JP4174656B2 - 画像表示装置および画像処理装置、並びに画像処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号に画質補正処理を施す機能を備えた画像表示装置および画像処理装置、並びに画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テレビジョン受像機,VTR(VideoTape Recorder),デジタルカメラ,テレビジョンカメラあるいはプリンタ等の機器は、入力画像に画質補正を施してから出力する画像処理機能、例えば、明暗やコントラストの調整、輪郭補正などの機能を有している。こうした機能は、主に全体に暗くコントラストが低い画像や、細部がぼやけた画像に対して効果的に適用される。ただし、これらの各処理では、補正の度合いが強いときに意図とは異なった画像を生む場合があり、画質は必ずしも常に向上する訳ではなかった。
【0003】
このうち、輪郭補正は、一般にシャープネス(sharpness )と呼ばれ、画像中の人物や物体の縁部、輪郭線を強調する処理である。シャープネスでは、図19に示したように、パルス状の画像信号においては信号の立上がりと立下りの前後が矢印のように歪むような処理を行う。この立上がりや立下りのように振幅値が大きく変化する部分はエッジといい、画像の輪郭に対応する。また、歪むことによって生じる信号規定値からの差分にあたる成分を、エッジの前後で、それぞれプリシュート(PS),オーバシュート(OS)という。このとき、その周波数特性は図20のようになり、特定周波数を中心に強調されることがわかる。
【0004】
こうしたシャープネスには、補正を強くかけてゆくと、輪郭が十分に鮮鋭化される一方で画像が黒く縁取りされたようになり、見る者に不自然な印象を与えてしまうという性質がある。
【0005】
これに対し、近年、画像のディテールのみを強調する画質補正技術が提案されている(特許第3233114号公報、特開2001−298621号公報など)。この技術は、画像データから、画像の細部を表す比較的空間周波数が高い成分を抽出し、その振幅レベルを選択的に増幅するものである。なお、本明細書においては、画像データにおいて、画像中の主な輪郭に対応する成分をストラクチャー(structure )成分と呼ぶ。また、これに対して空間周波数がより高く、画像の細部に対応する成分をテクスチャー(texture )成分と呼ぶ。テクスチャー成分は、例えば、人物画像における衣服の模様や影であったり、樹木の葉が密生した部分であったりする。すなわち、この技術は、画像データ中のテクスチャー成分を強調するものである。
【0006】
このテクスチャー強調処理におけるパルス特性を図21に、周波数特性を図22に示す。テクスチャー強調処理の特徴は、シャープネスのようにプリシュート,オーバーシュートを付けず、ただテクスチャー成分の振幅のみ増幅することにある。よって、その周波数特性は、100KHz程度の低域からレベルを一定に持ち上げるように変化する。この処理によれば、ぼけがちな細部はくっきりするが全体の輪郭は強調されないので、コントラストや鮮鋭度を向上させつつも、シャープネスとは異なって自然な印象の画像が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、テクスチャー強調処理には、テクスチャー成分の増幅に伴ってテクスチャー成分に紛れ込んだ不要な成分まで増幅してしまうおそれがあった。不要成分の一つはノイズであるが、この処理においては入力信号のプリシュート・オーバーシュートが問題となっていた。
【0008】
テレビジョン信号のチューナ復調出力は、送受信のために帯域制限されたRF(Radio Frequency )信号であることから、必然的に波形が歪み、実際の周波数特性は、図23のようにカットオフ周波数fc の左側の帯域が膨らんだようになる。カットオフ周波数fc は、信号の種類によって異なるものの(NTSC方式ではfc =4.2MHz、PAL方式ではfc =5.5〜6MHz)、チューナ復調後のテレビジョン信号は概ねこのような周波数特性を有している。このうち、2〜3MHzを中心とした振幅が持ち上がった帯域は、時系列的にはプリシュート・オーバーシュートに相当する。いうなれば、テレビジョン信号は、入力時にはすでにシャープネスが施されたような状態にある。
【0009】
また、最近では、送り側のDVD等の記録媒体において信号にシャープネス等の補正を施すようになってきたため、DVD等からの入力信号には、すでにプリシュート・オーバーシュートが意図的に付加されている。
【0010】
こうした入力信号にテクスチャー強調処理を施すと、プリシュート・オーバーシュートはテクスチャー成分と認識され、増幅されてしまう。このとき得られる特性は図24のようになり、結果的にはプリシュート・オーバーシュートを強調するだけになってしまう。これでは、前述したシャープネスとは異なる特性でのコントラスト強調というテクスチャー強調処理の特徴が損なわれ、意図したような画質向上が望めないおそれがあった。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、適正な画像補正が可能な画像表示装置および画像処理装置、並びに画像処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理装置、および、本発明の画像表示装置は、画像データ中の輝度信号における振幅レベルおよび周波数に基づいて輝度信号の平滑化を行うことで画像の輪郭を構成するストラクチャー成分を抽出すると共に、輝度信号からストラクチャー成分を差し引くことで画像の細部を構成するテクスチャー成分を抽出するデータ分離手段と、テクスチャー成分を増幅するテクスチャー増幅手段と、ストラクチャー成分とテクスチャー成分を合成して加工データを生成する合成手段と、少なくとも前記テクスチャー成分の増幅の度合いに応じた画像の補正を行う補正手段とを備え、補正手段として、合成手段の後段に設けられると共に、画像の輪郭を強調する輪郭強調成分の量を、テクスチャー成分の増幅の度合いに応じて調整する輪郭調整手段を備えたものである。
【0013】
本発明の画像処理方法は、画像データ中の輝度信号における振幅レベルおよび周波数に基づいて輝度信号の平滑化を行うことで画像の輪郭を構成するストラクチャー成分を抽出すると共に、輝度信号からストラクチャー成分を差し引くことで画像の細部を構成するテクスチャー成分を抽出し、テクスチャー成分を増幅したのち、ストラクチャー成分とテクスチャー成分を合成して加工データを生成し、少なくともテクスチャー成分の増幅の度合いに応じた画像の補正を行い、その画像の補正として、ストラクチャー成分とテクスチャー成分とを合成した後に、画像の輪郭を強調する輪郭強調成分の量を、テクスチャー成分の増幅の度合いに応じて調整する処理を行うものである。
【0014】
本発明の画像表示装置および画像処理装置、並びに画像処理方法では、少なくともテクスチャー成分の増幅の度合いに応じた画像の補正を加えることで、出力画像の成分量が制御される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像表示装置の全体構成を示している。この画像表示装置は、画像の輪郭を構成するストラクチャー成分と画像の細部を構成するテクスチャー成分からなる画像データを、テクスチャー成分をエンハンスゲインTEに応じて強調するように加工するテクスチャー強調部100と、テクスチャー強調処理を施した信号に、エンハンスゲインTEに応じてシャープネスを施すためのシャープネス部200とを備えている。なお、信号上では、ストラクチャー成分は、エッジを含む平均振幅(振幅の変動傾向)の成分に相当し、テクスチャー成分はそれ以外の比較的高い周波数で小振幅である成分に相当する。
【0017】
元々、テクスチャー強調は細部を強調する処理であり、細部におけるコントラストが上がるために映像をはっきりとさせる効果を与えるが、より鮮鋭度を与えるには、輪郭を多少強調させることが必要となる。ただし、先にシャープネスを施すと、すでに説明したように、テクスチャー強調が効果的に行われない(図24参照)。よって、本実施の形態では、テクスチャー強調部100の後段にシャープネス部200を設けるようにしている。また、シャープネス部200は、テレビジョン信号のように当初からシャープネスがかけられたかのような波形の入力信号に対して、テクスチャー強調後にシャープネスによる補正量を調整するものとして機能する。
【0018】
