JP3556393B2 - 光ピックアップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−ROM、光磁気ディスク、相変化ディスク等を情報記録及び/又は再生媒体とする光情報記録及び/又は再生装置(以下、光記録再生装置と称する)に用いられる光ピックアップに関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップは、半導体レーザから射出されたレーザ光を情報記録及び/又は再生媒体(以下、記録再生媒体と称する)に集光させて、情報の記録・再生を果たす光学装置である。このため光ピックアップは、レーザ光を集光させるための対物レンズ、半導体レーザから射出されたレーザ光を対物レンズに偏向させるミラー、集光された光が記録再生媒体に合焦し、かつ位置ずれしないように対物レンズをフォーカシング方向及びトラッキング方向に微動させる調整機構等、多数の部品を備えている。
【0003】
ところで、情報の記録・再生を行う際、上記記録再生媒体は高速で駆動されるため、光ピックアップ周辺領域には負圧による空気の流れが生起され、光ピックアップ内には、この空気の流れと共に埃塵が運び込まれる。そして、このような埃塵が対物レンズ、ミラー等の光学部品に付着すると、記録・再生時における記録再生媒体への光量、あるいはそこからの反射光量等に影響を及ぼし、結果として正しい情報の記録・再生が妨げられてしまう。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、例えば、特開平3−192537号公報には、防塵手段を施した光ピックアップが開示されている。この公報に開示された光ピックアップは、対物レンズを保持した対物レンズ保持部材、対物レンズをフォーカシング方向及びトラッキング方向に微動させる調整機構、レーザ光を対物レンズに向けて偏向させる折り返しミラー等が設けられたキャリッジをカバーによって覆うと共に、このカバーに、対物レンズに対応する開口部とは別の開口部を設けかつこの開口部にフィルタを配した構成となっている。さらに、レーザ光を通過させるために設けられたキャリッジの孔に、防塵用の透明ガラスを取り付けている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示された光ピックアップによれば、記録再生媒体が駆動された際の負圧による空気の流れに対しては、前記フィルタを介した空気の流通で対応させると共に、透明ガラスによって外部からの空気の流入を抑えており、これによってキャリッジ内への埃塵の侵入を防止している。
【0006】
しかしながら、このような構成の光ピックアップでは、フィルター部材を別途設け、さらには光路用の孔に透明ガラスを設ける必要があるため、光ピックアップのコストが高くなってしまう。
この発明は、低コストで防塵機能を有する光ピックアップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の光ピックアップは、光源から射出されたレーザ光を通過させる第1の開口部と、前記対物レンズに対応した第2の開口部との間の経路に第3の開口部を設けており、記録再生媒体が駆動された際に生じる負圧によって第1の開口部から流入した空気を、ミラー、対物レンズ等に達する前に第3の開口部から排出させるように構成している。すなわち、負圧によってピックアップ内に流入された空気は、ミラーや対物レンズ等に達する前に第3の開口部から排出されてしまうので、その空気と共に搬送される埃塵も、ミラーや対物レンズ等に達する前に第3の開口部を介して外部に排出され、ミラーや対物レンズ等に埃塵が付着されることが防止される。
従って、従来技術にある防塵効果はそのままで、フィルタや透明ガラスを別途取り付ける必要がなくなり、低コスト化が達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ピックアップの一実施の形態を図1乃至図6に沿って具体的に説明する。この内、図1は光記録再生装置内の光ピックアップ部分の構成を示す斜視図、図2は光ピックアップの可動部の縦断面図、図3は可動部の縦断面図、図4は可動部の分解斜視図、図5はカバーを取り外した状態を示す可動部の斜視図、そして、図6は可動部とヨーク部との関係を示す斜視図である。これらの図に示すように、本実施の形態の光ピックアップは、ディスク状の記録再生媒体(以下、光ディスクと称する)に対して情報の記録再生を行う記録再生装置に用いられる構成となっている。
【0009】
図1に示すように、デッキベース1上には、光ディスク2を回転駆動するスピンドルモータ3が固定されている。光ディスクは2は、図2に示されるように、通常カートリッジ4の中に回転可能に保持されており、情報の記録・再生が行われる際にシャッタ(図示せず)が開口され、情報記録面2aが後述する光ピックアップの可動部5と対向する。可動部5はデッキべース1に対してx方向(トラッキング方向)に移動可能に支持されている。
