JP3557241B2 - ステイオンタブ式缶蓋の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、缶入り飲料の飲み口等を容易に開口することができるステイオンタブ式缶蓋の製造方法に関し、特に、タブのリベット廻りの回転が防止されたステイオンタブ式缶蓋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、実開平6−3827号公報に開示されたステイオンタブ式缶蓋が知られている。図9に示すように、この種のステイオンタブ式缶蓋Bは、パネル40と、該パネル40の開口形状に沿って刻設されたスコア41と、該パネル40上にリベット42を介して取付られたタブ43とを備えている。該タブ43は、前記スコア41に包囲される開口部44にその先端45が臨むように設けられ、後端には開口作業時に手指を掛ける把持部46が形成されている。該タブ43は、その略中央部分に形成された舌片47を介して、前記リベット42によって固着されている。また、該リベット42の近傍には、断面円弧状に突出する突起48が形成されており、タブ43の舌片47には該突起48に係合する穴部49が形成されている。
【0003】
該缶蓋Bを開口するとき、タブ43の把持部46側を起立させる。これにより、該タブ43は、前記リベット42に固着された舌片47の一端縁47aを介して揺動される。このとき、タブ43の先端が開口部44を押圧する際に該タブ43が不用意にリベット42廻りに回転されると、タブ43の先端45が開口部44の所定の押圧位置からズレてしまうおそれがあるが、タブ43は、舌片47の穴部49がパネル40の突起48に係止されているので、リベット42廻りに回転することが防止されており、これによって、開口時には、タブ43の先端45が開口部44の所定の位置を確実に押圧して確実に開口することができる。
【0004】
しかし、前記缶蓋Bは開口時のタブ43の回転については十分に防止されているが、缶の製造時の缶蓋の巻締工程において、例えば図示しないノックアウトパッド等が該缶蓋Bのタブ43に接触した際の衝撃によって、該タブ43に比較的大きな回転トルクが加えられた場合には、前記舌片47が突起48により回り止めされていても該突起48による係止が外れて該タブ43がリベット42廻りに回転してしまう不都合がある。
【0005】
従って、缶の製造時において該タブ43の回転を確実に防止するためには、前記舌片47の穴部49とパネル40の突起48との係合状態を更に確実とする必要がある。
【0006】
そこで考えられるのは、前記突起48の突出量を比較的大として穴部49からの離脱を阻止することである。
【0007】
しかし、前記突起48は前記舌片47の穴部49に係合可能な位置、即ち、リベット42の近傍に設ける必要があり、リベット42の外周は、リベット42の成形時にリベット42に肉厚を寄せるコイニング加工が行われるために比較的肉薄となっている。このため、前記突起48の突出量を増加させると、パネル40裏面のリベット42外周の肉薄の部分やそこに被覆されている内面被覆層に亀裂が発生して金属が溶出する不都合がある。また、パネル40やその被覆層の損傷を防止するために、前記突起48の突出量を多数の工程によって徐々に増加させることが考えられるが、工程数が増加して作業効率が低下する不都合がある。
【0008】
以上のことから、缶の製造時において、ノックアウトパッド等がタブに接触しても該タブの回転を確実に防止することができる形状の突起が望まれており、また、そのような突起をパネルを損傷することなく容易に効率よく成形することができる成形方法が望まれていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
かかる不都合を解消して、本発明は、ステイオンタブ式缶蓋の製造方法の改良を目的とするものであり、具体的には、パネル上におけるタブの回転を確実に防止することができるステイオンタブ式缶蓋を容易に効率良く製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々の試験の結果、缶の製造時におけるタブへのノックアウトパッド等の接触に対抗しうるタブの回転トルクを検討した。そして、パネルに設ける突起の周壁の傾斜を45°〜90°とし、該突起を舌片の穴部に係合させることにより、回り止め効果が向上することを知見した。
