JP2000299793A - 映像表示装置、垂直速度変調装置および映像表示方法 - Google Patents

映像表示装置、垂直速度変調装置および映像表示方法

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JP2000299793A
JP2000299793A JP11138395A JP13839599A JP2000299793A JP 2000299793 A JP2000299793 A JP 2000299793A JP 11138395 A JP11138395 A JP 11138395A JP 13839599 A JP13839599 A JP 13839599A JP 2000299793 A JP2000299793 A JP 2000299793A
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scanning
scanning line
luminance
signal
vertical
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JP11138395A
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Hideyo Uehata
秀世 上畠
Katsumi Terai
克美 寺井
Minoru Miyata
稔 宮田
Toshiaki Kitahara
敏明 北原
Naoji Okumura
直司 奥村
Kazuto Tanaka
和人 田中
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04NPICTORIAL COMMUNICATION, e.g. TELEVISION
    • H04N3/00Scanning details of television systems; Combination thereof with generation of supply voltages
    • H04N3/10Scanning details of television systems; Combination thereof with generation of supply voltages by means not exclusively optical-mechanical
    • H04N3/30Scanning details of television systems; Combination thereof with generation of supply voltages by means not exclusively optical-mechanical otherwise than with constant velocity or otherwise than in pattern formed by unidirectional, straight, substantially horizontal or vertical lines
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直方向の走査速度の変調により鮮明な再生
画像を得ることができる垂直速度変調装置ならびにそれ
を用いた映像表示装置および映像表示方法を提供するこ
とである。 【解決手段】 平行走査回路11は往路および復路の走
査線を平行にするための平行走査信号を出力する。垂直
相関検出回路12は輝度信号に基づいて垂直方向におけ
る輝度の変化が所定値を超える部分を検出し、走査線の
移動量を示す移動制御信号を出力する。リトレース期間
反転回路13はリトレース期間に移動制御信号の時間軸
を反転させる。クランプ回路14は移動制御信号を水平
同期信号のタイミングで所定の直流電圧にクランプす
る。合成回路15は平行走査信号および移動制御信号を
合成し、合成された信号を垂直速度変調信号として垂直
速度変調コイルVMVに供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子ビームの走査
速度の変調による画質補正の機能を有する垂直速度変調
装置およびそれを用いた映像表示装置および映像表示方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のテレビジョン受像機、ディスプレ
イ用モニタ装置等の映像表示装置では、一般に、単方向
走査方式が用いられている。図31は従来の単方向順次
走査方式を示す図である。図31に示すように、単方向
順次走査方式では、画面の左側から右側へ向かってやや
斜め下方に走査が行われる。走査線数525本の順次走
査方式では、水平走査周波数は31.5KHzであり、
水平走査期間は31.75μsである。
【0003】近年、高画質化を図るために双方向走査方
式が提案されている。図32は双方向順次走査方式を示
す図である。図32に示すように、奇数番目の走査線は
画面の左側から右側へ向かって水平に走査され、偶数番
目の走査線は画面の右側から左側へ向かって水平に走査
される。走査線数1050本の双方向順次走査方式で
は、水平走査周波数は63.0KHzであり、水平走査
期間は15.87μsである。
【0004】双方向走査方式では、垂直方向における走
査線の密度が二倍になるため、解像度が高くなるととも
に輝度が向上する。また、往復走査を行っているため、
電子ビームの偏向のための電力が低減され、電源回路の
規模を小型化することが可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、双方向
走査方式では、走査線間の間隔が短くなるため、各走査
線の輝度が隣接する走査線の輝度の影響を受けやすくな
る。それにより、再生画像の鮮明さが低下する場合が生
じる。
【0006】例えば、特開平10−23290号公報に
は、電子ビームを垂直方向に速度変調することにより垂
直輪郭補正を行うことが開示されている。
【0007】特開平10−23290号公報に開示され
た垂直方向の速度変調では、図33(a),(b)に示
すように、輝度が低いレベルから高い方向に変化する点
で輝度の低い走査線を輝度の高い走査線に近づけ、輝度
が高いレベルから低い方向に変化する点で輝度の高い走
査線を輝度の低い走査線に近づけている。例えば、輝度
の低い走査線h2を下方向にΔpだけシフトさせ、輝度
の高い走査線h5を上方向にΔpだけシフトさせてい
る。
【0008】この特開平10−23290号公報では、
走査線の間隔が密な部分は輝度が明るくなり、走査線の
間隔が粗な部分は輝度が暗くなり、その結果、画像の垂
直輪郭部分のような輝度変化部分の輝度変化を急峻なも
のとすることができると説明されている。
【0009】しかしながら、上記の従来の垂直方向の走
査速度の変調方法によれば、本来暗い部分が明るくな
り、かえって輪郭がぼけてしまうという現象が生じる。
【0010】本発明の目的は、垂直方向の走査速度の変
調により鮮明な再生画像を得ることができる垂直速度変
調装置ならびにそれを用いた映像表示装置および映像表
示方法を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、垂直方向の走査速度
の変調により鮮明な再生画像を得ることができるととも
に小型化および低コスト化を図ることが可能な垂直速度
変調装置ならびにそれを用いた映像表示装置および映像
表示方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】(1)第1の発明 第1の発明に係る映像表示装置は、電子ビームを水平方
向に偏向させて画面上の水平方向に走査線を形成する水
平偏向手段と、電子ビームを垂直方向に偏向させる垂直
偏向手段と、垂直方向における輝度の変化部で所定値以
上の輝度を有する走査線の部分が所定値よりも低い輝度
を有する隣接する他の走査線の部分から遠ざかるように
電子ビームの垂直方向の走査速度を変調する垂直速度変
調手段とを備えたものである。
【0013】本発明に係る映像表示装置においては、電
子ビームが水平方向および垂直方向に偏向されることに
より、画面上に水平方向の走査線が順に形成される。こ
の場合、垂直方向における輝度の変化部で所定値以上の
輝度を有する走査線の部分が所定値よりも低い輝度を有
する隣接する他の走査線の部分から遠ざかるように電子
ビームの垂直方向の走査速度が変調される。
【0014】それにより、輝度の高い走査線の部分が輝
度の低い走査線の部分から遠ざかる方向にシフトされる
ので、輝度の低い走査線の部分が隣接する輝度の高い走
査線の部分の影響を受けにくくなり、輝度の低い走査線
の部分が本来の低い輝度レベルになる。また、輝度の高
い走査線の部分がさらに輝度の高い走査線の部分に近接
するため、輝度の高い走査線の部分が本来の輝度レベル
よりも高くなる。その結果、再生画像の垂直方向の輪郭
が強調される。
【0015】(2)第2の発明 第2の発明に係る映像表示装置は、第1の発明に係る映
像表示装置の構成において、水平偏向手段は、電子ビー
ムを水平方向に往復偏向させて画面上に往路および復路
の走査線を形成するものである。
【0016】この場合、双方向走査により高密度の再生
画像が得られるとともに、垂直方向の走査速度の変調に
より垂直方向における画像の輪郭が強調される。その結
果、高画質化が図られる。
【0017】(3)第3の発明 第3の発明に係る映像表示装置は、第2の発明に係る映
像表示装置の構成において、垂直速度変調手段は、水平
偏向手段による往路および復路の走査線を平行にするた
めの平行走査信号を出力する平行走査手段と、輝度信号
に基づいて走査線の垂直方向の移動を制御する移動制御
信号を生成する移動制御手段と、平行走査手段により出
力された平行走査信号および移動制御手段により生成さ
れた移動制御信号を合成する合成手段と、合成手段によ
り合成された信号に基づいて電子ビームの垂直方向の走
査速度を変調するための磁界を発生する垂直速度変調コ
イルとを含むものである。
【0018】この場合、往路および復路の走査線を平行
にするための平行走査信号および走査線の垂直方向の移
動を制御する移動制御信号が合成され、合成された信号
に基づいて垂直速度変調コイルにより電子ビームの垂直
方向の走査速度を変調するための磁界が発生される。こ
のように、共通の垂直速度変調コイルにより平行走査お
よび垂直方向の走査速度の変調が行われるので、映像表
示装置の小型化および低コスト化が図られる。
【0019】(4)第4の発明 第4の発明に係る映像表示装置は、第3の発明に係る映
像表示装置の構成において、移動制御手段は、輝度信号
に基づいて垂直方向における輝度の変化部を検出する変
化部検出手段と、輝度信号に基づいて変化部検出手段に
より検出された輝度の変化部における走査線の垂直方向
の移動量を移動制御信号として出力する移動量出力手段
と、水平偏向手段による復路の走査時に移動量出力手段
により出力される移動制御信号の時間軸を反転させる時
間軸反転手段とを含むものである。
【0020】この場合、輝度信号に基づいて垂直方向に
おける輝度の変化部が検出され、輝度の変化部における
走査線の垂直方向の移動量が移動制御信号として出力さ
れる。そして、復路の走査時に移動制御信号の時間軸が
反転される。それにより、双方向走査における垂直方向
の走査速度の変調が可能となる。
【0021】(5)第5の発明 第5の発明に係る映像表示装置は、第3または第4の発
明に係る映像表示装置の構成において、垂直速度変調手
段は、移動制御手段により生成される移動制御信号を所
定のタイミングで所定の電位にクランプするクランプ手
段をさらに含むものである。
【0022】この場合、移動制御信号を所定のタイミン
グで所定の電位にクランプすることにより、各走査線を
それぞれ予め設定された基準位置に形成するとともに、
垂直方向における輝度の変化部で各走査線の部分を基準
位置から移動させることができる。それにより、各走査
線のずれによる画質の劣化が防止される。
【0023】(6)第6の発明 第6の発明に係る映像表示装置は、第3、第4または第
5の発明に係る映像表示装置の構成において、垂直速度
変調手段は、合成手段により合成された信号を増幅する
増幅器と、増幅器の利得を制御する利得制御手段とをさ
らに含むものである。
【0024】この場合、合成手段により合成された信号
