JP4300649B2 - 窓口端末装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オンラインバンキングターミナルに代表される業務用の窓口端末装置に関するもので、特に窓口端末装置の出力手段であるプリンタの制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の窓口端末装置は銀行等の金融機関の窓口であるカウンターに設置され、オペレータの操作により顧客との間で各種の取引を実行するもので、その実行に当たっては窓口端末装置とセンタのホストコンピュータとの間で情報の授受を行い、ホストコンピュータからの情報に基づいて窓口端末装置は取引に必要な処理を推進する。
【0003】
このような窓口端末装置は、キーボードや磁気ストライプリーダ、OCR等の入力手段と、CRTディスプレイやLCDディスプレイ等の表示手段と、複数の媒体挿入口を持つプリンタと、ホストコンピュータとオンライン接続して通信を行うための通信手段と、これらを制御する制御部等を備えている。
取引に際しては、まずオペレータが当該端末装置のキーボードにより取引の種別を入力すると、これにより選択された取引に対応する入力ガイダンス画面が表示手段に表示されるので、オペレータはキーボードや磁気ストライプリーダ等により入力ガイダンス画面における各項目の情報を入力する。
【0004】
その後、オペレータは通帳や伝票等の媒体をプリンタの挿入口にセットし、更に前記の入力した各項目の情報を通信手段を介してホストコンピュータに送信する。
そしてホストコンピュータから出力情報(取引内容等の電文)が送られてくると、プリンタの挿入口にセットされた媒体はプリンタ内部に搬送されて印字ヘッドにより印字が行われ、印字が終了すると媒体は挿入口に排出される。
【0005】
尚、媒体が通帳の場合、印字後、通帳の磁気ストライプに磁気ヘッドによる情報の書き込みが行われた後、挿入口に排出される。
このように端末装置はホストコンピュータと情報の授受を行いながら1つの取引を実行する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述した従来の技術では、以下の問題がある。
すなわち、プリンタにおける印字の準備動作の1つとして、媒体を搬送路の一側面に設定した基準面に媒体を沿わせるための幅寄せを行う場合があるが、従来においてはこの幅寄せをホストコンピュータから出力情報を受信した後に行っているため、取引処理の時間にこの幅寄せ動作の時間が加算され、処理時間が長くかかる一因となっている。
【0007】
また、媒体の1つである通帳に印字を行った後、この通帳を排出する前にホストコンピュータから磁気ストライプへの出力情報を受信して、磁気ヘッドにより通帳の磁気ストライプに情報の書き込みを行うが、この場合にも幅寄せを行う必要があり、これも処理時間が長くかかる一因となる。
また、同一媒体への印字が複数行に渡るときは改行を行うが、例えばある1行分の印字情報において最後に改行の情報が付加され、更に次の行の印字情報の最初に改行の情報が付加されている場合がある。
【0008】
図18はこの場合の改行動作の例を示す説明図で、この図(a)に示したようにある1行分の印字後に改行を行い、次の1行の印字の前にもう一度改行を行うという都度改行よりも、図 (b) に示したように先の印字終了後、次の印字の際に前の行の分も合わせて一度に改行を行ったほうが、同じ改行量でも改行動作時間は短くて済むので、従来においては前の行の印字情報の最後に改行情報が付加されている場合、その改行処理は次の行の印字処理と合わせて行っている。
【0009】
しかしながらこれによると、前の行の印字情報の最後に改行情報が付加され、次の行の印字情報の先頭に改行情報が付加されていない場合、前の行の印字情報の最後に付加された改行情報に基づく改行が、その後ホストコンピュータから送られてくる出力情報に含まれる次の行の印字情報の受信後に行われるため、つまり次の行の印字処理に前の行の改行が加えられることになり、そのため次の行の印字処理時間に改行時間が加算され、やはり処理時間が長くかかることになる。
【0010】
更に、従来の技術では、種類の異なる媒体、例えば通帳と伝票に印字を行う場合、搬送路の切り換えを行う必要があるが、この搬送路の切り換えもホストコンピュータから出力情報を受信してから行うため、この搬送路の切り換えに要する時間も印字の処理時間に加算され、処理時間が長くかかる一因となる。
従って、本発明は、これらの問題を解決してプリンタの処理時間を短縮し、ひいては取引時間を短縮することが可能な窓口端末装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、少なくとも2つの挿入口とこの挿入口からそれぞれ奥に伸びる第1,第2の搬送路と媒体を基準面に幅寄せする幅寄せ機構及び媒体に印字を行う印字ヘッドを設けた第3の搬送路を有するプリンタを備え、取引中にホストコンピュータから送られてくる出力情報に基づいて前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体を印字ヘッドの位置まで搬送させてそれぞれ印字を行わせる窓口端末装置において、各取引の種別毎に最新の複数回分の取引において印字した媒体の種類と印字した媒体の順序を出力シーケンス情報として記憶手段に記憶させ、次の取引で前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体のうち、一方の媒体を該当する挿入口側の搬送路に退避させた状態で、別の一方の媒体に印字を行った後、当該取引の種別に該当する出力シーケンス情報を参照し、この参照の結果、複数回の取引における印字した媒体の種類と印字した媒体の順序が同じでかつ次に印字すべき媒体が第3の搬送路以外の搬送路に退避している媒体であると判断した場合、ホストコンピュータから次の出力情報を受信する前に、前記印字した媒体を該当する挿入口側の搬送路に退避させると共に、次に印字すべき媒体を前記第3の搬送路に搬送して前記幅寄せ機構により前記基準面に幅寄せすることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
先ず第1の実施の形態について説明する。
図1は本発明による窓口端末装置の制御系を示すブロック図である。
図において1はキーボード、2は表示手段であるCRTディスプレイ(またはLCDディスプレイ)、3は記憶手段としての磁気ディスク、4は複数の媒体挿入口を持つプリンタ(通帳伝票プリンタ)、40はホストコンピュータとオンライン接続して通信を行うための通信手段としてのインターフェイス部、5はこれらを制御する制御部であり、この制御部5はマイクロプロセッサ、メモリ、タイマ、I/Oポート等により構成され、前記メモリ上に常駐するソフトウエアをマイクロプロセッサが解読して実行することにより装置全体の制御を行うものとなっている。
