JP3557722B2 - 走査速度変調回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、テレビジョン受信機やモニターテレビ等において、表示画面の輪郭部を強調して表示するための電子ビームの走査速度変調回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の走査速度変調回路の構成を図について説明する。
図11において、1は入力された輝度信号(A)を微分する微分回路、2は微分回路1の出力信号(B)を増幅する増幅回路、3は増幅回路2の出力電圧(c)により電子ビームの走査速度を変調する速度変調コイルである。
【0003】
次に動作について説明する。図12の(a)に示すような輝度信号(A)が微分回路1に入力すると、図12(b)に示すような1次微分信号(B)が出力される。この1次微分信号(b)は増幅回路2で増幅されて速度変調コイル3に供給される。
この速度変調コイル3はCRTのネック部分の所定の位置(図示せず)に配置され、速度変調コイル3を流れる電流によって電子ビームの走査速度を変調するものであり、例えば、通常の走査速度に対して映像信号の輝度が急激に変化するエッジ部分において走査速度を速くしたり、遅くしたりすることによって、より急峻に輝度を変化させる。
【0004】
図12(c)は速度変調コイル3にかかる電圧波形であり、図12(b)に示した1次微分信号(B)は速度変調コイル3のインダクタンスによりさらに微分されて2次微分波形(C)となる。
速度変調コイル3を流れる速度変調電流は図12(d)のようになり、この速度変調電流が立ち上がるときに発生する磁界によって電子ビームの走査速度が通常より速く変調されることによってCRT管面の画面上の輝度は電子ビームが速く通り過ぎてしまうので、その分通常より黒く感じる。
なお、速度変調コイルの接続方法によって異なるが、この例では速度変調電流の立ち上がりでビームを早くするものとして説明する。
また、速度変調電流が立ち下がるときに発生する磁界によって電子ビームの走査速度が通常より遅く変調されることによって画面上の輝度は電子ビームがゆっくり走査されるので、その分通常より白く感じる。結果として、画面上の輝度は図12(e)に示すようになる。なお、図12(e)の図ではCRTのガンマ係数は1としている。
【0005】
図12(e)において、細線で示した37は走査速度変調をかけない場合の画面上の輝度変化を表したものであり、太線で示した38は走査速度変調をかけた場合の画面上の輝度変化を表したものである。
また、横軸は画面の水平方向の距離を示している。
図12(f)は走査速度を示すものであり、上になるほど速くなり下になるほど遅くなる。(f)も横軸は画面の水平方向距離を示す。
図12(e)の38において、輝度が黒から白に変化する始まり部分で走査速度が速くなることによって、輝度が低下して水平距離が伸長され終端部分で走査速度が遅くなることによって輝度が高くなり、水平距離が圧縮される。
また、輝度が白から黒に変化する始まり部分で走査速度が遅くなることによって、輝度が高くなり、水平距離が圧縮され終端部分で走査速度が速くなることによって輝度が低下し、水平距離が伸長され結果として、黒から白、白から黒の輝度の変化が急峻になり、画像のエッジの切れがよくなり、見かけ上フォーカス感を良くしたような効果がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図11に示したような従来の走査速度変調回路においては、第1の課題として、図12に示すように微分回路1の出力である1次微分信号(B)は、入力輝度信号(A)の立ち上がり時間42に対応して発生するパルスのパルス幅41、あるいは入力輝度信号(A)の立ち下がり時間42’に対応して発生するパルスのパルス幅41’はいずれも入力輝度信号(A)の立ち上がり時間42あるいは立ち下がり時間42’よりも必ず長くなってしまうので、立ち上がりあるいは立ち下がり時間でない白部分、すなわち図12(a)の80、81付近でさらに輝度が高くなり、図12(e)の39、39’に示すように強裂なオーバーシュートやプリシュートがついてしまうという欠点があった。
また、同様に輝度信号(A)の立ち上がり及び立ち下がりでない図12(a)に示した暗部82、83においては、さらに輝度が低下して黒い隈が図12(e)の40の様についてしまう上、白部分の幅((e)の43)が走査速度変調をかけない場合の白部分の幅79よりも狭くなり、黒部分が異様に太くなってしまうという欠点もあった。
【0007】
これらの欠点によって画像の品値が低下したり、強裂なシュートによって、輝度信号の立ち上がり及び立ち下がりでない部分にシュートが発生するため、その部分に綿密な画像成分があった場合に、それをつぶしてしまうなどの弊害があった。
また輝度信号の立ち上がり及び立ち下がりでない部分においてある程度の時間、速度変調が効いてしまうことによってエッジ改善効果が低減してしまう。
つまり、速度変調効果の全てが本来の目的であるエッジ改善効果(エッジを急峻にする効果)に寄与されるのではなく、余分なシュートや隈を発生させるという弊害に費やされてしまい、その分本来の目的のエッジ改善効果が低減してしまう。
