JP3554145B2 - 斜行補正装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送されるシート材等の斜行を補正する斜行補正装置及び該斜行補正装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置では、記録紙等のシート材を収納したカセットから搬送機構によりシート材が一枚ずつ分離、搬送される。
【0003】
搬送されるシート材は、従来、クラッチを備え固定されている搬送ローラ対のニップに突き当たって停止して、斜行が補正された後に前記クラッチが接続し、搬送ローラ対が回転を始めると斜行が補正された状態で画像形成部へと搬送されていく。
【0004】
また他の従来例として、例えば実開昭61−193947号公報、特開昭64−87453号公報、実開平2−18029号公報等には、搬送ローラを停止、回転の制御を行なうことなぐシート材を規制片に突き当てることにより斜行を補正する機構が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したように、クラッチを備え搬送ローラ対を停止、回転の制御を行ないシート材の斜行を補正する従来の斜行補正装置では、電磁クラッチもしくはソレノイドとバネクラッチの組み合わせを必要とし、コストアップの要因となっていた。
【0006】
また、規制片にシート材を突き当て斜行を補正する斜行補正装置では、一定の力で付勢されている規制片を記録紙等のシート材のコシにより退避させなければならないため、薄紙、厚紙等坪量の異なるさまざまな紙種に対応することが困難であった。
【0007】
すなわち、シート材が薄紙の場合には、相対的に付勢力が強いためにシート材を破損したり、ジャムを起こす要因となる。また、シート材が厚紙の場合には相対的に付勢力が弱いために斜行補正能力が不十分であり、転写材の斜行が完全に除去できない場合があった。
【0008】
そこで本発明は、電磁クラッチ、ソレノイド等の電気部品を用いることなく安価で、かつ薄紙、厚紙等坪量の異なる様々なシート材に対応して、シート材の破損やジャムを発生させることなく確実にシート材の斜行を補正することができる斜行補正装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、搬送されるシート材の斜行を補正する斜行補正装置において、前記シート材を搬送する一対の回転軸にそれぞれ設けた少なくとも一対の搬送ローラ対と、前記搬送ローラ対の近傍に前記搬送ローラ対の長手方向に沿って、シート材搬送方向に回動自在に配置したアームと、シート材搬送方向に直交して少なくとも前記搬送ローラ対の両側に位置するようにして前記アームに一体的に複数設けられ、搬送される前記シート材の先端が当接されるシート当接部を先端に形成し、該シート当接部が前記搬送ローラ対のニップに対してシート材搬送方向上流側に配置された規制片と、前記アームと装置のフレームとの間に配置され、前記アームを付勢することにより前記規制片をシート材搬送方向と逆方向に付勢する付勢手段と、前記規制片を、前記付勢手段の付勢力に抗して前記搬送ローラ対のニップに対してシート材搬送方向上流側に位置させるために前記アームの回動を規制するストッパと、前記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
また、前記アームの回動支点が、前記搬送ローラ対の一方の前記回転軸の回転中心とほぼ一致していることを特徴としている。
【0011】
また、前記付勢手段は、前記アームと前記フレームのそれぞれに引っ掛けられた引張りコイルバネであり、前記付勢力調整手段は、前記アームの端部側に一端が引っ掛けられた前記引張りコイルバネの他端を変更可能に引っ掛けるために前記フレームに設けた複数のバネ係止片であることを特徴としている。また、前記付勢手段は、前記アームと前記フレームのそれぞれに引っ掛けられた引張りコイルバネであり、前記付勢力調整手段は、前記アームの端部側に一端が引っ掛けられた前記引張りコイルバネの他端の引っ掛け位置を変更可能にするために前記フレーム上で移動可能に設けたバネ係止片であることを特徴としている。
【0012】
