JP3558411B2 - 半導体集積回路装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体集積回路装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路装置を使用した電子機器は、軽量小型化されてきている。それにともない、半導体集積回路装置の実装は薄型パッケージから複数のチップを実装するMCM(Multi Chip Module )が開発されてきている。MCMにより高密度実装が実現できる。MCMには、複数のメモリーチップを使用した大容量メモリーモジュールや、メモリーチップとマイコンチップとを使用した複合モジュールがある。これらは、大容量モジュールや、高速モジュールをより安価に市場に提供するものである。
【0003】
しかし、メモリーチップやマイコンチップは、バーンイン・スクリーニングをした高信頼性のチップKGD(Known Good Die)でないとMCMのチップ実装後の歩留まりが悪化する。なぜなら、チップ単体のバーンイン歩留まりが95%であると仮定したとき、バーンインをせずに4個のチップを実装した場合、MCMの実装後のバーンイン歩留まりは81%になる。また、バーンインをせずに8個のチップを実装した場合にはそのMCMのバーンイン歩留まりは66%まで悪化する。また、メモリーチップとマイコンチップとを実装した複合モジュールでは、メモリーのアドレス指定ができない場合にはMCM実装後のバーンイン・スクリーニングが困難であり、MCMの信頼性が悪くなる。
【0004】
そのため、チップレベルでのバーンイン・スクリーニングが必要になる。その一つの方法に、ウェハ状態でバーンインするウェハ・バーンインがある。
【0005】
図10は、従来の半導体集積回路装置の製造方法を示すフロー図である。図10によれば、拡散工程終了後、そのままウェハ・バーンインを実施し、次いでMCM工程で良品チップが実装される。
【0006】
図11は、図10中のウェハ・バーンイン工程の様子を示す概略側面図である。半導体ウェハ1にプローブカード2を圧着することにより、半導体集積回路装置チップの電極(図示せず)にプローブ(図示せず)を立てる。電圧・信号源3とプローブカード2とをケーブル4で接続してある。ウェハ・バーンインは、ウェハ全面のチップ(図示せず)に所定の電圧・信号を電圧・信号源3で印加して、一定時間スクリーニングするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ウェハの中には、電源回路とGND(グラウンド)回路とが短絡して過大な電源電流が流れる不良チップや、信号端子に過大な電流が流れる不良チップがある。このままウェハ・バーンインを実施した場合、電圧・信号源3やプローブカード2を破損する可能性や、スクリーニングのための所望の電圧・信号が印加できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するもので、製品の信頼性を高め、製造歩留まりの低下を防ぐ半導体集積回路装置の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、半導体ウェハの上の不良チップのウェハ内座標を求める工程と、該不良チップのウェハ内座標をもとにして、前記不良チップのパッド電極の配線を切断加工する工程と、該切断加工が施された半導体ウェハの全チップのパッド電極にプローブを立てて、ウェハ全面のチップに電圧印加をすることによりウェハ・バーンインを行なう工程とを備えた構成を採用したものである。
【0010】
前記切断加工工程は、不良チップのパッド電極の配線を保護膜の上からパルスレーザー光を連続照射して切断加工する工程、不良チップのパッド電極の配線を保護膜の被っていない金属電極の周囲4辺にパルスレーザー光を連続照射して切断加工する工程、あるいは不良チップのパッド電極の配線を保護膜の被っていない金属電極の全域にパルスレーザー光を連続照射して切断加工する工程で実現される。切断加工工程に使用するパルスレーザー光としては、YAG(イットリウム−アルミニウム−ガーネット)レーザー光、あるいはYLF(イットリウム−リチウム−フロライド)レーザー光が好適である。
【0011】
【作用】
本発明によれば、ウェハ・バーンイン工程の前に、不良チップのパッド電極の配線に切断加工が施される。したがって、ウェハ・バーンイン工程で半導体ウェハの全チップにプローブを立てても、電源電流が過大に流れることや、信号端子に過大な電流が流れることがない。
【0012】
【実施例】
図1は、本発明の実施例に係る半導体集積回路装置の製造方法を示す製造フロー図である。まず、拡散工程終了後、第1のウェハ検査工程で電源電流が過大に流れる不良チップや、信号端子に過大な電流が流れる不良チップを検出し、ウェハ上の不良チップの座標データを求める。次に、その座標データをもとに、不良チップのパッド電極を切断する。その後、ウェハ・バーンイン工程でウェハのバーンイン・スクリーニングを行なう。その後、第2のウェハ検査を実施してバーンイン不良等、不良チップを除去する。この場合、不良チップにインク打点してもよいし、引っかき傷を付けてもよい。また、不良チップのウェハ面内の座標をデータとして次の工程に引き渡してもよい。次に、MCM工程で良品チップをモジュールに組み立てる。
