JP3559946B2 - オーバーヘッド式ドアの落下防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビル、住宅、工場、倉庫、工事現場等に設けられるオーバーヘッド式ドアの落下防止装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種オーバーヘッド式ドアのなかには、躯体開口部に建付けたガイドレールに開閉案内されるドア体の下端部に、開口部上方に配設の巻装装置に巻装される吊りワイヤ等の吊持ち体の先端部を連結してドア体を吊持ち支持し、該吊持ち体の巻装装置による巻取り、巻出しに基づいてドア体の開閉作動をするように構成したものがある。
このようなものにおいて、吊持ち体の切断によりドア体が自重落下することが想定されるため、これに対処することが要求される。そこで、特開平8−260841号公報や特開平8−296382号公報で示されるような落下防止装置が提唱されている。これらのものは、ドア体側面から外部に突出して設けられるガイドローラのうち、最下端に位置するガイドローラのローラ軸に係止爪を設け、該係止爪を、吊持ち体の切断に基づいて突出揺動する構成とし、これによって吊持ち体の切断に伴い係止爪がガイドレール側に一体的に設けた係止部に係止してドア体の落下を防止するように構成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吊持ち体は戸体の両側に設けられるものであり、これに対応して係止爪もドア体の両側に設けられているが、両側の吊持ち体が同時に切断することは希で、左右何れか一方の吊持ち体が切断することの方が多いと考えられる。そして、このように一方の吊持ち体が切断した場合、一方側の係止爪が突出揺動して係止部に係止することになるが、前記従来の係止部は、ガイドレールの全般に亘って形成されるのではなく上下方向に所定間隙を存した状態で設けられているため、該側の戸体側部は切断位置より下方に落下し、このため戸体は上下方向に傾斜することになる。このように、戸体が前記傾斜姿勢となった場合では、係止爪の突出位置が開口部内方に位置ずれすることが考えられ、このようになった場合、係止部の対向位置からずれて係止が外れてしまうことが想定され、こうなると、他側の吊持ち体は、ドア体の全自重を衝撃的に受け持ち支持することになって、吊持ち体に過剰負荷が働いてしまうという問題がある。これに対処するには、係止爪あるいは係止部の左右方向幅を長く確保することや、係止部を多くして形成間隔を小さくすることが考えられる。
しかるに、係止爪と係止部とはドア体の外側面とガイドローラの内側面とのあいだに配設される構成であるので、その左右方向幅はドア体外側面とガイドローラ内側面とのあいだの間隙の寸法によって規制されるという問題がある一方、係止部を多く形成するには作業の手間がかかるという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、一端部がドア体下端部に連結された吊持ち体の他端部を躯体開口部上方に配設した巻装装置に巻装してドア体の吊持ち支持をし、巻装装置の巻取り、巻出し作動に基づいてドア体両側部から突設のガイドローラがガイドレールに案内されてドア体の開閉作動を行う構成としたオーバーヘッド式ドアにおいて、前記ガイドローラのローラ軸に、吊持ち体の切断に基づいて突出揺動して躯体開口部側に設けた係止部に係止する係止爪を設けてドア体の落下を防止する構成とするにあたり、前記係止爪は、基端部がドア体外側面とガイドローラ内側面とのあいだのローラ軸に揺動自在に軸承され、先端部がガイドローラの外周面位置に突出する本体部と、該本体部の先端部に形成される爪体とで構成し、該爪体は、本体部の先端に形成される爪部と、該爪部からガイドローラ外周面に近接対向して外側面位置にまで延出する補助爪部とにより左右方向に長く形成されていて、一方の吊持ち体が切断してドア体が上下に傾斜したときの位置ずれ状態でも係止部に係止するように構成されているオーバーヘッド式ドアの落下防止装置である。