また、前記付勢手段は、前記アームと前記フレームのそれぞれに引っ掛けられたねじりコイルバネであり、前記付勢力調整手段は、前記アームの端部側に一端が引っ掛けられた前記ねじりコイルバネの他端を変更可能に引っ掛けるために前記フレームに設けた複数のバネ係止片であることを特徴としている。また、前記付勢手段は、前記アームと前記フレームのそれぞれに引っ掛けられたねじりコイルバネであり、前記付勢力調整手段は、前記アームの端部側に一端が引っ掛けられた前記ねじりコイルバネの他端の引っ掛け位置を変更可能にするために前記フレーム上で移動可能に設けたバネ係止片であることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置は、シート材に画像を形成する画像形成部と、前記シート材の斜行を補正して前記画像形成部へ搬送する上記のいずれかに記載の斜行補正装置とを備えたことを特徴としている。
【0014】
(作用)
本発明の構成によれば、搬送されるシート材先端が当接される規制片に対して、使用するシート材の坪量に応じて規制片に作用させる付勢手段の付勢力を調整手段で適切に調整することができるので、坪量の異なる様々なシート材を使用した場合でも、シート材の破損やジャムを発生させることなく、十分に斜行を補正することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る斜行補正装置を備えた画像形成装置を示す概略断面図である。
【0017】
この画像形成装置1は、画像読取り部2とプリンタ本体3とで構成されている。
【0018】
画像読取り部2において、4は原稿台ガラス5上に載置してプラテンカバー6で押圧保持される原稿(不図示)を照明走査する原稿走査ユニット、7aは第1の反射ユニット、8はレンズユニット、7bは第2の反射ユニット、7cは第3の反射ユニットである。
【0019】
プリンタ本体3において、10は画像形成部、11は斜行補正装置、12は搬送ベルト、13は定着器、14は記録紙などのシート材Sを収納した給紙カセット、15は手差しトレイ、16は第1の給紙ローラ、17は第2の給紙ローラ、18a,18bは第1の搬送ローラ対、19a,19bは第2の搬送ローラ対、20a,20bは排紙ローラ対、21は排紙トレイである。画像形成部10は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光体という)22、帯電器(不図示)、現像器(不図示)、転写ローラ23等を備えている。
【0020】
次に、上記した画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
【0021】
まず、スタートボタン(不図示)を押すと原稿走査ユニット4が矢印a方向に移動して、原稿台ガラス5上にセットされている原稿(不図示)を読み取つていく。
【0022】
すなわち、原稿走査ユニット4は、照明ランプ24の光を原稿(不図示)に照射しながら矢印a方向に所定位置まで移動した後、照明ランプ24を消灯した状態で矢印b方向に移動してホームポジションに戻る。
【0023】
原稿走査ユニット4が矢印a方向に移動していくとき、原稿面で反射した光Lは、原稿走査ユニット4の第1の反射ミラー25で反射し、その後第1の反射ユニット7aに備えた第2の反射ミラー26、第3の反射ミラー27で反射し、レンズユニット7を通り、第2の反射ユニット7bに備えた第4の反射ミラー28、第5の反射ミラー29で反射し、さらに第3の反射ユニット7cに備えた第6の反射ミラー30で反射して、感光体22上に投影される。感光体22は、駆動手段(不図示)により回転駆動されており、帯電器(不図示)により帯電処理されている。
【0024】
これにより、感光体22上には順次原稿(不図示)の画像情報に対応した静電潜像が形成され、この静電潜像は現像器(不図示)から供給されるトナーによって現像されて、トナー像として可視化される。そして、感光体22表面のトナー像が感光体22と転写ローラ23間の転写ニップTに到達すると、このタイミングに合わせてシート材Sが給紙カセット14もしくは手差しトレイ15から1枚ずつ繰り出される。
【0025】
この際、給紙カセット14内に積載されたシート材Sは、図示の位置(ホームポジション)から半時計回り方向に1回転して停止する半月状の給紙ローラ16により最上紙から1枚ずつ繰り出され、第1の搬送ローラ対18a,18bにより搬送路31aを通して斜行補正装置11へ向かつて搬送される。