第2の課題として速度変調効果を大きくすると,微小な信号変化、例えばリンギングやノイズ分が増幅されてしまうので、リンギングが増大し易く、また微小信号である顔などのちょっとした影の境界で効いてしまいかえって不自然になる等の弊害があった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、画像の輝度が急激に変化するエッジ部分の周辺に強裂なシュートを発生させることなく、また黒い隈の発生により画質変化させることなく、白部分の幅を狭くしたり、あるいは黒部分の幅を太くしたりすることなく、エッジを急峻にする長所だけを備えた走査速度変調回路を提供することを第1の目的とする。
またリンギングが少なくなり、さらに輝度の変化が小さい顔の影などのちょっとした影ではあまり効かず、効くべきところの効果を大きくできることを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1の走査速度変調回路は、映像輪郭部の走査速度を変調する手段として走査速度変調コイルを用いることにより輪郭強調を行う走査速度変調回路において、入力された映像信号の輝度変化を検出し、輝度変化部分に対応するパルス信号を出力するエッジ検出手段と、エッジ検出手段から入力されたパルス信号の時間幅を所定量に短縮し、時間幅の補正された補正パルス信号を出力する時間幅短縮手段と、時間幅短縮手段から入力された補正パルス信号を増幅し、その出力を走査速度変調コイルに入力する増幅手段とを備え、時間幅短縮手段が、エッジ検出手段から入力されたパルス信号を所定時間遅延させ遅延パルス信号を出力する遅延回路と、エッジ検出手段からのパルス信号と遅延回路からの遅延パルス信号との各時間における最大値電圧を検出する最大値検出回路と、最大値検出回路の出力信号の正成分を除去する正成分除去回路と、上記エッジ検出手段からのパルス信号と遅延回路からの遅延パルス信号との各時間における最小値電圧を検出する最小値検出回路と、最小値検出回路の出力信号の負成分を除去する負成分除去回路と、正成分除去回路および負成分除去回路の出力信号を合成して補正パルス信号を出力する加算回路とから構成したものである。
【0011】
この発明の請求項2の走査速度変調回路の時間幅短縮手段は、映像輪郭部の走査速度を変調する手段として走査速度変調コイルを用いることにより輪郭強調を行う走査速度変調回路において、入力された映像信号の輝度変化を検出し、輝度変化部分に対応するパルス信号を出力するエッジ検出手段と、上記エッジ検出手段から入力された上記パルス信号の時間幅を所定量に短縮し、時間幅の補正された補正パルス信号を出力する時間幅短縮手段と、上記時間幅短縮手段から入力された上記補正パルス信号を増幅し、その出力を上記走査速度変調コイルに入力する増幅手段とを備え、上記時間幅短縮手段が、エッジ検出手段から入力されたパルス信号の正成分を除去する正成分除去回路と、エッジ検出手段から入力されたパルス信号の負成分を除去する負成分除去回路と、上記正成分除去回路の出力信号を所定時間遅延する第1の遅延回路と、上記負成分除去回路の出力信号を所定時間遅延する第2の遅延回路と、上記正成分除去回路の出力信号と上記第1の遅延回路からの出力信号との各時間における最大値電圧を検出する最大値検出回路と、上記負成分除去回路の出力信号と上記第2の遅延回路からの出力信号との各時間における最小値電圧を検出する最小値検出回路と、上記最大値検出回路および上記最小値検出回路の出力信号を合成して補正パルス信号を出力する加算回路とから構成されたものである。
【0012】
この発明の請求項3の走査速度変調回路は、エッジ検出手段として微分回路を用いたものである。
【0013】
この発明の請求項4の走査速度変調回路のエッジ検出手段は、入力された輝度信号を所定時間遅延させる遅延回路と、遅延回路により遅延されて遅延輝度信号と元の入力輝度信号との差を演算してエッジ検出信号として出力する減算回路とを備えたものである。
【0014】
この発明の請求項5の走査速度変調回路の時間幅短縮手段を構成する正成分除去回路は所定レベル内の負成分も除去し、また、負成分除去回路は所定レベル内の正成分も除去するようにしたものである。
【0015】
【作用】
この発明の請求項1乃至4においては、時間幅短縮手段を用いることにより、輝度信号のエッジ検出信号のパルス幅を短縮してパルスの時間幅が輝度信号の立ち上がり及び立ち下がり時間を越える時間長を最小限に抑えるようにしたので、輝度信号の立ち上がりや立ち下がり部分でなく、その周辺の平坦な部分に走査速度変調がかかることによって発生する強烈なシュートや黒い隈、および白い部分が水平方向に狭くなり黒い部分か水平方向に太ってしまう現象を軽減できる。さらに速度変調の効果がエッジ部分だけに集約され、エッジを急峻にする。
【0016】
この発明の請求項5においては、正成分除去回路は所定レベル内の負成分も除去し、また、負成分除去回路は所定レベル内の正成分も除去するので、エッジ検出信号のバイアス上下付近の微小な電圧がカッされ、バイアス付近に小振幅で存在するリンギング成分がカットされることになり、リンギング部分に走査速度変調がかかり、リンギングを強調するといった弊害を防止する。すなわち、リンギング部分の走査速度変調効果を軽減する。また、エッジ検出信号の振幅が小さい部分は、エッジが強調されると不自然感を増す場合が多いが、エッジ検出信号のバイアス上下付近の微小電圧をカットすることにより、エッジ検出信号の振幅が小さい場合の振幅をより小さくして、走査速度変調効果を落とすことができる。
【0017】
【実施例】
実施例1.
