示すように、走行機体Vの後部側を接地部に対して離間する方向に姿勢変更(上昇操作)することになる。
又、前記下限基準姿勢にある状態から、左前シリンダC2を短縮作動させ、且つ、左後シリンダC3を伸長作動させると、図5に示すように、走行機体Vが接地部に対して平行姿勢のまま離間する方向に姿勢変更(上昇操作)することになる。
即ち、前記下限基準姿勢にある状態から、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を、夫々、そのままの状態に維持しながら、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を同時に短縮作動させると、走行機体Vの前部側が左右クローラ走行装置1R,1Lの夫々の接地部に対してほぼ同量づつ上昇して後傾姿勢に姿勢変化することになる。又、前記下限基準姿勢にある状態から、左前シリンダC2及び右前シリンダC4を、夫々、そのままの状態に維持しながら、左後シリンダC3及び右後シリンダC5を同時に伸長作動させると、走行機体Vの後部側が左右クローラ走行装置1R,1Lの夫々の接地部に対してほぼ同量づつ上昇して前傾姿勢に姿勢変化することになる。このようにして、走行機体Vを接地部に対して前後方向に傾けるピッチング作動を実行することができる。
即ち、前記下限基準姿勢にある状態から、左側のクローラ走行装置において、左前シリンダC2を短縮作動させ、且つ、左後シリンダC3を伸長作動させると、図11に示すように、走行機体Vが接地部に対して左上り傾斜姿勢に変化することになる。又、前記下限基準姿勢にある状態から、右側のクローラ走行装置において、右前シリンダC4を短縮作動させ、且つ、右後シリンダC5を伸長作動させると、図11に示すように、走行機体Vが接地部に対して右上り傾斜姿勢に変化することになる。このようにして、走行機体Vを接地部に対して左右方向に傾けるローリング作動を実行することができる。
これら4個の機体姿勢変更用のシリンダC2〜C5にて姿勢変更操作手段が構成されることになる。
一方、制御装置22からは、前記刈取シリンダC1及び前記4個の機体姿勢変更用のシリンダC2〜C5を油圧制御するための油圧制御用の電磁弁29〜33に対する駆動信号が夫々出力される構成となっている。
制御装置22は、図7に示すように、ローリング制御をピッチング制御に優先して先に実行した後にピッチング制御を実行し、これらの制御を実行した後に、ローリング制御を実行するときの一対のシリンダの操作可能範囲を規制するための操作範囲設定処理を実行する。
このようにして、左右傾斜角センサ23の検出値と左右傾斜角設定器25にて設定された設定左右傾斜角との角度偏差が不感帯内に収まるようにローリング作動を実行するのである。そして、角度偏差が不感帯内に収まると、次に、ピッチング制御を実行する。
このようにして、前後傾斜角センサ24の検出値と前後傾斜角設定器26にて設定された設定左右傾斜角との角度偏差が不感帯内に収まるようにピッチング作動を実行するのである。そして、角度偏差が不感帯内に収まると、次に、操作範囲設定処理を実行する。
図10に示すように、同時駆動される一対のシリンダC(A)、C(B)の夫々に対応するストロークセンサの夫々の検出情報に基づいて、各シリンダによる単位時間あたりの操作量V1,V2を求めるとともに、操作すべき全ストロ−クに対する現在の操作ストロークの割合W1,W2を求める(ステップ29)。前記単位時間あたりの操作量V1,V2は操作速度に相当するものであり、前記割合W1,W2は操作の進捗度に相当するものである。尚、前記全ストロークは、シリンダが姿勢制御するときに操作することができる最大ストローク量であり、後述するような操作範囲設定処理が実行された後は、その処理にて設定された量に対応するものとなる。
尚、上記したような条件以外であれば、一対のシリンダC(A)、C(B)の両方を同時に作動させることになる(ステップ35)。
例えば、走行機体Vが左に傾斜するとともに後に傾斜した場合に、左前シリンダC2と左後シリンダC3とを作動させてローリング制御を実行した後、左後シリンダC3と右後シリンダC5とを作動させてピッチング制御を実行した結果、例えば、図12に示すように、前記各シリンダが異なる操作状態で制御が停止したものとする。このとき、右前シリンダC4は下限位置を維持している。尚、図では分かりやすくするために各シリンダによる走行機体Vの接地部に対する昇降量で表現している。
その後、ローリング制御を実行するとき、例えば、右前シリンダC4と右後シリンダC5とを同時に作動させる場合、右後シリンダC5の操作可能は範囲は、現在の値から上限値までの範囲であるから、現在の値を新たな下限値として設定するとともに、その操作範囲に合わせて、右前シリンダC4も現在の値(下限値)から同じ操作量だけ変位した値を新たな上限値として設定し、それらの新たな操作範囲内でローリング制御を実行することになる。
次に別実施形態を列記する。
18、19、20、21 操作量検出手段
22 姿勢制御手段
23 左右傾斜角検出手段