が、増幅器により増幅されて垂直速度変調コイルに供給
される。特に、利得制御手段により増幅器の利得を制御
することにより、走査線間の間隔および輝度の変化部で
の走査線の部分の移動量を制御することができる。
【0025】(7)第7の発明 第7の発明に係る映像表示装置は、第6の発明に係る映
像表示装置の構成において、利得制御手段は、水平偏向
手段により画面上に形成される走査線の数に基づいて増
幅器の利得を制御するものである。
【0026】この場合、画面上に形成される走査線の数
に応じて走査線間の間隔および輝度の変化部での走査線
の部分の移動量を制御することができる。それにより、
走査線数に応じた画質の向上を図ることができる。
【0027】(8)第8の発明 第8の発明に係る映像表示装置は、第6または第7の発
明に係る映像表示装置の構成において、利得制御手段
は、水平偏向手段により画面上に形成される走査線の位
置に応じて増幅器の利得を制御するものである。
【0028】この場合、画面上に形成される走査線の位
置に応じて走査線間の間隔および輝度の変化部での走査
線の部分の移動量を制御することができる。それによ
り、画面上の位置に応じた画質の向上を図ることができ
る。
【0029】(9)第9の発明 第9の発明に係る映像表示装置は、第1の発明に係る映
像表示装置の構成において、垂直速度変調手段は、対象
となる走査線の部分に対して所定数の水平走査期間前の
走査線の部分の輝度と所定数の水平走査期間後の走査線
の部分の輝度との差分および対象となる走査線の部分の
輝度のレベルに基づいて対象となる走査線の部分の移動
量を移動制御信号として出力する移動量出力手段と、移
動量出力手段から出力される移動制御信号に基づいて電
子ビームの垂直方向の走査速度を変調するための磁界を
発生する垂直速度変調コイルとを含むものである。
【0030】この場合、対象となる走査線の部分に対し
て所定の本数前の走査線の部分の輝度と所定の本数後の
走査線の部分の輝度との差分および対象となる走査線の
部分の輝度のレベルに基づいて対象となる走査線の部分
の移動量が設定される。このようにして輝度の変化量お
よび輝度のレベルに応じて走査線の部分が移動すること
により再生画像の垂直方向の輪郭が強調される。
【0031】(10)第10の発明 第10の発明に係る映像表示装置は、第9の発明に係る
映像表示装置の構成において、移動量出力手段は、対象
となる走査線の部分に対して所定数の水平走査期間前の
走査線の部分の輝度と所定数の水平走査期間後の走査線
の部分の輝度との差分を算出する差分算出手段と、差分
算出手段の出力信号に基づいて第1の移動量信号を出力
する第1の信号出力手段と、対象となる走査線の部分の
輝度に基づいて第2の移動量信号を出力する第2の信号
出力手段と、第1の信号出力手段から出力される第1の
移動量信号と第2の信号出力手段から出力される第2の
移動量信号とを乗算し、乗算結果を移動制御信号として
出力する乗算手段とを含むものである。
【0032】この場合、対象となる走査線の部分に対し
て所定の本数前の走査線の部分の輝度と所定の本数後の
走査線の部分の輝度との差分に基づいて第1の移動量信
号が出力されるとともに、対象となる走査線の部分の輝
度に基づいて第2の移動量信号が出力され、第1の移動
量信号と第2の移動量信号とが乗算され、乗算結果が移
動制御信号として出力される。
【0033】(11)第11の発明 第11の発明に係る映像表示装置は、第10の発明に係
る映像表示装置の構成において、第1の信号出力手段
は、差分算出手段の出力信号の値が所定値よりも小さい
場合に第1の移動量信号の値を0に設定し、第2の信号
出力手段は、対象となる走査線の部分の輝度が所定値よ
りも小さい場合に第2の移動量信号の値を0に設定する
ものである。
【0034】この場合、輝度の変化量が所定値よりも小
さい場合および対象となる走査線の部分の輝度が所定値
よりも小さい場合に垂直速度変調が行われないように走
査線の部分の移動量が0に設定される。
【0035】(12)第12の発明 第12の発明に係る映像表示装置は、第9〜第11のい
ずれかの発明に係る映像表示装置の構成において、所定
数の水平走査期間前の走査線は2水平走査期間前の走査
線であり、所定数の水平走査期間後の走査線は2水平走
査期間後の走査線であるものである。
【0036】この場合、対象となる走査線の部分に対し
て2本前の走査線の部分の輝度と2本後の走査線の部分
の輝度との差分および対象となる走査線の部分の輝度に
基づいて対象となる走査線の部分の移動量が設定され
る。
【0037】(13)第13の発明 第13の発明に係る映像表示装置は、第9〜第11のい
ずれかの発明に係る映像表示装置の構成において、所定
数の水平走査期間前の走査線は1水平走査期間前の走査
線であり、所定数の水平走査期間後の走査線は1水平走
査期間後の走査線であるものである。
【0038】この場合、対象となる走査線の部分に対し
て1本前の走査線の部分の輝度と1本後の走査線の部分
の輝度との差分および対象となる走査線の部分の輝度に
基づいて対象となる走査線の部分の移動量が設定され
る。
【0039】(14)第14の発明 第14の発明に係る映像表示装置は、第9〜第13のい
ずれかの発明に係る映像表示装置の構成において、垂直
速度変調手段は、走査線の部分の移動により隣接する走
査線の位置が互いに入れ替わらないように走査線の部分
の移動量を制限する移動量制限手段をさらに含むもので
ある。
【0040】この場合、走査線の部分の移動により隣接
する走査線の位置が互いに入れ替わらないように走査線
の部分の移動量が制限されるので、画質の劣化が生じな
い。
【0041】(15)第15の発明 第15の発明に係る映像表示装置は、第14の発明に係
る映像表示装置の構成において、移動量制限手段は、対
象となる走査線の部分の輝度および対象となる走査線の
部分に対して2水平走査期間後の走査線の部分の輝度が
所定値以上であり、かつ対象となる走査線の部分に対し
て2水平走査期間前の走査線の部分の輝度、3水平走査
期間前の走査線の部分の輝度および3水平走査期間後の
走査線の部分の輝度が所定値よりも低い場合、または対
象となる走査線の部分の輝度および対象となる走査線の
部分に対して2水平走査期間前の走査線の部分の輝度が
所定値以上であり、かつ対象となる走査線の部分に対し
て2水平走査期間後の走査線の部分の輝度、3水平走査
期間後の走査線の部分の輝度および3水平走査期間前の
走査線の部分の輝度が所定値よりも低い場合に、移動量
出力手段から出力される移動制御信号を半分に制限する
ものである。
【0042】この場合、隣接する3本の走査線の部分の
輝度が所定値以上であり、これら3本の走査線よりも前
の走査線の部分およびこれら3本の走査線よりも後の走
査線の部分の輝度が所定値よりも低い場合に、3本の走
査線のうち両側の走査線の部分が中央の走査線の部分に
近づくようにかつ3本の走査線の位置が入れ替わらない
ように両側の走査線の部分が移動する。
【0043】(16)第16の発明 第16の発明に係る映像表示装置は、第1の発明に係る
映像表示装置の構成において、受像管と、受像管内に設
けられ、金属筐体を有する電子銃とをさらに備え、垂直
速度変調手段は、輝度信号に基づいて走査線の垂直方向
の移動を制御する移動制御信号を生成する移動制御手段
と、電子銃の金属筐体の周囲から外れた位置でかつ受像
管の周囲に配置され、移動制御手段により生成された移
動制御信号に基づいて電子ビームの垂直方向の走査速度
を変調するための磁界を発生する垂直速度変調コイルと
を含むものである。
【0044】この場合、垂直速度変調コイルにより形成
される磁界が電子銃の金属筐体に当たらないので、磁界
の中域および高域成分の減衰が起こらない。それによ
り、垂直速度変調コイルの感度が高くなり、小さな電流
で走査線を急峻に変化させることができる。したがっ
て、画像の垂直エッジ部分および水平エッジ部分で走査
線が急峻に変化し、画質の劣化が生じない。
【0045】(17)第17の発明 第17の発明に係る映像表示装置は、第16の発明に係
る映像表示装置の構成において、電子銃の金属筐体の周
囲から外れた位置でかつ受像管の周囲に配置され、水平
偏向手段および垂直偏向手段を構成する偏向ヨークをさ
らに備え、垂直速度変調コイルは、偏向ヨークの内側に
配置されたものである。
【0046】この場合、垂直速度変調コイルにより形成
される磁界が電子銃の金属筐体に当たらない。
【0047】(18)第18の発明 第18の発明に係る映像表示装置は、第1の発明に係る
映像表示装置の構成において、垂直速度変調手段は、輝
度信号に基づいて走査線の垂直方向の移動を制御する移
動制御信号を生成する移動制御手段と、移動制御手段に
より生成された移動制御信号の所定の周波数領域を強調
する周波数領域強調手段と、周波数領域強調手段により
強調された移動制御信号に基づいて電子ビームの垂直方
向の走査速度を変調するための磁界を発生する垂直速度
変調コイルとを含むものである。
【0048】この場合、輝度信号に基づいて走査線の垂
直方向の移動を制御する移動制御信号が生成され、生成
された移動制御信号の所定の周波数領域が強調され、強
調された移動制御信号に基づいて電子ビームの垂直方向
の走査速度が変調される。それにより、画像の垂直エッ
ジ部分および水平エッジ部分で走査線が急峻に変化し、
画質の劣化が生じない。
【0049】(19)第19の発明 第19の発明に係る映像表示装置は、第18の発明に係
る映像表示装置の構成において、周波数領域強調手段
は、移動制御手段により生成された移動制御信号の所定
の周波数領域を抽出する抽出手段と、移動制御手段によ
り生成された移動制御信号と抽出手段により抽出された
周波数領域の信号とを加算する加算手段とを含むもので
ある。
【0050】この場合、移動制御信号の所定の周波数領
域が抽出され、移動制御信号と抽出された周波数領域の
信号とが加算される。それにより、移動制御信号の所定
の周波数領域が強調される。
【0051】(20)第20の発明 第20の発明に係る垂直速度変調装置は、画面上に水平
方向の走査線を順に形成するための電子ビームの垂直方
向の走査速度を変調する垂直速度変調装置であって、輝
度信号に基づいて垂直方向における輝度の変化部で所定
値以上の輝度を有する走査線の部分が所定値よりも低い
輝度を有する隣接する他の走査線の部分から遠ざかるよ
うに走査線の垂直方向の移動を制御する移動制御信号を
生成する移動制御手段と、移動制御手段により生成され
た移動制御信号に基づいて電子ビームの垂直方向の走査
速度を変調するための磁界を発生する垂直速度変調コイ
ルとを備えたものである。
【0052】本発明に係る垂直速度変調装置において
は、輝度信号に基づいて垂直方向における輝度の変化部
で所定値以上の輝度を有する走査線の部分が所定値より
も低い輝度を有する隣接する他の走査線の部分から遠ざ
かるように走査線の垂直方向の移動を制御する移動制御
信号が生成され、移動制御信号に基づいて電子ビームの
垂直方向の走査速度を変調するための磁界が発生され
る。
【0053】それにより、輝度の高い走査線の部分が輝
度の低い走査線の部分から遠ざかる方向にシフトされ
る。したがって、輝度の低い走査線の部分が隣接する輝
度の高い走査線の部分の影響を受けにくくなり、輝度の
低い走査線の部分が本来の低い輝度レベルになる。ま
た、輝度の高い走査線の部分がさらに輝度の高い走査線
の部分に近接するため、輝度の高い走査線の部分が本来
の輝度レベルよりも高くなる。その結果、再生画像の垂
直方向の輪郭が強調される。
【0054】(21)第21の発明 第21の発明に係る垂直速度変調装置は、第20の発明
に係る垂直速度変調装置の構成において、電子ビームの
往復偏向により画面上に形成される往路および復路の走
査線を平行にするための平行走査信号を出力する平行走
査手段と、移動制御手段により生成された移動制御信号
および平行走査手段により出力された平行走査信号を合
成する合成手段とをさらに備え、垂直速度変調コイル
は、合成手段により合成された信号に基づいて電子ビー
ムの垂直方向の走査速度を変調するための磁界を発生す
るものである。
【0055】この場合、双方向走査により高密度の再生
画像が得られるとともに、垂直方向の走査速度の変調に
より垂直方向における画像の輪郭が強調される。その結
果、再生画像の高画質化が図られる。
【0056】また、双方向走査における往路および復路
の走査線を平行にするための平行走査信号および走査線