入力される画像信号は、テレビ信号のほか、VCR(VideoCassette Recorder)やDVD(Digital Versatile Disc)等の出力であってよい。これらの画像信号は、通常の処理によってYUV信号にまで復調されるようになっている。テレビジョン信号はチューナ101で復調されてコンポジット信号(CVBS;Composite Video Burst Signal)となるが、VCRやDVDからは直接コンポジット信号が入力される。これらのコンポジット信号は、Y/C分離回路102において輝度信号Yと色信号Cに分離され、クロマデコーダ103においてYUV信号Y1 U1 V1 にデコードされる。なお、YUV信号は、2次元ディジタル画像の画像データであり、画像上の位置に対応する画素値の集合である。そのうち、輝度信号Yは輝度レベルを表し、白100%である白レベルと、黒100%である黒レベルの間の振幅値をとる。また、色差信号U,Vはそれぞれ、青(B;Blue)から輝度信号Yを差し引いた信号B−Y,赤(R;Red )から輝度信号Yを差し引いた信号R−Yに対応しており、これらU信号,V信号を輝度信号Yと組み合わせることによって色(色相,彩度,輝度)が表現される。
【0019】
YUV信号Y1 U1 V1 は、テクスチャー強調部100に入力され、後述するテクスチャー強調に関する処理を施された後、YUV信号Y2 U2 V2 として出力される。YUV信号Y2 U2 V2 は、シャープネス部200に入力され、シャープネス処理を施された後、YUV信号Y3 U3 V3 として出力される。
【0020】
YUV信号Y3 U3 V3 が入力されるマトリクス回路104は、YUV信号からRGB信号を再生し、出力する。ドライバ105は、入力されるRGB信号をもとにディスプレイ106の駆動信号を生成し、出力する。ディスプレイ106は、駆動信号により駆動され、入力される駆動信号に応じた画像を表示する。このディスプレイ106は、どのような種類のディスプレイデバイスであってもよく、CRT(Cathode-Ray Tube)や、PDP(Plasma Display Panel),LCD(Liquid Crystal Display)等が用いられる。
【0021】
<テクスチャー強調部100の構成>
図2は、テクスチャー強調部の構成を示すブロック図である。テクスチャー強調部100は、S/T分離回路10,テクスチャー増幅回路20,ストラクチャー補正回路30,加算器40,遅延回路50およびクロマアンプ60により構成されている。
【0022】
このテクスチャー強調部100は、図3に示したような画像データ処理を行うものである。すなわち、入力される輝度信号Y1 を、S/T分離回路10により画像の輪郭を構成するストラクチャー成分S1と、画像の細部を構成するテクスチャー成分T1とに分離する。次いで、テクスチャー成分T1を、テクスチャー増幅回路20により増幅してテクスチャー成分T2とする。その一方で、ストラクチャー成分S1を、ストラクチャー補正回路30によりレンジや階調を非線形的に補正して、ストラクチャー成分S2とする。さらに、テクスチャー成分T2とストラクチャー成分S2とを加算器40にて加算し合成することにより、輝度信号Y2 を得る。
【0023】
S/T分離回路10は、図4に示したように、レベル判定手段11,周波数判定手段12,フィルタ特性決定手段13,非線形フィルタ14および減算器15により構成されている。レベル判定手段11,周波数判定手段12は、それぞれ、輝度信号Y1 の振幅レベルおよび周波数の変動範囲を判定し、フィルタ特性決定手段13に判定結果を出力する。フィルタ特性決定手段13は、この判定結果に応じて、非線形フィルタ14の振幅レベルおよび周波数の閾値を決定する。非線形フィルタ14は、フィルタ特性決定手段13によって決められたフィルタ特性で輝度信号Y1 に平滑化を行い、ストラクチャー成分S1を抽出する。減算器15は、元の輝度信号Y1 からストラクチャー成分S1を差し引くことでテクスチャー成分T1を抽出する。
【0024】
非線形フィルタ14は、通常用いられる線形ローパスフィルタとは異なり、輝度信号Y1 の振幅レベルと周波数の双方を加味した非線形のフィルタであって、画像の輪郭を構成するストラクチャー成分S1が、それ以外の成分から峻別されるようになっている。より具体的には、輝度信号Y1 のうち振幅変動が急峻なエッジ成分はそのまま保存し、エッジ成分以外の小振幅成分に対して平滑化を行うようになっている(特開2001−298621号公報を参照)。非線形フィルタ14は、2次元の非線形フィルタもしくは画像の水平方向と垂直方向それぞれに適用される1次元の非線形フィルタとして構成され、フィルタリングの中心画素に対し、画素値(振幅)の差の絶対値が所定の閾値ε以下に収まっている周辺画素の画素値はそのまま適用するが、画素値の絶対値の差が閾値εよりも大きければ、そこをエッジと判断し、周辺画素の画素値の代わりに中心画素の画素値を用いることで周辺画素の影響を排除してから平滑化を行う。ただし、実際の画像では、振幅変動が大きい部分が必ずしも画像上の輪郭線であるとは限らず、逆に、振幅変動が小さくとも輪郭線である場合がある。そのため、ここでは、振幅レベルだけでなく周波数からの情報を合わせて平滑化を行うことで、ストラクチャー成分S1の抽出の確度を上げるようにしている。
【0025】
テクスチャー増幅回路20は、S/T分離回路10から出力されるテクスチャー成分T1を、外部入力されるエンハンスゲインTE(以下、ゲインTEと略記)に応じて増幅する増幅器として構成され、テクスチャー成分T2を出力する。実際のゲインTEの値は、1〜2の間の値とするのが適当である。通常の使用では、その値は例えば1.3〜1.4程度とされるが、それ以上ではテクスチャー強調の効果が強く現れる。ゲインTEの値が2以上となると、テクスチャー成分が強調され過ぎて違和感を与えるようになってくる。
【0026】
ストラクチャー補正回路30は、S/T分離回路10から入力されるストラクチャー成分S1に対し、非直線的な補正を施すものである。ここでは、図5に示したガンマ曲線31Aのようにオフセット値ΔYを有する補正曲線を用いるため、この補正を、便宜上ガンマ補正と呼ぶ。なお、ガンマ曲線31Aのガンマ値、およびオフセット値ΔYは、例えば、テクスチャーT1の増幅の度合い、すなわちゲインTEに応じて調整される。
【0027】
加算器40は、テクスチャー増幅回路20から入力されるテクスチャー成分T2と、ストラクチャー補正回路30から入力されるストラクチャー成分S2とを加算するようになっている。これにより、テクスチャー成分が強調されると共にストラクチャー成分が補正された輝度信号Y2 が生成される。
【0028】
遅延回路50は、クロマデコーダ103から入力される色差信号U1 ,V1 に対して遅延をかけ、輝度信号Y2 と同期をとって出力するようになっている。また、クロマアンプ60は、入力される色差信号U1 ,V1 に(Y2 /Y1 )を乗じて、色差信号U2 ,V2 を生成・出力するようになっている。これにより、Y/C比がテクスチャー強調処理の前後で保たれる。
【0029】
<シャープネス部200の構成>
ここでは、テクスチャー強調部100の後段に、シャープネス部200が設けられている。シャープネス部200は、輝度信号Y2 にシャープネス処理を施し、輝度信号Y3 として出力するシャープネス回路210と、色差信号U2 ,V2 に遅延をかけて輝度信号Y3 と同期をとったのち、U3 ,V3 として出力する遅延回路によって構成されている。
【0030】
図6は、シャープネス回路の構成を示すブロック図である。このシャープネス回路210は、後述のSG制御手段214を除いては一般的な構成となっている。遅延回路211,212は、具体的にはDラッチの組み合わせで構成されるが、ここでは一例として、入力クロック信号のクロック周期Dの2倍遅延させるものとしている。この回路では、輝度信号Y2 と、輝度信号Y2 から2Dだけ遅れた遅延回路211の出力と、さらに遅延回路211出力から2D遅れた遅延回路212の出力との演算が行われる。これにより、図7に示したように、エッジのある輝度信号Y2 に対して、プリシュート,オーバーシュートに相当する成分SP ,SO をもったシャープネス信号SSが生成される。なお、Kは、プリシュート/オーバーシュートの係数であり、同図に示したように、信号成分SP ,SO の振幅値の比率は、K:1−Kとなる。
【0031】
レベル調整手段213は、このシャープネス信号SSの振幅レベルを調整するものである。レベル調整手段213は乗算器であり、シャープネス信号SSにシャープネスゲインSGを乗じるようになっている。
【0032】
