JP5333947B2 - 外径測定装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような外径測定装置においては、高温状態の棒鋼、線材、鋼管の表面から剥離したスケールや粉塵等が投光部や受光部に付着し、投光部や受光部の表面が汚れるために測定が行えなくなるという問題がある。
このために、エアーによってスケールや粉塵を吹き飛ばすことにより、投光部や受光部の表面にスケールや粉塵が付着するのを防ぐようにした外径測定装置がある。
外径測定装置101は、棒鋼Wの外径を測定する外径測定器102と、棒鋼Wを挿通させる挿通部材103とを備えている。外径測定器102は、棒鋼Wに光Lを投光する投光部121と、投光部121が投光した光Lを受光する受光部122とを有している。外径測定器102は、投光部121と受光部122とを3組有している(図1(a)では、1組の投光部121と受光部122のみを示している)。
挿通部材103は、棒鋼Wを挿通させる挿通口131を有しており、挿通口131が投光部121から受光部122への光路に対向するように設けられている。
また、挿通部材103は、棒鋼Wの側面に棒鋼Wの径方向外方の周囲からエアーFを送風する送風口132を有しており、送風口132は吸気を行う吸気口133と連通している。吸気口133は、ブロワー(図示せず)に接続されている。
3組の投光部121と受光部122は、それぞれの投光部121から受光部122への光路が、挿通口131の径方向の中心Oで互いに120度の角度で交差するように配置されている。
投光部121と受光部122は、挿通口131の径方向の中心Oを起点として、棒鋼Wの周方向に回転自在になっており、棒鋼Wの外径を棒鋼Wの周方向の全ての位置から測定する。
この外径測定装置101による棒鋼Wの測定結果を図2に示す。3組の投光部121と受光部122のそれぞれの組が、棒鋼Wの周方向の全ての位置から測定している。挿通口131の径方向の中心Oを通り光Lに平行な直線から棒鋼Wの周縁までの距離(以下、この距離を仮想半径という)が測定され、基準値(この測定の場合は20mm)との差で表わされている。そして、棒鋼Wの全周囲から測定した仮想半径の平均値が仮想半径平均値とされ、仮想半径平均値の2倍が棒鋼Wの外径とされる。
しかしながら、この特許文献1の外径測定装置においては、エアーの送風方向に遮蔽物が有るためにエアーが遮蔽物に当接し、スケールや粉塵が舞い上がる虞がある。また投光部及び受光部とエアーとの間が離れていないために、舞い上がったスケールや粉塵が投光部及び受光部に付着する虞がある。
また、投光部及び受光部が断面円形材と離間していることと、投光部及び受光部と断面円形材との間に環状のエアーカーテンが有り、エアーの送風方向に遮蔽物を有さないようにすることにより、断面円形材より剥離したスケールや粉塵は環状のエアーカーテンに閉じ込められた状態で外部に排出される。そのため、スケールや粉塵は環状のエアーカーテンの径方向外方に設けられた投光部及び受光部に付着し難くなるので、スケールや粉塵による汚れによって外径の測定が出来なくなる虞が少ない。
本発明の第1の実施形態に係る外径測定装置について、図3を参照して説明する。図3(a)は、外径測定装置の側面の一部断面図であり、図3(b)は、外径測定装置の挿通部材に棒鋼が挿入されたときの斜視図であり、図3(c)は、受光部が投光部からの光を受光する状態を示す図であり、図3(d)は、投光部と受光部を図3(a)におけるD方向から見た正面図である。
外径測定装置1は、棒鋼Wの外径を測定する外径測定器2と、棒鋼Wを挿通させる挿通部材3とを備えている。
外径測定器2は、棒鋼Wに光Lを投光する投光部21と、投光部21が投光した光Lを受光して光Lに相当する電気信号を送信する受光部22と、投光部21に光Lを投光させると共に、受光部22が送信する電気信号に基づいて、棒鋼Wの外径を演算する制御演算部23とを有している。
外径測定器2は、投光部21と受光部22とを3組有している(図3(a)では、1組の投光部21と受光部22のみを示している)。