24 前後傾斜角検出手段
C2,C3,C4,C5 駆動手段
V 走行機体
Claims (5)
- 走行装置の接地部に対する機体本体の左右傾斜角並びに前後傾斜角夫々を変更操作自在な姿勢変更操作手段と、
前記機体本体の左右傾斜角を検出する左右傾斜角検出手段と、
前記機体本体の前後傾斜角を検出する前後傾斜角検出手段と、
前記左右傾斜角検出手段の検出情報に基づいて前記機体本体の左右傾斜角が設定左右傾斜角になるように前記姿勢変更操作手段を制御するローリング制御、及び、前記前後傾斜角検出手段の検出情報に基づいて前記機体本体の前後傾斜角が設定前後傾斜角になるように前記姿勢変更操作手段を制御するピッチング制御を実行する姿勢制御手段とが設けられている作業車の姿勢制御装置であって、
前記姿勢変更操作手段は、
前記機体本体における左側前部、左側後部、右側前部、及び、右側後部の夫々において前記走行装置の接地部に対する高さを各別に変更調節自在な4個の駆動手段を備えて構成され、
前記姿勢制御手段は、
前記4個の駆動手段のうちの左側前部及び左側後部に位置する一対の駆動手段を同時に同量づつ駆動操作すること、及び、前記4個の駆動手段のうちの右側前部及び右側後部に位置する一対の駆動手段を同時に同量づつ駆動操作することのうちのいずれかを選択して実行することにより、左側に位置する前後各駆動手段夫々を機体本体が最も接地部に近づく状態にし、且つ、右側に位置する前後各駆動手段を機体本体が最も接地部から離間する状態にして、機体本体が接地部に対して最大左傾斜姿勢になる状態と、左側に位置する前後各駆動手段夫々を機体本体が最も接地部に離間する状態にし、且つ、右側に位置する前後各駆動手段を機体本体が最も接地部に近づく状態にして、機体本体が接地部に対して最大右傾斜姿勢になる状態との間で、大きく左右傾斜角を変更させる前記ローリング制御を実行するように構成され、
且つ、前記4個の駆動手段のうちの左側前部及び右側前部に位置する一対の駆動手段を同時に同量づつ駆動操作すること、及び、左側後部及び右側後部に位置する一対の駆動手段を同時に同量づつ駆動操作することのうちのいずれかを選択して実行することにより、前部側に位置する左右各駆動手段夫々を機体本体が最も接地部に近づく状態にし、且つ、後部側に位置する左右各駆動手段を機体本体が最も接地部から離間する状態にして、機体本体が最大前傾姿勢となる状態と、前部側に位置する左右各駆動手段夫々を機体本体が最も接地部から離間する状態にし、且つ、後部側に位置する左右各駆動手段を機体本体が最も接地部に近づく状態にして、機体本体が最大後傾姿勢となる状態との間で、大きく前後傾斜角を変更させる前記ピッチング制御を実行するように構成され、
前記ローリング制御及び前記ピッチング制御が同時に指令されたときは、いずれか一方の制御を他方の制御に優先して実行した後に、前記他方の制御を実行するように構成されている作業車の姿勢制御装置。 - 前記ローリング制御及び前記ピッチング制御が同時に指令されたときは、前記ローリング制御を前記ピッチング制御に優先して実行した後に、前記ピッチング制御を実行するように構成されている請求項1記載の作業車の姿勢制御装置。
- 前記駆動手段の夫々に対応させて、各駆動手段による操作ストロークを検出する複数の操作量検出手段が設けられ、
前記姿勢制御手段は、
前記ローリング制御及び前記ピッチング制御を実行するときに、
前記各操作量検出手段の検出情報に基づいて、
前記機体本体の左右傾斜角を前記設定左右傾斜角にするために、及び、前記機体本体の前後傾斜角を前記設定前後傾斜角にするために、前記駆動手段が操作すべき全ストロ−クに対する前記操作量検出手段にて検出される操作ストロークの割合が、前記一対の駆動手段の夫々において同じになるように、前記一対の駆動手段の駆動状態を制御するように構成されている請求項1又は2記載の作業車の姿勢制御装置。 - 前記姿勢制御手段は、
前記一対の駆動手段による単位時間あたりの操作量を求めて、前記一対の駆動手段のうち、前記単位時間あたりの操作量が他方のものより大きい駆動手段における前記全ストロ−クに対する前記操作ストロークの割合が、他方の駆動手段よりも大となる場合には、前記割合が他方の駆動手段よりも小となるまで、その駆動手段の駆動を停止させることにより、前記全ストロ−クに対する前記操作ストロークの割合が、前記一対の駆動手段の夫々において同じになるように、前記一対の駆動手段の駆動状態を制御するように構成されている請求項3記載の作業車の姿勢制御装置。 - 前記ローリング制御及び前記ピッチング制御が夫々実行されて、前記機体本体の左右傾斜角が前記設定左右傾斜角になり、且つ、前記機体本体の前後傾斜角が前記設定前後傾斜角になった後に、
前記設定前後傾斜角を維持しながら前記ローリング制御を実行すべく、前記各操作量検出手段の検出情報に基づいて、前記ローリング制御を実行するときの一対の駆動手段の操作可能範囲を規制するように構成されている請求項3又は4記載の作業車の姿勢制御装置。
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