JP3552261B2 - コンバインの車体昇降制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、コンバインの車体昇降制御装置に関し、地面及び車体に対する刈取装置の上下位置を各別に検出するセンサ類を有すると共に、走行クローラに対し車体を昇降させうるもの等に利用できる。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
従来から、地面に対して刈取装置の刈り高さを、超音波等による刈高センサの検出によって調節する刈高制御を行うものや、車体に対して刈取装置の上下位置を、回動角度等による刈高ポジションセンサの検出によって調節する上下制御を行うもの、また、湿田等の軟弱な地面において車体に対して走行クローラの上下位置を、沈下量センサの検出によって調節する昇降制御を行うもの等がある。これらの各調節制御装置は各々単独で作用するものが一般的であり、刈高センサは刈り高さを常に一定に保持するようなときに使用し、刈高ポジションセンサは刈取装置を一定位置まで自動的に下降させるようなときに使用し、沈下量センサは車体の沈下を防止するようなときに使用するものである。
【0003】
しかし、このように湿田において車体の昇降制御を行うような場合、刈取装置の刈り高さも変化するので、この車体の昇降制御に合致させて刈取装置の刈高制御を行う必要があるが、これらの調節制御が各別に行われるため車体の昇降制御に刈取装置の刈高制御が追従できずに刈り高さが安定せず、最悪の場合は刈取装置が土中に突っ込んで刈取性能が阻害される恐れがある。
【0004】
また、条端の枕時において旋回を行い、この旋回終了後の刈取開始時においては、車高と刈高さは、再び、センサで実測検出してから再調整を行うので、車高と刈高さ調整に遅れが生じて、高精度の作業ができないという欠点があった。
そこでこの発明は、刈高センサと刈高ポジションセンサの各検出値を組み合わせて演算を行い、この演算結果の判定により車体の昇降制御を行わせるようにするものである。また、旋回終了後の刈取開始時において、車高と刈高さを速やかに設定して、高精度の作業を行うようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、刈取装置1の地面に対する上下位置を検出する刈高センサ2と、車体3に対する上下位置を検出する刈高ポジションセンサ4と、走行クローラ5に対し車体3を昇降させる昇降制御装置6とを有するコンバインにおいて、刈高センサ2における検出値が一定値以下で、走行クローラ5の沈下による刈高ポジションセンサ4の検出値が一定値より高位置にあるときは、走行クローラ5に対し車体3を上昇させるように構成し、さらに、立毛穀稈条列の刈取時に条端の枕 時において旋回を行い、この旋回終了と共に条合わせを行う際において、前記刈取装置1の刈取穀稈を搬送する供給搬送部16に設ける穀稈センサ21が、搬送中の穀稈が無くなったことを検出すると、車高及び刈り高さを前記昇降制御装置6にデータ(A)として記憶し、この記憶終了により車体3及び刈取装置1を上昇させた状態で旋回を行い、この旋回により次の穀稈条列に条合わせを行い、この条合わせの終了により、オペレータによるパワステレバー33の前側傾斜操作によって刈取装置1を下降させ、この刈取装置1の下降開始により、車高及び刈り高さを、前記昇降制御装置6に記憶している車高及び刈り高さの条端における刈取終了時のデータ(A)に基づいて元の位置へ復帰させるように構成したことを特徴とするコンバインの車体昇降制御装置の構成とする。
【0006】
【作用、および発明の効果】
湿田等における軟弱な地面において、車体3に対する刈取装置1の上下位置を刈高ポジションセンサ4によって検出した検出値から、地面に対する刈取装置1の刈り高さを刈高センサ2により検出した検出値を差し引いた値と、予め設定されている車体3の沈下量の一定値との比較判定を行い、この判定結果が沈下量の一定値より大きいときは、車体3が沈下していると判定して昇降制御装置6により走行クローラ5を下降させ相対的に車体3を上昇させる。
【0007】
