JP3556877B2 - パプリカ色素製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品着色用パプリカ色素製剤に関し、更に詳しくは、各種混練食品を赤色系に着色することができるパプリカ色素製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パプリカ(Capsicum annum L.)の果実やその乾燥物をアルコール類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類などの溶媒で抽出した抽出物から溶媒を除去したいわゆるパプリカオレオレジンを、例えば、食品着色剤として利用することは知られている。また、該パプリカオレオレジンに含まれるパプリカ特有の香味を除去するため、例えば、アルコール抽出、水蒸気蒸留、アルカリ処理、超臨界二酸化炭素抽出などによるパプリカ色素の精製が行われている。
【0003】
しかしながら、パプリカ色素を利用して例えば、各種混練食品を着色する際には、パプリカ色素特有のオレンジ色の色調が強い影響を与えたり、着色する食品によっては、その製造工程で色の変化が起きてしまい必ずしも加工食品で計画している色調に合致しない場合がある。特に、最近はより赤色味の強い色調が求められ、該色調を長期間に渡って安定に保つことができる改善されたパプリカ色素製剤の出現が望まれている。この赤色味の強い色調に着色するためには、例えば、より赤色味の強いパプリカオレオレジンによって製造されたパプリカ色素製剤を使用することが考えられるが、パプリカオレオレジンの色調は原料産地や産出年度によって変動するため、常により赤色味の強い同一色調のパプリカオレオレジンを得ることは困難である。
【0004】
そこで、パプリカオレオレジン自体の色調に依存されることなく、食品を強い赤色味に着色できるような食品着色用パプリカ色素製剤を提供することを目的として、例えば、植物樹脂とパプリカオレオレジンとを含有した乳化粒子が、乳化剤を含有する水性系中に分散した食品着色用パプリカ色素製剤(特開平5−316995号公報)が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平5−316995号公報で製造されたパプリカ色素製剤は混練食品に安定かつ良好な赤色系着色を付与することができるが、使用している植物樹脂由来の樹脂臭が混練食品に移行するという問題があり、必ずしも満足できるものではない。従って本発明の目的は、食品を強い赤色味に着色することができ、かつ異臭のないパプリカ色素製剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述の課題を解決するため鋭意研究を行なった結果、乳化液中の乳化粒子を、パプリカオレオレジンなどのパプリカ色素成分にシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(以下、SAIBと称する)を加えたものとし、しかも該乳化粒子の平均サイズを3〜40ミクロンの範囲とすることにより乳化粒子の強度を高めることができ、各種混練食品に添加したときに乳化粒子の破壊がなく、より強い赤色味を長期間に渡って付与することができ、かつ異臭のないパプリカ色素製剤を調製できることを見出し本発明を完成した。
なお、SAIBは一般的に飲料用乳化製剤の比重調整用に用いられるが、混練食品の着色用色素製剤の安定化に用いることについてはこれまで開示も示唆もされていない。
【0007】
即ち、本発明の第1の発明はパプリカ色素成分とSAIBからなるパプリカ色素製剤である。
【0008】
第2の発明は、パプリカオレオレジンとSAIBとを含有した乳化粒子が、乳化剤を含有する水性系中に分散してなるパプリカ色素製剤である。
【0009】
第3の発明は、第2の発明のパプリカ色素製剤について、乳化粒子の平均粒子サイズを着色の色調に応じて選択したものである。
【0010】
第4の発明は、第2または第3の発明のパプリカ色素製剤について、乳化粒子の平均粒子サイズが3〜40ミクロンであるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の具体的態様について説明する。
【0012】
本発明で用いるパプリカ色素成分としては、パプリカオレオレジン及びパプリカオレオレジンから各種の処理によりパプリカ臭を除去したものを使用することができる。即ち例えば、パプリカの果実の乾燥粉砕物に、アセトン、n−ペンタン、n−ヘキサン、メチレンクロライド、エチレンジクロライドなどの如き有機溶剤を加えて抽出した後、有機溶剤相を分離し、常圧乃至減圧下で該有機溶剤を留去させるなどの手段で得ることができる。また、該パプリカオレオレジンからパプリカ臭を除去する手段としては、例えば、アルコール抽出、水蒸気蒸留、アルカリ処理、超臨界二酸化炭素抽出などを例示することができる。
【0013】
本発明では、上記例示のパプリカオレオレジンにSAIBを混合するが、SAIBの使用量は乳化粒子のサイズに影響を与え、その使用量はパプリカオレオレジン1質量部に対して、例えば、0.01〜10質量部の範囲、好ましくは0.05〜5質量部の範囲内を例示することができる。SAIBの使用量が0.01質量部未満では乳化粒子の安定性が悪く、SAIBの使用量が10質量部を超える量では赤色味を付与することが困難である。
【0014】
本発明のパプリカ色素製剤は乳化粒子の平均サイズによって、例えば、約1〜3ミクロンのときはオレンジ色、40ミクロンのときは赤紫色、これらの中間粒子径ではその中間の色調のものがそれぞれ得られることになるので、目的とする色調に応じて乳化粒子径を選択し、それに応じた量のSAIBを添加する。
【0015】
