JP3555241B2 - プリンタ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、プリンタに関し、特に1頁分よりも少ない容量のイメージバッファを設ける一方、プリントオーバーランのエラー発生を防止するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高速印字が可能なレーザプリンタなどのページプリンタにおいては、ホストコンピュータやパーソナルコンピュータなどの外部機器から、文書データや画像データなどの印字データを受信し、その印字データに関して、文字や記号については、そのコードデータ及び印字位置情報と、画像データについてはその印字位置情報とを含むパケットデータを格納しておき、このパケットデータに基づいて印字可能なビットイメージデータに展開する一方、その展開されたビットイメージデータを印字イメージバッファに格納し、その印字イメージバッファから1ラスター分に対応する1ドットライン毎のビットイメージデータを順次読み出して、印字機構により文字や画像を印字媒体に印字するようになっている。
【0003】
また、上記パケットデータからビットイメージデータへ展開する際には、既に印字イメージバッファに格納されているビットイメージデータを読出し、新たにパケットデータから展開されたビットイメージデータとのORを成すビットイメージデータを作成し、印字イメージバッファに格納し直す処理(一般にOR書きという)を行っていた。
【0004】
ところで、制御装置内のRAM160に設けた印字イメージバッファ162として、図15に示すように、1頁分より少ない、例えば、3バンド分の少ないバッファ容量で構成し、受信バッファ161から読み出した画像データを画像データバッファ164に格納する一方、読み出した文字や記号のコードデータとその印字位置情報と、画像データの印字位置情報とを含むパケットデータをパケットデータバッファ163に格納する。そして、パケットデータに基づいて、文字や記号及び画像の印字イメージデータを、印字イメージバッファ162の第1バンドバッファ、第2バンドバッファ、第3バンドバッファに展開した後、第1バンドバッファの印字イメージデータを印字機構に出力完了し、第2バンドバッファの印字イメージデータを出力中に、その第1バンドバッファに印字イメージデータを展開する。
【0005】
即ち、印字イメージバッファの各バンドバッファをサイクリックに繰り返して使用し、受信した印字データに関する全ての印字イメージデータを印字機構に出力するようになっている。この方式では、一旦印字を開始すると、印字を中断することができないので、あるバンドの印字終了時には、次のバンドのデータ展開が終了している必要がある。もし、データ展開が間に合わなければプリントオーバーランエラーとなり、不完全な画像が出力されてしまう。このような構成においては、各文字や記号、或いは画像を別々のデータとしてパケットデータバッファ163に登録するので、多数の文字と画像とが重複するような印字処理を行なう場合には、プリントオーバーランのエラーが発生し易い。
【0006】
そこで、最近では、制御装置内のRAM260に設けた印字イメージバッファ262として、例えば、160Kバイトを1つのバンドバッファ容量として、図16に示すように、1頁分のビットイメージデータを格納し得る約30バンド分のバッファ容量(例えば、5〜6メガバイト)を固定的に専用に設ける技術が採用されている。この場合、同様にして作成したパケットデータをパケットデータバッファ263に格納する。
【0007】
そして、パケットデータバッファ263や画像データバッファ264の拡張に伴って、フリーメモリ領域が殆ど無くなったときに、そのパケットデータに基づいて、文字や記号及び画像の印字イメージデータを、印字イメージバッファ262の第1バンドバッファ、第2バンドバッファ、・・・と順次展開(疑似印字展開)した後、パケットデータを消去し、受信バッファ261の未処理の印字データについて、同様にして印字イメージデータに展開して、第30バンドバッファまで格納する。その後、印字イメージバッファ262の印字イメージデータを、第1バンドバッファから順次シリアルに読み出して、印字機構により印字媒体に印字するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、印字イメージバッファとして、1頁分のビットイメージデータを格納し得る多数のバンドバッファからなる大容量を固定的に専用に設ける場合には、印字処理に際して、1頁分のビットイメージデータが予め展開されているので、印字処理の途中にプリントオーバーランのエラーが発生することはないが、印字イメージバッファの容量が大型化していることから、RAMにおけるメモリの使用効率が低下するという問題がある。
【0009】
一方、印字イメージバッファの容量を、1頁分より少ないバッファ容量で構成する場合には、印字イメージバッファのバッファ容量が少量であることから、RAMにおけるメモリの使用効率が改良されるが、印字処理の速度よりも印字イメージデータへの展開速度が遅いときには、印字処理の途中にプリントオーバーランのエラーが発生し易いという問題がある。
