JP3557303B2 - 公金処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、税金や公共料金(以下「公金」と記す)の支払いに使用する各種伝票(帳票類)を自動的に扱うことにより、公金の支払い処理を自動的に行う公金処理装置に関する。特に本発明は、前記伝票として単票だけでなく、税金等のホチキスで綴じた冊子帳票、郵便振替規格の4連帳票(電気料金、ガス料金等の支払い帳票)など、各種の帳票類を扱うことができるようにしたものである(ホチキスで綴じた媒体は従来の装置では扱うことができなかったが、本願発明ではこのような媒体でも扱える)。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の公金処理装置について説明する。なお、以下の説明では、公金(税金、公共料金)の支払いに使用する単票、冊子帳票等の各種伝票類を「媒体」と記す。
【0003】
§1:従来例1の説明
従来、公金、すなわち、電気、ガス、水道、NHK受信料等の公共料金、及び各種税金等の受入れを自動的に行う自動取引装置が知られていた(例えば、特開昭57−134765号公報参照)。この自動取引装置は、装置に挿入された公金の払込票に記録された金額及び日付などを直接自動的に読み取り、この場で入金あるいは口座振替による払込みができ、公金の自動受入れが可能になるものである。
【0004】
なお、前記自動取引装置では、受け入れた払込票に対して領収印などの印字を行ってそれを利用者へ返却する。この場合、現金自動預出金機に対応させた払込票を新しく案出している。そして、通常用いられている公金払込票の代わりに、前記案出した払込票を用意し、この払込票を機械が直接光学的に読み取ることにより、その場で現金の受け入れ及び領収書の発行を自動的に行う。
【0005】
§2:従来例2の説明・・・図47参照
図47は従来の公金処理装置説明図である。前記従来例1とは別に、自動取引装置を利用して単票による公共料金の支払いを自動的に行う公金処理装置が知られていた。以下、この公金処理装置について説明する。
【0006】
(1) :公金処理装置の構成の説明
図47に示したように、従来の公金処理装置には、シャッタ13を有する挿入口2が設けてあり、この挿入口2から媒体を挿入するように構成されている。また、公金処理装置の内部には、媒体の挿入、返却処理を行う挿入部3と、取り忘れ媒体(領収書)のリジェクトを行うリジェクト部4と、媒体の領収書と納付書の切り離しを行うカッタ部5と、媒体の幅寄せ・斜行修正等の整列処理を行う整列部6と、媒体に情報を印字する印字部9と、媒体のOCRデータの読み取りを行うOCR部7と、媒体に領収印を押印するスタンプ部(図示省略)と、納付書を収納するカセット部12等が設けてある。そして、挿入部3にはスタックゲート31、リジェクトゲート32等が設けてあり、前記整列部6には媒体の整列を行うための羽根車等が設けてある。
【0007】
(2) :公金処理装置の処理概要の説明
顧客が挿入口2から公金支払いの媒体を挿入すると、前記媒体は挿入部3により装置内部へ挿入される。その後前記媒体は搬送機構により搬送路上を搬送される。そして、整列部6では羽根車等を使用して媒体の幅寄せ等の整列処理を行う。前記のようにして整列処理が行われた媒体は、OCR部7で媒体上のOCRデータの読み取りを行い、印字部9で領収印の日付及び延滞金の金額等の印字を行い、スタンプ部で所定の位置に領収印を押印する。
【0008】
また、前記媒体はカッタ部5により領収書(顧客に返却する分)と納付書(銀行等の控えとなるもの)とに、切り離され納付書はカセット部12へスタックされ、領収書は挿入口2から顧客に返却される。
【0009】
§3:媒体処理装置の各機構の説明
従来、前記従来例1、従来例2の装置を含めて、各種の媒体処理装置(公金処理装置、及び公金支払い以外の媒体処理装置)が使用されていた。以下、これらの媒体処理装置の各機構について詳細に説明する。
【0010】
(1) :媒体の位置合わせ機構の説明
前記従来例2の公金処理装置には、OCR部7、印字部9、スタンプ部、整列部6等が設けてあるが、これらの機能の異なる部分については、それぞれの動作は独立している。このため、任意の位置へ移動が必要な場合には、個別にアクチュエータが必要である。従って、装置のコストアップ、及び装置の大型化の原因になっている。
【0011】
(2) :幅寄せ部の媒体幅寄せ、斜行修正機構の説明
従来、媒体の幅寄せ・斜行修正を行う機構は、羽根車を使用した機構(例えば、従来例2参照)や、媒体の端面をアクチュエータで押す機構等が使用されていた。しかし、前記羽根車を使用した機構では力が弱く、特に冊子等の厚い媒体では十分な幅寄せ・斜行修正はできなかった。また、前記媒体の端面をアクチュエータで押す機構では、媒体が薄い場合、押し過ぎると媒体を傷付けてしまう欠点があった。
【0012】
(3) :ローラ退避機構の説明
従来の媒体処理装置において、媒体搬送路上から媒体搬送用のローラを退避する機構が使用されていた。前記装置ではローラを退避する場合、マグネットにより複数のローラを同時に移動させることでローラの退避を行っていた。
【0013】
従って、マグネットの大きさの制約等により大きな力を発生することはできず退避させるローラの数は限られていた。また、マグネットだけでは数種の退避ポジションを持たせることはできなかった。
【0014】
(4) :スタンプ押印機構(その1)の説明・・・図48参照
図48は従来のスタンプ押印機構説明図であり、A図は例1、B図は例2である。以下、図48に基づいて従来のスタンプ押印機構(その1)を説明する。A図に示した例1は、駆動ローラ28とテンションローラ29により媒体20を挟んで搬送路上を搬送し、押印位置で媒体20を停止し押印する。この場合、媒体20の下側には搬送パネル24が設けてあり、この搬送パネル24と媒体20との間にはテンションローラ29の高さhだけ空隙が存在する。
【0015】
すなわち、搬送パネル24からテンションローラ29の高さ分だけ媒体20が浮くので、押印する際にはスタンプ26を図示矢印方向に押すことにより、テンションローラ29を下げて搬送パネル24上へ媒体20を落とす必要がある。このため押印動作が不安定になり、鮮明な印影も得られない。
【0016】
B図に示した例2は、前記例1の空隙を作らないように、スタンプ26の下側に固定のスタンプ台27を設けた例である。この例では、媒体20の厚みによって押印時のマグネットのストロークを変化させる必要があり、その制御が複雑になる。また、搬送路が狭くなり媒体20のジャム等が発生し易くなる。
【0017】
(5) :スタンプ押印機構(その2)の説明
従来のスタンプ部(従来例2等)にはスタンプ押印機構が設けてあり、このスタンプ押印機構により媒体に領収印を押印している。ところが、スタンプをかすれないように押印するには、印面を媒体に対して垂直にする必要がある。そこで、印面のかすれ防止として、スタンプホルダ側に自由度を作って対応していたが、媒体に段差等があり、斜めになっている場合など、ホルダ側だけでは吸収しきれず、印のかすれが発生していた。
【0018】
(6) :印字機構の説明・・・図49参照
図49は従来の印字機構説明図である。この印字機構(例えば、前記従来例2の印字部9参照)は、多数のピン22を備えた印字ヘッド(インパクトドットプリンタの印字ヘッド)21により媒体20に印字する機構である。
【0019】
例えば、図47に示したように座標X−Y(直交座標)を設定したとすると、印字方向は媒体20の搬送方向(X軸方向)と同じ(図の12345・・・の方向に印字)で、印字ヘッド21の移動方向は、媒体20の搬送方向と直交する方向(Y軸方向)に設定してある。
【0020】
従って、印字ヘッド21を媒体20の搬送方向(X軸方向)と直行する方向(Y軸方向)に移動させなくてはならないので、新たに印字ヘッド21を媒体20の搬送方向と直行する方向に移動させるためのモータが必要であり、なおかつ、印字ヘッド21を往復移動させる必要があるので、印字時間が長くなってしまう。
【0021】
(7) :印字部のインクリボン交換機構の説明
印字部(例えば、従来例2参照)には、印字用のインクリボンが使用されているが、このインクリボンは使用済みになった場合交換する必要がある。インクリボンを交換するには、キャリアを持ち上げて交換し、その後キャリアを所定位置にセットする必要がある。この場合キャリアのセット忘れを検知するためのセンサ機構が備えてあるが、キャリアの自動復帰はできなかった。このため手作業でキャリアをセットしなければならず手間がかかっていた。
【0022】
(8) :突き当てガイド等の媒体搬送補助機構の説明
従来の印字部(例えば、従来例2参照)付近には、板バネ、レバー等により媒体搬送路の端部に設けた搬送ガイドの繋ぎ部で、媒体搬送の補助をする媒体搬送補助機構が設けてある。しかしこの媒体搬送補助機構は、媒体搬送路上に大きな穴が開く場合、その穴を塞ぐために複雑な構造となり装置が大型化していた。
【0023】
(9) :挿入口のシャッタ、及び挿入部のゲート機構の説明
例えば、前記従来例2の公金処理装置には、挿入口2にシャッタ13が設けてあり、挿入部3にはゲート(スタックゲート31、リジェクトゲート32)が設けてある。これらのシャッタ13、スタックゲート31、リジェクトゲート32はそれぞれ別々のマグネットにより駆動されていた。従って、部品点数が多くなりコストアップの原因ともなっていた。また、部品点数が多いので装置の小型化が困難である。
【0024】
(10):ターンページ機構の説明
従来の媒体処理装置には、ページ捲りを行うためのターンページ機構が使用されていた。このターンページ機構は冊子媒体(例えば、金融機関で扱う取引通帳)のターンページ動作を行うが、捲り上げられたページはフリーの状態になっており(ローラ等により保持されていない)、この状態で他の処理、例えば媒体カット処理等を行うことはできなかった。
【0025】
(11):媒体反転機構の説明
従来、媒体の反転が必要な媒体処理装置においては、媒体反転処理専用の機構を他の機構とは別に設置していた。このため装置が大型化していた。
【0026】
(12):媒体カット機構の説明
従来の媒体処理装置では、冊子状に閉じられた媒体、すなわち冊子媒体の中ページに何らかの媒体処理(印字等)を行う場合、処理ページの表面に対してしか出来ず、媒体カットなどの処理は不可能とされていた。媒体のカットが必要な場合は、予め人手により媒体をカットしてから装置に挿入して処理を行っていた。
【0027】
(13):媒体収納機構等の説明
従来の媒体収納装置には媒体を収納するための媒体収納機構にカセットが使用されていた。前記カセットには、媒体を収納するための入り口が常に開いているものと、入口を開閉するものとがある。入り口が常に開いているものは、持ち運びの際、媒体が飛び出して落ちる可能性がある。また、入り口を開閉するものは、カセットを装置にセットする時に、マニュアル操作で開いてセットする必要があり操作が面倒である。
【0028】
更に、前記カセットには、媒体を収納する部分にシャッタ機構が設けてあるが、このシャッタ機構に対し、シャッタを開閉する機構と、装置の運用中にカセットが引き抜かれないようにするカセット引き抜き防止機構とが別々の機構として設けた装置も開発されていた。
【0029】
(14):カセットへの媒体スタック機構の説明
前記カセットへ媒体を収納するスタック機構として、搬送路が1ルートの場合と、複数ルートの場合が知られていた。前記搬送路が1ルートの場合はカセットへの収納も1ルートであるから、カセットの収納を分類することができない。また、搬送路が複数ルートある場合は、搬送路が分類したい数だけ必要となり、装置の小型化には不向きである。
【0030】
なお、従来のカセットには、内部に仕切りがあるカセットと、仕切りがないカセットが知られていた。しかし、仕切りがないカセットを使用した場合は、異種の媒体を収納してもバラバラに収納されてしまう。また、仕切りがあるカセットでも各収納スペースは不変であるため、媒体の収納枚数に制限ができ、効率的な媒体のスタックはできない。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
§1:従来例1の課題
従来例1では、新たに案出した払込票(現金自動預出金機に対応させた払込票)を使用して公金の処理を行っている。従って、一般に使用されている多種多用な支払い伝票(帳票等)はそのまま使用できない。特に、通常の公金支払いに使用される冊子帳票や、税金等の支払いに使用されるホチキスで綴じた冊子帳票は扱うことができなかった。
【0032】
§2:従来例2の課題
従来例2では、前記OCR部、印字部、スタンプ部、整列部等の機能の異なる部分については、それぞれの動作は独立している。このため、任意の位置へ移動が必要な場合には、個別にアクチュエータが必要である。従って、コストアップ、及び装置の大型化の原因になっていた。
【0033】
また、従来例2の公金処理装置では、単票のみ使用可能であり、通常の公金支払いに使用される冊子帳票や、税金等の支払いに使用されるホチキスで綴じた冊子帳票は扱うことができなかった。前記のような冊子通帳を使用する場合は、予め処理するページを切り離した状態で装置に挿入する必要があり、操作が面倒であった。
【0034】
§3:その他の媒体処理装置での課題
(1) :媒体の位置合わせ機構について
OCR部、印字部、スタンプ部、整列部等の機能の異なる部分については、それぞれの動作は独立している。このため、任意の位置へ移動が必要な場合には、個別にアクチュエータが必要である。従って、装置のコストアップ、及び装置の大型化の原因になっていた。
【0035】
(2) :幅寄せ部の媒体幅寄せ、斜行修正機構について
媒体の幅寄せ・斜行修正を行う機構に羽根車を使用した場合は力が弱く、十分な幅寄せ・斜行修正はできなかった。また、媒体の端面をアクチュエータで押す機構では、媒体が薄いと押し過ぎて媒体を傷付けてしまう欠点があった。
【0036】
(3) :ローラ退避機構について
媒体搬送路上から媒体搬送用のローラを退避する機構を備えた装置では、ローラを退避する場合、マグネットにより複数のローラを同時に移動させることでローラの退避を行っていた。従って、マグネットの大きさの制約等により大きな力を発生することはできず退避させるローラの数は限られていた。また、マグネットだけでは数種の退避ポジションを持たせることはできなかった。
【0037】
(4) :スタンプ押印機構について(その1)
従来のスタンプ押印機構では、搬送パネルからテンションローラの高さ分だけ媒体が浮くので、押印する際にはスタンプを押すことにより、テンションローラを下げて搬送パネル上へ媒体を落とす必要がある。このため押印動作が不安定になり、鮮明な印影も得られなかった。
【0038】
また、空隙を作らないように、スタンプの下側に固定のスタンプ台を設けた装置では、媒体の厚みによって押印時のマグネットのストロークを変化させる必要があり、その制御が複雑になる。また、搬送路が狭くなり媒体のジャム等が発生し易くなっていた。
【0039】
(5) :スタンプ押印機構について(その2)
スタンプ押印機構により媒体に領収印を押印する場合、スタンプをかすれないように押印するには、印面を媒体に対して垂直にする必要がある。そこで、印面のかすれ防止として、スタンプホルダ側に自由度を作って対応していた装置が知られていたが、この装置では媒体に段差等があり、斜めになっている場合など、ホルダ側だけでは吸収しきれず、印のかすれが発生していた。
【0040】
(6) :印字機構について
従来の印字機構は、印字方向は媒体の搬送方向と同じで、印字ヘッドの移動方向を媒体の搬送方向と直交する方向に設定している。従って、印字ヘッドを媒体の搬送方向と直行する方向に移動させなくてはならないので、新たに印字ヘッドを媒体の搬送方向と直行する方向に移動させるためのモータが必要であり、なおかつ、印字ヘッドを往復移動させる必要があるので、印字時間が長くなってしまう欠点があった。
【0041】
(7) :印字部のインクリボン交換機構について
従来の印字部に設けたインクリボン交換機構は、インクリボンを交換する場合、キャリアを持ち上げて交換し、その後キャリアを所定位置にセットする必要がある。この場合キャリアのセット忘れを検知するためのセンサ機構が備えてあるが、キャリアの自動復帰はできなかった。このため手作業でキャリアをセツトしなければならず手間がかかっていた。
【0042】
(8) :突き当てガイド等の媒体搬送補助機構について
従来の印字部付近には、板バネ、レバー等により媒体搬送路の端部に設けた搬送ガイドの繋ぎ部で、媒体搬送の補助をする媒体搬送補助機構が設けてある。しかしこの媒体搬送補助機構は、媒体搬送路上に大きな穴が開く場合、その穴を塞ぐために複雑な構造となり装置が大型化していた。
【0043】
(9) :挿入口のシャッタ、及び挿入部のゲート機構について
従来、挿入口にシャッタを設け、挿入部にはゲート(スタックゲート、リジェクトゲート)を設けた装置が知られていた。この装置では、シャッタ、及びゲートはそれぞれ別々のマグネットにより駆動されていた。従って、部品点数が多くなりコストアップの原因ともなっていた。また、部品点数が多いので装置の小型化が困難であった。
【0044】
(10):ターンページ機構について
従来のターンページ機構は冊子媒体のターンページ動作を行うが、捲り上げられたページはフリーの状態になっており(ローラ等により保持されていない)、この状態で他の処理、例えば媒体カット処理等を行うことはできなかった。
【0045】
(11):媒体反転機構について
従来、媒体の反転が必要な媒体処理装置においては、媒体反転処理専用の機構を他の機構とは別に設置しており、装置の小型化が困難であった。
【0046】
(12):媒体カット機構について
従来の媒体処理装置では、冊子状に閉じられた媒体、すなわち冊子媒体の中ページに何らかの媒体処理(媒体カット等)を行う場合、処理ページの表面に対してしか出来ず、媒体カットなどの処理は不可能であった。なお、媒体のカットが必要な場合は、予め人手により媒体をカットしてから装置に挿入して処理を行っていたので手間と時間がかかっていた。
【0047】
(13):媒体収納機構について
従来のカセットには、媒体を収納するための入り口が常に開いているものと、開閉するものとがある。入り口が常に開いているものは、持ち運びの際、媒体が飛び出して落ちる可能性がある。また、入り口を開閉するものは、カセットを装置にセットする時に、マニュアル操作で開いてセットする必要があり操作が面倒であった。
【0048】
更に、前記カセットには、媒体を収納する部分にシャッタ機構が設けてあるが、このシャッタ機構に対し、シャッタを開閉する機構と、装置の運用中にカセットが引き抜かれないようにするカセット引き抜き防止機構とが別々の機構として設けた装置も開発されていた。しかし、このような装置では機構部品が多くなり、装置の小型化、コストダウンは困難であった。
【0049】
(14):カセットへの媒体スタック機構について
カセットへの媒体スタック機構として、搬送路が1ルートの場合はカセットへの収納も1ルートであるから、カセットの収納を分類することができない。また、搬送路が複数ルートある場合は、搬送路が分類したい数だけ必要となり、装置の小型化には不向きであった。
【0050】
なお、従来のカセットにおいて、仕切りがないカセットを使用した場合は、異種の媒体を収納してもバラバラに収納されてしまう。また、仕切りがあるカセットでも各収納スペースは不変であるため、媒体の収納枚数に制限ができ、効率的な媒体のスタックはできなかった。
