JP3558749B2 - 通信カラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話回線などを利用して演奏データを受信し、その演奏データを電子楽器に与えて伴奏音などを鳴らす、いわゆる通信カラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近普及し始めた通信式カラオケ装置においては、オーディオ信号を録音したものでなく電子楽器を演奏させるMIDI用の演奏データを受信して伴奏演奏を行うようになっている。このため従来のオーディオ信号式が有していた転調の際にテンポまで変ってしまうなどの不具合が解消されている。また演奏データのメッセージチャンネルを利用してリバーブ、ディレイ、コーラス、ディストーション、イコライズなどのエフェクタの制御パラメータを伝送できるので、演奏する楽曲に合せてこれらの音響効果のパラメータを予め作成し演奏データに挿入しておけば、曲ごとに或いは曲の進行に合せて表現が豊かで臨場感の有る伴奏演奏が可能となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなカラオケ装置の使い方は、伴奏演奏で歌を歌うことのみであり、歌唱者以外の人が一緒に参加する方法は、タンバリンなどのパーカッションがあればそれを曲に合せて叩く程度である。またピアノ、ギター、エレクトーンなどのポピュラーな楽器でカラオケ装置の伴奏演奏と競演することも考えられるが、これらの楽器と類似の音色が設定されているカラオケ伴奏のメロディー、コード、リズムなどのパートが競合することが多く、カラオケ伴奏音とのアンサンブル演奏が困難であった。
【0004】
本発明はこの問題にかんがみ、歌唱者以外の人でも積極的に参加することができ、しかもカラオケの伴奏演奏と簡単に融合できるパーフォーマンスができるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信カラオケ装置は、演奏情報処理手段と、音源と、エフェクタ手段と、混合手段とを備え、通信回線を介して受信した伝送音楽データを再生する通信カラオケ装置であって、伝送音楽データは、複数チャンネルで構成されると共に、チャンネル毎に、音源制御パラメータ、演奏データ、及びエフェクトパラメータを含み、演奏情報処理手段は、再生する伝送音楽データの音源制御パラメータと演奏データとを音源に、エフェクトパラメータを音源とエフェクタ手段に供給し、エフェクタ手段は、外部からの演奏入力音に対して供給されるエフェクトパラメータに基づく音響効果を付加して効果演奏音を出力し、音源は、演奏情報処理手段から供給される音源制御パラメータ、演奏データ、及びエフェクトパラメータに基づいて伴奏演奏音を出力し、混合手段は、効果演奏音と伴奏演奏音とを混合して出力するものであって、演奏情報処理手段は、更に、指定されたチャンネルの演奏データを音源へ供給することを禁止させると共に、指定されたチャンネルのエフェクトパラメータをエフェクタ手段に供給させるようにしたことを特徴とする。
【0011】
【作用】
複数のチャンネルからなる伝送音楽データの所望のチャンネルを抑止し、抑止したチャンネルに代るリアルタイム演奏音を伴奏演奏音に追加する。このとき、抑止チャンネルの演奏データについては抑止するが、音源制御パラメータ(又は音響効果を付加するためのエフェクトパラメータ)の供給に関しては抑止しない。このような構成により、カラオケ伴奏のメロディー、コード、リズムなどのパートが競合しないようにチャンネルを選択してカラオケ伴奏音とのアンサンブル演奏が可能となる。また、参加者の演奏とカラオケの伴奏演奏とで音色や音響効果に関し違和感が生じることがなく、両者を融合させたアンサンブル演奏が可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施例の通信カラオケ装置の要部構成を示し、図2に全体構成、図3に詳細構成を示す。
【0013】
図1において、電話回線、ISDN回線などを通じて伝送された音楽データは、一旦音楽データメモリに記憶された後、再生時に受信データとして演奏情報処理装置1に供給される。音楽データは、送信側で例えばMIDIフォーマットで予め作成されたもので、伴奏演奏の複数の楽器に対応した複数のチャンネルの夫々に音源制御パラメータ及び演奏データを含み、さらに特定のチャンネルメッセージに若しくはチャンネル番号のないシステムメッセージに、最終的に合成された伴奏演奏信号にリバーブやエコーをかけるエフェクタの制御パラメータを含む。