【0013】
図2は図1中のパッド電極切断工程の直前におけるウェハの平面図であり、図3は図2のX3 −X’3 での断面図である。ただし、図2は図3中のパッシベーション保護膜8を除去した状態を示している。図2及び図3に示すように、半導体ウェハ5の上の不良チップの配線6の端部は、良品チップと同様に、電源・信号供給のできるパッド電極7としてパッシベーション保護膜8を開口してできている。
【0014】
図2及び図3の状態から、パッド電極7を含む配線6を切断加工することにより、ウェハ・バーンインで使用する図11のプローブカード2のプローブと不良チップとの電気的な接触が断たれる。以下、切断態様の三例を説明する。
【0015】
(第1の切断態様)
図4は第1の切断態様を示すウェハの平面図であり、図5は図4のX5 −X’5 での断面図である。ただし、図4は図5中のパッシベーション保護膜8を除去した状態を示している。
【0016】
図4及び図5の例では、パッシベーション保護膜8の上からレーザー光を照射部9に照射して配線6を切断する。例えば、安定なレーザーエネルギーの出るYAG(イットリウム−アルミニウム−ガーネット)やYLF(イットリウム−リチウム−フロライド)のレーザーを5μmのスポットサイズに形成して、3μJのエネルギーのパルスレーザーを4μmずつずらせながら連続して照射することで、配線6の切断を実現できる。レーザーエネルギーの安定性が少し劣るが、CO2 ガスレーザー、キセノンガスレーザー等を同様に連続照射して配線6を切断してもよい。
【0017】
(第2の切断態様)
図6は第2の切断態様を示すウェハの平面図であり、図7は図6のX7 −X’7 での断面図である。ただし、図6は図7中のパッシベーション保護膜8を除去した状態を示している。
【0018】
図6及び図7の例では、パッシベーション保護膜8で覆われていないパッド電極7の周囲4辺の照射部10にレーザー光を照射してパッド電極7を切断する。例えば、YAGやYLFのレーザーを5μmのスポットサイズに形成して、2μJのエネルギーのパルスレーザーを4μmずつずらせながら連続して照射することで、パッド電極7の周囲4辺の切断を実現できる。照射部10はパッシベーション保護膜8で覆われていないため、パルスレーザー光の照射時に金属配線が遠くに飛散する結果、切断はほぼ100%完全にすることができる。レーザーエネルギーの安定性が少し劣るが、CO2 ガスレーザー、キセノンガスレーザー等を同様に連続照射してパッド電極7の周囲4辺を切断してもよい。
【0019】
(第3の切断態様)
図8は第3の切断態様を示すウェハの平面図であり、図9は図8のX9 −X’9 での断面図である。ただし、図8は図9中のパッシベーション保護膜8を除去した状態を示している。
【0020】
図8及び図9の例では、パッシベーション保護膜8で覆われていないパッド電極7の全域を照射部11としてレーザー光を照射してパッド電極7を全て除去する。例えば、YAGやYLFのレーザーを5μmのスポットサイズに形成して、2μJのエネルギーのパルスレーザーを4μmずつずらせながら連続して照射することで、パッド電極7の全域除去を実現できる。照射部11はパッシベーション保護膜8で覆われていないパッド電極7の全域のため、レーザー照射は少し時間はかかるが、ウェハ・バーンイン後に、図11のプローブカード2のプローブの先端に金属電極が付着することがない。レーザーエネルギーの安定性が少し劣るが、CO2 ガスレーザー、キセノンガスレーザー等を同様に連続照射してパッド電極7の全域を除去してもよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、ウェハ・バーンイン工程の前に不良チップのパッド電極の配線に切断加工を施すこととしたので、不良チップがバーンイン・スクリーニングの対象から除外される。したがって、ウェハ・バーンイン装置や、プローブカードを破損することなく良品チップに電圧印加をすることが可能になる。その結果、高信頼性の半導体集積回路装置を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る半導体集積回路装置の製造方法を説明するための製造フロー図である。
【図2】図1中のパッド電極切断工程の直前におけるウェハの平面図である。
【図3】図2のX3 −X’3 での断面図である。
【図4】図1中のパッド電極切断工程における第1の切断態様を示すウェハの平面図である。
【図5】図4のX5 −X’5 での断面図である。
【図6】図1中のパッド電極切断工程における第2の切断態様を示すウェハの平面図である。
【図7】図6のX7 −X’7 での断面図である。
【図8】図1中のパッド電極切断工程における第3の切断態様を示すウェハの平面図である。