【0026】
また、手差しトレイ15上に積載されているシート材(不図示)は、時計回り方向に回転する給紙ローラ17により最上紙から1枚ずつ繰り出され、搬送路31bを通して斜行補正装置11へ向かつて搬送される。
【0027】
第2の搬送ローラ対19a,19bを備えた本発明に係る斜行補正装置11は、搬送されるシート材Sの斜行を補正する(詳細は後述する)。斜行補正装置11で斜行補正されたシート材Sは、第2の搬送ローラ対19a,19bにより感光体22と転写ローラ23間の転写ニップTに搬送され、バイアス電圧が印加された転写ローラ22によりトナー像が順次転写される。
【0028】
トナー像が転写されたシート材Sは、搬送ベルト12により定着器13に搬送され、定着器13により転写トナー像がシート材S上に加熱および加圧されて永久固着画像として定着されて、排紙ローラ対20を通して排紙トレイ21上に排紙される。
【0029】
次に、斜行補正装置11の構造について詳細に説明する。
【0030】
図2は、本実施の形態に係る斜行補正装置11の斜視図、図3はその縦断面図である。
【0031】
両図に示すように、回転軸40a,40bにそれぞれ設けた第2の搬送ローラ対(図では5対のローラによって構成されている)19a,19bのシート材搬送方向(矢印c方向)下流側には、回転軸40a,40bの長手方向(シート材Sの幅方向)に沿って複数(図では6個)の半円弧状の規制片41を保持したアーム42が配置されており、各規制片41の下部側の先端にはシート材当接部41aがそれぞれ形成されている。各規制片41は、隣接する各第2の搬送ローラ対19a,19bの間及び両側にそれぞれ位置している。また、両端の各規制片41には軸受43a,43bがそれぞれ一体に形成され、回転軸40aに回動自在に支持されている。
【0032】
アーム42の一端側には、バネ掛部42aとストッパ部42bが形成されており、バネ掛部42aとフレーム44に設けた複数(図では3個)のバネ係止片45a,45b,45c(図ではバネ係止片45b)との間に引張りコイルバネ46が引っ掛けられている。フレーム44は回転軸40bの下方に位置しており、各バネ係止片45a,45b,45cはシート材搬送方向に平行で、かつ第2の搬送ローラ対19a,19bのシート材搬送方向上流側に設けられている。
【0033】
アーム42は引張りコイルバネ46のバネ力によって時計回り方向(矢印d方向)に付勢されており、画像形成動作が行われていない斜行補正装置11の待機時には、アーム42のストッパ部42bがフレーム44に設けた突起片47に当接し、各規制片41のシート材当接部41aが、第2の搬送ローラ対19a,19b間のシート材通過経路に対し垂直な状態で、第2の搬送ローラ対19a,19bのニップシート材搬送方向上流側に位置している。引張りコイルバネ46の付勢力は、引張りコイルバネ46の一端側を各バネ係止片45のうちから任意のバネ係止片45a,45b,45cのいずれかに引っ掛けることによって調整可能である。
【0034】
なお、各規制片41は、第2の搬送ローラ対19a,19bのシート材通過経路の中心に対して対称な位置に配置されている。また、規制片41を複数配置したのは、様々な幅を持つシート材Sに対応するためである。
【0035】
次に、斜行補正装置11によるシート材Sの斜行補正動作について説明する。
【0036】
図4に示すように、上記した画像形成動作時にシート材Sが左方向に斜行した状態で矢印c方向に搬送されてくると、まず図の右側の規制片41のシート材当接部41aにシート材Sの搬送方向右側の先端が当接する。
【0037】
この際、規制片41を保持しているアーム42には引張りコイルバネ46が掛けられているので、シート材Sは引張りコイルバネ46の付勢力に抗して規制片41およびアーム42を回動させることはできない。
【0038】
したがって、この状態では、シート材Sは規制片41に当接した部分でその進行を妨げられ、ループを作ることになる。
【0039】
一方、このとき、シート材Sは斜行しているため、図の左側の規制片41のシート当接部41aにはシート材Sは当接するに至っていない。