【0010】
さらに、パケットデータからビットイメージデータへ展開する際に、OR書きを行っているために、処理時間が長くなるという問題もある。
【0011】
本発明は、少ないバッファ容量の印字イメージバッファのメモリ使用効率を向上できる上、プリントオーバーランのエラー発生を防止し、さらに上書き処理を用いることにより処理時間の短いプリンタを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1のプリンタは、印字データから文字や記号のデータおよびその印字位置情報を含む第1パケットデータを作成し、その第一パケットデータをバンド毎に1ページ分になるまで順次第1パケットデータバッファに格納する第1パケットデータ作成手段と、その第1パケットデータをバンド毎の印字イメージデータに展開して、イメージデータバッファに格納する第1展開制御手段と、そのバンド毎の印字イメージデータに関する第2パケットデータを作成して、第2パケットデータバッファに格納する第2パケットデータ作成手段と、第1パケットデータ作成手段による1ページ分の第1パケットデータの作成途中に第1パケットデータバッファの容量が所定容量以上になると、その時点で作成済みの第1パケットデータを、第1展開制御手段による印字イメージデータへの展開、第2パケットデータ作成手段による第2パケットデータの作成、前記1ページ分の残りの第1パケットデータの作成を行い、その第2パケットデータと第1パケットデータとから新たな第1パケットデータに編集するパケットデータ編集手段と、第1展開制御手段による新たな第1パケットデータの印字イメージデータへの展開の際、パケットデータ編集手段により編集された第1パケットデータおよび第2パケットデータの内、第2パケットデータの印字イメージデータへの展開を上書き処理にて行う上書き処理手段とを備えたものである。
【0013】
また、請求項2のプリンタは、画像データを格納する画像データバッファと、印字データから、文字や記号のデータおよびその印字位置情報と、画像データの印字位置を指定する印字位置情報とを含む第1パケットデータを作成し、その第1パケットデータをバンド毎に1ページ分になるまで順次第1パケットデータバッファに格納する第1パケットデータ作成手段と、画像データおよび第1パケットデータを受けて、バンド毎の印字イメージデータに展開して、印字イメージデータバッファに格納する第1展開制御手段と、その印字イメージデータを圧縮して、圧縮されたバンド毎の圧縮印字イメージデータをイメージデータバッファに格納する圧縮制御手段と、そのバンド毎の圧縮印字イメージデータに関する第2パケットデータを作成して、第2パケットデータバッファに格納する第2パケットデータ作成手段と、その第2パケットデータに基づいて、圧縮印字イメージデータを印字可能な印字イメージデータに展開する第2展開制御手段と、第1パケットデータ作成手段による1ページ分の第1パケットデータの作成途中に第1パケットデータバッファあるいは画像バッファの容量が所定容量以上になると、その時点で作成済みの第1パケットデータを、第1展開制御手段による印字イメージデータへの展開、圧縮制御手段による圧縮、第2パケットデータ作成手段による第2パケットデータの作成、前記1ページ分の残りの第1パケットデータの作成を行い、その第2パケットデータと第1パケットデータとを新たな第1パケットデータに編集するパケットデータ編集手段と、第1展開制御手段による新たな第1パケットデータの印字イメージデータへの展開の際、パケットデータ編集手段により編集された第1パケットデータおよび第2パケットデータの内、第2パケットデータの印字イメージデータバッファへの展開を上書き処理にて行う上書き処理手段とを備えたものである。
【0014】
ここで、請求項3のプリンタは、請求項2の発明において、第1および第2パケットデータバッファと、画像データバッファと、イメージデータバッファとを、各々データ量に応じて容量可変に構成されたものである。
【0015】
【作用】
上記構成を有する請求項1のプリンタにおいては、第1パケットデータ作成手段により、印字データから、文字や記号のデータおよびその印字位置情報を含む第1パケットデータが作成され、その第1パケットデータがバンド毎に1ページ分になるまで順次第1パケットデータバッファに格納される。その第1パケットデータは、第1展開制御手段によりバンド毎の印字イメージデータに展開され、イメージデータバッファに格納される。そのバンド毎の印字イメージデータに関する第2パケットデータが、第2パケットデータ作成手段により作成され、第2パケットデータバッファに格納される。また、第1パケットデータ作成手段による1ページ分の第1パケットデータの作成途中に第1パケットデータバッファの容量が所定容量以上になると、パケットデータ編集手段により、その時点で作成済みの第1パケットデータの第1展開制御手段による印字イメージデータへの展開、第2パケットデータ作成手段による第2パケットデータの作成が行われるとともに、前記1ページ分の残りの第1パケットデータが作成され、その第2パケットデータと第1パケットデータとから新たな第1パケットデータに編集される。さらに、第1展開制御手段による新たな第1パケットデータの印字イメージデータへの展開の際、上書き処理手段により、パケットデータ編集手段により編集された第1パケットデータおよび第2パケットデータの内、第2パケットデータの印字イメージデータへの展開が上書き処理される。