【0014】
演奏情報処理装置1に供給された音楽データの中の伴奏演奏用の音源制御パラメータ、演奏データ、伴奏用エフェクトパラメータは、演奏データ読取り部1a、パラメータデータ読取り部1bで解読され、音源回路2の制御パラメータデータ、演奏データ、エフェクトデータにフォーマット変換され、音源回路2に送出される。なおデータ変換部1cは、後述のようにMIDI楽器を使用してカラオケの伴奏演奏とアンサンブル演奏を行う時に作動する。
【0015】
音源回路2は、楽音合成器(トーンジェネレータ)とも称され、ディジタル制御発振器DCO2a、ディジタル制御フィルタDCF2b、ディジタル制御アンプDCA2cなどを含む。音源回路2は高速ディジタル信号処理による複数の同時発音チャンネル(ボイス数)を有し、音源制御パラメータによりチャンネルごとに音色などのパラメータがセットされ、演奏データにより音高、音強、エンベロープなどの発音制御が行われる。
【0016】
また音源回路2は、エフェクタ2dを有し、チャンネル合成された伴奏演奏のディジタル音響信号に対し、伝送されたエフェクトパラメータに基づいて音量の時間変化、音質の時間変化、リバーブ、ディレイ、ディストーション、コーラス、イコライズの効果が付加され、最後にステレオ音響信号として出力される。なおエフェクタ2dは、チャンネルごと、即ち伴奏演奏のパートごとに伝送されたエフェクトパラメータにより、チャンネルごとにエフェクトをかける構成であってもよい。この場合には、エフェクトをかけた後のチャンネルごとのディジタル音響信号をチャンネル合成して2チャンネルのステレオ出力とする。
【0017】
演奏情報処理装置1及び音源回路2は、コントローラ3(CPU)により制御される。実際は、演奏情報処理装置1のデータ処理機能及び音源回路2の制御機能は、コントローラ3(CPU)と図外のプログラムROMからなるマイクロコンピュータで実行される。
【0018】
演奏参加者が、図1の通信カラオケ装置を使用してその楽曲の一部の演奏パートを自分が演奏する場合には、先ず操作パネル(図示せず)のチャンネル選択釦を操作して、演奏したいチャンネルを選択する。この場合、パネルの表示部に受信した伴奏演奏データのチャンネル内容(ピアノ伴奏、ギター伴奏、パーカッション………………)などのリストがチャンネル番号と共に表示される。
【0019】
チャンネル選択情報は、コントローラ3で読取られ、そのチャンネルの演奏データを音源回路2に送らないような指示がコントローラ3から演奏情報処理装置1に与えられる。例えば、選択されたチャンネル番号を有するノートオン、ノートオフの演奏データが、データ抑止部1d(データ変換部1c)で発音情報としては無効のデータに書換えられる。これによって演奏参加者の演奏音と受信した伴奏演奏の該当チャンネルの伴奏音とが競合しないようになる。なおデータ抑止部1dは単に選択番号のチャンネルの演奏データを音源回路2に送出しないものであってもよい。
【0020】
演奏参加者は、次に自分の演奏手段をパネルの選択釦で選択する。演奏手段として、MIDI演奏データを送信することができる鍵盤楽器などのMIDI仕様楽器か、エレクトリックギター、エレクトリックベース、ミュート機能のあるアコースティックピアノなどの電気オーディオ信号を送信することができる自然楽器を選択することができる。
【0021】
MIDIキーボードのようなMIDI仕様楽器を選択した場合には、選択楽器情報がコントローラ3で読取られ、MIDI入力を選択するように入力選択スイッチ4に制御信号が送られる。選択されたMIDI入力はMIDIインターフェイス5を介して演奏情報処理装置1に供給され、MIDI演奏データ(音程番号、押鍵ベロシティー情報などを含むノートオン、ノートオフのデータ)が既述の選択チャンネルの演奏データとなるように変換される。即ち、データ変換部1cにおいて、選択チャンネル番号が付されたノートオン、ノートオフなどのチャンネルメッセージに変換され、受信した伴奏演奏データ中に挿入され、音源回路2に送られる。
【0022】