SG制御手段214は、シャープネスゲインSGを、テクスチャー増幅回路20におけるゲインTEに応じて設定するものである。すなわち、SG制御手段214は、ゲインTEが大きいほどシャープネスゲインSGを下げる調整を行うようになっている。
【0033】
ここでシャープネスの強度を、テクスチャー強調の強度に対応付けて加減する理由は、1つには、ここで行うシャープネスが、テクスチャー強調画像に対して補足的に行われることにある。したがって、ここでのシャープネスは、通常ほどの強度ではなく、画像の状態に応じて弱めに加えられる必要がある。
【0034】
2つ目の理由は、テクスチャー強調部100への入力信号にプリシュート・オーバーシュートがすでに付随している場合には、テクスチャー増幅回路20がプリシュート・オーバーシュートを増幅してしまうことにある。そうした出力信号にシャープネスを施すと、部分的に同質の処理を重ねて行うことになり、プリシュート・オーバーシュートは過大に増幅されてしまう。したがって、この場合のシャープネスは、画像の状態に応じて弱めに加えられるか、むしろテクスチャー強調処理において増幅された元信号由来のプリシュート・オーバーシュートを減衰させ、適正なレベルに調整することが必要となる。後者は、シャープネスゲインSGが負の値に選ばれることを意味する。
【0035】
なお、SG制御手段214は、例えばゲインTEが予めいくつかの数値に選ばれているのならば、対応するシャープネスゲインSGのルックアップテーブルを有し、そこからシャープネスゲインSGの値を出力するように構成することができる。そのような対応表の一例を、表1に示す。表1は、シャープネスゲインSGを、規定値aからゲインTEに応じて下げてゆくような調整を行うことを意味している。この表のシャープネスゲインSGにおける数字は、1が例えば0.5dB相当である。
【0036】
【表1】
【0037】
加算器215は、遅延回路211の出力に対し、シャープネス信号SSを加算し、輝度信号Y3 を生成・出力するものである。輝度信号Y3 には、成分SP ,SO により調整されたプリシュート,オーバーシュートが付加される。
【0038】
次に、本実施の形態に係る画像表示装置の動作について図8および図1〜図7を参照して説明する。
【0039】
図8は、この画像表示装置における各処理ごとの輝度信号波形の変化を示す図であり、(A)は輝度信号Y1 を、(B)はテクスチャー強調処理後の輝度信号Y2 を、(C)はシャープネス処理後の輝度信号Y3 を表し、それぞれ上がパルス波形、下がその周波数特性である。
【0040】
まず、入力される画像信号がYUV信号に復調される。テレビ信号が入力される場合、信号はチューナ101でコンポジット信号に復調され、Y/C分離回路102にて輝度信号Yと色信号Cに分離され、クロマデコーダ103にてYUV信号Y1 U1 V1 にデコードされる。VCRやDVDからコンポジット信号が入力される場合には、Y/C分離回路102,クロマデコーダ103にて同様の処理が行われる。いずれの場合にも、クロマデコーダ103からは、輝度信号Y1 、および色差信号U1 ,V1 がテクスチャー強調部100に出力される。なお、このうち輝度信号Y1 には、元信号に含まれていたプリシュート・オーバーシュートが保存されている(図8(A))。
【0041】
<テクスチャー強調処理>
テクスチャー強調部100では、輝度信号Y1 は、まずS/T分離回路10に入力される(図2,図4)。S/T分離回路10では、レベル判定手段11,周波数判定手段12に輝度信号Y1 が入力され、それぞれが輝度信号Y1 の振幅レベルおよび周波数の変動範囲を判定し、判定結果をフィルタ特性決定手段13に出力する。フィルタ特性決定手段13は、この判定結果に応じて非線形フィルタ14の振幅レベルおよび周波数の閾値を決定し、非線形フィルタ14に出力する。非線形フィルタ14は、フィルタ特性決定手段13に与えられたフィルタ特性に基づいて輝度信号Y1 に平滑化を施し、ストラクチャー成分S1を抽出する。ここで得られたストラクチャー成分S1は、エッジ部分はそのまま保存され、それ以外の部分のみ平滑化された画像データとなっている。すなわち、画像のなかの輪郭線等の大まかな構成を表すデータである。
【0042】
また、減算器15は、輝度信号Y1 からストラクチャー成分S1を差し引くことでテクスチャー成分T1を抽出する。得られたテクスチャー成分T1は、元信号からストラクチャー成分S1を除いた小振幅成分となっており、画像の中の細部、例えば模様等の細かな起伏に相当するデータである。ここで、輝度信号Y1 に含まれるプリシュート・オーバーシュートは、テクスチャー成分T1の中に取り込まれる。こうして、S/T分離回路10からストラクチャー成分S1およびテクスチャー成分T1が生成・出力される(図3)。
【0043】
このうち、テクスチャー成分T1は、テクスチャー増幅回路20に入力される。テクスチャー増幅回路20にはゲインTEが外部入力され、テクスチャー成分T1はこのゲインTEに応じて増幅され、テクスチャー成分T2となる(図2,図3)。このとき、テクスチャー成分T1に含まれるプリシュート・オーバーシュートも同時にゲインTEに応じて増幅される。このテクスチャー成分T2は、加算器40に出力される。
【0044】
一方、ストラクチャー成分S1は、ストラクチャー補正回路30に入力され、ガンマ曲線31Aによりガンマ補正を施されることにより、ストラクチャー成分S2となる。これにより、ストラクチャー成分S2は、テクスチャーT2の振幅値に連動して、低輝度側(黒側)の振幅レベルが持ち上げられるように増幅され、高輝度側(白側)の振幅レベルが低減されたものとなる。このストラクチャー成分S2は、加算器40に出力される。
【0045】
加算器40には、ストラクチャー成分S2とテクスチャー成分T2が入力され、両者を加算して輝度信号Y2 を生成する。このとき、ストラクチャー成分S2の黒側の振幅レベルは、ゲインTEを参照したガンマ補正によって持ち上げられているので、増幅されたテクスチャー成分T2が加算されても黒側の振幅レベルはダイナミックレンジ内に収まる。また、その白側の振幅レベルは、ゲインTEを参照して低減されているので、増幅されたテクスチャー成分T2が加算されても白側の振幅レベルはダイナミックレンジ内に収まる。したがって、輝度信号Y2 は、テクスチャー強調処理がなされていると同時にダイナミックレンジ内に収まるよう補正されたものになっている。なお、この輝度信号Y2 は、ゲインTEに応じて増幅されたプリシュート・オーバーシュートを含んだものとなっている(図8(B))。
【0046】
また、色差信号U1 ,V1 に対しては、遅延回路50により輝度信号Y2 の処理にかかる時間だけ遅延させ、クロマアンプ60によりY2 /Y1 を乗じて輝度信号Y2 の増幅分だけ増幅して、Y/C比がテクスチャー強調処理の前後で保たれるように色差信号U2 ,V2 を生成する。輝度信号Y2 および色差信号U2 ,V2 は、シャープネス部200に入力される。
【0047】
<シャープネス処理>
シャープネス部200では、輝度信号Y2 がシャープネス回路210に入力される(図6)。シャープネス回路210では、輝度信号Y2 と、遅延回路211,212により輝度信号Y2 に遅延をかけた信号との演算を行い、プリシュート・オーバーシュートに相当する成分SP ,SO を有するシャープネス信号SSを生成する。
【0048】
その一方で、SG制御手段214にはゲインTEが入力され、ゲインTEの値に応じてシャープネスゲインSGが設定される。ゲインTEが大きいほど、画像は強いテクスチャー強調処理を施されているので、効果のバランスをとる意味で、シャープネス処理の方は弱く施されるように成分SP ,SO の大きさと符号を決めねばならない。また、ゲインTEが大きいほど、元信号由来のプリシュート・オーバーシュートは増幅されているので、ここでは、最終的に得られる輝度信号Y3 でのプリシュート・オーバーシュートが適正な大きさとなるように、成分SP ,SO の大きさと符号を決めねばならない。この成分SP ,SO の大きさと符号の調整を行うのがシャープネスゲインSGであり、ここでシャープネスゲインの値と符号が決められる。
【0049】
すなわち、成分SP ,SO を用いて輝度信号Y3 にプリシュート・オーバーシュートを少しだけ付加する場合には、シャープネスゲインSGをSG>0の範囲で小さな値に選び、さらに、元信号由来のプリシュート・オーバーシュートを成分SP ,SO により減衰させる場合には、シャープネスゲインSGを負の値から選ぶ(SG<0)。
【0050】