【0010】
デッキベース1のx(−)側には固定光学系8が設けられており、この固定光学系8は、レーザ光源(光源)9,ビームスプリッタ10,コリメートレンズ11,エラー検出用ホログラム12,フォトディテクタ13等を備えている。そして、光源9から射出されたレーザ光は、ビームスプリッタ10を通過した後、コリメートレンズ11で平行光にされて前記可動部5に向かい、この可動部5を介して光ディスク2に光スポットを投射する。そして、その反射光は、同一の経路を戻ってビームスプリッタ10で反射された後、エラー検出用ホログラム12で回折を受けフォトディテクタ13へ入射する。このフォトディテクタ13からの出力信号によって、再生信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号が得られる。
【0011】
ここで、可動部5の構成について説明する。
可動部5は、トラッキング方向に移動可能なキャリッジ15を有しており、前記固定光学系から射出されたレーザ光を通過させると共に、通過したレーザ光を光ディスク2の情報記録面2aに集光させる対物レンズ16を有している。
【0012】
前記キャリッジ15には、光ディスク側が開口するように開口部15aが形成されると共に、所定間隔をおいてトラッキング方向に延出する貫通孔15b,15cが形成されている(図4参照)。また、前記デッキベース1上には、トラッキング方向に所定間隔をおいて一対の支持台1aが設けられており、各支持台に形成された突設部によって規定される各当付面1bに、バネ1cによってトラッキング方向に延出する一対のガイドレール17,18が固定されている。そして、前記キャリッジ15に形成された貫通孔15b,15cにガイドレール17,18が挿通しており、キャリッジ15はガイドレール17,18に沿って移動可能に支持されている。
【0013】
キャリッジ15に形成された貫通孔の内、貫通孔15b側が基準側となっており、x方向に離間した位置に2つの軸受20がキャリッジ15と一体に設けられている。この軸受20は、そこに挿通されるガイドレール17の断面円形より0.1〜0.4mm程度大きめの円筒の円周方向斜め4箇所を平面でカットした形状で構成され、この斜めの平面とガイドレール17の表面とは5〜30μm程度のクリアランスを有している。また、従動側となる貫通孔15cのx方向中央部にも、軸受21がキャリッジ15と一体的に設けられている。この軸受21は、断面円形のz方向両側を平面でカットした形状で構成され、この平面とそこに挿通されるガイドレール18の表面とは5〜30μm程度のクリアランスを有している。この結果、キャリッジ15は、軸受20,21を介して、ガイドレール17,18に沿って摺動可能に支持されている(図2参照)。
【0014】
キャリッジ15のy方向両側には、それぞれ平坦状のコイル取付部15d,15dが形成されており、ここに、四角柱状に巻回され、x方向に延出するトラッキングコイル25,25の2辺が接合固着されている。また、キャリッジ15の略中央下面側には、y方向に着磁されたマグネット27が固着されている。これに対し、前記デッキベース1上に設けられた支持台1aには、ガイドレール17,18の外側に並列するように、x方向に延出する断面矩形のセンターヨーク29,29がビス等によって固定されている。各センターヨーク29には、それぞれショートリング29a,29aが巻回固定されており、この部分に前記キャリッジ15のトラッキングコイル25,25が挿通される(図2、図6参照)。
【0015】
各センターヨーク29の上方には、x方向に延出すると共に前記カートリッジ4の開口部4a内に位置するように、サイドヨーク33,33が配される。各サイドヨーク33の下面には、図2に示すように、互いに逆向きに着磁されたマグネット34a,34bが固着されており、各サイドヨーク33の両端部は、各センターヨーク29の両端部表面に当接して固定されている。この結果、センターヨーク29,サイドヨーク33,マグネット34a,34bによって磁気回路が形成される。
【0016】
前記キャリッジ15の略中央下面側に設けられたマグネット27は、その磁極がマグネット34a,34bと同極となるよう着磁されているので、マグネット34aのN極とマグネット27のN極、マグネット34bのS極とマグネット27のS極が反発し、キャリッジ15をz(−)方向に押す。従って、軸受20のz(+)側の2面がガイドレール17の面17aに、軸受21のz(+)側の一面21aがガイドレール18に押し当てられてキャリッジ15の摺動の際のガタが防止される。
【0017】