【0013】
尚、図示していないがこの他にも磁気ストライプリーダ、OCR等の入力手段を備えている。
図2はプリンタ4の内部構成を示す概略側面図である。
図2において6と7はプリンタ4の正面に2段に設けられた通帳用と伝票用の挿入口(インサータ)で、下方の通帳用の挿入口6から奥に向かって第1の搬送路8と第3の搬送路10が一直線状に伸び、第3の搬送路10はプリンタの後面に達しており、また上方の伝票用の挿入口7からは第2の搬送路9が一旦奥に向かって伸び、途中から斜め下がって第1の搬送路8と第3の搬送路10の境界部に接続している。
【0014】
第1の搬送路8と第2の搬送路9は第3の搬送路10に接続され、その接続部つまり分岐合流部には通帳や伝票とうの媒体の搬送方向を切り替える切り替えブレード11が設けられていて、そして各搬送路8〜10のそれぞれの一側は媒体搬送のための基準面として設定されている。
12〜17はそれぞれ2個一対の搬送ローラーで、第1〜第3の搬送路8〜10に沿って設けられており、各ローラー対で通帳や伝票等の媒体を挟持して回転することにより、これらの媒体を往復搬送できるものとなっている。
【0015】
18は第1の搬送路8に設けられた磁気ヘッドで、通帳の磁気ストライプに対して情報の読み取り及び書き込みを行う読み取り書き込み手段である。
19は幅寄せの際に媒体の有無を検知するセンサで、基準面から媒体が離れているときオフを出力する。
20は幅寄せ機構、21は印字ヘッド、22はプラテンである。
【0016】
これらセンサ19、幅寄せ機構20、印字ヘッド21及びプラテン22は第3の搬送路10に沿って順に設けられており、印字ヘッド21とプラテン22は上下に対向するように配置されている。
図3は第1の実施の形態で使用される取引制御情報の構成を示す図で、図示したようにこの取引制御情報はブロック化されており、当該窓口端末装置で行われる取引の種別の数だけ設定され、磁気ディスク3に記憶保持されている。
【0017】
各取引制御情報は、同図(a)に示したように取引種別エリア23、ガイダンス画面情報エリア24、媒体情報エリア25、出力シーケンス情報エリア26により構成されていて、このうちの出力シーケンス情報エリア26を除く各エリアに保持される情報は、当該窓口端末装置のソフトウエアのインストール時に予め設定されており、出力シーケンス情報エリア26の出力シーケンス情報のみが当該窓口端末装置を運用してゆく過程で作成され、書き込まれる。
【0018】
ここで、取引種別エリア23には、当該窓口端末装置で行われる入金や出金あるいは振り込み等の取引の種別を一意に示す1つの取引種別番号と連続して印字を行うか否を示す情報が保持されており、同図(a)に示した取引制御情報の取引種別番号をnとすると、同図(b)に示した取引制御情報には取引種別番号がn+1という異なる番号が与えられている。
【0019】
ガイダンス画面情報エリア24には、CRTディスプレイ2で表示する取引種別に対応したガイダンス画面の表示内容及びキー入力を誘導する際のカーソル表示等に関する情報等が保持されている。
また、媒体情報エリア25には取引種別に対応して使用される媒体の種別を指定する情報が保持されている。
【0020】
更に、出力シーケンス情報エリア26には、連続印字の有無、及び印字すべき媒体の種類に応じた出力位置を指定する出力シーケンス情報が保持されるものとなっており、この出力シーケンス情報エリア26におけるこれらの出力シーケンス情報は取引種別番号で指定される取引の最新の複数回分(図では3取引分)だけ保持され、取引毎に更新されるものとなっている。
【0021】
図4は出力シーケンス情報エリア26におけるシーケンス情報の一例を示す図である。
図4において27は前回の取引で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報、28は前々回の取引で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報であり、29は更にその1つ前の取引で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報である。
【0022】
このシーケンス情報における印字位置は、スペース動作以外の図形,文字,符号の文字方向の印字位置及び行方向の印字位置を、印字すべき媒体である通帳や伝票のそれぞれの左上頂点を座標値0としてX,Y座標の座標値で算出し、保持するものである。
ここで、シーケンス情報27は、時刻11時31分46秒にホストコンピュータから出力情報(取引内容等)を受信し、挿入口7から挿入された伝票に対して行方向の印字位置Y250、文字方向の印字位置X150から印字し、次に挿入口6から挿入された通帳に対して行方向の印字位置Y1200、文字方向の印字位置X450から印字し、続いて挿入口7から挿入された伝票に対して行方向の印字位置Y260、文字方向の印字位置X150から印字し、更に挿入口6から挿入された通帳に対して行方向の印字位置Y1210、文字方向の印字位置X450から印字して、現在も取引中であることを意味している。
【0023】
シーケンス情報28、29はすでに取引が終了したものであるが、その内容の意味するところは同じである。
次に上述した構成による第1の実施の形態の作用を図5及び図6に示したフローチャートに基づいて説明する。
<S1> まず、CRTディスプレイ2に取引を選択するためのメニュー画面を表示している状態において、オペレータがキーボード1により取引種別番号を入力し、実行キーを押下すると、制御部5は入力された取引種別番号をキーとして磁気ディスク3から該当する取引制御情報を選択して取り出す。
<S2> そして制御部5は、取り出した取引制御情報におけるガイダンス画面情報の内容に基づいてガイダンス画面をCRTディスプレイ2に表示させると共に、取引制御情報における媒体情報をプリンタ4に送って使用する媒体を指定する。
<S3> このガイダンス画面に従ってオペレータは当該取引に必要な項目の情報、例えば、口座番号、通帳残高、入金金額(または出金金額)、通帳行位置等の情報をキーボード1により入力し、その後オペレータはホストコンピュータからの指示による通帳記帳や認証印字のための通帳や伝票をプリンタ4のそれぞれの挿入口6,7に挿入してセットする。
【0024】
このセットとは、通帳や伝票を第1の搬送路8及び第2の搬送路9の一側つまり第3の搬送路10に設定された基準面と同一面に付き当てることを意味する。