の垂直方向の移動を制御する移動制御信号が合成され、
合成された信号に基づいて垂直速度変調コイルにより電
子ビームの垂直方向の速度を変調するための磁界が発生
される。このように、共通の垂直速度変調コイルにより
平行走査および垂直方向の走査速度の変調が行われるの
で、垂直速度変調装置の小型化および低コスト化が図ら
れる。
【0057】(22)第22の発明 第22の発明に係る垂直速度変調装置は、第20または
第21の発明に係る垂直速度変調装置の構成において、
移動制御手段は、対象となる走査線の部分に対して所定
数の水平走査期間前の走査線の部分の輝度と所定数の水
平走査期間後の走査線の部分の輝度との差分および対象
となる走査線の部分の輝度のレベルに基づいて対象とな
る走査線の部分の移動量を移動制御信号として出力する
ものである。
【0058】この場合、対象となる走査線の部分に対し
て所定の本数前の走査線の部分の輝度と所定の本数後の
走査線の部分の輝度との差分および対象となる走査線の
部分の輝度のレベルに基づいて対象となる走査線の部分
の移動量が設定される。このようにして輝度の変化量お
よび輝度のレベルに応じて走査線の部分が移動すること
により再生画像の垂直方向の輪郭が強調される。
【0059】(23)第23の発明 第23の発明に係る垂直速度変調装置は、第20〜第2
2のいずれかの発明に係る垂直速度変調装置の構成にお
いて、移動制御手段により生成された移動制御信号の所
定の周波数領域を強調する周波数領域強調手段をさらに
備えてもよい。
【0060】この場合、移動制御信号の所定の周波数領
域が強調され、強調された移動制御信号に基づいて電子
ビームの垂直方向の走査速度が変調される。それによ
り、画像の垂直エッジ部分および水平エッジ部分で走査
線が急峻に変化し、画質の劣化が生じない。
【0061】(24)第24の発明 第24の発明に係る垂直速度変調装置は、第23の発明
に係る垂直速度変調装置の構成において、周波数領域強
調手段は、移動制御手段により生成された移動制御信号
の所定の周波数領域を抽出する抽出手段と、移動制御信
号により生成された移動制御信号と抽出手段により抽出
された周波数領域の信号とを加算する加算手段とを含む
ものである。
【0062】この場合、移動制御信号の所定の周波数領
域が抽出され、移動制御信号と抽出された周波数領域の
信号とが加算される。それにより、移動制御信号の所定
の周波数領域が強調される。
【0063】(25)第25の発明 第25の発明に係る映像表示方法は、電子ビームを水平
方向および垂直方向に偏向させて画面上に水平方向の走
査線を順に形成する映像表示方法において、垂直方向に
おける輝度の変化部で所定値以上の輝度を有する走査線
の部分が所定値よりも低い輝度を有する隣接する他の走
査線の部分から遠ざかるように電子ビームの垂直方向の
走査速度を変調するものである。
【0064】この場合、輝度の高い走査線の部分が隣接
する輝度の低い走査線の部分から遠ざかる方向にシフト
されるので、輝度の低い走査線の部分が隣接する輝度の
高い走査線の部分の影響を受けにくくなり、輝度の低い
走査線の部分が本来の低い輝度レベルになる。また、輝
度の高い走査線の部分がさらに輝度の高い走査線の部分
に近接するため、輝度の高い走査線の部分が本来の輝度
レベルよりも高くなる。その結果、再生画像の垂直方向
の輪郭が強調される。
【0065】(26)第26の発明 第26の発明に係る映像表示方法は、第25の発明に係
る映像表示方法において、電子ビームを水平方向に往復
偏向させて画面上に往路および復路の走査線を形成する
ものである。
【0066】この場合、双方向走査により高密度の再生
画像が得られるとともに、垂直方向の走査速度の変調に
より垂直方向における画像の輪郭が強調される。その結
果、再生画像の高画質化が図られる。
【0067】(27)第27の発明 第27の発明に係る映像表示方法は、第26の発明に係
る映像表示方法において、往路および復路の走査線を平
行にするための平行走査信号を出力するとともに、輝度
信号に基づいて垂直方向における輝度の変化部で走査線
の垂直方向の移動を制御する移動制御信号を生成し、平
行走査信号および移動制御信号を合成し、合成された信
号に基づいて電子ビームの垂直方向の走査速度を変調す
るための磁界を発生するものである。
【0068】この場合、往路および復路の走査線を平行
にするための平行走査信号および走査線の垂直方向の移
動を制御する移動制御信号が合成され、合成された信号
に基づいて電子ビームの垂直方向の走査速度が変調され
るので、平行走査および垂直方向の走査速度の変調のた
めに共通のコイルを用いることができる。それにより、
装置の小型化および低コスト化が図られる。
【0069】(28)第28の発明 第28の発明に係る映像表示方法は、第27の発明に係
る映像表示方法において、輝度信号に基づいて垂直方向
における輝度の変化部を検出し、輝度信号に基づいて輝
度の変化部における走査線の垂直方向の移動量を移動制
御信号として出力し、復路の走査時に移動制御信号の時
間軸を反転させるものである。これにより、双方向走査
における垂直方向の走査速度の変調が可能となる。
【0070】(29)第29の発明 第29の発明に係る映像表示方法は、第27または第2
8の発明に係る映像表示方法において、移動制御信号を
所定のタイミングで所定の電位にクランプするものであ
る。
【0071】この場合、各走査線をそれぞれ予め定めら
れた基準位置に形成するとともに、垂直方向における輝
度の変化部で各走査線の部分を各基準位置から移動させ
ることができる。それにより、各走査線のずれによる画
質の劣化が防止される。
【0072】(30)第30の発明 第30の発明に係る映像表示方法は、第25〜第29の
いずれかの発明に係る映像表示方法において、対象とな
る走査線の部分に対して所定数の水平走査期間前の走査
線の部分の輝度と所定数の水平走査期間後の走査線の部
分の輝度との差分および対象となる走査線の部分の輝度
のレベルに基づいて対象となる走査線の部分の移動量を
設定するものである。
【0073】この場合、対象となる走査線の部分に対し
て所定の本数前の走査線の部分の輝度と所定の本数後の
走査線の部分の輝度との差分および対象となる走査線の
部分の輝度のレベルに基づいて対象となる走査線の部分
の移動量が設定される。このようにして輝度の変化量お
よび輝度のレベルに応じて走査線の部分が移動すること
により再生画像の垂直方向の輪郭が強調される。
【0074】(31)第31の発明 第31の発明に係る映像表示方法は、第25の発明に係
る映像表示方法において、輝度信号に基づいて走査線の
垂直方向における移動を制御する移動制御信号を生成
し、移動制御信号の所定の周波数領域を強調し、移動制
御信号に基づいて電子ビームの垂直方向の走査速度を変
調するための磁界を発生するものである。
【0075】この場合、輝度信号に基づいて走査線の垂
直方向の移動を制御する移動制御信号が生成され、生成
された移動制御信号の所定の周波数領域が強調され、強
調された移動制御信号に基づいて電子ビームの垂直方向
の走査速度が変調される。それにより、画像の垂直エッ
ジ部分および水平エッジ部分で走査線が急峻に変化し、
画質の劣化が生じない。
【0076】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例による映
像表示装置の全体の構成を示すブロック図である。
【0077】図1の映像表示装置は、映像信号処理回路
1、色信号再生回路2、同期信号分離回路3、陰極線管
(CRT)4、水平偏向回路5、水平速度変調回路6、
高圧出力回路7、垂直偏向回路8および垂直速度変調回
路9を含む。陰極線管4には、水平偏向コイルLH、水
平速度変調コイルVMH、垂直偏向コイルLVおよび垂
直速度変調コイルVMVが取り付けられている。
【0078】映像信号処理回路1は、映像信号から輝度
信号および色差信号を分離して出力するとともに映像信
号を同期信号分離回路3に与える。色信号再生回路2
は、映像信号処理回路1から出力される輝度信号および
色差信号から色信号を再生し、陰極線管4に表示信号C
として与える。同期信号分離回路3は、映像信号処理回
路1から与えられる映像信号から水平同期信号Hおよび
垂直同期信号Vを抽出する。
【0079】水平偏向回路5は、水平ドライブ回路、水
平出力回路、歪み補正回路、直線性補正回路およびS字
補正コンデンサを含む。この水平偏向回路5は、映像信
号処理回路1から出力される水平同期信号Hに同期し
て、陰極線管4において電子ビームを水平方向に偏向す
るためにのこぎり歯状の水平偏向信号(水平偏向用電
流)を水平偏向コイルLHに供給する。
【0080】水平速度変調回路6は、プリドライブ回
路、水平速度変調ドライブ回路等を含み、映像信号処理
回路1から出力される輝度信号Yに基づいて、陰極線管
4において電子ビームを水平方向に速度変調するための
水平速度変調信号(水平速度変調用電流)を水平速度変
調コイルVMHに供給し、水平輪郭補正を行う。
【0081】高圧出力回路7は、高圧ドライブ回路、フ
ライバックトランス、ダイナミックオートフォーカス制
御回路およびダイナミックオートフォーカス出力回路を
含み、フォーカス制御等のために陰極線管4に高電圧を
印加する。
【0082】垂直偏向回路8は、垂直出力回路を含み、
映像信号処理回路1から出力される水平同期信号Hおよ
び垂直同期信号Vに同期して、陰極線管4において電子
ビームを垂直方向に偏向するためにのこぎり歯状の垂直
偏向信号(垂直偏向用電流)IVを垂直偏向コイルLV
に供給する。
【0083】垂直速度変調回路9は、後述する図5に示
す構成を有し、映像信号処理回路1から出力される輝度
信号Yおよび水平同期信号Hに基づいて、陰極線管4に
おける電子ビームを垂直方向に速度変調するための垂直
速度変調信号(垂直速度変調用電流)SFを垂直速度変
調コイルVMVに供給し、垂直輪郭補正を行う。
【0084】本実施例の映像表示装置では、双方向走査
を行うとともに垂直方向における走査速度の変調(以
下、垂直速度変調と呼ぶ)を行う。まず、図2および図
3を参照しながら本実施例の映像表示装置において行わ
れる垂直速度変調による垂直輪郭補正について説明す
る。
【0085】図2(a)は垂直輪郭補正前の垂直方向に
おける輝度分布の一例を示す図、図2(b)は垂直輪郭
補正後の垂直方向における輝度分布の一例を示す図であ
る。走査線L1〜L7の本来の輝度をp1〜p7で表
す。走査線L1,L7の輝度p1,p7は低く、走査線
L2,L6の輝度p2,p6はやや高く、走査線L3,
L4,L5の輝度p3,p4,p5は最も高くなってい
る。
【0086】図2(a)に示すように、走査線L1〜L
7の間隔が等しい場合には、輝度の低い走査線L1,L
7は隣接する輝度の高い走査線L2,L6の影響を受け
る。それにより、走査線L1,L7の輝度は本来の輝度
p1,p7よりも高くなり、走査線L1,L7は本来の
輝度よりも白く見える。その結果、再生画像の垂直方向
の輪郭がぼけて見えることになる。
【0087】そこで、図2(b)に示すように、輝度の
高い走査線L2,L6をそれぞれ隣接する輝度の低い走
査線L1,L7から遠ざかる方向にシフトさせる。それ
により、輝度の低い走査線L1,L7が隣接する輝度の
高い走査線L2,L6の影響を受けにくくなり、走査線
L1,L7の輝度が本来の低いレベルになる。また、輝
度の高い走査線L2,L6がさらに輝度の高い走査線L
3,L5に近接するため、走査線L2,L6の輝度は本
来の輝度p2,p6よりも高いレベルになり、白レベル
に近づく。その結果、再生画像の垂直方向の輪郭が強調
される。
【0088】図3(a)は垂直輪郭補正前の走査線およ
びその輝度分布の一例を示す図、図3(b)は垂直輪郭
補正後の走査線およびその輝度分布の一例を示す図であ
る。
【0089】図3(a),(b)において、走査線L
1,L2,L6,L7の輝度を10%とし、走査線L
3,L5の輝度を70%とし、走査線L4の輝度を10
0%とする。
【0090】図3(a)に示すように、輝度が70%の
走査線L3,L5は輝度が10%の走査線L2,L6に
それぞれ隣接する。この場合、図3(b)に示すよう
に、輝度の高い走査線L3,L5を輝度の低い走査線L
2,L6からそれぞれ遠ざける。それにより、輝度の低
い走査線L2,L6が輝度の高い走査線L3,L5の影
響を受けにくくなる。