立毛穀稈条列の刈取時に条端の枕時において旋回を行い、この旋回終了と共に条合わせを行う際、刈取装置1の刈取穀稈を搬送する供給搬送部16に設ける穀稈センサ21が、搬送中の穀稈が無くなったことを検出すると、車高及び刈り高さを前記昇降制御装置6にデータ(A)として記憶する。この記憶終了により車体3及び刈取装置1を上昇させた状態で旋回を行い、この旋回により次の穀稈条列に条合わせを行う。この条合わせの終了により、オペレータによるパワステレバー33の前側傾斜操作によって刈取装置1を下降させ、この刈取装置1の下降開始により、車高及び刈り高さを、前記昇降制御装置6に記憶している車高及び刈り高さの条端における刈取終了時のデータ(A)に基づいて元の位置へ復帰させる。
【0008】
このように、刈高センサ2により検出した地面に対する刈取装置1の刈り高さの検出値と、刈高ポジションセンサ4により検出した車体3に対する刈取装置1の上下位置の検出値とから、昇降制御装置6により車体3の沈下量を判定して車体3を上昇させる昇降制御を行うことによって、車体3の沈下による走行抵抗を低減して馬力ロスを防ぐことができる。また、従来の如く、各調節制御を単独で行っているときと違って、刈取装置1の上下位置の検出によって車体3を昇降させるので、車体3の昇降に対して刈取装置1の上下調節が遅れることがないと共に、地面の局部的な変化に対しても不必要に車体3を昇降させることがなく、一定した刈り高さを保持して安定した刈取性能により高能率・高精度の作業を行うことができる。なお、車体3の昇降制御の際に沈下量センサを必要としないので部品が節約できると共に、その制御回路についても簡素化することができる。
【0009】
また、旋回終了後の刈取開始時には前回の車高と刈り高さを復元させることによって、高精度の作業により作業性の向上を図ることができる。
【0010】
【実施例】
以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
コンバインの車台7の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クロ−ラ5を有する走行装置8を配設し、該車台7上にフィ−ドチェン9に挾持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時収納するグレンタンク10を備えた脱穀装置11を設ける。この脱穀装置11の前方側に前端位置から立毛穀稈を分草する分草体12と、分草された穀稈を引起す引起部13と、引起された穀稈を刈取る刈刃部14と、この刈取られた穀稈を後方へ搬送して該フィ−ドチェン9へ受渡しする掻込搬送部15および供給搬送部16を有する刈取装置1を、車台7の前端部へ懸架部17によって懸架支持すると共に、油圧駆動によって刈取装置1を土壌面に対して自在に昇降させる昇降シリンダ18を連結して設ける。刈取装置1の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置19と、この操作のための操作席20とを設け、これらの刈取装置1、走行装置8、脱穀装置11、操作装置19等によってコンバインの車体3を構成する。
【0011】
該刈取装置1の分草体12の後方に、超音波を地面に向けて発射しその反射波を受けて地面との距離つまり刈り高さを検出する刈高センサ2と、該懸架部17の適宜位置にポテンショメータ等によりその上下回動角度つまり車体3に対する刈取装置1の上下位置を検出する刈高ポジションセンサ4と、該供給搬送部16の適宜位置に搬送中の穀稈の有無を検出する穀稈センサ21とを各々配設する。
【0012】
該車台7の左右側前後位置に各々設けた支持板22に、左右の前リンクアーム23と左右の後リンクアーム24をその各支点部を回動自在に支持する支点軸23a、24aによって軸支し、この両リンクアーム23,24の各下端部を前後に長いクローラフレーム25に各々連結し、この両リンクアーム23,24の上下回動により左右のクローラフレーム25を車台7に対し平行状態で昇降させる。この左右のクローラフレーム25に適宜間隔で配置された中間転輪26及び調整アーム27aに支持される端部転輪27と、車台3の前端部に装着された走行用ミッションケース28の終段から左右側に突設された駆動スプロケット29との間に亘って前記左右の走行クローラ5を巻掛け張設する。
【0013】
