JP3556484B2 - 平版印刷版の修正剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム支持体上の銀画像をインキ受容性にして利用するオフセット印刷版において、該印刷版上に形成された銀画像の修正剤であり、更に詳しくは写真的にまたは物理的な方法で形成されたオフセット印刷版上の不必要な部分を印刷工程における任意の段階で適宜、特定の処理剤により表面処理することによって、特に印刷特性、機材等に何等支障をきたす事なく完全に親水化し、インキ受理性をなくす事に関するものである。通常、印刷分野に於てこのような処理を「修正」と呼んでいるので以下、本発明者等はそれに従う。又、修正操作に使用する処理剤のことを「修正剤」と呼ぶことにする。
【0002】
【従来の技術】
一般に、写真製版法で製造された印刷原版で生じる修正の必要な箇所としては、複写オリジナル中に既に存在するもの、露光の際に生じるもの、及びその他不均一な現像処理過程によって生じるものなどがある。
【0003】
すなわち、例えば複写オリジナル中に不必要な画像が生じていたり、ゴミ、塵等の影響によって露光時において影が写し出されたりする。良好な印刷物を得るためにはこれらの箇所はいずれも製版、印刷の段階で修正されなければならない。一般的に言って修正操作は必要なものであり、製版、印刷の工程において任意の段階で必要な修正が可能であることが望ましい。
【0004】
本発明に関わるアルミニウム支持体上の銀画像をインキ受容性にして利用するオフセット印刷版(以降、アルミニウム印刷版と称す)に関しては、特開昭57−118244号、同57−158844号、同63−260491号、特開平3−116151号、同4−282295号、同5−216236号、同6−81194号などの各公報に詳しく記載されている。このアルミニウム印刷版は、粗面化され陽極酸化されたアルミニウム板を支持体とし、その上に物理現像核を担持し、更にその上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を設けたモノシートタイプでDTR法(銀錯塩拡散転写法)を利用する平版印刷版である。上記印刷版は、通常、像露光し、DTR現像した後、ハロゲン化銀乳剤層を温水で洗浄して除去(ウォッシュオフ)し、その後、仕上げ液で処理して作製される。ハロゲン化銀乳剤層をウォッシュオフすることによって、金属銀膜からなる画像部とアルミ陽極酸化表面からなる非画像部が露出する。
【0005】
一方、銀画像をインキ受容性として利用するオフセット印刷版としては、ゼラチン皮膜上に銀画像を生成した印刷版が従来から一般的に知られており、広く用いられている。このタイプの印刷版は、支持体(ポリエチレン樹脂を被覆した紙ベース、ポリエチレンテレフタレートベース等)上に、下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層をこの順に有する平版印刷版であり、例えば米国特許第3721559号、同第3490905号、同第3385701号、同第3814603号、同第3454398号、同第3764323号、同第3099209号、特公昭44−27242号、同48−30562号、特開昭53−9603号、同53−21602号、同54−103104号、同56−9750号公報等に記載されている。
【0006】
上記平版印刷版はゼラチンをバインダーとする乳剤層の表面に物理現像核を有し、露光された乳剤層中のハロゲン化銀結晶は、DTR現像により化学現像を生起し黒色の銀となり、ゼラチンを主体とする親水性の非画像部を形成する。一方、未露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤により銀塩錯体となって表面の物理現像核層まで拡散し、核の存在により物理現像を生起してインキ受容性の物理現像銀を主体とする銀画像部を形成する。
【0007】
銀画像の修正法として多くの試みがなされたが、大きく2つのタイプに分けられる。1つは、特開昭48−92101号、同51−21901号、同54−53002号、同59−9661号公報等に記載されたメルカプトまたはチオン基と親水性基を有する化合物を用いて、銀画像上に親水性皮膜を作る修正剤、もう1つは、特開昭63−141064号、特開平1−254962号、同平9−304946号公報等に記載された有機酸第2鉄錯塩を銀の酸化剤として用いた修正剤が知られている。これらの修正剤は、いずれも主にゼラチン皮膜上に銀画像を生成した印刷版を対象として開発されたものである。
【0008】
前者のタイプは、修正した後にも銀画像は存在するので、修正箇所が目視で判別しにいという問題、及び印刷を重ねていくと修正個所が次第にインキを受容してしまうという問題があり、後者のタイプが広く実用化されているのが現状である。
