JP3057699B2 - コンバインの刈高制御装置 - Google Patents

コンバインの刈高制御装置

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JP3057699B2 JP1310343A JP31034389A JP3057699B2 JP 3057699 B2 JP3057699 B2 JP 3057699B2 JP 1310343 A JP1310343 A JP 1310343A JP 31034389 A JP31034389 A JP 31034389A JP 3057699 B2 JP3057699 B2 JP 3057699B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、コンバインの刈高制御装置に関する。
(従来の技術、及び発明が解決しようとする課題) 超音波による刈高センサを用いた刈取装置の刈高調節
を行うコンバインにあたっては、刈高センサが雑草等を
検出して刈取地面の高さとすることがあるために、刈取
装置を上昇させて高刈となり易い。
このためこの発明は、湿田でない圃場では刈高制御の
応答速度を遅くして雑草等による影響を除去し、湿田で
はその応答速度を速くして刈取高さを最適位置に維持し
ようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述のごとき課題を解決するために、次の
ごとき技術的手段を講ずる。
第1の発明では、走行装置に対する車体の左右方向の
姿勢を変化させるローリング手段と、走行装置に対する
車体の前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段と、
刈取装置の刈取地面に対する刈高さを検出する手段と、
刈取装置の昇降制御手段とを有するコンバインにおい
て、前記走行装置に対する車体の左右方向の姿勢、又
は、前記方向の姿勢の少なくともどちらか一方が所定以
上変化したことを検出すると、前記刈取装置の昇降制御
手段の応答を速くすることを特徴とする刈高制御装置の
構成とする。
第2の発明では、走行装置に対する車体の左右方向の
姿勢を変化させるローリング手段と、走行装置に対する
車体の前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段と、
刈取装置の刈取地面に対する刈高さを検出する手段と、
刈取装置の昇降制御手段とを有するコンバインにおい
て、車体の前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段
が所定以上変化したことを検出すると、前記刈取装置の
昇降制御手段の応答を速くすることを特徴とする刈高制
御装置の構成とする。
第3の発明では、走行装置に対する車体の左右方向の
姿勢を変化させるローリング手段と、走行装置に対する
車体の前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段と、
刈取装置の刈取地面に対する刈高さを検出する手段と、
刈取装置の昇降制御手段とを有するコンバインにおい
て、車体の左右方向の姿勢を変化させるローリング手段
と、車体の前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段
が共に所定以上変化したことを検出すると、前記刈取装
置の昇降制御手段の応答を速くすることを特徴とする刈
高制御装置の構成とする。
(作用) 車体の走行によって刈取装置により穀稈を刈取しなが
ら収穫を行う。穀稈の刈取高さは、予め設定された高さ
に従って、超音波による刈高センサにより、刈取装置の
刈取地面に対する高さを検出しながら、刈取装置を車体
に対して、刈取地面に対して一定の高さに維持するよう
に自動制御される。
車体に設けられた傾斜センサが車体の前後方向、又は
左右方向の傾斜を検出しており、又、車体が土壌の硬軟
等によって昇降されて土壌面上一定の高さになるように
維持されている場合に、第1の発明では、走行装置に対
する車体の左右方向の姿勢、又は、前後方向の姿勢の少
なくともどちらか一方が所定以上変化したことを検出す
ると、前記刈取装置の昇降制御手段の応答を速くする。
第2の発明では、車体の前後方向の姿勢を変化させる
ピッチング手段が所定以上変化したことを検出すると、
前記刈取装置の昇降制御手段の応答を速くする。
第3の発明では、車体の左右方向の姿勢を変化させる
ローリング手段と、車体の前後方向の姿勢を変化させる
ピッチング手段が共に所定以上変化したことを検出する