これによりプリンタ4では、セットされた通帳や伝票の横幅のサイズ等を図示しないセンサで検知し、その出力に基づいてこの通帳や伝票が前記の指定された媒体のサイズ等と一致すると認識した場合、この通帳と伝票を第1の搬送路8と第2の搬送路9にそれぞれ引き込む。
<S4> ここでオペレータがキーボード1の入力完了を示すキー(例えば送信キー)を押下すると、制御部5は前記の入力した情報や媒体情報をインターフェイス部40を介してホストコンピュータに送信して、ホストコンピュータから出力情報が送られてくるのを待つ。
<S5> そして、ホストコンピュータから伝票用の出力情報が送られてくると、制御部5はこの出力情報に従ってプリンタ4に伝票への印字を指示し、これによりプリンタ4では搬送ローラー16,17,14,15が回転して伝票を第3の搬送路10における印字ヘッド21の位置に搬送すると共に、この印字ヘッド21により伝票に印字を行い、この印字の際に図4で説明したような出力シーケンス情報を作成する。
<S6> 伝票への印字が終了すると、この伝票を一旦第2の搬送路9に戻して退避させると共に、制御部5はプリンタからの印字の終了情報をホストコンピュータに送信して、ホストコンピュータから出力情報が送られてくるのを待つ。その後、ホストコンピュータから通帳用の出力情報が送られてくると、制御部5はこの出力情報に従ってプリンタ4に通帳への印字を指示し、これによりプリンタ4では搬送ローラー12,13,14,15が回転して通帳を印字ヘッド21の位置に搬送すると共に、この印字ヘッド21で通帳に印字を行い、この印字の際に、前記と同様に出力シーケンス情報を作成する。
<S7> 通帳への印字が終了すると制御部5は前記の取引制御情報を参照して次の印字の対象が伝票かどうかを判断する。すなわち、取引制御情報における過去3回の取引出力シーケンス情報とも最初の通帳印字の後の印字の対象が伝票であるか否かにより判断する。
【0025】
印字対象が伝票であれば通帳を第1の搬送路8に戻して退避させると共に、プリンタ4に指示して伝票を印字ヘッド21に向かって搬送させる。この搬送において制御部5はセンサ19の出力がオフか否か、つまり伝票が基準面から離れているかどうかを判断し、センサ19の出力がオフの場合、つまり伝票が基準面から離れている場合は、第3の搬送路10における幅寄せ機構20で伝票を基準面に幅寄させ、そして制御部5はホストコンピュータから次の出力情報が送られてくるのを待つ。
【0026】
このように当該取引で以前に印字を行った伝票に再び印字を行う場合、ホストコンピュータから次の出力情報が送られてくる前に、予め伝票の幅寄せを行っておく。前記の判断で過去3回の取引出力シーケンス情報における最初の通帳印字の後の印字の対象が伝票でなく通帳の場合S8へ移行し、また、センサ19の出力がオンの場合は伝票の幅寄せは行わずに次のS8へ移行する。
<S8> ホストコンピュータから出力情報が送られてくると、制御部5はこの出力情報に従ってプリンタ4に印字を指示する。
【0027】
これによりプリンタ4では印字の対象が伝票の場合、印字ヘッド21により伝票に印字を行い、この印字の際に前記と同様に出力シーケンス情報を作成し、また、印字の対象が通帳の場合、引き続き通帳に印字を行って、出力シーケンス情報を作成する。
<S9> 制御部46は前回の印字つまりS8での印字の対象が通帳か否かを判断し、通帳の場合はS10へ移行する。
【0028】
前回の印字の対象が通帳でなく伝票の場合、制御部5は前記の取引制御情報を参照して次の印字の対象が通帳かどうかを判断する。すなわち、取引制御情報における過去3回の取引出力シーケンス情報とも2回目の伝票への印字の後の印字の対象が通帳であるか否かにより判断する。
印字対象が通帳であれば伝票を第2の搬送路9に戻して退避させると共に、プリンタ4に指示して通帳を印字ヘッド21に向かって搬送させる。
【0029】
この搬送において制御部5はセンサ19の出力がオフか否か、つまり通帳が基準面から離れているかどうかを判断し、センサ19の出力がオフの場合、つまり通帳が基準面から離れている場合は、第3の搬送路10における幅寄せ機構20で通帳を基準面に幅寄させ、そして制御部5はホストコンピュータから次の出力情報が送られてくるのを待つ。
【0030】
このように当該取引で以前に印字を行った通帳に再び印字を行う場合、ホストコンピュータから次の出力情報が送られてくる前に、予め伝票の幅寄せを行っておく。
前記の判断でセンサ3の出力がオンの場合は伝票の幅寄せは行わずに次のS10へ移行する。
<S10> ホストコンピュータから出力情報が送られてくると、制御部5はこの出力情報に従ってプリンタ4に印字を指示する。
【0031】
これによりプリンタ4では印字の対象が通帳の場合、印字ヘッド21により通帳に印字を行い、この印字の際に前記と同様に出力シーケンス情報を作成し、また、印字の対象が伝票の場合、引き続き伝票に印字を行って、出力シーケンス情報を作成する。
<S11> 印字が終了すると、制御部5は当該取引で作成した出力シーケンス情報を当該取引に対応する取引制御情報に書き込み、この取引情報を磁気ディスク3に格納する。
【0032】
尚、この取引制御情報における出力シーケンス情報が3取引を越える場合は、一番古い取引に関する出力シーケンス情報を削除するものとする。
<S12> このシーケンス情報書き込み後、制御部5の指示によりプリンタ4は通帳と伝票をそれぞれの挿入口6,7に排出するが、その際通帳の磁気ストライプには磁気ヘッド18により予めホストコンピュータから受信した磁気情報が書き込まれる。
【0033】
以上説明したように第1の実施の形態によれば、各取引の種別毎に最新の複数回分の取引において印字した媒体の種類と印字した媒体の順序を出力シーケンス情報として記憶手段に記憶させ、次の取引で前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体のうち、一方の媒体を該当する挿入口側の搬送路に退避させた状態で、別の一方の媒体に印字を行った後、当該取引の種別に該当する出力シーケンス情報を参照し、この参照の結果、複数回の取引における印字した媒体の種類と印字した媒体の順序が同じでかつ次に印字すべき媒体が第3の搬送路以外の搬送路に退避している媒体であると判断した場合、ホストコンピュータから次の出力情報を受信する前に、前記印字した媒体を該当する挿入口側の搬送路に退避させると共に、次に印字すべき媒体を前記第3の搬送路に搬送して前記幅寄せ機構により前記基準面に幅寄せするようにしているため、ホストコンピュータとの通信やホストコンピュータで処理が行われている間に印字のための準備動作が終了し、取引における通帳や伝票への印字のための幅寄せ時間を無視できるので、その分取引の処理時間を短縮できるという効果が得られる。