【0091】このように、明るい走査線を暗い走査線か
ら遠ざけることにより、本来暗い走査線がより暗く見
え、本来明るい走査線がより明るく見える。その結果、
垂直方向における画像の輪郭が強調される。
【0092】双方向走査では、画面上で各走査線を平行
に走査させる必要がある。ここで、図4を参照しながら
平行走査について説明する。なお、以下の説明におい
て、双方向走査において往路の走査をトレースと呼び、
復路の走査をリトレースと呼ぶ。
【0093】図4(a)は図1の垂直偏向回路8から出
力される垂直偏向信号IVの波形図、図4(b)は後述
する平行走査回路11から出力される平行走査信号SA
の波形図、図4(c)は垂直偏向信号IVおよび平行走
査信号SAに基づく平行走査を示す図である。なお、図
4(c)では、走査線数をmとしている。
【0094】図4(a)の垂直偏向信号IVの周期は垂
直同期信号Vの周期と等しく、図4(b)の平行走査信
号SAの周期は水平同期信号Hの周期と等しい。電子ビ
ームは、垂直偏向信号IVおよび平行走査信号SAによ
り1垂直走査期間で1水平走査期間ごとに階段状に上か
ら下へ偏向されるとともに図1の水平偏向回路5から出
力される水平偏向信号により左から右へまたは右から左
へ偏向される。それにより、図4(c)に示すように、
電子ビームが画面上で平行走査される。
【0095】図5は図1の垂直速度変調回路9の構成を
示すブロック図である。また、図6(a)は垂直輪郭補
正前の走査線の一例を示す図、図6(b)は垂直輪郭補
正後の走査線の一例を示す図である。さらに、図7は図
5の垂直速度変調回路9の動作を示す信号波形図であ
る。
【0096】図5において、垂直速度変調回路9は、平
行走査回路11、垂直相関検出回路12、リトレース期
間反転回路13、クランプ回路14、合成回路15、増
幅器16およびCPU(中央演算処理装置)17を含
む。増幅器16には、CPU17から利得制御信号SG
が与えられる。
【0097】本実施例では、水平偏向回路5および水平
偏向コイルLHが水平偏向手段に相当し、垂直偏向回路
8および垂直偏向コイルLVが垂直偏向手段に相当し、
垂直速度変調回路9および垂直速度変調コイルVMVが
垂直速度変調手段に相当する。また、平行走査回路11
が平行走査手段に相当し、垂直相関検出回路12、リト
レース期間反転回路13およびクランプ回路14が移動
制御手段を構成し、合成回路15が合成手段に相当す
る。さらに、クランプ回路14がクランプ手段に相当
し、CPU17が利得制御手段に相当する。
【0098】次に、図7の信号波形図を参照しながら図
5の垂直速度変調回路の動作を説明する。ここでは、図
6に示す再生画像を表示するものとする。
【0099】なお、実際には、後述する垂直相関検出回
路12およびリトーレス期間反転回路13においてそれ
ぞれ1水平走査期間ずつ信号の遅延が生じるが、図7の
信号波形図では、本実施例の概念的な理解を容易にする
ために信号の遅延は考慮していない。
【0100】図6(a)に示すように、走査線L1,L
2,L5,L6の輝度が高く、走査線L3,L4の一部
の輝度が低くなっている。この場合、図6(b)に示す
ように、走査線L3の輝度の低い部分に隣接する走査線
L2の部分を走査線L3から遠ざける方向にシフトさせ
る。また、走査線L4の輝度の低い部分に隣接する走査
線L5の部分を走査線L4から遠ざける方向にシフトさ
せる。
【0101】図5の平行走査回路11は、水平同期信号
Hに同期してのこぎり歯状の平行走査信号SAを出力す
る。垂直相関検出回路12は、輝度信号Yに基づいて垂
直方向における輝度の変化が所定値を超える部分を検出
し、走査線の移動量を示す移動制御信号SBを出力す
る。
【0102】本例では、移動制御信号SBに負の移動量
を示すパルスP1および正の移動量を示すパルスP2が
現われている。この場合、パルスP1の箇所で走査線が
上方にシフトされ、パルスP2の箇所で走査線が下方に
シフトされる。
【0103】リトレース期間反転回路13は、トレース
期間に垂直相関検出回路12から出力される移動制御信
号SBをそのまま出力し、リトレース期間に垂直相関検
出回路12から出力される移動制御信号SBの時間軸を
反転させ、得られた信号を移動制御信号SCとして出力
する。この移動制御信号SCは、平均の電圧レベルが0
Vとなるように変化する。
【0104】クランプ回路14は、リトレース期間反転
回路13から出力される移動制御信号SCを水平同期信
号Hのタイミングで所定の直流電圧V0 にクランプし、
クランプされた移動制御信号SDを出力する。
【0105】合成回路15は、平行走査回路11から出
力される平行走査信号SAおよびクランプ回路14から
出力される移動制御信号SDを合成し、合成された信号
を垂直速度変調信号SEとして出力する。
【0106】増幅器16は、合成回路15から出力され
る垂直速度変調信号SEを利得制御信号SGにより設定
された利得で増幅し、増幅された垂直速度変調信号SF
で垂直速度変調コイルVMVを駆動する。
【0107】なお、増幅器16の利得は、利得制御信号
SGにより制御することができる。それにより、図8に
示すように、走査線間の間隔を調整することができる。
図8(a),(b)は異なる走査線数の双方向順次走査
を示す図である。
【0108】図8(b)の双方向順次走査では、図8
(a)の双方向順次走査に比べて走査線数が2倍にな
り、走査線間の間隔は2分の1になっている。
【0109】例えば、走査線数525本の双方向順次走
査の場合には、増幅器16の利得を2に設定し、走査線
数1050本の双方向順次走査の場合には、増幅器16
の利得を1に設定する。図7において、利得が2の場合
の垂直速度変調信号SFの波形は破線で示され、利得が
1の場合の垂直速度変調信号SFの波形は実線で示され
る。
【0110】また、増幅器16の利得を制御することに
より、図8(a),(b)に示すように、画面の上部お
よび下部での走査線間の間隔ΔL2,ΔL4を、画面の
中央部での走査線間の間隔ΔL1,ΔL3に比べて大き
く設定することができる。それにより、図1の陰極線管
4の表面の上部および下部の湾曲形状の影響を補正する
ことができる。この場合には、画面の上部および下部で
の垂直速度変調による走査線の移動量は、画面の中央部
での垂直速度変調による走査線の移動量に比べて大きく
なる。
【0111】図9は図5の垂直相関検出回路12の構成
を示すブロック図である。図9において、垂直相関検出
回路12は、A/D(アナログ/デジタル)変換器2
1、丸め回路22、遅延回路23,24、インバータ2
5、加算器26、上下エッジ検出部27、移動量設定部
28およびANDゲート29を含む。
【0112】A/D変換器21は、図1の映像信号処理
回路1から与えられる輝度信号Yを8ビットのデジタル
信号に変換する。このデジタル信号は、符号無し2進数
表現で表される。丸め回路22は、A/D変換器21か
ら出力される8ビットのデジタル信号に丸め処理を行
い、4ビットのデジタル信号aを出力する。
【0113】遅延回路23は、丸め回路22から出力さ
れるデジタル信号aを1水平走査期間遅延させ、遅延さ
れた4ビットのデジタル信号bを出力する。遅延回路2
4は、遅延回路23から出力されたデジタル信号bを1
水平走査期間遅延させ、遅延された4ビットのデジタル
信号cを出力する。
【0114】インバータ25は、遅延回路24から出力
されたデジタル信号cを反転させる。加算器26は、丸
め回路22から出力されたデジタル信号aとインバータ
25から出力されたデジタル信号とを加算する。それに
より、デジタル信号aとデジタル信号cとの減算結果a
−cが得られる。デジタル信号aとデジタル信号cとの
減算結果a−cは2の補数表現で表される。すなわち、
減算結果a−cのMSB(最上位ビット)が“1”のと
きには負の数を表わし、MSBが“0”のときには正の
数を表す。この減算結果a−cは上下エッジ検出部27
に与えられる。
【0115】上下エッジ検出部27には、予め図5のC
PU17から4ビットのしきい値MAGTHが与えられ
る。上下エッジ検出部27は、加算器26から与えられ
る減算結果a−cに基づいてエッジ有無信号eおよび上
下エッジ判定信号dを出力する。ここで、垂直方向にお
いて低い輝度から高い輝度に変化する箇所を上エッジと
呼び、高い輝度から低い輝度に変化する箇所を下エッジ
と呼ぶ。
【0116】上下エッジ検出部27は、減算結果a−c
のMSBビットが“0”のとき、すなわちa−c≧0の
とき、上エッジがあると判定し、上下エッジ判定信号d
を“1”にする。また、上下エッジ検出部27は、減算
結果a−cのMSBビットが“1”のとき、すなわちa
−c<0のとき、下エッジがあると判定し、上下エッジ
判定信号dを“0”にする。さらに、上下エッジ検出部
27は、減算結果a−cが0以外のときに上エッジまた
は下エッジがあると判定し、エッジ有無信号eを“1”
とし、減算結果a−cが0のときに上エッジおよび下エ
ッジがないと判定し、エッジ有無信号eを“0”にす
る。
【0117】移動量設定部28には、予めCPU17か
ら与えられる8個の4ビットの定数MTHnにより移動
量変換テーブルが設定されている。ここで、n=0,
1,2,3,4,5,6,7である。移動量設定部28
は、遅延回路23から出力されるデジタル信号b、上下
エッジ検出部27から出力されるエッジ有無信号eおよ
び上下エッジ判定信号dならびに移動量変換テーブルに
基づいて移動量を決定する。
【0118】図10は移動量変換テーブルの第1の例を
示す図である。図10の例では、定数MTH0,MTH
1,MTH2,MTH3,MTH4,MTH5,MTH
6,MTH7にそれぞれ移動量“0000”,“000
1”,“0010”,“0011”,“0100”,
“0101”,“0110”,“0111”が設定され
ている。
【0119】移動量設定部28は、デジタル信号bの値
と一致するnの値を有する定数MTHnに設定された移
動量を選択する。例えば、デジタル信号bの値が4のと
きには、定数MTH4に設定された移動量“0100”
(=4)を選択する。
【0120】この移動量設定部28は、上下エッジ判定
信号dが“0”のときに、選択した移動量をそのまま出
力し、上下エッジ判定信号dが“1”のときに、移動量
を負の値に変換して出力する。また、移動量設定部28
は、エッジ有無信号eが“0”のときには、選択した移
動量を0に変換して出力する。すなわち、上エッジまた
は下エッジがない場合には、走査線の移動量は0とな
る。
【0121】ANDゲート29の一方の入力端子には移
動量設定部28から出力される移動量が与えられ、他方
の入力端子には垂直速度変調オンオフ信号VVMONが
与えられる。垂直速度変調オンオフ信号VVMONが
“1”のときには、垂直速度変調がオンになる。この場
合、ANDゲート29は、移動量設定部28から与えら
れる移動量を出力する。また、垂直速度変調オンオフ信
号VVMONが“0”のときには、垂直速度変調がオフ
になる。この場合、ANDゲート29の出力信号は
“0”となる。ANDゲート29の出力信号は、移動制
御信号SBとして図5のリトレース期間反転回路13に
与えられる。
【0122】移動量設定部28に設定される移動量変換
テーブルはCPU17により任意に変更することができ
る。
【0123】図11は移動量変換テーブルの第2の例を
示す図である。図11の例では、定数MTH0,MTH
1,MTH2に移動量“0000”が設定されている。
また、定数MTH3,MTH4,MTH5,MTH6,
MTH7にそれぞれ移動量“0011”,“010
0”,“0101”,“0110”,“0111”が設
定されている。この場合、デジタル信号bの値が2以下
のときには走査線の移動量が0となる。すなわち、輝度
が所定レベル以下の走査線はシフトされない。
【0124】図12は移動量変換テーブルの第3の例を
示す図である。図12の例では、定数MTH0,MTH
1,MTH2,MTH3に移動量“0000”が設定さ
れ、定数MTH4,MTH5,MTH6,MTH7に移
動量“0111”が設定されている。この場合、輝度が
所定レベル以上の走査線は一律に同じ移動量ずつシフト
される。
【0125】図13は移動量変換テーブルの第4の例を
示す図である。図13の例では、定数MTH0,MTH
1,MTH2に“0000”が設定され、定数MTH
3,MTH4,MTH5,MTH6,MTH7にそれぞ
れ移動量“0001”,“0010”,“0011”,