と、前記刈取装置の昇降制御手段の応答を速くする。
このように、刈高制御の応答を平常時の場合よりも速
くして制御し、これら車体の高さや傾斜等の変化にもと
ずき、土壌面の変化に速く反応させて、短走行距離で刈
高制御を完了させる。
(発明の効果) 第1の発明では、走行装置に対する車体の左右方向の
姿勢、又は、前後方向の姿勢の少なくともどちらか一方
が所定以上変化すると、刈取装置の昇降制御手段の応答
を速くするので、圃場面の変化に速く対応することがで
きる。
第2の発明では、車体の前後方向の姿勢が所定以上変
化すると、刈取装置の昇降制御手段の応答を速くするの
で、特に、刈取装置への影響を少なくすることができ
る。即ち、ピッチングをすると刈取装置の前部が上下方
向に動いてしまい、この動きに追従するように刈取装置
の昇降制御手段の応答を速くして、植立穀稈の刈高さへ
の影響を少なくすることができる。
第3の発明では、車体の左右方向の姿勢と前後方向の
姿勢が共に所定以上変化すると、刈取装置の昇降制御手
段の応答を速くするので、ピッチングとローリングの混
在した複雑な動きのときにおいても、刈高さへの影響を
少なくすることができる。
このようにこの発明は、湿田でない圃場では、刈高制
御の応答速度を遅くして雑草等による影響を少くしなが
ら、刈高センサによる正確な刈取高さを検出しながら、
適正な刈高制御を維持すると共に、湿田のように軟弱な
圃場のもとでは、これを車高や車体傾斜によって検出し
て、刈高制御を速やかに行わせることにより、刈取装置
の底部等が土壌面に突込む虞れを少なくし、安全な刈取
制御を維持できる。
(実施例) 図面において、コンバインは、左右一体のクローラ形
態の走行装値1を上下動制御するようにして設けた車体
2に、前部には刈取装置3を昇降制御するように設け、
後部にはこの刈取装置3で刈取られた穀稈の移送供給を
受けて脱穀する脱穀装置4を搭載し、前部一側には操縦
席5や、操縦装置6等を設けている。
車体2の左右両側の走行装置1は、前後の平行リンク
7によって車体2に対して枢支8されて、これらの平行
リンク7を車体2との間の油圧伸縮による車高シリンダ
9によって回動することにより、走行装置1に対して車
体2の高さを高低に調節制御する構成としている。又、
この走行装置の車高シリンダ9は左右の走行装置1に各
別に設けて、独立的に制御できる構成とするもよく、こ
の場合はローリング制御を可能として、地面の左右傾斜
に拘らず車体2を左右水平状態に維持制御する構成とす
るもよい。
刈取装置3は、車体2に対して刈取支軸10の回りに昇
降回動自在に支架した刈取機枠11に、前端部から、穀稈
を左右に分草する分草枠12、分草される穀稈を後側上方
ヘラグですき上げて起立させる穀稈引起装置13、引起穀
稈を後方へ掻込む集送装置14、この集送される穀稈の株
元部を刈取るバリカン形態の刈刃装置15、及び刈取後の
集送穀稈を挾持して移送しながら後方の脱穀装置4へ供
給する穀稈移送装置16等を配置して、伝動する構成とし
ている。
又、この刈取機枠11と車体2との間には油圧により伸
縮される昇降シリンダ17を設け、油圧回路の昇降制御弁
によってこの昇降シリンダ17を伸縮して、刈取装置3を
刈取支軸10回りに回動させて、上昇、又は下降すること
ができる。
この昇降シリンダ17の昇降制御弁を制御するセンサの
一つとして超音波からなる刈高センサ18が、刈取装置3
の前部において、刈取地面に対面させて設けられ、超音
波を刈取地面に発振させながら、この刈取装置3と刈取
地面との間隔(高さ)を検出する。
上記のような車高制御や刈高制御には、マイクロコン
ピュータCPUを有したコントローラ19を設け、この入力
側には、車体2の左右方向の傾斜角を検出する左右傾斜
センサ20、車体2の前後方向の傾斜角を検出する前後傾
斜センサ21、左右の車高シリンダ9の伸縮長を検出する
各ストロークセンサ22,23、稲と他の収穫作物の対象に
より制御モードを選択する稲スイッチ24、及び、上記刈
高センサ18等を設けている。
又、出力側には、車高制御の車高シリンダ9の油圧回
路におけるソレノイドバルブである刈高制御弁を作動す
るための、左側の走行装置1を上下動する左上、左下ソ
レノイド25,26、右側の走行装置を上下動する右上、右
下ソレノイド27,28等を設け、又、刈高制御の昇降シリ
ンダ17の油圧回路のソレノイドバルブである刈高制御弁
を作動するための、刈取装置3を上昇する側に作動する
刈取上ソレノイド29、刈取装置3を下降する側に作動す
る刈取下ソレノイド30等を設けている。第3図は、刈取