【0016】
また、請求項2のプリンタにおいては、画像データバッファには、画像データが格納され、第1パケットデータ作成手段により、印字データから、文字や記号のデータおよびその印字位置情報と、画像データの印字位置を指定する印字位置情報とを含む第1パケットデータが作成されて、その第1パケットデータがバンド毎に1ページ分になるまで順次第1パケットデータバッファに格納される。その第1パケットデータおよび画像データを受けて、第1展開制御手段により、バンド毎の印字イメージデータが展開され、印字イメージデータバッファに格納される。その印字イメージデータが圧縮制御手段により圧縮され、圧縮されたバンド毎の圧縮印字イメージデータがイメージデータバッファに格納される。そのバンド毎の圧縮印字イメージデータに関する第2パケットデータが第2パケットデータ作成手段により作成され、第2パケットデータバッファに格納される。その第2パケットデータに基づいて、第2展開制御手段により、圧縮印字イメージデータが印字可能な印字イメージデータに展開される。また、第1パケットデータ作成手段による1ページ分の第1パケットデータの作成途中に第1パケットデータバッファあるいは画像バッファの容量が所定容量以上になると、パケットデータ編集手段により、その時点で作成済みの第1パケットデータの第1展開制御手段による印字イメージデータへの展開、圧縮制御手段による圧縮、第2パケットデータ作成手段による第2パケットデータの作成が行われるとともに、前記1ページ分の残りの第1パケットデータが作成され、その第2パケットデータと第1パケットデータとが新たな第1パケットデータに編集される。さらに、第1展開制御手段による新たな第1パケットデータの印字イメージデータへの展開の際、上書き処理手段により、パケットデータ編集手段により編集された第1パケットデータおよび第2パケットデータの内、第2パケットデータの印字イメージデータバッファへの展開が上書き処理にて行われる。
【0017】
さらに、請求項3のプリンタにおいては、第1および第2パケットデータバッファと、画像データバッファと、イメージデータバッファとが、各々データ量に応じて容量可変に制御される。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。
【0019】
本実施例は、外部機器から印字データを受信して受信バッファに格納し、その印字データをプリントするレーザプリンタに本発明を適用した場合のものである。
【0020】
先ず、レーザプリンタ1に設けられた印字機構PMについて、図1に基づいて簡単に説明する。
【0021】
レーザプリンタ1には、レーザスキャナ装置10と、プロセスカートリッジ20と、転写帯電器や除電針などを備えた転写・分離装置25と、加熱ローラ31と加圧ローラ32などを備えた定着装置30と、給紙ローラ36、レジストローラ37、搬送ローラ38及び排紙ローラ39などを備えた搬送装置35などで構成されている。
【0022】
レーザスキャナ装置10には、半導体レーザ11と、6面体ミラー12と、結像レンズ13と、反射ミラー14及び合成樹脂製のレンズ部材15などが設けられている。
【0023】
プロセスカートリッジ20の内部には、感光ドラム21、1次帯電器22、現像シリンダ23及び露光ランプ24などが組込まれている。
【0024】
そして、半導体レーザ11から出射されて6面体ミラー12に入射したレーザ光LBは、一定の高速度で回転する6面体ミラー12のミラー面毎に所定角度偏向されることにより、所定角度範囲に亙って主走査され、結像レンズ13を経て反射ミラー14で下方に反射され、レンズ部材15を経て回転する感光ドラム21上に照射されて、静電潜像が形成される。
【0025】
そして、感光ドラム21上に形成された静電潜像は、現像シリンダ23から供給されるトナーにより現像され、この可視像は、給紙カセット5から搬送装置35で搬送される記録用紙Pに転写されて印字され、この印字された記録用紙Pは、その後定着装置30を経て、これら両ローラ38・39により排紙トレー6上に搬送される。
【0026】
次に、レーザプリンタ1の制御系について、図2のブロック図に基づいて説明するが、この制御系は基本的には一般的なレーザプリンタの制御系と同様なので、簡単に説明するものとする。
【0027】
このレーザプリンタ1のビデオコントローラ50は、CPU51と、種々の制御プログラムが格納されたROM52と、パーソナルコンピュータやホストコンピュータなどの外部のデータ送信機器80から送信された画像データを含む印字データを受けて格納する受信バッファ61などの各種メモリが設けられたRAM60と、印字データを受信バッファ61に受信データとして書き込み/読み出すタイミングの為のタイミング信号を発生するタイミング制御回路(TC)53と、データ送信機器80から送信される印字データを受信するシリアルインターフェース(S・I/F)54と、4Kバイトの2つのスキャンバッファを有しビットイメージデータに変換された印字情報を順次DCコントローラ58へ出力するビデオインターフェース(V・I/F)55と、操作パネル57からの信号を受けるパネルインターフェース(P・I/F)56とを備えており、これらはバス59を介してCPU51に夫々接続されている。