“0100”,“0101”が設定されている。この場
合、雑音の影響を除去するコアリング処理が行われる。
【0126】図14は図5のリトレース期間反転回路1
3の構成を示すブロック図である。図14に示すよう
に、リトレース期間反転回路13は、メモリ41,4
2、選択回路43、D/A変換器44、コンデンサ45
および制御回路46を含む。メモリ41はトレース期間
のデータを記憶するために用いられる。また、メモリ4
2はリトレース期間のデータを記憶するために用いられ
る。
【0127】制御回路46は、ライトイネーブル信号T
WRE、ライトアドレス信号TWADR、リードイネー
ブル信号TRDE、リードアドレス信号TRADR、ラ
イトイネーブル信号RWRE、ライトアドレス信号RW
ADR、リードイネーブル信号RRDE、リードアドレ
ス信号RRADRおよび選択信号SELを発生する。
【0128】メモリ41には、ライトイネーブル信号T
WRE、ライトアドレス信号TWADR、リードイネー
ブル信号TRDEおよびリードアドレス信号TRADR
が与えられる。また、メモリ42には、ライトイネーブ
ル信号RWRE、ライトアドレス信号RWADR、リー
ドイネーブル信号RRDEおよびリードアドレス信号R
RADRが与えられる。選択回路43には選択信号SE
Lが与えられる。
【0129】図9の垂直相関検出回路12から出力され
る移動制御信号SBは、入力データDIとしてメモリ4
1,42に与えられる。メモリ41,42から読み出さ
れたデータは、選択回路43の一方の入力端子S1およ
び他方の入力端子S2にそれぞれ与えられる。
【0130】選択回路43は、選択信号SELに応答し
て一方の入力端子S1または他方の入力端子S2に与え
られるデータを選択し、選択されたデータを出力データ
DOとしてD/A変換器44に与える。D/A変換器4
4は、選択回路43から与えられたデータをアナログ信
号に変換してコンデンサ45の一方の端子に与える。コ
ンデンサ45の他方の端子から移動制御信号SCが出力
される。コンデンサ45によりD/A変換器44の出力
信号の直流成分が除去される。それにより、移動制御信
号SCは、その平均の電圧レベルが0Vになるように変
化する。この移動制御信号SCは図5のクランプ回路1
4に与えられる。
【0131】なお、図9の例では、A/D変換器21か
ら出力される8ビットのデジタル信号を丸め回路22に
より4ビットのデジタル信号に変換しているが、丸め回
路22を設けずにA/D変換器21から出力される8ビ
ットのデジタル信号を遅延回路23および加算器26に
与えてもよい。また、デジタル信号a,b,cのビット
数は4ビットまたは8ビットに限らず他のビット数に設
定してもよい。
【0132】図15は図14のリトレース期間反転回路
13の動作を示すタイミングチャートである。
【0133】ここでは、1水平走査期間の入力データD
Iを0〜Nで表わす。そして、メモリ41,42におい
て入力データ0〜Nが記憶されるアドレスを同様に0〜
Nで表す。また、ライトイネーブル信号TWRE、リー
ドイネーブル信号TRDE、ライトイネーブル信号RW
REおよびリードイネーブル信号RRDEは、ローレベ
ルのときにイネーブル状態を表すものとする。
【0134】まず、メモリ41に与えられるライトイネ
ーブル信号TWREがイネーブル状態となる。このと
き、メモリ41にライトアドレス信号TWADRが0〜
Nの順に与えられる。それにより、メモリ41のアドレ
ス0〜Nに順に入力データDIが書き込まれる。
【0135】次に、メモリ41に与えられるリードイネ
ーブル信号TRDEがイネーブル状態になる。このと
き、メモリ41にリードアドレス信号TRADRが0〜
Nの順に与えられる。それにより、メモリ41のアドレ
ス0〜Nから順にデータが読み出される。
【0136】メモリ41に与えられるリードイネーブル
信号TRDEがイネーブル状態になっているときに、メ
モリ42に与えられるライトイネーブル信号RWREが
イネーブル状態になる。このとき、メモリ42にライト
アドレス信号RWADRが0〜Nの順に与えられる。そ
れにより、メモリ42のアドレス0〜Nに順に入力デー
タDIが書き込まれる。
【0137】次に、メモリ41に与えられるライトイネ
ーブル信号TWREがイネーブル状態になっているとき
に、メモリ42に与えられるリードイネーブル信号RR
DEがイネーブル状態になる。このとき、メモリ42に
リードアドレス信号RRADRがN〜0の順に与えられ
る。それにより、メモリ42のアドレスN〜0からデー
タが順に読み出される。
【0138】上記の動作が交互に繰り返される。選択回
路43は、メモリ41の読み出し動作時に入力端子S1
に与えられるデータを選択的に出力データDOとして出
力し、メモリ42の読み出し動作時に入力端子S2に与
えられるデータを選択的に出力データDOとして出力す
る。
【0139】このようにして、トレース期間にメモリ4
1から読み出されたデータが出力データDOとなり、リ
トレース期間にメモリ42から読み出されたデータが出
力データDOとなる。メモリ42では、データが書き込
み順序と逆の順序で読み出されるので、リトレース期間
には、時間軸が反転された出力データDOが得られる。
【0140】本実施例の映像表示装置においては、双方
向順次走査において輝度の高い走査線の部分が隣接する
輝度の低い走査線の部分から遠ざかる方向にシフトされ
るので、高密度の画像において垂直方向の輪郭が強調さ
れ、鮮明な画像が得られる。その結果、再生画像の高画
質化が図られる。
【0141】また、双方向順次走査における平行走査お
よび垂直輪郭補正が共通の垂直速度変調コイルVMVに
より行われるので、映像表示装置の小型化および低コス
ト化が図られる。
【0142】さらに、クランプ回路14により移動制御
信号SDが所定の電圧にクランプされるので、各走査線
が本来の基準位置に保持されつつ垂直方向における輝度
の変化部で走査線の部分が各基準位置から移動する。そ
れにより、走査線のずれによる画質の劣化が防止され
る。
【0143】また、垂直相関検出回路12による垂直方
向における輝度の変化部の検出がリトレース期間反転回
路13による移動制御信号の時間軸の反転よりも前に行
われるので、垂直相関検出回路12の構成が複雑化せ
ず、回路規模が削減される。
【0144】図16は図5の垂直相関検出回路12の構
成の他の例を示すブロック図である。
【0145】図16の垂直相関検出回路12は、A/D
変換器61、遅延回路62,63,64,65、エッジ
量検出部66、変換テーブル67,68、乗算器69、
遅延回路70、リミッタ71、ANDゲート72および
特異点検出部73を含む。
【0146】A/D変換器61は、図1の映像信号処理
回路1から与えられる輝度信号Yを8ビットのデジタル
信号a1に変換する。遅延回路62は、A/D変換器6
1から出力されたデジタル信号a1を1水平走査期間遅
延させ、遅延された8ビットのデジタル信号b1を出力
する。遅延回路63は、遅延回路62から出力されたデ
ジタル信号b1を1水平走査期間遅延させ、遅延された
8ビットのデジタル信号c1を出力する。遅延回路64
は、遅延回路63から出力されたデジタル信号c1を1
水平走査期間遅延させ、遅延された8ビットのデジタル
信号d1を出力する。遅延回路65は、遅延回路64か
ら出力されたデジタル信号d1を1水平走査期間遅延さ
せ、遅延された8ビットのデジタル信号e1を出力す
る。
【0147】エッジ量検出部66は、遅延回路65から
出力されたデジタル信号e1とA/D変換器61から出
力されたデジタル信号a1との差分を算出し、その差分
をエッジ量信号f1として出力する。
【0148】ここで、遅延回路63から出力されるデジ
タル信号c1が対象となる走査線の部分の輝度に相当
し、遅延回路65から出力されるデジタル信号e1が対
象となる走査線の部分に対して2水平走査期間前の走査
線の部分の輝度に相当し、A/D変換器61から出力さ
れるデジタル信号a1が対象となる走査線の部分に対し
て2水平走査期間後の走査線の部分の輝度に相当する。
したがって、エッジ量信号f1は、対象となる走査線の
部分に対して2水平走査期間前の走査線の部分の輝度と
2水平走査期間後の走査線の部分の輝度との差分を示
す。
【0149】変換テーブル67は、エッジ量が所定値以
上のときに対象となる走査線の部分が上下に移動するよ
うにエッジ量信号f1を後述する方法で変換し、変換信
号g1を出力する。一方、変換テーブル68は、対象と
なる走査線の輝度が所定値以上のときに対象となる走査
線の部分が上下に移動するように遅延回路63から出力
されるデジタル信号c1を後述する方法で変換し、変換
信号h1を出力する。
【0150】乗算器69は、変換テーブル67から出力
される変換信号g1と変換テーブル68から出力される
変換信号h1とを乗算し、乗算結果を移動制御信号とし
て出力する。遅延回路70は、乗算器69から出力され
る移動制御信号を1水平走査期間遅延させる。この遅延
回路70は、遅延回路62から乗算器69を経由してリ
ミッタ71に至るまでの信号の遅延量と後述する特異点
検出部73での信号の遅延量とを一致させるために設け
られている。
【0151】リミッタ71は、特異点検出部73から与
えられる特異点検出信号H1に基づいて対象となる走査
線の移動量を制限する。すなわち、リミッタ71は、特
異点検出部73により特異点が検出された場合には、遅
延回路70から出力される移動制御信号を半分に制限
し、特異点検出部73により特異点が検出されない場合
には遅延回路70から出力される移動制御信号をそのま
ま出力する。
【0152】ANDゲート72の一方の入力端子にはリ
ミッタ71から出力される移動制御信号が与えられ、他
方の入力端子には垂直速度変調オンオフ信号VVMON
が与えられる。垂直速度変調オンオフ信号VVMONが
“1”のときには、垂直速度変調がオンになる。この場
合、ANDゲート72が、リミッタ71から与えられる
移動制御信号を出力する。また、垂直速度変調オンオフ
信号VVMONが“0”のときには、垂直速度変調がオ
フになる。この場合、ANDゲート72の出力信号は
“0”となる。ANDゲート72の出力信号は、移動制
御信号SBとして図5のリトレース期間反転回路13に
与えられる。
【0153】図17(a)は変換テーブル67の特性の
一例を示す図である。図17(a)の例では、エッジ量
信号f1の値に応じて変換信号g1の値が0から2.0
まで変化する。エッジ量信号f1の値が所定値よりも小
さい場合には、変換信号g1の値は0となる。すなわ
ち、垂直速度変調はエッジ量が大きい部分で効果がある
ので、エッジ量が所定値よりも小さい場合には、垂直速
度変調が行われないようにコアリング処理により走査線
の移動量が0に設定される。
【0154】この場合、エッジ量とは、対象となる走査
線の部分に対して2水平走査期間前の走査線の部分の輝
度と2水平走査期間後の走査線の部分の輝度との差分に
相当する。
【0155】エッジ量信号f1が所定値以上の場合に
は、エッジ量信号f1の値に応じて変換信号g1の値が
増加する。すなわち、エッジ量が大きいほど走査線の移
動量が大きく設定される。この場合、特性線Laの増加
開始点Paおよび傾きは画質補正のパラメータとして使
用し、最も効果のある状態に設定する。この特性線La
は、1次曲線でもよく、2次曲線でもよく、あるいは他
の曲線でもよい。変換信号g1の値1.0は2本の走査
線間の間隔に相当する。
【0156】図17(b)は変換テーブル68の特性の
一例を示す図である。図17(b)の例では、デジタル
信号c1の値に応じて変換信号h1の値が0から1.0
まで変化する。データ信号c1の値が所定値よりも小さ
い場合には、変換信号h1の値は0となる。すなわち、
垂直速度変調は対象となる走査線の部分の輝度が高い場
合に効果があるので、輝度が所定値よりも低い場合には
垂直速度変調が行われないようにコアリング処理により
走査線の移動量が0に設定される。
【0157】デジタル信号c1の値が所定値以上の場合
には、デジタル信号c1の値に応じて変換信号h1の値
が増加する。すなわち、対象となる走査線の輝度が高い
ほど走査線の移動量が大きく設定される。この場合、特
性線Lbの増加開始点Pbおよび傾きは画質補正のパラ
メータとして使用し、最も効果のある状態に設定する。
この特性線Lbは、1次曲線でもよく、2次曲線でもよ
く、あるいは他の曲線でもよい。変換信号h1の値1.