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図において、同一符号は従来のものと同一または相当のものを表す。
図1はこの発明に係る速度変調回路の一例の概略構成を示す図である。
図において、48は入力される輝度信号(A)の階調変化のエッジ部を検出するエッジ検出回路、47はエッジ検出回路48から入力されるパルスの時間幅を補正する時間幅短縮回路、2は時間幅短縮回路47の出力信号を増幅する増幅回路、3は増幅回路2の出力電圧により電子ビームの走査速度を変調する速度変調回路である。
【0018】
図2は、実施例1の概略構成図である図1の時間幅短縮回路47の具体的な構成の一例を示したものでる。
図2に示すように、時間幅短縮回路47はエッジ検出回路48の出力信号を所定時間遅延する遅延回路4と、エッジ検出回路48の出力信号と遅延回路4の出力信号が同時に入力される最大値検出回路5と、最大値検出回路5の出力信号の正成分を除去する正成分除去回路6と、エッジ検出回路48の出力信号と遅延回路4の出力信号が同時に入力される最小値検出回路と、最小値検出回路の出力信号の負成分を除去する負成分除去回路8と、正成分除去回路6および負成分除去回路8の出力信号を加算し、時間幅短縮回路47の出力信号(H)として出力する加算器9とから構成されている。
なお、46は時間幅短縮回路47における補正波形の合成部分を示している。
【0019】
エッジ検出回路48は、例えば入力された輝度信号(A)を微分することにより輝度信号のエッジ部を検出する微分回路からなっており、その出力である1次微分信号(B)は遅延回路4と最大値検出回路5と最小値検出回路7に入力される。
遅延回路4を通過して所定時間τだけ遅延した遅延1次微分信号(C)は最大値検出回路5と最小値検出回路7に入力される。
最大値検出回路5はエッジ検出回路48から入力された1次微分信号(B)と遅延回路4から入力された遅延微分信号(C)の同一時間における最大値を検出する回路であり、その出力信号(D)は正成分除去回路6に入力される。
【0020】
同様に最小値検出回路7は、入力された1次微分信号(B)と遅延1次微分信号(C)の同一時間における最小値を検出する回路であり、その出力信号(F)は負成分除去回路8に入力される。
9は加算器であり、正成分除去回路6の出力信号(E)と負成分除去回路8の出力信号(G)が入力されて、両信号が加算されて1次微分信号(B)の時間幅が短く補正された補正後エッジ検出信号(H)として出力される。
この補正後エッジ検出信号(H)は、増幅器2に入力され、増幅器2で増幅された補正後エッジ検出信号(H)は速度変調コイル3に供給されて、電子ビームの走査速度が変調される。
【0021】
図3は、図2の各部の信号波形を示したもので、縦軸は電圧、横軸は時間を示している。
図3(a)は入力輝度信号(A)であって、入力輝度信号が台形波である場合の例を示している。
また、図3(b)の実線33はエッジ検出回路48の出力信号(B)の波形を、破線34は遅延回路4の出力信号(C)の波形を示している。
【0022】
図3(c)は最大値検出回路5の出力信号(D)の波形と最小値検出回路7の出力信号(F)の波形を示したものである。
図3(c)において、35は正成分除去回路6における除去基準電圧1であり、正成分除去回路6においては信号(D)の波形に対してこの基準電圧よりも高い電圧は除去されクリップされる。
また、36は負成分除去回路8における除去基準電圧2であり、負成分除去回路8においては信号(F)の波形に対して、この基準電圧よりも低い電圧は除去されクリップされる。
【0023】
また、図3(b)において、51は1次微分信号(B)及び遅延後の1次微分信号(C)におけるバイアス電圧を示し、入力輝度信号(A)の階調変化がなく、1次微分電圧が発生しない部分のグランドに対する電位である。
言い換えると、交流信号である1次微分信号(B)及び、遅延後1次微分信号(C)の無信号レベルである。(B),(C)の信号について、51のバイアス電圧よりも電圧が高い電圧波形部分を正成分、逆に低い電圧波形部分を負成分と言う。他の(D),(F),(E),(G),(H)についても同様に正成分、負成分を定義する。
【0024】
また、図3(b)の41は、エッジ検出回路48の出力信号(B)を示す実線33の波形における正のパルスの時間幅TP を示し、53は実線33の波形における負のパルスの時間幅TM を示し、図3(c)の55は最大値検出された正のパルス時間幅Tp maxを示し、56は同負のパルス時間幅TM minを示す。
さらに、57は最小値検出された正のパルス時間幅Tp minを示し、58は同負のパルスの時間幅TM maxを示す。
60は実線で示す信号(D)の電圧波形の零基準電圧と除去基準電圧との差の微少な電圧差Vαを示す。
【0025】
図2に基づいて、実施例1の動作を説明する。
入力された輝度信号(A)はエッジ検出回路48において微分され、輝度信号の階調が変化する部分に、パルス性の電圧がとり出される。これが(B)の1次微分信号であり、遅延回路4を通過しても特所時間τだけ遅延したものが遅延後1次微分信号(C)として最大値検出回路5及び最小値検出回路7に1次微分信号(B)と共に入力される。