【0012】
そこで、本発明は、開口形状に刻設した開口用スコアと、該スコアを破断して開口する開口用タブと、該タブをパネル上に固着するリベットとを備えてなるステイオンタブ式缶蓋の製造方法において、板材を打ち抜いて成形された缶蓋素材のパネルのリベット成形位置を該パネルの裏面側から押圧してリベット成形用膨出部を成形する工程と、該リベット成形用膨出部の外周の肉厚をリベット成形用膨出部周壁に寄せるコイニング加工を行いつつリベットに近似した形状に成形する工程と、リベットに近似した形状を所定のリベットに成形する工程と、該リベット外周のコイニング加工を行った部分を除く部分にコイニング加工を行いつつ、該リベット外周のコイニング加工を行った部分及びその隣接位置にかけてのパネルをその裏面側から押圧して突起成形用膨出部を成形する工程と、開口形状に沿ったスコアを刻設する工程と、前記突起成形用膨出部の外周を上方から拘束すると共に該突起成形用膨出部の下方から押圧して前記突起成形用膨出部の周壁をパネル面から上方に向かって45°〜90°の角度を存して起立させて該突起成形用膨出部を所定の突起に成形する工程と、前記タブの中央部に備えられた舌片に形成されたリベット穴を貫挿すると共に、該舌片のリベット穴の隣の位置に形成された係合穴を前記突起に係合させて該リベットをかしめてパネル上にタブを取り付ける工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
該製造方法においては、前記所定のリベットを成形する工程と、前記突起成形用膨出部を成形する工程とを同時に行うことが好ましく、また、前記スコアを刻設する工程と、前記所定の突起を成形する工程とを同時に行うことが好ましい。
【0014】
更に、前記所定の突起を成形する工程は、前記突起成形用膨出部の外周及び頂部を上方から拘束し、該突起成形用膨出部の下方から押圧して頂部を平坦とする突起に成形することが好ましい。
【0015】
【作用】
先ず、本発明において製造される缶蓋は、タブに大きなトルクが与えられても、タブのリベット廻りにおける回転が阻止され、開口操作中や缶の製造時の不用意なタブの回転が防止されるものである。
【0016】
本発明の缶蓋の製造方法は、先ず、缶蓋素材のパネルのリベット成形位置にリベット成形用膨出部が成形される。次いで、該リベット成形用膨出部がリベットに近似した形状に成形される。該リベット成形用膨出部は、その外周の余肉をリベット成形用膨出部周壁に寄せるコイニング加工が行われながら成形される。その後、リベットに近似した形状の前記リベット成形用膨出部が所定のリベットに成形される。一方、リベット外周のコイニング加工を行った部分及びその近傍(即ち、リベット外周のコイニング加工を行った部分及びその隣接位置)にかけてのパネルには突起成形用膨出部が成形される。該突起成形用膨出部は、その外周のうち、前記リベット外周のコイニング加工が行われた部分を除く他の部分においてコイニング加工が行われながら成形される。これにより、該突起成形用膨出部は、その周壁に余肉が確保されながら容易に成形される。しかも、このときのコイニング加工により、突起成形用膨出部の外周が、前記リベット外周のコイニング加工が行われた部分と同様の肉厚となる。
【0017】
なお、所定のリベットを成形する際に、同時に突起成形用膨出部の成形及び該突起成形用膨出部外周のコイニング加工を行うようにすることが好ましく、それによって、工程数の増加を防止することが可能となる。
【0018】