【0028】
ここで、印字機構PMには、前述したように、レーザスキャナ装置10、プロセスカートリッジ20、転写・分離装置25、定着装置30、搬送装置35が設けられる上、感光ドラム21や搬送装置35を駆動する為のメインモータ、加熱ローラ31の為の定着用ヒータ、その他の電装品回路などが設けられており、前記DCコントローラ回路58は、これらメインモータ、定着用ヒータ及び各種電装品回路に加えて、半導体レーザ11、6面体ミラー12を駆動するスキャナモータを駆動制御するように構成されている。
【0029】
前記ROM52には、通常のレーザプリンタに設けられているのと同様の種々の制御プログラムに加えて、文字や記号などの多数のキャラクタに関する印字用ドットパターンデータを格納したフォントメモリ、RAM60に設けられた各バッファ61〜66のバッファ容量及び先頭アドレスを管理するバッファ管理プログラム、後述する本願特有の印字データ展開制御の制御プログラムが予め格納されている。
【0030】
前記RAM60には、図3に示すように、印字データの受信開始時には、所定容量の受信バッファ61と、約160Kバイトを1つのバンドバッファ容量として、3つのバンドバッファ62a〜62cを有する印字イメージバッファ62が設けられている。ここで、これら受信バッファ61や印字イメージバッファ62以外のメモリ領域は、フリーエリアに設定されている。
【0031】
次に、レーザプリンタ1のビデオコントローラ50で行われる印字データ展開制御のルーチンについて、図4〜図9のフローチャートに基づいて説明する。但し、図中符号Si(i=10、11、12・・・・)は各ステップである。ここで、データ送信機器80から受信した印字データは、図示外の受信制御により、受信バッファ61に順次格納されるものとする。
【0032】
レーザプリンタ1に対して電源が投入されると、先ず印字機構PMを初期化するなどの各種の初期化処理が実行された後、データ送信機器80から受信した印字データが受信バッファ61に格納されると、この制御が開始される。
【0033】
この制御が開始されると、先ず印字データ処理制御が実行される(S10)。この印字データ処理制御においては、受信バッファ61から読み込んだコードデータが、文字や記号のコードデータのときには、そのコードデータと印字位置を指示する印字位置情報とを対応付けたパケットデータがRAM60に設けた第1パケットデータバッファ63に格納される。また画像のコードデータのときには、その印字位置を指定する印字位置情報がパケットデータとして第1パケットデータバッファ63に格納されるとともに、その画像データがRAM60に設けた画像データバッファ64に格納される。その結果、印字データ処理制御の実行に伴って、第1パケットデータバッファ63や画像データバッファ64のバッファ容量が増大する。
【0034】
次に、このように、第1パケットデータバッファ63や画像データバッファ64のバッファ容量が増大して所定の容量に達した結果、この制御の開始時に設けられていたフリーエリアの大きさが約半分に達するまでは、S10〜S11が繰り返される。そして、フリーエリアの大きさが約半分(図10参照)になったときには(S11:Yes )、RAM60に、データ量を「0」とするイメージデータバッファ66が設定される(S12)。次に、そのイメージデータバッファ66において、前回までのデータ量に1バンド分の所定容量B(例えば、約160Kバイト)を加算したバッファ容量が確保可能なときには(S13:Yes )、印字イメージデータに展開する第1格納処理制御(図5参照)が実行される(S16)。
【0035】
この所定容量Bは、後述するS33の圧縮処理において、全く圧縮が施されていないときの容量に相当している。即ち、圧縮処理後の容量が、圧縮処理前の容量よりも増加する可能性がある場合には、容量Bは、それに応じて増加させる必要がある。
【0036】
この第1格納処理制御が開始されると、先ず第1展開処理制御(図6参照)が実行される(S30)。
【0037】
この制御が開始されると、第1パケットデータバッファ63から1バンド分の第1パケットデータが読み込まれ(S40)、この第1パケットデータが終了でなければ(S41:No)、そのデータに応じて印字イメージデータが作成され、印字イメージバッファ62の第1バンドバッファ62aに展開される(S43)。
【0038】
一方、この第1パケットデータに画像データが含まれているときに(S43:Yes )、例えば、300DPI (ドット・パー・インチ)から600DPI への変換時において、繰り返して設けるドットパターンデータが2つのバンドに跨がるときなどで、その画像データを消去できないときには(S44:No)、その画像データが印字イメージデータとして第1バンドバッファ62aに展開され(S45)、S40に戻る。しかし、その画像データが消去可能なときには(S44:Yes )、その画像データの画像データバッファ64における先頭アドレスが、第1バンドバッファ62cに設けた画像データテーブルに登録される(S46)。