【0051】
本発明は前記のような従来の課題を解決し、単票に限らず、冊子帳票を含む総合的な税金、公共料金等の媒体処理が迅速、かつ効率的に処理できるようにすることを目的とする。また、本発明は、部品点数を少なくして装置の小型化を図り、安価な装置を実現することを目的とする。
【0052】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理説明図である。本発明は前記の目的を達成するため、次のように構成した。
(1) :媒体上のOCRデータを読み取るOCR部7と、媒体に情報を印字する印字部9と、媒体に領収印を押印するスタンプ部10と、媒体搬送方向と直行する方向に媒体を移動させて媒体の幅寄せを行う幅寄せ部を備えた公金処理装置において、前記OCR部7、印字部9、スタンプ部10、幅寄せ部を同一プレート上に搭載し、このプレートを媒体の搬送方向と直行する方向に移動可能にしたムーブユニット14を備えると共に、前記幅寄せ部は、先端部を媒体搬送路上まで突き出し可能な幅寄せ・斜行修正用爪と、前記幅寄せ・斜行修正用爪を駆動する駆動機構を有し、前記駆動機構により幅寄せ・斜行修正用爪の先端部を媒体搬送路上へ突き出し、搬送ローラを退避させることで媒体搬送路上の媒体を自由に移動可能なフリー状態とし、ムーブユニット14の移動により前記幅寄せ・斜行修正用爪の先端部で媒体の端面を押して、固定した突き当て面側へ移動させることにより、媒体の幅寄せ及び斜行修正を可能にした媒体幅寄せ・斜行修正機構を備えた。
【0054】
(2) :前記(1) の公金処理装置において、媒体幅寄せ・斜行修正機構の幅寄せ・斜行修正用爪の先端部には、幅寄せ・斜行修正用爪の先端部と一定の間隔を開けて板バネを取り付け、媒体の幅寄せ・斜行修正を行う場合は、前記板バネが媒体の端面に当接するようにした。
【0055】
(3) :前記(1) の公金処理装置において、ムーブユニット14は、媒体搬送用の複数の駆動ローラ及びテンションローラからなるローラ群を動作目的別に別々のフレームに装着してユニット化し、前記各ユニット毎にカムの回転により前記フレームを上下移動させることで前記ローラ群のローラギャップを変化させ、通常媒体搬送ポジションとローラ退避ポジション間の切り換えを可能にしたローラ退避機構を備えている。
【0056】
(4) :前記(1) の公金処理装置において、スタンプ部10は、スタンプホルダと、スタンプホルダに設けられ、切り換え及び着脱可能な2種類の印面を持つ第1、第2スタンプと、前記第1、第2スタンプの内、押印位置に切り換えられたスタンプの印面をスタンプ台と平行に保持させるための平行リンク機構と、前記第1、第2スタンプとスタンプホルダ間にそれぞれ挿入したバネを備えると共に、前記スタンプ台をバネを介して固定したスタンプ押印機構を備えている。
【0057】
(5) :前記(4) の公金処理装置において、スタンプ部10は、ムーブユニット14の移動に伴ってスタンプ部10全体を媒体搬送方向と直行する方向に移動させ、固定面に取り付けられたレバーにスタンプホルダに設けた印面ストッパを当て、スタンプホルダの支点を中心に回転させることにより、前記2種類の印面の切り換えを行う印面切り換え機構を備えている。
【0058】
(6) :前記(5) の公金処理装置において、スタンプ部10の印面切り換え機構は、バネによるトグル機構を備え、2種類の印面を切り換えた際、前記トグル機構により各々の印面を保持可能にした。
【0059】
(7) :前記(4) の公金処理装置において、スタンプ部10は、第1、第2スタンプの内、押印位置に切り換えられたスタンプの印面下部の一部を覆うように、移動可能な搬送補助ガイドを備え、前記搬送補助ガイドをスタンプの押印動作に連動して退避位置へ退避可能な機構とすることにより、媒体のジャムを防止した。
【0060】
(8) :前記(1) の公金処理装置において、印字部9は、媒体搬送方向と平行に1行しか印字できない印字ヘッドを備え、前記印字ヘッドによる印字方向を媒体搬送方向と一致させた。
【0061】
(9) :前記(1) の公金処理装置において、印字部9は、インクリボンを装着した状態で印字を行い、キャリアを持ち上げた状態でインクリボンの交換が可能な印字機構とし、前記印字機構に把手兼キャリアロック部材を有し、前記把手兼キャリアロック部材を持ってキャリアが持ち上げられた場合、前記把手兼キャリアロック部材が、固定部材に取り付けられたフックに引っ掛かることで、キャリアが持ち上がったままの状態で固定されるインクリボン交換機構を備えている。
【0062】
(10):前記(1) の公金処理装置において、インクリボン交換機構は、インクリボン及びキャリアが正しくセットされたか否かを検知するインクリボン/キャリアセット検知用センサを備え、前記キャリアを持ち上げたままセットし忘れた場合、その状態を前記インクリボン/キャリアセット検知用センサが検知し、前記インクリボン/キャリアセット検知用センサの検知信号に基づいてムーブユニットを移動させ、前記把手兼キャリアロック部材とフックのロック状態を自動的に解除することで、キャリアを印字可能な状態に復旧可能にした。
【0063】
(11):前記(1) の公金処理装置において、ムーブユニット14は、媒体搬送路の端部位置で、かつ、前記プレートを媒体搬送方向と直交する方向へ移動させた際、前記プレートの端部が突き当たる位置に設けた突き当てガイドと、前記プレートの移動に連動して突き当てガイドを退避位置へ退避させる突き当てガイド退避機構とを備え、前記突き当てガイドは、通常状態では搬送路の穴を塞ぐことで媒体のジャムを防止し、退避状態では媒体搬送路から遠ざかる方向の退避位置へ退避できるようにした。
【0065】
(12):前記(1) の公金処理装置において、媒体のページを捲るターンページ部を備え、前記ターンページ部15は、それぞれ独立して正逆回転可能なページ捲り用の複数のローラと、前記各ローラの駆動機構を有し、かつ前記複数のローラにより捲り上げられた捲りページ用の媒体搬送ルートを有するターンページ機構を備えている。
【0066】
(13):前記(1) の公金処理装置において、ターンページ機構は、正逆両ターンページの捲りページ用の媒体搬送ルートを共通化した。
(14):前記(12)の公金処理装置において、ターンページ機構は、捲り上げられたページ用の搬送ルートへの捲りページの受け渡しに、前記ローラの回転に伴って回転するベルトの歯を使用した。
【0067】
(15):前記(12)の公金処理装置において、ターンページ部15に、媒体の表裏反転を行う媒体反転機構を備え、前記媒体反転機構は、それぞれ独立して正逆回転可能な複数のローラと、前記各ローラの駆動機構と、媒体反転動作時の媒体搬送ルートの切り換え及び媒体のガイドを行う反転動作用搬送ガイドと、前記複数のローラにより搬送された反転ページ用の媒体搬送ルートを備えると共に、前記ローラ、ローラの駆動機構、及び反転ページ用の媒体搬送ルートを、前記ターンページ部の機構と共用化した。
【0068】
(16):前記(12)の公金処理装置において、媒体の納付書と領収書を切り離すためのカッタ部5を備え、カッタ部5は、それぞれ独立して正逆回転可能な複数のローラと、前記各ローラの駆動機構と、前記ローラにより搬送されたカットページ用の媒体搬送ルートと、前記カットページ用の搬送ルートに沿って設けたロータリカッタ機構と、前記複数のローラの内、前記搬送ルートの片側のローラを前記カットページ用の媒体搬送ルートから遠ざかる方向の退避位置へ退避させるローラ退避機構を有する媒体カット機構を備え、前記ローラ、各ローラの駆動機構、及びカットページ用の媒体搬送ルートを前記ターンページ部の機構と共用化した。
【0069】
(17):前記(16)の公金処理装置において、媒体カット機構のローラ退避機構により、前記カットページ用の媒体搬送ルートの片側のローラを退避位置へ退避させることで、冊子媒体の中間ページ根元部のカット位置を前記ロータリカッタ機構の位置まで移動可能にした。
【0070】
(18):前記(17)の公金処理装置において、媒体カット機構は、冊子媒体の中間ページ根元にあるカット位置をロータリカッタ機構の位置まで移動させ、前記カット位置からカットする際、既に捲られているページや前処理によりカットされたページ等から、カット対象ページを引き離すための爪機構を備えている。
【0071】
(19):前記(16)の公金処理装置において、ロータリカッタ機構は、媒体をカットするための回転刃を備えると共に、前記回転刃の一部に平面部を備え、媒体搬送方向に応じて前記回転刃の回転位置を変化させ、前記平面部を媒体搬送のガイドとして使用するようにした。
【0072】
(20):前記(1) の公金処理装置において、媒体を収納するためのカセットを装填/取り外し自在に設けたカセット部12を備えると共に、カセット部12のカセットには、その一側面側であって媒体を収納する際の入り口となるところに設けた複数のシャッタと、前記シャッタを開閉させるための移動可能なシャッタ駆動板と、前記シャッタ駆動板を常時復帰位置へ復帰させておくことで常時シャッタを閉状態に維持するためのバネを含むシャッタ機構を備え、
カセット部12の装置側には、マグネットと、前記マグネットにより駆動され、マグネットの非励磁状態では前記シャッタ駆動板と反対方向へ復帰し、マグネットの励磁状態ではシャッタ駆動板方向へ移動してシャッタ駆動板を復帰位置と反対方向へ押下することでシャッタを開状態に駆動するシャフトを含むシャッタ駆動機構を備えている。
【0073】
(21):前記(20)の公金処理装置において、カセット部12の装置側には、カセットとシャッタ駆動機構との間に位置するフレームの一部であって、シャフトの移動する部分に孔を設け、前記マグネットの励磁によりシャフトがシャッタ駆動板を押下した場合、前記シャフトが前記孔を貫通し、更にシャッタ機構内部まで入り込む機構とすることで、前記シャッタ機構に、装置運用時におけるカセット引き抜き防止用のロック機構を兼用させた。
【0074】
(22):前記(20)の公金処理装置において、カセット部12の装置側には、前記シャッタの開状態でカセットに媒体を収納した際、シャッタ上に媒体が残留しているか否かを検出するためのセンサを設けると共に、前記センサによりシャッタ上の残留媒体が検出された際、前記マグネットを断続的に励磁し前記シャッタの開閉動作を繰り返して行わせることで、シャッタ上の残留媒体をカセット内へ押し込む制御を行うシャッタ機構制御部を備えている。
【0075】
(23):前記(20)の公金処理装置において、前記カセットへ媒体をスタックするスタッカ部11を備え、スタッカ部11は前記カセットへ媒体を受け渡すためのスタッカユニットと、前記スタッカユニットを前記シャッタを設けたカセットの一側面側に沿って上下移動させるスタッカユニット駆動機構からなる媒体スタック機構を設け、前記スタッカユニットの上下移動により媒体をカセットにスタック可能にし、前記媒体スタック機構により、スタッカユニットを上下移動させることで、カセットの任意の場所から任意の段へ媒体を収納可能にすると共に、前記カセット内に、媒体を仕切る複数のプレートをそれぞれ上下動可能に設け、前記スタッカユニットを上下移動させることで、各プレートの間隔を自由に設定するプレート駆動機構を設け、カセットの任意の位置から任意の枚数の媒体を前記プレート上に収納可能にし、前記スタッカ部に、媒体のスタックルートと、一時退避ルートを設け、前記スタッカユニットを上下移動させることにより、前記2つのルートの切り換えを可能にした。
【0079】
(作用)
前記構成に基づく本発明の作用を、図1に基づいて説明する。
(a) :前記構成(1) の作用
ムーブユニット14のプレートを媒体搬送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に移動させると、前記プレート上に搭載されたOCR部7、印字部9、スタンプ部10、幅寄せ部は同時に同じ方向へ移動する。この場合、媒体の搬送量(X方向の移動量)とプレートの移動量(Y方向の移動量)を任意に変えることにより、媒体の全ての位置(X−Y座標位置)に対し、印字、領収印の押印、OCRデータの読み取り、媒体幅寄せ・斜行修正を媒体搬送用モータと、プレート移動用モータの駆動だけで行うことができる。
【0080】
このため、小型で簡単な機構により、媒体の大きさに関係なく、任意の媒体に対して印字、領収印の押印、OCRデータの読み取り等の処理を迅速に行うことができる。
【0081】
また、幅寄せ部は、駆動機構により幅寄せ・斜行修正用爪を駆動すると、前記幅寄せ・斜行修正用爪の先端部は媒体搬送路上へ突き出し、搬送ローラを退避させることで媒体をフリー状態にする。その後、ムーブユニット14を媒体搬送方向と直交する方向へ移動させると、幅寄せ部は固定した突き当て面側に移動する。この時、幅寄せ・斜行修正用爪の先端部で媒体の端面を押して媒体を突き当て面側へ移動させる。これによって、各種の幅や厚みの媒体を確実に、幅寄せ、或いは斜行修正することができる。
【0082】
(b) :前記構成(2) の作用
また、前記幅寄せ・斜行修正を行う場合には、幅寄せ・斜行修正用爪の先端部に取り付けた板バネが媒体の端面に当接する。このため、媒体を押し過ぎた場合でも前記バネにより吸収できるので媒体を傷つけることがない。
【0083】
(c) :前記構成(3) の作用
ムーブユニット14は、媒体搬送用の複数の駆動ローラ及びテンションローラからなるローラ群を動作目的別に別々のフレームに装着してユニット化している。このため、前記ユニット毎にカムの回転によりフレームを上下移動させると、そのユニットのみローラ群のローラギャップを変化させることができる。
【0084】
例えば、或るユニットのフレームを下方向に移動させるとそのユニットのローラがローラ退避ポジションに退避する。従って、処理に必要なローラ群のみを通常媒体搬送ポジションにしておき、必要のないローラをローラ退避ポジションへ退避させることにより、多様な媒体の取り扱いが可能になる。
【0085】
(d) :前記構成(4) の作用
スタンプ部10では、押印に必要な印面を切り換えると平行リンク機構により印面がスタンプ台と平行に保持される。この時、第1、第2スタンプとスタンプホルダ間に挿入したバネにより、スタンプホルダ側に自由度を持たせることができる。また、スタンプ台にもバネを設けてあるので、印面を媒体の傾きに倣わせることで、印面のカスレを防止できる。
【0086】
(e) :前記構成(5) の作用
スタンプ部10は、ムーブユニット14を移動させるとそれに伴ってスタンプ部10全体が媒体搬送方向と直行する方向に移動する。前記移動により固定面に取り付けられたレバーに印面ストッパが当たると、スタンプホルダはその支点を中心に回転しいずれか1つの印面がスタンプ台と平行になる。このような動作により2種類の印面の切り換えを行う。従って、簡単な機構により2種類の印面を任意に切り換えて使用することができる。
【0087】
(f) :前記構成(6) の作用
スタンプ部10の印面切り換え機構は、バネによるトグル機構を備えているので、前記のように印面切り換えを行うと、切り換えられた印面は前記トグル機構により保持される。従って、簡単な機構により常に確実な押印を行うことができる。
【0088】
(g) :前記構成(7) の作用
スタンプ部10は、押印動作を行う場合、駆動機構によりスタンプの印面をスタンプ台方向(下方向)へ押し下げると、その動作に連動して搬送補助ガイドが退避位置へ退避する。そして、押印終了によりスタンプを上方向へ移動させて元の位置へ戻すと、この動作に連動して搬送補助ガイドもスタンプの印面下部の一部を覆う位置に復帰する。
【0089】
このように、搬送補助ガイドは押印時のみ退避位置へ退避するが、それ以外の時はスタンプの印面下部の一部を覆う位置に復帰しているので、媒体搬送時に媒体のジャムを防止することができる。
【0090】
(h) :前記構成(8) の作用
印字部9で媒体に印字を行う場合、印字方向と媒体搬送方向を一致させているので、印字ヘッドを移動させずに媒体のみ移動させれば、媒体の搬送動作に伴って媒体上に印字を行う。このようにすれば、印字ヘッドを移動させる機構も必要なくなり、短時間で効率的に印字を行うことができる。
【0091】
(i) :前記構成(9) の作用
印字部9のインクリボンを交換する場合、把手兼キャリアロック部材を持ってキャリアが持ち上げ印字部9を移動させると、その移動動作により把手兼キャリアロック部材が、固定部材に取り付けられたフックに引っ掛かり、キャリアが持ち上がったままの状態で固定される。従って、印字部9に設けたインクリボンの交換が容易である。
【0092】
(j) :前記構成(10)の作用
印字部9でインクリボンの交換をした際キャリアを持ち上げたままセットし忘れても、その状態をインクリボン/キャリアセット検知用センサが検知し、前記インクリボン/キャリアセット検知用センサの検知信号に基づいてムーブユニットを移動させることにより、前記把手兼キャリアロック部材とフックのロック状態を自動的に解除する。従って、キャリアを印字可能な状態に自動復旧可能であり手間がかからない。
【0093】
(k) :前記構成(11)の作用
印字及びOCR読み取りが、媒体中央付近で、印字ヘッド等が搬送ガイドと離れている場合は、突き当てガイドが搬送路の穴を塞いでいる。このため前記穴による媒体のジャムを防止できる。ところが、印字及びOCR読み取りが媒体端面付近であって、印字ヘッド等が搬送ガイド上にある時は、突き当てガイドが邪魔になるので退避させる。
【0094】
この場合、ムーブユニットのプレートを媒体搬送方向と直交する方向に移動させると、突き当てガイド退避機構により突き当てガイドが回転しながら下方向へ逃げるように移動して退避位置へ退避する。このようにすれば、突き当てガイドが邪魔にならず、媒体端面の印字及びOCR読み取りが行える。また、突き当てガイドは前記のように回転しながら下方向へ逃げるように移動して退避位置へ退避されるので、印字部9やOCR部7が広範囲に移動できると共に、装置の小型化が可能である。
【0096】
(l) :前記構成(12)の作用
ターンページ部15では、媒体のターンページ動作を行う場合、ローラ駆動機構によりページ捲り用の複数のローラをそれぞれ独立して正逆回転させる。この動作によりページ捲りを行うが、この場合、捲り上げられた捲りページ用の媒体搬送ルートにより、捲り上げられたページを搬送し、その状態を維持する。
【0097】
このため、確実なターンページ動作を行うことができる。また、通常のメインの媒体搬送で行っていた媒体カット等の媒体処理を捲り上げられたページに対して確実に行うことが可能になる。
【0098】
(m) :前記構成(13)の作用
前記ターンページ部15では、正逆両ターンページの捲りページ用の媒体搬送ルートを共通化している。このため、ローラ駆動機構によりページ捲り用の複数のローラをそれぞれ独立して正逆回転させることにより、正逆両ターンページ動作を行う。このため、ターンページ機構が簡単になり、装置の小型化が可能になる。
【0099】
(n) :前記構成(14)の作用
ターンページ部15は、ターンページ動作を行う場合、捲り上げられたページ用の搬送ルートへの捲りページの受け渡しに、ローラの回転に伴って回転するベルトの歯を使用して行う。このため、より確実なターンページ動作が可能になる。
【0100】
(o) :前記構成(15)の作用