そして、このようにすることにより、一方の吊持ち体が切断してドア体が傾斜姿勢になったような場合でも、係止爪による係止部への係止ができる。
請求項2の発明は、請求項1において、係止爪は、吊持ち体の張力を受けるアームの揺動に連繋して、係止部に係止する係止姿勢と係止解除される解除姿勢とに姿勢変姿するものとし、吊持ち体には、開放作動するドア体が全開状態になることに伴って吊持ち体の張力が減少した場合に、アームが係止爪を係止姿勢に変姿させるべく揺動するのを回避する回避手段が設けられているオーバーヘッド式ドアの落下防止装置である。これによって、ドア体の全開位置を高位置にすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図11に示す図面に基づいて説明する。
図面において、1はオーバーヘッド式ドアを構成するドア体であって、該ドア体1は複数のパネル体1aを蝶番1bを介して上下方向に一連状に連結して形成されているが、ドア体1の左右両側縁部の上下方向複数箇所には取付け部材2が固定され、これら取付け部材2にガイドローラ3が軸承されるローラ軸が支持されている。一方、4は躯体開口部に建付けられ、前記ガイドローラ3が嵌合案内されるガイドレールであって、該ガイドレール4は、開口部両側部に沿う縦レール部4a、天井部に沿う水平レール部4b、縦レール部4aと水平レール部4bとのあいだを連結するコーナーレール部4cとで構成されている。また、開口部上部には巻装装置5が配設されており、該巻装装置5に基端部が巻装されるワイヤ6の先端部はドア体1の最下端パネル体1aに連結され、これによってドア体1を吊持ち支持する設定となっている。ここで、巻装装置5は左右両側に位置しワイヤ6が連結される左右一対のワイヤドラム5a、これらワイヤドラム5aを連動連結する巻取り5b、巻取り軸5bに弾装されてドア体1の荷重にバランスするべく蓄勢されるバランス弾機5c等の部材装置で構成されている。
そして、縦レール部4aに位置して開口部を閉鎖する閉鎖姿勢のドア体を軽く押し操作することでワイヤ6はワイヤドラム5aに巻取られ、これによってドア体1は、前記閉鎖姿勢から水平レール部4b側に移動して開口部を開放する開放姿勢に変姿するように設定されている。これに対し、ドア体1の開放姿勢から閉鎖姿勢への変姿は、ドア体1に設けられた操作ひも7を軽く引き操作することでなされ、これによってワイヤ6がワイヤドラム5aから巻出されてドア体1は自重降下に基づいて閉鎖するように設定されている。ここで、本実施の形態のドア体1は前述したように手動操作に基づいて作動する構成となっているが、前記巻装装置5に電動モータを連動連結し、該電動モータの駆動力によってワイヤドラム5aを駆動させる構成としても勿論よい。
【0006】
さて、8は前記最下端パネル体1aの左右両側部に固定されるフレーム部材であって、該フレーム部材8は左右勝手の異なるものが設けられるが、本実施の形態では図4に示す右勝手のものについて説明する。つまり、フレーム部材8はパネル体1aの屋内側面に当てがわれて固定される第一面部8aと、該第一面部8aの両側縁部から屋内側に突出形成される左右一対の第二、第三面部8b、8cと、これら第二、第三面部の8b、8cのうち、外方に位置する第三面部8cに固定され屋外側に突出する第四面部8dとを備えて構成されている。ここで、前記第四面部8dの屋外側に突出する部位は、第三面部8cに固定される部位よりも外方に突出するよう段差状に形成され、突出部位の面部とフレーム部材8に固定されたパネル体1a側面とが所定間隔を存して対向するように設定され、さらにこの段差状部には上下に長い開口8eが穿設されている。さらに、第二、第三面部8b、8cそして第四面部8d固定部位の下方には四角形状の貫通孔8fがそれぞれ穿設され、ここにガイドローラ3を軸承するローラ軸9が回り止め、かつ抜け止め状、そして左右移動自在な状態で挿通支持される設定となっている。ここで、該ローラ軸9は、前記取付け部材2に支持される上側のローラ軸3aとは異なり、本発明が実施された落下防止装置Sが設けられる構成となっているが、その詳細については後述する。尚、8nは屋内面に設けられる蓋体である。