次に、シャープネス信号SSおよびシャープネスゲインSGを、レベル調整手段213に入力する。ここで両者は乗算され、シャープネス信号SSの成分SP ,SO がシャープネスゲインSGに応じて調整される。シャープネスゲインSGの符号と絶対値の大きさに応じて、シャープネス信号SSの振幅の正負の向きと大きさが変わる。
【0051】
さらに、このシャープネス信号SSを、加算器215により遅延回路211の出力である輝度信号Y2 と加算する。これにより、輝度信号Y2 にシャープネス信号SSが重畳され、輝度信号Y3 となって出力される。輝度信号Y3 のエッジ部分では、プリシュート・オーバーシュートが成分SP ,SO によって適正な大きさに調整されている(図8(C))。
【0052】
上記のプリシュート・オーバーシュートの量を調整を行うことで、このシャープネス回路210は、輝度信号Y2 に対し、周波数特性が図9のように変化するような処理を行っている。周波数の中域、ちょうどプリシュート・オーバーシュートに相当する帯域の振幅が、シャープネスゲインSGに応じて変化する。SG=0では、振幅に変化はなく、フラットな状態である。SG>0では、振幅はSGに応じて増幅され、対応する帯域が持ち上がる。SG<0では、振幅はSGに応じて減衰され、対応する帯域が落ち込む。
【0053】
また、色差信号U2 ,V2 は、遅延回路により輝度信号Y2 の処理にかかる時間だけ遅延され、色差信号U3 ,V3 として出力される。
【0054】
これら輝度信号Y3 および色差信号U3 ,V3 は、マトリクス回路104に入力される。マトリクス回路104は、これらのYUV信号からRGB信号を再生し、ドライバ105に出力する。ドライバ105は、入力されるRGB信号を増幅し、輝度階調に応じた電圧値の駆動信号を生成し、ディスプレイ106に出力する。ディスプレイ106は、入力される駆動信号に応じて画像表示を行う。
【0055】
その際、元信号である輝度信号Y3 に含まれるプリシュート・オーバーシュートは適正量に調整されているので、ディスプレイ106に表示される画像では、適度の輪郭強調により、テクスチャー強調処理による効果を損なわずに、さらに鮮鋭度が増す。
【0056】
このように本実施の形態によれば、テクスチャー強調処理を行う画像表示装置において、テクスチャー強調部100の後段にシャープネス部200を設け、シャープネス回路210がエンハンスゲインTEに応じて補正量を加減するようにしたので、シャープネスが過大に施されることが防止され、テクスチャー強調とシャープネスそれぞれの効果のバランスをとって画像全体の鮮鋭度を違和感のないように保つことができる。
【0057】
また、実際にはすでに入力時にシャープネスが施されたような状態にあるテレビジョン信号等に対しては、シャープネス部200の前段までにプリシュート・オーバーシュートに施される増幅処理が、シャープネス部200において相殺される。そのため、最終的に出力する輝度信号Y3 に含まれるプリシュート・オーバーシュートは適正量に調整される。よって、テクスチャー強調を施した画像に対し、適度の輪郭強調補正を加えることができる。
【0058】
〔第2の実施の形態〕
図10は、第2の実施の形態に係る画像表示装置の全体構成を示している。この画像表示装置は、テクスチャー強調部100の前段にデシャープネス部300を設けたことを除いては、第1の実施の形態における画像表示装置と同様の構成となっている。なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0059】
本実施の形態では、チューナ復調後のテレビジョン信号等のように、入力時にすでにプリシュート・オーバーシュートが付加されているような画像信号に対し、プリシュート・オーバーシュートが不用意に増幅されないための方策として、デシャープネス部300により、テクスチャー強調処理の前に信号の周波数特性を平坦化し、プリシュート・オーバーシュートを除去するようになっている。
【0060】
デシャープネス(De-sharpness)部300は、輝度信号Y0 にデシャープネス処理を施し、輝度信号Y1 として出力するデシャープネス回路310と、色差信号U0 ,V0 に遅延をかけて輝度信号と同期を取った後、U1 ,V1 として出力する遅延回路によって構成されている。
【0061】
デシャープネスは、シャープネスとは反対にプリシュート・オーバーシュートを除去する処理であり、第1の実施の形態のシャープネス回路210におけるシャープネスゲインSG<0の場合の動作に相当する。したがって、デシャープネス回路310の構成は、輝度信号Y0 からシャープネス信号SSが差し引かれることを除けば、図11に示したようにシャープネス回路210と同様となっている。すなわち、このデシャープネス回路310では、レベル調整手段313は、負の値をとるデシャープネスゲインDSGに応じてシャープネス信号SSのレベル調整を行うようになっている(DSG<0)。また、加算器315は、符号が反転したシャープネス信号SSを遅延回路311の出力である輝度信号Y0 と加算するが、これによりシャープネス信号SS(成分SP ,SO )の大きさ相当分が輝度信号Y0 から差し引かれ、プリシュート・オーバーシュートが減少した輝度信号Y1 が出力されるようになっている。
【0062】
また、ここでは、デシャープネス回路310の係数Kの値を、Kよりも(1−K)の方が大きくなるように設定する。これは、プリシュートよりもオーバーシュートを大きく減衰させることを意味する(図7参照)。本発明の発明者は、元信号、特に電波として伝送されるテレビジョン信号においては、プリシュートよりもオーバーシュートの方が大きい傾向があることに着目し、オーバーシュートをより確実に除去するためには、プリシュートとオーバーシュートの除去比率を変えればよいことに想到した。よって、ここでは、シャープネス信号SSにおいては、成分SP より成分SO を大きくするように係数Kを設定するようになっている。
【0063】
次に、この画像表示装置の動作について、図10,図11および図12を参照して説明する。図12は、この画像表示装置における各処理ごとの輝度信号波形の変化を示す図であり、(A)は輝度信号Y0 を、(B)はデシャープネス処理後の輝度信号Y1 を、(C)はテクスチャー強調処理後の輝度信号Y2 を、(D)はシャープネス処理後の輝度信号Y3 を表し、それぞれ上がパルス波形、下がその周波数特性である。
【0064】
入力される画像信号は、第1の実施の形態と同様の処理によって、YUV信号Y0 ,U0 ,V0 に復調される。なお、輝度信号Y0 には、元信号に含まれていたプリシュート・オーバーシュートが残っている(図12(A))。YUV信号Y0 ,U0 ,V0 は、デシャープネス部300に出力される。
【0065】
デシャープネス部300では、輝度信号Y0 は、デシャープネス回路310に入力される。デシャープネス回路310では、遅延回路により輝度信号Y0 に遅延をかけた信号の演算を行い、プリシュート・オーバーシュートに相当する成分SP ,SO を有するシャープネス信号SSを生成する。このとき、予め係数Kを調整し、成分SP ,SO の振幅値の比率(K:1−K)を設定しておく。よって、ここでは成分SP よりも、成分SO の方が大きくなっている。
【0066】
シャープネス信号SSは、レベル調整手段313に入力される。また、レベル調整手段313には、デシャープネスゲインDSGが入力され、シャープネス信号SSと乗算される。これにより、シャープネス信号SS(成分SP ,SO )は符号が反転し、その大きさが所望の値に調整される。
【0067】
さらに、このシャープネス信号SSを、加算器315により遅延回路311の出力である輝度信号Y0 と加算する。これにより、輝度信号Y0 のエッジ部分からシャープネス信号SSの成分SP ,SO 相当分が除去され、輝度信号Y1 となる(図12(B))。このとき、シャープネス信号SSは、成分SP より成分SO の方が大きく、元信号由来のプリシュート・オーバーシュートの形状により追従するものとなっているので、輝度信号Y0 からはプリシュート・オーバーシュートがより過不足なく除去される。これにより得られる輝度信号Y1 の周波数特性は、プリシュート・オーバーシュートに対応する中域の成分が減少して平坦化されたものになる。
【0068】
このように、テクスチャー強調処理の前に、輝度信号Y0 に余分に含まれてきたプリシュート・オーバーシュートを減少させ、その周波数特性を平坦化しておくことで、テクスチャー強調処理に対するその影響が低減する。さらには、そののち施すシャープネスに対しても、第1の実施の形態のように、このプリシュート・オーバーシュートの及ぼす影響を考慮する必要がなくなる。