【0034】
次に、第2の実施の形態について説明する。
この実施の形態におけるハードウエアの構成は第1の実施の形態と同様であるので、以下の説明においては図1及び図2の参照するものとしてその説明を省略する。
また、この第2の実施の形態における取引制御情報の構成は第1の実施の形態と同様であるが、図3に示した出力シーケンス情報エリア26に書き込まれる出力シーケンス情報の内容は以下のように異なる。
【0035】
図7は第2の実施の形態におけるシーケンス情報の一例を示す図である。
図7において30は前回の取引で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報、30は最新の取引の1つ前の取引で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報であり、32は更にその1つ前の取引で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報である。
【0036】
このシーケンス情報における印字位置は、スペース動作以外の図形,文字,符号の文字方向の印字位置及び行方向の印字位置を、印字すべき媒体である通帳や伝票のそれぞれの左上頂点を座標値0としてX,Y座標の座標値で算出し、保持するものである。
ここで、シーケンス情報30は、時刻11時31分46秒にホストコンピュータから出力情報(取引内容等)を受信し、挿入口6から挿入された通帳に対して行方向の印字位置Y1200、文字方向の印字位置X450から印字し、次に挿入口7から挿入された伝票に対して行方向の印字位置Y250、文字方向の印字位置X150から印字し、続いて通帳の磁気ストライプに出力情報を書き込み、時刻11時32分8秒に印字が終了したことを意味している。
【0037】
シーケンス情報31、32もその内容の意味するところは同じである。
次に上述した構成の作用を図8に示したフローチャートに基づいて説明する。
<S1> まず、CRTディスプレイ2に取引を選択するためのメニュー画面を表示している状態において、オペレータがキーボード1により取引種別番号を入力し、実行キーを押下すると、制御部5は入力された取引種別番号をキーとして磁気ディスク3から該当する取引制御情報を選択して取り出す。
<S2> そして制御部5は、取り出した取引制御情報におけるガイダンス画面情報の内容に基づいてガイダンス画面をCRTディスプレイ2に表示させると共に、取引制御情報における媒体情報をプリンタ4に送って使用する媒体を指定する。
<S3> このガイダンス画面に従ってオペレータは当該取引に必要な項目の情報、例えば、口座番号、通帳残高、入金金額(または出金金額)、通帳行位置等の情報をキーボード1により入力し、その後オペレータはホストコンピュータからの指示による通帳記帳や認証印字のための通帳や伝票をプリンタ4のそれぞれの挿入口6,7に挿入してセットする。
【0038】
このセットとは、通帳や伝票を第1の搬送路8及び第2の搬送路9の一側つまり第3の搬送路10に設定された基準面と同一面に付き当てることを意味する。これによりプリンタ4では、セットされた通帳や伝票の横幅のサイズ等を図示しないセンサで検知し、その出力に基づいてこの通帳や伝票が前記の指定された媒体のサイズ等と一致すると認識した場合、この通帳と伝票を第1の搬送路8と第2の搬送路9にそれぞれ引き込む。
<S4> ここでオペレータがキーボード1の入力完了を示すキー(例えば送信キー)を押下すると、制御部5は前記の入力した情報や媒体情報をインターフェイス部40を介してホストコンピュータに送信して、ホストコンピュータから出力情報が送られてくるのを待つ。
<S5> そして、ホストコンピュータから通帳用の出力情報が送られてくると、制御部5はこの出力情報に従ってプリンタ4に通帳への印字を指示し、これによりプリンタ4では搬送ローラー12,13,14,15が回転して通帳を第3の搬送路10における印字ヘッド21の位置に搬送すると共に、この印字ヘッド21により通帳に印字を行い、この印字の際に図7で説明したような印字に関する出力シーケンス情報を作成する。
<S6> 通帳への印字が終了すると、この通帳を一旦第1の搬送路8に戻して退避させると共に、制御部5はプリンタからの印字の終了情報をホストコンピュータに送信して、ホストコンピュータから出力情報が送られてくるのを待つ。その後、ホストコンピュータから伝票用の出力情報が送られてくると、制御部5はこの出力情報に従ってプリンタ4に伝票への印字を指示し、これによりプリンタ4では搬送ローラー16,17,14,15が回転して伝票を印字ヘッド21の位置に搬送すると共に、この印字ヘッド21で伝票に印字を行い、この印字の際に、前記と同様に出力シーケンス情報を作成する。
<S7> 伝票への印字が終了すると、この伝票を一旦第2の搬送路9に戻して退避させると共に、制御部5はプリンタ4からの印字の終了情報をホストコンピュータに送信する。
【0039】
更に、制御部5は前記の取引制御情報の出力シーケンス情報エリア26(図3参照)に3取引分の出力シーケンス情報(図7参照)が有るか否か、有る場合は3取引分の出力シーケンス情報が同じか否か、同じである場合、出力シーケンス情報に通帳の磁気ストライプに対する情報の書き込み指示が有ったか否か、更に書き込み指示が有った場合、センサ19が現時点でオフか否かつまり通帳が基準面から離れているか否かを判断し、通帳を第3の搬送路10側に搬送させる。 そしてセンサ19がオフか否かを判断し、オフであれば制御部5はプリンタ4に指示して第3の搬送路10における幅寄せ機構20で通帳を基準面に幅寄せし、ホストコンピュータから次の出力情報が送られてくるのを待つ。
【0040】
つまり、第1の搬送路8に退避させている通帳の磁気ストライプに情報の書き込みを行う場合、ホストコンピュータからその出力情報が送られてくる前に、予め通帳の幅寄せを行っておく。
また、前記の判断で3取引分の出力シーケンス情報が無い場合、有っても3取引分の出力シーケンス情報が同じでない場合、更に同じであっても出力シーケンス情報に通帳の磁気ストライプに対する情報の書き込み指示が無い、更に書き込み指示が有ってもセンサ19が現時点でオフでない場合は制御部5はプリンタ4に指示して通帳を第3の搬送路10側に搬送させ、ホストコンピュータから次の出力情報が送られてくるのを待つ。
<S8> ホストコンピュータから出力情報が送られてくると、制御部5はその出力情報の内容が磁気書き込み情報込であればプリンタ4に磁気ストライプへの情報の書き込みを指示し、これによりプリンタ4では搬送ローラー12,13,14,15が回転して通帳を第1の搬送路8における磁気ヘッド18の位置に搬送すると共に、この磁気ヘッド18により通帳の磁気ストライプに情報を書き込み、更にその際にこの書き込みのに関する出力シーケンス情報を作成する。