次いで、開口形状に沿ったスコアが刻設される。一方、前記突起成形用膨出部の外周が拘束され、その状態で該突起成形用膨出部の下方から押圧して、その周壁がパネル面から上方に向かって45°〜90°の角度を存するように起立される。これにより、前記リベットの近傍(即ち、リベットの隣の位置)に所定の突起が形成される。該突起が形成されるとき、突起成形用膨出部の外周が、前記リベット外周と均一の肉厚であることから、突起成形用膨出部の周壁を45°〜90°の角度に起立させるといった比較的大きな成形量を加えた際の応力が一部に集中することがない。従って、リベット外周やそこを被覆する被覆層に亀裂等を発生させることのない突起の成形が可能となる。
【0019】
なお、スコアを刻設する際に、同時に所定の突起の成形を行うようにすることが好ましく、それによって、工程数の増加を防止することが可能となる。
【0020】
その後、前記リベットに、タブのリベット穴が貫挿されると共に、前記突起に前記タブの係合穴が係合され、リベットがかしめられてパネル上にタブが取り付けられる。
【0021】
また、前記突起を成形する際には、前記突起成形用膨出部の外周及び頂部が上方から拘束された状態で、該突起成形用膨出部がその下方から押圧される。これにより、突起の上部の余肉が周壁に向かって移動されながら突起が成形されるので、その周壁を45°〜90°の角度に起立させるといった比較的大きな成形量が与えられる突起の成形が容易となる。
【0022】
【実施例】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本実施例において製造されるステイオンタブ式缶蓋A(以下、缶蓋Aと言う)は、図1に平面図を示すように、パネル1にリベット2を介して固着されたタブ3を備え、該タブ3はその中央部分のタブ3先端側に連設した舌片4を介して、パネル1のリベット2によって固着されている。該タブ3は、パネル1に刻設されたスコア5に包囲される開口部6にその先端7が臨むように設けられ、後端には開口作業時に手指を掛ける把持部8が形成されている。そして、パネル1のリベット2の近傍(即ち、リベット2の隣の位置)には、略円錐台形状に突出する突起9が形成されており、タブ3の舌片4には該突起9に係合される係合穴10が形成されている。該突起9はパネル面から上方に向かって約70°の角度を存して傾斜する周壁を備えている。パネル1の突起9と舌片4の係合穴10とが係合状態であることにより、タブ3はリベット2廻りに回転が阻止され、缶の製造時や開口作業時に不用意にタブが回転することを防止することができる。
【0023】
次に、前記缶蓋Aを製造する各工程を図2乃至図6を参照して説明する。先ず、図2(a)及び図4(a)に示すように、板材を打ち抜いて成形された円盤状の缶蓋素材aのパネル3の中央部がリベット2の成形に先立って余肉を確保しつつ押圧され、リベット成形用の椀状の膨出部11が成形される。
【0024】
次いで、図2(b)及び図4(b)に示すように、前記膨出部11は、該膨出部11の外周の肉厚を該膨出部11の周壁に寄せるコイニング加工が行われながら、リベット2に近似した形状に成形される。このときのコイニング加工によって膨出部11の周壁に余肉が与えられつつ膨出部11は縮径される。一方、図4(b)に示すように、膨出部11の外周のコイニング部12aは肉厚が比較的薄くなる。
【0025】
続いて、図3(a)及び図4(c)に示すように、前記膨出部11の形状が整えられて所定の形状のリベット2が成形される。同時に、前記コイニング部12a及びコイニング部12aに隣接する位置にかけてのパネル1に前記突起9の成形に先立って突起成形用の膨出部13が成形される。このとき、突起成形用の膨出部13は、その外周のうち、前記リベット2外周のコイニング部12aを除く他の部分12bにおいてコイニング加工が行われながら成形される。突起成形用の膨出部13の成形工程について更に詳しく説明すれば、図5に示すように、パネル1裏面に当接されるダイ14a,14bの上方に向かって下型15により膨出部13の成形位置が押圧される。このとき、上型16a,16bが膨出部13の外周に当接される。上型16aにはコイニング加工用の突出部17が備えられており、前記リベット2外周のコイニング部12aを除く他の部分12bが該上型16aによって押さえ付けられる。これにより、該上型16aの突出部17に押圧されたパネル1の余肉が膨出部13の周壁に移動して該周壁に余肉が与えられながら、下型15により膨出部13が成形される。一方、上型16bによって、前記リベット外周のコイニング部12aが押さえられ、その肉厚は一定に維持される。これによって、膨出部13外周のコイニング部12bは、前記リベット2外周のコイニング部12aと同様の厚さに成形され、その厚さは均一とされる。