最大値検出回路5においては、(B)の1次微分信号と(C)の遅延後1次微分信号との各時間ごとの最大電圧を検出して、信号(D)を出力し、正成分除去回路6に入力する。正成分除去回路6においては入力された信号(D)の正成分を除去した信号(E)を出力する。
【0026】
一方、1次微分信号(B)と遅延後1次微分信号(C)との各時間ごとに最小値電圧を最小値検出回路7にて検出して、信号(F)を出力し、負成分除去回路8に入力する。負成分除去回路8においては、入力された信号(F)の負成分を除去した信号(G)を出力する。
信号(E)と(G)は加算器9で加算合成されて、時間幅補正後1次微分信号(H)として増幅器2に入力し、増幅器2で増幅された後、速度変調コイル3に供給される。
【0027】
図3(a)に示すような台形波状の輝度信号(A)が微分回路で構成されたエッジ検出回路48に入力されたとすると、エッジ検出回路48から出力される1次微分信号(B)は51の電圧レベルを零基準としたとき、図3(b)の33の実線の波形に示すとおり、入力輝度信号(A)が黒から白に立ち上がる部分で正のパルスが発生し、また、入力輝度信号(A)が白から黒に立ち下がる部分で負のパルスが発生する。
この33の波形が遅延回路4を通過して所定時間τだけ遅延した遅延1次微分信号(C)の波形が34の破線の波形である。
図3(c)の(D)は最大値検出回路5において、33と34の波形の各時間における最大値電圧を検出したものであり、正のパルスは33の正パルスと34の正パルスの論理和となるため、この時間幅55即ちTp maxは、
Tp max=Tp +τ
となって時間幅が拡大する。
【0028】
また負のパルスは33の負のパルスと34の負のパルスの論理積となるため、この時間幅56即ちTM minは、
TM min=TM −τ
となって元の1次微分信号のパルス幅53のTM よりも遅延時間τの分だけパルスの時間幅が短縮される。
そして、正成分除去回路6において(D)の信号波形のうち35の除去基準電圧1(Vα)よりも高い電圧部分がカットされ除去基準電圧1(Vα)にクリップされて(E)の信号波形となる。
【0029】
図3(d)の(E)の信号波形は、(D)の信号波形のうちの時間幅が短縮された負の波形のみとり出して、時間幅が拡大した正のパルスを除去したものとなっている。ここで微小電圧60のVαをカットするのはリンギング除去、ノイズ除去等に有効な為である。
図3(c)の(F)は、最小値検出回路7にて33の信号波形と34の信号波形の各時間における最小値電圧を検出したものであり、正パルスは33の正パルスと34の正パルスの論理積となるため、この時間幅57、即ちTp minは、
Tp min=Tp −τ
となって元の1次微分信号のパルス幅41のTp よりも遅延時間τの分だけパルスの時間幅が短縮される。
【0030】
また負のパルスは33の負のパルスと34の負のパルスの論理和となるため、この時間幅58、即ちTM maxは、
TM max=TM +τ
となって時間幅が拡大する。
次に負成分除去回路8において、図3(c)の(F)の信号波形のうちの36の除去基準電圧2よりも低い電圧部分がカットされ除去基準電圧2にクリップされて図3(d)に示す信号波形(G)となる。
(E)の信号波形と(G)の信号波形は加算器9で加算合成されて図3(e)に示す信号波形(H)となり、結果として正のパルス、負のパルスともに元の1次微分信号(B)の時間幅よりも時間短縮されたものとなる。
【0031】
次に図4に基づいて本発明の効果を説明する。
図4の(A),(B),(C),(H)の波形は図3の(A),(B),(C),(H)にそれぞれ対応するものであり、(L)は速度変調コイル3における速度変調電流を示すもので、縦軸は電流、横軸は時間である。
(M)は表示画面上の輝度の変化を表す図であり、縦軸に輝度、横軸に画面の水平方向の距離を示している。なお、ガンマ係数は1としている。
44は走査速度変調を行わないときの輝度を示し、45は本発明の走査速度変調の輝度に対する効果を示す図である。
【0032】
図4の(N)は走査速度の変化を示す図であり、縦軸は走査速度、横軸は画面の水平方向の距離を示している。輝度変化のない部分では走査速度が通常であるのに対して、速度変調電流(L)の立ち上がり部分70では走査速度が速くなり(72)立ち下がり部分71では走査速度が遅くなる(73)。
表示画面上の輝度(M)は、速度変調電流(L)の立ち上がり部分70において速度変調コイル3で発生する磁界によって電子ビームの走査速度が通常より速くなるように変調されるため、電子ビームが速く通り過ぎてしまう分表示画面上の輝度は通常より速く失われてより暗く(より黒く)感じる(74)。
そして速度×時間=距離の計算式において速度が速く変調され(72)、時間75は変化しないので画面水平方向の距離76は伸長されて長くなる。
【0033】
速度変調電流(L)の立ち下がるとき(71)に速度変調コイル3発生する磁界によって電子ビームの走査速度が通常より遅く変調されることによって、電子ビームがゆっくり停滞する分、表示画面上の輝度はなかなか失われずにより明るく(より白く)感じる。