キャリッジ15には、貫通孔15b,15cの間に、前記した固定光学系8の光源9から射出されたレーザ光を通過させるための開口部15fが形成されている。また、キャリッジ15の内部の光軸上には、yz平面に対して45°傾斜した傾斜面15gが形成されており、この部分にミラー40が固着されている。このミラー40の上方には、前記対物レンズ16が配置されている(図3、図4参照)。
【0018】
対物レンズ16は、液晶ポリマー等のプラスチックで成形されたホルダ41の中央部に固定されている。このホルダ41のy方向両側には、アルミ線又は銅クラッドアルミ線をロの字状に巻回したフォーカスコイル43,43が固着されている。そして、このホルダ41は、x方向に延出すると共にz方向に離間する一対の平行なフォーカスバネ47,48を介して、保持部材50の固定面50a,50bに支持されている(図3、図4参照)。
【0019】
フォーカスバネ47,48は略長方形状を成しており、その両端には、それぞれバネ定数調整用及びフォーカスバネ47,48の組み立て治具への位置決め用の孔47a,47b,48a,48bが形成されている。この結果、対物レンズ16を保持したホルダ41は、フォーカスバネ47,48を介して、z方向に移動可能に支持されている。なお、孔47aは、後述するカバー60に形成された開口部60fと対応する。
【0020】
保持部材50は、キャリッジ15の開口部15a内に取り付けられるため、保持部材50には、キャリッジ15に形成されたレーザ光を通過させるための開口部15fに対応する同様の開口部50cが形成されている。また、保持部材50のx(−)側には、キャリッジ15に形成されている取付け面15gと当接する接触部50e,50f,50fが形成されている。
【0021】
保持部材50のキャリッジ15への取り付けは、非磁性ステンレスバネ56の背面のy方向両側56aをキャリッジ15の開口部15aの両側略中央部に突設された突部15hのx(−)側面に押し付け、両先端部56bを保持部材50の略中央部からx(+)方向に突出している突部50gのy方向両側に形成された溝50hのx(−)側の面に当接させ、かつ保持部材50の接触部50e,50f,50fをキャリッジ15の取付け面15gに当接させて、接着剤を注入することにより成される(図3、図4参照)。
【0022】
キャリッジ15のz(−)側下面には、前記フォーカスコイル43,43およびトラッキングコイル25,25に給電するFPC54(フレキシブルプリント基板)の一端54aが固着され、トラッキングコイル25のy(+)側には、FPC54の補強板54bが固着されている。
【0023】
この固着部から、可動部5がx方向に移動するときに、屈曲変形する屈曲部54cがU字状に一方向に延出し、延出部の先端はデッキベース1に立ち上げ形成された凸壁面1eにガイドされるようになっている(図1、図4参照)。
【0024】
上述したキャリッジ15は、図5に示すように、SUS316,SUS310等の透磁率が1.1以下の非磁性ステンレスの薄板をプレス加工したカバー60によって覆われる。このカバー60は、断面が略コの字型となった屈曲部60aと、平坦部60b,60bとを有しており、平坦部60b,60bが、キャリッジ15の開口部15aを塞ぐようにして接着固定され、キャリッジ15を補強する。この場合、平坦部60b,60bは、キャリッジ15とトラッキングコイル25とを連結するようにトラッキングコイル25のz(+)側の面にも接着固定されるため、トラッキングコイル25のz(+)側の面が補強される。また、キャリッジ15のy方向は、前記屈曲部60aによって接続されるため、キャリッジ15のy軸回りのねじれ剛性が向上される。
【0025】
さらに、屈曲部60aには、カバー60をキャリッジ15及びトラッキングコイル25に接着固定した際、前記ホルダ41に保持された対物レンズ16に対応する開口領域(部)60dが形成されており、かつ屈曲部60aの表面部60eには、開口部60fが形成されている。
【0026】
このように、トラッキングコイル25を有するキャリッジ15に、上記した構成のカバー60が一体的に接着固定されて可動部5が構成され、この可動部が、図1に示すようにベースプレート1上に配されたヨーク部材29,33、ガイドレール17,18と上述したように関連して配置される。この状態で、光ディスク2に対しては、対物レンズ16及びカバー60の屈曲部60aの表面60eが対向する。
【0027】
次に図2を参照して、マグネット34a,34bの磁気作用と、可動部5との関係を説明する。前記マグネット34a,34bからの有効磁束は、トラッキングコイル25のz(+)側の面とy方向でキャリッジ15側の面に向かい、センターヨーク29に至る。すると、トラッキングコイル25には、主に前記2つの面にトラッキング方向(x方向)の力が発生する。したがって、トラッキング方向に発生する合力はトラッキングコイル25のz(+)側の面よりややz(−)側に下がった点Fとなる。