この際、選択チャンネルの音源制御パラメータは、電話回線で受信した伴奏演奏用の対応チャンネルの伝送パラメータデータがそのままパラメータ読取り部1bから音源回路2にセットされる。従って、演奏参加者が伴奏演奏のチャンネルのうち例えばピアノ伴奏パートを選択した場合、演奏参加者によるMIDIキーボードの演奏はピアノの音色となり、伝送された本来のピアノの伴奏演奏音の代りに発音されることになる。また選択チャンネルの伝送制御パラメータが、曲中にコントロールチェンジにより変更されていると、その変更は演奏参加者の伴奏演奏に反映される。
【0023】
なおチャンネルごとにエフェクトパラメータが伝送されている場合には、この伝送エフェクトパラメータが音源回路2にセットされるので、演奏参加者のピアノの伴奏演奏に伝送された該当チャンネルのエフェクトパラメータによる効果音が付加される。またチャンネル番号を持たないエフェクトパラメータが伝送されている場合には、演奏参加者のパートと他の伝送された伴奏演奏パートに同じ効果音が付加される。
【0024】
演奏参加者がエレクトリックギターなどの自然楽器を選択した場合には、入力選択スイッチ4で自然楽器入力が選択され、A/D変換器6でディジタル信号に変換されてからエフェクタ7に供給される。エフェクタ7は、音源回路2のエフェクタと同様にリバーブ、ディレイ、コーラス、イコライズ、ディストーションなどの複数のエフェクト処理が同時にできるタイプである。このエフェクタ7には、演奏参加者が選択したチャンネルの伝送されたエフェクトパラメータ、若しくは伝送された全チャンネル共通のエフェクトパラメータが演奏情報処理装置1から送られセットされる。従って、演奏参加者のギター演奏に伝送エフェクトパラメータによる音響効果が付加される。
【0025】
エフェクタ7の出力はミキサー8に供給され、音源回路2からのL、Rのステレオ伴奏演奏信号と混合される。音源回路2からミキサー8に供給される伴奏演奏信号中には、既述のように演奏参加者が選択したパート、例えば伝送された伴奏演奏データのギターチャンネルのデータが演奏情報処理装置1から出力されないように抑止されているから、ミキサー8において演奏参加者によるエレクトリックギターの伴奏音と受信伴奏演奏の該当ギターパートとが競合することはない。ミキサー8の出力はD/A変換器9でアナログ音響信号に変換され、外部のアンプ、スピーカに導出される。
【0026】
図2の全体図に示すように、実施例の通信カラオケ装置は、送信側が音楽データ転送装置10からなり、受信側が図1の演奏情報処理装置1及び音源回路2(楽音合成装置)、エフェクタ2d、7を含む処理装置14を備える。処理装置14は、電話回線11、回線接続装置12、端末制御部13を介して送信側と接続されていて、電話15、テレビモニタ16及びスピーカ17が各部に接続されている。リモコン式のリクエスト装置18による選曲で送信要求が送信側からなされると、楽音データ転送装置10から指定された既述の音楽データと共に、伴奏演奏と同期してモニタ16に表示される歌詞データ、曲番号、曲名、バックグラウンド画像などを含む画像データが送信される。
【0027】
図3に示すように、送信側の楽音データ転送装置10は、音楽データメモリ10a、画像データメモリ10b、マイクロプロセッサ10c、ROM10d、RAM10e、バス10f、モデムインターフェイス10g、回線接続装置10hからなる。
【0028】
端末制御部13は、回線接続装置12、モデムインターフェイス13a、バス13b、マイクロプロセッサ13c、ROM13d、RAM13e、表示制御部13f、画像メモリ13g、表示信号合成装置13h、リモコンインターフェイス13i、同期信号・各種クロック発生回路13j、パネルインターフェイス13k、パネルスイッチ13lを備える。
【0029】
処理装置14は、図1の演奏情報処理装置1に相当するシーケンサ(マイクロプロセッサ1r、ROM1s、RAM1t、音楽データメモリ1u、バス1w、MIDIインターフェイス5)からなり、伝送された楽音データは音楽データインターフェイス14aを通じてシーケンサ内の楽音データメモリ1uに一旦記憶されてから、シーケンサの時間軸管理により各チャンネルがパラレルに再生される。シーケンサ1のバス1wには、図1にも示した音源回路2、エフェクタ7が接続され、シーケンサから演奏データ、音源制御パラメータ、エフェクトパラメータが供給される。
【0030】