そして速度×時間=距離の計算式において速度が遅く変調され(73)、時間77は変化しないので画面水平方向の距離78は圧縮され短くなる。
結果として表示画面上の輝度(M)は、入力輝度信号(A)が黒から白に立ち上がるライジング部の始まりではより黒くなり画面上の水平距離が長くなる。
また、終わり付近ではより白くなり水平距離が短くなる。
これによって、輝度の立ち上がり方が急峻に感じられる。また、同様に輝度が白から黒に立ち下がるライジング部の始まりではより白くなり、水平距離が圧縮され、終わり付近ではより黒くなり、水平距離が伸長されることによって、輝度の立ち下がり方もより急峻に感じられる。
【0034】
従来例の効果を示す図12との大きな相違点は、図12においては入力輝度輝度信号(A)のライジングの時間幅42よりも1次微分信号(B)のパルスの時間幅41の方が長くなってしまうため、ライジングでない部分に走査速度変調が効果本来平板な白い部分がより明るくなって39に示すような強裂なシュートが出たり本来平板な黒い部分がより暗くなって40のような黒い隈がついてしまったり、43に示す白部分の幅が、走査速度変調しない場合の白部分の幅79よりも狭くなってしまうのに対して、本実施例の図4においては入力輝度信号(A)のランジングの時間幅42よりも太くなった1次微分信号(B)の時間幅41を57の時間幅Tp −τまで短縮して輝度信号のライジングの時間幅(42)の中に納めてしまうため、表示画面上の輝度の変化は輝度信号(A)のライジング時間内(42)だけで起こることにより、ライジングでない明るく平板な部分80,81では走査速度変調は行われず、オーバーシュートやプリシュートは新たにこの回路によって発生しにくくなり、さらにライジングでない暗く平板な部分82,83では走査速度変調は行われず黒い隈も発生しにくくなる。
【0035】
また、水平方向距離の圧縮、伸長もライジング時間内(42)だけで起こるため白部分が走査速度変調しない場合よりも狭くなったりはしない。
なお、図4は遅延回路4の遅延時間τが
(ライジング時間42)=(1次微分信号のパルス幅41)−τ
となる理想的な場合について表したが、実際にはライジング時間の異なる画像においてはこの関係が若干崩れるが、おおよそ同等の効果は得られる。
本実施例の時間幅短縮回路47やエッジ検出回路48は、ディジタル方式でもアナログ方式でも達成可能である。遅延時間τを調整できるようにして、効果を調整できるようにした構成も考えられるし、遅延回路4を低減通過フィルターや帯域通過フィルター、高域通過フィルター等に置き換えて、遅延時間を発生させる構成も考えられる。
エッジ検出回路48の前後に振幅を調整するためにアンプを挿入した構成を考えられるし、そのゲインを可変とする構成も考えられる。
【0036】
図5は、図2に示した本実施例の時間幅短縮回路47における補正波形の合成部分46の実際の回路例を示す図である。1次微分信号(B)は最大値検出回路5のNPNトランジスタ10と最小値検出回路7のPNPトランジスタ23のそれぞれのベースに入力され、遅延1次微分信号(C)は、最大値検出回路5のNPNトランジスタ11と最小値検出回路7のPNPトランジスタ24のそれぞれのベースに入力される。
最大値検出回路5のNPNトランジスタ10と11はコレクタ同志、エミッタ同志が共通接続されコレクタは12の電源に接続し、エミッタは抵抗13を介して14のGNDに接続する。
【0037】
また、NPNトランジスタ10,11のエミッタ、即ち最大値検出回路5の出力(D)はさらに正成分除去回路6のPNPトランジスタ15のベースに接続とされるともに、抵抗18を介してPNPトランジスタ16のベースに接続されている。
さらには抵抗19とコンデンサ20に接続され、抵抗19とコンデンサ20の他端はGND14に接続されている。PNPトランジスタ15と16はコレクタ同志、エミッタ同志が共通接続され、コレクタは14のGNDに、エミッタは17の抵抗を介して12の電源に接続されている。
PNPトランジスタ15と16の共通接続されたエミッタの信号が正成分除去回路6の出力信号(E)となる。
【0038】
同様に、最小値検出回路7のPNPトランジスタ23と24のコレクタ同志、エミッタ同志は共通接続され、コレクタは14のGNDに接続され、エミッタは抵抗25を介して電源12に接続される。PNPトランジスタ23,24のエミッタ、即ち最小値検出回路7の出力(F)はさらに負成分除去回路8のNPNトランジスタ26のベースに接続され、また、抵抗29を介しNPNトランジスタ27のベースに接続され、さらに抵抗30とコンデンサ31に接続されている。
さらに抵抗30の他端は電源12に、コンデンサ31の他端はGND14に接続される。
【0039】
NPNトランジスタ26と27はコレクタ同志、エミッタ同志が共通接続され、コレクタは電源12に接続され、エミッタは抵抗28を介し、GND14に接続される。
PNPトランジスタ26と27の共通接続されたエミッタの信号が負成分除去回路8の出力信号(G)となる。
正成分除去回路6の出力信号(E)は抵抗21とコンデンサ22を、また、負成分除去除去回路8の出力信号(G)は抵抗32を介して加算され、時間幅短縮回路47の出力信号(H)となる。