前記ターンページ部15には、ターンページ機構と機構を共用化した媒体反転機構が設けてある。この媒体反転機構により媒体の表裏反転を行う場合、反転動作用搬送ガイドを駆動して媒体搬送ルートを切り換え、ローラ駆動機構により各ローラを独立して回転駆動する。この動作により媒体の反転動作を行う。このように機構を共用化することで機構部品を削減し、装置の小型化を実現することが可能になる。
【0101】
(p) :前記構成(16)の作用
カッタ部5はターンページ部15と機構を共用化すると共に、カットページ用の媒体搬送ルートを共用化している。媒体のカット動作を行う場合は、ローラ駆動機構により各ローラを回転させ媒体のカットページをカットページ用媒体搬送ルートへ搬送する。そして、ロータリカッタ機構により媒体のカット位置でカットする。このようにターンページ部15と機構を共用化することにより、機構部品の削減が可能であり装置の小型化が可能になる。
【0102】
(q) :前記構成(17)の作用
媒体のカット動作を行う場合は、ローラ退避機構により複数のローラの内、カットページ用の媒体搬送ルートの片側のローラを退避位置へ退避させる。このようにすれば、冊子媒体の中間ページ根元部のカット位置を前記ロータリカッタ機構の位置まで移動させることが可能になる。
【0103】
(r) :前記構成(18)の作用
媒体のカット動作を行う場合、媒体カット機構は、冊子媒体の中間ページ根元にあるカット位置をロータリカッタ機構の位置まで移動させ、前記カット位置からカットする際、爪機構により既に捲られているページや前処理によりカットされたページ等から、カット対象ページを引き離す動作を行う。この動作により、他のページの巻き込み等を防止する。
【0104】
(ナ) :前記構成(21)の作用
媒体カット機構のロータリカッタ機構は、回転刃の一部に平面部を備えているので、媒体カット動作を行う時には、媒体搬送方向に応じて前記回転刃の回転位置を変化させ、前記平面部を媒体搬送のガイドとして使用する。このようにすれば、媒体のジャムを防止し、確実なカット動作を行うことが可能になる。
【0105】
(ニ) :前記構成(22)の作用
カセットを装置の所定位置へ装填し、カセットへ媒体を収納する時はマグネットを励磁して(オンにして)シャフトを駆動することによりシャッタを開く。そして、開いたシャッタからカセット内部へ媒体を収納する。しかし、カセットを装置から取り外して運搬したり、或いはカセットを装置に装填しても媒体の収納を行わない時は、マグネットを励磁しないでおく。このようにすればシャッタは常に閉じたままとなる。
【0106】
このように、カセットへ媒体を収納する時以外は常にシャッタが閉じているから、カセット内部の媒体が外部へ飛び出すことがなくなる。このため係員等の作業が簡単、かつ容易になる。
【0107】
(ヌ) :前記構成(23)の作用
カセットを装置の所定位置へ装填しシャッタ駆動機構のマグネットを励磁すると、シャフトは下降しフレームの孔を貫通してシャッタ駆動板を押下する。この動作によりシャッタ駆動板が下降しシャッタを開く。この時、シャフトは前記孔を貫通し、更にシャッタ機構の内部に入り込んでいるので、カセットを取り外すことはできなくなる。
【0108】
すなわち、マグネットの励磁によりシャフトがシャッタ駆動板を押下した場合、シャッタ駆動機構がカセット引き抜き防止用のロック機構として働き、装置運用中におけるカセットの引き抜きを確実に防止する。このようにすれば、カセット引き抜き防止用のロック機構を別に設けなくても済み、装置の小型化、コストダウンを実現することが可能になる。
【0109】
(ネ) :前記構成(24)の作用
カセットへ媒体を収納する時はシャッタ駆動機構のマグネットを励磁してシャフトを下降させシャッタを開く。この状態でカセットへ媒体を収納するが、媒体の収納時に媒体がシャッタ上に残留することがある。このようにシャッタ上に媒体が残留すると、センサが前記残留媒体を検出しシャッタ機構制御部へ前記検出信号を送る。前記検出信号を受け取ったシャッタ機構制御部はマグネットを断続的に励磁する(オン/オフを繰り返す)。
【0110】
このため、シャッタが開閉動作を繰り返して行い、このシャッタの開閉動作により前記残留媒体をカセット内へ押し込む。このようにすれば、残留媒体処理のための機構や部品を附加することなく、シャッタを利用して残留媒体を確実にカセットへ押し込むことが可能になる。
【0111】
(ノ) :前記構成(25)の作用
スタッカ部11は、スタッカユニット駆動機構によりスタッカユニットを上下移動させると、媒体はカセット部12のカセットへスタックされる。このようにすれば、簡単な機構により容易に媒体をスタックすることができる。
【0112】
(ハ) :前記構成(26)の作用
スタッカ部11は、媒体スタック機構によりスタッカユニットを上下移動させることで、カセットの任意の場所から任意の段へ媒体を収納することができる。従って、媒体(納付書)の種類毎に別々にスタックできる。
【0113】
(ヒ) :前記構成(27)の作用
カセット内では、媒体を仕切るプレートを上下移動可能にしてフレキシブル化しており、スタッカユニットを上下方向に移動させると、各プレートの間隔が自由に変化する。このようにしてカセット内のプレートを必要とする任意の間隔に設定した状態で媒体を収納する。
【0114】
従って、媒体は常にプレートとプレートで挟まれた状態となり媒体がカセット内で動くことがなくなる。このため、カセット内のスペースを有効利用することができる。
【0115】
(フ) :前記構成(28)の作用
スタッカ部11は、スタッカユニットを上下移動させた時の停止位置を変えると、媒体のスタックルートと一時退避ルートの切り換えを自動的に行う。従って、媒体処理が簡単になる。
【0116】
以上説明した(ア) 〜(フ) のようにして、単票に限らず、冊子帳票を含む総合的な公金(税金、公共料金)の処理が効率的に行える。
【0117】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
§1:公金処理装置の外観の説明・・・図2参照
図2は実施の形態の装置外観図である。公金処理装置は自動取引装置に併設するタイプの公金処理装置(又は、公金処理ユニット:SRU)の例であり、その外観は図2に示した通りである。図示のように自動取引装置40に公金処理装置41が併設されており、両装置間をケーブルで接続して運用する。なお、公金処理装置41の正面側には顧客が公金支払い用等の帳票類を挿入するための挿入口2が設けてあり、この挿入口2に媒体(公金支払い用の単票、冊子帳票等)を挿入することで公金の処理を自動的に行う。
【0118】
§2:公金処理装置の構成の説明・・・図3参照
図3は公金処理装置の構成図であり、A図は全体図、B図は詳細図である。A図に示したように、公金処理装置41はインターフェースケーブル(例えば、RS232C)により自動取引装置40と接続して運用される。そして、前記公金処理装置41にはメカユニット42、制御部43を設けると共に、前記制御部43には、管理パネル部(以下「MOP」と記す)44、ハードディスクドライブ(以下「HDD」と記す)45、フレキシブルディスクドライブ(以下「FDD」と記す)46等が接続されている。
【0119】
前記A図に示した公金処理装置の詳細な構成はB図に示した通りである。B図に示したように、公金処理装置41には、電源部49と、メイン制御部51と、メカ制御部55と、メカユニット42と、MOP44等が設けてある。そして、前記メイン制御部51には、インターフェース制御部(以下「IF制御部」52と、公金処理部53と、メカ主制御部54を設けてある。
【0120】
また、前記MOP44には液晶表示パネル(以下「LCD」と記す)56とタッチパネル57が設けてある(LCD56はタッチパネル57に組み込まれている)。なお、前記メイン制御部51とメカ制御部55はA図に示した制御部43を構成するものである。前記各部の機能等は次の通りである。
【0121】
(1) :電源部49は、外部から商用電源(例えば、AC100V)を入力し、装置内の各部(制御部43、メカユニット42等)に電力を供給するものである。
【0122】
(2) :メイン制御部51は、公金処理装置41内の各種制御を行うものである。
(3) :メカ制御部55は、メカ主制御部54からの制御情報に基づきメカユニット42を構成する各機構部(モータ、マグネット等を含む機構部)の制御を行うものである。
【0123】
(4) :メカユニット42は、公金処理を行うための各種機構部(後述する)で構成されたユニットである。
(5) :MOP44は、例えば、液晶表示パネルと入力装置を備えたものであり、装置の管理等を行うために使用する。
【0124】
(6) :IF制御部52は、自動取引装置40に対するインターフェース制御を行うものである。
(7) :公金処理部53は、各種公金処理を行うものである。
【0125】
(8) :メカ主制御部54は、メカユニット42に対する定義体処理、シーケンス制御等のメカ制御を行うものである。この場合、メカ主制御部54からメカ制御部55に対し制御情報を送ることでメカユニット42の制御を行う。
【0126】
(9) :LCD56は、各種管理情報等を表示するものである。
(10):タッチパネル57は、LCD56の画面上をタッチすることでデータの入力を行う入力装置である。
【0127】
§3:メカユニットの全体構成の説明・・・図4参照
図4はメカユニットの全体構成図である。前記メカユニットは、挿入部3、カッタ部5、リジェクト部4、ターンページ部15、ムーブユニット14、スタッカ部11、カセット部12等で構成されている。そして、前記ムーブユニット14には、OCR部7、印字部9、スタンプ部10、幅寄せ部(図示省略)等が設けてある。また、前記挿入部3にはシャッタ60が設けてある。更に前記各部にはモータ18が設けてある。前記各部の機能等は次の通りである。
【0128】
(1) :挿入部3は、媒体挿入(返却)ルートと、媒体退避(リジェクト)ルートの切り換えを行うものである。なお、この挿入部3にはゲート(後述する)と一体化されたシャッタ60が設けてあり、このシャッタ60により挿入口2を開閉できるようになっている。
【0129】
(2) :カッタ部5は、媒体上の領収書(顧客に返却する部分)と納付書(銀行側の控えとなる部分でありカセット部12に収納される部分)との切り離しを行うものである。
【0130】
(3) :リジェクト部4は、顧客が取り忘れた領収書を収納したり、或いは極めて長い(例えば、180mm以上)媒体を処理中に一時収納したりするものである。
【0131】
(4) :ターンページ部15は、冊子帳票のページ捲り、及び4連帳票の2つ折りの展開、帳票の表裏反転等を行うものである。
(5) :ムーブユニット14は、OCR部7、印字部9、スタンプ部10、幅寄せ部等を同一プレート上に搭載することで同時移動可能な機構とし、常に媒体の適切な処理位置で情報の読み取り、印字、スタンプの押印等の処理ができるようにするものである。
【0132】
(6) :スタッカ部11は、媒体から切り離された公金の納付書を分類しながらカセット部に収納(スタック)するものである。
(7) :カセット部12はカセットを備えており、このカセットに媒体から切り離された納付書を分類して収納するものである。なお、カセットは単体で着脱、及び持ち運び自在に構成されており、係員により任意に取り出すことができるようになっている。
【0133】
(8) :OCR部7は、媒体上のOCRデータの読み取り、及び文字認識処理を行うものである。
(9) :印字部9は、媒体に対して領収印の日付、及び延滞金の金額等の印字を行うものである。
【0134】
(10):スタンプ部10は、媒体(領収書)上の所定位置に領収印を押印するものである。
(11):幅寄せ部は、媒体の幅寄せ、及び斜行修正を行うものである。
【0135】
(12):シャッタ60は挿入口2の開閉を行うものである。媒体が挿入口2から挿入された場合、シャッタ60を閉め、媒体の処理が終了するまでの間、媒体が挿入口2から外部へ飛び出すことがないようにすると共に、外部から処理中の媒体が見えないようにしている。
【0136】
§4:公金処理装置の動作概要、及び媒体処理概要の説明・・・図5〜図7参照
図5は公金処理装置の動作概要説明図、図6は媒体挿入方法説明図、図7は媒体処理概要説明図である。以下、図5〜図7に基づいて公金処理装置の動作概要、及び媒体処理概要を説明する。
【0137】
(1) :公金処理装置の動作概要・・・図5参照
挿入部3に設けたシャッタ60が開いている状態で、顧客が挿入口2から媒体を挿入すると、前記媒体は挿入部3が装置内部へ吸引して挿入する。そして媒体が装置内部へ挿入されるとシャッタ60を閉じ、公金支払い等の処理を行う。
【0138】
前記公金支払い処理では、搬送機構により媒体を所定の処理位置まで搬送し、幅寄せ部8では媒体の幅寄せ、及び斜行修正を行い、OCR部7では媒体上のOCR情報の読み取りを行い、カッタ部5では媒体を領収書と納付書とに分離する。また、印字部9では媒体上に情報(領収年月日等)を印字し、スタンプ部10では領収書に領収印を押印する。更に、スタッカ部11では納付書の分類を行い、カセット部12ではスタッカ部11で分類された納付書を収納する。
【0139】
なお、公金処理装置では媒体の種類(冊子、郵便振替用紙、連票等)により異なった処理を行う。媒体の種類としては、単票、冊子、郵便振替用紙、連票等であり、それぞれ次のような順序で処理を行う。
【0140】
(2) :媒体挿入方法の説明・・・図6参照
前記公金処理装置で媒体を処理する場合、顧客は媒体を次のようにして挿入する。▲1▼の挿入方法は、税金等の冊子による納付書の場合、納付期の頁を開いて挿入する方法である。▲2▼の挿入方法は、税金等の冊子による納付書の場合、納付期の頁をミシン目で切り離して挿入する方法である。
【0141】
▲3▼の挿入方法は、郵便振替等の場合、振替用紙を二つ折りにして挿入する方法である。▲4▼の挿入方法は、その他の用紙の場合、開いた状態で挿入する方法である。
【0142】
(3) :媒体処理概要の説明・・・図7参照
前記▲1▼〜▲4▼の挿入方法で挿入された媒体は、それぞれ次の順序により処理される。
【0143】
前記▲1▼の挿入方法で挿入された冊子(表紙、領収書、各納付期の納付書の順)の処理順序は、媒体挿入→OCR読み取り→ページ捲り→OCR読み取り→ページ捲り→領収印押印・返却→領収印押印・収納である。
【0144】
前記▲2▼の挿入方法で挿入された冊子(表紙、領収書、各納付期の納付書の順)は、幅寄せ→OCR読み取り→退避→OCR読み取り→領収書押印・返却→領収印押印・収納である。
【0145】
前記▲3▼の挿入方法で挿入された郵便振替用紙(4連、二つ折り挿入)は、幅寄せ→OCR読み取り→ページ捲り→切断→領収印押印・返却→領収印押印・収納である。
【0146】
前記▲4▼の挿入方法で挿入されたその他の連票媒体(広げて挿入した連票媒体)は、幅寄せ→OCR読み取り→切断→領収印押印・返却→領収印押印・収納である。
【0147】
§5:挿入部におけるシャッタ/ゲート機構の説明・・・図8、図9参照
図8はシャッタ/ゲート機構説明図(その1)であり、A図は側面図、B図は正面図(A図のP方向から見た図)である。また、図9はシャッタ/ゲート機構説明図(その2)であり、A図は側面図、B図は正面図(A図のP方向から見た図)である。
【0148】
前記挿入部3には、シャッタ/ゲート機構が設けてあり、このシャッタ/ゲート機構により媒体挿入/返却ルートと、媒体退避ルート(又は媒体リジェクトルート)の切り換えを行う。なお、図8は媒体挿入/返却ルート63が確保された状態であり、図9は媒体退避ルート(媒体リジェクトルート)64が確保された状態である。
【0149】
前記シャッタ/ゲート機構は、媒体の挿入口2側に設けたシャッタ60と、媒体搬送ルートの切り換える位置に設けたゲート61と、シャッタ60及びゲート61を駆動するためのシャッタ/ゲート駆動用マグネット62と、前記シャッタ/ゲート駆動用マグネット62により駆動され、シャッタ60及びゲート61を駆動するアクチュエータ65等で構成されている。この場合、シャッタ60とゲート61は同一部材により一体化されており、シャッタ/ゲート駆動用マグネット62により同時に駆動されるものである。
【0150】
前記構成のシャッタ/ゲート機構において、シャッタ/ゲート駆動用マグネット62をオン(励磁状態)にすると、シャッタ/ゲート駆動用マグネット62の駆動力によりアクチュエータ65が移動し、シャッタ60とゲート61が一緒に下方向(媒体搬送路の下方向)に移動する。この動作により媒体を挿入する場合の媒体挿入/返却ルート63が確保される。
【0151】
このように媒体挿入/返却ルート63が確保されると、挿入口2から挿入された媒体20は、搬送機構の駆動ローラ28、テンションローラ29により媒体挿入/返却ルート63に沿って装置内部へ搬送される。また処理後の媒体の一部(領収書)が顧客に返却される場合もこの媒体挿入/返却ルート63に沿って返却される。
【0152】
また、シャッタ/ゲート駆動用マグネット62をオフ(非励磁状態)にすると、シャッタ/ゲート駆動用マグネット62の駆動力はなくなり、復帰バネの復帰力によりアクチュエータ65が復帰位置に戻るため、シャッタ60とゲート61が一緒に上方向(媒体搬送路の上方向)に移動する。この動作により前記媒体挿入/返却ルート63は閉鎖され、媒体退避ルート64が確保される。
【0153】
このように媒体退避ルート64が確保されると、リジェクト部4へのルートが開くので、処理中の媒体を一時リジェクト部へ収納することが可能になる。例えば、長い媒体を処理している時、一度媒体を挿入口2側へ戻す動作を行うことがあるが、このような場合でも媒体退避ルート64が確保されていれば、媒体の一部をリジェクト部4へ収納することができる。またこの時、シャッタ60が閉じているので、媒体が挿入口2から外部へ排出されたり、或いは外部から見えたりすることを防止できる。
【0154】
このように、媒体処理の関係で、一度媒体を挿入口2側へ戻す動作を行っても、媒体は挿入口2から外部へ出ることなく、媒体退避ルート64へ搬送され、媒体処理が終了するまでシャッタ60が閉じているため、媒体の誤挿入等を防止することもできる。
【0155】
そして、媒体を返却する際は、前記のように媒体挿入/返却ルート63を確保することにより、媒体は媒体退避ルート64ではなく、挿入口2へ搬送され顧客に返却される。前記のようにシャッタ60とゲート61を一体化し1個のシャッタ/ゲート駆動用マグネット62のオン/オフ制御により前記2つのルートの切り換えを行うことができる。このような構成により、部品点数を削減し、機構部の小型化を達成し、かつコストダウンも可能にする。
【0156】
§6:媒体の位置合わせ機構の説明・・・図10、図11参照
図10はムーブユニットの平面図、図11はムーブユニットの正面図(図10のM方向から見た図)である。
【0157】
ムーブユニット14は、OCR部7と、印字部9と、スタンプ部10と、幅寄せ部8とを搭載した1枚のムーブユニット搭載プレート70と、前記ムーブユニット搭載プレート70の移動をガイドする2本のガイドシャフト69と、ムーブユニット搭載プレート70を駆動するムーブユニット駆動モータ71と、前記ムーブユニット駆動モータ71の動力をムーブユニット搭載プレート70に伝達するための移動ベルト72と、プーリ73等で構成されている。
【0158】
例えば、X−Y座標を図示のように設定すると、媒体搬送方向はX方向である。また、ガイドシャフト69はその両端をシャーシーに固定し、ムーブユニット搭載プレート70がガイドシャフト69に沿ってY軸方向に移動できるように構成されている。