【0039】
そして、その画像データが印字イメージデータとして第1バンドバッファ62aに展開され(S47)、更にその画像データの画像データバッファ64における末尾アドレスが画像データテーブルに登録され(S48)、S40に戻る。そして、1バンド分のデータ展開が終了したときには(S41:Yes )、この制御を終了して、第1格納処理制御のS31にリターンする。例えば、図11に示すように、1バンド分の第1パケットデータが第1パケットデータバッファ63から読み込まれ、文字や記号と画像の印字イメージデータが、第1バンドバッファ62aに順次展開される。また、図12に示すように、第3バンドバッファ62cに設けた画像データテーブルには、各画像データの先頭アドレスと末尾アドレスとを対にしたデータ群が、消去可能な画像データの数分格納される。
【0040】
次に、この第1格納処理制御において、RAM60上に第2パケットデータバッファ65が設けられ、この第2パケットデータバッファ65には、S30において展開した1バンド分の、印字位置情報を含むパケットデータが格納される(S31)。次に、RAM60上にイメージデータバッファ66が設けられ、このイメージデータバッファ66を指示する第1書き込みポインタP1には、次にデータを書き込む書き込み先頭アドレスがセットされ(S32)、第1バンドバッファ62aに展開されている印字イメージデータが所定の圧縮方式で圧縮され、圧縮した圧縮印字イメージデータがイメージデータバッファ66に格納する圧縮処理制御が実行され(S33)、この制御を終了して、印字データ展開制御のS17にリターンする。
【0041】
次に、この印字データ展開制御において、第1パケットデータバッファ63に格納されている全ての第1パケットデータについて、展開処理が終了していないときには(S17:No)、S13〜S17が繰り返して実行される。
【0042】
ところで、S13〜S17が繰り返して実行された結果、第2パケットデータバッファ65やイメージデータバッファ66のデータ量が増大して、フリーエリアが減少し、イメージデータバッファ66を拡張して、前回までのデータ量に1バンド分の所定容量B(例えば、約160Kバイト)を加算したバッファ容量を新たに確保することが不可能(図11参照)になったときには(S13:No)、画像データバッファ64の画像データを消去する画像データ消去処理制御(図7参照)が実行される(S14)。
【0043】
この制御が開始されると、先ず第2書き込みポインタP2には、画像データバッファ64の先頭アドレスがセットされ(S50)、画像データテーブルにおいて、画像データの先頭アドレスと末尾アドレスとを対にしたデータ群が、アドレス順に並び変えられる(S51)。次に、第1パケットデータバッファ63の第1パケットデータと、画像データバッファ64の画像データと、画像データテーブルのデータとに基づいて、画像データテーブルに登録されておらず、消去不可能な画像データの、画像データバッファ64における先頭アドレスが先頭アドレスEとして記憶され、またその消去不可能な画像データの末尾アドレスが末尾アドレスFとして記憶される(S52)。
【0044】
次に、これら先頭アドレスEから末尾アドレスFまでの画像データが、第2書き込みポインタP2で指示するアドレスから順次移動し格納され(S53)、この移動した画像データに対応して、第1パケットデータバッファ63に格納されている、未処理バンドに関する印字位置情報のアドレスが変更される(S54)。次に、第2書き込みポインタのポインタ値P2が、移動した画像データのデータ量に対応して、α(α=F−E)だけインクリメントされ(S55)、終了でないとき、つまり消去不可能な画像データが更に存在するときには(S56:No)、S52〜S56が繰り返して実行される。そして、消去不可能な全ての画像データの移動が終了したときには(S56:Yes)、この制御を終了して、印字データ展開制御のS15にリターンする。
【0045】
そして、この印字データ展開制御において、前記S13と同様に検索された結果、1バンド分の所定容量Bを加算したバッファ容量を新たに確保できるときには(S15:Yes )、S16以降が、前述したように実行される。しかし、このバッファ容量を新たに確保できないときには(S15:No)、第2格納処理制御(図8参照)が実行される(S20)。
【0046】
この制御が開始されると、前述したように第1展開処理制御が実行される(S60)。
【0047】
そして、第2パケットデータバッファ65には、S60において展開した1バンド分の、印字位置情報を含むパケットデータが格納される(S61)。次に、第1バンドバッファ62aに展開されている印字イメージデータが前述と同様に圧縮され、圧縮後の印字イメージデータの容量Bが求められる(S62)。次に、前述したように画像データ消去処理制御が再度実行される(S63)。そして、前記S15と同様に検索された結果、1バンド分の所定容量Bを加算したバッファ容量を新たに確保できるときには(S64:Yes )、S62で圧縮した圧縮印字イメージデータがイメージデータバッファ66に書き込まれ(S65)、この制御を終了して、印字データ展開制御にリターンする。ところで、1バンド分の所定容量Bを加算したバッファ容量を新たに確保できないときには(S64:No)、メモリフル状態の発生に伴うエラー処理が実行され(S66)、この制御を終了する。