【0040】
したがって、シート材Sのうち規制片41に当接していない一方側(図の左側)は第の搬送ローラ対1a,1bにより搬送を続けられ、図5に示すように、シート材Sと当接していなかった図の左側の規制片41のシート材当接部41aにもシート材Sが当接する状態に至る。
【0041】
この状態では、シート材Sの両端近傍に設けられた各規制片41のシート材当接部41aが共にシート材Sに当接し、シート材Sが引張りコイルバネ46の付勢力に打ち勝つことにより、すべての規制片41を押す状態になって初めて規制片41およびアーム42は、アーム42の回動中心である第2の搬送ローラ対19aの軸40aを中心とし回動する。
【0042】
この状態では、シート材Sの先端位置は、シート材幅方向両端とも各規制片41のシート材当接部41aに当接した状態なのでシート材搬送方向に対し同位置であり、すなわち斜行が補正された状態である。規制片41およびアーム42が回動すると、シート材Sは障害物がなくなるので再び搬送され、第2の搬送ローラ対19a,19b間のニップに入る。
【0043】
第2の搬送ローラ対19a,19b間のニップに入ったシート材Sは斜行が補正された状態であり、この状態を保ちながらシート材Sは感光体22と転写ローラ23間の転写ニップTへと搬送されていく。
【0044】
ところで、シート材Sが規制片41およびアーム42を回動させる動作はシート材Sのコシにより行われるので、坪量の異なるシート材Sではその挙動が異なる。
【0045】
すなわち、坪量の小さい薄紙のシート材Sでは、規制片41およびアーム42を回動させる力が相対的に小さいため、アーム42を付勢している引張りコイルバネ46をアーム42側に位置しているバネ係止片45aに引っ掛けて、規制片41に対する付勢力を弱くする。規制片41に対する付勢力を弱くすることにより坪量の小さい薄紙の場合でも、規制片41がシート材Sに対し過度の負荷となってシート材S先端を破損したり、ジャムが生じることはない。
【0046】
また、坪量の大きい厚紙のシート材Sでは、規制片41およびアーム42を回動させる力が相対的に大きいため、アーム42を付勢している引張りコイルバネ46をアーム42と反対側に位置しているバネ係止片45cに引っ掛けて、規制片41に対する付勢力を強くする。規制片41に対する付勢力を強くすることにより坪量の大きい厚紙の場合でも、規制片41がシート材Sに対して適切な負荷を与えることが可能となり、シート材Sの斜行を十分に補正することができる。このように本実施の形態では、使用するシート材Sに応じて引張りコイルバネ46の規制片41に対する付勢力を調整することにより、規制片41がシート材Sに対して適切な負荷を与えることができるので、シート材Sの斜行を確実に補正して搬送することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、左方向にシート材Sが斜行している場合に関して説明したが、シート材Sが本実施の形態とは逆方向(右方向)に斜行している場合に関しても同様に斜行補正を行うことができる。
【0048】
また、本実施の形態では、引張りコイルバネ46の付勢力を調整するために、位置をずらして3個のバネ係止片45a,45b,45cを設けた例であったが、用いるシート材Sの坪量に応じてバネ係止片の数を増減して、適切な付勢力が得られる位置に設けたバネ係止片に引張りコイルバネ46を引っ掛けるようにしてもよい。また、上記したように引張りコイルバネ46を適切な位置に設けたバネ係止片に掛け変えるのではなく、1個のバネ係止片を用いてこのバネ係止片を移動可能に設けることにより、バネ係止片の位置を調整して、用いるシート材Sの坪量に応じて適切な付勢力が得られるようにしてもよい。
【0049】
(第2の実施の形態)
図6は、本実施の形態に係る斜行補正装置を示す斜視図である。
【0050】
上記した第1の実施の形態では、アーム42の一端側に形成されたバネ掛部42aとフレーム44に設けたバネ係止片45a,45b,45cとの間に引張りコイルバネ46を引っ掛けた構成であったが、本実施の形態では、アーム42の一端に形成されたバネ掛部42とフレーム44に設けたバネ係止片48との間にねじリコイルバネ49を引っ掛けた構成である。
【0051】