挿通部材3は、棒鋼Wを挿通させる挿通口31を有しており、挿通口31が投光部21から受光部22への光路に対向するように設けられている。また、挿通部材3は、挿通口31を囲繞する環状の送風口32を有しており、送風口32は吸気を行う吸気口33と連通している。吸気口33は、ブロワー(図示せず)に接続されている。
送風口32は、棒鋼Wの径方向外方の周囲を棒鋼Wの軸方向にエアーFを送風して環状のエアーカーテンAを形成する。送風口32から送風されるエアーFの送風方向には遮蔽物がない。エアーカーテンAの環状部分の厚みは、薄すぎると断面円形材より剥離したスケールや粉塵がエアーカーテンAに閉じ込めることができにくくなり、一方厚すぎるとエアーFが棒鋼Wにあたることにより、棒鋼表面の層状の高温の空気層を乱し、外径の測定精度を悪化させてしまう。そのため、エアーカーテンAの環状部分の厚みは、送風口32の吹き出し位置で、10〜15mmが好ましく、本実施形態では10mmである。エアーFの風量は、少なすぎると断面円形材より剥離したスケールや粉塵がエアーカーテンAに閉じ込められた状態で外部に排出されにくくなり、一方多すぎるとエアーFが棒鋼Wにあたることにより、棒鋼表面の層状の高温の空気層を乱し、外径の測定精度を悪化させてしまう。そのため、エアーFの風量は、送風口32の吹き出し位置で、0.30〜0.50Nm3/cm2・minが好ましく、本実施形態では0.37Nm3/cm2・minである。
3組の投光部21と受光部22は、それぞれの光路が、挿通口31の径方向の中心Oで互いに120度の角度で交差するように配置されている。投光部21及び受光部22は、挿通口31を挿通する棒鋼Wと離間し、環状のエアーカーテンAよりも棒鋼Wの径方向外方に設けられている。
投光部21と受光部22は、挿通口31の径方向の中心Oを起点として、棒鋼Wの周方向に回転自在になっている。制御演算部23は、回転駆動部(図示せず)によって投光部21と受光部22を棒鋼Wの周方向に回転させ、棒鋼Wの外径を棒鋼Wの周囲の全周の位置から測定する。
ブロワーが駆動されてエアーFが吸気口33に送風されている状態で、棒鋼Wが挿通口31の径方向の中心に挿入される。送風口32から棒鋼Wの径方向外方の周囲を棒鋼Wの軸方向にエアーFが送風されて、棒鋼Wの径方向外方の周囲に環状のエアーカーテンAが形成される。
制御演算部23は、回転駆動部によって投光部21と受光部22とを棒鋼Wの周方向に回転させ、投光部21に光Lを投光させ、受光部22からの電気信号に基づいて棒鋼Wの外径を演算する。
3組の投光部21と受光部22による測定結果R1、R2、R3がそれぞれ示されており、測定値R1、R2、R3を示す線が互いに近接しており、従来の外径測定装置による測定値よりもバラツキが小さい。
3組の投光部21と受光部22による棒鋼Wの仮想半径平均値の内で最小値が19.85mm、最大値が19.98mmで、最大値と最小値との差が0.13mmであり測定精度が良好である。
また、投光部21及び受光部22が棒鋼Wと離間していることと、投光部21及び受光部22と棒鋼Wとの間に環状のエアーカーテンAが有ることと、エアーの送風方向に遮蔽物を有さないようにすることにより、棒鋼Wより剥離したスケールや粉塵は環状のエアーカーテンに閉じ込められた状態で外部に排出される。そのため、スケールや粉塵は環状のエアーカーテンAの径方向外方に設けられた投光部21及び受光部22に付着し難くなるので、スケールや粉塵による汚れによって外径の測定が出来なくなる虞が少ない。
例えば、レーザ走査装置として、レーザ光源とポリゴンミラーとを組み合わせた構成を用いる場合、ポリゴンミラーは、棒鋼Wの軸方向と平行に設けられた軸の軸周りに一定速度で回転駆動し、レーザ光源より出射されたレーザ光を反射面で反射させることにより、レーザ光を棒鋼Wの外径方向に沿って走査する。
光検出器の受光範囲は棒鋼Wの外径よりも広くなっており、光検出器は棒鋼Wを走査したレーザ光を受光し、受光した光に相当する電気信号を制御演算部23に送信する。制御演算部23は、走査されたレーザ光が棒鋼Wに当たって光検出器がレーザ光を検出しない時間長さから、棒鋼Wの外径を演算する。
このような構成にすることにより、前述した投光部21がLEDやハロゲンランプであり、受光部22がCCDラインセンサである場合と同様に、棒鋼Wの外径を測定することができる。