【0009】
本発明の修正剤は、後者の酸化剤を用いた修正剤に属するが、前述したように、従来の修正剤は、ゼラチン皮膜上に銀画像を生成する印刷版を対象とするものであり、アルミニウム印刷版には単純に適用することはできなかった。即ち、修正不良(修正個所が印刷中に汚れる)が生じるという問題、及び、修正後から印刷までが数週間にわたって置き版した場合、修正個所にインキ受理性が発現し、そこが印刷中に汚れるという問題があり、アルミニウム印刷版に適した修正剤の開発が望まれていた。さらに修正速度(修正剤が銀画像を酸化して修正が完了するまでの時間)が迅速であることも望まれていた。
【0010】
更に、印刷時もしくは印刷後に銀画像修正の必要性が生じる場合があるが、銀画像に付着したインキが修正を難しくしていた。従って、製版後から印刷後までのどの時点でも、銀画像の修正が完全かつ迅速にできる修正剤が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、アルミニウム支持体上の銀画像をインキ受容性にして利用するオフセット印刷版に好適な修正剤を提供することにある。詳細には、修正不良が生じず、かつ修正後に置き版した場合にも修正個所にインキ受理性が発現することがなく、しかも修正速度の速い修正剤を提供することである。更に、本発明の他の目的は、製版後から印刷後までのどの時点でも、銀画像の修正が完全かつ迅速にできる修正剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、アルミニウム支持体上の銀画像をインキ受容性として利用するオフセット印刷版用修正剤であって、銀を酸化させる酸化剤を含みかつそのPHが5以下であることを特徴とする修正剤によって達成された。
【0013】
特に、リン酸、ポリリン酸、カルボン酸、ポリホスホン酸及びそれらの塩の中から選ばれる少なくとも一種類を含む上記の修正剤によって、より迅速な修正速度を持ち、しかも安定した修正能力有する修正剤が得られる。
【0014】
更に、脂肪族基もしくは芳香族基とポリオキシエチレンのエーテル化合物を含有させることによって、印刷時もしくは印刷後の修正が可能になった。
【0015】
従来の銀の酸化剤を用いた修正剤は、特開平1−254962号の記載されているように、PHは6〜9の範囲である。これは、酸化剤として主に用いられているEDTA第2鉄塩等の有機酸第2鉄塩のpH安定領域であること、酸化した銀画像を溶解するためのハイポ等の銀錯化剤の選択幅が広いこと、及びゼラチン皮膜の硬化(低pHはゼラチン皮膜を硬化する)による汚れがないこと等による。
【0016】
本発明は、上記従来の常識を打破し、pHを5以下に下げることによって達成した。これは、銀画像を酸化し溶解するとともに、銀画像を担持しているアルミニウム表面の陽極酸化層を溶解し、かつ親水化するという基本コンセプトに基づくものであり、更に、溶解した陽極酸化層にリン酸、ホスホン酸等の酸を付与することによって、親水性を回復させ、完全に銀画像部を親水化するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、銀画像の酸化剤は銀を酸化する能力のあるものであればいかなるものを用いても良い。例えばクロム酸塩などを用いても良いが、取り扱いの容易な遷移金属の塩、特に第二鉄塩あるいは第二鉄錯塩を溶液にして用いることが一般的である。これらの例としては、特開昭48−41808号のような赤血塩やEDTA金属塩、及び特開昭63−141064号で記載されているような有機酸第2鉄錯塩がある。有機酸第2鉄錯塩としてはアミノポリカルボン酸第2鉄錯塩、ホスホン酸第2鉄錯塩などが挙げられる。また無機第2鉄塩例えば硫酸第2鉄、硝酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸第2鉄などを用いても良いし、これらの塩と有機酸を用いて溶液中で第2鉄錯塩を形成させても良い。
【0018】
アミノポリカルボン酸第2鉄塩は第2鉄イオンとアミノポリカルボン酸又はその塩との錯体である。アミノポリカルボン酸及びその塩の代表例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、EDTAジナトリウム塩、EDTAジアンモニウム塩、EDTAテトラ(トリメチルアンモニウム)塩、EDTAテトラカリウム塩、EDTAテトラナトリウム塩、EDTAトリナトリウム塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸ペンタナトリウム塩、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N’,N’−トリ酢酸、エチレンジアミン−N−(β−オキシエチル)−N,N’,N’−トリ酢酸トリアンモニウム塩、プロピレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩、ニトリロトリ酢酸、ニトリロトリ酢酸ナトリウム塩、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸、シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩、イミノジ酢酸ジヒドロキシエチルグリシン、エチルエーテルジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸などがあげられる。
【0019】
またホスホン酸又はその塩の代表例としてはジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸、シクロヘキサンジアミンテトラメチレンホスホン酸、トリエチレンテトラミンヘキサメチレンホスホン酸、グリコールエーテルジアミンテトラメチレンホスホン酸、1,2−ジアミノプロパンテトラメチレンホスホン酸、メチルイミノジメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸またはその塩などがあげられる。
【0020】
これらの有機酸塩と既述した第2鉄錯塩の任意の組合わせの有機酸第2鉄錯塩が使用できる。
【0021】
有機酸第2鉄錯塩はインキ受容性として利用する銀画像を酸化するには比較的多量に用いるのがよい。一般には修正剤溶液1L当たり0.05〜1モル、好ましくは0.1〜0.5モルの範囲がよく、2種以上組み合わせてもよい。
【0022】
本発明の特徴は上記のごとき銀の酸化剤をpH5以下で、アルミニウム支持体上の銀画像をインキ受容性として利用するオフセット印刷版の修正剤として使用することにある。好ましくはpH4.5〜1の範囲で、より好ましくはpH4未満から1の範囲であり、適当な酸と組み合わせる必要がある。
【0023】
本発明の修正剤の場合これらの酸として、リン酸、ポリリン酸、カルボン酸、ホスホン酸、またはそれらの塩の中の少なくとも一種類を用いることが好ましい。これらの酸またはその塩の添加量は修正剤1リットルに対して0.05モル以上であることが好ましい。さらに好ましくは0.1モル以上である。
【0024】
リン酸は酸の形でそのまま用いても良いし、リン酸、リン酸一水素、リン酸二水素のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩の形で用いても良い。またここで言うポリリン酸とは、二リン酸、三リン酸、トリポリリン酸、メタリン酸などと呼ばれるリン酸の縮合物指し、そのいずれを用いてもよく、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等の塩の形で添加しても良い。
【0025】
カルボン酸としてはポリカルボン酸あるいはヒドロキシ基を有するカルボン酸がより好ましく、上記のアミノポリカルボン酸の他、マレイン酸、フマル酸、琥珀酸あるいはポリアクリル酸などのポリマーであっても良い。ヒドロキシ基を有するカルボン酸として、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、あるいはカルボキシメチルセルロース、アラビアゴムなどのポリマーであっても良い。
【0026】
ホスホン酸としては上記記載の化合物の他、下記化合物を挙げることができる。
【0027】
【化1】
Figure 0003556484
【0028】
【化2】
Figure 0003556484
【0029】
【化3】
Figure 0003556484
【0030】
【化4】
Figure 0003556484
【0031】
【化5】
Figure 0003556484
【0032】
【化6】
Figure 0003556484
【0033】
【化7】
Figure 0003556484
【0034】
【化8】
Figure 0003556484
【0035】
第2鉄塩を画像銀の酸化剤として用いる場合、リン酸、ポリリン酸、カルボン酸、ホスホン酸またはその塩は、リン酸第2鉄等の塩の形やポリリン酸、有機酸との錯塩の形で用いることも可能であるが、これらの酸を有効に働かせるためには、さらに過剰に加えた方が好ましい。即ち、溶液中で第二鉄イオンと配位している当量以上加えることによって、これらの酸はより有効に機能する。
【0036】
上述したリン酸、ポリリン酸、カルボン酸、ホスホン酸、またはそれらの塩は修正剤のpHを5以下に調整し、更に溶解したアルミニウム陽極酸化層を親水化する働きする。本発明において、更にギ酸を用いるのが好ましい。ギ酸は、アルミニウム陽極酸化層の溶解と親水化作用に加えて、インキの溶解作用も有する。
【0037】