【0007】
前記第四面部8dの突出部位には、上下面が開放されたボックス状の収納部8gが、外方に突出する状態で一体的に固着等の手段により設けられており、該収納部8gに、前記ワイヤ6の先端部を連結するためのワイヤ連結体10の下端部10aが収納されている。ところで、ワイヤ連結体10は、上端部は正面視で二股状に分岐しており、これら分岐部に抜け止め状に軸承される第一ピン軸10bに、前記ワイヤドラム5aから繰出されたワイヤ6の先端部が連結される設定となっている。また、ワイヤ連結体10は、下端部10aに左右方向を向く第二ピン軸10cが遊嵌されており、該第二ピン軸10cの両端部が、収納部8gの外側面8hと第四面部8dとにそれぞれ穿設の上下方向に長い長孔8iに抜け止め状に遊嵌支持されている。これによって、ワイヤ連結体10は、収納部8gに対して前記長孔8iの長さ分だけ上下方向移動自在でかつ屋内外方向に揺動自在な状態で連結支持される設定となっている。
【0008】
一方、前記第二ピン軸10cは、第四面部8d側の長孔8iを貫通して内側面に突出しており、該突出端部に、上下方向に長い第一アーム11の下端部が揺動自在に連結されおり、第一アーム11が、ワイヤ連結体10の屋内外揺動については追随して揺動することなく自由状態であるが、上下移動については追随して上下移動するように設定されている。さらに第一アーム11の上端部は、略L字形の第二アーム12の一端部が揺動自在に連結されるが、該第二アーム12は、一端部側は第四面部8dの突出部内側面に沿い、中間部および他端部は第四面部8d固定部位の外側面に沿うよう、固定部位と突出部位とのあいだの開口8eを挿通して配されている。そして、第二アーム12の中間部には枢支ピン12aの基端部が一体的に固定され、該枢支ピン12aが、第三面部8cおよびこれに積層される第四面部8d固定部位、そして第二面部8bにそれぞれ穿設の貫通孔8jに揺動自在に支持される設定となっており、これによって第二アーム12は、第一アーム11の上下移動に伴い枢支ピン12aを支点として揺動し、第二アーム12の他端部が屋内外に揺動する設定となっている。ここで、前記第二アーム12の他端部は凹状の凹溝部12bに切欠き形成されており、該凹溝部12bに後述する係止爪13に連結される作動ピン14が遊嵌する設定となっている。さらに枢支ピン12aには付勢弾機15が弾装されており、第二アーム凹溝部12bを前方揺動する側、つまり第一アーム11を下動させる側に向けて付勢している。
【0009】
次に、前記フレーム部材8に支持されるローラ軸9について説明するが、該ローラ軸9は、前記ガイドローラ3と、落下防止装置Sを構成する係止爪13とを組込んだ状態で一つの組立部品、つまりローラアッシー16として、前記第一、第二アーム11、12等の部材装置が組込まれたフレーム部材8に組込まれるようになっている。そしてこのローラ軸9は、左右勝手の異なるものが左右のフレーム部材8にそれぞれ取付けられが、本実施の形態では、図5、6、7に示すように右勝手のものについて説明する。
まず、ローラアッシー16を構成するローラ軸9は、外形四角形状に形成された軸本体部9a、ローラ軸9先端側の外形円形状の軸部9b、そして軸本体部9aと軸部9bとのあいだに形成される係止爪受け部9cとが一体型成形されたものになっている。前記軸本体部9aは、左右方向へのあそびを有するようフレーム部材第二、第三面部8b、8cとの対向間よりも長く形成され、第二、第三面部8b、8cに穿設の貫通孔8fに左右方向移動自在かつ回り止め状に貫通支持されるが、軸本体部9a基端側には抜止めボルト9dが配されることでローラ軸9の外方側への抜け止めがなされる設定になっている。そして、軸本体部9aの先端側には係止受け部9cとのあいだに下方に長い矩形状の突当て部9eが形成されている。前記係止爪受け部9cは、突当て部9e外形より細径で、上下に円弧状部が形成された略楕円形状の第一嵌合部9fと、該嵌合受け部9fより細径で第一嵌合部9fと略同形の第二嵌合部9gとで形成され、第二嵌合部9gは第一嵌合部9fに対して上側に偏芯して形成されている。さらに、第二嵌合部9gの先端側に外形円形状の軸部9bが配されるが、該軸部9bは第二嵌合部9gよりも細径に形成され、下側外周面が第二嵌合部9gと同レベルとなるよう第二嵌合部9gに対して偏芯して形成されている。