【0040】
図5の動作について説明する。NPNトランジスタ10と11はエミッタが共通に接続しているため、NPNトランジスタ10のベースにつながる1次微分信号(B)とNPNトランジスタ11のベースにつながる遅延1次微分信号(C)のうち電圧の高い方につながるトランジスタが選択的にオンして抵抗13に電流を流し込む。
1次微分信号(B)と遅延1次微分信号(C)は時間毎にいずれかの電圧が高くなったり、また、逆に低くなったり変化するため、その各時間毎で1次微分信号(B)と遅延1次微分信号(C)のうち電圧の高い方につながるトランジスタが選択的にオンする。
【0041】
いま、NPNトランジスタ10、11のエミッタ電圧をVE10,11+vE10,11(t) (VE10,11は直流分、vE10,11(t) は交流分)とし、1次微分信号(B)の電圧をV0 +vB (t) (V0 は直流分、vB (t) は交流分)、遅延1次微分信号(C)の電圧をV0 +vC (t) (V0 は直流分、vC (t) は交流分)とすると、NPNトランジスタ10、11のエミッタ電圧(VE10,11+vE10,11(t) )は以下のように表せる。
ただしMax{x(t) ,y(t) }は各時間毎のx(t) ,y(t) のうちの大きい方の値を選択する関数とする。また、NPNトランジスタ10,11のベース・エミッタ間電圧をVBEとする。
【0042】
NPNトランジスタ10,11のエミッタ電圧(VE10,11+vE10,11(t) )、即ち、最大値検出回路5の出力信号(D)は正成分除去回路6のPNPトランジスタ15に入力されるとともに、抵抗18およびコンデンサ20によって高域成分がコンデンサ20を介してアース(GND)14に流れてしまうため、PNPトランジスタ16のベースにおいては電圧は平均化され直流分のみとなり、結局直流分の電圧VE10,11が抵抗18と抵抗19で分割された電圧がPNPトランジスタ16のベースにかかる。
【0043】
抵抗18の抵抗値をR1 、抵抗19の抵抗値をR2 とすると、PNPトランジスタ16のベースにかかる電圧VB16 (即ち、図3(c)に示した35の除去基準電圧1)は、
VB16 ={R2 /(R1 +R2 )}×VE10,11 ・・・(2)式
となる。
R2 がR1 よりも充分に大きいとき、VB16 とVE10,11の差はわずかであり、
VB16 ≒VE10,11 ・・・(3)式
と表される。
PNPトランジスタ15と16はベース電圧の低い方のいずれかが選択的にオンし、オンしたトランジスタのエミッタに抵抗17から電流が流れ込む仕組みになっており、最大値検出回路であるが、実効的には正成分除去回路として働く。
【0044】
VB16 よりもVE10,11+vE10,11(t) の方が低いときに、NPNトランジスタ15がオンして、エミッタにvE10,11(t) の交流波形が表われるが、逆にVB16 の方がvE10,11(t) よりも低いときにはNPNトランジスタ16がオンするため直流分VB16 +VBEがエミッタに検出される。
結局NPNトランジスタ15,16のエミッタの電圧VE15,16+vE15,16(t) (VE15,16は直流分、vE15,16(t) は交流分)は、(3)式あるいは(1)式の関係より以下の如く表現できる。
【0045】
ただし、Min{x(t) ,y(t) }はx(t) ,y(t) のうち各時間毎の大きい方の値を選択する関数であり、m{x(t) }はx(t) が負のときはそのまま値を出力し、正もしくは0のときは0を出力する関数である。
【0046】
同様にPNPトランジスタ23,24、抵抗25で構成する最小値検出回路7では、vB (t) +V0 とvc (t) +V0 の各時間の最小値が出力されるので、
となり、最小値検出回路7の出力信号(F)であるPNPトランジスタ23,24のエミッタ電圧VE23,24+vE23,24(t) はNPNトランジスタ26のベースにかかり、さらに、エミッタ電圧VE23,24+vE23,24(t) は抵抗29とコンデンサ31によって高域成分がコンデンサ31を介してGNDに流れてしまうためトランジスタ27のベースにおいて電圧は平均化され直流分のみとなり、結局直流分VE23,24と電源12を抵抗29,30の比で分割した電圧がトランジスタ27のベースにかかる。
【0047】
抵抗29の抵抗値をR3 、抵抗30の抵抗値をR4 とするとトランジスタ27のベースにかかる電圧VB27 (即ち、図3(c)に示す36の除去基準電圧2)は、電源12の電圧値をVccとすると、
となる。R4 がR3 よりも充分大きければ
VB27 ≒VE23,24 ・・・(7)式
と表せる。
【0048】
(4)式を導いた時と同様に、NPNトランジスタ26,27、抵抗28は最小値検出回路とみなせるので、
NPNトランジスタ27のベースにかかる電圧VB27 (≒VE23,24)と
NPNトランジスタ26のベースにかかるVE23,24+vE23,24(t) のうち、