0は2本の走査線間の間隔に相当する。
【0158】図18は図16の垂直相関検出回路12に
よる垂直速度変調の一例を示す図であり、(a)は立ち
上がりエッジ(上エッジ)を示し、(b)は立ち下がり
エッジ(下エッジ)を示す。
【0159】図18において、走査線L0〜L9の輝度
をそれぞれP0〜P9で示す。なお、斜線の丸印で示さ
れる走査線L1,L3,L5,L7,L9は補間処理に
より得られた走査線である。
【0160】図18(a)の例では、走査線L2から走
査線L6にかけて輝度P2〜P6が徐々に増加してい
る。走査線L3の輝度P3は所定のしきい値レベルET
Hよりも低いので、走査線L3は移動しない。走査線L
4の輝度P4および走査線L5の輝度P5は所定のしき
い値レベルETHを超えているので、走査線L4および
走査線L5が走査線L6に近づくように移動する。この
ようにして、3本の走査線L4,L5,L6が集中する
ことにより、垂直方向の輪郭が強調され、鮮明な画像が
得られる。その結果、再生画像の高画質化が図られる。
【0161】図18(b)の例では、走査線L3から走
査線L7にかけて輝度P3〜P7が徐々に減少してい
る。走査線L6の輝度P6は所定のしきい値レベルET
Hよりも低いので、走査線L6は移動しない。走査線L
4の輝度P4および走査線L5の輝度P5は所定のしき
い値レベルETHを超えているので、走査線L4および
走査線L5が走査線L3に近づくように移動する。この
ようにして、3本の走査線L3,L4,L5が集中する
ことにより、垂直方向の輪郭が強調され、鮮明な画像が
得られる。その結果、再生画像の高画質化が図られる。
【0162】図19は図16の特異点検出部73の構成
の一例を示すブロック図である。図19に示すように、
特異点検出部73は、2値化部111、遅延回路11
2,113,114,115、インバータ116,11
7,118,119、ANDゲート120,121およ
びORゲート122を含む。
【0163】2値化部111には、所定のしきい値th
が与えれられる。2値化部111は、図16のA/D変
換器61から出力されるデジタル信号a1をしきい値t
hに基づいて2値化し、1ビットのデジタル信号A1を
出力する。遅延回路112は、2値化部111から出力
されたデジタル信号A1を1水平走査期間遅延させ、遅
延された1ビットのデジタル信号B1を出力する。遅延
回路113は、遅延回路112から出力されたデジタル
信号B1を2水平走査期間遅延させ、遅延された1ビッ
トのデジタル信号C1を出力する。遅延回路114は、
遅延回路113から出力されたデジタル信号C1を2水
平走査期間遅延させ、遅延された1ビットのデジタル信
号D1を出力する。遅延回路115は、遅延回路114
から出力されたデジタル信号D1を1水平走査期間遅延
させ、遅延された1ビットのデジタル信号E1を出力す
る。
【0164】また、インバータ116は、2値化部11
1から出力されるデジタル信号A1を反転させる。イン
バータ117は、遅延回路112から出力されるデジタ
ル信号B1を反転させる。インバータ118は、遅延回
路114から出力されるデジタル信号D1を反転させ
る。インバータ119は、遅延回路115から出力され
るデジタル信号E1を反転させる。
【0165】ANDゲート120の4つの入力端子に
は、インバータ117の出力信号、遅延回路113から
出力されるデジタル信号C1、遅延回路114から出力
されるデジタル信号D1およびインバータ119の出力
信号がそれぞれ与えられる。ADNゲート121の4つ
の入力端子には、インバータ116の出力信号、遅延回
路112から出力されるデジタル信号B1、遅延回路1
13から出力されるデジタル信号C1およびインバータ
118の出力信号がそれぞれ与えられる。ANDゲート
120の出力信号F1およびANDゲート121の出力
信号G1はORゲート121の2つの入力端子にそれぞ
れ与えられる。ORゲート122の出力信号は特異点検
出信号H1として図16のリミッタ71に与えられる。
【0166】次に、図20は特異点検出の一例を示す図
である。図21は図19の特異点検出回路73における
各部の信号の論理を示す図である。図20および図21
を参照しながら図19の特異点検出回路73の動作を説
明する。
【0167】図20において、走査線L0〜L9の輝度
をP0〜P9で示す。また、斜線の丸印で表される走査
線L1,L3,L5,L7,L9は補間処理により得ら
れた走査線である。
【0168】図20の例では、走査線L4の輝度P4が
所定のしきい値レベルETHよりも高く、かつ走査線L
4のエッジ量(すなわち走査線L6の輝度P6と走査線
L2の輝度P2との差分)が所定値よりも大きいので、
走査線L4を走査線L3から遠ざける方向に移動させ
る。また、走査線L6の輝度P6が所定のしきい値レベ
ルETHよりも高く、かつ走査線L6のエッジ量(すな
わち走査線L8の輝度と走査線L4の輝度P4との差
分)が所定値よりも大きいので、走査線L6を走査線L
7から遠ざける方向に移動させる。このとき、走査線L
4を2走査線分移動させ、かつ走査線L6を2走査線分
移動させると、走査線L4の位置と走査線L6の位置と
が入れ替わってしまう。そのため、走査線L4を立ち上
がりの特異点として移動量を半分に制限し、走査線L6
を立ち下がりの特異点として移動量を半分に制限する。
【0169】走査線L4が立ち上がりの特異点であるか
否かの検出は、デジタル信号A1,B1,C1,D1,
E1がそれぞれ走査線L7,L6,L4,L2,L1の
輝度P7,P6,P4,P2,P1に相当する場合に行
われる。この場合、デジタル信号A1〜E1はそれぞれ
“0”、“1”、“1”、“0”および“0”となる。
それにより、図21に示すように、ANDゲート121
の出力信号G1が“1”となり、特異点検出信号H1が
“1”となる。
【0170】また、走査線L6が立ち下がりの特異点で
あるか否かの検出は、デジタル信号A1,B1,C1,
D1,E1がそれぞれ走査線L9,L8,L6,L4,
L3の輝度P9,P8,P6,P4,P3に相当する場
合に行われる。この場合、デジタル信号A1〜E1はそ
れぞれ“0”、“0”、“1”、“1”および“0”と
なる。それにより、図21に示すように、ANDゲート
120の出力信号F1が“1”となり、特異点検出信号
H1が“1”となる。
【0171】特異点検出信号H1が“1”のときには、
図16のリミッタ71により移動制御信号が半分に制限
される。したがって、走査線L4は走査線L5に近づく
ように移動し、走査線L6は走査線L5に近づくように
移動する。この場合の移動量は、それぞれ2本の走査線
間の間隔以下となる。
【0172】走査線数525本のインタレース走査方式
の映像信号を走査線数525本のプログレッシブ走査方
式(順次走査方式)の映像信号に変換した場合、表示可
能な垂直周波数(垂直解像度)は動画時に525/4本
となり、静止画時に525本/2本となる。ここでは、
525/2本程度の垂直解像度に相当する垂直周波数成
分を高域成分と呼び、525/4本程度の垂直解像度に
相当する垂直周波数成分を中域成分と呼ぶ。
【0173】図16の垂直相関検出回路12では、対象
となる走査線の部分に対して2垂直走査期間前の走査線
の部分の輝度と2垂直走査期間後の走査線の部分の輝度
との差分を算出することにより垂直方向の中域成分を抽
出している。そのため、中域成分を多く含む画像におい
て輪郭強調を効果的に行うことが可能となる。特に、白
文字の画質を十分に改善することが可能となる。
【0174】例えば、走査線数525本のインタレース
走査方式では、映像信号をエンコードする際にフリッカ
を防止するため、垂直周波数をある程度帯域制限するこ
とにより垂直方向の高域成分を低減させている。また、
インタレース走査方式の場合、動画の垂直解像度は静止
画の垂直解像度の半分となり、一般の画像では、動画の
割合が格段に高くなっている。
【0175】したがって、走査線数525本のインタレ
ースの走査方式の映像信号を走査線数525本のプログ
レッシブ走査方式の映像信号に変換した後にさらに走査
線数1050本のプログレッシブ走査方式の映像信号に
変換する映像表示装置では、図16の垂直相関検出回路
12を用いることにより、画像の輪郭強調を効果的に行
うことができる。
【0176】また、セットトップボックス(STB)か
ら入力される走査線数525本のプログレッシブ走査方
式の映像信号は、走査線数525本のインタレース走査
方式の映像信号を補間ラインを用いてプログレッシブ走
査方式に変換することにより得られるので、走査線数5
25本のインタレース走査方式の映像信号と同様に垂直
方向の高域成分に比べて垂直方向の中域成分を多く含ん
でいる。したがって、セットトップボックスから入力さ
れる走査線数525本のプログレッシブ走査方式の映像
信号を走査線数1050本のプログレッシブ走査方式の
映像信号に変換する映像表示装置では、図16の垂直相
関検出回路12を用いることにより画像の輪郭強調を効
果的に行うことができる。
【0177】一方、通常の走査線数525本のプログレ
ッシブ走査方式の映像信号は高い垂直解像度を有する。
そのため、走査線数525本のプログレッシブ走査方式
の映像信号を走査線数1050本のプログレッシブ走査
方式の映像信号に変換する映像表示装置では、静止画お
よび動画にかかわらず高い解像度の補間ラインを合成す
ることができる。したがって、このような場合、対象と
なる走査線の部分に対して1水平走査期間前の走査線の
部分の輝度と1水平走査期間後の走査線の部分の輝度と
の差分を算出することにより垂直方向の高域成分を抽出
することが好ましい。次に、中域成分および高域成分の
抽出が可能な垂直相関検出回路について説明する。
【0178】図22は図3の垂直相関検出回路12の構
成のさらに他の例を示すブロック図である。
【0179】図22の垂直相関検出回路12において
は、図16の垂直相関検出回路12の構成に加えて、エ
ッジ量検出部74、変換テーブル75,76、乗算器7
7および混合器78がさらに設けられている。図22の
垂直相関検出回路12の他の部分の構成は、図16の垂
直相関検出回路12の構成と同様である。
【0180】エッジ量検出部74は、遅延回路64から
出力されたデジタル信号d1と遅延回路62から出力さ
れたデジタル信号b1との差分を算出し、その差分をエ
ッジ量信号として出力する。ここで、遅延回路64から
出力されるデジタル信号d1が対象となる走査線の部分
に対して1水平走査期間前の走査線の部分の輝度に相当
し、遅延回路62から出力されるデジタル信号b1が対
象となる走査線の部分に対して1水平走査期間後の走査
線の部分の輝度に相当する。したがって、エッジ量検出
部74から出力されるエッジ量信号は、対象となる走査
線の部分に対して1水平走査期間前の走査線の部分の輝
度と1水平走査期間後の走査線の部分の輝度との差分を
示す。
【0181】変換テーブル75は、エッジ量が所定値以
上のときに対象となる走査線の部分が上下に移動するよ
うにエッジ量検出部74から出力されるエッジ量信号を
変換テーブル67と同様にして変換し、変換信号を出力
する。一方、変換テーブル76は、対象となる走査線の
輝度が所定値以上のときに対象となる走査線の部分が上
下に移動するように変換テーブル68と同様にして遅延
回路63から出力されるデジタル信号c1を変換し、変
換信号を出力する。
【0182】乗算器77は、変換テーブル75から出力
される変換信号と変換テーブル76から出力される変換
信号とを乗算し、乗算結果を移動制御信号として出力す
る。混合器78は、制御信号CNTに応答して乗算器6
9から出力される移動制御信号および乗算器77から出
力される移動制御信号にそれぞれ重み付けを行って加算
し、移動制御信号として出力する。図22の垂直相関検
出回路12の他の部分の動作は、図16の垂直相関検出
回路12の動作と同様である。
【0183】図22の垂直相関検出回路12において
は、混合器78により乗算器69から出力される移動制
御信号および乗算器77から出力される移動制御信号の
重み付けを調整することにより、中域成分を多く含む画
像および高域成分を多く含む画像において垂直方向の輪
郭を効果的に強調することが可能となる。
【0184】図23および図24はCRT4および垂直
速度変調コイルVMVの位置関係を示す水平方向の断面
図である。図23に垂直速度変調コイルVMVの配置の
一例を示し、図24に垂直速度変調コイルVMVの配置
の他の例を示す。
【0185】図23および図24に示すように、CRT
4のガラスバルブ401は、円筒状のネック部401a
と膨らんだコーン部401bとを有する。ガラスバルブ
401のネック部401a内に電子銃410が配置され
ている。電子銃410には、複数の電極を構成する複数
の金属筐体411が設けられている。偏向ヨーク420
は、図1の水平偏向コイルLHおよび垂直偏向コイルL
Vを含む。この偏向ヨーク420は、CRT4の外側に
おけるネック部401aとコーン部401bとの境界部
を含む位置に配置されている。
【0186】図23の例では、垂直速度変調コイルVM
VがCRT4のネック部401aの周囲に配置されてい
る。一方、図24の例では、垂直速度変調コイルVMV
がCRT4のネック部401aとコーン部401bとの
境界部の周囲でかつ偏向ヨーク420の内側に配置され
ている。
【0187】図25は図23および図24の垂直速度変
調コイルVMVによる垂直速度変調の例を示す図であ
る。図25(a)は画像の一例を示し、図25(b)は
図23の垂直速度変調コイルVMVによる走査線の変化
を示し、図25(c)は図24の垂直速度変調コイルV
MVによる走査線の変化を示す。
