JP3555788B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の現像方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はハロゲン化銀写真感光材料の現像方法、特に黒白ハロゲン化銀写真感光材料をハイドロキノンとは異る現像主薬で現像処理する現像剤組成物および現像処理する現像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に使用される黒白ハロゲン化銀感光材料(X−レイ用、製版用、マイクロ用、ネガ用)は従来ハイドロキノンを現像主薬とし、補助現像主薬として3−ピラゾリドン系化合物またはアミノフェノール系化合物を含むアルカリ性現像液で現像された後、定着及び水洗の各工程からなる現像処理によって画像が形成される。その中でも特にX−レイ写真用感光材料は比較的多量のハロゲン化銀を含有しており、しかもそれらを迅速に処理されるために、現像主薬であるハイドロキノンを多量に含む高活性の現像液が使用されている。高い活性度を維持するためにこのような現像液を空気酸化に抗して多量に補充されてきた。しかしハイドロキノンも今やそれ自身の毒性、安全性が問題になりつつある。ハイドロキノンに代る現像主薬として米国特許第2,688,549号、同5,278,035号、同5,236,816号、同5,098,819号、特開平3−249756号にアスコルビン酸及びその誘導体を用いる方法が記載されている。しかしこれらの現像液を用いて平板状ハロゲン化銀粒子を現像する方法については何ら記載されていない。更に平板状ハロゲン化銀粒子の銀色調を良好にする方法については何ら記載されていない。更にハロゲン化銀写真感光材料の単位面積当りの少い補充液量で現像する方法については知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題はハロゲン化銀写真感光材料(特にX−レイ用)を現像主薬としてハイドロキノンを使用しないで、代りにアスコルビン酸及び又はその誘導体を使用した現像液でX−レイ用ハロゲン化銀感光材料を良好な銀色調に現像処理する方法に関するものである。特に写真感度の低下をもたらすことなく良好な銀色調に現像処理するものである。更に現像廃液は高い化学的酸素要求量(いわゆるC.O.D)及び高い生物的酸素要求量(いわゆるB.O.D)を有しているので廃液処理の経済的負荷を小さくするためにハロゲン化銀写真感光材料(特にX−レイ用)の単位面積当りの補充液量を少なくすることが重要である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、ハロゲン化銀乳剤層が、アスペクト比3.0以上のハロゲン化銀粒子を全投影面積の50%以上含有するハロゲン化銀写真感光材料を実質的にハイドロキノン類を現像主薬として含まず、下記一般式(A)で表されるアスコルビン酸類またはその誘導体を現像主薬として、該現像液が下記一般式(B)で表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法によって達成された。
一般式(A)
【0005】
【化4】
【0006】
式中、R1 は水素原子、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表す。
【0007】
一般式(A)で表されるアスコルビン酸類またはその誘導体について詳細に説明する。
式中、R1 で表されるアルキル基は炭素数1〜10の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、アリール基は炭素数6〜10のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基などであり、ヘテロ環基は炭素原子、窒素原子、酸素原子、あるいは硫黄原子から構成される5〜6員環のヘテロ環基で、例えば、1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキソラン−2−オン基、1,3−ジオキソラン−4−オン基、1,3,2−ジオキソチオラン−2−オキシ基、フリル基、ベンゾフリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、チエニル基、イソチアゾリル基などである。これらの基は置換基を有してもよく、その置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、ウレイド基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルフィニルオキシ基、カルボキシル基(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)ヒドロキシアミノ基、ヒドラジノ基を挙げることができる。
【0008】
更に詳しく置換基の例を示す。アルキル基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、これらの基はR1 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、ヒドロキシメチルなどを挙げることができる。アルケニル基としては炭素数2〜16、好ましくは炭素数2〜6の直鎖または分岐鎖のアルケニル基であり、これらの基はR1 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、エテニル、プロぺニル、3−ブテニル、4−ヒドロキシ−3−ブテニルなどを挙げることができる。アリール基としては炭素数6〜10のアリール基で、これらの基はR1 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、フェニル、ナフチル、p−メチルフェニルなどである。アルコキシ基としては炭素数1〜19、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基で、これらの基はR1 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ぺンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、2−メトキシエトキシなどを挙げることができる。アリールオキシ基としては炭素数6〜10のアリールオキシ基で、これらの基はR1 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、フェノキシ、p−ヒドロキシフェノキシ、3,4−ジヒドロキシフェノキシ、o−カルボキシフェノキシ、o−スルホフェノキシなどを挙げることができる。アルキルチオ基としては炭素数1〜16、好ましくは炭素数1〜8のアルキルチオ基で、これらの基はR1 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、メチルチオ、オクチルチオなどである。アリールチオ基としては炭素数6〜10のアリールチオ基で、これらの基はR1 の置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、フェニルチオ、4−ヒドロキシフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ、4−ブトキシフェニルチオなどを挙げることができる。アシルオキシ基としては炭素数1〜17、好ましくは炭素数1〜8のアシルオキシ基で、これらの基はR1 で置換基として挙げた基で置換されていてもよく、例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、カルボキシアセトキシ、3−スルホプロパノイルオキシなどを挙げることができる。
【0009】