【0159】
この場合、ムーブユニット搭載プレート70の一部が移動ベルト72の一部に固定されており、ムーブユニット駆動モータ71により移動ベルト72が駆動されると、この移動ベルト72に固定されたムーブユニット搭載プレート70が図示m−n方向(Y軸方向)に移動する。
【0160】
前記のように、OCR部7、印字部9、スタンプ部10、幅寄せ部8を1枚のムーブユニット搭載プレート70上に搭載し、前記ムーブユニット搭載プレート70を移動ベルト72に固定し、この移動ベルト72をムーブユニット駆動モータ71を回転させて移動させることにより、このムーブユニット搭載プレート70全体をガイドシャフト69に沿って媒体搬送方向(X方向)と直行する方向(Y方向)に移動させる。
【0161】
そして、媒体の搬送量(X軸方向の移動量)と、ムーブユニット搭載プレート70の移動量(Y軸方向の移動量)を任意に変えることにより、媒体の全ての座標上に印字、領収印の押印、OCRデータの読み取り、媒体幅寄せ・斜行修正を、搬送機構のモータと、ムーブユニット駆動モータ71だけで可能にした。
【0162】
§7:幅寄せ部の説明・・・図12〜図14参照
図12は幅寄せ部の説明図(その1)、図13は幅寄せ部の説明図(その2)、図14は幅寄せ部の説明図(その3)である。
【0163】
前記幅寄せ部8には媒体幅寄せ・斜行修正機構が設けてあり、媒体の幅寄せと斜行修正(斜めになっている媒体の修正)を行うように構成されている。この媒体幅寄せ・斜行修正機構は、2本の幅寄せ・斜行修正用爪77と、幅寄せ・斜行修正用マグネット79と、復旧バネ78等で構成されている。
【0164】
また、前記媒体幅寄せ・斜行修正機構として、固定部材の突き当て面側の所定距離だけ離れた2か所に媒体検知センサ83が設けてあり、媒体20の幅寄せ・斜行修正動作が行われた場合、前記2個の媒体検知センサ83で移動してきた媒体20を検知できるように構成されている。更に、幅寄せ・斜行修正用爪77の先端部(剛体)には所定の隙間を開けて板バネ85が設けてある。なお、前記板バネ85は媒体の腰の強さよりも弱いバネを使用する。
【0165】
前記幅寄せ・斜行修正用マグネット79がオフ(非励磁状態)の場合は、図12に示したように、復旧バネ78の復旧力によって幅寄せ・斜行修正用爪77が両側に開いており、幅寄せ・斜行修正用爪77の先端部が下パスウェイ81上から離れている。この時、搬送路上に設けた駆動ローラ28とテンションローラ29は接しており、前記駆動ローラ28とテンションローラ29で媒体を挟んで搬送できる状態になっている。
【0166】
前記の状態から幅寄せ・斜行修正用マグネット79をオン(励磁状態)にすると、図13の状態になる。すなわち、幅寄せ・斜行修正用マグネット79をオンにすると、該幅寄せ・斜行修正用マグネット79はアーマチュアを吸引し、このアーマチュアにより駆動される幅寄せ・斜行修正用爪77の先端部を閉じて(図示矢印方向に回転させて)媒体搬送路上へ突き出す。
【0167】
この場合、前記ムーブユニット14は、媒体搬送用の複数の駆動ローラ及びテンションローラからなるローラ群(搬送ローラ群)を動作目的別に別々のフレームに装着してユニット化し、各ユニット毎にカムの回転等により前記フレームを上下移動させることで前記ローラ群のローラギャップを変化させ、通常媒体搬送ポジションとローラ退避ポジション間の切り換えを可能にしている。そこで、前記のように幅寄せ・斜行修正用爪77の先端部を閉じた際、前記フレームを移動させることで搬送ローラ群を退避させ、媒体20をフリー状態(どの方向にも自由に移動可能な状態)にする。
【0168】
前記のようにして幅寄せ・斜行修正用マグネット79をオンにし、搬送ローラ群を退避させることで媒体20をフリー状態にすると、媒体20の幅寄せ・斜行修正が可能になる。この場合、図14に示したように、幅寄せ・斜行修正用爪77の先端部には所定の隙間を開けて媒体20よりも腰の弱い板バネ85が設けてあり、その板バネ85の先端部が媒体20の端面側に接する位置になる。
【0169】
前記のように媒体20をフリーの状態にした後、ムーブユニット駆動モータ71を回転させてムーブユニット搭載プレート70を突き当て面側(図示矢印方向)へ移動させると、幅寄せ・斜行修正用爪77に設けた板バネ85で媒体20の端面を押して、固定部材の突き当て面側に設置した2つの媒体検知センサ83が両方共オンになるまで、媒体20を突き当て面側に押しつける。この動作により、色々な幅の媒体に対し、媒体の幅寄せ、及び斜行修正を行うことができる。
【0170】
前記のように、幅寄せ・斜行修正用爪77先端部に媒体20の腰の強さより弱いバネの板バネ85を設けて、幅寄せ・斜行修正用爪77との間に隙間を作ることで、突き当て面に押しつけ過ぎた場合に、板バネ85により力を吸収できるので、媒体20の損傷を防止することができる。
【0171】
更に、媒体20の損傷を防止するため、媒体検知センサ83が故障、又は検知できない場合には、媒体20を突き当て面に押しつけ過ぎてしまうため、(媒体幅)+(板バネ85で吸収できる長さ)まで移動しても、媒体検知センサ83がオンにならない場合には、幅寄せエラーとする。
§8:スタンプ部の説明・・・図15〜図23参照
図15はスタンプ部の説明図(その1)、図16はスタンプ部の説明図(その2)、図17はスタンプ部の説明図(その3)、図18はスタンプ部の説明図(その4)、図19はスタンプ部の説明図(その5)、図20はスタンプ部の説明図(その6)、図21はスタンプ部の説明図(その7)、図22はスタンプ部の説明図(その8)、図23はスタンプ部の説明図(その9)である。以下、図15〜図23に基づいてスタンプ部を説明する。
【0172】
(1) :スタンプ部のスタンプ押印機構の説明・・・図15〜図18参照
スタンプ部10は、図15〜図18に示したスタンプ押印機構を備え、このスタンプ押印機構により領収書に領収印を押印するものである。図15において、89、92、97、108、109はバネ、90は第1印面、91は第2印面、93はスタンプユニット、94はスタンプ復旧バネ、95は押印チェックセンサ、96は第4リンク、98は第1リンク、99はマグネット、100は第2リンク、102はスタンプ台、103は第3リンク、104は搬送補助ガイド、105はスタンプホルダ、106は第1スタンプ、107は第2スタンプを示す。
【0173】
前記スタンプ押印機構は、第1印面90、第2印面91からなる切り替え可能な2種類の印面(90°異なった方向を向いている印面)を持ち、マグネット99を吸引して印面を媒体20に押しつけて押印するように構成されている。
【0174】
この時、スタンプの印面(第1印面90、または第2印面91)がスタンプ台102と平衡になるように、第1リンク98と第2リンク100を用いてマグネット99を吸引した時、印面が平行移動する平行リンク機構を用いている。
【0175】
この場合、第1スタンプ106とスタンプホルダ105間にバネ92を入れ、第2スタンプ107とスタンプホルダ105間にバネ89を入れ、なおかつ、スタンプ台102をバネ108を介して固定することにより、フレキシブル化する。これにより、押印時、印面を帳票の傾きに倣わせることで、印面のカスレを防止する。
【0176】
また、押印時、押印チェックセンサ95を第1リンク98の板が移動し透過することで押印できたか否かを確認することができる。
(2) :スタンプ押印動作の説明・・・図15〜図18参照
マグネット99がオフの場合は吸引動作は行われないのでスタンプ押印機構は図15に示した状態となっている。この場合搬送補助ガイド104は、スタンプ台102側に切り換えられた第1印面90の一部を覆う位置まで移動している。この位置では、媒体20の搬送に支障がないようにしている(媒体20が第1印面90に突き当たることがないようにしている)。
【0177】
次に図16に示したように、マグネット99が励磁されてオンになると吸引動作が行われる。この動作により前記平行リンク機構が動作し図示矢印方向に回転する。この動作に伴い、第3リンク103によって搬送補助ガイド104が印面(この場合は第1印面90)から遠ざかる方向に退避する。
【0178】
またこの時、スタンプホルダ105がスタンプ台102の方向に下降することで第1印面90が媒体20に近づく。そして、図17に示したように、第1印面90によりスタンプ台102上で媒体20に領収印が押印される。この時押印チェックセンサ95はオフになり媒体20に押印されたことを確認する。その後マグネット99がオフになり、各機構部は図15に示した元の位置に復帰する。
【0179】
(3) :その他、ジャム防止等の説明・・・図15〜図18参照
図15に示したように、第4リンク96は押印動作に連動しており、第3リンク103はバネ97を介して第4リンク96に接続されている。このため、図16に示したように、第3リンク103の動作により、搬送補助ガイド104を水平方向に移動する(退避のための移動)。この機構により押印前は搬送補助ガイド104が印面の一部を覆っており、搬送ガイドの役目を果している。
【0180】
そして、マグネット99をオンにして吸引動作を行うと、スタンプホルダ105が下降し、それに合わせて印面が下降する。この時第3リンク103、及び第4リンク96が回動し、搬送補助ガイド104を押印可能な位置まで退避させる。この状態で更にマグネット99の吸引動作を続けると、例えば、第1印面90により媒体20上に押印する。
【0181】
前記のように、押印動作をしない場合は搬送補助ガイド104が搬送ガイドの役目を果たし、媒体20がスタンプ印面に飛び出すのを防止すると共に、媒体20のジャム発生を防止している。
【0182】
(4) :印面切り替え機構の詳細な説明・・・図19〜図23参照
前記スタンプユニット93は、ムーブユニット14を構成するムーブユニット搭載プレート70上に固定されており、媒体20の搬送方向と直行する方向に移動できるので、前記2種類の印面切り換えはムーブユニット14のムーブユニット搭載プレート70を移動させる動作と連動して行われる。
【0183】
このため、図19に示したように、スタンプユニット93には、第1印面検知センサ113、第2印面検出センサ114、スタンプホルダ105、スタンプホルダ105に取り付けられた印面ストッパ115、印面保持バネ116、印面回転中心(スタンプホルダ105の支点)117等が設けてある。また、固定部材121には、マグネット119と、前記マグネット119によって駆動されるレバー120と、前記レバー120の復帰用のバネ118からなるレバー機構が取り付けてある。
【0184】
(5) :印面切り換え動作の説明・・・図19〜図23参照
第1印面90と第2印面91の切り換え動作は次のようにして行われる。前記のように、スタンプユニット93は、ムーブユニット14を構成するムーブユニット搭載プレート70上に固定されており、媒体20の搬送方向と直行する方向に移動できるので、前記2種類の印面切り換えは、ムーブユニット14を移動させる時に、連動させて切り換える。
【0185】
この場合、図19に示したように、ムーブユニット搭載プレート70の移動によりスタンプユニット93が固定部材121側(図示矢印方向)へ移動する。そして、前記ムーブユニット搭載プレート70の移動開始時に、マグネット119をオンにして吸引動作を行うと、レバー120の先端部が印面ストッパ115に突き当たる位置まで下降(ムーブユニット搭載プレート70側へ移動)する。
【0186】
この状態でスタンプユニット93の移動を進めると、図20に示したように、印面ストッパ115がレバー120の先端部に突き当たり、前記レバー120が印面ストッパ115を押す。この動作により、スタンプホルダ105は印面回転中心(スタンプホルダ105の支点)117の回りに回転する。
【0187】
その後、更にスタンプユニット93が移動し、スタンプホルダ105の回転が或る閾値を通り越すと、図21に示したように、印面保持バネ116を含むトグル機構によりトグル動作が行われ、スタンプホルダ105は印面回転中心117の回りに90°回転して停止する。この状態で第1印面90から第2印面91への印面切り換えが行われる。
【0188】
その後、図22のようにマグネット119をオフにして吸引を停止させると、バネ118の復旧力によりレバー120は元の位置に復帰する。しかしこの状態で、前記トグル機構により印面保持が行われるので、印面はそのまま保持される。このようにして第1印面90から第2印面91への印面切り換えを行う。
【0189】
また、前記印面切り換え後の状態で押印処理を行い、次に第2印面91から第1印面90へ切り換える場合は、スタンプユニット93の移動方向を前記と逆にすれば良い。例えば、図22に示した状態で、スタンプユニット93を更に固定部材121側へ移動させ、マグネット119をオンにしてレバー120を下降(ムーブユニット搭載プレート70側へ移動)させる。
【0190】
そして、ムーブユニット搭載プレート70を前記と逆の方向、すなわち、固定部材121から遠ざかる方向へ移動させると、印面ストッパ115がレバー120の先端部に突き当たり、スタンプホルダ105が回転する。その後トグル機構により印面切り換えが行われる。
【0191】
前記印面切り換え動作により印面を切り換えた場合、図23に示したように、バネ116を利用したトグル機構により印面保持が行われる。図示のように、印面回転中心117の回りには、バネ保持片122が設けてあり、このバネ保持片122と支持部材123との間に印面保持バネ116が設けてある。そして、前記バネ保持片122、及び印面保持バネ116等によりトグル機構を構成している。
【0192】
そして前記のように印面切り換えを行った場合、前記トグル機構により印面保持が行われる。例えば、図23のA図のように、第1印面90に切り換えられた場合、印面保持バネ116は印面回転中心117と第2印面91との間に位置し、常時図示矢印方向の力(左回転の力)が働くので、第1印面90で押印できるように保持する。
【0193】
また、図23のB図に示したように、第2印面91に切り換えられた場合、印面保持バネ116は印面回転中心117と第1印面90との間に位置し、図示矢印方向の力(右回転の力)が働くので、第2印面91で押印できるように保持する。
【0194】
このように、各印面の保持は、印面回転中心117に対して印面保持バネ116を図23のような配置にしたシンプルな構成のトグル機構により、図示矢印方向に常時力が働き、印面保持を行わせている。
【0195】
§9:印字部の説明・・・図24参照
図24は印字部の説明図である。前記のようにムーブユニット搭載プレート70上には印字部9が搭載されている。前記印字部9はドットプリンタを構成しており、印字を行うための印字ヘッド21を備えている。前記印字ヘッド21には多数のピン22が設けてあり、これらのピン22の出し入れ動作により印字を行う。
【0196】
前記印字ヘッド21は、媒体20の搬送方向(X軸方向)と平行に1行しか印字しない機構であり、印字ヘッド21の向きを図示のようにする。すなわち、媒体20の搬送方向と印字方向(X軸方向)を一致させる。このようにすれば、印字ヘッド21を移動させないで媒体20を搬送させるだけで印字することができる。従って、印字部9を簡単な構成にすることができると共に、印字ヘッド21の移動が必要なくなるので印字時間の短縮が可能になる。
【0197】
§10:印字部におけるインクリボン交換機構の説明・・・図25〜図29参照
図25はインクリボン交換機構説明図(その1)、図26はインクリボン交換機構説明図(その2)、図27はインクリボン交換機構説明図(その3)、図28はインクリボン交換機構説明図(その4)、図29はインクリボン交換機構説明図(その5)である。以下、図25〜図29に基づいてインクリボン交換機構を説明する。
【0198】
ムーブユニット搭載プレート70上に搭載された印字部9はドットプリンタで構成されているため、リボンカセットに収納されたインクリボンを使用する。このインクリボンは印字ヘッド21と媒体20との間に挿入され、媒体20上に印字が行われるが、所定のデータが印字されるとインクリボン(リボンカセット)を交換する必要がある。以下、このインクリボン交換機構について説明する。
【0199】
(1) :インクリボン交換機構の説明・・・図25〜図27参照
図25のA図は印字部本体の正面図、B図は印字部本体の平面図である。なお、図25のA図はインクリボンカセットが未セット状態である。図示のように印字部9には、印字ヘッド21、インクリボン/キャリアセット検知用センサ127、インクリボン/キャリアセット検知用遮蔽板128、把手兼キャリアロック部材134、キャリア支点136、キャリア復旧用バネ139等が設けてあり、前記把手兼キャリアロック部材134の一部にはフック(後述する)に挿入可能な穴130等が設けてある。
【0200】
更に、図26、図27に示したように、前記印字部9には、キャリア135、キャリア固定用スタッド137、マスク140等が設けてある。そして、前記印字部9にはインクリボン138が着脱自在に設けてある。
【0201】
一方、フック取り付け面(固定部材の取り付け面)132には、前記印字部9の把手兼キャリアロック部材134に設けた穴130に挿入させてロックするためのフック133が設けてある。この場合、フック取り付け面132はムーブユニット搭載用プレート70の移動と関係なく固定した取り付け面(フレームの一部等)である。
【0202】
(2) :インクリボン交換方法の説明・・・図25〜図27参照
ところで、印字部9は媒体20の搬送方向と直交する方向に移動できるので、ムーブユニット搭載プレート70上に配置された印字部9は簡単に動いてしまい、インクリボンの交換は面倒な作業である。そこで前記のようなリボン交換機構を設けることで、次のようにして簡単にインクリボンの交換を行うことができる。
【0203】
先ず、図26のC図に示したように印字部9にインクリボン138が装着され印字が行われた結果、インクリボン138の交換が必要になったとする。このようにインクリボン138の交換が必要になった場合、先ず、図26のC図に示したように把手兼キャリアロック部材134を上方向(図示矢印方向)へ押すことでキャリア135を持ち上げる。
【0204】
この時、図26のD図に示したように、把手兼キャリアロック部材134の上方への移動に伴って、キャリア135はキャリア支点136を回転中心として回転し、キャリア135を持ち上げた状態(キャリアオープン状態)になる。そして、把手兼キャリアロック部材134の先端部をフック取り付け面132付近まで上昇させた状態で、そのままムーブユニット搭載用プレート70を図26のD図に示した図示矢印方向へ移動させる。これによりムーブユニット全体が図示矢印方向に移動する。
【0205】
前記のようにしてムーブユニットを移動させると、ついには図27に示したように、把手兼キャリアロック部材134に設けた穴130にフック133が入り込み両者が機械的にロック状態となる。この状態ではインクリボン138が交換し易い状態になっているので、インクリボン138を取り外し、新たに未使用のインクリボンに交換する。
【0206】
前記のようにしてインクリボン138を交換後、ムーブユニット搭載用プレート70を前記と逆の方向(図27に図示した方向)へ移動させれば、前記穴130とフック133とが分離し、印字部9を元の状態(キャリアロック状態)にすることができる。
【0207】
前記のように、キャリア135を持ち上げた時、把手兼キャリアロック部材134がフック133に引っ掛かるようなインクリボン交換機構とすることで、キャリア135を持ち上がったまま固定される状態となり、インクリボン138の交換が容易になる。