【0041】
ホストコンピュータから出力情報が印字の情報であれば、制御部5はプリンタに対して媒体の指定と印字を指示し、これによりプリンタ4では指定された媒体を印字ヘッド21の位置に搬送すると共に、この印字ヘッド21により媒体に印字を行い、更にその際にこの印字に関する出力シーケンス情報を作成する。
<S9> その後、制御部5は当該取引で作成した出力シーケンス情報を当該取引に対応する取引制御情報に書き込み、この取引情報を磁気ディスク3に格納する。
【0042】
尚、この取引制御情報における出力シーケンス情報が3取引を越える場合は、一番古い取引に関する出力シーケンス情報を削除するものとする。
<S10> このシーケンス情報書き込み後、制御部5の指示によりプリンタ4は通帳と伝票をそれぞれの挿入口6,7に排出する。
以上説明した第2の実施の形態によれば、
第1の搬送路に磁気読み取り書き込み手段を備えると共に媒体の1つは磁気ストライプを有する者とし、各取引の種別毎に最新の複数回分の取引において媒体の種類と処理内容及び処理した媒体の順序を出力シーケンス情報として記憶手段に記憶させ、次の取引で前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体のうち、磁気ストライプを有する媒体を該当する挿入口側の第1の搬送路に退避させた状態で、別の一方の媒体に印字を行った後、当該取引の種別に該当する出力シーケンス情報を参照し、この参照の結果、複数回の取引における出力シーケンス情報の内容が同じでかつ次が磁気ストライプへの情報の書き込みであると判断した場合、ホストコンピュータから次の出力情報を受信する前に、前記印字した媒体を該当する挿入口側の搬送路に退避させると共に、磁気ストライプを有する媒体を前記第3の搬送路に搬送して前記幅寄せ機構により前記基準面に幅寄せするようにしているため、ホストコンピュータで処理が行われている間に磁気ストライプへの情報の書き込みのための準備動作が終了し、取引における幅寄せ時間を無視できるので、その分取引の処理時間を短縮できるという効果が得られる。
【0043】
次に第3の実施の形態について説明する。
この実施の形態におけるハードウエアの構成は第1の実施の形態と同様であるので、以下の説明においては図1及び図2の参照するものとしてその説明を省略する。
図9は第3の実施の形態における取引制御情報の構成を示す図である。
【0044】
この第3の実施の形態における取引制御情報は第1の実施の形態における取引制御情報に改行(LF)起動周期情報エリア33を付加したもので、その他は第1の実施の形態における取引制御情報と同様であるが、改行起動周期情報エリア33に書き込まれる改行起動周期Tは出力シーケンス情報エリア26の出力シーケンス情報と同様に当該窓口端末装置を運用してゆく過程で作成され、書き込まれるものである。
【0045】
図10は第3の実施の形態におけるシーケンス情報の一例を示す図で、ここでは媒体として伝票を用い、この伝票に複数行印字する場合を示している。
図10において34は前回の印字で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報、35は前々回の印字で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報であり、36は更にその1つ前の印字で実行した出力シーケンス及び印字位置に関する情報である。
【0046】
このシーケンス情報における印字位置は、スペース動作以外の図形,文字,符号の文字方向の印字位置及び行方向の印字位置を、印字すべき媒体である通帳や伝票のそれぞれの左上頂点を座標値0としてX,Y座標の座標値で算出し、保持するものである。
ここで、シーケンス情報34は、時刻11時29分46秒にホストコンピュータから出力情報(取引内容等)を受信し、挿入口7から挿入された伝票に対して行方向の印字位置Y250、文字方向の印字位置X150から印字し、時刻11時30分17秒に印字が終了したことを意味している。
【0047】
シーケンス情報35、36もその内容の意味するところは同じである。
また、改行起動周期Tは、前記の出力シーケンス情報において、ホストコンピュータに対して処理終了を通知した後、次の出力情報をホストコンピュータから受信するまでの時間から、改行処理動作時間を差引いた値である。
この値は、具体的には直前までの最小値もしくは平均値とする。
【0048】
図10の例に従えば、改行処理動作時間を1秒とすると、改行起動周期Tの値は最小値をとればシーケンス情報35と34の間の「81秒−1秒=80秒」、平均値を取ると「82.5秒−1秒=81.5秒」となる。
つまり、シーケンス情報35の終了時刻11時28分25秒からシーケンス情報34の開始時刻11時29分46秒の間が81秒であることから、最小値の場合は「81秒−1秒=80秒」、またシーケンス情報36の終了時刻11時26分38秒からシーケンス情報35の開始時刻11時28分2秒の間が84秒であることから、81秒と84秒の平均値は82.5秒となり、従って平均値の場合は「82.5秒−1秒=81.5秒」となる。
【0049】
次に上述した構成による第3の実施の形態作用を図11に示したフローチャートに基づいて説明する。
<S1> まず、CRTディスプレイ2に取引を選択するためのメニュー画面を表示している状態において、オペレータがキーボード1により取引種別番号を入力し、実行キーを押下すると、制御部5は入力された取引種別番号をキーとして磁気ディスク3から該当する取引制御情報を選択して取り出す。
<S2> そして制御部5は、取り出した取引制御情報におけるガイダンス画面情報の内容に基づいてガイダンス画面をCRTディスプレイ2に表示させると共に、取引制御情報における媒体情報をプリンタ4に送って使用する媒体を指定する。
【0050】
尚、本実施の形態では、伝票のみが指定されるものとする。
<S3> このガイダンス画面に従ってオペレータは当該取引に必要な項目の情報、例えば、口座番号、通帳残高、入金金額(または出金金額)等の情報をキーボード1により入力し、その後オペレータはホストコンピュータからの指示による認証印字等の伝票をプリンタ4の挿入口7に挿入してセットする。
【0051】
このセットとは、伝票を第2の搬送路9の一側つまり第3の搬送路10に設定された基準面と同一面に付き当てることを意味する。これによりプリンタ4では、セットされた伝票の横幅のサイズ等を図示しないセンサで検知し、その出力に基づいて伝票が前記の指定された媒体のサイズ等と一致すると認識した場合、この伝票を第2の搬送路9に引き込む。