アルキルアミノ基としては炭素数1〜6のアルキルアミノ基で例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどである。カルボンアミド基としては炭素数1〜6のカルボンアミド基で例えば、アセトアミド基、プロピオンアミド基である。スルホンアミド基としては炭素数1〜6のスルホンアミド基で例えば、メタンスルホンアミド基である。ウレイド基としては炭素数1〜6のウレイド基で例えば、ウレイド、メチルウレイドである。アシル基としては炭素数1〜6のアシル基で例えばアセチル、ベンゾイルなどである。オキシカルボニル基としては炭素数1〜8のオキシカルボニル基で例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルである。カルバモイル基としては炭素数1〜6のカルバモイル基で例えば、カルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイルである。スルフィニルオキシ基としては炭素数1〜6のスルフィニルオキシ基で例えば、メタンスルフィニルオキシ基である。
これらの置換基は、可能な場合、更に置換されていてもよい。
【0010】
前記一般式(A)のR1 にて表されるアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基で、R1 の置換基として挙げた基によって置換されたものも含み、より好ましくは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、オキシカルボニル基、カルボキシル基(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)で置換されたアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシプロピル、1,2,3−トリヒドロキシプロピル、1,2,3,4−テトラヒドロキシブチル、1,2−ジメトキシエチル、1,1−ジメトキシ−2−ヒドロキシエチル、1,2−ジエトキシエチル、1,2−ジアセトキシエチル、ヒドロキシカルボキシメチル、アセトキシカルボキシメチル、1−メチルチオ−2−ヒドロキシエチル、1−フェニルチオ−2−ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシ−2−オクチルチオエチル、1−ヒドロキシ−2−フェニルチオエチル、1−ヒドロキシ−2−アミノエチル、1−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル、1−ヒドロキシ−2−スルホエチルなどを挙げることができる。これらの置換基は、可能な場合、更に置換されていてもよい。
【0011】
前記一般式(A)のR1 にて表されるアリール基は、好ましくは、フェニル基で、R1 の置換基として挙げた基によって置換されたものも含み、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、アニシル、p−カルボキシフェニル、p−スルホニルフェニルなどである。
前記一般式(A)のR1 にて表されるヘテロ基は、好ましくは、1,3−ジオキソラニル基、1,3−ジオキソラン−2−オン基、1,3−ジオキソラン−4−オン基、1,3,2−ジオキソチオラン−2−オキシ基、フリル基、ピリジル基、トリアゾリル基で、R1 の置換基として挙げた基によって置換されたものも含み、例えば、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、シクロヘキサンスピロ−2−ジオキソラン、2,2−メチルエチル−1,3−ジオキソラン、2,2−メチルイソプロピル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン−2−オン、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−オン、1,3,2−ジオキソチオラン−2−オキシド、フリル、5−メチルフリル、ベンゾフリル、ピリジル、5−クロロピリジル、3−カルボキシピリジル、5−スルホピリジル、1−フェニルトリアゾリルなどである。
【0012】
前記一般式(A)のR1 は、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、1,3−ジオキソラニル基であり、これらの基は他の置換基によって置換されたものも含み、その置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、を挙げることができ、より好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基は、炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アシルオキシ基であり、アリール基はフェニル基である。これらの置換基は、可能な場合、更に置換されていてもよい。
【0013】
前記一般式(A)で表される化合物の中でも、以下の一般式(D)で表される化合物が最も好ましい。
一般式(D)
【0014】
【化5】
【0015】
式中、R11は一般式(E)または(F)により表される基を表す。
一般式(E)
【0016】
【化6】
【0017】
式中、nは1〜4の整数を表す。
一般式(F)
【0018】
【化7】
【0019】
式中、R5 、R6 は同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基を表し、R5 、R6 で表されるアルキル基は連結して環構造を形成してもよい。ここで、アルキル基、アリール基、アルケニル基は、他の置換基によって置換されたものも含み、その置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシル基(塩を含む)、スルホ基(塩を含む)、ヒドロキシアミノ基を挙げることができる。
【0020】
一般式(F)にて表される化合物中のR5 、R6 は好ましくは、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数2〜7のアルケニル基であり、特に好ましくは、水素原子、炭素数1〜7のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基であり、最も好ましくは、水素原子または炭素数1〜7のアルキル基であり、R5 、R6 で表されるアルキル基は連結して環構造を形成してもよい。これらの基はR5 、R6 の置換基として挙げた基によって置換されたものも含み、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、クロロメチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、1−ヒドロキシアミノ−1−メチル−エチル基、2−カルボキシエチル基、あるいは、R5 、R6 で表されるアルキル基が連結して形成するシクロぺンチル環、シクロヘキシル環などを挙げることができ、これらの基は、可能な場合、更に置換されていてもよい。
一般式(A)の化合物はいわゆるエノール体で記述されているが、これが異性化したケト体も事実上同じ化合物であり、本出願では水素原子が異性化した化合物も請求の範囲である。
【0021】
本発明の具体的化合物の例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】
【化15】
【0030】
【化16】
【0031】
【化17】
【0032】
一般式(A)で表される化合物は、 E.S.H.EL.Ashry,A.Mousaad,and N.Rashed,Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.53,233−302.特開昭57−188586号公報、特開昭64−45383号公報、特開平2−288872号公報、特開平4−29985号公報、特開平4−364182号公報、特開平5−112594号公報などの一般的合成法に準じて合成可能である。