【0010】
一方、係止爪13は、内側部位が円盤状の作動ディスク部13aに形成され、該作動ディスク部13aの第一貫通孔13bが、ローラ軸係止爪受け部9cの第一嵌合部9fに揺動自在に外嵌する設定となっている。さらに、作動ディスク部13aの外側部位には、先端が下方に延出される本体部13cが一体形成されており、該本体部13cの基端部に前記第一貫通孔13bに連通する状態で形成される第二貫通孔13dが、前記第二嵌合部9gに揺動自在に外嵌する設定となっている。そして、係止爪13を係止爪受け部9cに嵌合した状態において、作動ディスク部13aの内側面が、突当て部9eの外側面に突き当たるように設定されている。
前記本体部13cの先端部は、軸部9bに軸承されるガイドローラ3の外周面位置にまで突出しており、該突出端部に爪部13eが一体形成されている。そしてこの爪部13eには、外端面がガイドローラ3の外側面位置にまで延出し、上面がガイドローラ3の外周面に近接対向する補助爪部13fが一体形成され、これによって爪体13gを構成しており、該爪体13gの先端が先鋭状に形成されている。
【0011】
ところで、係止爪13は、図7(C)に示すように爪体13gが下方を向く解除姿勢から矢印A方向(屋外側方向)に所定の角度を揺動することで、後述する躯体側の係止部17に係合する係止姿勢に変姿する設定となっており、前記ローラ軸9の第一、第二嵌合部9f、9gと係止爪13の第一、第二貫通孔13b、13dとのあいだには、前記所定角度の揺動範囲内を揺動するよう規制する規制手段が設けられている。つまり、第一貫通孔13bは、第一嵌合部9fの上下の円弧状部が所定範囲の揺動を許容されるよう、上下に扇状の連通孔13h、13iが形成されている一方、第二貫通孔13dは、第一貫通孔13bと同様に、第二嵌合部9gの上下の円弧状部が所定範囲の揺動を許容されるよう、上下に扇状の連通孔13j、13kが形成されている。そして、各連通孔13h、13i、13j、13kの孔縁が対応する第一、第二嵌合部9f、9gの外側面に当接することで回り止めがなされる設定となっている。
また、作動ディスク部13aの上部には、前記作動ピン14の基端部が一体的に設けられており、該作動ピン14の先端部は内方に向けて長く突出するように配されている。
【0012】
そして、ローラ軸9に、係止爪13とガイドローラ3とを組込んでローラアッシー16を組立て、このローラアッシー16をドア体1最下端のフレーム部材8に組込むことになるが、ローラアッシー16は、前記作動ピン14を第二アーム12の凹溝部12bに係合させ、軸本体部9aをフレーム部材第二、第三面部8b、8cの貫通孔8fに挿通支持させ、そして、第二面部8bから内方に突出する軸本体部9aにボルト9dを装着することで、フレーム部材8に抜け止め状に組込まれる設定となっている。このとき、作動ピン14は、凹溝部12bに係合した先端側がさらに内方に突出していて、フレーム部材第三面部8cに穿設された円弧状の長孔8kに挿通されている。そして後述するように、第二作動アーム12が屋内外揺動した場合に、凹溝部12bに係合する作動ピン14を長孔8k内において強制移動させ、これによって係止爪13が係止爪受け部9cに対して揺動するが、該作動ピン14の強制移動量は、係止爪13の解除姿勢から係止姿勢への変姿に必要な揺動量に相当するように設定されている。
【0013】
一方、前記係止部17は、長尺状の鋼材を折曲して長手方向に長い第一、第二片部17a、17bに形成されており、第一片部17aがガイドレール4の縦レール部4aに一体的に固定されている。また、第二片部17bは、前記第一片部17aから屋内側に向けて突出しており、該第二片部17bに、前記爪体13gが係合するための係止片17cが所定間隔を存する状態で切欠き形成されている。