【0208】
(3) :センサの説明・・・図28、図29参照
以下、図28、図29に基づいてセンサ機構について説明する。前記のように印字部9には、インクリボン/キャリアセット検知用センサ127、及びインクリボン/キャリアセット検知用遮蔽板128からなるセンサ機構が設けてある。前記インクリボン/キャリアセット検知用センサ127は、インクリボン138のセット状態と、キャリア135のセット状態を検知するためのセンサであり、発光部と受光部とで構成される。また、インクリボン/キャリアセット検知用遮蔽板128は、前記インクリボン/キャリアセット検知用センサ127の発光部と受光部の間に出入りすることで前記発光部から受光部へ照射する光を遮蔽するものである。
【0209】
そして、前記インクリボン/キャリアセット検知用センサ127は、把手兼キャリアロック部材134の一部(後端部)に固定されており、把手兼キャリアロック部材134を持ってキャリア135を上方に持ち上げるとその移動に伴って移動するセンサである。
【0210】
また、インクリボン/キャリアセット検知用遮蔽板128は、インクリボン138がセットされた場合にインクリボン/キャリアセット検知用センサ127の光を遮蔽する位置に置かれ、インクリボン138が取り外された場合、インクリボン/キャリアセット検知用センサ127の光を遮蔽しないように一定角度回転する。
【0211】
このセンサ機構の動作は次の通りである。図28のF図に示した状態は、インクリボン138がセットされた状態で、キャリア135がロック状態にある(図26のC図の状態)。この状態ではインクリボン/キャリアセット検知用遮蔽板128により光が遮蔽されるので、インクリボン/キャリアセット検知用センサ127がオン状態となっている。
【0212】
図28のG図の状態は、キャリア135を持ち上げた状態(図26のD図、或いは図27の状態)である。この場合、インクリボン138がセットされた状態でキャリア135のロックが外れ、キャリアオープンの状態(図26のD図、或いは図27図の状態)である。
【0213】
この状態ではインクリボン/キャリアセット検知用センサ127が移動するのでインクリボン/キャリアセット検知用遮蔽板128により光が遮蔽されず、インクリボン/キャリアセット検知用センサ127がオフになる。このため、インクリボン/キャリアセット検知用センサ127によりキャリアオープン状態を検知する。
【0214】
図29の状態は、キャリア135はロックされているが、インクリボン138がセットされていない状態である。この時、インクリボン/キャリアセット検知用遮蔽板128が移動することでインクリボン/キャリアセット検知用センサ127の光を遮蔽しなくなる。このため、インクリボン/キャリアセット検知用センサ127はオフとなりインクリボン138がセットされていないことを検知する。
【0215】
前記のように、インクリボン138を交換するためにキャリア135を持ち上げたまま、セットし忘れた場合でも、インクリボン/キャリアセット検知用センサ127によってその状態を検知し、前記検知信号に基づいてムーブユニット14を移動させることにより、フック133が自動的に外れて解除される。このため、印字可能な状態に自動復帰させることができる。また、1個のセンサによりインクリボンセット検知と、キャリアオープン検知が可能である。
【0216】
§11:突き当てガイド退避機構の説明・・・図30、図31参照
図30は突き当てガイド機構概略図であり、A図は平面図、B図はA図のM方向から見た側面図、C図はA図のX−Y線断面図である。また、図31は突き当てガイド退避機構説明図であり、D図、E図、F図は各動作状態を示した図である。以下、図30、図31に基づいて突き当てガイド退避機構を説明する。
【0217】
前記ムーブユニット14には多様な媒体に対応できるように、突き当てガイド144、及び前記突き当てガイド144を退避させるための突き当てガイド退避機構が設けてある。この突き当てガイド144はムーブユニット14の固定部側に設けてあり、前記ムーブユニット搭載プレート70が媒体の搬送方向と直行する方向に移動した時に突き当たる位置に設けてある。
【0218】
図示のように、ムーブユニット14の固定部側(ムーブロワーユニット)には、媒体搬送路が設けてあり、この媒体搬送路の端部には媒体搬送方向に沿って搬送ガイド145が設けてある。そして、前記搬送ガイド145の一部(ムーブユニット14が移動する部分)には突き当てガイド144が設けてある。そして、前記突き当てガイド144には、印字部9やスタンプ部10等を避ける為の切り欠き149が設けてある。
【0219】
また、前記突き当てガイド144の下側の端部は長穴151に遊嵌合し、かつ前記端部はバネ150によって上方向(図30のC図の矢印方向)に引っ張られており、これらの機構を含んで突き当てガイド退避機構を構成している。例えば、媒体20がムーブユニット14の位置まで搬送され、OCR部7による情報の読み取り、或いは印字部9による印字が行われる場合、図30のA図に示したように、前記情報の読み取り/書き込み位置146が搬送路の端部に位置していたとすると、ムーブユニット14を図示矢印方向に移動させる必要がある。
【0220】
この場合、ムーブユニット搭載用プレート70上にOCR部7、印字部9、スタンプ部10等が搭載されているので、これら各部を搭載したムーブユニット搭載用プレート70を媒体搬送方向と直行する方向(図30のA図の矢印方向)へ移動させる。この移動によりムーブユニット搭載用プレート70が突き当てガイド144に突き当たる。
【0221】
この時、ムーブユニット搭載用プレート70の下側の一部(例えば印字部9の近傍)にレバー147が設けてあり、このレバー147が突き当てガイド144に突き当たる。すなわち、図31のD図に示したように、ムーブユニット搭載用プレート70の移動により印字部9を媒体搬送方向と直交する方向に移動すると、レバー147が突き当てガイド144の突き当てガイドカム部148に突き当たり、突き当てガイド144を外側へ回動させ、図31のE図の状態になる。
【0222】
そして、更に印字部9を移動させると、レバー147が突き当てガイドカム部148を外側に回動させながら下方向へ移動させる。そして、ついには図31のF図に示したように、レバー147が突き当てガイドカム部148の上に乗り上げ、突き当てガイド144を下側(図示矢印方向)へ押し下げる。
【0223】
このようにして突き当てガイド144を下側へ押し込んだ状態で、OCR部7によるOCR情報の読み取り、或いは印字部9による印字を行う。なお、ムーブユニット搭載用プレート70を元の位置まで戻せば、突き当てガイド144は元の位置に復帰する。
【0224】
前記のように、媒体搬送路中で媒体端面付近の印字及びOCR読み取りを行う際、搬送ガイド145には印字部9の印字ヘッド21やOCR部7を避けるために穴を開ける必要があるが、印字ヘッド21等の横移動に連動して退避する突き当てガイド退避機構が設けてあるので、媒体20の搬送時に前記穴により媒体20がジャムするのを防止できる。
【0225】
すなわち、前記突き当てガイド退避機構によれば、印字、及びOCR読み取りが、媒体20の中央部付近で、印字部9の印字ヘッド21が搬送ガイド145と離れている場合は、突き当てガイド144が搬送路の穴を塞ぎ媒体20のジャムを防止している。また、印字及びOCR読み取りが、媒体20の端部付近で印字部9の印字ヘッド21が搬送ガイド145上になるような場合は、突き当てガイド144を退避させる。そして退避の際、突き当てガイド144は下方向へも逃げるので、装置の小型化が可能であり、またムーブユニット14の移動範囲を広くすることができる。
【0226】
§12:ムーブユニットのローラ退避機構の説明・・・図32参照
図32はムーブユニットのローラ退避機構説明図であり、A図は第1ポジション、B図は第2ポジション、C図は第3ポジションを示す。以下、図32に基づいてムーブユニットのローラ退避機構を説明する。
【0227】
前記ムーブユニット14には、多数の駆動ローラ28及びテンションローラ29からなるローラ群が設けてあり、これらの駆動ローラ28とテンションローラ29からなるローラ群により媒体20の搬送を行うように構成されている。この場合、前記ローラ群(多数の駆動ローラ28及びテンションローラ29)は、動作目的に応じてユニット化されている。そして、前記ローラ群はカムにより複数のポジションに切り換えることができるようになっている。
【0228】
図示のように、ムーブユニット14には、動作目的に応じて上下可能な第1フレーム159と第2フレーム160を備えると共に、前記フレームを上下させるためのカム156、157、リンク161、及びストッパ155、158が設けてあり、これらの各部等でローラ退避機構を構成している。
【0229】
この場合前記カム156、157はそれぞれ形状の異なる第1カムと第2カムで構成されており、第1カムと第2カムが同軸支持されていて、第1カムで第1フレームを駆動し、第2カムで第2フレームを駆動するように構成されている。また、前記カム156、157はリンク161を介して連動するようになっており、ギヤを介してモータ(いずれも図示省略)によって駆動されるように構成されている。
【0230】
また、前記ストッパ155、158はそれぞれ前記カム156、157が或る位置まで回転した時該カムの回転を停止させるものであり、カムの回り止め用の機構である。以下、各ポジションについて説明する。
【0231】
(1) :第1ポジションの説明・・・A図参照
A図は第1ポジションを示した図であり、この第1ポジションは、媒体20の通常搬送時のポジションである。この第1ポジションでは、カム156、157により各フレームが最も高い位置に押し上げられており、駆動ローラ28とテンションローラ29が接していて通常の媒体搬送を行う位置になっている。この第1ポジションでは、駆動モータの励磁を行わなくても、ストッパ155、158によりカム156、157が回転しないように停止させているので、前記ローラ群の位置が変化しないようになっている。
【0232】
(2) :第2ポジションの説明・・・B図参照
B図は第2ポジションを示した図であり、一部のローラ群を下方向に退避させるポジションである。この第2ポジションでは駆動モータの回転により、カム156、157を少し回転させることで、第2フレーム160のみを下降させ、それに応じて一部のローラ群のみ退避させ、ローラギャップを広げる。
【0233】
この第2ポジションでは、印字ヘッド21及びOCR部7のギャップ変更等が、第1フレーム159のローラ群により媒体20を押さえた状態で行うことができる。従って、厚い媒体20の搬送や、印字部9、OCR部7等の移動が可能になる。
【0234】
(3) :第3ポジションの説明・・・C図参照
C図は第3ポジションを示した図であり、全てのローラ群を下方向に退避させるポジションである。この第3ポジションでは駆動モータの回転により、カム156、157を更に回転させることで、第1フレーム159、及び第2フレーム160の全てを下降させ、それに応じて全てのローラ群を退避させ、ローラギャップを広げる。
【0235】
この第3ポジションでは、媒体20の横移動(幅寄せ等)が可能であり、搬送路納付書幅より狭い媒体を取り扱った場合に起こる媒体の斜行修正等が可能になる。以上のように、ローラ退避機構を設けることにより、媒体20の搬送及び印字等、他の機能の多用化が図れ、多様な媒体を取り扱うことが可能になる。
【0236】
§13:ターンページ機構の説明・・・図33、図34参照
図33はターンページ機構説明図、図34はターンページ動作説明図である。以下、図33、図34に基づいてターンページ部15に設けたターンページ機構を説明する。
【0237】
(1) :基本構成の説明・・・図33参照
ターンページ機構は媒体のページを捲る機構であり、その構成は図33に示した通りである。図示のようにターンページ機構には、駆動ローラ167A、168A、169Aと、テンションローラ167B、168B、169Bと、外側に多数の歯を形成したベルト170A、170B等が設けてあり、前記各ローラはそれぞれモータ、ギヤ等の駆動機構により独立して回転駆動されると共に、それぞれ独立して正逆回転可能に構成されている。
【0238】
前記構成において、テンションローラ167Bは駆動ローラ167Aに接触する1組のローラであり、テンションローラ168Bは駆動ローラ168Aに接触する1組のローラであり、テンションローラ169Bは駆動ローラ169Aに接触する1組のローラである。また、メイン搬送ルート165、及び166は媒体のメイン搬送ルート(通常の搬送ルート)であり、搬送ルート172は捲り上げられたページを搬送するルートである。
【0239】
前記構成のターンページ機構では、媒体の正ターン(次ページに捲る動作)、及び逆ターン(前ページに捲り戻す動作)が可能である。そして、正ターンは、駆動ローラ169Aとテンションローラ169Bによりターンするページを膨らまし、捲り上げ等の動作を行う。また、逆ターンは、駆動ローラ167Aとテンションローラ167Bによりターンするページを膨らまし、捲り上げ等の動作を行う。
【0240】
前記駆動ローラ168Aとテンションローラ168Bは搬送ルート172を構成している第1のローラであり、ベルト170A、及び170Bは、前記正逆両ターンにより捲り上げられたページを駆動ローラ168Aとテンションローラ168Bへ確実な受渡しを行うためのベルトである。なお、前記構成のターンページ機構は、単票の二つ折り媒体、及び折り癖の無いホチキス止め冊子媒体等に対応可能である。
【0241】
(2) :捲り上げられたページ用の搬送ルートの説明・・・図33参照
前記のようにターンページ機構には捲り上げられたページ用の搬送ルート172を持っている。従来の装置ではターンページにより捲り上げられたページはフリーになっていたが、本実施の形態の装置では、前記搬送ルート172により捲りページを搬送し維持することができる。このため、通常、メイン搬送ルート165、166により行っていた媒体処理(カット、印字、スタンプ、OCR読み取り等)を捲りページに行うことができる。
【0242】
(3) :正逆両ターンページの捲りページ用搬送ルートを共通化した機構の説明・・・図33参照
前記のように駆動ローラ167A、テンションローラ167Bの組と、駆動ローラ169A、テンションローラ169Bの組を設け、それぞれ別々のローラにて正逆ターンを行うことにより、捲りページ用の搬送ルート172を共通化している。
【0243】
(4) :捲りページ用の搬送ルート172への捲りページの受渡しにベルト170A、170Bの歯を使用し、搬送する機構の説明
前記のようにターンページ機構にはベルト170A、170Bが設けてある。これらのベルト170A、170Bは両歯ベルト(ベルト本体の両側に歯が設けてあるベルト)を使用し、背側の歯を利用して正逆両ターンによる捲りページ用の搬送ルート172に受け渡す機構にしている。
【0244】
(5) :ターンページ動作の説明・・・図34参照
以下、図34に基づいてターンページ動作を説明する。ターンページ動作は以下の各動作により行われる。
【0245】
▲1▼:膨らまし動作
メイン搬送路165、166上を搬送されてきた媒体20はターンページ機構によりページ捲りが行われる。この場合、先ずA図に示したように、媒体20を駆動ローラ167A、及びテンションローラ167Bの組と、駆動ローラ169A、及びテンションローラ169Bの組で挟んだ状態で、一旦全てのローラを停止させる。その後、テンションローラ169Bをロック状態(停止状態)にして、駆動ローラ169Aのみを図示矢印方向へ回転させることにより、捲りページを膨らます。
【0246】
▲2▼:撥ね上げ動作
前記のようにして膨らまし動作を行った後、B図に示した撥ね上げ動作を行う。この撥ね上げ動作では、前記膨らまし動作終了後に、ソレノイド(図示省略)を励磁してテンションローラ169Bを図示矢印方向へ退避させ、駆動ローラ169Aから引き離す。そして、駆動ローラ169Aのみを図示矢印方向に回転させることで捲りページを上方向に撥ね上げる動作を行う。
【0247】
▲3▼:捲り上げ動作
前記撥ね上げ動作終了後、C図に示したように捲り上げ動作を行う。この捲り上げ動作は、媒体20の撥ね上げ後、駆動ローラ168Aを図示矢印方向に回転させる。この動作により従動するテンションローラ168B、及び付随のベルト170A、170Bも回転するので、この動作により媒体20は捲りページを搬送ルート172まで導く。この場合、最初はベルト170Bの背側の歯により媒体20を上方向へ導き、その後、駆動ローラ168A、テンションローラ168Bにより媒体20を挟んで搬送ルート172へ導く。
【0248】
▲4▼:捲り上げ後の搬送動作
前記撥ね上げ動作終了後、再びD図に示した媒体20の搬送動作を行う。この場合、撥ね上げ動作終了後、駆動ローラ168A、169Aを図示矢印方向に回転させる。そして媒体20のセンタホールド部(冊子媒体のセンタホールド部、或いは連票の折り目部分)173が駆動ローラ168A、169A間の適当な位置に来るまで媒体20を搬送する。その後、メイン搬送ルート166方向への搬送、或いは搬送ルート172方向(カット処理等の場合)への搬送を行う。
【0249】
以上の動作によりターンページ動作が行われる。前記のターンページ機構を設けることにより、冊子状に綴じられた媒体に対するカット等の特殊処理をふくむ動作の一括処理を可能にした。また、様々な媒体処理機構を直列的にではなく、並列的に配置することが可能になるので装置の小型化が可能になる。
【0250】
§14:媒体反転機構の説明・・・図35、図36参照
図35は媒体反転機構説明図、図36は媒体反転動作説明図である。以下、図35、図36に基づいて、ターンページ部15に設けた媒体反転機構と、その媒体反転動作を説明する。
【0251】
(1) :構成の説明・・・図35参照
ターンページ部15に設けた媒体反転機構は図35に示した構成の機構であり、媒体の表裏反転動作を行うものである。また、この媒体反転機構は前記ターンページ機構と部品を共通化し装置の小型化を図っている。メイン搬送ルート165、166は媒体の通常搬送ルートであり、搬送ルート172は媒体反転ルートである。
【0252】
図示のように媒体反転機構には、前記ターンページ機構と共通の駆動ローラ167A、168A、169Aと、テンションローラ167B、168B、169B、ベルト170A、170B等が設けてあり、前記各ローラはそれぞれモータ、ギヤ等の駆動機構により独立して回転駆動されると共に、それぞれ独立して正逆回転可能に構成されている。
【0253】
また、媒体反転機構には、搬送ガイド177、及び反転動作用搬送ガイド178が設けてあり、これらの各搬送ガイドがソレノイドにより駆動されるように構成されている。この場合、搬送ガイド177はメイン搬送ルート165、166の媒体搬送をガイドするものであり、ガイドを行う場合には搬送ガイド177を回転させ、A図に点線で示したガイド位置aに倒しておき、ガイドをしない場合はA図の実線で示した退避位置に退避させておく。
【0254】
また、前記反転動作用搬送ガイド178は、ガイドしない場合(媒体の反転動作をしない場合)はB図の点線で示した退避位置dに退避させておき、メイン搬送ルート166と搬送ルート172の間で媒体搬送を行う場合はA図に示した位置e側のポジションに移動させておき、メイン搬送ルート165と搬送ルート172の間で媒体搬送を行う場合はB図に示した位置f側のポジションに移動させておく。このように反転動作用搬送ガイド178のポジション切り換えによるゲート切り換えにより、媒体反転動作時の媒体搬送ルートを切り換えることができる。
