JP3560075B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はフタロシアニン結晶の製造方法に関し、特に光導電材料として有用なフタロシアニン結晶の新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フタロシアニン類は、塗料、印刷インク、触媒或いは電子材料として有用な材料であり、特に近年、電子写真感光用材料、光記録用材料及び光電変換材料として広範に検討がなされている。一般に、フタロシアニン類は、製造方法、処理方法の違いにより、幾つかの結晶型を示すことがしられており、この結晶型の違いは、フタロシアニン類の光電変換特性に大きな影響を及ぼすことが知られている。そのため、フタロシアニン類にあっては、その結晶型を制御することが重要である。フタロシアニン類の結晶型については、例えば銅フタロシアニンについてみると、安定系のβ型以外に、α、ε、γ、δ、π、χ、ρ、などの結晶型が知られており、これらの結晶型は、機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理及び熱処理等により、相互に転移が可能であることが知られている。(例えば米国特許第2,770,629号、同第3,160,635号、同第3,708,292号及び同第3,357,989号明細書等)。また、特開昭50−38543号公報等には、銅フタロシアニンの結晶型の違いと電子写真感度について記載されている。
【0003】
また、チタニルフタロシアニンについても、種々の結晶型のものが提案されており、例えば特開昭62−67094号公報には安定系のβ型のものが、特開昭61−217050号公報にはα型のものが記載され、また、特開昭63−366号、同63−20385号、同64−17066号、特開平1−153757号公報には、他の結晶型のものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来提案されているフタロシアニン化合物は、感光材料として使用した場合の光感度と耐久性の点で、未だ充分満足のいくものではなく、新たな結晶型のフタロシアニン化合物の開発や、安定な結晶型のものを容易に製造する方法の開発が望まれている。
本発明は、従来の技術における上記のような実状に鑑みてなされたものである。
即ち、本発明の目的は、高い光感度を有するフタロシアニン類の安定な結晶を容易に製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
しかして、かかる本発明の目的は、カルボニル基を有する脂環式有機溶剤を用いてフタロシアニン類を処理することにより容易に達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明製造方法で原料となるフタロシアニン類とは無金属もしくは金属フタロシアニンまたはこれら誘導体を指すこととし、1種類の化合物を単独で原料として用いてもよく、2種類以上のフタロシアニン化合物の混合物を用いてもよい。これらフタロシアニン類の例としては、無金属フタロシアニン;ベリリウムフタロシアニン;マグネシウムフタロシアニン;アルミニウムフタロシアニン;シリコンフタロシアニン;チタニウムフタロシアニン;バナジウムフタロシアニン;クロムフタロシアニン;マンガンフタロシアニン;鉄フタロシアニン;コバルトフタロシアニン;ニッケルフタロシアニン;銅フタロシアニン;亜鉛フタロシアニン;ガリウムフタロシアニン;ゲルマニウムフタロシアニン;ジルコニウムフタロシアニン;ニオブフタロシアニン;モリブデンフタロシアニン;パラジウムフタロシアニン;銀フタロシアニン;カドミウムフタロシアニン;インジウムフタロシアニン;スズフタロシアニン;アンチモンフタロシアニン;タンタルフタロシアニン;タングステンフタロシアニン;白金フタロシアニン;金フタロシアニン;水銀フタロシアニン;タリウムフタロシアニン及び鉛フタロシアニン等の金属フタロシアニン並びにこれらの無金属または金属フタロシアニンのベンゼン環の水素原子が、塩素、フッ素、ニトロ基、シアノ基またはスルホン基等の置換基で置換されたフタロシアニン誘導体等をあげることができる。上記フタロシアニン化合物の合成方法は公知方法(例えば、G.T.Byrne,R.P.Linstead,A.R.Lowe,J.Chem,Soc.,1934,1017参照)等、いずれによってもよい。また、原料となるフタロシアニン類はいずれの結晶型でもよく、非晶質のものを用いてもよい。好ましくは、α型あるいはアモルファス状態のものがよい。
【0006】
このようなフタロシアニン類を、水の存在下、カルボニル基を有する脂環式有機溶媒に加えて充分混合することにより溶媒処理を行う。
フタロシアニン類を水の存在下、カルボニル基を有する脂環式有機溶剤で処理する方法としては、予めフタロシアニン類を水で膨潤させ有機溶剤で処理する方法、或いは膨潤処理を行わずに、水を有機溶剤中に添加し、その中にフタロシアニン粉末を投入する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0007】