【0026】
また、以上のように、前記膨出部11をリベット2に近似した形状に成形する工程と、突起成形用の膨出部13の成形及びその外周のコイニング加工を行う工程とを同時に行うことにより、工程数の増加を防止することができ、効率良く突起成形用の膨出部13を成形することができる。なお、前記膨出部11をリベット2に近似した形状に成形する工程の後に、突起成形用の膨出部13の成形及びその外周にコイニング加工を行う工程を行ってもよいことは勿論である。
【0027】
更に、図3(a)に示すように、このとき同時に、後述する工程によりタブ3を所定位置に取り付けた際に該タブ3の先端部に臨む凹部18、後述する工程で刻設されるスコア5の破断方向を案内する凹部19、スコア5の破断を容易とするためのビード20,21,22、また、タブ3の把持部8の外周を係止してタブ3の回転を防止する一対の凸部23,24、及び、タブ3の把持部8側端縁に対応する凹部25が成形される。該凹部25は、必ずしも必要ではないが、タブ3を取り付けたとき、該タブ3の把持部8を把持し易くするために設けられるものである。
【0028】
次いで、図3(b)に示すように、パネル1に開口形状に沿ったスコア5が刻設され、同時に、該スコア5に包囲される内方のパネル1にビード26が成形される。更にこのとき、図3(b)及び図4(d)に示すように、前記突起成形用の膨出部13の周壁が、パネル1面から上方に向かって立ち上げられて該膨出部13の形状を略円錐台形状として、所定の形状の突起9が形成される。該突起9の成形工程について更に詳しく説明すれば、図6に示すように、前記膨出部13の下方から下型26によって該膨出部13が押圧される。該下型26は、前記突起9の裏側に対応する形状に近似して形成されている。このとき、該膨出部13の上方には上型27が当接される。該上型27は、該膨出部13の外周に当接される外周当接部28と、該膨出部13の頂部13aに当接される頂部当接部29とによって構成されている。これにより、該膨出部13は、上型27の外周当接部28と頂部当接部29とによってその外周が拘束された状態で下型26に押圧され、その周壁がパネル1に対して更に立ち上げられる。前記膨出部13の外周のコイニング部12bは、前記リベット2外周のコイニング部12aと均一の厚さに形成されている。これにより、一部に成形時の応力が集中することがないので、該膨出部13の外周のコイニング部12b及びリベット2外周のコイニング部12aの肉薄の部分への影響を小として突起9が成形される。更に、前記下型26による押圧時に膨出部13の頂部13aが拘束されていることにより、突起9が成形されながら膨出部13の頂部13aの余肉が周壁に向かって移動するので、その周壁を起立させるといった大きな成形量を必要とする突起9の成形が容易となるだけでなく、リベット2外周やそこを被覆する被覆層に亀裂等が生じることのない突起9の成形が可能となる。そして、このような下型26と上型27との押圧により、突起9の周壁のパネル1面を基準とする傾斜角度θが約70°に形成される。
【0029】
また、以上のように、スコア5を刻設する工程と、所定の形状の突起9を成形する工程とを同時に行うことにより、工程数の増加が防止でき、効率良く突起9を成形することができる。なお、スコア5を刻設した後に所定の形状の突起9を成形してもよく、所定の形状の突起9を成形した後にスコア5を刻設してもよい。
【0030】