さらに本発明の修正剤には銀の錯化剤として、可溶性臭化物、可溶性ヨウ化物、チオ硫酸塩等が用いられる。好ましくは可溶性臭化物、可溶性ヨウ化物である。可溶性臭化物、可溶性ヨウ化物とは、修正剤溶液の溶媒に可溶性の臭化物およびヨウ化物を意味する。通常は該溶媒の一部または全部は水が用いられるから、水溶性の臭化物またはヨウ化物、例えば臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化アンモニウムなどが具体例として挙げられる。可溶性臭化物、あるいは可溶性ヨウ化物の量は修正剤溶液1リットル当たり0.3モル以上必要であり、好ましくは0.5モルから溶解可能な量までである。2種類以上組み合わせてもよい。
【0038】
本発明の修正剤は、水、各種アルコールあるいはそれらの混合溶剤を用いて修正剤として用いることが出来る。また、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、グリセリン等の液粘度を増加させるための要素、又、色素、有機あるいは無機の顔料など、液を着色させるための要素として含むことが出来るが、これらは必須の要素ではない。さらに前記特開昭51−21901号に記載されているような微粒子粉末を含むこともできる。
【0039】
本発明の修正剤は、印刷時もしくは印刷後の修正を容易にするために、脂肪族基もしくは芳香族基とポリオキシエチレンのエーテル化合物を含有させることが好ましい。通常、インキが版面に付着した状態での修正は、修正作業を行う前にブランケット洗浄剤等で版面をふきとる。このときにインキの成分である顔料は除去されるが、ベヒクル(溶剤)及び樹脂等のインキ成分が皮膜状に版面に残る。上記化合物は、水溶性であり、かつ版面に残ったインキ成分を溶解し、更にインキ成分を乳化させる能力があり、結果として溶解されたインキ成分を版に付着しにくくさせるという特性を有する。該化合物は下記一般式1で表すことができる。
【0040】
【化9】
Figure 0003556484
【0041】
式中、Rは脂肪族基または芳香族基を表し、Rは水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し、nは繰り返し単位を表す2以上の整数である。
【0042】
詳細には、Rは、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、アラルキル基等の脂肪族基または芳香族基であり、好ましくは炭素数1〜10のものである。Rは水素原子またはRで説明した脂肪族基もしくは芳香族基である。Rは好ましくは水素原子である。nは好ましくは2〜30で、より好ましくは2〜20である。
【0043】
上記化合物の添加量は、修正剤1リットル当たり10〜300g、好ましくは20〜200gである。
【0044】
本発明の修正剤には、更に溶解したインキ成分の乳化安定化のために、ポリビニルピロリドン(数平均分子量が1万〜20万程度)や低分子量(重量平均分子量が3000〜3万程度)のゼラチンを用いるのが好ましい。添加量は、修正剤1リットル当たり5〜200g、好ましくは10〜200gである。
【0045】
【実施例】
以下に本発明を実施例により説明する。
実施例1
アルミニウム支持体の電解粗面化処理及び陽極酸化は米国特許第5,427,889号公報に記載の方法に従って、平均直径約5μmのプラト−上に直径0.03〜0.30μmのピットを100μm当たり約5,600個有し、かつこれらのピットの平均直径が0.08μmである厚さ0.30mmのアルミニウム板を得た。このアルミ板は粗面化処理後に陽極酸化したものであり、平均粗さ(Ra)は0.5〜0.6μmであった。
【0046】
このアルミニウム支持体にカレー・リー(Carey Lea) 法により作成された銀ゾルからなる物理現像核液を塗布し、その後乾燥した。物理現像核層に含まれる銀量は、3mg/mであった。
【0047】
ハロゲン化銀乳剤として、保護コロイドとして、アルカリ処理ゼラチンを用い、コントロールダブルジェット法で平均粒径0.2μmの、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当り0.006mmolドープさせた塩ヨウ臭化銀乳剤(AgBr20モル%、AgI0.4モル%)を作成した。更に、この乳剤に硫黄金増感を施し、化10の増感色素を銀1g当り3mg用いて分光増感した。
【0048】
【化10】
Figure 0003556484
【0049】
このようにして作成したハロゲン化銀乳剤に界面活性剤を加え、前記物理現像核が塗布されたアルミニウム支持体上に銀量が2g/m(ゼラチン量2.3g/m)になるように塗布、乾燥して平版印刷材料を得た。
【0050】