【0069】
この輝度信号Y1 は、テクスチャー強調部100に出力される。また、色差信号U0 ,V0 は、遅延回路により輝度信号Y0 の処理にかかる時間だけ遅延され、色差信号U1 ,V1 としてテクスチャー強調部100に出力される。
【0070】
テクスチャー強調部100は、第1の実施の形態と同様に動作する。入力される輝度信号Y1 は、テクスチャー成分を抽出・増幅され、輝度信号Y2 となる(図12(C))。このとき、輝度信号Y1 に含まれるプリシュート・オーバーシュートの振幅は小さくなっていることから、テクスチャー成分の増幅においては、ほぼテクスチャー成分のみが強調される。すなわち、その周波数特性は、平坦なまま低域側から持ち上げられるように変化する。したがって、このテクスチャー強調処理では、その特徴である細部のコントラスト強調が効果的になされる。
【0071】
輝度信号Y2 は、シャープネス部200に出力される。色差信号U1 ,V1 は、第1の実施の形態と同様にして遅延され、振幅値を補正されて色差信号U2 ,V2 としてシャープネス部200に出力される。
【0072】
シャープネス部200は、第1の実施の形態と同様に動作する。ここでは、輝度信号Y2 に含まれるプリシュート・オーバーシュートの振幅は小さくなっていることから、このシャープネス部200で付加されるプリシュート・オーバーシュートだけで輪郭補正が行われ、輝度信号Y3 となる(図12(D))。このように、本実施の形態では、第1の実施の形態と違って、テクスチャー強調処理によって増幅されて入力されてくる中域の周波数成分を考慮しないで済む分だけ、より簡易で、より適正な補正がなされる。
【0073】
また、このようにデシャープネスとテクスチャー強調処理の後に施されるシャープネスは、デシャープネスによりいったん下げられた中域から高域の周波数成分を増幅する作用をもつ。そのため、周波数特性を補正する意味で有効な手段といえる。
【0074】
なお、色差信号U2 ,V2 は、第1の実施の形態と同様にして遅延され、色差信号U3 ,V3 となる。輝度信号Y3 ,色差信号U2 ,V2 は、マトリクス回路104に出力される。以後の装置の動作は、第1の実施の形態と同様に行われる。
【0075】
このように本実施の形態によれば、テクスチャー強調処理を行う画像表示装置において、テクスチャー強調部100の前段にデシャープネス部300を設けるようにしたので、テクスチャー強調処理の前段階で、輝度信号Y0 に余分に含まれてきた元信号由来のプリシュート・オーバーシュートが減少し、その周波数特性が平坦化される。よって、元信号由来のプリシュート・オーバーシュートが、その後行われるテクスチャー強調処理に及ぼす影響を低減させることができ、効果的にテクスチャー強調がなされた画像を得ることができる。
【0076】
なお、図12(A),(B)の周波数特性の変化からわかるように、デシャープネスによれば、周波数特性は中域から高域側まで下がることになるが、テレビジョン信号は元々帯域制限されたRF信号であるから、ここでは輝度信号Y1 の高域側での特性劣化は抑えられたものとなる。むしろ、中域までの周波数特性が平坦化されることで、輝度信号Y0 に含まれているプリシュート・オーバーシュートの量を減少させる効果の方が大きい。こうして中域までの周波数特性が改善された輝度信号Y1 に対し、周波数特性を平坦なまま持ち上げるようなテクスチャー強調処理を施すことで、プリシュート・オーバーシュートは目立たず、テクスチャー強調の効果が前面に出たコントラスト強調画像が得られる。
【0077】
さらにここでは、係数Kを、プリシュートよりオーバーシュートを大きく除去するように設定したので、元信号由来のプリシュート・オーバーシュートをより過不足なく除去できる。
【0078】
なお、チューナ101の出力特性を平坦に補正する方法として、デシャープネスは最も簡単な方法であり、容易に実現することができる。
【0079】
〔第3の実施の形態〕
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る画像表示装置の全体構成を示している。この画像表示装置は、シャープネス部200がないこと、代わりにS/N比検出部107と、テクスチャー強調部100のノイズ除去回路70とを備えていることを除けば、第1の実施の形態における画像表示装置と同様の構成となっている。すなわち、この画像表示装置は、入力画像信号のS/N比を検出し、このS/N比に連動して、テクスチャー強調量を調整する操作とテクスチャー成分T1から除去する成分の量を調整する操作とを行うものである。
【0080】
S/N比検出部107は、Y/C分離回路102に入力される以前のコンポジット(CVBS)信号に対し、真正の信号値(S)とそれ以外のノイズ(N)の比、すなわちS/N比を求めるものである。信号値は、例えば、黒レベルから白レベルまでの電圧値があらかじめ規格値として決められているので、S/N比は、ノイズ量を検出することによって求められる。
【0081】
ノイズ量の検出は、CVBS信号のうち信号成分が入っていない時間領域に基準をとって行われる。例えば、図14に示した垂直ブランキング期間における垂直同期期間d1、もしくは等価期間d2の太線で示されたパルス間で行われる。こうしてノイズ量から求めたS/N比は、テクスチャー強調部100に出力される。
【0082】
図15は、本実施の形態のテクスチャー強調部100の構成を表すブロック図である。本実施の形態では、S/T分離回路10とテクスチャー増幅回路20との間に、ノイズ除去回路70が設けられている。
【0083】
ノイズ除去回路70は、増幅前のテクスチャー成分T1を入力とし、このテクスチャー成分T1からノイズ成分を除去し、テクスチャー成分T11として出力するものである。また、ノイズ除去回路70には、S/N比検出部107からS/N比が入力され、ここでS/N比をもとに除去する信号の大きさを決めるようになっている。
【0084】
具体的には、ノイズ除去回路70は、図16に示した入出力特性を有するコアリング回路として構成されている。すなわち、微小振幅領域X2を不感帯とし、この領域内にある信号成分をノイズとみなして全入力値から除去するものである。ここでは、不感帯の幅±aがS/N比に応じて設定される。なお、同図では、領域X2よりも入力信号が大きい領域を領域X1,領域X2よりも入力信号が小さい領域を領域X3としている。図17は、コアリング回路としてのノイズ除去回路70の一構成例を示している。このように、ノイズ除去回路70は、テクスチャー成分T1と不感帯幅aとを比較する比較器71,テクスチャー成分T1と不感帯幅−aを比較する比較器72,テクスチャー成分T1に対し領域X1〜X3各々の場合における演算を施して出力する演算回路73〜75、および、比較器72からの出力結果に基づいて出力すべき演算回路73〜75に接続を切り換えるスイッチ76によって構成されている。
【0085】
また、ここでは、テクスチャー増幅回路20もまたノイズ除去回路70と同様にS/N比に連動して動作するよう構成されている。テクスチャー増幅回路20では、ノイズ成分が過大に増幅されないように、テクスチャー成分T11の増幅の度合い(ゲインTE)がS/N比に応じて設定される。
【0086】
なお、以上の不感帯幅aおよびゲインTEの設定は、表2のようなルックアップテーブルを用いて行うものとしてよい。その場合、S/N比検出部107からのS/N比をここに入力し、S/N比に対応して選ばれた不感帯幅a、およびエンハンスゲインTEを、ノイズ除去回路70およびテクスチャー増幅回路20のそれぞれに入力するものとする。
【0087】
【表2】
【0088】
表2に示したように、ここでは、S/N比の値が小さくなる(ノイズが大きい)ほど、不感帯幅aの幅を広げ、エンハンスゲインTEを小さくするように各値が設定されている。
【0089】
次に、本実施の形態の画像表示装置の動作について図を参照して説明する。
【0090】
まず、入力される画像信号を、第1の実施の形態と同様の処理によってYUV信号Y1 ,U1 ,V1 に復調し、テクスチャー強調部100に入力する。
【0091】
同時に、チューナ101の出力信号をS/N比検出部107に入力し、そのノイズ量からS/N比を求める。ノイズ量は、例えば、画像信号中の垂直同期期間d1において、垂直同期パルスの規定値(図16の太線)からの差分として検出する。または、等価パルス期間d2における等価パルスの規定値からの差分として検出するようにしてもよい。検出されるノイズ量は交流成分であるから、ここではその実効値を求める。なお、信号値は、例えば黒レベルから白レベルまでが1VP-P (VP-P ;信号のピーク間電圧を表す単位)などと決められているので、これより実効成分の値を算出しておく。この例では、信号の実効成分は0.7VP-P である。これらの値からS/N比が求まる。求めたS/N比は、テクスチャー強調部100におけるノイズ除去回路70,テクスチャー増幅回路20に出力される。