一般式(B)
【0033】
【化18】
【0034】
式中、Xは硫黄原子を表わし、Yはアミノアルキルチオ基、アルキルアミノアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基を表し、Mは水素原子、アルカリ金属イオン、四級アンモニオ基を表す。
【0035】
以下、一般式(B)について詳しく説明する。式中、Xは硫黄原子を表し、Yはアミノアルキルチオ基、アルキルアミノアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基を表す。
【0039】
前記一般式(B)のYにて表されるアミノアルキルチオ基、アルキルアミノアルキルチオ基又はカルボキシアルキルチオ基は、炭素数1〜6のアミノアルキルチオ基、アルキルアミノアルキルチオ基又はカルボキシアルキルアルキルチオ基であり、例えば、カルボキシメチルチオ基、カルボキシエチルチオ基、1,2−ジカルボキシエチルチオ基、1−カルボキシプロピルチオ基、アミノメチルチオ基、ジメチルアミノメチルチオ基、ジエチルアミノメチルチオ基、アミノエチルチオ基、モノメチルアミノエチルチオ基、ジメチルアミノエチルチオ基、ジエチルアミノエチルチオ基、ジメチルアミノプロピルチオ基、ジメチルアミノブチルチオ基などを挙げることができる。
【0041】
式中、Mで表されるアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができ、四級アンモニオ基としては、例えば、アンモニオ基、トリメチルアンモオ基などを挙げることができる。
【0045】
本発明の具体的化合物の例として下記化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0060】
一般式(B)で表される化合物は、Advances in Heterocyclic Chemistry,vol.9,165−209.J.Am.Chem.Soc.,vol.44,1502−1510.特開昭55−59463号公報、特公昭49−8334号公報、米国特許3017270号公報、英国特許940169号公報、西独特許2716707号公報などの一般的合成法に準じて合成可能である。
本発明に用いられる一般式(A)で表わされるアスコルビン酸類はリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩の形でも使用できる。これらのアスコルビン酸類は、現像液1リットル当り1〜100g、好ましくは5〜80g用いるのが好ましい。
【0061】
超加成性を示す補助現像主薬としては3−ピラゾリドン系現像主薬としては、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−p−アミノフェニル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4,4−ジメチル−3−ピラゾリドン、1−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドンなどがある。
これらの補助現像主薬は10−4〜10−1モル/リットルで用いるのが好ましい、より好ましくは5×10−4〜5×10−2モル/リットルである。
【0062】
p−アミノフェノール系現像主薬としては、N−メチル−p−アミノフェノール、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフェニル)グリシン、2−メチル−p−アミノフェノール、p−ベンジルアミノフェノール等があるが、なかでもN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。
これらの補助現像主薬は10−4〜10−1モル/リットルで用いるのが好ましい、より好ましくは5×10−4〜5×10−2モル/リットルで用いる。
【0063】
現像液のpHは8.5以上が好ましく、より好ましくは9.3以上でアルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、などでpH緩衝剤としては第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム等を用いることができる。炭酸塩としては炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム等を用いることができる。これらpH緩衝剤は現像液使用液中0.2モル/リットル以上、より好ましくは0.30モル/リットル以上である。pH緩衝剤としては中でも特に炭酸塩がよい。特に0.5モル/リットル以上の炭酸塩を用いることが好ましい。
【0064】
本発明の一般式(B)および一般式(C)の化合物の現像液(使用液)における好ましい濃度は0.01ミリモル〜50ミリモル/リットル、より好ましくは0.05ミリモル〜10ミリモル/リットル、特に好ましくは0.1ミリモル〜5ミリモル/リットルである。
【0065】
臭化カリウム、沃化カリウムの如き現像抑制剤;ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノールの如き有機溶剤;ベンツトリアゾール誘導体としては5−メチルベンツトリアゾール、5−ブロムベンツトリアゾール、5−クロルベンツトリアゾール、5−ブチルベンツトリアゾール、ベンツトリアゾール等があるが特にベンツトリアゾールが好ましい。更に本発明の現像液に銀汚れ防止剤として特公昭56−46585号、特公昭62−4702、特公昭62−4703号、米国特許第4,254,215号、同3,318,701号、特開昭58−203439号、同62−56959号、同62−178247号、特開平1−200249号、特願平3−94955号、同3−112275号、同3−233718号に記載の化合物を用いることができる。これら銀汚れ防止剤は現像液1リットル当り0.01ミリモル〜50ミリモルより好ましくは0.05〜10ミリモル、特に好ましくは0.1ミリモル〜5ミリモルである。
本発明の現像液に用いうる亜硫酸塩の保恒剤としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウムなどがある。亜硫酸塩は0.01モル/リットル以上、特に0.02モル/リットル以上が好ましい。また、上限は1.0モル/リットルまでとするのが好ましい。
この他 L.F.A. メイソン著「フォトグラフィック・プロセシング・ケミストリー」、フォーカル・プレス刊(1966年)の226〜229頁、米国特許第2,193,015号、同2,592,364号、特開昭48−64933号などに記載のものを用いてもよい。
更に必要に応じて、界面活性剤、硬水軟化剤、硬膜剤などを含んでもよい。
【0066】
現像液中のキレート剤としてはエチレンジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、1,3−ジアミノプロパノール四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、ジエチレントリアミンぺンタメチレンホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1,1−ジホスホンエタン−2−カルボン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシ−1−ホスホノプロパン−1,3,3−トリカルボン酸、カテコール−3,4−ジスルホン酸、ピロリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムが挙げられ、特に好ましくは例えばジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、1,3−ジアミノプロパノール四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1,1−ジホスホノエタン−2−カルボン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラホスホン酸、ジエチレントリアミンぺンタホスホン酸、1−ヒドロキシプロピリデン−1,1−ジホスホン酸、1−アミノエチリデン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸やこれらの塩がある。これらキレート剤は使用液1リットル当り0.5g/リットル以上であり、より好ましくは1.0g/リットル以上である。