【0255】
以上のように2つのガイド(177、178)の切り換えにより作られた3つの搬送ルート(165−166方向のルート、165−172方向のルート、166−172方向のルート)を使用し、媒体反転動作を行う。なお、前記反転動作用搬送ガイド178の駆動はソレノイドにより行うが、このソレノイドは、前記ターンページ機構のテンションローラ退避用のソレノイドにより駆動することで部品の共通化を図っている。
【0256】
ところで従来は、媒体反転を必要とする装置においては、媒体反転処理用の機構を他の機構とは独立した機構として配置していた。しかし本実施の形態では、媒体反転機構は前記ターンページ機構と部品の共通化、及び媒体搬送ルートの共通化を図っている。このため、装置の小型化が実現可能である。
【0257】
(2) :媒体反転動作の説明・・・図36参照
例えば、メイン搬送ルート165→搬送ルート172→メイン搬送ルート166の経路で媒体反転動作を行う場合、次の順序で行う。先ず図36のA図に示したように、搬送ガイド177をメイン搬送ルート165、166側から持ち上げ、退避位置に退避させておく。また、反転動作用搬送ガイド178を退避位置から回転させ、位置f側のポジションに移動させておく。この状態でメイン搬送ルート165→搬送ルート172への搬送ルートが確保できる。
【0258】
この状態でメイン搬送ルート165側から媒体20が搬送されて来ると、B図に示したように、媒体20は反転動作用搬送ガイド178によりガイドされ、前記ローラ群等により搬送動作により搬送ルート172方向へ上昇していく。このようにして媒体20が搬送ルート172へ搬送され、媒体20を搬送ルート172へ退避させた状態で反転動作用搬送ガイド178によるゲートの切り換えを行う。
【0259】
そして、C図に示したように、前記ゲートの切り換えにより反転動作用搬送ガイド178を位置e側へ移動させると、搬送ルート172→メイン搬送ルート166のルートが確保される。この状態でD図に示したように、ローラ群を駆動して媒体20を搬送ルート172→メイン搬送ルート166方向に搬送すると、その後、D図に示したように、反転された媒体20がメイン搬送ルート166方向へ搬送される。
【0260】
なお、前記とは逆にメイン搬送ルート166→搬送ルート172→メイン搬送ルート165の経路で媒体反転動作を行う場合、前記と逆の動作により媒体反転を行う。
【0261】
§15:カッタ部の説明・・・図37、図38参照
図37は媒体カット機構説明図(その1)、図38は媒体カット機構説明図(その2)である。以下、図37、図38に基づいてカッタ部5に設けた媒体カット機構を説明する。
【0262】
(1) :基本構成の説明
カッタ部5には、媒体20の納付書と領収書を切り離すための媒体カット機構が設けてある。この媒体カット機構は、前記ターンページ部15と機構部品を共通化し装置の小型化を図っている。
【0263】
図示のように、媒体カット機構にはターンページ機構に設けた駆動ローラ167A、168A、169Aと、テンションローラ167B、168B、169Bと、ベルト170A、170B等が設けてあり、前記各ローラはそれぞれモータ、ギヤ等の駆動機構により独立して回転駆動されると共に、それぞれ独立して正逆回転可能に構成されている。
【0264】
前記構成において、テンションローラ167Bは駆動ローラ167Aに接触する1組のローラであり、テンションローラ168Bは駆動ローラ168Aに接触する1組のローラであり、テンションローラ169Bは駆動ローラ169Aに接触する1組のローラである。また、メイン搬送ルート165及び166は媒体のメイン搬送ルート(通常の搬送ルート)であり、搬送ルート172は媒体カット用の媒体搬送ルートである(なお、前記の各部品はターンページ機構と共通の部品である)。
【0265】
また媒体カット機構として、前記部品の外に、ロータリカッタ機構181、爪機構182等が設けてあり、前記ロータリカッタ機構181には、固定刃183と回転刃184が設けてある。この場合、回転刃184はギヤを介してモータにより駆動されるようになっており、媒体をカットする場合は、回転刃184と固定刃183との間に媒体を挿入し、回転刃184を回転することでカットするように構成されている。
【0266】
前記爪機構182は、搬送ルート172上で駆動ローラ168A、及びテンションローラ168Bより上部に設けてあり、更にその上部にロータリカッタ機構181が設けてある。そして、捲り媒体の根元部のカットを行うために、テンションローラ168Bが、駆動ローラ169Aの回転軸を中心として回転動作し、図37のA図に示した位置に退避できるようにローラ退避機構が設けてある。このような配置により、ターンページ機構により捲りページの根元部のカット、及び媒体反転ルートを利用した単票のカットを可能にしている。
【0267】
(2) :ローラ退避機構の説明
前記のように媒体カット機構にはローラ退避機構が設けてある。この退避機構は、駆動ローラ169Aの回転軸を中心として回転させることにより、テンションローラ168B(テンションローラ168Bに付随したガイド部材等も含む)が図38のA図に示した位置、すなわち、搬送ルート172から遠ざかる位置に退避できるようにした機構である。
【0268】
前記ローラ退避機構によりテンションローラ168Bを退避位置へ退避させることにより、搬送ルート172の搬送路幅が広くなる。このため、例えば、冊子媒体の中間ページの根元(綴じた部分)にあるカット位置をロータリカッタ機構181の位置まで移動させることが容易になり、前記カット位置でのカットが確実にできるような機構になっている。
【0269】
(3) :爪機構の説明
前記爪機構182は、前記冊子媒体の中間ページの根元(綴じた部分)にあるカット位置をロータリカッタ機構181の位置まで移動させ、前記カット位置からカットする際、既に捲られているページや、前処理によりカットされたページ等から、爪機構182によりカット対象のページを引き離す機能を備えた機構である。前記爪機構182により、カット位置を確実に引き出しカットするので、カットの際、他のページの巻き込み等を防止することができる。
【0270】
(4) :媒体カット機構における媒体搬送の説明・・・図38参照
図38のA図は媒体搬送方向がメイン搬送ルート165(又は166)→搬送ルート172方向(図示矢印方向)の場合を示した図であり、B図は媒体搬送ルートが、搬送ルート172→メイン搬送ルート165(又は166)方向(図示矢印方向)の場合を示した図である。
【0271】
図示のように、前記ロータリカッタ機構の回転刃184は円形の刄であるが、その一部に平面部(刄でない部分)185が設けてあり、この平面部185が媒体搬送時のガイドとして使用されるように構成されている。そして、前記回転刃184はギヤを介してモータで回転駆動されるが、任意の回転角度で停止させることができるようになっている。
【0272】
例えば、A図のように、メイン搬送ルート165(又は166)側から搬送ルート172側へ媒体が搬送される(下側から上側へ搬送される)時は、平面部185を、前記搬送ルートに対し、下側(メイン搬送ルート165側)が広くなるような角度まで回転させて(平面部185をハの字状に開く)停止させる。すなわち、メイン搬送ルート165側から見ると、回転刃184の平面部185が見える状態になり、媒体搬送時に回転刃184が邪魔にならず、平面部185が媒体のガイドをするのでジャムの発生を防止する。
【0273】
また、B図のように、搬送ルート172側からメイン搬送ルート165(又は166)側へ媒体が搬送される(上側から下側へ搬送される)時は、平面部185を、前記搬送ルートに対し、上側(搬送ルート172側)が広くなるような角度まで回転させて(平面部185を逆ハの字状に開く)停止させる。すなわち、搬送ルート172の上側から見ると、回転刃184の平面部185が見える状態になり、媒体搬送時に回転刃184が邪魔にならず、平面部185が媒体のガイドをするので、ジャムの発生を防止する。
【0274】
前記のように、媒体を搬送する際、回転刃184の平面部185を媒体搬送のガイドに利用する。この場合、媒体の搬送方向に合わせて平面部185の角度を変えることにより、いずれの方向から媒体が搬送されても常に媒体のガイドを行うことができる。
【0275】
前記のような媒体カット機構をカッタ部5に設けることにより、冊子状に閉じられた媒体に対するカット等の特殊処理を含む動作の一括処理を可能にしている。また、ターンページ機構に対し並列的に処理を行うことができるので、装置を小型化することが可能になる。
【0276】
§16:スタッカ部、及びカセット部の説明・・・図39〜図46参照
図39はカセット部の説明図(シャッタ閉状態)、図40はカセット部の説明図(シャッタ開状態)、図41はシャッタ機構制御部の説明図、図42はスタッカ部/カセット部の説明図(スタッカユニット上昇時の平面図)、図43はスタッカ部/カセット部の説明図(スタッカユニット上昇時の側面図)、図44はスタッカ部/カセット部の説明図(カセットへの媒体収納状態)、図45はスタッカ部/カセット部の説明図(退避ルートへの媒体搬送状態)、図46はスタッカ部/カセット部の説明図(スタッカユニットへの媒体搬送状態)である。以下、図39〜図46に基づいてスタッカ部、及びカセット部を説明する。
【0277】
(1) :カセット部と、カセットのシャッタ機構の説明・・・図39、図40参照
▲1▼:カセット部の構成の説明・・・図39、図40
前記カセット部12にはカセット195が装填/取り外し自在(着脱自在)に設けてあり、カセット195には、媒体20を収納する際の入口となるところにシャッタ機構が設けてある。このシャッタ機構は、開閉可能な複数のシャッタ190と、ガイド板205と、シャッタ駆動板206と、シャッタ復帰用のバネ201等で構成されている。
【0278】
前記ガイド板205は、カセット195に固定された細長い板状体の部材で構成され、その上側と下側にはピン208が設けてある。そして、前記ピン208は、シャッタ駆動板206の上側と下側に設けた長孔207にそれぞれ嵌合するようになっており、ガイド板205に対し、シャッタ駆動板206が前記長孔207の長さ分だけ上下方向に移動(上昇/下降)できるようになっている。また、シャッタ駆動板206は、ガイド板205の両側でガイドされた状態で上下方向に移動(上昇/下降)できるようになっている。
【0279】
この場合、シャッタ駆動板206の上側にはシャッタ復帰用のバネ201の一端が固定され、常時、シャッタ駆動板206を上方向に持ち上げることでシャッタ駆動板206を復帰位置へ復帰させている。そして、シャッタ駆動板206を復帰位置へ復帰させることで、常時、シャッタ190を閉状態(クローズ状態)に保持させている。
【0280】
前記カセット195は、フレーム203の下側の所定位置に装填したり、或いは外部に取り出したりできるようになっている。すなわち、カセット195は装置から取り外して自由に運搬できるようになっており、装置に装填する場合はフレーム203の下側の所定の位置に装填できるようになっている。
【0281】
そして、カセット195の上側に位置するフレーム203(カセット部12の装置フレーム)の上側には、シャッタ機構を駆動するためのマグネット210と、リンク211と、シャフト212等からなるシャッタ駆動機構が取り付けてある。前記リンク211は、マグネット210の動作により回転軸213を回転中心として回転できるようになっており、このリンク211の回転によりシャフト212を上下方向に移動(上昇/下降)できるようになっている。
【0282】
また、フレーム203の一部であってカセット195のシャッタ機構上方には、前記シャッタ駆動機構のシャフト212が挿入できる大きさの孔204が設けてあり、この孔204を通してシャフト212が上下方向に移動し(上昇/下降し)、シャッタ駆動板206を下方向へ押下できるようになっている。
【0283】
そして、シャフト212の下降時には、シャフト212の先端部が、前記孔204を貫通し、更にシャッタ機構の内部にまで入り込む状態となり、この状態ではカセット195を取り外すことができないようにロックされるようになっている。
【0284】
つまり、カセット195を装置の所定位置へ装填し、シャッタ駆動機構のマグネット210を励磁すると、シャフト212は下降しフレーム203の孔204を貫通してシャッタ駆動板206を押下する。この動作によりシャッタ駆動板206が下降しシャッタ190を開く。この時、シャフト212は前記孔204を貫通し、更にシャッタ機構の内部に入り込んでいるので、カセット195を取り外すことはできなくなる。
【0285】
すなわち、マグネット210の励磁によりシャフト212がシャッタ駆動板206を押下した場合、シャッタ駆動機構がカセット引き抜き防止用のロック機構として働き、装置運用中におけるカセット195の引き抜きを確実に防止する。このようにすれば、シャッタ駆動機構が前記ロック機構を兼ねているので、カセット引き抜き防止用のロック機構を別に設けなくても済み、装置の小型化、コストダウンを実現することが可能になる。
【0286】
更に、カセット部12の装置側には、発光部216Aと受光部216Bからなる残留媒体検出用のセンサが設けてあり、シャッタ上に媒体20が残留しているか否かを検出できるようになっている。またカセット195内には、媒体20を分類して収納するための複数のプレート189が設けてあり、媒体20の収納時には、任意の位置まで移動させて媒体20を収納するようになっている。
【0287】
▲2▼:シャッタ閉状態の説明・・・図39参照
カセット195は装置(カセット部12)の所定位置に装填したり、或いは装置から取り外しカセット単体で運搬できるようになっている。この場合、カセット195のシャッタは常時閉状態(クローズ状態)となっており、シャッタ駆動機構のマグネット210をオン(励磁状態)にした場合にのみ開状態(オープン状態)となる。
【0288】
すなわち、マグネット210がオフ(非励磁状態)の時は、シャフト212が上方(カセット195と反対側)の復帰位置へ復帰しており、シャフト212の下側はシャッタ駆動板206から離れている。この状態ではバネ201によりシャッタ駆動板206が上方の復帰位置へ復帰しており、シャッタ190は閉状態(クローズ状態)となっている。
【0289】
このようにマグネット210がオフ状態でシャフト212が上方の復帰位置へ復帰している場合は、シャフト212の下側とシャッタ駆動板206の上側は離れた位置にあるので、カセット195を装置から取り外し、カセット単体で運搬することができる。
【0290】
この場合、カセット195を装置から取り外し、カセット単体で運搬しても、シャッタ190は閉状態(クローズ状態)となっており、内部の媒体20が外部へ飛び出すことはない。また、カセット195を装置に装填した場合でも、マグネット210をオンにしない限りシャッタ190は閉状態のままであるから、この場合にもカセット195の内部に媒体20が残留していても媒体20が外部へ飛び出すことはない。
【0291】
▲3▼:シャッタ開状態の説明・・・図40参照
カセット195を装置の所定位置に装填した状態でマグネット210をオンにすると(励磁すると)、マグネット210は動作しプランジャ(又は、可動鉄片)を吸引する。このプランジャの吸引動作によりリンク211は回転軸213を回転中心として回転し、シャフト212を下方向へ移動(下降)させる。
【0292】
このようにしてシャフト212が下方向へ移動(下降)すると、シャフト212の下側はフレーム203の孔204を貫通し、更にカセット195のシャッタ機構まで入り込み、シャッタ駆動板206の上部を押下してシャッタ駆動板206を下方向(図示矢印方向)へ移動させる。
【0293】
このようにしてシャッタ駆動板206が下方向へ移動(下降)すると、この動作に連動してシャッタ190が開状態(オープン状態)となる。シャッタ190が開状態(オープン状態)になると、シャッタ190を介して媒体20がカセット195内に挿入可能な状態(待機状態)となる。その後、カセット195への媒体20の収納を行う。
【0294】
この時、発光部216Aと受光部216Bからなるセンサは、発光部216Aからの光を受光部216Bが受光する状態となり、シャッタ190上に媒体20が残留すると発光部216Aからの光を受光部216Bが受光できなくなる。従って、シャッタ190が開状態となってカセット195内に媒体を収納した際、媒体20がカセット195内に完全に収納しきれず、シャッタ190上に残留した場合には、発光部216Aからの光を受光部216Bが受光できない状態となり、媒体20の残留状態を検出することが可能になる。
【0295】
なお、前記のように、マグネット210の励磁でシャフト212がシャッタ駆動板206を押下した場合、シャッタ駆動機構がカセット引き抜き防止用のロック機構として働き、装置運用中におけるカセット195の引き抜きを確実に防止する。
【0296】
▲4▼:シャッタ機構制御部の構成の説明・・・図41のA図参照
図41のA図はシャッタ機構制御部のブロック図である。以下、図41のA図に基づいてシャッタ機構制御部の構成を説明する。前記シャッタ機構を制御するため、装置制御系の一部にシャッタ機構制御部217が設けてある。前記シャッタ機構制御部217には、マグネット制御部218とマグネット駆動回路219が設けてあり、前記マグネット駆動回路219の出力に前記シャッタ駆動機構のマグネット210が接続されている。
【0297】
また、前記シャッタ機構制御部217には、上位制御部からのシャッタ開閉信号(▲1▼の信号)と、発光部216A及び受光部216Bからなるセンサの出力(受光部216Bの出力)(▲2▼の信号)と、スタッカ制御部(スタッカ部11の制御部であり、図示省略してある)からの媒体搬送終了信号(▲3▼の信号)が入力し、前記▲1▼、▲2▼、▲3▼の各信号を基にマグネット210を制御することでシャッタ機構の制御を行うように構成されている。
【0298】
▲5▼:シャッタ機構制御部の処理の説明・・・図41参照
図41のB図はシャッタ機構制御部の処理フローチャートである。以下、図41のB図に基づいてシャッタ機構制御部の処理を説明する。なお、S1〜S6は各処理ステップを示す。
【0299】
マグネット制御部218は、上位制御部から▲1▼のシャッタ開閉信号を受信すると、その信号がシャッタ開信号(シャッタオープン指示信号)か否かを判断する(S1)。その結果、シャッタ開信号であれば、マグネット制御部218はマグネット駆動回路219にシャッタ開の制御信号を送り、マグネット駆動回路219が前記制御信号に基づいてマグネット210を駆動することでマグネット210をオンにする(励磁する)。
【0300】
このようにしてマグネット210がオンになると、マグネット210によりリンク211が回転しシャフト212を下降させシャッタ190を開く(S2)。この状態でスタッカ部11によりカセット195内に媒体20が収納される。そして、スタッカ部11での媒体搬送処理が終了すると、スタッカ部11からシャッタ機構制御部217に対して▲3▼の媒体搬送終了信号を送る。
【0301】