【0048】
そして、印字データ展開制御において、第1パケットデータバッファ63に格納されている全ての第1パケットデータについて、展開処理が終了していないときには(S21:No)、S20〜S21が繰り返して実行される。しかし、全ての第1パケットデータについて、展開処理が終了したときには(S17:Yes 叉はS21:Yes )、第1パケットデータバッファの第1パケットデータの全てが消去される(S18)。
【0049】
また、その頁の印字データの展開処理が完了していないとき、つまり印字処理が終了していないときとは(S19:No)、受信した印字データからの1ページ分の第1パケットデータへの展開が終了していない状態であり、S11にてフリーエリアが半分になった(第1パケットデータバッファ63あるいは画像データバッファ64の容量が所定容量になった)時点での1ページ分に満たない第1パケットデータについて、S30あるいはS60による印字イメージデータへの展開、S31あるいはS61による第2パケットデータの作成、S33あるいはS62による印字イメージデータの圧縮が行われた状態である。従って、S10に戻り、以降同様の処理が繰り返し実行される。
【0050】
この繰り返し実行される処理では、S10にて、1ページ分の残りの印字データについて、第1パケットデータが作成されるが、この第1パケットデータは第2パケットデータバッファ65内の第2パケットデータに後続して格納される。そして、この第2パケットデータと後続の第1パケットデータとが、新たな第1パケットデータとして扱われる。
【0051】
そして、この新たな第1パケットデータを対象として、S42において、図9に示す印字イメージデータ展開処理が行われる。この印字イメージデータ展開制御がスタートすると、各パケットデータが順次印字イメージデータに展開され(S70)、S40にて読み込まれた第1パケットデータが、第2パケットデータに設定された後に新たな第1パケットデータに編集されたデータであるか否かが判断される(S71)。Yesであれば、S70にて展開された印字イメージデータが印字イメージバッファ62の第1バンドバッファ62aに上書き処理にて展開される(S73)。つまり、新たな第1パケットデータの内、1度第2パケットデータ化されたものは、1バンド分のデータであり、しかも後続の第1パケットデータに先行して処理されるので、第1バンドバッファ62a内の内容を消去してもかまわない。従って、単純に書き込むだけの簡単な上書き処理を用いることができる。また、S71がNoであれば、S70にて展開された印字イメージデータと、既に第1バンドバッファ62aに展開されている印字イメージデータとをOR書き処理して、再度第1バンドバッファ62aに展開され(S73)、S43にリターンする。
【0052】
一方、受信した印字データの全てについてデータ展開されたときには(S19:Yes )、第2展開処理制御を行ないながら、印字イメージデータを印字機構PMに出力して、印字する処理が実行され(S22)この制御を終了して、メインルーチンにリターンする。
【0053】
ここで、S22の第2展開処理制御においては、図14に示すように、イメージデータバッファ66に格納された、1バンド毎の圧縮印字イメージデータが印字可能な印字イメージデータにデコード(復調)され、第2パケットデータバッファ65の第2パケットデータに基づいて、第1バンドバッファ62a、第2バンドバッファ62b、第3バンドバッファ62cに夫々展開され、第1バンドバッファ62aの印字イメージデータから順次印字機構PMに出力される。そして、印字イメージデータの全てが出力された第1バンドバッファ62aには、第4バンドの印字イメージデータが展開される。このように、3つのバンドバッファをサイクリックに使用しながら、印字処理が実行される。前記S12〜S18の処理により、第1パケットデータの登録データ数が少なくなっているので、印字処理よりも速いタイミングで、各バンドバッファ62a〜62cに印字イメージデータが展開されることから、印字途中にプリントオーバーランのエラーが発生することがない。
【0054】
次に、3つのバンドバッファ62a〜62cを有する印字イメージバッファ62を設ける一方、プリントオーバーランのエラーが発生しないように制御する、印字データ展開制御の作用であって、印字データ展開方法を含む作用について説明する。
【0055】
画像データバッファ64には、受信バッファ61から受ける画像データが格納され、第1パケットデータバッファ63には、受信バッファ61から受ける文字や記号のコードデータ及びその印字位置情報と、画像データの印字位置を指定する印字位置情報とを含むパケットデータが格納される。
【0056】