【0067】
現像液は酸素透過性が50ml/m2・atm・day(温度20℃相対湿度65%)以下である包装材料で1mm以上の厚みを有する包装材料でもよいが厚みが0.5mm以下で柔軟性のある取り扱い易い包装材料としてエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物及びナイロンのうちの少なくとも1つを含有することからなる酸素透過性が50ml/m2・atom・day(温度20℃相対湿度65%)以下のプラスチィック包装材料の容器が好ましい。
より好ましくは酸素透過性が25ml/m2・atom・day(温度20℃相対湿度65%)以下のプラスチィック包装材料の容器に保存することによって現像液の長期間保存に対して安定な写真性能を得ることができる。
酸素透過性の測定方法としては、N.J.Calvano らのO2 permeation of plastic container,Modern Packing1968年12月号143〜145ぺージに記載の方法が用いられる。
【0068】
本発明に用いる処理剤の調液方法としては特開昭61−177132号、特開平3−134666号、特開平3−67258号に記載の方法を用いることができる。本発明の処理方法としての現像液の補充方法としては特開平5−216180号に記載の方法を用いることができる。補充液量としては感光材料1m2当り200ミリリットル以下より好ましくは120ミリリットル以下30ミリリットル以上である。
【0069】
本発明に用いる定着液はチオ硫酸塩を含む水溶液であり、pH3.8以上、好ましくは4.2〜6.2を有する。
定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどがある。定着剤の使用量は適宜変えることができ、定着液には硬膜剤として作用する水溶性アルミニウム塩を含んでもよく、それらには、例えば塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなどがある。
【0070】
定着液には、酒石酸、クエン酸、グルコン酸あるいはそれらの誘導体を単独であるいは2種以上用いることができる。これらの化合物は定着液1リットルにつき0.005モル以上含むものが有効で、特に0.01モル/リットル〜0.03モル/リットルがとくに有効である。
【0071】
定着液には所望により保恒剤、保恒剤としては使用液1リットル当り10g以上が好ましい。より好ましくは50g以上(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例えば、酢酸、硼酸)pH緩衝剤は使用液1リットル当り0.2モル以上、より好ましくは0.5モル以上である。pH調整剤(例えば、硫酸)、硬水軟化能のあるキレート剤や特開昭62−78551号記載の化合物を含むことができる。
本発明の処理方法として定着促進のために特開平1−4739号、同3−101728号に記載の方法を用いることができる。
上記本発明における処理方法では、現像、定着工程の後、水洗水または安定化液で処理され、次いで乾燥される。
【0072】
本発明に用いられる自現機としてはローラー搬送型、ベルト搬送型等種々の形式のものを用いることができるが、ローラー搬送型の自現機が好ましい。また特開平1−166040号や同1−193853号記載のような開口率が小さい現像タンクの自現機を用いることにより、空気酸化や蒸発が少なく、水洗水をしぼり切る、すなわちスクイズローラーを経て乾燥される。
本発明に使用する水洗水は、水洗槽に供給する前に前処理として、フィルター部材やまたは活性炭のフィルターを通して、水中に存在するゴミや有機物質を除去すると一層、好ましいことがある。
【0073】
防ばい手段として知られている、特開昭60−263939号に記された紫外線照射法、同60−263940号に記された磁場を用いる方法、同61−131632号に記されたイオン交換樹脂を用いて純水にする方法、特願平2−208638号、特願平2−303055号に記されたオゾンを吹き込みながらフィルターおよび吸着剤カラムを循環する方法、特願平3−24138号に記された微生物分解による方法、特開昭62−115154号、同62−153952号、同62−220951号、同62−209532号に記載の防菌剤を用いる方法を併用することができる。
【0074】
さらには、M. W. Beach,“Microbiological Growths in Motion−picture Processing” SMPTE Journal Vol.85(1976)、R. O. Deegan, “Photo Processing Wash Water Biocides” J. Imaging Tech. Vol.10, No.6(1984) および特開昭57−8542号、同57−58143号、同58−105145号、同57−132146号、同58−18631号、同57−97530号、同57−257244号などに記載されている防菌剤、防ばい剤、界面活性剤などを必要に応じて併用することもできる。
【0075】
さらに、水洗浴(あるいは安定化浴)には、必要に応じて、R. T. Kreiman 著、J. Image. Tech. Vol.10、No. 6、242頁(1984)に記載されたイソチアゾリン系化合物や、ブロモクロロジメチルヒダントイン、Research Disclosure 第205巻、No. 20526(1981年、5月号)、同第228巻、No. 22845(1983年、4月号)に記載されたイソチアゾリン系化合物、特開昭62−209532号に記載された化合物などを、防菌剤(Microbiocide) として、必要に応じ併用することもできる。
【0076】
その他、「防菌防ばいの化学」堀口博著、三井出版(昭和57)、「防菌防ばい技術ハンドブック」日本防菌防ばい学会・博報堂(昭和61)に記載されているような化合物を含んでもよい。
現像、定着および水洗(ないし安定化)された写真材料は水洗水をしぼり切る、すなわちスクイズローラーを経て乾燥される。乾燥は約40℃〜約100℃で行なわれ、乾燥時間は周囲の状態によって適宜変えられるが、通常は約5秒〜3分でよく、特により好ましくは40〜80℃で約5秒〜2分である。
【0077】
Dry to Dry で100秒以下の現像処理をするときには、迅速処理特有の現像ムラを防止するために特開昭63−151943号明細書に記載されているようなゴム材質のローラを現像タンク出口のローラーに適用することや、特開昭63−151944号明細書に記載されているように現像液タンク内の現像液攪拌のための吐出流速を10m/分以上にすることやさらには、特開昭63−264758号明細書に記載されているように、少なくとも現像処理中は待機中より強い攪拌をすることがより好ましい。
【0078】
本発明に用いるハロゲン化銀粒子のアスペクト比が3.0以上であるハロゲン化銀写真感光材料について説明する。乳剤粒子と同一体積の球の直径は0.2μm以上2.0μm未満であることが好ましく、特に0.5μm以上1.5μm未満であることが好ましい。また粒子が粒子厚みの3倍以上の平板状粒子は本発明に対し好ましく用いられる。上限はアスペクト比15未満のものが好ましい。(詳しくは RESEARCH DISCLOSURE225巻 Item 22534、p.20〜p.58、1月号、1983年及び特開昭58−127921号、同58−113926号公報に記載されている。)平板状ハロゲン化銀粒子の製法としては当業界で知られた方法を適宜、組合せることにより成し得る。平板状ハロゲン化銀乳剤は特開昭58−127921号、特開昭58−113927号、特開昭58−113928号、米国特許第4,439,520号に記載された方法を参照すれば容易に調製できる。