【0028】
そして、この点Fは、x方向から見て可動部5の重心Gと一致するように設定してある。また、点F,Gのz方向高さは、ガイドレール17,18の上端、つまり予圧を受けた軸受20,21がガイドレール17,18と接する点に一致させている。これにより、駆動中心F,G、軸受とガイドレールとの間に発生する摩擦力の中心点とが略一致し、各トラッキングコイル25に電流を流して可動部5をx方向に駆動した時のy軸回りの回転を抑止している。
【0029】
また、前記フォーカスコイル43,43は、そのz(−)側の辺がマグネット34a,34bの磁極面と、さらに、z(+)側の辺がサイドヨーク33,33とそれぞれz方向の高さが略同じで近接するように配設してある。そして、マグネット34a,34bの着磁面からサイドヨーク33,33に向かう磁束は、図2の矢印に示すようになるので、フォーカスコイル43,43のz方向の2辺に作用する磁束は、y方向において逆向きとなり、この2辺にはz方向において同じ方向の力が発生する。
【0030】
以上のように構成されているため、2個のフォーカスコイル43にフォーカスエラー信号に応じた電流を流すと、z方向の2辺にz方向の力が発生し、2枚のフォーカスバネ47,48に支持されたホルダ41に保持された対物レンズ16はz方向に駆動される。
【0031】
なお、実際に光ディスク2に対して情報の記録・再生を行う場合、固定光学系8の光源9から射出されたレーザ光は、キャリッジ15に形成された開口部15f、これに対応してホルダ50に形成された開口部50c、2枚のフォーカスバネ47,48の間、ホルダ41に形成された孔41aを通過してミラー40で反射され、対物レンズ16によって光ディスク2の情報記録面2aに集光される。このとき、光ディスク2は高速で回転駆動されているため、その回転により、光ディスク2と近接している対物レンズ16及びカバー60の表面60eとの間に負圧が生起され、この負圧によって、埃塵を含んだ空気がキャリッジ15の開口部15fから吸い込まれる。
【0032】
ところが、開口部15fから吸い込まれた空気は、図3の矢印100で示すように、ミラー40及び対物レンズ16に到達する手前で、フォーカスバネ47に形成された孔47aを通り、カバー60の表面60eに形成された開口部60fを介してディスク側に排出されてしまう。すなわち、埃塵を含んだ空気は、ミラー40、対物レンズ16に達する手前で排出されてしまうので、ミラー40、対物レンズ等には、埃塵が付着することはない。この場合、開口部60fは、図1に示すように、対物レンズ16よりも光ディスク2の外周部に位置しているため、対物レンズ16付近よりも、開口部60f付近の方が光ディスク2の周速が大きくなり、したがって、開口部60f付近での負圧が大きく、開口部15fから流入した空気は開口部60fから効果的に排出される。
【0033】
なお、上記構成において、カバー60の表面に開口部60fが形成されていない場合は、開口部15fから吸い込まれた埃塵を含む空気は、図3の点線矢印101のようにミラー40に至り、その後、対物レンズ16の下側の面に当たるかもしくはホルダ41の側方部を介してディスク側に排出される。したがって、ミラー40の表面、対物レンズ16の下面側に埃塵を含む空気が当たり易くなり、その部分に埃塵が付着する。この結果、付着した埃塵によって、ミラー40での反射率が低くなったり、対物レンズ16の透過率が低下し、対物レンズ16の射出光量、フォトディテクタ13への入射光量が減少してしまう。
【0034】
これに対し、本実施の形態では、レーザ光を通過させるキャリッジ15の開口部15fから、対物レンズ16に応じて形成されたカバー60の開口部60dに至る空気流が生起される経路において、光ディスクの回転による負圧の排出効率が最も優れている部分、具体的には光ディスク2の周速がより大きい位置で、それに近接して対向するカバー60の表面60eに開口部60fを形成したため、ミラー40、対物レンズ16等の光学部材への埃塵の付着が効率良く防止される。この結果、レーザ光を通過させるキャリッジ15の開口部15aに透明ガラスや、あるいは別途フィルタ部材を設ける必要がなくなるので、光ピックアップの製造コストの低減を図ることができる。
【0035】