フタロシアニン類を水で膨潤させる方法としては、例えば、フタロシアニンを硫酸に溶解させ水中で析出させてウエットペースト状にする方法、また、ホモミキサー、ペイントミキサー、ボールミル、叉はサンドミル等の攪拌・分散装置を用いてフタロシアニンを水で膨潤させ、ウエットペースト状にする方法等が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。
【0008】
カルボニル基を有する脂環式有機溶媒としては、エチレンカルボナート、プロピレンカルボナート、ブチレンカルボナート、クロロエチレンカルボナート等のカルボナート類;γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、α−メチレン−γ−ブチロラクトン、α−ブロモ−γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、2−アセチルブチロラクトン、α−アセチル−α−メチル−γ−ブチロラクトン、α−ブロモ−γ−ブチロラクトン、α−アンジェリカラクトン等のラクトン類;2−シクロヘキセン−1−オン、4−クロマノン、1−デカロン、3,4−ジハイドロクマリン、2(5H)−フラノン、トロポン、α−テトラノン、1−インダノン、2H−ピラン−2−オン等が挙げられる。
このうち、エチレンカルボナート、プロピレンカルボナート、ブチレンカルボナート、クロロエチレンカルボナート等のカルボナート類,γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類が好ましい。
【0009】
処理方法としては、一般的な攪拌装置で攪拌するものであるが、そのほかにホモミキサー、ペイントミキサー、ディスパーサー、アジター或いはボールミル、サンドミル、アトライター、超音波分散装置等を用い機械的な力を利用することもできる。
この場合、処理温度は、−80〜120℃で行う。好ましくは、−50〜80℃、更に好ましくは−30〜50℃である。また、処理時間は10分〜120時間、好ましくは10分〜50時間。カルボニル基を有する脂環式有機溶剤の量は、フタロシアニンの重量に対して1〜500倍、好ましくは1〜300倍、さらに好ましくは1〜100倍に設定される。処理後、ろ過し、メタノール、エタノール、水等のカルボニル基を有する脂環式有機溶剤と易溶な溶剤で洗浄し単離される。
このようにして得られたフタロシアニン類は、電子写真感光体のキャリア発生物質として用いた時に特に優れた特性を発揮する。
【0010】
本発明のフタロシアニン類を電子写真感光体として使用するには、上述の方法で製造されたフタロシアニン類を、結着剤樹脂、溶剤等とともに、ボールミル、アトライター等の混練分散機で均一に分散させ、導電性支持体上に塗布して、感光層を形成させればよい。
すなわち、このフタロシアニン類と結着剤樹脂とを、結着剤樹脂のフタロシアニン類に対する重量比を1〜10程度にして混合する。そして、混合されたフタロシアニン類と結着剤樹脂とを、電子写真感光体に通常用いられるアルミニウム板、もしくは、導電処理した紙、プラスティックなどの導電性支持体上に塗布し、感光層を形成させる。塗布方法としては、必要ならば上記混合物にトルエン、シクロヘキサノン等の溶剤を加えて粘度を調整し、エアードクターコーター、プレートコーター、ロッドコーター、リバースコーター、スプレーコーター、ホットコーター、スクイーズコーター、グラビアコーター等の塗布方式で被膜形成を行う。塗布後、光導電性層として充分な帯電電位が付与されるようになるまで適当な乾燥を行う。
【0011】
結着剤樹脂としては、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素誘導体などの体積固有抵抗が107 Ωcm以上の絶縁性を有する結着剤樹脂、或いはポリビニルカルバゾール等の結着剤樹脂が挙げられる。
【0012】
本発明によるフタロシアニン類を用いるとともに上記のような手段に従って製造された感光体(以下、本発明の感光体とする)は、樹脂/光導電材料が重量比で1以上である。従って、例えば、樹脂/光導電材料の重量比が0.2である酸化亜鉛を用いた従来の感光体の場合に比べ、樹脂量が多い。よって、被膜の物理強度があり、可撓性に富む感光層を実現することができる。また、以上のようにして製造された本発明の感光体は、導電性支持体との結着性が大きく、耐湿性が良好であり、経時変化が少なく、毒性上の問題が少なく、製造が容易であり、安価である等の実用上優れた特徴を有するものである。
以下、本発明の実施例によるフタロシアニン結晶の製造方法を、この製造方法に用いるフタロシアニン類の製造例と併せて説明する。
【0013】
〔フタロシアニンの製造例〕
(チタニルフタロシアニンの製造例)
1,3−ジイミノイソインドリン58g、テトラブトキシチタン51gをα−クロロナフタレン300ml中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の順で洗浄した。その後、熱DMF、熱水、メタノールで洗浄、乾燥して51gのチタニルフタロシアニンを得た。