【0079】
本発明の効果を有効に利用するためには、セレン増感剤としては、従来公知の特許に開示されているセレン化合物を用いることができる。本発明で用いられる非不安定型セレン化合物としては特公昭46−4553号、特公昭52−34492号および特公昭52−34491号に記載の化合物が用いられる。非不安定型セレン化合物としては例えば亜セレン酸、セレノシアン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類の四級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニド、ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2−セレナゾリジンジオン、2−セレノオキサゾリジンチオンおよびこれらの誘導体等が挙げられる。
【0080】
本発明で用いることができるハロゲン化銀溶剤としては、米国特許第3,271,157号、同第3,531,289号、同第3,574,628号、特開昭54−1019号、同54−158917号等に記載された(a)有機チオエーテル類、特開昭53−82408号、同55−77737号、同55−2982号等に記載された(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−144319号に記載された(c)酸素または硫黄原子と窒素原子とにはさまれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、特開昭54−100717号に記載された(d)イミダゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)チオシアネート等が挙げられる。特に好ましい溶剤としては、チオシアネートおよびテトラメチルチオ尿素がある。また用いられる溶剤の量は種類によっても異なるが、例えばチオシアネートの場合、好ましい量はハロゲン化銀1モル当り1×10−4モル以上1×10−2モル以下である。本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、化学増感においてイオウ増感および/または金増感を併用することによりさらに高感度、低かぶりを達成することができる。イオウ増感は、通常、イオウ増感剤を添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌することにより行なわれる。また、金増感は、通常、金増感剤を添加して、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定時間攪拌することにより行なわれる。上記のイオウ増感には硫黄増感剤として公知のものを用いることができる。例えばチオ硫酸塩、チオ尿素類、アリルイソチアシアネート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダニンなどが挙げられる。その他米国特許第1,574,944号、同第2,410,689号、同第2,278,947号、同第2,728,668号、同第3,501,313号、同第3,656,955号各明細書、ドイツ特許1,422,869号、特公昭56−24937号、特開昭55−45016号公報等に記載されている硫黄増感剤も用いることができる。硫黄増感剤の添加量は、乳剤の感度を効果的に増大させるのに十分な量でよい。この量は、pH、温度、ハロゲン化銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で相当の範囲にわたって変化するが、ハロゲン化銀1モル当り1×10−7モル以上、5×10−4モル以下が好ましい。
【0081】
上記の金増感の金増感剤としては金の酸化数が+1価でも+3価でもよく、金増感剤として通常用いられる金化合物を用いることができる。代表的な例としては塩化金酸塩、カリウムクロロオーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テトラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシアネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが挙げられる。金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当り1×10−7モル以上5×10−4モル以下が好ましい。
【0082】
本発明の効果を有効に利用するためには、特開平2−68539号の如く乳剤調製工程中の化学増感の際に、ハロゲン化銀1モルあたり0.5ミリモル以上のハロゲン化銀吸着性物質を存在させることが好ましい。このハロゲン化銀吸着性物質は、粒子形成中、粒子形成直後、後熟開始前後時などいずれの時期に添加してもよいが化学増感剤(例えば、金や硫黄増感剤の)添加されるより前、もしくは化学増感剤と同時に添加されることが好ましく、少なくとも、化学増感が進行する過程で、存在している必要がある。ハロゲン化銀吸着性物質の添加条件として、温度は30℃〜80℃の任意の温度でよいが、吸着性を強化する目的で、50℃〜80℃の範囲が好ましい。pH、pAgも任意でよいが、化学増感をおこなう時点ではpH5〜10、pAg7〜9であることが好ましい。
【0083】
ここで、ハロゲン化銀吸着性物質とは増感色素、もしくは写真性能安定化剤の類を意味する。すなわちアゾール類{例えばベンゾチアゾリウム塩、ベンゾイミダゾリウム塩、イミダゾール類、ベンズイミダゾール類、ニトロインダゾール類、トリアゾール基、ベンゾトリアゾール類、テトラゾール類、トリアジン類など};メルカプト化合物{例えばメルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトイミダゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトベンゾオキサゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトオキサジアゾール類、メルカプトテトラゾール類、メルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類など};例えばオキサドリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類{例えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類など);のようなカブリ防止剤または安定剤として知られた、多くの化合物をハロゲン化銀吸着物質としてあげることができる。さらに、プリン類または核酸類、あるいは特公昭61−36213号、特開昭59−90844号、等に記載の高分子化合物、なども利用しうる吸着性物質である。
【0084】
ハロゲン化銀吸着性物質として、増感色素は、好ましい効果を実現しうる。増感色素として、シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用いることができる。本発明に使用される有用な増感色素は例えば米国特許3,522,052号、同3,619,197号、同3,713,828号、同3,615,643号、同3,615,632号、同3,617,293号、同3,628,964号、同3,703,377号、同3,666,480号、同3,667,960号、同3,679,428号、同3,672,897号、同3,769,026号、同3,556,800号、同3,615,613号、同3,615,638号、同3,615,635号、同3,705,809号、同3,632,349号、同3,677,765号、同3,770,449号、同3,770,440号、同3,769,025号、同3,745,014号、同3,713,828号、同3,567,458号、同3,625,698号、同2,526,632号、同2,503,776号、特開昭48−76525号、ベルギー特許第691,807号などに記載されている。
