JP4198902B2 - ドアガードの掛合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はドアガードの掛合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平10−68261号公報には、地震などによるドア枠の変形やドアの吊り込み状態が生じた場合であっても、ドアガードの作動状態を解消させることができる一例が開示されている。
【0003】
このドアガードは、戸枠側の固定座から突出する受杆と係合する係合アームの外拡基端部を枢支するドア座板側の垂直軸に、計3個のコイル型バネをそれぞれ垂直列に個別的に巻装し、地震などによるドアの吊り込み状態が生じた場合であっても、前記コイル型バネのバネ力に抗して係合アームを上下動させ、これにより、係合アームの外拡基端部の挿入空間を受杆の係合頭部に対応させ、無理なく係合アームと受杆との係合を解消するものである。
【0004】
上記構成に於いては、ドア側の座板部材、垂直軸、係合アームから構成される掛合装置の垂直軸に複数個のバネを装着したので、耐震性を持たせることが出来るという利点がある。
しかしながら、前記垂直列のバネは、単に耐震性を考慮しただけであるから、係合アームをドアの内壁面に戻したドアガード不使用時に、係合アームが不用意に動かない(回転しない)ようにする機能を果すことができず、また、係合アームを受杆に係合させるドアガード使用時に、係合アームを自動的に作動するロック可能な位置(受杆と係合する位置)へと回転させる機能を果すことができないという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、以上のような従来の実施例が有する問題点に鑑み、耐震性を考慮した上で、ドアガード不使用時に、係合アームが不用意に動かないようにし、一方、ドアガード使用時に、係合アームを自動的に作動するロック可能な位置へと回転させることができるドアガードの掛合装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のドアガードの掛合装置は、ドア側の座板10に突設された上下の対向支持部11に係合アーム13の横U字状掛合部20に連設すると共に外方向に広がる上下の外拡基端部21を枢着し、前記一つの対向支持部11と一つの外拡基端部21との間に設定した間隙15に位置するように支持バネ14を装着し、この支持バネは、その一端部が前記外拡基端部21に支持されていると共に他端部は前記座板10に圧接し、かつ前記係合アームを交差する二方向にそれぞれ付勢するストッパー的バネ機能と作動的バネ機能とを有し、係合アームは、ドアガード不使用時に、該支持バネのストッパー的バネ機能により、係合アームの外拡基端部に形成した係合部22が対向支持部の被係合部17に係合し、一方、ドアガード使用時に、手動で前記係合部を対向支持部の被係合部から離すと、支持バネの作動的バネ機能により、係合アームは、外拡基端部の挿入空間部に戸枠側の受杆7が入り込む所まで自動的に回転することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1乃至図5を参照に説明する。図1は実施形態の一例を示す分解斜視図である。図2は、後述する支持バネのバネ力により、係合アームが自動的に作動するロック可能な位置へと回転した状態を示す平面からの説明図である。図3はドアガード不使用時の状態でドアを開いた平面からの説明図である。図4はドアガード不使用時の正面からの説明図である。図5はドアガード使用時に、係合アームを支持バネのバネ力に抗して押し下げてその係合状態を解消させた説明図である。
【0008】
さて、1はドアガードで、このドアガード1は、ドア枠2に固定された受け部材3と、ドア4の内壁面4aに取り付けられた掛合装置5とから構成されている。受け部材3は、ドア枠2の垂直壁面2aに固着具を介して固定された固定座6と、この固定座6の中央部から水平方向に突出する受杆7とから成る。受杆7は、短杆状胴部7aと、この短杆状胴部7aの先端部に突出形成されたボタン状の係合頭部7bとから成る。
【0009】
一方、掛合装置5は、ドア4の内壁面4aに固着具を介して固定された長方形の座板10と、この座板10に突設された上下の対向支持(軸受け)部11,11に垂直軸12を介して軸支され、かつ、ドア4の内壁面4aとドア枠2の垂直壁面2aとの間の空間で水平状態に回転する係合アーム13と、この係合アーム13を交差する二方向(ここでは垂直方向と水平方向の両方を意味する。)にそれぞれ常時付勢する一つの支持バネ14とから成る。
【0010】
前記上下の対向支持部11,11は、係合アーム13の上下の外拡基端部21,21が対向支持部11,11内に垂直軸12を介して枢着された際に、少なくとも一つの対向支持部11に対して所要の間隙15を有するように配設されている(図4参照)。また、対向支持部11,11のいずれか一方、本実施例では、上方の支持部11の内壁面(下面)には、軸孔16から半径方向にかけて、係合アーム回転止め用の被係合部(凹所)17が形成されている。
【0011】
前記係合アーム13は、その部分を区分けすると、横U字型状掛合部20と、この掛合部20に連設すると共に外方向に広がる上下の外拡基端部21,21とを有する。公知のように上下の外拡基端部21,21の空間部は、受杆7の係合頭部7bが挿入する部分であり、また横U字状掛合部20は、受杆7の胴部7a案内用のガイド空間を形成する係合部分である。
【0012】