【0014】
(メタルフリー(水素)フタロシアニンの製造例)
1,3−ジイミノイソインドリン58gをα−クロロナフタレン300ml中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の順で洗浄した。その後、150℃の熱DMF、80℃の熱水、メタノールの順で更に洗浄した。最後に、60℃にて乾燥させて、42gのメタルフリー(水素)フタロシアニンを得た。
【0015】
(銅フタロシアニンの製造例)
無水フタル酸54g、尿素93g、塩化第二銅(無水物)15.3g、モリブデン酸アンモニウム0.6gをニトロベンゼン450ml中で190℃にて5時間反応後、ニトロベンゼン、メタノールの順で洗浄した。その後、1N塩酸水溶液1000mlの中で1時間煮沸した。煮沸後直ちに熱時濾過し、これを十分な水で濾液で中性となるまで洗浄した。その後、更に1N水酸化ナトリウム水溶液1000mlの中で1時間煮沸した。煮沸後直ちに熱時濾過し、これを十分な水で濾液が中性となるまで洗浄した。最後に、120℃にて乾燥させて、42gの銅フタロシアニンを得た。
【0016】
(バナジルフタロシアニンの製造例)
1,3−ジイミノイソインドリン58g、五酸化バナジウム28gをα−クロロナフタレン300ml中で210℃にて5時間反応後、α−クロロナフタレン、ジメチルホルムアミド(DMF)の順で洗浄した。その後、150℃の熱DMF、80℃の熱水、メタノールの順で更に洗浄した。最後に、60℃にて乾燥させて、42gのバナジルフタロシアニンを得た。
【0017】
【実施例】
(実施例1)
上記合成したチタニルフタロシアニン2gを、0℃の硫酸300gに溶解した。次に、その硫酸溶液を水800mlと氷1600g中に滴下し、滴下終了後室温下1時間攪拌した。その後ろ過し、充分な水でろ液が中性となるまで洗浄した。この様にしてチタニルフタロシアニンのウエットペーストを得た。
【0018】
次に、このウエットペーストを25℃に保った200mlのプロピレンカルボナート中に投入することにより、チタニルフタロシアニンを水存在下プロピレンカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているプロピレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、6時間この処理を継続した。
この処理を6時間実行した後、チタニルフタロシアニンをメタノールで洗浄してろ過した。最後に、チタニルフタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤1を1.8g得た。
【0019】
(実施例2)
上記合成したメタルフリー(水素)フタロシアニン2gを、0℃の硫酸300gに溶解した。次に、その硫酸溶液を水800mlと氷1600g中に滴下し、滴下終了後室温下1時間攪拌した。その後ろ過し、充分な水でろ液が中性となるまで洗浄した。この様にしてメタルフリー(水素)フタロシアニンのウエットペーストを得た。
【0020】
次に、このウエットペーストを50℃に保った200mlのエチレンカルボナート中に投入することにより、メタルフリー(水素)フタロシアニンを水存在下エチレンカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているエチレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、4時間この処理を継続した。
この処理を4時間実行した後、メタルフリー(水素)フタロシアニンを水で洗浄してろ過した。最後に、メタルフリー(水素)フタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤2を1.7g得た。
【0021】
(実施例3)
上記合成した銅フタロシアニン2gを、0℃の硫酸300gに溶解した。次に、その硫酸溶液を水800mlと氷1600g中に滴下し、滴下終了後室温下1時間攪拌した後ろ過し、充分な水でろ液が中性となるまで洗浄した。この様にして銅フタロシアニンのウエットペーストを得た。
【0022】
次に、このウエットペーストを25℃に保った200mlのブチレンカルボナート中に投入することにより、銅フタロシアニンを水存在下ブチレンカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているブチレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、10時間この処理を継続した。
この処理を10時間実行した後、銅フタロシアニンをエタノールで洗浄してろ過した。最後に、銅フタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤3を1.8g得た。
【0023】
(実施例4)
上記合成したバナジルフタロシアニン2gを、0℃の硫酸300gに溶解した。次に、その硫酸溶液を水800mlと氷1600g中に滴下し、滴下終了後室温下1時間攪拌した後ろ過し、充分な水でろ液が中性となるまで洗浄した。この様にしてバナジルフタロシアニンのウエットケーキを得た。