【0014】
次に、前記落下防止装置Sの作動について説明する。前述したように、フレーム部材8にローラアッシー16を組込んだ後、フレーム部材8のワイヤ連結体10にワイヤ6を連結することでドア体1のワイヤ6による吊持ちがなされる。この状態では、戸体1の自重(ワイヤ6の張力)がワイヤ連結体10に作用しており、ワイヤ連結体10は、第二アーム12の作動ピン12aに設けた弾機15の付勢力に抗して上動し、長孔8iに係止される設定となっている。このとき、第二アーム凹溝部12bは屋外側に揺動し、作動ピン14を屋外側に強制揺動せしめることになり、これによって、係止爪13は下方を向く解除姿勢に維持される設定となっている。
これに対し、ワイヤ6が切断し、ワイヤ連結体10に作用するワイヤ6の張力が消失すると、ワイヤ連結体10は前記弾機15の付勢力の作用もあって長孔8iの下端縁側に移動することになる。この状態では、第二アーム12は、弾機15の付勢力を受けて屋内側に揺動し、作動ピン14を強制的に屋内側に移動せしめるように設定されており、これによって、係止爪13が揺動して下端部の爪体13gが屋外側に突出する係止姿勢となるように設定されており、左右方向に長い爪体13gの何れかの部位が前記係止部17の係止片17cに係合する設定となっている。
【0015】
ところで、ドア体1は、最下端パネル体1aが縦レール部4aからコーナーレール部4cに至ることで全開状態となるが、この場合に、ワイヤ6によるワイヤ連結体10が受ける張力方向は、上向きから屋外側が傾斜上方となる傾斜方向を向くように順次変化することになり、これによってワイヤ連結体10は、第二ピン軸10cが長孔8iに係合する状態で、該第二ピン軸10cを支点として屋外側に揺動することになるが、この状態でのワイヤ6の張力は、ドア体1を鉛直方向に支持している場合よりは小さいものになっている。この場合に、ワイヤ連結体10の下端部10aに切欠き形成された係合部10dが、収納部8gの外側面8hに形成された係合受け部8mに係合してワイヤ連結体10が下動するのを規制するように設定され、これによってワイヤ6の張力が小さくなった状態でもワイヤ連結体10が弾機15の付勢力を受けて長孔8iを下方移動してしまうようなことがなく、第二アーム12を揺動させるのを回避する設定となっている。
【0016】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、オーバーヘッド式ドアのドア体1は、ワイヤドラム5aを回動させてワイヤ6を巻取り、巻出しすることで開閉作動がなされることになる。そして、ドア体1がワイヤ6に吊持ち支持される通常使用状態では、ワイヤ6の張力を受けたワイヤ連結体10が長孔8iの上側位置にしているため、落下防止装置Sを構成する係止爪13は爪体13gが下方を向く解除姿勢となっており、爪体13gが係止部17の係止片17cに干渉することなく円滑な開閉作動が行われる。一方、ワイヤ6が切断したような緊急時では、前述したようにワイヤ連結体10が下動するため、第一、第二アーム11、12を介して作動ピン14が強制移動し、これによって係止爪13が係止姿勢に変姿して爪体13gを前記係止片17cに係合させることになって、ドア体1の自重落下が防止される。このとき、左右何れか一方のワイヤ6が切断した場合では、ドア体1が上下に傾斜した状態となるが、爪体13gは、ガイドローラ3の外径部位にまで達する本体部13aの先端に形成される爪部13eと、その外方にガイドローラ3を迂回する状態で形成される補助爪部13fとで左右方向に長く形成されているので、ドア体1が傾斜することで係止爪13の係止部17に対する位置がずれてしまったような場合でも、左右方向に長い爪体13gにより係止片17cに係合できて落下防止ができる。
【0017】