装置3の刈高制御の応答速を対比したものであるが、刈
高センサ18が刈取地面の高さL,Hの変化を検出して、A
から刈取装置3が昇降完了されるBまでの間の時間であ
り、又、刈取走行速度が一定であるとすれば、走行距離
によっても表される。
車体2が前進走行D中に、刈取地面の変化等により刈
高さLがHに上昇変化すればA、刈高センサ18による検
出によって、刈高装置3と一体の刈高センサ18が所定の
距離前進した位置Cで上昇開始され、更に一定距離前進
した位置Bにおいて上昇制御を完了する。
乾田での刈取作業では、この刈取地面の高さの変化幅
は比較的小さく、従って、刈取装置3の分草枠12等が走
行地面に突込むことも少ないために、刈高センサ18によ
る高さ検出を十分に行わせた結果、刈高制御を開始させ
ることにより、走行地面に雑草等が多い場合でもできる
だけ正確な高さ検出と刈高制御を維持させるために、応
答速度を遅らせる。
又、刈取地面が軟弱な場合には、走行装置1が沈み易
く、刈取装置3の分草枠12等が土壌面に突込み易くなる
ため、車体2が大きく前後へ傾斜したり、左右へ傾斜し
たり、又は車高が高くなったときは、これらによって走
行土壌面が軟弱な条件に変化したものとして、刈取装置
3を上昇させる刈高制御を迅速に作動させて、応答速度
である検出位置Aから上昇開始位置Cまでの時間を短縮
するように制御する。なお、これらの刈高制御の応答速
は、タイマー、或はパルス等によって変更制御させるも
よい。
第4図は上記のような刈高制御の流れを示すが、この
ような刈高制御は稲の刈取時に必要であるため、刈取モ
ードが稲刈と、他の例えば麦刈とに設定されている場合
は、稲刈作業のモードに切換える必要がある。又、車高
が一定以上に高くなったときにこの刈高制御を行う場合
は、左右の走行装置1がローリング制御を行いうる構成
となっているために、車高を算出するにあたっては、左
右のストロークセンサ22,23の平均値によって行うもの
としている。
【図面の簡単な説明】
図はこの発明の一実施例を示すもので、第1図は一部の
側面図、第2図は一部制御のブロック図、第3図は作用
を示す側面図、第4図は一部の制御フローチャートであ
る。 (符号の説明) 1……走行装置、2……車体 3……刈取装置、18……刈高センサ 19……コントローラ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行装置に対する車体の左右方向の姿勢を
    変化させるローリング手段と、走行装置に対する車体の
    前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段と、刈取装
    置の刈取地面に対する刈高さを検出する手段と、刈取装
    置の昇降制御手段とを有するコンバインにおいて、前記
    走行装置に対する車体の左右方向の姿勢、又は、前後方
    向の姿勢の少なくともどちらか一方が所定以上変化した
    ことを検出すると、前記刈取装置の昇降制御手段の応答
    を速くすることを特徴とする刈高制御装置。
  2. 【請求項2】走行装置に対する車体の左右方向の姿勢を
    変化させるローリング手段と、走行装置に対する車体の
    前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段と、刈取装
    置の刈取地面に対する刈高さを検出する手段と、刈取装
    置の昇降制御手段とを有するコンバインにおいて、車体
    の前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段が所定以
    上変化したことを検出すると、前記刈取装置の昇降制御
    手段の応答を速くすることを特徴とする刈高制御装置。
  3. 【請求項3】走行装置に対する車体の左右方向の姿勢を
    変化させるローリング手段と、走行装置に対する車体の
    前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段と、刈取装
    置の刈取地面に対する刈高さを検出する手段と、刈取装
    置の昇降制御手段とを有するコンバインにおいて、車体
    の左右方向の姿勢を変化させるローリング手段と、車体
    の前後方向の姿勢を変化させるピッチング手段が共に所
    定以上変化したことを検出すると、前記刈取装置の昇降
    制御手段の応答を速くすることを特徴とする刈高制御装
    置。
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