【0085】
本発明を用いて作られる感光材料の写真乳剤層または他の親水性コロイド層には塗布助剤、帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改良(例えば、現像促進、硬膜剤、増感)等種々の目的で、種々の界面活性剤を含んでもよい。
【0086】
本発明の感光材料の乳剤層や中間層および表面保護層に用いることのできる結合剤または保護コロイドとしては、ゼラチンをもちいるのが有利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いることができる。例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類等の如き誘導体、アルギン酸ソーダ、デキストラン、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができる。これらの中でもゼラチンとともに平均分子量5万以下のデキストランやポリアクリルアミドを併用することが好ましい。特開昭63−68837号、同じく63−149641号に記載の方法は本発明でも有効である。
【0087】
本発明の写真乳剤及び非感光性の親水性コロイドには無機または有機の硬膜剤を含有してよい。例えばクロム塩(クロム明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチルエーテル,N,N′−メチレンビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕など、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸など)イソオキサゾール類、ジアルデヒドでん粉、2−クロル−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンなどを、単独または組合せて用いることができる。なかでも、特開昭53−41221号、同53−57257号、同59−162546号、同60−80846号に記載の活性ビニル化合物および米国特許第3,325,287号に記載の活性ハロゲン化物が好ましい。
【0088】
本発明の写真感光材料中の親水性コロイド層はこれらの硬膜剤により水中での膨潤率が280%以下に硬膜されていることが好ましい。本発明における水中での膨潤率は凍結乾燥法により測定される。即ち、写真材料を25℃60%RH条件下で7日経時した時点で親水性コロイド層の膨潤率を測定する。乾燥層(a)は切片の走査型電子顕微鏡により求める。膨潤膜層(b)は、写真材料を21℃の蒸留水に3分間浸漬した状態を液体窒素により凍結乾燥したのち走査型電子顕微鏡で観察することで求める。膨潤率は{(b)−(a)}の値を(a)で除して100倍した値(%)である。
【0089】
本発明の写真感光材料の乳剤層には圧力特性を改良するためポリマーや乳化物などの可塑剤を含有させることができる。たとえば英国特許第738,618号には異節環状化合物を同738,637号にはアルキルフタレートを、同738,639号にはアルキルエステルを、米国特許第2,960,404号には多価アルコールを、同3,121,060号にはカルボキシアルキルセルロースを、特開昭49−5017号にはパラフィンとカルボン酸塩を、特開昭53−28086号にはアルキルアクリレートと有機酸を用いる方法等が開示されている。本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤層のその他の構成については特に制限はなく、必要に応じて種々の添加剤を用いることができる。例えば、Research Disclosure 176巻22〜28頁(1978年12月)に記載されたバインダー、界面活性剤、その他の染料、塗布助剤、増粘剤、などをもちいることができる。
【0090】
なお、両側に写真乳剤層を備えたハロゲン化銀写真感光材料においては、クロスオーバー光による画質の劣化が発生しやすいとの問題がある。このクロスオーバー光とは、感光材料の両側に配置されたそれぞれの増感スクリーンから放出され、感光材料の支持体(通常170〜180μm程度の厚いものが用いられる)を透過して反対側の感光層に届く可視光で、画質(特に鮮鋭度)の低下をもたらす光である。
クロスオーバーは少ない程、よりシャープな画像が得られる。クロスオーバーを減少させる方法は種々あるが、最も好ましい方法は、支持体と感光層の間に、現像処理により、脱色可能な染料を固定化することである。米国特許第4,803,150号で教示している、微結晶状の染料を用いると、固定化が良いことと、脱色性も良く、多量の染料を含ませることができ、クロスオーバーを減少させるのに非常に好ましい。この方法によると、固定化不良による減感もなく、又90秒処理での染料の脱色も可能でクロスオーバーを15%以下にできる。
更に好ましい、クロスオーバー減少のための染料層は、可能な限り高密度に染料を配置したものが良い。バインダーとして用いるゼラチン塗布量を減らし、染料層の膜厚として0.5μ以下にすることが好ましい。しかしながら極端な薄層化は密着不良が生じ易くなり、最も好ましい染料層の膜厚は0.05μ〜0.3μである。
【0091】
本発明に用いる塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀または塩沃臭化銀乳剤は P. Glafkides(グラフキデ)著の「写真の化学と物理」(ポール・モンテル社、1967年)、G. F. Duffin(ダフィン)著の「写真乳剤の化学」(フォーカル・プレス社、1966年)、V. L. Zelikman(ツエリックマン)等著の「写真乳剤の調製と塗布」(フォーカル・プレス社、1964年)等に記載された方法を応用して調製することができる。即ち、酸性法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよいが、特に酸性法、中性法は本発明においてカブリを少なくする点で好ましい。また可溶性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させてハロゲン化銀乳剤を得るのにいわゆる片側混合法、同時混合法またはそれらの組み合わせのいずれを用いてもよい。粒子を銀イオン過剰の条件下において形成させるいわゆる逆混合法を用いることもできる。本発明に好ましい単分散粒子の乳剤を得るには同時混合法を用いることが好ましい。同時混合法の一つの形式として、ハロゲン化銀の生成する液相中の銀イオン濃度を一定に保つ方法、即ちいわゆるコントロールド・ダブル・ジェット法を用いることは更に好ましい。この方法を用いると、ハロゲン化銀結晶形状が規則的で粒子サイズ分布が狭いハロゲン化銀乳剤を得ることができる。高塩化銀粒子を形成させるには、特開平2−32号、同3−137,632号、同4−6546号、同5−127279号、同5−53231号等に記載のビスピリジニウム化合物を用いる方法や、特開昭62−293,536号、特開平1−155332号、特開昭63−2,043号、同63−25,643号、米国特許第4,400,463号、同5,061,617号等に記載の方法を好ましく用いることができる。
【0092】