このように、本発明が実施された形態のものでは、ドア体1の落下防止が計れるものであるが、通常使用状態において全開に近い状態になった場合では、ワイヤ連結体10に対するワイヤ6の張力が減少することになるが、この場合、最下端パネル1aがコーナーレール部4cを走行することでワイヤ6の張力方向が変化し、これに伴いワイヤ連結体10が揺動してワイヤ連結体10の係合部10eが収納部8gの係合受け部8mに係合して、ワイヤ連結体10が下動してしまうことを回避することになる。この結果、通常使用状態では、ドア体1の全開に近くなってワイヤ6の張力が少なくなっても、ワイヤ連結体10がフレーム部材8側に係合して長孔8iの上側位置に維持されて係止爪13を解除姿勢としたままにすることになり、張力消失で弾機15の付勢力が勝りワイヤ連結体10が下方に移動して第二アーム12を揺動させるようなことが回避され、円滑な開閉作動を損なうことなくドア体1を高位置にまで開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オーバーヘッド式ドアの全体正面図である。
【図2】オーバーヘッド式ドアの全体側面図である。
【図3】図3(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれガイドレール部の側面図、正面図、ガイドレールの拡大側面図、平面図である。
【図4】図4(A)、(B)、(C)はそれぞれフレーム部材の正面図、側面図、平面図である。
【図5】図5(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれローラ軸の平面図、左側面図、正面図、右側面図である。
【図6】図6(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ係止爪の左側面図、正面図、右側面図、図6(A)のX−X断面図である。
【図7】図7(A)、(B)、(C)、(D)、(E)はそれぞれローラアッシーの正面図、平面図、左側面図、右側面図、X−X矢視図である。
【図8】要部の正面図である。
【図9】要部の側面図である。
【図10】要部の平面図である。
【図11】ドア体の全開状態を示す作用説明側面図である。
【符号の説明】
1 ドア体
3 ガイドローラ
4 ガイドレール
6 ワイヤ
8 フレーム部材
8m 係合受け部
9 ローラ軸
10 ワイヤ連結体
10d 係合部
11 第一アーム
12 第二アーム
13 係止爪
13g 爪体
14 作動ピン
15 弾機
16 ローラアッシー
17 係止部
Claims (2)
- 一端部がドア体下端部に連結された吊持ち体の他端部を躯体開口部上方に配設した巻装装置に巻装してドア体の吊持ち支持をし、巻装装置の巻取り、巻出し作動に基づいてドア体両側部から突設のガイドローラがガイドレールに案内されてドア体の開閉作動を行う構成としたオーバーヘッド式ドアにおいて、前記ガイドローラのローラ軸に、吊持ち体の切断に基づいて突出揺動して躯体開口部側に設けた係止部に係止する係止爪を設けてドア体の落下を防止する構成とするにあたり、前記係止爪は、基端部がドア体外側面とガイドローラ内側面とのあいだのローラ軸に揺動自在に軸承され、先端部がガイドローラの外周面位置に突出する本体部と、該本体部の先端部に形成される爪体とで構成し、該爪体は、本体部の先端に形成される爪部と、該爪部からガイドローラ外周面に近接対向して外側面位置にまで延出する補助爪部とにより左右方向に長く形成されていて、一方の吊持ち体が切断してドア体が上下に傾斜したときの位置ずれ状態でも係止部に係止するように構成されているオーバーヘッド式ドアの落下防止装置。
- 請求項1において、係止爪は、吊持ち体の張力を受けるアームの揺動に連繋して、係止部に係止する係止姿勢と係止解除される解除姿勢とに姿勢変姿するものとし、吊持ち体には、開放作動するドア体が全開状態になることに伴って吊持ち体の張力が減少した場合に、アームが係止爪を係止姿勢に変姿させるべく揺動するのを回避する回避手段が設けられているオーバーヘッド式ドアの落下防止装置。
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