【0092】
テクスチャー強調部100では、輝度信号Y1 がS/T分離回路10においてストラクチャー成分S1,テクスチャー成分T1に分離され、出力される。そのうち、テクスチャー成分T1は、ノイズ除去回路70に入力されてテクスチャー成分T11となって出力され、次にテクスチャー増幅回路20に入力され、テクスチャー成分T2として出力される。
【0093】
ノイズ除去回路70,テクスチャー増幅回路20はそれぞれS/N比に応じて動作するが、先にルックアップテーブル(表2)として例示したように、ここでは、両者のパラメータ(不感帯幅a,ゲインTE)を互いに関連させて変動させる。S/N比が低い、つまりノイズ量が多いときには、テクスチャー強調よりもノイズが大きく増幅されないことの方が優先される。よって、コアリングの不感帯の幅aを拡げると共に、ゲインTEを減少させてテクスチャー成分T11に残されているノイズが増幅されるのを抑制する。他方、S/N比が高く、ノイズ量がさほど多くないときには、テクスチャー強調効果をできるだけ上げるよう、ゲインTEを増大する方向に変化させると同時にコアリングの不感帯の幅aを狭くするように調整を行う。
【0094】
ノイズ除去回路70には、画像信号のS/N比と、テクスチャー成分T1とが入力される。ノイズ除去回路70は、上述のようにS/N比に応じて除去対象とする信号振幅の上限値および下限値(不感帯幅±a)を設定し、これにもとづいてテクスチャー成分T1の微小振幅成分を除去する。これにより、不感帯内の信号成分はノイズと見なされて完全に除去され、不感帯外の信号成分からは、不感帯内成分に相当する振幅値(a)の成分がノイズとして除去される。処理後の信号は、テクスチャー成分T11としてテクスチャー増幅回路20に出力される。
【0095】
ちなみに、ノイズ除去回路70の具体的な回路動作を図16、図17を用いて説明すると、以下のようになる。テクスチャー成分T1は、入出力特性のX1〜X3の領域のどこに該当する値であるかを判断するために比較器71に入力されると共に、演算用の値を与えるために演算器73,74にも入力される。
【0096】
比較器71では、テクスチャー成分T1は不感帯の正の値aと大きさが比較される。テクスチャー成分T1がaより大きいと(A>B)、テクスチャー成分T1を領域X1の値であると判断して、X1相応の信号をスイッチ76に入力する。反対に、テクスチャー成分T1がa以下であると(A≦B)、テクスチャー成分T1は領域X2または領域X3の値であると判断され、さらに比較器72の判定を行う。
【0097】
比較器72では、テクスチャー成分T1は不感帯の負の値−aと大きさが比較される。テクスチャー成分T1が−a以上であると(A≧B)、テクスチャー成分T1は−a≦T1≦aの値であり、領域X2の値であると判断される。よって、このときには、X2相応の信号をスイッチ76に入力する。また、テクスチャー成分T1が−aより小さい(A<B)ときには、テクスチャー成分T1は領域X3の値であると判断され、X3相応の信号をスイッチ76に入力する。
【0098】
演算器73は、テクスチャー成分T1から値aを減算した値を出力し、演算器73は、テクスチャー成分T1に値aを加算した値を出力する。また、演算器74は、入力される値に関わらず0値を返す。以上の出力値は、入力されたテクスチャー成分T1の値を、それぞれ領域X1,X3およびX2における出力値に変換している。
【0099】
スイッチ76は、入力値がX1〜X3のどの領域の値であるかを示す信号を、比較器71,72いずれかより入力される。よって、スイッチ76は、この信号に応じて演算器73〜75を選び、演算結果を出力させる。これにより、入力値が該当する領域X1〜X3に応じた出力値が得られ、テクスチャー成分T1に図16のような特性のコアリングが施される。この出力がテクスチャー成分T11である。
【0100】
次いで、テクスチャー増幅回路20には、画像信号のS/N比と、テクスチャー成分T11とが入力される。テクスチャー増幅回路20は、上述のように画像信号のS/N比に応じてゲインTEを設定し、これにもとづいてテクスチャー成分T11を増幅する。このとき、微小振幅のノイズ成分は、先に除去されているため、全く増幅作用を受けない。ただし、テクスチャー成分T11の微小振幅成分はノイズと共に除去されているために結果的に全く増幅されなくなっている。また、ゲインTEの調整により、テクスチャー成分T11に含まれているノイズを過大に増幅することが回避される。その代わり、テクスチャー成分T11自体の増幅度は抑えられている。増幅後の信号は、テクスチャー成分T2として加算器40に出力される。
【0101】
一方、S/T分離回路10のもうひとつの出力であるストラクチャー成分S1は、ストラクチャー補正回路30に入力され、ガンマ補正を施されることによりストラクチャー成分S2となる。ストラクチャー成分S2もまた、加算器40に出力される。加算器40は、ストラクチャー成分S2とテクスチャー成分T2が入力され、両者を加算して輝度信号Y2 を生成する。この輝度信号Y2 は、マトリクス回路104に入力される。以下の動作は、第1の実施の形態と同様である
。
【0102】
このときディスプレイ106に表示される画像は、S/N比に応じてノイズが低減・除去されつつもテクスチャー強調処理が施されているので、テクスチャー強調に伴ってノイズ成分が強調されることが回避されている。一般的に、ノイズが多い画像は輪郭付近がぎらぎらして見えることがあり、それがテクスチャー強調処理によってさらに強調されるおそれがあったが、ここでは一定のノイズを除去しているために、そうした現象も抑制されている。特に、画像信号がノイズ量の多い弱電界信号である場合には、テクスチャー強調を強く行わない方がノイズが目立たず、むしろ画質がよいことが多い。
【0103】
このように本実施の形態によれば、テクスチャー強調処理を行う画像表示装置において、S/N比検出部107,ノイズ除去回路70を設け、さらに、ノイズ除去回路70の不感帯幅aおよびテクスチャー増幅回路20のエンハンスゲインTEを、検出されたS/N比に応じて設定するようにしたので、ノイズ除去・低減の効果とテクスチャー強調効果とのバランスが、S/N比によって調整される。すなわち、テクスチャー成分T1に含まれるノイズ成分が除去され、テクスチャ−強調処理において増幅されるノイズ量が低減されると同時に、テクスチャー成分T11に残ったノイズ成分の増幅度合いが弱められるという、相乗的な効果によってノイズの強調が効果的に回避される。よって、ノイズ除去・低減とテクスチャー強調の両者が適正な度合いで施された出力画像を得ることができる。
【0104】
〔第4の実施の形態〕
図18は、本発明の第3の実施の形態に係る画像表示装置の主要部を示す構成図である。この画像表示装置は、テクスチャー強調部100よりノイズ除去回路70が除かれ、さらに、テクスチャー増幅回路20が増幅制限回路23,増幅器25,加算器27から構成されていることを除けば、第3の実施の形態における画像表示装置と同様の構成となっている。すなわち、この画像表示装置は、入力画像信号のS/N比を検出し、検出したS/N比に連動して、テクスチャー強調量を調整する操作と、テクスチャー成分T1の増幅範囲を制限する操作とを行うものである。
【0105】
本実施の形態のテクスチャー増幅回路20では、入力されるテクスチャー成分T1は分岐され、一方は加算器27に、他方は増幅制限回路23,増幅器25によって増幅分であるテクスチャー成分T22に加工されてから加算器27に入力される。
【0106】
増幅制限回路23は、入力されるテクスチャー成分T1の増幅対象となる領域を制限し、テクスチャー成分T21として出力するものである。より具体的には、テクスチャー成分T1のうちノイズを多く含む微小振幅成分を増幅器25にて増幅しないよう、微小振幅領域に範囲を限り、その出力を制限するものである。ここでは、この増幅制限範囲を、S/N比検出部107から入力されるS/N比をもとに設定するようになっている。増幅制限回路27は、第3の実施の形態におけるノイズ除去回路70と同様に、コアリング回路として構成することができ、その場合、不感帯内に入る微小振幅領域の出力値がゼロとされる(図16,図17参照)。
【0107】