【0024】
次に、このウエットペーストを25℃に保った200mlのプロピレンカルボナート中に投入することにより、バナジルフタロシアニンを水存在下プロピレンカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているプロピレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、6時間この処理を継続した。
この処理を6時間実行した後、バナジルフタロシアニンをメタノールで洗浄してろ過した。最後に、バナジルフタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤4を1.5g得た。
【0025】
(実施例5)
チタニルフタロシアニン2gとメタルフリー(水素)フタロシアニン0.45gとを硫酸350gに0℃で溶解した。次にその酸溶液を水600mlと氷2200gの氷水中に滴下し、滴下終了後室温で1時間攪拌した後ろ過し、水で濾液が中性となるまで洗浄した。この様にしてチタニルフタロシアニンとメタルフリー(水素)フタロシアニンからなる、フタロシアニン混晶体1のウエットペーストを得た。
【0026】
次に、このウエットペーストを25℃に保った250mlのγ−ブチロラクトン中に投入することにより、フタロシアニン混晶体1を水存在下γ−ブチロラクトンで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているγ−ブチロラクトン溶液を機械的に攪拌しつつ、6時間この処理を継続した。この処理を6時間実行した後、フタロシアニン混晶体1を水で洗浄してろ過した。最後に、フタロシアニン混晶体1を60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤5を2.2g得た。
【0027】
(実施例6)
銅フタロシアニン1gとメタルフリー(水素)フタロシアニン0.9gとを硫酸300gに0℃で溶解した。次にその酸溶液を水800mlと氷1600mlの氷水中に滴下し、滴下終了後室温で1時間攪拌した後ろ過し、水で濾液が中性となるまで洗浄した。この様にして銅フタロシアニンとメタルフリー(水素)フタロシアニンからなるフタロシアニン混晶体2のウエットペーストを得た。
【0028】
次に、このウエットペーストを25℃に保った200mlのプロピレンカルボナート中に投入することにより、フタロシアニン混晶体2を水存在下プロピレンカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているプロピレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、8時間この処理を継続した。
この処理を8時間実行した後、フタロシアニン混晶体2をメタノールで洗浄してろ過した。最後に、フタロシアニン混晶体2を60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤6を1.6g得た。
【0029】
(実施例7)
バナジルフタロシアニン2gとメタルフリー(水素)フタロシアニン0.5gとを硫酸350gに0℃で溶解した。次にその酸溶液を水600mlと氷2200mlの氷水中に滴下し、滴下終了後室温で1時間攪拌した後ろ過し、水で濾液が中性となるまで洗浄した。この様にしてバナジルフタロシアニンとメタルフリー(水素)フタロシアニンからなるフタロシアニン混晶体3を得た。
【0030】
次に、このウエットペーストを25℃に保った250mlのγ−ブチロラクトン中に投入することにより、フタロシアニン混晶体3を水存在下γ−ブチロラクトンで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているγ−ブチロラクトン溶液を機械的に攪拌しつつ、6時間この処理を継続した。この処理を6時間実行した後、フタロシアニン混晶体3を水で洗浄してろ過した。最後に、フタロシアニン混晶体3を60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤7を2.0g得た。
【0031】
(実施例8)
チタニルフタロシアニン2gとバナジルフタロシアニン0.5gとを硫酸350gに0℃で溶解した。次にその酸溶液を水600mlと氷2200mlの氷水中に滴下し、滴下終了後室温で1時間攪拌した後ろ過し、水で濾液が中性となるまで洗浄した。この様にしてチタニルフタロシアニンとバナジルフタロシアニンからなるフタロシアニン混晶体4を得た。
【0032】
次に、このウエットペーストを25℃に保った250mlのプロピレンカルボナート中に投入することにより、フタロシアニン混晶体4を水存在下プロピレンカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているプロピレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、8時間この処理を継続した。