次に、第2の実施形態に係る外径測定装置1について図5を参照して説明する。図5(a)は、外径測定装置の側面の一部断面図であり、図5(b)は、カバー部の斜視図である。
本実施形態に係る外径測定装置1は、第1の実施形態に係る外径測定装置1の構成に加えて、投光部21及び受光部22を覆うカバー部4を有している。
カバー部4は、投光部21及び受光部22に対してエアーFの送風方向上流側に、棒鋼Wの径方向外方の周囲に環状に設けられた第1カバー部材41と、投光部21及び受光部22に対してエアーの送風方向下流側に、棒鋼Wの径方向外方の周囲に環状に設けられた第2カバー部材42と、投光部21及び受光部22に対して棒鋼Wの径方向外方の周囲に環状に設けられ第1カバー部材41及び第2カバー部材42の間に介在し第1カバー部材41及び第2カバー部材42を接続する第3カバー部材43とを有している。また、カバー部4は、環状のエアーカーテンAに対向する開口部44と、カバー部4の内部と外部とを連通する連通口45とを有している。開口部44は環状のエアーカーテンAの近傍に位置している。
このようにカバー部4内部の空気がカバー部4外部に吸引され排出されることにより、カバー部4内部に例えスケールや粉塵が侵入したとしても、それらのスケールや粉塵がカバー部4外部に吸引され排出され、投光部21及び受光部22に付着し難くなる。
また、カバー部4の形状は、第1カバー部材41、第2カバー部材42、第3カバー部材43を用いた形状に限定されず、開口部44と連通口45とを有していればよい。
また、棒鋼Wを、外径測定装置1に対して相対的に棒鋼Wの軸方向に移動させながら、棒鋼Wの外径を測定してもよい。このようにして測定することにより、棒鋼Wの軸方向に沿った棒鋼Wの外径分布を測定することができる。
2・・・外径測定器
21・・・投光部
22・・・受光部
3・・・挿通部材
31・・・挿通口
32・・・送風口
4・・・カバー部
41・・・第1カバー部材
42・・・第2カバー部材
43・・・第3カバー部材
44・・・開口部
45・・・連通口
A・・・エアーカーテン
L・・・光
W・・・棒鋼(断面円形材)
Claims (2)
- 断面円形材の外径を測定する外径測定装置であって、
前記断面円形材の軸方向に垂直な方向から該断面円形材の側面に向けて光を投光する投光部と、該断面円形材を挟んで前記投光部の反対側に設けられ該投光部が投光した光を受光する受光部とを具備する外径測定器と、
前記断面円形材が挿通する挿通口を有する挿通部材とを備え、
前記挿通部材は、前記挿通口が前記投光部から前記受光部への光路に対向するように設けられ、
前記挿通部材は、前記挿通口を囲繞する環状の送風口を有し、
前記送風口は、前記断面円形材の径方向外方の周囲を該断面円形材の軸方向にエアーを送風して環状のエアーカーテンを形成し、
前記投光部及び受光部は、前記挿通口を挿通する前記断面円形材と離間し、前記環状のエアーカーテンよりも前記断面円形材の径方向外方に設けられ、
前記エアーの送風方向に遮蔽物を有さず、
前記外径測定装置は、
前記投光部及び受光部を覆い、前記環状のエアーカーテンに対向する開口部を有するカバー部と、
前記カバー部に設けられ該カバー部の内部と外部とを連通する連通口とを更に備え、
前記カバー部は、前記送風口よりも前記エアーの送風方向下流側に設けられ、
前記開口部は、前記環状のエアーカーテンの近傍に位置することを特徴とする外径測定装置。 - 前記カバー部は、前記投光部及び受光部に対して前記エアーの送風方向上流側に、前記断面円形材の径方向外方の周囲に環状に設けられた第1カバー部材と、
前記投光部及び受光部に対して前記エアーの送風方向下流側に、前記断面円形材の径方向外方の周囲に環状に設けられた第2カバー部材と、
前記投光部及び受光部に対して前記断面円形材の径方向外方の周囲に環状に設けられ前記第1カバー部材及び第2カバー部材の間に介在し該第1カバー部材及び第2カバー部材を接続する第3カバー部材とを有することを特徴とする請求項1に記載の外径測定装置。
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