そして、印字可能な圧縮印字イメージデータをイメージデータバッファ66に格納し、またその圧縮印字イメージデータの各バンド毎の印字位置情報を第2パケットデータバッファ65に格納するので、これらイメージデータバッファ66や第2パケットデータバッファ65を小型化でき、しかも印字イメージバッファ62は、3つのバンドバッファ62a〜62cを設けただけの小容量であって、繰り返して使用する場合でも、圧縮印字イメージデータを高速にデコードして展開できることから、メモリの使用効率の向上を図れる上、印字途中にプリントオーバーランのエラーが発生することがない。
【0057】
更に、前記第1及び第2パケットデータバッファ63・65と、画像データバッファ64と、イメージデータバッファ66とは、各々、データ量に応じて容量可変に構成され、イメージデータバッファ66のバッファ容量を拡張不可能なときには、展開済みの画像データを、画像データバッファ64から消去するので、この消去を介して画像データバッファ64の縮小により生じたフリーエリアを、イメージデータバッファ66などの拡張用に適用することができ、メモリの使用効率を向上できる。
【0058】
ところで、前記実施例を部分的に変更し、次のように構成することも可能である。例えば、第2パケットデータバッファ65は、各バンドに対して、1つの画像データを登録したものであるから、第1パケットデータバッファ63のデータ量よりも大きくなることはない。従って、第1パケットデータバッファ63の処理済みバンドの部分を順次書き換えることにより、第2パケットデータを作成するようにしてもよい。
【0059】
尚、印字イメージバッファ62は、4つ以上のバンドバッファを設けるようにする等、本発明の技術的思想の範囲内において、前記実施例の制御に関し、既存の技術や等業者に自明の技術に基づいて種々の変更を加えることも有り得る。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したことから明かなように、請求項1のプリンタによれば、1ページ分の第1パケットデータを印字イメージデータへ展開した後に印字を行うので、プリントオーバーランのエラーが発生することがない。また、1ページ分の第1パケットデータの作成途中に第1パケットデータバッファの容量が所定容量以上になると、その時点で作成済みの第1パケットデータを印字イメージデータへ展開して第2パケットデータを作成した後に、残りの第1パケットデータの作成を行うので、小容量の第1パケットデータバッファでも1ページ分のデータ処理が可能となる。
【0061】
さらに、新たな第1パケットデータの印字イメージデータへの展開の際、編集された第1パケットデータおよび第2パケットデータの内、第2パケットデータの印字イメージデータへの展開を上書き処理にて行うので、OR書き処理に比べ処理速度を向上できる。
【0062】
請求項2のプリンタによれば、1ページ分の第1パケットデータを印字イメージデータへ展開し、さらに圧縮した印字イメージデータをイメージデータバッファに記憶した後に印字を行うので、圧縮印字イメージデータから印字イメージデータへのデコードは印字速度より高速に行い得ることから、プリントオーバーランのエラーが発生しないとともに、大きなメモリ容量を必要とする印字イメージデータを小容量のイメージデータバッファに記憶できる。
【0063】
また、1ページ分の第1パケットデータの作成途中に第1パケットデータバッファあるいは画像バッファの容量が所定容量以上になると、その時点で作成済みの第1パケットデータを印字イメージデータへ展開して第2パケットデータを作成した後に、残りの第1パケットデータの作成を行うので、小容量の第1パケットデータバッファあるいは画像バッファでも1ページ分のデータ処理が可能となる。
【0064】
もちろん、請求項1のプリンタと同様に、第2パケットデータの印字イメージデータへの展開を高速に処理できる。
【0065】
請求項3のプリンタによれば、大きなメモリ容量を必要とする画像データを格納する受信バッファを、第1および第2パケットデータバッファ、画像データバッファ、イメージデータバッファとともに、記憶手段に各々データ量に応じて容量可変に構成されるので、各バッファのエリアを適宜縮小・拡張でき、メモリの使用効率を格段に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザプリンタの概略断面図である。
【図2】レーザプリンタの制御系のブロック図である。
【図3】印字データを受信開始したときのRAMのメモリ構成を説明する図である。
【図4】印字データ展開制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図5】第1格納処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図6】第1展開処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図7】画像データ消去処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図8】第2格納処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図9】印字イメージデータ展開処理制御のルーチンの概略フローチャートである。