この処理を8時間実行した後、フタロシアニン混晶体4をメタノールで洗浄してろ過した。最後に、フタロシアニン混晶体4を60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤8を2.2g得た。
【0033】
(実施例9)
チタニルフタロシアニン2gを、25℃の水100mlに投入した後、ペイントシェーカー(商品名:ペイントコンディショナー、レットデビル社製)にセットし、5時間かけて分散させた。このようにして、チタニルフタロシアニンのウエットペーストを得た。
【0034】
次に、このウエットペーストを25℃に保った200mlのプロピレンカルボナート中に投入することにより、チタニルフタロシアニンを水存在下プロピレンカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているプロピレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、6時間この処理を継続した。
この処理を6時間実行した後、チタニルフタロシアニンをメタノールで洗浄してろ過した。最後に、チタニルフタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤9を1.7g得た。
【0035】
(実施例10)
メタルフリー(水素)フタロシアニン2gを、25℃の水100mlに投入した後、ペイントシェーカー(商品名:ペイントコンディショナー、レットデビル社製)にセットし、5時間かけて分散させた。このようにして、メタルフリー(水素)フタロシアニンのウエットペースト得た。
【0036】
次に、このウエットペーストを50℃に保った200mlのエチレンカルボナート中に投入することにより、メタルフリー(水素)フタロシアニンを水存在下エチレンカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているエチレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、4時間この処理を継続した。
この処理を4時間実行した後、メタルフリー(水素)フタロシアニンを水で洗浄してろ過した。最後に、メタルフリー(水素)フタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤10を1.8g得た。
【0037】
(実施例11)
チタニルフタロシアニン2gの粉末を、50℃の水100mlと共に50℃に保った200mlのプロピレンカルボナート中に投入することにより、水存在下フタロシアニンを有機溶剤処理することを実行する。そして、プロピレンカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、24時間この処理を実行した。
この処理を24時間実行した後、チタニルフタロシアニンをメタノールで洗浄してろ過した。最後に、チタニルフタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤11を1.7g得た。
【0038】
(比較例)
以下、本発明の各実施例によるフタロシアニン類を評価するために用いる比較例としてのフタロシアニンの製造方法を説明する。
(比較例1)
比較例1は、ウエットペーストのチタニルフタロシアニンではなく、さらにこれを乾燥させたチタニルフタロシアニンをプロピレンカルボナートで溶剤処理する点のみ、実施例1と相違する。
【0039】
上記合成したチタニルフタロシアニン2gを、0℃の硫酸300gに溶解した。次に、その硫酸溶液を水800mlと氷1600g中に滴下し、滴下終了後室温下1時間攪拌した。その後ろ過し、充分な水でろ液が中性となるまで洗浄し、60℃にて乾燥した。
次に、このチタニルフタロシアニンを25℃に保った200mlのプロピレンカルボナート中に投入し、機械的に攪拌しつつ6時間溶剤処理を継続した。
この処理を6時間実行した後、チタニルフタロシアニンをメタノールで洗浄してろ過した。最後に、チタニルフタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤12を1.9g得た。
【0040】
(比較例2)
比較例2は、ウエットペーストのチタニルフタロシアニンをプロピレンカルボナートでなくジメチルカルボナートで溶剤処理する点のみ実施例1と相違する。
上記合成したチタニルフタロシアニン2gを、0℃の硫酸300gに溶解した。次に、その硫酸溶液を水800mlと氷1600g中に滴下し、滴下終了後室温下1時間攪拌した。その後ろ過し、充分な水でろ液が中性となるまで洗浄した。この様にしてチタニルフタロシアニンのウエットペーストを得た。
【0041】
次に、このウエットペーストを25℃に保った200mlのジメチルカルボナート中に投入することにより、チタニルフタロシアニンを水存在下ジメチルカルボナートで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているジメチルカルボナート溶液を機械的に攪拌しつつ、10時間この処理を継続した。