該両リンクアーム23,24の各上端部を連結ロッド30によりピン連結すると共に、この連結ロッド30の後端部に、両リンクアーム23,24を上下回動させる左右の昇降シリンダ31のピストン31aの先端部を連結し、この昇降シリンダ31を車台7に固定させる。後リンクアーム23の支点軸23aに、走行クローラ5の昇降量を該アーム23の回動角度によって検出するポテンショメータ等からなる車高ポジションセンサ32を係合配設する。
【0014】
前記操作装置19の一側に、前後操作によって刈取装置1の上下調節を行うと共に、左右操作によって車体3の進行方向の操向制御を行うパワステレバー33を設け、このパワステレバー33に、該レバー33の前側操作つまり刈取装置1の下降操作によって接点をONさせる刈り高さの上下調節制御を行う刈高制御スイッチ34と、車体3の昇降制御を行う車高制御スイッチ35とを各々係合配設する。
【0015】
CPUを主体として演算制御を行う昇降制御装置6の入力側へ、刈高センサ2と、刈高ポジションセンサ4と、穀稈センサ21と、車高ポジションセンサ32と、刈高制御スイッチ34と、車高制御スイッチ35とを各々接続すると共に、出力側へ、刈取装置1を上下回動により昇降させる昇降シリンダ18の作動を行う刈高電磁弁36と、走行クローラ5を車体3に対して昇降させる昇降シリンダ31の作動を行う車高電磁弁37とを各々接続させて設ける。
【0016】
次に、以上の構成による作用について説明する。
刈取装置1の分草体12を地面に近接させて刈刃部14により立毛穀稈の刈り取りを行うコンバイン作業において、この刈り取り時に、図3のフローチャートに示すように、車体3に対する刈取装置1の上下位置を刈高ポジションセンサ4により検出すると共に、地面に対する刈取装置1の刈り高さを刈高センサ2によって検出し、この刈高センサ2の検出値(H2)が、予め昇降制御装置6に設定されている刈り高さの一定値(例えば普通作業時の標準的な刈り高さ)以下の場合、この刈高センサ2の検出値(H2)相当分を刈高ポジションセンサ4の検出値(H1)から差し引いた値(D1)を、地面に対する車体3の沈下量として、予め昇降制御装置6に設定されている車体3の沈下量の一定値(D0)との比較判定を行う。
【0017】
この判定結果が沈下量の一定値(D0)より大きいときは、湿田等により車体3が沈下していると判定し、昇降制御装置6による車高電磁弁37と昇降シリンダ31の作動により走行クローラ5を下降させ、刈り高さを刈高センサ2により一定値に保持させながら、刈高ポジションセンサ4の検出によって車体3を沈下量の一定値(D0)まで上昇させることにより、湿田等の軟弱な地面に対する車体3の沈下を防止して、泥押し等の走行抵抗による馬力ロスを低減して高能率,高精度の作業を行うことができる。
【0018】
また、立毛穀稈条列の刈り取り時に、軟弱な地面の枕地等において車体3の進行方向を変える旋回を行う場合、図4のフローチャートに示すように、刈取装置1の刈取穀稈を搬送する供給搬送部16に設けた穀稈センサ21が、該搬送部16に搬送中の穀稈が無いことを検出したときは、昇降制御装置6による車高電磁弁37と昇降シリンダ31の作動によって、予め設定された位置まで、車高ポジションセンサ32の検出により自動的に走行クローラ5を下降させることによって、前記の如く泥押し等の走行抵抗による馬力ロスを低減して、高能率の作業を行うことができる。
【0019】
また、立毛穀稈条列の刈り取り時に、条端の枕地等において旋回を行い、この旋回終了と共に条合わせを行う際に、図5のフローチャートに示すように、該供給搬送部16に設けた穀稈センサ21が搬送中の穀稈が無いことを検出したときは、この刈り取り状態による車高及び刈り高さを昇降制御装置6にデータ(A)として記憶させ、この記憶終了により車体3及び刈取装置1を上昇させた状態で旋回を行う。
【0020】
この旋回により次の穀稈条列に条合わせを行い、この条合わせの終了により、オペレータによるパワステレバー33の前側傾斜操作によって刈取装置1を下降させ、この下降により車高制御スイッチ35と刈高制御スイッチ34とがONとなって、この両スイッチ35,34のONにより、昇降制御装置6によって車高及び刈り高さを、前記条端における刈取終了時のデータ(A)に基づいた元の位置へ復帰させる。
【0021】