VB27 よりもVE23,24+vE23,24(t) の方が高いときにNPNトランジスタ26がオンしてエミッタにvE23,24(t) の交流波形が表れるが、逆にVB27 の方が低いときはNPNトランジスタ27がオンして直流分VB27 −VBEがエミッタに出力される。結局、以下ように表現される。
【0049】
ただし、p{x(t) }はx(t) が正のときはそのままの値を出力し、負もしくは0のときは0を出力する関数である。
【0050】
いま、抵抗21および抵抗32の抵抗値をR0 としてコンデンサ22は交流信号vE15,16(t) の帯域をより減衰少なく通過させられる程度に大きい容量を備えるものとする。
図5の出力信号(即ち時間幅短縮回路47の出力信号)である信号(H)の交流電圧をvH (t) とするとvH (t) は以下のようになる。
ここで、m[Max{vB (t) ,vc (t) }〕は正成分除去回路6の出力信号(E)の交流信号、p〔Min{vB (t) ,vc (t) }〕は負成分除去回路8の出力信号(G)の交流信号であるので、(9)式は図2,3,4で説明した信号処理動作と一致することがわかる。
【0051】
(3)式において、
VB16 =VE10,11−{R1 /(R1 +R2 )}VE10,11≒VE10,11
と近似して、{R1 /(R1 +R2 )}VE10,11の微小電圧を無視したが、これは先に図4で説明した微小電圧60(Vα)であって、
Vα={R1 /(R1 +R2 )}×VE10,11 ・・・(10)式
である。
従って、図5の回路においては、(9)式のうちの交流信号
m〔Max{vB (t) ,vc (t) }t)}〕
のうちバイアスV0 の近辺のVαの電圧分は削られて出力される。
【0052】
同様に交流信号m[Max{vB (t) ,vc (t) }〕のうちのバイアス近辺の{R3 /(R3 +R4 )}×(Vcc−VE23,24)の電圧分Vβは削られて出力する。即ち、
Vβ={R3 /(R3 +R4 )}×(Vcc−VE23,24) (11)式
である。
【0053】
図6は、例えば信号(D)の実際の信号波形のモデルである。
バイアス付近にはリンギング67が存在する場合が多く、この場合に1次微分信号の増幅率を大きくして走査速度変調の効果を大きくしようとすると、リンギング67の部分についても増幅されて走査速度変調がかかってしまう。
1次微分信号のリンギングは元の輝度信号のリンギングによって発生し、結果的に画像のリンギングそのものが走査速度変調の効果によって強化される。
この際に、図6のVα〜Vβの電圧間だけカットしてしまうことにより、リンギング部は除去され、走査策度変調はかからないで済む。
【0054】
また、1次微分信号の小さい66のような部分は、輝度信号がなだらかに立ち上がったり立ち下がったりする部分、もしくは輝度信号の振幅の変化が小さい部分であり、このような画像部分は走査速度変調によってエッジが急峻になることによって不自然さを増す場合が多いが、この場合もVα〜Vβの電圧間をカットすることによって1次微分信号の振幅の大きい場合に比して小さい場合がより小さくなり、結果的に振幅差の小さい部分の効果は低減され、不自然感を少なくすることができる。
なお、不自然感を受けやすい画像部分とは、例えば人の顔の鼻すじとか顔の細い影のような部分である。
【0055】
実施例2.
図7は、第2の実施例の構成を示す図である。これは先の図2で説明した実施例1における時間幅短縮回路47の構成を変えたものである。
図において、48はエッジ検出回路、2は増幅回路、3は速度変調回路であって、実施例1と同一のものである。
また、90は実施例2による時間幅短縮回路であり、エッジ検出回路48の出力信号である輝度信号(A)の1次微分信号(B)が入力される正成分除去回路6および負成分除去回路8と、正成分除去回路6の出力信号が入力される第1の遅延回路91と、負成分除去回路8の出力信号が入力される第2の遅延回路92と、正成分除去回路6および第1の遅延回路91の出力信号が同時に入力される最大値検出回路5と、負成分除去回路8および第2の遅延回路92の出力信号が同時に入力される最小値検出回路7と、最大値検出回路5と最小値検出回路7からの出力信号を加算して時間幅短縮回路90の出力信号(H)を出力する加算器9とで構成されている。
【0056】
図8は、実施例2における回路の各部の動作信号波形を示しものである。
図において、(A)はエッジ検出回路48に入力される実施例1と同様の台形波状の入力輝度信号、(B)はエッジ検出回路48の出力である1次微分信号、
(P)は正成分除去回路6の出力信号、(Q)は最大値検出回路5の出力信号、
(R)は負成分除去回路8の出力信号、(S)は最小値検出回路7の出力信号、
(H)は加算器9の出力信号であり、縦軸は電圧、横軸は時間である。
また、(P)の実線は第1の遅延回路91を通る前の信号波形であり、破線61は第1の遅延回路91を通過した後の信号波形である。
同様に(Q)の実線は第2の遅延回路92を通る前の信号波形、破線62は第2の遅延回路92を通過した後の信号波形である。
詳細な動作説明は省略するが、結果として時間幅短縮回路90は実施例1と同様の出力信号(H)が得られる。
【0057】
実施例3.