このようなハロゲン化銀の粒子形成または物理熟成の過程において、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、あるいは前述のようなイリジウム塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩またはその錯塩を共存させてもよい。粒子形成時または形成後に、ハロゲン化銀溶剤(例えば、公知のものとして、アンモニア、チオシアン酸塩、米国特許第3,271,157号、特開昭51−12360号、特開昭53−82408号、特開昭53−144319号、特開昭54−100717号あるいは特開昭54−155828号等に記載のチオエーテル類およびチオン化合物)を用いてもよく、前述の方法と併用すると、ハロゲン化銀結晶状が規則的で粒子サイズ分布が狭いハロゲン化銀乳剤を得ることができる。
【0093】
本発明を用いて作られた白黒写真感光材料には、親水性コロイド層にフィルター染料として、あるいはイラジエーション防止その他種々の目的で水溶性染料を含有していてもよい。このような染料には、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、メロシアニン染料、シアニン染料及びアゾ染料が包含される。なかでもオキソノール染料;ヘミオキソノール染料及びメロシアニン染料が有用である。
【0094】
本発明の写真感光材料の支持体としては、150〜250μmの厚さを有している必要がある。これは医療用シャーカステン上で観察する際の取扱い性の点で必須である。また、材質としてはポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましく、特に青色に着色していることが好ましい。
支持体は親水コロイド層との密着力を向上せしめるために、その表面をコロナ放電処理、あるいはグロー放電処理あるいは紫外線照射処理する方法が好ましい。あるいは、スチレンブタジエン系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテックス等からなる下塗層を設けてもよく、またその上層にゼラチン層を更に設けてもよい。
また、ポリエチレン潤滑剤とゼラチンを含む有機溶剤を用いた下塗層を設けてもよい。
これらの下塗層は表面処理を加えることで更に親水コロイド層との密着力を向上することもできる。
【0095】
本発明の写真感光材料に用いられる各種添加剤等については以下の該当箇所に記載のものを用いることができる。
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【実施例】
実施例1
(写真感光材料の調製)
(高感度平板状乳剤T−1の調製)
水1リットル中に臭化カリウム6.9g、平均分子量1万5千の低分子量ゼラチン6.3gを添加し、40℃に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝酸銀4g)と臭化カリウム5.9gを含む水溶液37ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。つぎに、ゼラチン18.6gを添加した後、53℃に昇温して硝酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.7g)を22分間かけて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液5.1ccを添加、そのままの温度で10分間物理熟成した後、100%酢酸溶液を4.7cc添加した。引き続いて硝酸銀151.5gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.5に保ちながらコントロールダブルジェット法で流量を加速しながら(初期流量/最終流量=1/5.7)35分かけて添加した。次に2Nのチオシンア酸カリウム溶液15ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成した後、35℃に温度を下げた。このようにしてアスペクト比が5.0以上の臭化銀平板粒子で全投影面積の50%になるハロゲン化銀粒子を得た。
【0106】
この後、凝集沈降法により可溶性塩類を除去した。再び40℃に昇温してゼラチン35gとプロキセル85mgおよび増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.4gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH6.40、pAg8.30に調整した。
この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状態で化学増感を施した。まず、C2H5SO2SNaを1×10−5モル/モルAg添加し、つぎに粒径0.03μmのAgI微粒子を0.002モル/モルAg添加し、次に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデンの160mg/モルAgと増感色素I−1とI−2を各々4×10−4モル/モルAgずつ添加した。
【0107】
【化34】
【0108】
さらにチオ硫酸ナトリウム1.3mg/モルAgとセレン化合物C 1.3mg/モルAgと塩化金酸4.5mg/モルAgおよびチオシアン酸カリウム60mg/モルAgを添加し、40分後に35℃に冷却した。こうして平板状粒子乳剤T1を調製完了した。
【0109】
【化35】
【0110】
(下塗層染料分散物Aの調製)
下記の染料−1を特開昭63−197943号に記載の方法でボールミル処理した。
【0111】
【化36】
【0112】
水434mlおよび Triton X−200界面活性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlとを2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO2)のビーズ400ml(2mm径)を添加し、内容物を4日間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡したのち、濾過によりZrO2 ビーズを除去した。得られた染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径は直径0.05〜1.15μmにかけての広い分野を有していて、平均粒径は0.37μmであった。
さらに、遠心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大きさの染料粒子を除去した。
こうして染料分散物Aを得た。
【0113】
(支持体の調製)
二軸延伸された厚さ175μmの青色に着色したポリエチレンテレフタレートフィルム上にコロナ放電処理をおこない、下記の組成より成る第1下塗液を塗布量が4.9cc/m2となるようにワイヤーバーコーターにより塗布し、185℃にて1分間乾燥した。
次に反対面にも同様にして第1下塗層を設けた。
上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2の下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ずつ、両面にワイヤー・バーコーター方式により165℃で塗布、乾燥した。
このようにして、クロスオーバーカット層を含む支持体を調製した。
【0114】
(乳剤層塗布液の調製)
乳剤T−1に添加される各成分が、支持体の片側に関して下記の塗布量となるように乳剤層の塗布液を調製した。
【0115】
【化37】
【0116】
【化38】
【0117】
(染料乳化物Bの調製)
上記染料−260gおよび下記高沸点有機溶媒−1 62.8g、−2 62.8gおよび酢酸エチル333gを60℃で溶解した。つぎにドデシルスルホン酸ナトリウムの5%水溶液65ccとゼラチン94gと水581ccを添加し、ディゾルバーにて60℃、30分間乳化分散した。つぎに、下記化合物−P 2gおよび水6リットルを加え、40℃に降温した。つぎに、旭化成製限外濾過ラボモジュールACP1050を用いて、全量が2Kgとなるまで濃縮し、前記化合物−Pを1g加えて染料乳化物Bとした。