この処理を10時間実行した後、チタニルフタロシアニンを水で洗浄してろ過した。最後に、チタニルフタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤13を1.8g得た。
【0042】
(比較例3)
比較例3は、メタルフリー(水素)フタロシアニンをエチレンカルボナートでなくTHFで溶剤処理する点のみ実施例2と相違する。
上記合成したメタルフリー(水素)フタロシアニン2gを、0℃の硫酸300gに溶解した。次に、その硫酸溶液を水800mlと氷1600g中に滴下し、滴下終了後室温下1時間攪拌した。その後ろ過し、充分な水でろ液が中性となるまで洗浄した。この様にしてメタルフリー(水素)フタロシアニンのウエットペーストを得た。
【0043】
次に、このウエットペーストを25℃に保った200mlのテトラヒドロフラン(THF)中に投入することにより、メタルフリー(水素)フタロシアニンを水存在下テトラヒドロフランで溶剤処理することを実行する。そして、ウエットペーストが混入されているテトラヒドロフラン溶液を機械的に攪拌しつつ、5時間この処理を継続した。
この処理を5時間実行した後、メタルフリー(水素)フタロシアニンを水で洗浄してろ過した。最後に、メタルフリー(水素)フタロシアニンを60℃にて乾燥させ、フタロシアニン感光剤14を1.75g得た。
以上の各実施例、比較例の内容を表1にまとめた。
【0044】
【表1】
【0045】
但し、水の添加法に関し、A法はフタロシアニンを硫酸に溶解させ、水に滴下して析出させてウエットペーストとする方法であり、B法はフタロシアニンと水をペイントシェーカーで分散させてウエットペーストとする方法、C法は有機溶剤処理の際、水を添加する方法である。
【0046】
(評価)
以上の様にして得られたフタロシアニン感光剤を以下のようにして評価とした。
すなわち、ポリエステル樹脂溶液(アルマテックス、P645、三井東圧製)2.8g、メラミン樹脂(コーバン、20HS、三井東圧製)1g及びトルエン14gを混合してなる組成物に、ガラスビーズ30gと共に上記フタロシアニン0.8gを投入する。これをペイントミキサーにより4時間分散し、感光体塗液を得た。次にこの感光体塗液を厚さ90ミクロンのアルミニウム箔上に、乾燥膜厚が15ミクロンになるようにコートし、120℃で5時間静置した。以上のようにして感光体を作成した。
【0047】
次に得られた感光体の光感度特性を感光体評価装置(シンシア−55、ジェンテック社製)を用いて評価した。
まず、+6.0kVの電圧でコロナ帯電させた場合に感光体の表面電位が急激に低下する屈曲点の時間(秒)を暗減衰時間とした。
光特性は次のように定義した。即ち、光強度が異なった780nmの単色光をコロナ帯電させた感光体に各々照射し、各光強度に対する光減衰時間曲線(照射時間に対する表面電位の特性曲線)を各々測定した。そして、その曲線から得られた一定時間照射(ここでは0.075秒)後における表面電位を、各々光エネルギーに対してプロットした。これをγカーブと称する。
【0048】
表面電位を初期帯電とほぼ同じ程度に維持できる光エネルギーのうち最大の光エネルギーをE1 (γカーブにおける立ち下がり点の光エネルギー)、表面電位を残留電位程度(約30V)までに低下させることのできる光エネルギーのうち最小の光エネルギーをE2 (γカーブにおける立ち上がり点の光エネルギー)とした。E1 が小さい程、光感度がよくなる。また、E2 −E1 の差ΔEが小さい程、高γ特性となるので、デジタル光入力用感光体となり得る。
本評価法においては、ΔEが5μJ/cm2 以下の感光体をデジタル感光体として使用可能なものと、一方、それ以上の感光体をアナログ感光体として使用可能なものとして考えて、評価した。評価結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のフタロシアニン類を、絶縁性バインダー等により薄層化した感光層は、光入力に対し特異な光電力の流れ方、すなわち、アナログ光であってもデジタル光であってもデジタル信号として出力できるものである。従って、デジタル記録形式の電子写真に使用できると共に、従来のPPC(アナログ光入力)用感光体に使用してもエッジのシャープな高画質画像を実現できるものである。
Claims (3)
- フタロシアニン類を、水の存在下、カルボナート類またはラクトン類より選ばれる脂環式有機溶媒で処理して製造されたフタロシアニン結晶を用いてなる電子写真感光体。
- 予めフタロシアニン類を水で膨潤させた後に、脂環式有機溶媒で処理して製造することを特徴とする、請求項1に記載のフタロシアニン結晶を用いてなる電子写真感光体。
- フタロシアニン類を、−80〜120℃の温度範囲で処理して製造することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、フタロシアニン結晶を用いてなる電子写真感光体。
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