マグネット制御部218が前記▲3▼の媒体搬送終了信号を受信すると(S3)、センサ出力を基に、シャッタ190の位置に媒体20が残留しているか否かを判断する(S4)。この場合、スタッカ部11での媒体搬送処理が終了している状態で媒体が完全にカセット195内に収納できていれば、シャッタ190上には媒体20が残留していないので、発光部216Aからの光を受光部216Bが受光している。
【0302】
しかし、媒体20がカセット195内に完全に収納しきれなかった場合は、シャッタ190上に媒体20が残留しており、発光部216Aからの光を受光部216Bが受光できない状態となる。従って、マグネット制御部218では前記▲2▼のセンサ出力を基に、シャッタ190上に媒体20が残留しているか否かを判断することができる。
【0303】
そして、シャッタ190上に媒体20が残留していない場合は処理を終了するが、媒体20が残留していた場合は、マグネット制御部218からマグネット駆動回路219に対してシャッタ190を断続的にオン/オフさせるための制御信号を送り、前記制御信号に基づいてマグネット駆動回路219がマグネット210を駆動してシャッタ190を断続的に開閉させる(S5)。
【0304】
すなわち、シャッタ190上に媒体20が残留していた場合は、シャッタ190の開閉を数回繰り返して行うことにより、シャッタ190上に残留している媒体20をカセット195の内部へ強制的に押し込む。この場合、シャッタ190の開閉動作による振動や、シャッタ190が媒体20に直接接触することで媒体20の押し込みを行う。
【0305】
そして、予め決めた回数(例えば、数回程度)だけシャッタ190の開閉を繰り返して処理を終了する。なお、前記のようにしてシャッタ190を数回開閉動作させても媒体20がシャッタ190上に残留していた場合は、他の処理、例えば、シャッタ機構制御部217から上位制御部に対してエラー通知を行うことで対処する。
【0306】
また、前記S1の処理で、受信した信号がシャッタ閉信号(シャッタクローズ指示信号)であった場合は、マグネット制御部218からマグネット駆動回路219に対してシャッタ閉の制御信号を送り、マグネット駆動回路219がマグネット210をオフにしてシャッタ190をオフにする(S6)。
【0307】
前記のように、カセット部12には、媒体20がカセット195内に収納できず、シャッタ190上に残留した時、その媒体20を検出するセンサを有している。そして、前記センサが残留媒体を検出した時、シャッタ190の開閉動作を例えば、数回繰り返して行うことにより、残留媒体をカセット内に押し込む処理を行う。従って、残留媒体処理のための専用の部品、機構等を設けることなく、シャッタを利用して残留媒体の処理を確実に行うことができるから、その分、装置のコストダウン、及び小型化等を達成することが可能になる。
【0308】
(2) :スタッカ部の説明・・・図42〜図46参照
スタッカ部11はカセット195への媒体の収納(スタック)を行う機構であり、スタッカユニット196等が設けてある。そして、前記スタッカユニット196には、搬送用の2軸のローラと、スタッカユニット196の上下動用のモータ193と、カセット195のプレート189を上げ下げするためのマグネット(図示省略)が設けてある。
【0309】
(3) :スタッカ部の動作説明・・・図42〜図46参照
各種媒体を挿入口2より挿入し、印字、スタンプ、カット等の処理を行った後、カセットに媒体を収納する動作を説明する。前記各処理を終了した媒体20は、媒体20の先端がスタッカユニット196の1軸目のローラ197を通過した所で一時止めておき、1軸目のローラ197をロックする。前記のように1軸目のローラ197をロックすることにより、スタッカユニット196を上下動させた時、媒体20が搬送または逆搬送されることを防止する。
【0310】
次に、カセット195へ収納したいプレート(段)189にスタッカユニット196を上下動させ、センサ192により収納したいプレート189を検知し、スタッカユニット196を停止する。
【0311】
なお、カセット195は、プレート189が自由に上下動可能な構成になっているため、収納された媒体20は、常にプレートとプレートで挟まれる状態にあり、媒体20がカセット195内で動くことがない。従って、カセット195内の収納スペースが有効に利用でき、各プレートの収納枚数も任意に設定することができる。
【0312】
前記プレート189は自重により収納された媒体を押している状態にあるため、プレート189を或る位置まで上げることが必要になる。そこで、スタッカユニット196に設けたマグネットにより、プレート189を持ち上げるためのアーム194をプレート189の隙間に挿入する。
【0313】
そして、アーム194を挿入した後、停止していたスタッカユニット196を更に上方に動作させ、プレート189と媒体20との間に、ある程度の隙間を設け、媒体20をカセット195へ搬送するための位置まで移動させ停止する。そして、停止させた位置でロックさせておいたローラを搬送方向へ駆動すると、媒体20はカセット195へ収納される。
【0314】
媒体20をカセット195へ収納した後は、前記の逆の動作を行わせることにより、プレート189、及びスタッカユニット196は元の位置へ戻り、次の処理の待機状態となる。
【0315】
(4) :媒体退避ルートの説明
スタッカユニット196にカセット195へ媒体20を収納するための搬送ルートと、長い媒体を処理するための退避ルート198(一時的に媒体を退避させるための退避ルート)を備えている。この場合、スタッカユニット196を上下動させた時の停止位置を変えることにより、媒体20のルートを、カセット195への媒体収納ルートと、退避ルート198のいずれかに切り換えることができるようになっている。
【0316】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
(1) :単票だけでなく、冊子帳票を含むあらゆる公金(税金、公共料金等)支払い伝票等を取扱い、総合的な公金支払い処理を自動的に行うことができる。特に、取扱い帳票は、税金等のホチキスで綴じた冊子帳票、及び郵便振替規格(電気料金、ガス料金用伝票等)の4連帳票でも自動的に処理することができる。
【0317】
(2) :機構部品の共用化により部品点数を削減したので、装置の小型化、コストダウンを実現することができる。
(3) :媒体のジャムが発生し易い箇所には、ジャム対策を施してあるので、媒体のジャムが減少できる。
【0318】
(4) :媒体処理を行うための機構を効率的に配置しているので、迅速、かつ効率的な媒体処理を行うことができる。また、各媒体処理機構の保守、点検等の作業も効率的に行うことができる。
【0319】
(5) :媒体処理により切り離された納付書は、カセット部に収納され分類された状態で取り出すことができるので、後処理が容易になる。
(6) :冊子帳票による公金支払いの場合でも、装置内で冊子帳票を取り扱うことができるので、顧客はそのまま装置へ挿入するだけで済む。従って、従来のように必要なページのみ切り離して装置へ挿入する、というような余計な手間はかからない。
【0320】
前記効果の外、各請求項に対応して次のような効果がある。
(7) :請求項1では、ムーブユニットのプレートを媒体搬送方向と直交する方向に移動させると、プレート上に搭載されたOCR部、印字部、スタンプ部、幅寄せ部は同時に同じ方向へ移動する。この場合、媒体の搬送量とプレートの移動量を任意に変えることにより、媒体の全ての位置に対し、印字、領収印の押印、OCRデータの読み取り、媒体幅寄せ・斜行修正を媒体搬送用モータと、プレート移動用モータの駆動だけで行うことができる。
【0321】
このため、小型で簡単な機構により、媒体の大きさに関係なく、任意の媒体に対して印字、領収印の押印、OCRデータの読み取り等の処理を迅速に行うことができる。
【0322】
(8) :請求項2では、幅寄せ部は幅寄せ・斜行修正用爪を備えており、この幅寄せ・斜行修正用爪の動作により、各種の幅や厚みの媒体を確実に、幅寄せ、或いは斜行修正することができる。
【0323】
(9) :請求項3では、媒体幅寄せ・斜行修正機構の幅寄せ・斜行修正用爪の先端部には、幅寄せ・斜行修正用爪の先端部と一定の間隔を開けて板バネを取り付け、媒体の幅寄せ・斜行修正を行う場合は、前記板バネが媒体の端面に当接するようにしている。
【0324】
従って、幅寄せ・斜行修正を行う場合には、幅寄せ・斜行修正用爪の先端部に取り付けた板バネが媒体の端面に当接する。このため、媒体を押し過ぎた場合でも前記バネにより吸収できるので媒体を傷つけることがない。
【0325】
(10):請求項4では、ムーブユニットは、ローラ群を動作目的別に別々のフレームに装着してユニット化し、各ユニット毎にカムの回転によりフレームを上下移動させることでローラ群のローラギャップを変化させ、通常媒体搬送ポジションとローラ退避ポジション間の切り換えを可能にしたローラ退避機構を備えている。
【0326】
このため、前記ユニット毎にカムの回転によりフレームを上下移動させると、そのユニットのみローラ群のローラギャップを変化させることができる。例えば、或るユニットのフレームを下方向に移動させるとそのユニットのローラがローラ退避ポジションに退避する。従って、処理に必要なローラ群のみを通常媒体搬送ポジションにしておき、必要のないローラをローラ退避ポジションへ退避させることにより、多様な媒体の取り扱いが可能になる。
【0327】
(11):請求項5では、スタンプ部は、スタンプホルダと、2種類の印面を持つ第1、第2スタンプと、押印位置に切り換えられたスタンプの印面をスタンプ台と平行に保持させるための平行リンク機構と、第1、第2スタンプとスタンプホルダ間にそれぞれ挿入したバネを備えると共に、スタンプ台をバネを介して固定したスタンプ押印機構を備えている。
【0328】
従って、スタンプ部では、押印に必要な印面を切り換えると平行リンク機構により印面がスタンプ台と平行に保持される。また、第1、第2スタンプとスタンプホルダ間に挿入したバネにより、スタンプホルダ側に自由度を持たせることができる。更にスタンプ台にもバネを設けてあるので、印面を媒体の傾きに倣わせることで、印面のカスレを防止できる。
【0329】
(12):請求項6では、スタンプ部は、ムーブユニットの移動に伴ってスタンプ部全体を媒体搬送方向と直行する方向に移動させ、固定面に取り付けられたレバーにスタンプホルダに設けた印面ストッパを当て、スタンプホルダの支点を中心に回転させることにより、前記2種類の印面の切り換えを行う印面切り換え機構を備えている。従って、簡単な機構により2種類の印面を任意に切り換えて使用することができる。
【0330】
(13):請求項7では、スタンプ部の印面切り換え機構は、バネによるトグル機構を備え、2種類の印面を切り換えた際、前記トグル機構により各々の印面を保持可能にしている。従って、簡単な機構により常に確実な押印を行うことができる。
【0331】
(14):請求項8では、スタンプ部は、第1、第2スタンプの内、押印位置に切り換えられたスタンプの印面下部の一部を覆うように、移動可能な搬送補助ガイドを備え、前記搬送補助ガイドをスタンプの押印動作に連動して退避位置へ退避可能な機構とすることにより、媒体のジャムを防止できるようにした。
【0332】
このように、搬送補助ガイドは押印時のみ退避位置へ退避するが、それ以外の時はスタンプの印面下部の一部を覆う位置に復帰しているので、媒体搬送時に媒体のジャムを確実に防止することができる。
【0333】
(15):請求項9では、印字部は、媒体搬送方向と平行に1行しか印字できない印字ヘッドを備え、前記印字ヘッドによる印字方向を媒体搬送方向と一致させた。従って、印字ヘッドを移動させずに媒体のみ移動させれば、媒体の搬送動作に伴って媒体上に印字を行う。このようにすれば、印字ヘッドを移動させる機構も必要なくなり、短時間で効率的に印字を行うことができる。
【0334】
(16):請求項10では、印字部は、インクリボンを装着した状態で印字を行い、キャリアを持ち上げた状態でインクリボンの交換が可能な印字機構とし、印字機構に把手兼キャリアロック部材を有し、把手兼キャリアロック部材を持ってキャリアが持ち上げられた場合、把手兼キャリアロック部材が、固定部材に取り付けられたフックに引っ掛かることで、キャリアが持ち上がったままの状態で固定されるインクリボン交換機構を備えている。従って、印字部に設けたインクリボンの交換が容易である。
【0335】
(17):請求項11では、インクリボン交換機構は、インクリボン及びキャリアが正しくセットされたか否かを検知するインクリボン/キャリアセット検知用センサを備え、キャリアを持ち上げたままセットし忘れた場合、その状態をインクリボン/キャリアセット検知用センサが検知し、インクリボン/キャリアセット検知用センサの検知信号に基づいてムーブユニットを移動させ、把手兼キャリアロック部材とフックのロック状態を自動的に解除することで、キャリアを印字可能な状態に復旧可能にした。従って、キャリアを印字可能な状態に自動復旧可能であり便利である。
【0336】
(18):請求項12では、ムーブユニットは突き当てガイドと突き当てガイド退避機構とを備え、突き当てガイドは通常状態では搬送路の穴を塞ぐことで媒体のジャムを防止し、退避状態では媒体搬送路から遠ざかる方向の退避位置へ退避できるようにした。
【0337】
従って、印字及びOCR読み取りが、媒体中央付近で、印字ヘッド等が搬送ガイドと離れている場合は、突き当てガイドが搬送路の穴を塞いでいる。このため前記穴による媒体のジャムを防止できる。また、印字及びOCR読み取りが媒体端面付近であって、印字ヘッド等が搬送ガイド上にある時は、突き当てガイドが邪魔になるので退避させる。
【0338】
この場合、ムーブユニットのプレートを媒体搬送方向と直交する方向に移動させると、突き当てガイド退避機構により突き当てガイドが回転しながら下方向へ逃げるように移動して退避位置へ退避する。従って、突き当てガイドが邪魔にならず、媒体端面の印字及びOCR読み取りが行える。また、突き当てガイドは回転しながら下方向へ逃げるように移動して退避位置へ退避されるので、印字部やOCR部が広範囲に移動できると共に、装置の小型化が可能である。
【0339】
(19):請求項13では、媒体の挿入口と挿入部を備えると共に、挿入口にはシャッタを備え、挿入部にはゲート及びゲートの駆動機構を備え、ゲートとシャッタを一体化した。
【0340】
従って、ゲートの駆動機構によりゲートを駆動するとゲートと一体化されたシャッタも同時に駆動される。このため1つの駆動機構でゲートとシャッタの駆動ができ機構部品を削減することができる。また、ゲートとシャッタが一体化されたので機構が簡単になり、媒体の挿入/返却ルート及び媒体の退避/リジェクトルートからなる2つのルート切り換えが1つの駆動機構により確実に行える。更に、シャッタが閉じた場合は処理途中で媒体が外部に飛び出すこともなく、装置内部が見えないので、外観上も良好である。
【0341】
(20):請求項14では、媒体のページを捲るターンページ部を備え、ターンページ部は、それぞれ独立して正逆回転可能なページ捲り用の複数のローラと、各ローラの駆動機構を有し、かつ複数のローラにより捲り上げられた捲りページ用の媒体搬送ルートを有するターンページ機構を備えている。
【0342】
従って、捲り上げられた捲りページ用の媒体搬送ルートで捲り上げられたページを搬送しその状態を維持することができる。このため、確実なターンページ動作を行うことができる。また、通常のメインの媒体搬送で行っていた媒体カット等の媒体処理を捲り上げられたページに対して確実に行うことが可能になる。
【0343】
更に、このターンページ機構により、単票の2つ折り媒体、折り癖のないホチキス止め冊子媒体(冊子帳票)でもターンページ処理を行うことができる。
(21):請求項15では、ターンページ機構は、正逆両ターンページの捲りページ用の媒体搬送ルートを共通化した。このため、ローラ駆動機構によりページ捲り用の複数のローラをそれぞれ独立して正逆回転させることにより、正逆両ターンページ動作を行うことができる。また、ターンページ機構が簡単になり、装置の小型化が可能になる。
【0344】
(22):請求項16では、ターンページ機構は、捲り上げられたページ用の搬送ルートへの捲りページの受け渡しに、前記ローラの回転に伴って回転するベルトの歯を使用した。このため、より確実なターンページ動作が可能になる。
【0345】
(23):請求項17では、ターンページ部の媒体反転機構はそれぞれ独立して正逆回転可能な複数のローラと、各ローラの駆動機構と、反転動作用搬送ガイドと、複数のローラにより搬送された反転ページ用の媒体搬送ルートを備えると共に、ローラ、ローラの駆動機構、及び反転ページ用の媒体搬送ルートを、ターンページ部の機構と共用化した。従って、機構を共用化することで機構部品を削減し、装置の小型化を実現することが可能になる。
【0346】
(24):請求項18では、カッタ部はそれぞれ独立して正逆回転可能な複数のローラと、各ローラの駆動機構と、カットページ用の媒体搬送ルートと、カットページ用の搬送ルートに沿って設けたロータリカッタ機構と、ローラ退避機構を有する媒体カット機構を備え、ローラ、各ローラの駆動機構、及びカットページ用の媒体搬送ルートをターンページ部の機構と共用化した。従って、ターンページ部と機構を共用化することにより、機構部品の削減が可能であり装置の小型化が可能になる。
【0347】
(25):請求項19では、媒体カット機構のローラ退避機構により、カットページ用の媒体搬送ルートの片側のローラを退避位置へ退避させることで、冊子媒体の中間ページ根元部のカット位置を前記ロータリカッタ機構の位置まで移動可能にした。
【0348】
従って、媒体のカット動作を行う場合は、ローラ退避機構により複数のローラの内、カットページ用の媒体搬送ルートの片側のローラを退避位置へ退避させる。このようにすれば、冊子媒体の中間ページ根元部のカット位置をロータリカッタ機構の位置まで移動させることが可能になる。
【0349】
(26):請求項20では、媒体カット機構は、冊子媒体の中間ページ根元にあるカット位置をロータリカッタ機構の位置まで移動させ、カット位置からカットする際、既に捲られているページや前処理によりカットされたページ等から、カット対象ページを引き離すための爪機構を備えている。
【0350】
従って、媒体のカット動作を行う場合、媒体カット機構は、冊子媒体の中間ページ根元にあるカット位置をロータリカッタ機構の位置まで移動させ、カット位置からカットする際、爪機構により既に捲られているページや前処理によりカットされたページ等から、カット対象ページを引き離す動作を行う。この動作により、他のページの巻き込み等を防止することができる。
【0351】
(27):請求項21では、ロータリカッタ機構は、媒体をカットするための回転刃を備えると共に、回転刃の一部に平面部を備え、媒体搬送方向に応じて前記回転刃の回転位置を変化させ、前記平面部を媒体搬送のガイドとして使用するようにした。
【0352】
従って、媒体カット動作を行う時には、媒体搬送方向に応じて前記回転刃の回転位置を変化させ、前記平面部を媒体搬送のガイドとして使用することで、媒体のジャムを防止し、確実なカット動作を行うことが可能になる。
【0353】
(28):請求項22では、カセットには、複数のシャッタとシャッタ駆動板と前記シャッタ駆動板を常時復帰位置へ復帰させておくことで常時シャッタを閉状態に維持するためのバネを含むシャッタ機構を備え、カセット部の装置側には、マグネットとシャフトを含むシャッタ駆動機構を備えている。
【0354】