これらの作用により、軟弱な地面の湿田等において、旋回時は車高を上昇させて泥押し等の走行抵抗による馬力ロスを低減して、高能率の作業を行わせると共に、旋回終了後の刈取開始時には前回の車高と刈り高さを復元させることによって、高精度の作業により作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体を示す側面図。
【図2】走行装置及び刈取装置関係の制御回路を示すブロック図。
【図3】走行装置関係の制御手順を示すフローチャート。
【図4】走行装置関係の制御手順を示すフローチャート。
【図5】走行装置及び刈取装置関係の制御手順を示すフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1…刈取装置、2…刈高センサ、3…車体、4…刈高ポジションセンサ、5…走行クローラ、6…昇降制御装置、16…供給搬送部、21…穀稈センサ、33…パワステレバー、A…データ。
【産業上の利用分野】
この発明は、コンバインの車体昇降制御装置に関し、地面及び車体に対する刈取装置の上下位置を各別に検出するセンサ類を有すると共に、走行クローラに対し車体を昇降させうるもの等に利用できる。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
従来から、地面に対して刈取装置の刈り高さを、超音波等による刈高センサの検出によって調節する刈高制御を行うものや、車体に対して刈取装置の上下位置を、回動角度等による刈高ポジションセンサの検出によって調節する上下制御を行うもの、また、湿田等の軟弱な地面において車体に対して走行クローラの上下位置を、沈下量センサの検出によって調節する昇降制御を行うもの等がある。これらの各調節制御装置は各々単独で作用するものが一般的であり、刈高センサは刈り高さを常に一定に保持するようなときに使用し、刈高ポジションセンサは刈取装置を一定位置まで自動的に下降させるようなときに使用し、沈下量センサは車体の沈下を防止するようなときに使用するものである。
【0003】
しかし、このように湿田において車体の昇降制御を行うような場合、刈取装置の刈り高さも変化するので、この車体の昇降制御に合致させて刈取装置の刈高制御を行う必要があるが、これらの調節制御が各別に行われるため車体の昇降制御に刈取装置の刈高制御が追従できずに刈り高さが安定せず、最悪の場合は刈取装置が土中に突っ込んで刈取性能が阻害される恐れがある。
【0004】
また、条端の枕時において旋回を行い、この旋回終了後の刈取開始時においては、車高と刈高さは、再び、センサで実測検出してから再調整を行うので、車高と刈高さ調整に遅れが生じて、高精度の作業ができないという欠点があった。
そこでこの発明は、刈高センサと刈高ポジションセンサの各検出値を組み合わせて演算を行い、この演算結果の判定により車体の昇降制御を行わせるようにするものである。また、旋回終了後の刈取開始時において、車高と刈高さを速やかに設定して、高精度の作業を行うようにするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、刈取装置1の地面に対する上下位置を検出する刈高センサ2と、車体3に対する上下位置を検出する刈高ポジションセンサ4と、走行クローラ5に対し車体3を昇降させる昇降制御装置6とを有するコンバインにおいて、刈高センサ2における検出値が一定値以下で、走行クローラ5の沈下による刈高ポジションセンサ4の検出値が一定値より高位置にあるときは、走行クローラ5に対し車体3を上昇させるように構成し、さらに、立毛穀稈条列の刈取時に条端の枕 時において旋回を行い、この旋回終了と共に条合わせを行う際において、前記刈取装置1の刈取穀稈を搬送する供給搬送部16に設ける穀稈センサ21が、搬送中の穀稈が無くなったことを検出すると、車高及び刈り高さを前記昇降制御装置6にデータ(A)として記憶し、この記憶終了により車体3及び刈取装置1を上昇させた状態で旋回を行い、この旋回により次の穀稈条列に条合わせを行い、この条合わせの終了により、オペレータによるパワステレバー33の前側傾斜操作によって刈取装置1を下降させ、この刈取装置1の下降開始により、車高及び刈り高さを、前記昇降制御装置6に記憶している車高及び刈り高さの条端における刈取終了時のデータ(A)に基づいて元の位置へ復帰させるように構成したことを特徴とするコンバインの車体昇降制御装置の構成とする。