上記平版印刷材料を633nmの赤色LDレーザーを光源とする出力機で画像出力し、次に製版用プロセッサー(デュポン社製SLT−85N自動現像機)で処理して平版印刷版を作成した。製版用プロセッサーは、現像処理工程(21℃、15秒間浸漬)、水洗処理工程(33℃の水洗液を10秒間シャワー噴射しながらスクラブローラで乳剤層を剥離する)、仕上げ処理工程(21℃、5秒間シャワー)及び乾燥工程から構成されている。
【0051】
下記に示す現像液、水洗液及び仕上げ液を用いた。
Figure 0003556484
水を加えて全量を1リットルに調整する。pHは13.0に調整した。
【0052】
Figure 0003556484
【0053】
Figure 0003556484
【0054】
上記記載の方法によって製版した印刷版に対して、以下に示す修正剤を充填したフェルトペンで修正個所の画像が識別できなくなるまで擦って消去した。
【0055】
Figure 0003556484
【0056】
上記修正剤にリン酸を加え、表1に示すようにPHを各種変化した修正剤を作成した。これらの修正剤を用いて、版面上の銀画像を修正した後、1時間後及び2週間室温に放置した(置き版)後、以下の条件で印刷を行い、修正個所をインキ受理性によって評価した。その結果を表1に示す。
【0057】
<印刷条件>
印刷機:ハイデルベルグ社製KORD
インキ:大日本インキ社製 New Champion F Gross紫 S
給湿液:富士フイルム社製EU−3
【0058】
<評価基準>
A:1万枚の印刷しても、修正箇所は全くインキを受理しない。
B:1万枚の印刷で修正箇所に僅かにインク受理性が認められる。
C:5000枚の印刷で修正箇所に僅かにインキ受理性が認められる。
D:2000枚の印刷で修正箇所に僅かにインキ受理性が認められる。
E:1000枚の印刷で修正個所にはっきりとインキ受理性が認められる。
【0059】
【表1】
Figure 0003556484
【0060】
上記結果より、本発明の修正剤はpHを5以下にすることによって、ほぼ完全に銀画像を消去し、インキ受理性を全く失わせることができる。
【0061】
実施例2
実施例1の修正剤のリン酸の代わりに、メタリン酸、ニトリロ三酢酸、クエン酸、例示化合物(化1)、硝酸、または硫酸を用いて、実施例1と同様にpH変化したところ、同様な結果を得た。
【0062】
実施例3
次に実施例1における修正剤のPHを3.5に固定し、PHを調整するときの酸を変えて修正の速度を見た。即ち、修正剤を充填したフェルトペンで、修正個所を1秒間に1回擦り、何回擦ったところで修正が完了するかで評価を行った。印刷方法等は実施例1に準じる。その結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
Figure 0003556484
【0064】
この結果から、リン酸、ポリリン酸、カルボン酸、ホスホン酸を用いることによって修正速度が向上し、より安定した修正作業が可能になる。
【0065】
実施例4
実施例1に従って、製版及び印刷した平版印刷版の版面をPS版と同様に、ブランケット洗浄剤で洗浄した後、下記修正剤を用いて修正した。
【0066】
Figure 0003556484
【0067】
上記修正剤組成の内、 トリエチレングリコールモノブチルエーテルを含有しない修正剤は、修正が不十分であり、銀画像のインキ受理性を完全に消失することができなかったが、トリエチレングリコールモノブ゛チルエーテルを100g含有した修正剤は、完全な修正ができ、インキ受理性は全くなかった。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、アルミニウム支持体上の銀画像をインキ受容性にして利用するオフセット印刷版に好適な修正剤を提供できるようになった。詳細には、修正不良が生じず、かつ修正後に置き版した場合にも修正個所にインキ受理性が発現することがなく、しかも修正速度の速い修正剤が得られる。更に、製版後から印刷後までのどの工程に於いても、完全かつ迅速に修正することが可能になる。

Claims (3)

  1. アルミニウム支持体上の銀画像をインキ受容性として利用するオフセット印刷版用修正剤であって、有機酸第2鉄錯塩を含有し、かつリン酸、ポリリン酸、カルボン酸、ホスホン酸及びそれらの塩の中から選ばれる少なくとも一種類を含有することによりそのPHを4.5〜1の範囲に調整したことを特徴とする修正剤。
  2. 脂肪族基もしくは芳香族基とポリオキシエチレンのエーテル化合物を含有する請求項1に記載の修正剤。
  3. ポリビニルピロリドンまたは重量平均分子量が2万以下のゼラチンを含有する請求項1または2に記載の修正剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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