<S4> ここでオペレータがキーボード1の入力完了を示すキー(例えば送信キー)を押下すると、制御部5は前記の入力した情報や媒体情報をインターフェイス部40を介してホストコンピュータに送信して、ホストコンピュータから出力情報が送られてくるのを待つ。
<S5> そして、ホストコンピュータから出力情報が送られてくると、制御部5はこの出力情報に従ってプリンタ4に伝票への印字を指示し、これによりプリンタ4では搬送ローラー16,17,14,15が回転して通帳を第3の搬送路10における印字ヘッド21の位置に搬送すると共に、この印字ヘッド21により伝票に対する最初の行の印字を行う。
【0052】
この印字の際に図10で説明したような出力シーケンス情報を作成し、更に改行起動周期Tも作成する。
<S6> その後、制御部5は前記の取引制御情報の取引種別番号エリア23の内容から連続印字の有無を調べ、有りの場合は前回の印字した行の印字情報の最後に改行の情報が付加されていれば、改行起動周期Tの経過を待ち、経過後前記の行の印字情報に付加された分の改行を行う。
<S7> 続いて制御部5はホストコンピュータから次の出力情報が送られてくるのを待ち、ホストコンピュータからの出力情報を受信すると、プリンタ4に伝票への印字を指示し、これによりプリンタ4で伝票に対して次の行の印字が行われるが、この行の印字情報の先頭に改行の情報が付加されていなければ、1行前の印字情報に付加された分の改行は済んでいるので、直ちに印字が開始されることになり、そのため改行の分の時間はかからず、その分処理時間は短くなる。
【0053】
図12はこのときの印字処理に要する時間の説明図で、同図(a)は従来の場合、同図 (b) は本実施の形態の場合である。
図中のA1及びA2はホストコンピュータからの出力情報に含まれる印字情報で、最初の行の印字情報A1の最後に改行の情報が付加されており、次の印字情報A2の先頭には改行の情報が付加されていないものとする。
【0054】
このような場合、従来は図(a)に示したように最初の行の印字情報A1を印字してから、次の行の印字情報A2の受信後に改行し、それから印字情報A2の印字を行うため、印字情報A2の印字処理時間が長くなる。
これに対して、本実施の形態では、図 (b) に示したように最初の行の印字情報A1を印字してから改行起動周期Tの経過後改行を行い、次の行の印字情報A2の受信後ただちに印字情報A2の印字を行うため、従来の改行時間分だけ印字情報A2の印字処理時間は短くなる。
<S8> 次に制御部5は印字終了か否かを判断し、終了でない場合はS6にもどる。
<S9> 印字が終了であれば制御部5は当該取引で作成した出力シーケンス情報を当該取引に対応する取引制御情報に書き込み、この取引情報を磁気ディスク3に格納する。
【0055】
尚、この取引制御情報における出力シーケンス情報が印字3行分を越える場合は、一番古い印字に関する出力シーケンス情報を削除するものとする。
<S10> このシーケンス情報書き込み後、制御部5の指示によりプリンタ4は伝票を挿入口7に排出する。
以上説明した第3の実施の形態によれば、各取引の種別毎に最新の複数回分の印字における印字の終了時刻から次の印字の開始時刻までの時間と印字の際の改行に要する時間とを基に算出した時間を改行起動周期として記憶手段に記憶させ、次の取引で前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された媒体に対してホストコンピュータから受信した出力情報に基づいて1行分の印字を行い、その際印字情報の最後に改行の情報があった場合、前記改行起動周期の経過後、ホストコンピュータから次の出力情報を受信する前に前記媒体の改行動作を行うため、 ホストコンピュータで処理が行われている間に印字のための改行動作が終了し、1取引における媒体の改行動作時間を無視できるので、その分取引の処理時間を短縮できるという効果が得られる。
【0056】
次に第4の実施の形態について説明する。
この実施の形態におけるハードウエアの構成は第1の実施の形態と同様であるので、以下の説明においては図1及び図2の参照するものとしてその説明を省略する。
また、この実施の形態における取引制御情報は第1の実施の形態と同様であるが、これとは別にプリンタ4は以下のシーケンス情報をプリンタ4に設けられた所定の記憶手段、例えばバッテリでバックアップされたメモリ等に取引種別番号と対応させて保持するものとなっている。
【0057】
図13は第4の実施の形態における搬送方向切り替えのためのシーケンス情報の一例を示す図である。
図13において37は最新の取引で実行した搬送方向切り替えのためのシーケンス情報、38は最新の取引の1つ前の取引で実行した搬送方向切り替えのためのシーケンス情報、39は更にその1つ前の取引で実行した搬送方向切り替えのためのシーケンス情報である。
【0058】
ここで、シーケンス情報37は、挿入口7から挿入された伝票に対して印字を行い、印字後伝票を挿入口7に排出し、次に挿入口6から挿入された通帳に対して印字を行い、印字後通帳を挿入口6に排出して印字を終了したことを意味している。
シーケンス情報38、39もその内容の意味するところは同じである。
【0059】
次に上述した構成の作用を図14及び図15に示したフローチャートに基づいて説明する。
尚、ここでは窓口端末装置のプリンタ4を除く構成要素つまりキーボード1、CRTディスプレイ2、磁気ディスク3及び制御部5を装置本体とし、この装置本体側とプリンタ4側の動作を分けて説明する。
【0060】
まず、装置本体側について説明する。
<S1> CRTディスプレイ2に取引を選択するためのメニュー画面を表示している状態において、オペレータがキーボード1により取引種別番号を入力し、実行キーを押下すると、制御部5は入力された取引種別番号をキーとして磁気ディスク3から該当する取引制御情報を選択して取り出す。
<S2> そして制御部5は、取り出した取引制御情報におけるガイダンス画面情報の内容に基づいてガイダンス画面をCRTディスプレイ2に表示させると共に、取引制御情報における媒体情報をプリンタ4に送って使用する媒体を指定する。
<S3> このガイダンス画面に従ってオペレータは当該取引に必要な項目の情報、例えば、口座番号、通帳残高、入金金額(または出金金額)、通帳行位置等の情報をキーボード1により入力する。
<S4> 入力後、オペレータがキーボード1の入力完了を示すキー(例えば送信キー)を押下すると、制御部5は前記の入力した情報や媒体情報をインターフェイス部40を介してホストコンピュータに送信すると共に、前記の取引種別番号をプリンタ4へ送信し、ホストコンピュータから出力情報が送られてくるのを待つ。