続いて、図3(c)に示すように、パネル1上にタブ3が取り付けられる。該タブ3は、図4(e)に示すように、その舌片4に形成されたリベット穴30がパネル1のリベット2に貫挿され、且つ、該リベット穴30の近傍(即ち、リベット穴30の隣の位置)に形成された係合穴10がパネル1の突起9に係合される。そして、前記リベット2が上方から押し潰される。このように、タブ3は、かしめられたリベット2によってパネル1上に固着される。しかも、パネル1の突起9と舌片4の係合穴10との係合によってタブ3の回転が阻止される。
【0031】
また、前記実施例の方法は缶蓋素材aの肉厚が比較的薄い場合に好適な缶蓋Aの製造方法であるが、缶蓋素材aの肉厚が比較的厚い場合には、所定の形状の突起9が形成される工程における他の実施例として、突起成形用膨出部13の頂部13aを拘束しない状態での突起9の成形が可能となる。
【0032】
詳しく説明すれば、図7に示すように、前記突起成形用の膨出部13を、前記突起9の裏側に対応する形状に近似して形成された下型31と、該膨出部13の外周に当接される上型32とによって押圧する。該膨出部13の外周には前述の実施例と同様に、膨出部13を成形する際にコイニング加工されたコイニング部12bが、リベット2外周のコイニング部12aと均一の肉厚に成形されている。これにより、先ず、該膨出部13の外周に上型32が当接された状態で、前記下型31によって膨出部13が押圧される。該膨出部13は、上型32によってその外周が拘束された状態で、その周壁が該下型31によってパネル1面に対して立ち上げられる。このとき、該膨出部13の外周のコイニング部12bは、前記リベット2外周のコイニング部12aと均一の厚さに形成されており、一部に成形時の応力が集中することがないので、該膨出部13外周のコイニング部12b及びリベット2外周のコイニング部12aの肉薄の部分への影響を小として突起9を成形することができる。これにより、リベット2外周やそこを被覆する被覆層に亀裂等が生じることが防止される。
【0033】
本発明者は、本実施例により製造された缶蓋Aにおいて、突起9の周壁の傾斜角度θと、該突起9に係合された係合穴10が該突起9から離脱する際のタブの回転トルクとの関係を確認する試験を行った。試験の結果、図6及び図8に示すように、突起9の周壁の傾斜角度θが30°のとき、タブが回転されるときのトルクは1.25Kgf-cmと比較的小さく、前記角度θが45°のとき、タブの回転トルクは1.55Kgf-cmを得ることができた。そして、タブの回転トルクは、前記角度θが60°のときに2.1Kgf-cmと飛躍的に向上し、前記角度θが75°のときではタブの回転トルクが3.25Kgf-cmとなることが確認された。一方、缶の製造時におけるタブ3へのノックアウトパッド等の接触に対抗しうるタブの回転トルクとしては、1.5Kgf-cm以上が望まれる。従って、缶の製造時にタブ3にノックアウトパッド等が接触しても、回転が防止できるタブ3の回転トルクを得るためには、本試験によって、突起9の周壁の傾斜角度θを45°以上とすることが必要であり、好ましくは、該角度θを60°以上とすればよいことが明らかとなった。
【0034】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、本発明の方法よって製造される缶蓋は、前記パネル上に突出させた突起が、その周壁の傾斜を45°〜90°として前記タブの舌片の係合穴に係合する。これにより、缶の製造時にタブにノックアウトパッド等が接触しても、前記パネル上における前記タブの不用意な回転を確実に防止することができる。
【0035】
そして、本発明の方法によれば、前記突起成形用膨出部をリベット外周のコイニング加工を行った部分及びその隣接位置にかけてのパネルに成形する際には、該膨出部の外周のうち、前記リベット外周のコイニング加工が行われた部分を除く他の部分においてコイニング加工が行われるので、該膨出部の周壁に余肉を移動させながら突起成形用膨出部を容易に成形することができる。更に、このときのコイニング加工により該膨出部の外周のパネルの肉厚が均一とされて、該膨出部を所定の形状の突起に成形する際に比較的大きな成形量が加えられても、一部に応力が集中することがないので、リベット外周やそこを被覆する被覆層に亀裂等を発生させることなく前記突起を成形することができる。