実施例1あるいは実施例2においては、入力輝度信号(A)のエッジ部の検出のために微分回路で構成されたエッジ検出回路48を用いて実現していたが、図9に示すような回路構成によっても入力輝度信号(A)のエッジ部の検出を行うことができる。
図において、63は(A)は入力輝度信号を所定時間遅延する遅延回路、64はその出力信号、65は減算器である。
入力された輝度信号(A)と遅延回路63を通過した信号64との差が減算器65より信号(B’)として出力される。(B’)がエッジ検出信号である。
【0058】
図10は、図9の回路における各部の信号波形を示したもので、図10(a)の実線は入力輝度信号(A)、破線は遅延回路63の出力信号64である。
また、図10(b)は加算器65の出力信号、即ちエッジ検出信号(B’)を示している。
このように入力輝度信号(A)の遅延回路63の通過前と通過後の信号の差をとることにより、実施例1,2で述べたエッジ検出回路の出力である1次微分信号と同様の信号が得られる。
【0059】
【発明の効果】
この発明の請求項1乃至4によれば、時間幅短縮手段を用いて輝度信号信号のエッジ検出信号のパルス幅を短縮してパルスの時間幅が輝度信号の立ち上がり及び立ち下がり時間を越える時間長を最小限に抑えるようにしたので、画像の輝度が急激に変化するエッジ部分の周辺において強烈なシュートの発生や黒い隈の発生による画質の劣化を防止でき、また白部分の幅を狭くしたりあるいは黒部分の幅を太くしたりすることなく効果的にエッジを急峻にして画像の品位を向上することのできる走査速度変調回路を提供できるという効果がある。
【0060】
この発明の請求項5によれば、バイアス付近に小振幅で存在するリンギング成分がカットされるので、リンギング部分に走査速度変調がかかりリンギングが強調されるという弊害を防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1による走査速度変調回路の構成図である。
【図2】実施例1による走査速度変調回路の具体的回路図である。
【図3】図2の各部の信号波形を示す図である。
【図4】実施例1の動作を説明するための図である。
【図5】実施例1の時間幅短縮回路内における補正波形合成部分の回路例である。
【図6】輝度変化の小さい部分でのリンギング除去を説明する図である。
【図7】実施例2による走査速度変調回路の回路図である。
【図8】実施例2の動作を説明するための図である。
【図9】実施例3による輝度信号のエッジ検出部の回路図である。
【図10】実施例3の動作を説明するための図である。
【図11】従来の走査速度変調回路の構成図である。
【図12】従来の走査速度変調回路の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 微分回路 2 増幅回路 3 速度変調回路
4、63、91、92、 遅延回路
5 最大値検出回路 6 正成分除去回路
7 最小値検出回路 8 負成分除去回路
47、90 時間幅短縮回路
Claims (5)
- 映像輪郭部の走査速度を変調する手段として走査速度変調コイルを用いることにより輪郭強調を行う走査速度変調回路において、入力された映像信号の輝度変化を検出し、輝度変化部分に対応するパルス信号を出力するエッジ検出手段と、上記エッジ検出手段から入力された上記パルス信号の時間幅を所定量に短縮し、時間幅の補正された補正パルス信号を出力する時間幅短縮手段と、上記時間幅短縮手段から入力された上記補正パルス信号を増幅し、その出力を上記走査速度変調コイルに入力する増幅手段とを備え、上記時間幅短縮手段が、エッジ検出手段から入力されたパルス信号を所定時間遅延させ遅延パルス信号を出力する遅延回路と、上記エッジ検出手段からのパルス信号と上記遅延回路からの遅延パルス信号との各時間における最大値電圧を検出する最大値検出回路と、上記最大値検出回路の出力信号の正成分を除去する正成分除去回路と、上記エッジ検出手段からのパルス信号と上記遅延回路からの遅延パルス信号との各時間における最小値電圧を検出する最小値検出回路と、上記最小値検出回路の出力信号の負成分を除去する負成分除去回路と、上記正成分除去回路および上記負成分除去回路の出力信号を合成して補正パルス信号を出力する加算回路とから構成されることを特徴とする走査速度変調回路。
- 映像輪郭部の走査速度を変調する手段として走査速度変調コイルを用いることにより輪郭強調を行う走査速度変調回路において、入力された映像信号の輝度変化を検出し、輝度変化部分に対応するパルス信号を出力するエッジ検出手段と、上記エッジ検出手段から入力された上記パルス信号の時間幅を所定量に短縮し、時間幅の補正された補正パルス信号を出力する時間幅短縮手段と、上記時間幅短縮手段から入力された上記補正パルス信号を増幅し、その出力を上記走査速度変調コイルに入力する増幅手段とを備え、上記時間幅短縮手段が、エッジ検出手段から入力されたパルス信号の正成分を除去する正成分除去回路と、エッジ検出手段から入力されたパルス信号の負成分を除去する負成分除去回路と、上記正成分除去回路の出力信号を所定時間遅延する第1の遅延回路と、上記負成分除去回路の出力信号を所定時間遅延する第2の遅延回路と、上記正成分除去回路の出力信号と上記第1の遅延回路からの出力信号との各時間における最大値電圧を検出する最大値検出回路と、上記負成分除去回路の出力信号と上記第2の遅延回路からの出力信号との各時間における最小値電圧を検出する最小値検出回路と、上記最大値検出回路および上記最小値検出回路の出力信号を合成して補正パルス信号を出力する加算回路とから構成されることを特徴とする走査速度変調回路。
- エッジ検出手段として、微分回路を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の走査速度変調回路。
- エッジ検出手段は、入力された輝度信号を所定時間遅延させる遅延回路と、上記遅延回路により遅延されて遅延輝度信号と元の入力輝度信号との差を演算してエッジ検出信号として出力する減算回路とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の走査速度変調回路。
- 正成分除去回路は所定レベル内の負成分も除去し、また、負成分除去回路は所定レベル内の正成分も除去することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の走査速度変調回路。
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