【0118】
【化39】
【0119】
(表面保護層塗布液の調製)
表面保護層の各成分が、支持体の片側に関して下記の塗布量となるように表面保護層の塗布液を調製した。
【0120】
【化40】
【0121】
(写真材料S−1の調製)
先に調製した乳剤、および表面保護層の塗布液を同時押し出し法により前述の支持体の両面に同一条件で逐次塗布し写真材料S−1を調製した。
各写真材料の塗布銀量は支持体の片側あたり1.15g/m2(両面2.3g/m2)となるように塗布流量を設定した。
得られた写真材料に関して、特開昭58−11,193号に記載された方法と定義にしたがって膨潤率を測定したところ、170%であった。
前記高感度平板乳剤T−1はアスペクト比5.0以上のハロゲン化銀粒子で全投影面積の50%を占めるものであるが、当業界でよく知られているようにアンモニア水溶液の量、温度、酢酸量及びpAgをコントロールすることによって、アスペクト比が2.5、3.5、5.0、6.0、8.0以上のハロゲン化銀粒子で全投影面積の50%を占めるものをそれぞれ作成した。以下の工程は写真材料S−1の調整と全く同じ方法に従った。このようにしてできたアスペクト比2.5、3.5、5.0、6.0、8.0以上のハロゲン化銀粒子で全投影面積の50%を占めるもので作成したものをそれぞれをフィルムA、B、C、D、Eとした。
【0122】
現像液の調製
表1に示す様な各現像補充液処方を調合した。定着液としては富士写真フイル
【0123】
【表1】
【0124】
ム(株)社製CE−F1を使用した。現像処理は富士写真フイルム(株)社製自動現像機FPM−1300を改造して現像タンクの開口率を0.02cm−1にしてかつ駆動ギャーを改造して全処理時間を120秒にして処理した。まず現像母液としては表1に示す各現像補充液1〜12処方1リットル当り臭化カリウムを7.0g、酢酸を加えてpH10.0にしたものをそれぞれ現像母液1〜12として用いた。この現像母液を用いて35℃にて処理した。
得られた結果を表2に示す。ここで感度とは現像母液1を用いてフィルムAを現像処理した時黒化濃度1.0を得るに必要な露光量の逆数で示したものである。銀画像の色調としては
【0125】
【表2】
【0126】
1:ニートラルな黒
2:やや青みがかった黒
3:青みがかった黒
4:やや黄色味がかった黒
5:黄色味がかった黒
であり、1、2が好ましく、4、5は実用上好ましくない。
表2の結果から明らかなようにアスペクト比2.5のフィルムAはハイドロキノンを現像主薬とする現像母液1〜6でもアスコルビン酸を現像主薬とする現像母液7〜12でも同様に良好な銀画像色調を得る。
一方アスペクト比が3.0以上のフィルムB、C、D、Eはハイドロキノンを現像主薬とする現像母液1ではいづれのフィルムも実用できる銀画像色調である。しかしアスコルビン酸を現像主薬とする現像母液7ではアスペクト比3.0以上のフィルムB、C、D、Eいづれも銀画像色調が黄味をもち実用不可能である。これらアスコルビン酸現像主薬の銀画像色調を改良するために1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを添加した現像母液8は銀画像色調を改良するが著しい感度低下をもたらし好ましくない。本発明の現像母液9、10、11、12は現像母液7に対して感度低下がわずかでありながら銀画像色調の改良をもたらす。
【0127】
実施例2
実施例1と同様に表1の現像補充液1〜12をハロゲン化銀写真感光材料1m2当り150mlの補充をしながらランニング平衡状態になるまで現像処理を行ったところ、実施例1の場合と同様にアスペクト比2.5のフィルムAはハイドロキノンを現像主薬とする現像液補充液1〜6でもアスコルビン酸を現像主薬とする現像液補充液7〜12いづれでも同様に良好な銀画像色調を得る。一方アスペクト比が3.0以上のフィルムB、C、D、Eは、ハイドロキノンを現像主薬とする現像補充液1ではいづれのフィルムも実用できる銀画像色調であった。しかしアスコルビン酸を現像主薬とする現像液補充液7ではアスペクト比3.0以上のフィルムB、C、D、Eいづれも銀画像色調が黄味をもち実用不可能であった。1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを添加した現像液補充液8では銀画像色調を改良するが著しい感度低下をもたらした。本発明の現像液補充液9、10、11、12は現像液補充液7に対して感度低下がわずかでありながら銀画像の色調が改良された。
【0128】
(本発明の好ましい実施態様)
1.請求項1の処理方法で用いる現像液が1液濃縮現像液であることを特徴とする現像液の保存方法。
2.膨潤率が150%以上であるハロゲン化銀写真感光材料を用いることを特徴とする請求項1の処理方法。
3.ハロゲン化銀粒子塩化銀が10〜100モル%、臭化銀が10〜100モル%、沃化銀が0〜5モル%であるハロゲン化銀感光材料を用いることを特徴とする請求項1の処理方法。
4.全処理時間(Dry to Dry)が20秒〜180秒であることを特徴とする請求項1の処理方法。
5.自動現像処理装置にケミカルミキサーを内蔵する際、現像液と定着液のカートリッジが同時に使い終わる機構を有する自動現像処理装置であることを特徴とする請求項1の処理方法。
6.現像液中にホウ素化合物を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1の現像液の処理方法。
7.請求項1の処理方法で用いる現像液が全カチオンのうち、50モル%以上がカリウムイオンであることを特徴とする現像液。
8.定着液中にメソイオン化合物を0〜0.3モル/リットル含有することを特徴とする請求項1の処理方法。
9.請求項1の処理方法で用いる現像液が酸素透過性が50ml/m2・atm ・day (温度20℃、相対湿度65%)以下である包装材料に保存することを特徴とする現像液の保存方法。
10.ハロゲン化銀写真感光材料を処理する自動現像機の開口率が0.04cm−1以下であることを特徴とする請求項2の処理方法。
11.自動現像処理装置の乾燥部の前段に感光材料が接触するローラー部分の加熱手段が70℃以上であることを特徴とする請求項2の処理方法。
12.現像濃縮液と定着濃縮液が1パーツから成り、各濃縮液と水とが各タンク内で使用液に希釈されて、補充液として供給される(直接混合希釈方式)ことを特徴とする請求項2の処理方法。
13.現像濃縮液と定着濃縮液の容器が一体型包材であることを特徴とする請求項1の処理方法。
14.現像槽と定着層間および定着槽と水洗槽間にリンス槽およびリンスローラー(クロスオーバーローラー)を設置した自動現像機を用いることを特徴とする請求項1の処理方法。
15.各種水アカ防止剤(防菌剤)が水洗槽およびリンス槽に供給される水のストック槽に設置された自動現像機に用いることを特徴とする請求項1の処理方法。
16.水洗槽の排水口に電磁弁が設置された自動現像機を用いることを特徴とする請求項1の処理方法。
17.自動現像処理装置の水洗槽が多室槽および多段向流方式を有することを特徴とする請求項1の処理方法。
18.現像液中に炭酸塩を0.5モル/リットル以上含有する請求項1の処理方法。
Claims (1)
- アスペクト比3.0以上の平板状ハロゲン化銀粒子を全ハロゲン化銀粒子の投影面積の50%以上含有するハロゲン化銀乳剤層を少なくとも1層有するハロゲン化銀写真感光材料を、実質的にハイドロキノンを現像主薬としては含まず、下記一般式(A)で表わされる化合物を現像主薬として含有し、かつ下記一般式(B)で表わされる化合物を含有する現像液で処理し、該現像処理液の補充量がハロゲン化銀写真感光材料1m2当たり補充量200ミリリットル以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の現像方法。
一般式(A)
一般式(B)
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