バネ係止片48は、複数(図では3箇所)のバネ係止部48a,48b,48cが形成されており、第2の搬送ローラ対19a,19bの長手方向に沿って配置されている。図では、バネ掛部42とバネ係止片48のバネ係止部48aとの間にねじリコイルバネ49が引っ掛けられており、ねじリコイルバネ49をバネ係止片48のバネ掛部48aに引っ掛けたときにねじリコイルバネ49の付勢力が強くなり、ねじリコイルバネ49をバネ係止片48のバネ係止部48cに引っ掛けたときにねじリコイルバネ49の付勢力が弱くなる。このように、ねじリコイルバネ49の引っ掛ける位置を変えることによって、ねじリコイルバネ49の付勢力を調整することができる。
【0052】
ねじリコイルバネ49は、回転軸40aの外周面上に所定の隙間を設けて巻かれている。他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0053】
本実施の形態では、ねじリコイルバネ49によって第1の実施の形態と同様、アーム42および規制片41は反時計回り方向(矢印d方向)に付勢されることになり、第1の実施の形態に示した動作とまったく同様にして、シート材Sの斜行を補正することができる。
【0054】
すなわち、坪量の小さい薄紙のシート材Sでは、規制片41およびアーム42を回動させる力が相対的に小さいため、アーム42を付勢しているねじりコイルバネ48を回転軸40b側に位置しているバネ係止片48のバネ係止48cに引っ掛けて、規制片41に対する付勢力を弱くする。規制片41に対する付勢力を弱くすることにより坪量の小さい薄紙の場合でも、規制片41がシート材Sに対し過度の負荷となってシート材S先端を破損したり、ジャムが生じることはない。
【0055】
また、坪量の大きい厚紙のシート材Sでは、規制片41およびアーム42を回動させる力が相対的に大きいため、アーム42を付勢しているねじりコイルバネ49を回転軸40bと反対側に位置しているバネ係止片48のバネ係止48aに引っ掛けて、規制片41に対する付勢力を強くする。規制片41に対する付勢力を強くすることにより坪量の大きい厚紙の場合でも、規制片41がシート材Sに対して適切な負荷を与えることが可能となり、シート材Sの斜行を確実に補正することができる。
【0056】
このように本実施の形態においても、使用するシート材Sに応じてねじりコイルバネ49の規制片41に対する付勢力を調整することにより、規制片41がシート材Sに対して適切な負荷を与えることができるので、シート材Sの斜行を補正して搬送することができる。
【0057】
また、本実施の形態では、ねじりコイルバネ49の付勢力を調整するために、バネ係止片48に位置をずらして3箇所にバネ係止部48a,48b,48cを設けた例であったが、用いるシート材Sの坪量に応じてバネ係止部の数を増減して、適切な付勢力が得られる位置に設けたバネ係止部にねじりコイルバネ49を引っ掛けるようにしてもよい。また、上記したようにねじりコイルバネ49を適切な位置に設けたバネ係止片のバネ係止部に掛け変えるのではなく、バネ係止片48の1箇所にバネ係止部を形成して、このバネ係止片48をフレーム44上で移動可能に設けることにより、バネ係止片48の位置を調整して、用いるシート材Sの坪量に応じて適切な付勢力が得られるようにしてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、搬送されるシート材先端が当接される規制片に対して、用いるシート材の坪量に応じて規制片に作用させる付勢手段の付勢力を調整手段で適切に調整することができるので、従来のように電磁クラッチ、もしくはソレノイドとバネクラッチの組み合わせた電気部品等を用いることなく安価で、坪量の異なる様々なシート材に対してシート材の破損やジャムを発生させることなく、確実に斜行を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る斜行補正装置を備えた画像形成装置を示す概略断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る斜行補正装置を示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る斜行補正装置を示す断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る斜行補正装置によるシート材の斜行補正動作を説明する図。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る斜行補正装置による転写材の斜行補正動作を説明する図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る斜行補正装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 画像読取り部