<S5> ホストコンピュータから出力情報が送られてくると、制御部5はこの出力情報を予め定められた方式に従って、例えば伝票への印字(印字出力コマンド)、伝票の排出(媒体排出コマンド)、通帳への印字(印字出力コマンド)、通帳の排出(媒体排出コマンド)等に分割し、これらを順にプリンタ4に送信する。
【0061】
次に、プリンタ4の動作について説明する。
<S1> 装置本体側でのオペレータによる取引に必要な項目の情報入力後、オペレータは通帳や伝票をプリンタ4のそれぞれの挿入口6,7に挿入してセットする。
このセットとは、通帳や伝票を第1の搬送路8及び第2の搬送路9の一側つまり第3の搬送路10に設定された基準面と同一面に付き当てることを意味する。
【0062】
プリンタ4はセットされた通帳や伝票の横幅のサイズ等を図示しないセンサで検知し、その出力に基づいてこの通帳や伝票が前記装置本体から受信した媒体のサイズ等と一致すると認識した場合、この通帳と伝票を第1の搬送路8と第2の搬送路9にそれぞれ引き込み、装置本体から取引種別番号が送られてくるのを待つ。
<S2> 装置本体から取引種別番号が送られてくると、以下の処理を行う。
<S3> まず、受信した取引種別番号と対応する出力シーケンス情報(例えば図13の情報)があるか否を判断する。
<S4> ある場合は、その出力シーケンス情報が3取引分あるか否を判断し、ある場合は更にその出力シーケンス情報の内容が3取引分とも同じか否かを判断する。
<S5> 出力シーケンス情報の内容が3取引分とも同じである場合は、この出力シーケンス情報において最初に印字を行っている媒体つまり図13に基づけば伝票を選択し、この伝票に印字を行うため、切り替えブレード11を動作させて搬送方向を切り替え、そして、搬送ローラー16,17,14,15を回転させ伝票を第3の搬送路10における印字ヘッド21の位置に搬送する。
【0063】
図16はこのときの搬送状態を示す概略側面図で、切り替えブレード11は第1の搬送路8を塞ぐように先端が下げられ、これにより第2の搬送路9が第3の搬送路10と接続されて伝票が印字ヘッド21の位置に搬送される。
<S6> その後プリンタ4は装置本体から出力情報が送られてくるのを待ち、出力情報を受信すると、それに従って印字ヘッド21により伝票に印字を行い、
印字終了後は伝票を第2の搬送路9に戻して退避させる。
<S7> この退避動作中に前記シーケンス情報を参照して、次に通帳に印字するか否かを判断する。
【0064】
つまり、別の挿入口6から挿入された媒体に印字するか否かを判断する。
<S8> そして、通帳に印字する場合は切り替えブレード11を動作させて搬送方向を切り替え、搬送ローラー12,13,14,15を回転させ通帳を第3の搬送路10における印字ヘッド21の位置に搬送する。
図17はこのときの搬送状態を示す概略側面図で、切り替えブレード11は第2の搬送路9を塞ぐように先端が上げられ、これにより第1の搬送路8が第3の搬送路10と接続されて通帳が印字ヘッド21の位置に搬送される。
<S9> その後プリンタ4は装置本体から出力情報が送られてくるのを待ち、出力情報を受信すると、それに従って印字ヘッド21により通帳に印字を行い、この印字と同時に図13に示したような出力シーケンス情報を作成し、そして印字終了後は通帳を第1の搬送路8に戻して退避させる。
<S10> 当該取引で作成した出力シーケンス情報を図示しないメモリに格納される当該取引に対応する取引制御情報に書き込んで更新する。
【0065】
尚、この取引制御情報における出力シーケンス情報が3取引を越える場合は、一番古い取引に関する出力シーケンス情報を削除するものとする。
<S11> このシーケンス情報書き込み後、通帳と伝票をそれぞれの挿入口6,7に排出するが、その際通帳の磁気ストライプには磁気ヘッド18により予めホストコンピュータから受信した磁気情報が書き込まれる。
<S12> 前記S3の判断で受信した取引種別番号と対応する出力シーケンス情報がなかった場合、あるいはS4の判断で出力シーケンス情報が3取引分無かった場合や、3取引分の出力シーケンス情報の内容が異なっていた場合は、装置本体から出力情報が送られてくるのを待ち、出力情報を受信すると、それに従って伝票または通帳が印字ヘッド21の位置に搬送され、この印字ヘッド21により印字が行われる。
【0066】
このとき必要に応じて切り替えブレード11を動作させて搬送方向の切り替えが行われ、印字終了後は媒体の種類に応じて第1の搬送路8または第2の搬送路9に戻して退避させる。
<S13> 次に再び、装置本体から出力情報が送られてくるのを待ち、出力情報を受信すると、それに従って伝票または通帳が印字ヘッド21の位置に搬送され、この印字ヘッド21により印字が行われ、この印字の際出力シーケンス情報が作成される。
【0067】
このときの印字の際にも必要に応じて切り替えブレード11を動作させて搬送方向の切り替えが行われ、印字終了後は媒体の種類に応じて第1の搬送路8または第2の搬送路9に戻して退避させる。
その後、S10に移行し、このS10とS11の処理が行われる。
尚、S7で通帳ではなく伝票に印字すると判断した場合は、S9に移行し、S9で伝票に印字した後、S10とS11の処理が行われる。
【0068】
以上説明した第4の実施の形態によれば、第1の搬送路及び第2の搬送路と第3の搬送路の接続部に搬送方向を切り替えるための切り替えブレードを設け、各取引の種別毎に最新の複数回分の取引において印字した媒体の種類と印字した媒体の順序を出力シーケンス情報としてプリンタに保持させ、次の取引で前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体に印字を行う際、当該取引の種別に該当する出力シーケンス情報を参照し、この参照の結果、複数回の取引における印字した媒体の種類と印字した媒体の順序が同じであるとプリンタが判断した場合、印字すべき一方の媒体を印字ヘッドの位置に搬送するために前記切り替えブレードを動作させて搬送方向を切り替えるようにしているため、1取引における搬送方向切り替えの動作時間を無視できるので、その分取引の処理時間を短縮できるという効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、媒体への印字や磁気ストライプへの情報の書き込みを伴う取引において、最新の複数回分の取引におけるシーケンス情報に基づいて印字や磁気ストライプへの情報の書き込みの前の準備動作としての幅寄せ、あるいは印字の前の準備動作としての改行、更には印字の前の準備動作としての媒体の搬送方向の切り替えをおこなうため、これらの動作時間を無視できることになり、その分取引の処理時間を短縮できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による窓口端末装置のブロック図。