【0188】図25(a)の画像において、矩形の領域
501の輝度は低く、周囲の領域502の輝度は高い。
図25(b)には、図25(a)に破線で示す領域R1
の拡大図が示される。垂直速度変調により、輝度の高い
走査線L11の部分が隣接する走査線L10の輝度の低
い部分から遠ざかるように電子ビームの垂直方向の走査
速度が変調される。
【0189】垂直速度変調コイルVMVをCRT4のネ
ック部401aの周囲に配置した図23の例では、垂直
速度変調コイルVMVにより形成される磁界が電子銃4
10の金属筐体411に当たる。磁界の低域成分は金属
筐体411を透過するが、中域および高域成分は金属筐
体411にうず電流を発生させ、熱に変換される。その
ため、磁界の中域および高域成分が電子銃410の金属
筐体411で減衰される。それにより、磁界の中域およ
び高域成分に対して磁界の低域成分の利得が相対的に大
きくなる。その結果、図25(b)に示すように、走査
線L10の輝度の低い部分に隣接する走査線L11の部
分600が垂直方向に急峻に移動することができない。
【0190】これに対して、垂直速度変調コイルVMV
を垂直偏向ヨーク420の内側に配置した図24の例で
は、垂直速度変調コイルVMVにより形成される磁界が
電子銃410の金属筐体411に当たらないので、磁界
の中域および高域成分の減衰が起こらない。それによ
り、垂直速度変調コイルVMVの感度が高くなり、小さ
な電流で走査線を急峻に変化させることができる。その
結果、図25(c)に示すように、走査線L10の輝度
の低い部分に隣接する走査線L11の部分600が垂直
方向に急峻に移動することができる。
【0191】このように、垂直速度変調コイルVMVを
偏向ヨーク420の内側に配置した場合には、画像の垂
直エッジ部分および水平エッジ部分で走査線が急峻に変
化し、画質の劣化が生じない。
【0192】図26は図1の映像表示装置に用いられる
垂直速度変調回路の構成の他の例を示すブロック図であ
る。
【0193】図26の垂直速度変調回路9aが図5の垂
直速度変調回路9と異なるのは、垂直相関検出回路12
とリトレース期間反転回路13との間に周波数補償回路
18が設けられている点である。
【0194】図26の垂直相関検出回路12は、輝度信
号Yに基づいて垂直方向における輝度の変化が所定値を
超える部分を検出し、走査線の移動量を示す移動制御信
号SB1を出力する。周波数補償回路18は、垂直相関
検出回路12から出力される移動制御信号SB1に対し
て後述する方法で周波数補償を行い、移動制御信号SB
2を出力する。リトレース期間反転回路13は、トレー
ス期間に周波数補償回路18から出力される移動制御信
号SB2をそのまま出力し、リトレース期間に周波数補
償回路18から出力される移動制御信号SB2の時間軸
を反転させ、得られた信号を移動制御信号SCとして出
力する。
【0195】本例では、周波数補償回路18が周波数領
域強調手段に相当する。図26の垂直速度変調回路9a
の他の部分の構成および動作は図5の垂直速度変調回路
9の構成および動作と同様である。
【0196】図27は図26の垂直速度変調回路9aの
周波数補償回路18の構成を示すブロック図である。
【0197】周波数補償回路18は、中高域周波数分離
部181、利得制御回路182および加算器183を含
む。中高域周波数分離部181、利得制御回路182お
よび加算器183はデジタル回路により構成されてもよ
く、アナログ回路により構成されてもよい。
【0198】中高域周波数分離部181、利得制御回路
182および加算器183がアナログ回路により構成さ
れる場合には、図26の垂直相関検出回路12と周波数
補償回路18との間にD/A(デジタル/アナログ)変
換器を設け、周波数補償回路18とリトレース期間反転
回路13との間にA/D変換器を設ける。
【0199】中高域周波数分離部181は、例えばアナ
ログハイパスフィルタまたは1次微分回路により構成さ
れる。図28は中高域周波数分離部181の構成の一例
を示す回路図である。図28の中高域周波数分離部18
1は、キャパシタ184および抵抗185からなる1次
微分回路により構成される。
【0200】本例では、中高域周波数分離部181が抽
出手段に相当し、加算器183が加算手段に相当する。
【0201】図29は図27の周波数補償回路18の動
作を示す信号波形図である。次に、図29の信号波形図
を参照しながら図27の周波数補償回路18の動作を説
明する。
【0202】中高域周波数分離部181は、移動制御信
号SB1を1次微分し、微分信号EG1を出力する。移
動制御信号SB1の低レベルの期間T1において、走査
線が下に移動するものとする。また、移動制御信号SB
1の中間レベルの期間T2においては、走査線が上下に
移動しない。図26の垂直相関検出回路12から出力さ
れる移動制御信号SB1は中高域周波数分離部181お
よび加算器183に与えられる。利得制御回路182
は、中高域周波数分離部181から出力された微分信号
EG1を予め設定された利得で増幅し、増幅された微分
信号EG2を加算器183に与える。加算器183は、
移動制御信号SB1と微分信号EG2とを加算し、移動
制御信号SB2を出力する。移動制御信号SB2におい
ては、エッジ部分が強調されている。
【0203】その結果、図25(a)の画像の例では、
図25(c)と同様に、走査線L10の輝度の低い部分
に隣接する走査線L11の部分600が垂直方向に急峻
に移動することができる。したがって、図26の垂直速
度変調回路9aを用いた場合には、垂直速度変調コイル
VMVを偏向ヨーク420の内側に配置した図24の場
合と同様に、画像の垂直エッジ部分および水平エッジ部
分で走査線が急峻に変化し、画質の劣化が生じない。
【0204】上記のように、図24の垂直速度変調コイ
ルVMVの配置を用いた場合には、垂直速度変調コイル
VMVによる磁界が電子銃410の構造による影響を受
けないため、図5の垂直速度変調回路9の信号の特性が
そのままCRT4の管面に現れる。したがって、周波数
補償回路を設けることなく、画質の劣化の生じない垂直
速度変調が実現される。
【0205】図26の垂直速度変調回路9aを用いた場
合には、CRT4および偏向ヨーク420の構造を変更
することなく、画質の劣化の生じない垂直速度変調が実
現される。
【0206】図30は垂直速度変調回路の構成のさらに
他の例を示すブロック図である。図30の垂直速度変調
回路9bは、単方向走査方式の映像表示装置に用いられ
る。
【0207】図30において、垂直速度変調回路9b
は、垂直相関検出回路12、周波数補償回路18および
増幅器16を含む。垂直相関検出回路12および増幅器
16の構成および動作は、図5および図26の垂直相関
検出回路12および増幅器16の構成および動作と同様
である。また、周波数補償回路18の構成および動作
は、図26の周波数補償回路18の構成および動作と同
様である。
【0208】図30の垂直速度変調回路9bを用いた場
合には、単方向走査において画像の垂直エッジ部分およ
び水平エッジ部分で走査線が急峻に変化し、画質の劣化
の生じない垂直走査変調が実現される。
【0209】
【発明の効果】本発明によれば、輝度の高い走査線の部
分が隣接する輝度の低い走査線の部分から遠ざかるよう
に垂直方向の走査速度を変調することにより、垂直方向
における画像の輪郭が強調される。その結果、鮮明な再
生画像が得られる。
【0210】また、双方向走査において垂直方向の走査
速度を変調することにより、高密度の画像において垂直
方向の輪郭が強調される。その結果、再生画像の高画質
化が図られる。
【0211】さらに、平行走査信号および移動制御信号
を合成することにより、共通の垂直速度変調コイルで平
行走査および垂直方向の走査速度の変調が行われる。そ
の結果、垂直速度変調装置および映像表示装置の小型化
および低コスト化が図られる。
【0212】また、垂直速度変調コイルを電子銃の金属
筐体の周囲から外れた位置でかつ受像管の周囲に配置す
ることにより、あるいは移動制御信号の所定の周波数領
域を強調することにより、画像の垂直エッジ部分および
水平エッジ部分で走査線が急峻に変化し、画質の劣化が
生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における映像表示装置の構成
を示すブロック図
【図2】(a)垂直輪郭補正前の垂直方向における輝度
分布の一例を示す図、(b)垂直輪郭補正後の垂直方向
における輝度分布の一例を示す図
【図3】(a)垂直輪郭補正前の走査線およびその輝度
分布の一例を示す図、(b)垂直輪郭補正後の走査線お
よびその輝度分布の一例を示す図
【図4】(a)垂直偏向回路から出力される垂直偏向信
号の波形図、(b)平行走査回路から出力される平行走
査信号の波形図、(c)垂直偏向信号および平行走査信
号に基づく平行走査を示す図
【図5】図1の垂直速度変調回路の構成を示すブロック
【図6】(a)垂直輪郭補正前の走査線の一例を示す
図、(b)垂直輪郭補正後の走査線の一例を示す図
【図7】図5の垂直速度変調回路の動作を示す信号波形
【図8】(a)双方向順次走査の一例を示す図、(b)
双方向順次走査の他の例を示す図
【図9】図5の垂直相関検出回路の構成を示すブロック
【図10】移動量変換テーブルの第1の例を示す図
【図11】移動量変換テーブルの第2の例を示す図
【図12】移動量変換テーブルの第3の例を示す図
【図13】移動量変換テーブルの第4の例を示す図
【図14】図5のリトレース期間反転回路の構成を示す
ブロック図
【図15】図14のリトレース期間反転回路の動作を示
すタイミングチャート
【図16】垂直相関検出回路の構成の他の例を示すブロ
ック図
【図17】図16の変換テーブルの特性の一例を示す図
【図18】図16の垂直相関検出回路による垂直速度変
調の一例を示す図
【図19】図16の特異点検出部の構成の一例を示す図
【図20】特異点検出の一例を示す図
【図21】図19の特異点検出回路における各部の信号
の論理を示す図
【図22】垂直相関検出回路の構成のさらに他の例を示
すブロック図
【図23】CRTおよび垂直速度変調コイルの位置関係
の一例を示す水平方向の断面図
【図24】CRTおよび垂直速度変調コイルの位置関係
の他の例を示す水平方向の断面図
【図25】図23および図24の垂直速度変調コイルに
よる垂直速度変調の例を示す図
【図26】図1の映像表示装置に用いられる垂直速度変
調回路の構成の他の例を示すブロック図
【図27】図26の垂直速度変調回路の周波数補償回路
の構成を示すブロック図
【図28】中高域周波数分離部の構成の一例を示す回路
【図29】図27の周波数補償回路の動作を示す信号波
形図
【図30】垂直速度変調回路の構成のさらに他の例を示
すブロック図
【図31】単方向順次走査方式を示す図
【図32】双方向順次走査方式を示す図
【図33】(a)従来の垂直輪郭補正における垂直方向
の輝度分布を示す図、(b)従来の垂直輪郭補正におけ
る走査線の移動を示す図
【符号の説明】
1 映像信号処理回路 3 同期信号分離回路 4 陰極線管 5 水平偏向回路 8 垂直偏向回路 9,9a,9b 垂直速度変調回路 11 平行走査回路 12 垂直相関検出回路 13 リトレース期間反転回路 14 クランプ回路 15 合成回路 16 増幅器 17 CPU 18 周波数補償回路 23,24 遅延回路 25 インバータ 26 加算器 27 上下エッジ検出部 28 移動量設定部 41,42 メモリ 43 選択回路 45 コンデンサ 46 制御回路 62,63,64,65,112,113,114,1
15 遅延回路 66,74 エッジ量検出部 67,68,75,76 変換テーブル 69,77 乗算器 181 中高域周波数分離部 183 加算器 401a ネック部 401b コーン部 410 電子銃 420 偏向ヨーク 411 金属筐体 VMV 垂直速度変調コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 稔 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 北原 敏明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 奥村 直司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 田中 和人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C068 AA01 AA17 LA01 LA11 LA20

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを水平方向に偏向させて画面
    上の水平方向に走査線を形成する水平偏向手段と、 前記電子ビームを垂直方向に偏向させる垂直偏向手段
    と、 垂直方向における輝度の変化部で所定値以上の輝度を有
    する走査線の部分が前記所定値よりも低い輝度を有する
    隣接する他の走査線の部分から遠ざかるように電子ビー
    ムの垂直方向の走査速度を変調する垂直速度変調手段と
    を備えたことを特徴とする映像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記水平偏向手段は、電子ビームを水平
    方向に往復偏向させて画面上に往路および復路の走査線
    を形成することを特徴とする請求項1記載の映像表示装
    置。
  3. 【請求項3】 前記垂直速度変調手段は、 前記水平偏向手段による往路および復路の走査線を平行
    にするための平行走査信号を出力する平行走査手段と、 輝度信号に基づいて走査線の垂直方向の移動を制御する