増幅器25は、テクスチャー成分T21を増幅し、テクスチャー成分T1に対する増幅分にあたる成分をテクスチャー成分T22として生成するものである。ここでは、増幅器25もまた増幅制限回路23と同様にS/N比に連動して動作するよう構成されており、テクスチャー成分T21の増幅の度合い(ゲインAt )がS/N比に応じて設定されるようになっている。
【0108】
なお、増幅制限回路23,増幅器25はそれぞれS/N比に応じて動作するが、ここでは、両者のパラメータ(不感帯の幅,ゲインAt )が互いに関連して変動するように構成される。S/N比が低い、つまりノイズ量が多いときには、テクスチャー強調よりもノイズが大きく増幅されないことの方が優先される。よって、コアリングの不感帯の幅を拡げると共にゲインAt を減少させ、テクスチャー成分T21に含まれるノイズが増幅されるのを防ぐようにする。他方、S/N比が高く、ノイズ量がさほど多くないときには、テクスチャー強調効果をできるだけ上げるよう、ゲインAt を増大する方向に変化させると同時にコアリングの不感帯の幅を狭くするように調整を行うようにする。
【0109】
加算器27は、テクスチャー成分1とテクスチャー成分T22とを合成し、増幅されたテクスチャー成分T2を出力する。よって、本実施の形態におけるエンハンスゲインTEは、加算器25のゲインAt によって1+At と表される。
【0110】
次に、この画像表示装置の動作のうち、本実施の形態の特徴部分であるテクスチャー強調処理について説明する。なお、その他の処理は、第3の実施の形態と同様である。
【0111】
テクスチャー強調部100では、まず、輝度信号Y1 がS/T分離回路10においてストラクチャー成分S1,テクスチャー成分T1に分離される。そのうち、テクスチャー成分T1は、テクスチャー増幅回路20に入力され、以下の処理が施される。なお、S/N比検出部107は、求めたS/N比を、テクスチャー増幅回路20の増幅制限回路23と増幅器25に出力する。
【0112】
増幅制限回路23には、画像信号のS/N比と、テクスチャー成分T1とが入力される。増幅制限回路23は、テクスチャー成分T1のうち増幅対象としない振幅領域の上限値および下限値を不感帯幅に設定し、コアリングを行う。その際、不感帯幅は、S/N比、つまりノイズの大きさに応じて設定する。これにより、テクスチャー成分T1のうち、定めた範囲の微小振幅領域(不感帯内)の出力値がゼロとなる。それ以外の範囲(不感帯外)にある信号成分からは、不感帯内成分に相当する振幅値が差し引かれたものとなる。処理後の信号は、テクスチャー成分T21として増幅器25に出力される。
【0113】
次いで、増幅器25にてテクスチャー成分T21を増幅する。このとき、テクスチャー成分T21のうち、増幅制限回路23における不感帯内の信号成分は全く増幅されず、不感帯外の信号成分のみがゲインAt で選択的に増幅される。こうして、テクスチャー成分T21のうち、ノイズの大半が含まれていると判断される領域は増幅させないようにすることで、ノイズの増幅が抑えられる。また、ここでは、増幅器25は、ゲインAt を画像信号のS/N比に応じて設定する。そのため、ノイズ量に応じて増幅度が抑えられ、不感帯外の信号成分に残されているノイズを過大に強調してしまうことが防止される。増幅後の信号は、テクスチャー成分T22として加算器27に出力される。
【0114】
加算器27は、入力されるテクスチャー成分T1,テクスチャー成分T22を加算する。これにより、テクスチャー成分T1が(1+At )倍されたテクスチャー成分T2が出力される。テクスチャー成分T2は、ノイズ成分が増幅されないようなテクスチャー強調処理がS/N比に応じて施されることで、テクスチャー成分が強調されつつも、これに伴うノイズの強調が回避されたものとなる。
【0115】
以下の動作は、第3の実施の形態と同様である。ディスプレイ106に表示される画像は、テクスチャー成分が強調されつつも、これに伴うノイズの強調が回避されており、画質を適正に補正したものとなる。
【0116】
このように本実施の形態によれば、テクスチャー強調処理を行う画像表示装置において、S/N比検出部107を設け、テクスチャー増幅回路20を増幅制限回路23,増幅器25,加算器27により構成して、テクスチャー成分T1のうちノイズ成分が含まれる微小振幅領域は増幅されないようにしたので、ノイズの増幅が回避される。また、増幅制限回路23の不感帯幅および増幅器25のゲインAt を、画像信号のS/N比に応じて設定するようにしたので、増幅制限範囲を適正に設定できると共に、ノイズ増幅を見越してテクスチャー成分の増幅強度を調整することができる。本実施の形態では、こうした効果の相乗作用によってノイズの強調が効果的に回避され、ノイズの強調抑制とテクスチャー強調とが共に適度に施された出力画像を得ることができる。
【0117】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、本発明の画像表示装置の構成は、第1ないし第3の実施の形態における画像表示装置に限定されず、これら実施の形態の構成を組み合わせることによって実現されてもよい。また、その構成要素各々の回路構成は、上記実施の形態に説明したものはあくまで一例であり、説明した機能を果たすものであれば、どのように構成されていも構わない。その意味では、回路として構成される場合だけでなく、ソフトウエア上に実現されていてもよい。
【0118】
また、上記実施の形態では画像表示装置について説明したが、本発明の画像処理装置は、画像表示機能を有する装置に限定されず、画像処理を行うそのほかの装置全般に適用が可能である。そのような装置としては、テレビジョンカメラ、VTR、プリンタ等がある。
【0119】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像処理装置、または請求項10記載の画像表示装置、または請求項11記載の画像処理方法によれば、少なくともテクスチャー成分の増幅の度合いに応じた画像の補正を行うようにしたので、画像の補正量が適正に制御され、画質の低下を回避することができる。
【0120】
特に、ストラクチャー成分とテクスチャー成分とを合成した後に、画像の輪郭を強調する輪郭強調成分の量を、テクスチャー成分の増幅の度合いに応じて調整するようにしたので、輪郭強調効果のある成分を既に有してる信号に対し、その成分量を調整するようにシャープネスが施され、輪郭強調効果が補正されるので、最終的に、適度に輪郭が強調された出力画像を得ることが可能となる。これにより、シャープネスが過大に施されることで画質低下をまねくことが抑止される。さらには、テクスチャー強調処理とシャープネス処理とを互いの効果のバランスをとりながら施すことができ、出力画像全体の鮮鋭度を違和感のないように保つことが可能となる。
【0121】
また、請求項3ないし請求項5のいずれか一項に記載の画像処理装置によれば、請求項1記載の画像処理装置において、さらなる補正手段として、データ分離手段の前段に設けられると共に、画像の輪郭部分から輪郭強調成分を除去する輪郭成分除去手段を備えるようにしたので、テクスチャー強調処理の前の段階で、画像データに余分に含まれてきた元信号由来の輪郭強調効果のある成分が低減され、その周波数特性が平坦化される。したがって、元信号由来の輪郭強調効果のある成分が、その後行われるテクスチャー強調処理に及ぼす影響を低減でき、テクスチャー強調の効果が前面に出たコントラスト強調画像を得ることができる。
【0122】
また、請求項6または請求項7記載の画像処理装置によれば、請求項1記載の画像処理装置において、補正手段として、画像データのS/N比を検出するS/N比検出手段と、テクスチャー増幅手段の前段に設けられると共に、テクスチャー成分から、検出された画像データのS/N比に応じた範囲の微小振幅領域を除去するノイズ除去手段とを備えるようにしたので、ノイズ低減の効果とテクスチャー強調効果とのバランスがS/N比によって調整される。したがって、両者が適正な度合いで施され、ノイズが目立たず、コントラストが強調された出力画像を得ることが可能となる。
【0123】
また、請求項8または請求項9記載の画像処理装置によれば、請求項1記載の画像処理装置において、補正手段として、画像データのS/N比を検出するS/N比検出手段と、テクスチャー増幅手段の前段に設けられると共に、検出された画像データのS/N比に応じてテクスチャー成分における増幅対象を制限する増幅制限手段とを備えるようにしたので、ノイズ成分に相当する微小振幅領域の増幅を制限するというノイズ増幅抑制の効果と、テクスチャー強調効果とのバランスがS/N比によって調整される。したがって、両者が適正な度合いで施され、ノイズが目立たず、コントラストが強調された出力画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の形態に係る画像表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した画像表示装置におけるテクスチャー強調部の構成を示す回路ブロック図である。