このため、カセットを装置から取り外して運搬したり、或いはカセットを装置に装填しても媒体の収納を行わない時は、マグネットを励磁しないためシャッタは常に閉じたままである。このように、カセットへ媒体を収納する時以外は常にシャッタが閉じているから、カセット内部の媒体が外部へ飛び出すことがなくなる。このため係員等の作業が簡単、かつ容易になる。
【0355】
(29):請求項23では、カセット部の装置側には、前記カセットとシャッタ駆動機構との間に位置するフレームの一部であって、シャフトの移動する部分に孔を設け、マグネットの励磁によりシャフトがシャッタ駆動板を押下した場合、シャフトが孔を貫通し、更にシャッタ機構内部まで入り込む機構とすることで、シャッタ駆動機構に、装置運用時におけるカセット引き抜き防止用のロック機構を兼用させた。
【0356】
従って、マグネットの励磁によりシャフトがシャッタ駆動板を押下した場合、シャッタ駆動機構がカセット引き抜き防止用のロック機構として働き、装置運用中におけるカセットの引き抜きを確実に防止する。このようにすれば、カセット引き抜き防止用のロック機構を別に設けなくても済み、装置の小型化、コストダウンを実現することが可能になる。
【0357】
(30):請求項24では、カセット部の装置側には、シャッタ上に媒体が残留しているか否かを検出するためのセンサを設けると共に、センサによりシャッタ上の残留媒体が検出された際、シャッタの開閉動作を繰り返して行わせることで、シャッタ上の残留媒体をカセット内へ押し込む制御を行うシャッタ機構制御部を備えている。
【0358】
従って、媒体の収納時に媒体がシャッタ上に残留すると、センサが残留媒体を検出しシャッタ機構制御部がマグネットを断続的に励磁することで、シャッタが開閉動作を繰り返して行い、このシャッタの動作により残留媒体をカセット内へ押し込む。このようにすれば、残留媒体処理のための機構や部品を附加することなく、シャッタを利用して残留媒体を確実にカセットへ押し込むことが可能になる。
【0359】
(31):請求項25では、カセットへ媒体をスタックするスタッカ部は、スタッカユニットと、スタッカユニット駆動機構からなる媒体スタック機構を設け、前記スタッカユニットの上下移動により媒体をカセットにスタック可能にした。従って、簡単な機構により容易に媒体をスタックすることができる。
【0360】
(32):請求項26では、媒体スタック機構により、スタッカユニットを上下移動させることで、カセットの任意の場所から任意の段へ媒体を収納可能にした。従って、スタッカ部は、媒体スタック機構によりスタッカユニットを上下移動させることで、カセットの任意の場所から任意の段へ媒体を収納することができるから、媒体(納付書)の種類毎に分類して別々にスタックすることができる。
【0361】
(33):請求項27では、カセット内に、媒体を仕切る複数のプレートをそれぞれ上下動可能に設け、スタッカユニットを上下移動させることで、各プレートの間隔を自由に設定するプレート駆動機構を設け、カセットの任意の位置から任意の枚数の媒体を前記プレート上に収納可能にした。
【0362】
このように、カセット内ではプレートを上下移動可能にしてフレキシブル化しており、スタッカユニットを上下方向に移動させると各プレートの間隔が自由に変化する。そして、カセット内のプレートを必要とする任意の間隔に設定した状態で媒体を収納する。従って、媒体は常にプレートとプレートで挟まれた状態となり媒体がカセット内で動くことがなくなる。このため、カセット内のスペースを有効利用することができる。
【0363】
(34):請求項28では、スタッカ部に、媒体のスタックルートと、一時退避ルートを設け、スタッカユニットを上下移動させることにより、2つのルートの切り換えを可能にした。
【0364】
従って、スタッカ部は、スタッカユニットを上下移動させた時の停止位置を変えると、媒体のスタックルートと一時退避ルートの切り換えを自動的に行うから、媒体処理が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】実施の形態の装置外観図である。
【図3】実施の形態における公金処理装置の構成図である。
【図4】実施の形態におけるメカユニットの全体構成図である。
【図5】実施の形態における公金処理装置の動作概要説明図である。
【図6】実施の形態における媒体挿入方法説明図である。
【図7】実施の形態における媒体処理概要説明図である。
【図8】実施の形態におけるシャッタ/ゲート機構説明図(その1)である。
【図9】実施の形態におけるシャッタ/ゲート機構説明図(その2)である。
【図10】実施の形態におけるムーブユニットの平面図である。
【図11】実施の形態におけるムーブユニットの正面図である。
【図12】実施の形態における幅寄せ部の説明図(その1)である。
【図13】実施の形態における幅寄せ部の説明図(その2)である。
【図14】実施の形態における幅寄せ部の説明図(その3)である。
【図15】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その1)である。
【図16】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その2)である。
【図17】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その3)である。
【図18】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その4)である。
【図19】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その5)である。
【図20】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その6)である。
【図21】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その7)である。
【図22】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その8)である。
【図23】実施の形態におけるスタンプ部の説明図(その9)である。
【図24】実施の形態における印字部の説明図である。
【図25】実施の形態におけるインクリボン交換機構説明図(その1)である。
【図26】実施の形態におけるインクリボン交換機構説明図(その2)である。
【図27】実施の形態におけるインクリボン交換機構説明図(その3)である。
【図28】実施の形態におけるインクリボン交換機構説明図(その4)である。
【図29】実施の形態におけるインクリボン交換機構説明図(その5)である。
【図30】実施の形態における突き当てガイド機構概略図である。
【図31】実施の形態における突き当てガイド退避機構説明図である。
【図32】実施の形態におけるムーブユニットのローラ退避機構説明図である。
【図33】実施の形態におけるターンページ機構説明図である。
【図34】実施の形態におけるターンページ動作説明図である。
【図35】実施の形態における媒体反転機構説明図である。
【図36】実施の形態における媒体反転動作説明図である。
【図37】実施の形態における媒体カット機構説明図(その1)である。
【図38】実施の形態における媒体カット機構説明図(その2)である。
【図39】実施の形態におけるカセット部の説明図(シャッタ閉状態)である。
【図40】実施の形態におけるカセット部の説明図(シャッタ開状態)である。
【図41】実施の形態におけるシャッタ機構制御部の説明図である。
【図42】実施の形態におけるスタッカ部/カセット部の説明図(スタッカユニット上昇時の平面図)である。
【図43】実施の形態におけるスタッカ部/カセット部の説明図(スタッカユニット上昇時の側面図)である。
【図44】実施の形態におけるスタッカ部/カセット部の説明図(カセットへの媒体収納状態)である。
【図45】実施の形態におけるスタッカ部/カセット部の説明図(退避ルートへの媒体搬送状態)である。
【図46】実施の形態におけるスタッカ部/カセット部の説明図(スタッカユニットへの媒体搬送状態)である。
【図47】従来の公金処理装置説明図である。
【図48】従来のスタンプ押印機構説明図である。
【図49】従来の印字機構説明図である。
【符号の説明】
2 挿入口
3 挿入部
4 リジェクト部
5 カッタ部
7 OCR部
8 幅寄せ部
9 印字部
10 スタンプ部
11 スタッカ部
12 カセット部
13 シャッタ
14 ムーブユニット
15 ターンページ部
16 ゲート
60 シャッタ
61 ゲート
70 ムーブユニット搭載プレート
77 幅寄せ・斜行修正用爪
Claims (23)
- 媒体上のOCRデータを読み取るOCR部と、媒体に情報を印字する印字部と、媒体に領収印を押印するスタンプ部と、媒体搬送方向と直行する方向に媒体を移動させて媒体の幅寄せを行う幅寄せ部を備えた公金処理装置において、
前記OCR部、印字部、スタンプ部、幅寄せ部を同一プレート上に搭載し、このプレートを媒体の搬送方向と直行する方向に任意の移動量で移動可能にしたムーブユニットを備えると共に、
前記幅寄せ部は、先端部を媒体搬送路上まで突き出し可能な幅寄せ・斜行修正用爪と、前記幅寄せ・斜行修正用爪を駆動する駆動機構を有し、前記駆動機構により幅寄せ・斜行修正用爪の先端部を媒体搬送路上へ突き出し、搬送ローラを退避させることで、媒体搬送路上の媒体を自由に移動可能なフリー状態とし、前記ムーブユニットの移動により前記幅寄せ・斜行修正用爪の先端部で媒体の端面を押して、固定した突き当て面側へ移動させることにより、媒体の幅寄せ及び斜行修正を可能にした媒体幅寄せ・斜行修正機構を備えていることを特徴とした公金処理装置。 - 前記媒体幅寄せ・斜行修正機構の幅寄せ・斜行修正用爪の先端部には、幅寄せ・斜行修正用爪の先端部と一定の間隔を開けて板バネを取り付け、媒体の幅寄せ・斜行修正を行う場合は、前記板バネが媒体の端面に当接するようにしたことを特徴とした請求項1記載の公金処理装置。
- 前記ムーブユニットは、媒体搬送用の複数の駆動ローラ及びテンションローラからなるローラ群を動作目的別に別々のフレームに装着してユニット化し、前記各ユニット毎にカムの回転により前記フレームを上下移動させることで前記ローラ群のローラギャップを変化させ、通常媒体搬送ポジションとローラ退避ポジション間の切り換えを可能にしたローラ退避機構を備えていることを特徴とした請求項1記載の公金処理装置。
- 前記スタンプ部は、スタンプホルダと、前記スタンプホルダに設けられ、切り換え及び着脱可能な2種類の印面を持つ第1、第2スタンプと、前記第1、第2スタンプの内、押印位置に切り換えられたスタンプの印面をスタンプ台と平行に保持させるための平行リンク機構と、前記第1、第2スタンプとスタンプホルダ間にそれぞれ挿入したバネを備えると共に、前記スタンプ台をバネを介して固定したスタンプ押印機構を備えていることを特徴とした請求項1記載の公金処理装置。
- 前記スタンプ部は、ムーブユニットの移動に伴ってスタンプ部全体を媒体搬送方向と直行する方向に移動させ、固定面に取り付けられたレバーにスタンプホルダに設けた印面ストッパを当て、スタンプホルダの支点を中心に回転させることにより、前記2種類の印面の切り換えを行う印面切り換え機構を備えていることを特徴とした請求項4記載の公金処理装置。
- 前記スタンプ部の印面切り換え機構は、バネによるトグル機構を備え、2種類の印面を切り換えた際、前記トグル機構により各々の印面を保持可能にしたことを特徴とした請求項5記載の公金処理装置。
- 前記スタンプ部は、第1、第2スタンプの内、押印位置に切り換えられたスタンプの印面下部の一部を覆うように、移動可能な搬送補助ガイドを備え、前記搬送補助ガイドをスタンプの押印動作に連動して退避位置へ退避可能な機構とすることにより、媒体のジャムを防止したことを特徴とする請求項4記載の公金処理装置。
- 前記印字部は、媒体搬送方向と平行に1行しか印字できない印字ヘッドを備え、前記印字ヘッドによる印字方向を媒体搬送方向と一致させたことを特徴とする請求項1記載の公金処理装置。
- 前記印字部は、インクリボンを装着した状態で印字を行い、キャリアを持ち上げた状態でインクリボンの交換が可能な印字機構とし、前記印字機構に把手兼キャリアロック部材を有し、前記把手兼キャリアロック部材を持ってキャリアが持ち上げられた場合、前記把手兼キャリアロック部材が、固定部材に取り付けられたフックに引っ掛かることで、キャリアが持ち上がったままの状態で固定されるインクリボン交換機構を備えていることを特徴とした請求項1記載の公金処理装置。
- 前記インクリボン交換機構は、インクリボン及びキャリアが正しくセットされたか否かを検知するインクリボン/キャリアセット検知用センサを備え、
前記キャリアを持ち上げたままセットし忘れた場合、その状態を前記インクリボン/キャリアセット検知用センサが検知し、前記インクリボン/キャリアセット検知用センサの検知信号に基づいてムーブユニットを移動させ、前記把手兼キャリアロック部材とフックのロック状態を自動的に解除することで、キャリアを印字可能な状態に復旧可能にしたことを特徴とする請求項9記載の公金処理装置。 - 前記ムーブユニットは、媒体搬送路の端部位置で、かつ、前記プレートを媒体搬送方向と直交する方向へ移動させた際、前記プレートの端部が突き当たる位置に設けた突き当てガイドと、前記プレートの移動に連動して突き当てガイドを退避位置へ退避させる突き当てガイド退避機構とを備え、
前記突き当てガイドは、通常状態では搬送路の穴を塞ぐことで媒体のジャムを防止し、退避状態では媒体搬送路から遠ざかる方向の退避位置へ退避できるようにしたことを特徴とする請求項1記載の公金処理装置。 - 媒体のページを捲るターンページ部を備え、前記ターンページ部は、それぞれ独立して正逆回転可能なページ捲り用の複数のローラと、前記各ローラの駆動機構を有し、かつ前記複数のローラにより捲り上げられた捲りページ用の媒体搬送ルートを有するターンページ機構を備えていることを特徴とした請求項1記載の公金処理装置。
- 前記ターンページ機構は、正逆両ターンページの捲りページ用の媒体搬送ルートを共通化したことを特徴とする請求項12記載の公金処理装置。
- 前記ターンページ機構は、捲り上げられたページ用の搬送ルートへの捲りページの受け渡しに、前記ローラの回転に伴って回転するベルトの歯を使用したことを特徴とする請求項12記載の公金処理装置。
- 前記ターンページ部に、媒体の表裏反転を行う媒体反転機構を備え、前記媒体反転機構は、それぞれ独立して正逆回転可能な複数のローラと、前記各ローラの駆動機構と、媒体反転動作時の媒体搬送ルートの切り換え及び媒体のガイドを行う反転動作用搬送ガイドと、前記複数のローラにより搬送された反転ページ用の媒体搬送ルートを備えると共に、
前記ローラ、ローラの駆動機構、及び反転ページ用の媒体搬送ルートを、前記ターンページ部の機構と共用化したことを特徴とする請求項12記載の公金処理装置。 - 媒体の納付書と領収書を切り離すためのカッタ部を備え、前記カッタ部は、それぞれ独立して正逆回転可能な複数のローラと、前記各ローラの駆動機構と、前記ローラにより搬送されたカットページ用の媒体搬送ルートと、前記カットページ用の搬送ルートに沿って設けたロータリカッタ機構と、前記複数のローラの内、前記搬送ルートの片側のローラを前記カットページ用の媒体搬送ルートから遠ざかる方向の退避位置へ退避させるローラ退避機構を有する媒体カット機構を備え、
前記ローラ、各ローラの駆動機構、及びカットページ用の媒体搬送ルートを前記ターンページ部の機構と共用化したことを特徴とする請求項12記載の公金処理装置。 - 前記媒体カット機構のローラ退避機構により、前記カットページ用の媒体搬送ルートの片側のローラを退避位置へ退避させることで、冊子媒体の中間ページ根元部のカット位置を前記ロータリカッタ機構の位置まで移動可能にしたことを特徴とする請求項16記載の公金処理装置。
- 前記媒体カット機構は、冊子媒体の中間ページ根元にあるカット位置をロータリカッタ機構の位置まで移動させ、前記カット位置からカットする際、既に捲られているページや前処理によりカットされたページ等から、カット対象ページを引き離すための爪機構を備えていることを特徴とした請求項17記載の公金処理装置。
- 前記ロータリカッタ機構は、媒体をカットするための回転刃を備えると共に、前記回転刃の一部に平面部を備え、媒体搬送方向に応じて前記回転刃の回転位置を変化させ、前記平面部を媒体搬送のガイドとして使用することを特徴とした請求項16記載の公金処理装置。
- 媒体を収納するためのカセットを装填/取り外し自在に設けたカセット部を備えると共に、前記カセット部のカセットには、その一側面側であって媒体を収納する際の入り口となるところに設けた複数のシャッタと、前記シャッタを開閉させるための移動可能なシャッタ駆動板と、前記シャッタ駆動板を常時復帰位置へ復帰させておくことで常時シャッタを閉状態に維持するためのバネを含むシャッタ機構を備え、
前記カセット部の装置側には、マグネットと、前記マグネットにより駆動され、マグネットの非励磁状態では前記シャッタ駆動板と反対方向へ復帰し、マグネットの励磁状態ではシャッタ駆動板方向へ移動してシャッタ駆動板を復帰位置と反対方向へ押下することでシャッタを開状態に駆動するシャフトを含むシャッタ駆動機構を備えていることを特徴とした請求項1記載の公金処理装置。 - 前記カセット部の装置側には、前記カセットとシャッタ駆動機構との間に位置するフレームの一部であって、前記シャフトの移動する部分に孔を設け、
前記マグネットの励磁によりシャフトがシャッタ駆動板を押下した場合、前記シャフトが前記孔を貫通し、更にシャッタ機構内部まで入り込む機構とすることで、前記シャッタ駆動機構に、装置運用時におけるカセット引き抜き防止用のロック機構を兼用させたことを特徴とした請求項20記載の公金処理装置。 - 前記カセット部の装置側には、前記シャッタの開状態でカセットに媒体を収納した際、前記シャッタ上に媒体が残留しているか否かを検出するためのセンサを設けると共に、
前記センサによりシャッタ上の残留媒体が検出された際、前記マグネットを断続的に励磁し前記シャッタの開閉動作を繰り返して行わせることで、シャッタ上の残留媒体をカセット内へ押し込む制御を行うシャッタ機構制御部を備えていることを特徴とした請求項20記載の公金処理装置。 - 前記カセットへ媒体をスタックするスタッカ部を備え、前記スタッカ部は前記カセットへ媒体を受け渡すためのスタッカユニットと、前記スタッカユニットを前記シャッタを設けたカセットの一側面側に沿って上下移動させるスタッカユニット駆動機構からなる媒体スタック機構を設け、前記スタッカユニットの上下移動により媒体をカセットにスタック可能にし、
前記媒体スタック機構により、スタッカユニットを上下移動させることで、カセットの任意の場所から任意の段へ媒体を収納可能にすると共に、
前記カセット内に、媒体を仕切る複数のプレートをそれぞれ上下動可能に設け、前記スタッカユニットを上下移動させることで、各プレートの間隔を自由に設定するプレート駆動機構を設け、カセットの任意の位置から任意の枚数の媒体を前記プレート上に収納可能にし、
前記スタッカ部に、媒体のスタックルートと、一時退避ルートを設け、前記スタッカユニットを上下移動させることにより、前記2つのルートの切り換えを可能にしたことを特徴とする請求項20記載の公金処理装置。」
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