3 プリンタ本体
10 画像形成部
11 斜行補正装置
13 定着器
19a,19b 第2の搬送ローラ対
22 感光体
23 転写ローラ
41 規制片
41a シート材当接部
42 アーム
42a バネ掛部
42b ストッパ部
45a,45b,45c、48 バネ係止片
46 引張りコイルバネ
48a,48b,48c バネ係止部
49 ねじリコイルバネ

Claims (7)

  1. 搬送されるシート材の斜行を補正する斜行補正装置において、
    前記シート材を搬送する一対の回転軸にそれぞれ設けた少なくとも一対の搬送ローラ対と、
    前記搬送ローラ対の近傍に前記搬送ローラ対の長手方向に沿って、シート材搬送方向に回動自在に配置したアームと、
    シート材搬送方向に直交して少なくとも前記搬送ローラ対の両側に位置するようにして前記アームに一体的に複数設けられ、搬送される前記シート材先端が当接されるシート当接部を先端に形成し、該シート当接部前記搬送ローラ対のニップに対してシート材搬送方向上流側に配置された規制片と、
    前記アームと装置のフレームとの間に配置され、前記アームを付勢することにより前記規制片をシート材搬送方向と逆方向に付勢する付勢手段と、
    前記規制片を、前記付勢手段の付勢力に抗して前記搬送ローラ対のニップに対してシート材搬送方向上流側に位置させるために前記アームの回動を規制するストッパと、
    前記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段と、
    を備えたことを特徴とする斜行補正装置。
  2. 前記アームの回動支点が、前記搬送ローラ対の一方の前記回転軸の回転中心とほぼ一致していることを特徴とする請求項1記載の斜行補正装置。
  3. 前記付勢手段前記アームと前記フレームのそれぞれに引っ掛けられた引張りコイルバネであり、
    前記付勢力調整手段は、前記アームの端部側に一端が引っ掛けられた前記引張りコイルバネの他端を変更可能に引っ掛けるために前記フレームに設けた複数のバネ係止片であることを特徴とする請求項1記載の斜行補正装置。
  4. 前記付勢手段は、前記アームと前記フレームのそれぞれに引っ掛けられた引張りコイルバネであり、
    前記付勢力調整手段は、前記アームの端部側に一端が引っ掛けられた前記引張りコイルバネの他端の引っ掛け位置を変更可能にするために前記フレーム上で移動可能に設けたバネ係止片であることを特徴とする請求項1記載の斜行補正装置。
  5. 前記付勢手段前記アームと前記フレームのそれぞれに引っ掛けられたねじりコイルバネであり、
    前記付勢力調整手段は、前記アームの端部側に一端が引っ掛けられた前記ねじりコイルバネの他端を変更可能に引っ掛けるために前記フレームに設けた複数のバネ係止片であることを特徴とする請求項1記載の斜行補正装置。
  6. 前記付勢手段は、前記アームと前記フレームのそれぞれに引っ掛けられたねじりコイルバネであり、
    前記付勢力調整手段は、前記アームの端部側に一端が引っ掛けられた前記ねじりコイルバネの他端の引っ掛け位置を変更可能にするために前記フレーム上で移動可能に設けたバネ係止片であることを特徴とする請求項1記載の斜行補正装置。
  7. シート材に画像を形成する画像形成部と、前記シート材の斜行を補正して前記画像形成部へ搬送する請求項1乃至のいずれか1項記載の斜行補正装置と、を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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