【図2】本発明で用いるプリンタの概略側面図。
【図3】第1の実施の形態で用いる取引制御情報の構成を示す図。
【図4】第1の実施の形態における出力シーケンス情報を示す図。
【図5】第1の実施の形態の作用を示すフローチャート。
【図6】第1の実施の形態の作用を示すフローチャート。
【図7】第2の実施の形態における出力シーケンス情報を示す図。
【図8】第2の実施の形態の作用を示すフローチャート。
【図9】第3の実施の形態で用いる取引制御情報の構成を示す図。
【図10】第3の実施の形態における出力シーケンス情報を示す図。
【図11】第3の実施の形態の作用を示すフローチャート。
【図12】第3の実施の形態における印字処理時間の説明図。
【図13】第4の実施の形態における出力シーケンス情報を示す図。
【図14】第4の実施の形態の作用を示すフローチャート。
【図15】第4の実施の形態の作用を示すフローチャート。
【図16】搬送方向の切り替えを示す概略側面図。
【図17】搬送方向の切り替えを示す概略側面図。
【図18】改行動作の説明図。
【符号の説明】
1 キーボード
2 CRTディスプレイ
3 磁気ディスク
4 プリンタ
5 制御部
6,7 挿入口
8 第1の搬送路
9 第2の搬送路
10 第3の搬送路
11 切り替えブレード
12〜17 搬送ローラー
18 磁気ヘッド
19 センサ
20 幅寄せ機構
21 印字ヘッド
Claims (4)
- 少なくとも2つの挿入口とこの挿入口からそれぞれ奥に伸びる第1,第2の搬送路と媒体を基準面に幅寄せする幅寄せ機構及び媒体に印字を行う印字ヘッドを設けた第3の搬送路を有するプリンタを備え、取引中にホストコンピュータから送られてくる出力情報に基づいて前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体を印字ヘッドの位置まで搬送させてそれぞれ印字を行わせる窓口端末装置において、
各取引の種別毎に最新の複数回分の取引において印字した媒体の種類と印字した媒体の順序を出力シーケンス情報として記憶手段に記憶させ、
次の取引で前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体のうち、一方の媒体を該当する挿入口側の搬送路に退避させた状態で、別の一方の媒体に印字を行った後、
当該取引の種別に該当する出力シーケンス情報を参照し、
この参照の結果、複数回の取引における印字した媒体の種類と印字した媒体の順序が同じでかつ次に印字すべき媒体が第3の搬送路以外の搬送路に退避している媒体であると判断した場合、
ホストコンピュータから次の出力情報を受信する前に、前記印字した媒体を該当する挿入口側の搬送路に退避させると共に、次に印字すべき媒体を前記第3の搬送路に搬送して前記幅寄せ機構により前記基準面に幅寄せすることを特徴とする窓口端末装置。 - 少なくとも2つの挿入口とこの挿入口からそれぞれ奥に伸びる第1,第2の搬送路と媒体を基準面に幅寄せする幅寄せ機構及び媒体に印字を行う印字ヘッドを設けた第3の搬送路を有するプリンタを備え、取引中にホストコンピュータから送られてくる出力情報に基づいて前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体を印字ヘッドの位置まで搬送させてそれぞれ印字を行わせる窓口端末装置において、
前記第1の搬送路に磁気読み取り書き込み手段を備えると共に前記媒体の1つは磁気ストライプを有するものとし、
各取引の種別毎に最新の複数回分の取引において媒体の種類と処理内容及び処理した媒体の順序を出力シーケンス情報として記憶手段に記憶させ、
次の取引で前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体のうち、磁気ストライプを有する媒体を該当する挿入口側の第1の搬送路に退避させた状態で、別の一方の媒体に印字を行った後、
当該取引の種別に該当する出力シーケンス情報を参照し、
この参照の結果、複数回の取引における出力シーケンス情報の内容が同じでかつ次が磁気ストライプへの情報の書き込みであると判断した場合、
ホストコンピュータから次の出力情報を受信する前に、前記印字した媒体を該当する挿入口側の搬送路に退避させると共に、磁気ストライプを有する媒体を前記第3の搬送路に搬送して前記幅寄せ機構により前記基準面に幅寄せすることを特徴とする窓口端末装置。 - 挿入口から奥に伸びる搬送路と媒体に印字を行う印字ヘッドを設けたプリンタを備え、取引中にホストコンピュータから送られてくる出力情報に基づいて前記プリンタの挿入口から挿入された媒体を印字ヘッドの位置まで搬送させて印字を行わせる窓口端末装置において、
各取引の種別毎に最新の複数回分の印字における印字の終了時刻から次の印字の開始時刻までの時間と印字の際の改行に要する時間とを基に算出した時間を改行起動周期として記憶手段に記憶させ、
次の取引で前記プリンタの挿入口から挿入された媒体に対してホストコンピュータから受信した出力情報に基づいて1行分の印字を行い、その際印字情報の最後に改行の情報があった場合、前記改行起動周期の経過後、ホストコンピュータから次の出力情報を受信する前に前記媒体の改行動作を行うことを特徴とする窓口端末装置。 - 少なくとも2つの挿入口とこの挿入口からそれぞれ奥に伸びる第1,第2の搬送路と媒体を基準面に幅寄せする幅寄せ機構及び媒体に印字を行う印字ヘッドを設けた第3の搬送路を有するプリンタを備え、取引中にホストコンピュータから送られてくる出力情報に基づいて前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体を印字ヘッドの位置まで搬送させてそれぞれ印字を行わせる窓口端末装置において、
前記第1の搬送路及び第2の搬送路と第3の搬送路の接続部に搬送方向を切り替えるための切り替えブレードを設け、
各取引の種別毎に最新の複数回分の取引において印字した媒体の種類と印字した媒体の順序を出力シーケンス情報としてプリンタに保持させ、
次の取引で前記プリンタのそれぞれの挿入口から挿入された複数種類の媒体に印字を行う際、当該取引の種別に該当する出力シーケンス情報を参照し、
この参照の結果、複数回の取引における印字した媒体の種類と印字した媒体の順序が同じであるとプリンタが判断した場合、印字すべき一方の媒体を印字ヘッドの位置に搬送するために前記切り替えブレードを動作させて搬送方向を切り替えることを特徴とする窓口端末装置。
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