【図10】第1パケットデータバッファと画像データバッファとを設けた図3相当図である。
【図11】第1及び第2パケットデータバッファと、画像データバッファ及びイメージデータバッファとを設けた図3相当図である。
【図12】第3バンドバッファに設けた画像データテーブルの内容を説明する図表である。
【図13】画像データバッファの画像データを消去したときの図11相当図である。
【図14】印字イメージデータを印字イメージバッファの各バンドバッファに展開するときの図11相当図である。
【図15】従来技術に係り、1頁分よりも少ない印字イメージバッファを備えたRAMのメモリ構成を説明する図である。
【図16】従来技術に係り、1頁分の印字イメージバッファを備えた図15相当図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
50 ビデオコントローラ
51 CPU
52 ROM
60 RAM
61 受信バッファ
62 印字イメージバッファ
63 第1パケットデータバッファ
64 画像データバッファ
65 第2パケットデータバッファ
66 イメージデータバッファ
80 データ送信機器
PM 印字機構
Claims (3)
- 外部機器から受信した印字データの印字イメージデータを受けて印字媒体に印字するプリンタにおいて、
印字データから、文字や記号のデータおよびその印字位置情報を含む第1パケットデータを作成し、その第1パケットデータをバンド毎に1ページ分になるまで順次第1パケットデータバッファに格納する第1パケットデータ作成手段と、その第1パケットデータをバンド毎の印字イメージデータに展開して、イメージデータバッファに格納する第1展開制御手段と、
そのバンド毎の印字イメージデータに関する第2パケットデータを作成して、第2パケットデータバッファに格納する第2パケットデータ作成手段と、
前記第1パケットデータ作成手段による1ページ分の第1パケットデータの作成途中に前記第1パケットデータバッファの容量が所定容量以上になると、その時点で作成済みの第1パケットデータを、前記第1展開制御手段による印字イメージデータへの展開、前記第2パケットデータ作成手段による第2パケットデータの作成、前記1ページ分の残りの第1パケットデータの作成を行い、その第2パケットデータと第1パケットデータとから新たな第1パケットデータに編集するパケットデータ編集手段と、
前記第1展開制御手段による新たな第1パケットデータの印字イメージデータへの展開の際、前記パケットデータ編集手段により編集された第1パケットデータおよび第2パケットデータの内、第2パケットデータの印字イメージデータへの展開を上書き処理にて行う上書き処理手段と
を備えたことを特徴とするプリンタ。 - 外部機器から受信した画像データを含む印字データの印字イメージデータを受けて印字媒体に印字するプリンタにおいて、
前記画像データを格納する画像データバッファと、
前記印字データから、文字や記号のデータおよびその印字位置情報と、前記画像データの印字位置を指定する印字位置情報とを含む第1パケットデータを作成し、その第1パケットデータをバンド毎に1ページ分になるまで順次第1パケットデータバッファに格納する第1パケットデータ作成手段と、
前記画像データおよび第1パケットデータを受けて、バンド毎の印字イメージデータに展開して、印字イメージデータバッファに格納する第1展開制御手段と、
その印字イメージデータを圧縮して、圧縮されたバンド毎の圧縮印字イメージデータをイメージデータバッファに格納する圧縮制御手段と、
そのバンド毎の圧縮印字イメージデータに関する第2パケットデータを作成して、第2パケットデータバッファに格納する第2パケットデータ作成手段と、
その第2パケットデータに基づいて、前記圧縮印字イメージデータを印字可能な印字イメージデータに展開する第2展開制御手段と、
前記第1パケットデータ作成手段による1ページ分の第1パケットデータの作成途中に前記第1パケットデータバッファあるいは画像バッファの容量が所定容量以上になると、その時点で作成済みの第1パケットデータを、前記第1展開制御手段による印字イメージデータへの展開、前記圧縮制御手段による圧縮、前記第2パケットデータ作成手段による第2パケットデータの作成、前記1ページ分の残りの第1パケットデータの作成を行い、その第2パケットデータと第1パケットデータとを新たな第1パケットデータに編集するパケットデータ編集手段と、
前記第1展開制御手段による新たな第1パケットデータの印字イメージデータへの展開の際、前記パケットデータ編集手段により編集された第1パケットデータおよび第2パケットデータの内、第2パケットデータの印字イメージデータバッファへの展開を上書き処理にて行う上書き処理手段と
を備えたことを特徴とするプリンタ。 - 第1および第2パケットデータバッファと、画像データバッファイと、メージデータバッファとを、各々データ量に応じて容量可変に構成されたことを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
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