伴奏参加者のギターなどによるリアルタイムの演奏音響信号は、A/D変換器6、エフェクタ7、ミキサー8、D/A変換器9、スピーカ17の経路で音響出力となる。またMIDI楽器によるリアルタイムの演奏出力信号は、楽器内のMIDI送信装置19からシーケンサ内のMIDIインターフェイス5を通じて取り込まれ、シーケンサで既述のように所望のチャンネルとして処理されてから音源回路2に導出され、更にミキサー8、D/A変換器9、スピーカ17で再生される。
【0031】
図4は、本発明の通信カラオケ装置の別の実施例を示す図1と同様な要部構成図であって、この例では、音源回路2の出力の伴奏音響信号とA/D変換器6の出力の自然楽器の演奏音響信号がミキサー8で合成されてから、共通のエフェクタ7でリバーブ、エコーなどの音響効果が付加されるようになされている。従ってこの例では、音楽データと共に伝送された各チャンネルに共通のエフェクトパラメータに従って自然楽器の演奏音響信号と伴奏音響信号に同じリバーブ、エコーなどの音響効果が付加される。なお演奏参加が選択したチャンネル番号の受信演奏データは演奏情報処理装置1で抑止され、音源回路2には送出されない。またMIDIデータ送信楽器を選択した場合には、選択チャンネルの演奏データが抑止されると共に、MIDI送信楽器からの演奏データに選択チャンネルの番号が付加されて、音源回路2に導出される。音源回路2で合成された各チャンネルの音響信号はエフェクタ7で伝送エフェクトパラメータに従って送信側でプログラムされたとおりに音響効果が付加される。
【0032】
【発明の効果】
例えば、抑止したチャンネルに代るリアルタイム演奏音を伴奏演奏音に追加する楽器として自然楽器を利用する等して、その演奏音声信号に音響効果を付加するエフェクタ手段を設け、選択したチャンネルの演奏データを抑止すると共に、エフェクトパラメータを抑止することなくエフェクタ手段に供給するように構成したので、参加者の演奏とカラオケの伴奏演奏とで音響効果に関し違和感が生じることがなく、両者を融合させたアンサンブル演奏が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の通信カラオケ装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の通信カラオケ装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例の通信カラオケ装置の全体の詳細構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の別の実施例の通信カラオケ装置の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 演奏情報処理装置
2 音源回路
3 A/D変換器
4 入力選択スイッチ
5 MIDIインターフェイス
6 D/A変換器
10 音楽データ転送装置
11 電話回線
12 回線接続装置
13 端末制御部
14 処理装置
15 電話
16 テレビモニタ
17 スピーカ
18 リクエスト装置
19 MIDI送信装置
Claims (1)
- 演奏情報処理手段と、音源と、エフェクタ手段と、混合手段とを備え、通信回線を介して受信した伝送音楽データを再生する通信カラオケ装置であって、
伝送音楽データは、複数チャンネルで構成されると共に、チャンネル毎に、音源制御パラメータ、演奏データ、及びエフェクトパラメータを含み、
演奏情報処理手段は、再生する伝送音楽データの音源制御パラメータと演奏データとを音源に、エフェクトパラメータを音源とエフェクタ手段に供給し、
エフェクタ手段は、外部からの演奏入力音に対して供給されるエフェクトパラメータに基づく音響効果を付加して効果演奏音を出力し、
音源は、演奏情報処理手段から供給される音源制御パラメータ、演奏データ、及びエフェクトパラメータに基づいて伴奏演奏音を出力し、
混合手段は、効果演奏音と伴奏演奏音とを混合して出力するものであって、
演奏情報処理手段は、更に、指定されたチャンネルの演奏データを音源へ供給することを禁止させると共に、指定されたチャンネルのエフェクトパラメータをエフェクタ手段に供給させるようにしたことを特徴とする通信カラオケ装置。
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