【図3】図2に示したテクスチャー強調部の作用を説明するための図である。
【図4】図2に示したテクスチャー強調部におけるS/T分離回路の具体的な構成を示す回路ブロック図である。
【図5】図2に示したテクスチャー強調部におけるストラクチャー補正回路の作用を説明するための図である。
【図6】図1に示した画像表示装置におけるシャープネス部の主要部の構成を示す回路ブロック図である。
【図7】図6に示したシャープネス回路において生成されるシャープネス信号について説明するための信号波形図である。
【図8】図1に示した画像表示装置における信号処理の流れについての信号の波形と周波数特性による説明図である。
【図9】図6に示したシャープネス回路の行う信号処理について説明する周波数特性図である。
【図10】本発明の第2の形態に係る画像表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示した画像表示装置におけるデシャープネス回路の構成を示す回路ブロック図である。
【図12】図10に示した画像表示装置における信号処理の流れについての信号の波形と周波数特性による説明図である。
【図13】本発明の第3の形態に係る画像表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示した画像表示装置におけるS/N比検出部107が行うノイズ検出の方法を説明するための図である。
【図15】図13に示した画像表示装置におけるテクスチャー強調部100の構成を示すブロック図である。
【図16】図13に示した画像表示装置におけるノイズ除去回路70のコアリング処理について説明するための図である。
【図17】図13に示した画像表示装置におけるノイズ除去回路70の具体的構成を示す回路ブロック図である。
【図18】本発明の第4の形態に係る画像表示装置の主要部を示すブロック図である。
【図19】一般的なシャープネス処理を説明する信号波形図である。
【図20】一般的なシャープネス処理を説明する周波数特性図である。
【図21】一般的なテクスチャー強調処理を説明する信号波形図である。
【図22】一般的なテクスチャー強調処理を説明する周波数特性図である。
【図23】一般的なテレビジョン信号のチューナ復調出力の周波数特性図である。
【図24】図22に示した信号にテクスチャー強調処理を施したのちの周波数特性を示す図である。
【符号の説明】
10…S/T分離回路、11…レベル判定手段、12…周波数判定手段、13…フィルタ特性決定手段、14…非線形フィルタ、15…減算器、20…テクスチャー増幅回路、23…増幅制限回路、25…増幅器、27…加算器、30…ストラクチャー補正回路、40…加算器、50…遅延回路、60…クロマアンプ、70…ノイズ除去回路、100…テクスチャー強調部、200…シャープネス部、210…シャープネス回路、300…デシャープネス部、310…デシャープネス回路、101…チューナ、102…Y/C分離回路、103…クロマデコーダ、104…マトリクス回路、105…ドライバ、106…ディスプレイ、107…S/N比検出部、S1,S2…ストラクチャー成分、T1,T11,T2…テクスチャー成分、TE…エンハンスゲイン、SG…シャープネスゲイン、At …増幅器ゲイン、Y0 〜Y3 …輝度信号、U0 〜U3 ,V0 〜V3 …色差信号。
Claims (11)
- 画像データ中の輝度信号における振幅レベルおよび周波数に基づいて前記輝度信号の平滑化を行うことで画像の輪郭を構成するストラクチャー成分を抽出すると共に、前記輝度信号から前記ストラクチャー成分を差し引くことで画像の細部を構成するテクスチャー成分を抽出するデータ分離手段と、
前記テクスチャー成分を増幅するテクスチャー増幅手段と、
前記ストラクチャー成分とテクスチャー成分を合成して加工データを生成する合成手段と、
少なくとも前記テクスチャー成分の増幅の度合いに応じた画像の補正を行う補正手段と
を備え、
前記補正手段として、
前記合成手段の後段に設けられると共に、画像の輪郭を強調する輪郭強調成分の量を、前記テクスチャー成分の増幅の度合いに応じて調整する輪郭調整手段を備えた
ことを特徴とする画像処理装置。 - 前記輪郭調整手段は、
前記加工データの時間軸上の信号波形において、画像の輪郭に相当するエッジの前後の縁部各々に前記テクスチャー成分の増幅の度合いに応じて設定される正または負の補正量をもつ輪郭補正成分を付加する
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記補正手段として、さらに、
前記データ分離手段の前段に設けられると共に、画像の輪郭部分から輪郭強調成分を除去する輪郭成分除去手段を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - 前記輪郭成分除去手段は、
前記画像データの時間軸上の信号波形において、画像の輪郭に相当するエッジの前後の縁部各々を平滑化する
ことを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。 - 前記輪郭成分除去手段は、前記エッジの前の縁部よりも後の縁部からより多くの差分を除去する
ことを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。 - 前記補正手段として、
前記画像データのS/N比を検出するS/N比検出手段と、
前記テクスチャー増幅手段の前段に設けられると共に、前記テクスチャー成分から、検出された画像データのS/N比に応じた範囲の微小振幅領域を除去するノイズ除去手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - さらに、前記テクスチャー増幅手段は、検出された画像データのS/N比に応じて前記テクスチャー成分を増幅するように構成されている
ことを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。 - 前記補正手段として、
前記画像データのS/N比を検出するS/N比検出手段と、
前記テクスチャー増幅手段の前段に設けられると共に、検出された画像データのS/N比に応じて前記テクスチャー成分における増幅対象を制限する増幅制限手段と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 - さらに、前記テクスチャー増幅手段は、検出された画像データのS/N比に応じて前記テクスチャー成分を増幅するように構成されている
ことを特徴とする請求項8記載の画像処理装置。 - 画像データ中の輝度信号における振幅レベルおよび周波数に基づいて前記輝度信号の平滑化を行うことで画像の輪郭を構成するストラクチャー成分を抽出すると共に、前記輝度信号から前記ストラクチャー成分を差し引くことで画像の細部を構成するテクスチャー成分を抽出するデータ分離手段と、
前記テクスチャー成分を増幅するテクスチャー増幅手段と、
前記ストラクチャー成分とテクスチャー成分を合成して加工データを生成する合成手段と、
少なくとも前記テクスチャー成分の増幅の度合いに応じた画像の補正を行う補正手段と
を備え、
前記補正手段として、
前記合成手段の後段に設けられると共に、画像の輪郭を強調する輪郭強調成分の量を、前記テクスチャー成分の増幅の度合いに応じて調整する輪郭調整手段を備えた
ことを特徴とする画像表示装置。 - 画像データ中の輝度信号における振幅レベルおよび周波数に基づいて前記輝度信号の平滑化を行うことで画像の輪郭を構成するストラクチャー成分を抽出すると共に、前記輝度信号から前記ストラクチャー成分を差し引くことで画像の細部を構成するテクスチャー成分を抽出し、
前記テクスチャー成分を増幅したのち、前記ストラクチャー成分とテクスチャー成分を合成して加工データを生成し、
少なくとも前記テクスチャー成分の増幅の度合いに応じた画像の補正を行い、
前記画像の補正として、
前記ストラクチャー成分とテクスチャー成分とを合成した後に、画像の輪郭を強調する輪郭強調成分の量を、前記テクスチャー成分の増幅の度合いに応じて調整する処理を行う
ことを特徴とする画像処理方法。
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