しかして、本実施例では、上方の外拡基端部21の上面には、対向支持部11の被係合部(凹所)17と係脱する係合アーム回転止め用の係合部(凸部)22が形成されている。一方、下方の外拡基端部21の下面には、支持バネ14の一端部を受ける小突起23が設けられている。
支持バネ14は、下方の外拡基端部21の下面と下方の支持部11の内壁面(上面)にそれぞれ圧接するように間隙15に組み込まれ、かつ垂直軸12の下端部に巻装されている。また、支持バネ14の一端部は前述したように下方の外拡基端部21の小突起23に支持され、一方、他端部は座板10に圧接している。
【0013】
したがって、本実施例の支持バネ14は、係合アーム13の係合部(凸部)22が上方の支持部11の被係合部(凹所)17に係合するように該係合アーム13を垂直(上方)方向に常時付勢する機能と、該係合アーム13が受け部材3の受杆7に対して作動する水平方向(掛け方向)へと常時付勢する機能とを有している。
【0014】
換言すれば、前者は、ドアガード不使用時に、係合アーム13の係合部(凸部)22を一つの対向支持部11の被係合部(凹所)17に係合させ、係合アーム13の自由なる回転を止めるストッパー的バネ機能であり、一方、後者は、ドアガード使用時に、手動で係合アーム13の係合部(凸部)22を対向支持部11の被係合部(凹所)17から離す(係合解除する)と、係合アーム13の外拡基端部の挿入空間部に受け部材3の受杆7が入り込む所まで係合アームを自動的に回転させ、これによりドアガード1がドア4の開放に伴い作動するようにする作動的バネ機能である。
【0015】
上記構成に於いて、ドアガード不使用時には、図4で示すように係合アーム13がドア4の内壁面4aに沿うように位置している。この時、係合アーム13は下方の支持バネ14のバネ力により持ち上げられ、その係合部22は上方対向支持部11の被係合部17に係合している。したがって、係合アーム13は不用意に作動方向へ回転しない。
【0016】
一方、ドアガード使用時には、手動で係合アーム13を押し下げる。図5で示すように係合アーム13が支持バネ14のバネ力に抗して収縮すると、係合アーム13の係合部22は上方対向支持部11の被係合部17から離れる。このように係合部22が被係合部17から離れるや否や係合アームは、支持バネ14の作動的バネ機能により、自動的にロック可能な位置へと回転し、図2で示すように上下の外拡基端部内に受杆7が入り込む。
【0017】
【実施例】
発明の実施形態では、係合アームの上方の外拡基端部に座板側の被係合部に係合する係合部を形成し、この構成に対応して支持バネ14を垂直軸の下方に組み込んでいるが、係合部を下方の外拡基端部に形成するなど任意に設計変更した場合には、変更した構成に対応して支持バネ14を垂直軸の上方に組み込んでも良い。
【0018】
また、発明の実施形態では、係合アームの外拡基端部に係合部(凸部)を形成し、一方、座板側の対向支持部に被係合部(凹所)を形成しているが、係合部と被係合部の形成位置を逆にしても良い。要は、ドアガード不使用時に、係合アーム13は支持バネ14のバネ力により持ち上げられ、或いは押し下げられ、その係合部22が一つの対向支持部11の被係合部17に係合すれば良い。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のドアガードの掛合装置にあっては、耐震性を考慮した上で、ドアガード不使用時に、係合アームが不用意に動かないようにし、一方、ドアガード使用時に、係合アームを自動的に作動するロック可能な位置へと回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図5は本発明の実施形態の一例を示す各説明図。
【図1】分解斜視図。
【図2】係合アームが自動的に作動するロック可能な位置へと回転した状態を示す平面からの説明図。
【図3】ドアガード不使用時の状態でドアを開いた平面からの説明図。
【図4】ドアガード不使用時の正面からの説明図。
【図5】ドアガード使用時に、係合アームを支持バネのバネ力に抗して押し下げてその係合状態を解消させた説明図。
【符号の説明】
1…ドアガード、2…ドア枠、3…受け部材、4…ドア、5…掛合装置、6…固定座、7…受杆、7a…係合頭部、10…座板、11…対向支持部、12…垂直軸、13…係合アーム、14…支持バネ、15…間隙、17…被係合部、22…係合部、23…小突起。

Claims (1)

  1. ドア側の座板10に突設された上下の対向支持部11に係合アーム13の横U字状掛合部20に連設すると共に外方向に広がる上下の外拡基端部21を枢着し、前記一つの対向支持部11と一つの外拡基端部21との間に設定した間隙15に位置するように支持バネ14を装着し、この支持バネは、その一端部が前記外拡基端部21に支持されていると共に他端部は前記座板10に圧接し、かつ前記係合アームを交差する二方向にそれぞれ付勢するストッパー的バネ機能と作動的バネ機能とを有し、係合アームは、ドアガード不使用時に、該支持バネのストッパー的バネ機能により、係合アームの外拡基端部に形成した係合部22が対向支持部の被係合部17に係合し、一方、ドアガード使用時に、手動で前記係合部を対向支持部の被係合部から離すと、支持バネの作動的バネ機能により、係合アームは、外拡基端部の挿入空間部に戸枠側の受杆7が入り込む所まで自動的に回転することを特徴とするドアガードの掛合装置。
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