【0036】
更に、前記突起成形用膨出部の成形及びその外周のコイニング加工を、前記所定のリベットを成形する際に同時に行い、また、所定の突起の成形を、スコアを刻設する際に同時に行うことにより、工程数の増加を防止して作業効率を向上させることができる。
【0037】
更に、前記突起を成形する際に、前記突起成形用膨出部の外周及び頂部を上方から拘束することにより、該膨出部の下方から押圧したとき比較的大きな成形量が加えられても、突起の上部の余肉を周壁に向かって移動させながら突起が成形されるので、パネルの肉厚が比較的薄い場合であっても、突起を容易に成形することができると共に、リベット外周やそこを被覆する被覆層の亀裂等の発生を確実に防止することができる。
【0038】
従って、本発明によれば、パネル上におけるタブの回転を確実に防止することができるステイオンタブ式缶蓋を提供することができると共に、その缶蓋を容易に効率良く製造することができる製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の缶蓋を示す説明的平面図。
【図2】各工程において形成される缶蓋の説明的平面図。
【図3】図2に続く各工程において形成される缶蓋の説明的平面図。
【図4】各工程において形成される缶蓋の要部の説明的断面図。
【図5】突起成形用膨出部の成形工程を示す要部の説明的断面図。
【図6】突起の成形工程を示す要部の説明的断面図。
【図7】他の実施例における突起の成形工程を示す要部の説明的断面図。
【図8】突起の周壁の傾斜角度とタブの回転トルクとの関係を示す線図。
【図9】従来の缶蓋を示す平面図。
【符号の説明】
A…ステイオンタブ式缶蓋、1…パネル、2…リベット、3…タブ、4…舌片、5…スコア、9…突起、10…係合穴、11…リベット成形用膨出部、13…突起成形用膨出部、30…リベット穴。
Claims (4)
- 開口形状に刻設した開口用スコアと、該スコアを破断して開口する開口用タブと、該タブをパネル上に固着するリベットとを備えてなるステイオンタブ式缶蓋の製造方法において、
板材を打ち抜いて成形された缶蓋素材のパネルのリベット成形位置を該パネルの裏面側から押圧してリベット成形用膨出部を成形する工程と、
該リベット成形用膨出部の外周の肉厚をリベット成形用膨出部周壁に寄せるコイニング加工を行いつつリベットに近似した形状に成形する工程と、
リベットに近似した形状を所定のリベットに成形する工程と、
該リベット外周のコイニング加工を行った部分を除く部分にコイニング加工を行いつつ、該リベット外周のコイニング加工を行った部分及びその隣接位置にかけてのパネルをその裏面側から押圧して突起成形用膨出部を成形する工程と、
開口形状に沿ったスコアを刻設する工程と、
前記突起成形用膨出部の外周を上方から拘束すると共に該突起成形用膨出部の下方から押圧して前記突起成形用膨出部の周壁をパネル面から上方に向かって45°〜90°の角度を存して起立させて該突起成形用膨出部を所定の突起に成形する工程と、
前記タブの中央部に備えられた舌片に形成されたリベット穴を貫挿すると共に、該舌片のリベット穴の隣の位置に形成された係合穴を前記突起に係合させて該リベットをかしめてパネル上にタブを取り付ける工程とを備えることを特徴とするステイオンタブ式缶蓋の製造方法。 - 前記所定のリベットを成形する工程と、前記突起成形用膨出部を成形する工程とを同時に行うことを特徴とする請求項1記載のステイオンタブ式缶蓋の製造方法。
- 前記スコアを刻設する工程と、前記所定の突起を成形する工程とを同時に行うことを特徴とする請求項1又は2記載のステイオンタブ式缶蓋の製造方法。
- 前記所定の突起を成形する工程は、前記突起成形用膨出部の外周及び頂部を上方から拘束し、該突起成形用膨出部の下方から押圧して頂部を平坦とする突起に成形することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のステイオンタブ式缶蓋の製造方法。
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