以上、本発明の光ピックアップの一実施の形態を説明したが、本発明における光ピックアップは、上述した実施の形態に限定されることはなく、例えば、以下のように構成しても良い。上記実施の形態では、トラッキングとアクセス用の支持駆動機構を単一の構成としているが、これを複数に分割し、固定光学系にガルバノミラーを設けたり又はキャリッジに対して対物レンズをフォーカス、トラッキングの2方向に移動可能にしても良い。また、光ピックアップ内に流入する空気を排出する開口部については、負圧によって生起される空気流が、光ピックアップ内の光学部材に当接する前に排出できれば、開口部を形成する位置、その大きさ、数等については上記実施の形態に限定されることはない。例えば、キャリッジを覆うカバーの側壁部分に開口部を形成しても良いし、このような開口部を複数形成しても良い。光ディスクの回転による負圧が小さいところに開口部60fを設ける場合には、開口部60dに比べて空気が出やすいように開口部60fの開口面積を大きくすれば良い。空気を排出する開口部は、カバー無い場合にはフォーカスバネ47,48あるいはホルダ41に設けてもよい。
【0036】
また、開口部60dに比べて開口部60fの位置をより光ディスク2のディスク面に近づけることで、開口部60fがより負圧の高いところに位置するので、効率良く空気を開口部60fから排出することができる。
【0037】
なお、本発明は、以下のような構成も含まれる。
(1)光源から射出されたレーザ光を回転駆動される記録再生媒体上に集光させる対物レンズと、この対物レンズを保持するホルダと、このホルダを少なくともフォーカシング方向に移動可能とさせる弾性支持部材と、前記対物レンズおよび前記弾性支持部材をカバーするカバーとを備えるキャリッジを有する光ピックアップにおいて、
前記キャリッジあるいは前記カバーに形成された第1の開口と、前記対物レンズに対向するように前記カバーに形成された第2の開口と、前記キャリッジあるいは前記カバーに形成され、前記記録再生媒体が回転している間に前記第1の開口と空気の流路を形成する第3の開口と、を設けたことを特徴とする光ピックアップ。
(2)前記(1)に記載の光ピックアップにおいて、
前記第3の開口は、前記第1の開口と前記第2の開口との間に形成されることを特徴とする光ピックアップ。
(3)前記(2)に記載の光ピックアップにおいて、
前記第3の開口は、前記第2の開口よりも前記記録再生媒体の外周側に設けられていることを特徴とする光ピックアップ。
(4)前記(2)に記載の光ピックアップにおいて、
前記第3の開口は、前記第2の開口よりもその開口の大きさが大きいことを特徴とする光ピックアップ。
(5)前記(2)に記載の光ピックアップにおいて、
前記第3の開口は、前記第2の開口よりも前記記録再生媒体の媒体面の近くに設けられていることを特徴とする光ピックアップ。
(6)前記(1)に記載の光ピックアップにおいて、
前記第1の開口は、前記光源から射出されたレーザ光の光路中に設けられ、前記レーザ光を前記キャリッジ内へ通過させるための開口であることを特徴とする光ピックアップ。
【0038】
【発明の効果】
本発明の光ピックアップによれば、光源から射出されたレーザ光を通過させる第1の開口部と、対物レンズに対応する第2の開口部との間に第3の開口部を形成したことにより、記録再生媒体が駆動された際の負圧によって生起される空気流が光ピックアップ内に流入しても、前記第3の開口部から排出されるので、ミラーや対物レンズ等の光学部材に埃塵が付着することが防止される。
すなわち、従来例の光ピックアップにおける防塵効果はそのままに、フィルターやカバー部材等が不要となり、製造コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録再生装置内の光ピックアップの一構成例を示す斜視図。
【図2】図1に示す光ピックアップの可動部の縦断面図。
【図3】図1に示す可動部の縦断面図。
【図4】図1に示す可動部の分解斜視図。
【図5】図1に示す可動部のカバーを取り外した状態を示す斜視図。
【図6】図1に示す可動部とヨーク部分との関係を示す斜視図。
【符号の説明】
1 デッキベース
5 可動部
8 固定光学系
9 光源
15 キャリッジ
15f 開口部(第1の開口部)
16 対物レンズ
41 ホルダ
60 カバー
60d 開口部(第2の開口部)
60f 開口部(第3の開口部)

Claims (3)

  1. 光源から射出されたレーザ光を回転駆動された記録再生媒体に集光させる対物レンズと、この対物レンズを保持するホルダと、このホルダを少なくともフォーカシング方向に移動、調整する調整機構と、を有する光ピックアップにおいて、
    前記光源から射出されたレーザ光を通過させる第1の開口部と、前記対物レンズに対応した第2の開口部との間の経路に、第3の開口部を設けたことを特徴とする光ピックアップ。
  2. 請求項1に記載の光ピックアップにおいて、
    前記第3の開口部は、前記対物レンズ、ホルダ、調整機構を覆うカバー上に形成されていることを特徴とする光ピックアップ。
  3. 請求項2に記載の光ピックアップにおいて、
    前記調整機構は板状の弾性支持部材を有し、この弾性支持部材上に前記第3の開口部を設けたことを特徴とする光ピックアップ。
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