【図9】図8のX9 −X’9 での断面図である。
【図10】従来の半導体集積回路装置の製造方法を説明するための製造フロー図である。
【図11】図10中のウェハ・バーンイン工程の様子を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 半導体ウェハ
2 プローブカード
3 電圧・信号源
4 ケーブル
5 半導体ウェハ
6 配線
7 パッド電極
8 パッシベーション保護膜
9〜11 レーザー光照射部
Claims (5)
- 半導体ウェハの上の不良チップのウェハ内座標を求める工程と、
前記不良チップのウェハ内座標をもとにして、前記不良チップのパッド電極の金属配線を切断加工する工程と、
前記切断加工が施された半導体ウェハの全チップのパッド電極にプローブを立てて、ウェハ全面のチップに電圧印加をすることによりウェハ・バーンインを行なう工程とを備え、
前記切断加工工程は、前記不良チップのパッド電極の金属配線を、保護膜の上からパルスレーザー光を連続照射して切断加工する工程を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。 - 半導体ウェハの上の不良チップのウェハ内座標を求める工程と、
前記不良チップのウェハ内座標をもとにして、前記不良チップのパッド電極の配線を切断加工する工程と、
前記切断加工が施された半導体ウェハの全チップのパッド電極にプローブを立てて、ウェハ全面のチップに電圧印加をすることによりウェハ・バーンインを行なう工程とを備え、
前記切断加工工程は、前記不良チップのパッド電極の配線を、保護膜の被っていない金属電極の周囲4辺にパルスレーザー光を連続照射して切断加工する工程を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。 - 半導体ウェハの上の不良チップのウェハ内座標を求める工程と、
前記不良チップのウェハ内座標をもとにして、前記不良チップのパッド電極の配線を切断加工する工程と、
前記切断加工が施された半導体ウェハの全チップのパッド電極にプローブを立てて、ウェハ全面のチップに電圧印加をすることによりウェハ・バーンインを行なう工程とを備え、
前記切断加工工程は、前記不良チップのパッド電極の配線を、保護膜の被っていない金属電極の全域にパルスレーザー光を連続照射して切断加工する工程を有することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。 - 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
前記切断加工工程に使用するパルスレーザー光がYAG(イットリウム−アルミニウム−ガーネット)レーザー光であることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。 - 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、
前記切断加工工程に使用するパルスレーザー光がYLF(イットリウム−リチウム−フロライド)レーザー光であることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
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JP12634395A JP3558411B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 半導体集積回路装置の製造方法 |
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JP12634395A JP3558411B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 半導体集積回路装置の製造方法 |
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JPH08321531A JPH08321531A (ja) | 1996-12-03 |
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JP12634395A Expired - Fee Related JP3558411B2 (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 半導体集積回路装置の製造方法 |
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1995
- 1995-05-25 JP JP12634395A patent/JP3558411B2/ja not_active Expired - Fee Related
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