    移動制御信号を生成する移動制御手段と、 前記平行走査手段により出力された平行走査信号および
    前記移動制御手段により生成された移動制御信号を合成
    する合成手段と、 前記合成手段により合成された信号に基づいて電子ビー
    ムの垂直方向の走査速度を変調するための磁界を発生す
    る垂直速度変調コイルとを含むことを特徴とする請求項
    2記載の映像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記移動制御手段は、 輝度信号に基づいて垂直方向における輝度の変化部を検
    出する変化部検出手段と、 輝度信号に基づいて前記変化部検出手段により検出され
    た輝度の変化部における走査線の垂直方向の移動量を前
    記移動制御信号として出力する移動量出力手段と、 前記水平偏向手段による復路の走査時に前記移動量出力
    手段により出力される移動制御信号の時間軸を反転させ
    る時間軸反転手段とを含むことを特徴とする請求項3記
    載の映像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記垂直速度変調手段は、 前記移動制御手段により生成される移動制御信号を所定
    のタイミングで所定の電位にクランプするクランプ手段
    をさらに含むことを特徴とする請求項3または4記載の
    映像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記垂直速度変調手段は、 前記合成手段により合成された信号を増幅する増幅器
    と、 前記増幅器の利得を制御する利得制御手段とをさらに含
    むことを特徴とする請求項3、4または5記載の映像表
    示装置。
  7. 【請求項7】 前記利得制御手段は、前記水平偏向手段
    により画面上に形成される走査線の数に基づいて前記増
    幅器の利得を制御することを特徴とする請求項6記載の
    映像表示装置。
  8. 【請求項8】 前記利得制御手段は、前記水平偏向手段
    により画面上に形成される走査線の位置に応じて前記増
    幅器の利得を制御することを特徴とする請求項6または
    7記載の映像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記垂直速度変調手段は、 対象となる走査線の部分に対して所定数の水平走査期間
    前の走査線の部分の輝度と所定数の水平走査期間後の走
    査線の部分の輝度との差分および前記対象となる走査線
    の部分の輝度のレベルに基づいて前記対象となる走査線
    の部分の移動量を移動制御信号として出力する移動量出
    力手段と、 前記移動量出力手段から出力される移動制御信号に基づ
    いて電子ビームの垂直方向の走査速度を変調するための
    磁界を発生する垂直速度変調コイルとを含むことを特徴
    とする請求項1記載の映像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記移動量出力手段は、 前記対象となる走査線の部分に対して所定数の水平走査
    期間前の走査線の部分の輝度と所定数の水平走査期間後
    の走査線の部分の輝度との差分を算出する差分算出手段
    と、 前記差分算出手段の出力信号に基づいて第1の移動量信
    号を出力する第1の信号出力手段と、 前記対象となる走査線の部分の輝度に基づいて第2の移
    動量信号を出力する第2の信号出力手段と、 前記第1の信号出力手段から出力される第1の移動量信
    号と前記第2の信号出力手段から出力される第2の移動
    量信号とを乗算し、乗算結果を前記移動制御信号として
    出力する乗算手段とを含むことを特徴とする請求項9記
    載の映像表示装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の信号出力手段は、前記差分
    算出手段の出力信号の値が所定値よりも小さい場合に前
    記第1の移動量信号の値を0に設定し、 前記第2の信号出力信号は、前記対象となる走査線の部
    分の輝度が所定値よりも小さい場合に前記第2の移動量
    信号の値を0に設定することを特徴とする請求項10記
    載の映像表示装置。
  12. 【請求項12】 前記所定数の水平走査期間前の走査線
    は2水平走査期間前の走査線であり、前記所定数の水平
    走査期間後の走査線は2水平走査期間後の走査線である
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の映
    像表示装置。
  13. 【請求項13】 前記所定数の水平走査期間前の走査線
    は1水平走査期間前の走査線であり、前記所定数の水平
    走査期間後の走査線は1水平走査期間後の走査線である
    ことを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の映
    像表示装置。
  14. 【請求項14】 前記垂直速度変調手段は、 走査線の部分の移動により隣接する走査線の位置が互い
    に入れ替わらないように走査線の部分の移動量を制限す
    る移動量制限手段をさらに含むことを特徴とする請求項
    9〜13のいずれかに記載の映像表示装置。
  15. 【請求項15】 前記移動量制限手段は、 対象となる走査線の部分の輝度および前記対象となる走
    査線の部分に対して2水平走査期間後の走査線の部分の
    輝度が所定値以上であり、かつ前記対象となる走査線の
    部分に対して2水平走査期間前の走査線の部分の輝度、
    3水平走査期間前の走査線の部分の輝度および3水平走
    査期間後の走査線の部分の輝度が所定値よりも低い場
    合、または対象となる走査線の部分の輝度および前記対
    象となる走査線の部分に対して2水平走査期間前の走査
    線の部分の輝度が所定値以上であり、かつ前記対象とな
    る走査線の部分に対して2水平走査期間後の走査線の部
    分の輝度、3水平走査期間後の走査線の部分の輝度およ
    び3水平走査期間前の走査線の部分の輝度が所定値より
    も低い場合に、前記移動量出力手段から出力される移動
    制御信号を半分に制限することを特徴とする請求項14
    記載の映像表示装置。
  16. 【請求項16】 受像管と、 前記受像管内に設けられ、金属筐体を有する電子銃とを
    さらに備え、 前記垂直速度変調手段は、 輝度信号に基づいて走査線の垂直方向の移動を制御する
    移動制御信号を生成する移動制御手段と、 前記電子銃の前記金属筐体の周囲から外れた位置でかつ
    前記受像管の周囲に配置され、前記移動制御手段により
    生成された前記移動制御信号に基づいて電子ビームの垂
    直方向の走査速度を変調するための磁界を発生する垂直
    速度変調コイルとを含むことを特徴とする請求項1記載
    の映像表示装置。
  17. 【請求項17】 前記電子銃の前記金属筐体の周囲から
    外れた位置でかつ前記受像管の周囲に配置され、前記水
    平偏向手段および前記垂直偏向手段を構成する偏向ヨー
    クをさらに備え、 前記垂直速度変調コイルは、前記偏向ヨークの内側に配
    置されたことを特徴とする請求項16記載の映像表示装
    置。
  18. 【請求項18】 前記垂直速度変調手段は、 輝度信号に基づいて走査線の垂直方向の移動を制御する
    移動制御信号を生成する移動制御手段と、 前記移動制御手段により生成された前記移動制御信号の
    所定の周波数領域を強調する周波数領域強調手段と、 前記周波数領域強調手段により強調された前記移動制御
    信号に基づいて電子ビームの垂直方向の走査速度を変調
    するための磁界を発生する垂直速度変調コイルとを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
  19. 【請求項19】 前記周波数領域強調手段は、 前記移動制御手段により生成された前記移動制御信号の
    前記所定の周波数領域を抽出する抽出手段と、 前記移動制御手段により生成された前記移動制御信号と
    前記抽出手段により抽出された前記周波数領域の信号と
    を加算する加算手段とを含むことを特徴とする請求項1
    8記載の映像表示装置。
  20. 【請求項20】 画面上に水平方向の走査線を順に形成
    するための電子ビームの垂直方向の走査速度を変調する
    垂直速度変調装置であって、 輝度信号に基づいて垂直方向における輝度の変化部で所
    定値以上の輝度を有する走査線の部分が前記所定値より
    も低い輝度を有する隣接する他の走査線の部分から遠ざ
    かるように走査線の垂直方向の移動を制御する移動制御
    信号を生成する移動制御手段と、 前記移動制御手段により生成された移動制御信号に基づ
    いて電子ビームの垂直方向の走査速度を変調するための
    磁界を発生する垂直速度変調コイルとを備えたことを特
    徴とする垂直速度変調装置。
  21. 【請求項21】 電子ビームの往復偏向により画面上に
    形成される往路および復路の走査線を平行にするための
    平行走査信号を出力する平行走査手段と、 前記移動制御手段により生成された移動制御信号および
    前記平行走査手段により出力された平行走査信号を合成
    する合成手段とをさらに備え、 前記垂直速度変調コイルは、前記合成手段により合成さ
    れた信号に基づいて電子ビームの垂直方向の走査速度を
    変調するための磁界を発生することを特徴とする請求項
    20記載の垂直速度変調装置。
  22. 【請求項22】 前記移動制御手段は、対象となる走査
    線の部分に対して所定数の水平走査期間前の走査線の部
    分の輝度と所定数の水平走査期間後の走査線の部分の輝
    度との差分および前記対象となる走査線の部分の輝度の
    レベルに基づいて前記対象となる走査線の部分の移動量
    を前記移動制御信号として出力することを特徴とする請
    求項20または21記載の垂直速度変調装置。
  23. 【請求項23】 前記移動制御手段により生成された前
    記移動制御信号の所定の周波数領域を強調する周波数領
    域強調手段をさらに備えたことを特徴とする請求項20
    〜22のいずれかに記載の垂直速度変調装置。
  24. 【請求項24】 前記周波数領域強調手段は、 前記移動制御手段により生成された前記移動制御信号の
    前記所定の周波数領域を抽出する抽出手段と、 前記移動制御手段により生成された前記移動制御信号と
    前記抽出手段により抽出された前記周波数領域の信号と
    を加算する加算手段とを含むことを特徴とする請求項2
    3記載の垂直速度変調装置。
  25. 【請求項25】 電子ビームを水平方向および垂直方向
    に偏向させて画面上に水平方向の走査線を順に形成する
    映像表示方法において、垂直方向における輝度の変化部
    で所定値以上の輝度を有する走査線の部分が前記所定値
    よりも低い輝度を有する隣接する他の走査線の部分から
    遠ざかるように電子ビームの垂直方向の走査速度を変調
    することを特徴とする映像表示方法。
  26. 【請求項26】 電子ビームを水平方向に往復偏向させ
    て画面上に往路および復路の走査線を形成することを特
    徴とする請求項25記載の映像表示方法。
  27. 【請求項27】 往路および復路の走査線を平行にする
    ための平行走査信号を出力するとともに、輝度信号に基
    づいて垂直方向における輝度の変化部で走査線の垂直方
    向の移動を制御する移動制御信号を生成し、前記平行走
    査信号および前記移動制御信号を合成し、合成された信
    号に基づいて電子ビームの垂直方向の走査速度を変調す
    るための磁界を発生することを特徴とする請求項26記
    載の映像表示方法。
  28. 【請求項28】 輝度信号に基づいて垂直方向における
    輝度の変化部を検出し、輝度信号に基づいて前記輝度の
    変化部における走査線の垂直方向の移動量を前記移動制
    御信号として出力し、前記復路の走査時に前記移動制御
    信号の時間軸を反転させることを特徴とする請求項27
    記載の映像表示方法。
  29. 【請求項29】 前記移動制御信号を所定のタイミング
    で所定の電位にクランプすることを特徴とする請求項2
    7または28記載の映像表示方法。
  30. 【請求項30】 対象となる走査線の部分に対して所定
    数の水平走査期間前の走査線の部分の輝度と所定数の水
    平走査期間後の走査線の部分の輝度との差分および前記
    対象となる走査線の部分の輝度のレベルに基づいて前記
    対象となる走査線の部分の移動量を設定することを特徴
    とする請求項25〜29のいずれかに記載の映像表示方
    法。
  31. 【請求項31】 輝度信号に基づいて走査線の垂直方向
    における移動を制御する移動制御信号を生成し、前記移
    動制御信号の所定の周波数領域を強調し、前記移動制御
    信号に基づいて電子ビームの垂直方向の走査速度を変調
    するための磁界を発生することを特徴とする請求項25
    記載の映像表示方法。
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