パプリカオレオレジンとSAIBの混合物の乳化液の形成には、乳化剤及び増粘物質が利用される。乳化剤としては、例えば、キラヤ抽出物、酵素処理レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アラビアガム、サイクロデキストリンなどを挙げることができる。これらの乳化剤は単独で、或いは複数種を組み合わせて使用することができ、乳化剤は通常水溶液の状態で使用される。乳化剤の使用量は、乳化剤の種類によって適宜選択できるが、例えば、水溶液が0.1〜50質量%の濃度範囲を例示することができる。
【0016】
また、増粘物質としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、寒天、カラギーナン、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン、CMCなどのような多糖類を好ましく例示することができる。これらの増粘物質は単独でも、或いは複数種を組み合わせて使用することができる。増粘物質の使用量はその種類や併用する乳化剤の種類、使用量によって適宜選択できるが、例えば、乳化物質量に対して0.5〜30質量%、好ましくは0.5〜5質量%程度の範囲を挙げることができる。
【0017】
更に、パプリカオレオレジンとSAIBとの混合物の使用量は、乳化剤及び増粘物質を含有する水性系の質量に対して、例えば、1〜50質量%を例示することができる。
【0018】
本発明のパプリカ色素製剤の調製方法の好ましい一実施態様を例示すれば、パプリカオレオレジンとSAIBとを混合し、混合した系を例えば、70〜80℃程度に加温して均一な混合油とする。得られる混合油1質量部を、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステルを混合溶解した水溶液約1〜約10質量部(水分含有量約90〜約95質量%)と混合し、ホモミキサー、コロイドミル等を用いて乳化処理することにより、粒子径約3〜約40ミクロンの極めて安定なパプリカ色素製剤を得ることができる。
【0019】
本発明では、乳化操作を容易にするため、必要に応じて他の添加剤を併用することができる。このような添加剤としては、例えば、植物油脂、脂肪酸トリグリセライド、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコールなどを例示することができる。
【0020】
本発明のパプリカ色素製剤によって、安定かつ良好な赤色系着色を付与できる混練食品としては広範囲のものが挙げられるが、例えば、かまぼこ、かにあしかまぼこ、はんぺん、ちくわ、ハム、ソーセージなどを例示することができる。
【0021】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0022】
実施例1
パプリカオレオレジン1質量部に対し、SAIB1質量部を添加混合後、ポリグリセリン脂肪酸エステル1質量部、グリセリン10質量部の混合液に添加し、平均粒径が5ミクロンになるまで乳化機で乳化して、本発明の食品着色用パプリカ色素製剤を得た(本発明品1)。
(タラすり身への着色例)
本発明1のパプリカ色素製剤を食塩3質量%、でんぷん1質量%を含むタラすり身に1質量%添加し、よく混練したところ、すり身は赤味のあるオレンジ色を呈し、かにかまぼこの着色に用いられているモナスカス色素を添加したものとほぼ同じ色調のものが得られた。このものは1週間程度室温に放置したところ、ほとんど退色しなかった。
【0023】
実施例2
パプリカオレオレジン1質量部に対し、SAIB2質量部を添加混合後、アラビアガム水溶液(アラビアガム濃度:35質量%)6質量部、ソルビトール1質量部の混合液に添加し、平均粒径が20ミクロンになるまで乳化機で乳化して、本発明の食品着色用パプリカ色素製剤を得た(本発明品2)。
(ポークのすり身への着色例)
本発明品2のパプリカ色素製剤をポークのすり身に1質量%添加し、よく混練したところ、サラミソーセージ様の着色が得られた。
【0024】
実施例3
SAIBの添加量を変え、パプリカオレオレジンとSAIBとを含有した乳化粒子の平均粒径が、2ミクロン、5ミクロン、10ミクロン、30ミクロンとなるようにした以外は実施例1と同様の条件下で、タラすり身の着色を行った。各粒径のパプリカ色素製剤を使用してタラすり身に着色した際の、色調の肉眼観察を表1に示した。本発明のパプリカ色素製剤の平均粒径を変えることにより色調を調節できることが確認された。
【0025】
【表1】
表1:平均粒径の差による色調の変化
Figure 0003556877
【0026】
【発明の効果】
本発明のパプリカ色素製剤は、各種混練食品に添加したときに乳化粒子の破壊がなく、より強い赤色味を付与することができ、かつ異臭のないパプリカ色素製剤を提供することができる。

Claims (4)

  1. パプリカ色素成分1質量部に対してシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)0.01〜10質量部含有する、かまぼこ、かにあしかまぼこ、はんぺん、ちくわ、ハム、ソーセージから選択される混練食品用パプリカ色素製剤。
  2. パプリカオレオレジン1質量部に対してシュークロース・ジアセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)0.01〜10質量部とを含有した乳化粒子が、乳化剤を含有する水性系中に分散してなる、かまぼこ、かにあしかまぼこ、はんぺん、ちくわ、ハム、ソーセージから選択される混練食品用パプリカ色素製剤。
  3. 乳化粒子の平均粒子サイズを着色の色調に応じて選択した請求項2記載のパプリカ色素製剤。
  4. 乳化粒子の平均粒子サイズが3〜40ミクロンである請求項2または3記載のパプリカ色素製剤。
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