【0006】
【作用、および発明の効果】
湿田等における軟弱な地面において、車体3に対する刈取装置1の上下位置を刈高ポジションセンサ4によって検出した検出値から、地面に対する刈取装置1の刈り高さを刈高センサ2により検出した検出値を差し引いた値と、予め設定されている車体3の沈下量の一定値との比較判定を行い、この判定結果が沈下量の一定値より大きいときは、車体3が沈下していると判定して昇降制御装置6により走行クローラ5を下降させ相対的に車体3を上昇させる。
【0007】
立毛穀稈条列の刈取時に条端の枕時において旋回を行い、この旋回終了と共に条合わせを行う際、刈取装置1の刈取穀稈を搬送する供給搬送部16に設ける穀稈センサ21が、搬送中の穀稈が無くなったことを検出すると、車高及び刈り高さを前記昇降制御装置6にデータ(A)として記憶する。この記憶終了により車体3及び刈取装置1を上昇させた状態で旋回を行い、この旋回により次の穀稈条列に条合わせを行う。この条合わせの終了により、オペレータによるパワステレバー33の前側傾斜操作によって刈取装置1を下降させ、この刈取装置1の下降開始により、車高及び刈り高さを、前記昇降制御装置6に記憶している車高及び刈り高さの条端における刈取終了時のデータ(A)に基づいて元の位置へ復帰させる。
【0008】
このように、刈高センサ2により検出した地面に対する刈取装置1の刈り高さの検出値と、刈高ポジションセンサ4により検出した車体3に対する刈取装置1の上下位置の検出値とから、昇降制御装置6により車体3の沈下量を判定して車体3を上昇させる昇降制御を行うことによって、車体3の沈下による走行抵抗を低減して馬力ロスを防ぐことができる。また、従来の如く、各調節制御を単独で行っているときと違って、刈取装置1の上下位置の検出によって車体3を昇降させるので、車体3の昇降に対して刈取装置1の上下調節が遅れることがないと共に、地面の局部的な変化に対しても不必要に車体3を昇降させることがなく、一定した刈り高さを保持して安定した刈取性能により高能率・高精度の作業を行うことができる。なお、車体3の昇降制御の際に沈下量センサを必要としないので部品が節約できると共に、その制御回路についても簡素化することができる。
【0009】
また、旋回終了後の刈取開始時には前回の車高と刈り高さを復元させることによって、高精度の作業により作業性の向上を図ることができる。
【0010】
【実施例】
以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
コンバインの車台7の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クロ−ラ5を有する走行装置8を配設し、該車台7上にフィ−ドチェン9に挾持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時収納するグレンタンク10を備えた脱穀装置11を設ける。この脱穀装置11の前方側に前端位置から立毛穀稈を分草する分草体12と、分草された穀稈を引起す引起部13と、引起された穀稈を刈取る刈刃部14と、この刈取られた穀稈を後方へ搬送して該フィ−ドチェン9へ受渡しする掻込搬送部15および供給搬送部16を有する刈取装置1を、車台7の前端部へ懸架部17によって懸架支持すると共に、油圧駆動によって刈取装置1を土壌面に対して自在に昇降させる昇降シリンダ18を連結して設ける。刈取装置1の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置19と、この操作のための操作席20とを設け、これらの刈取装置1、走行装置8、脱穀装置11、操作装置19等によってコンバインの車体3を構成する。
【0011】
該刈取装置1の分草体12の後方に、超音波を地面に向けて発射しその反射波を受けて地面との距離つまり刈り高さを検出する刈高センサ2と、該懸架部17の適宜位置にポテンショメータ等によりその上下回動角度つまり車体3に対する刈取装置1の上下位置を検出する刈高ポジションセンサ4と、該供給搬送部16の適宜位置に搬送中の穀稈の有無を検出する穀稈センサ21とを各々配設する。
【0012】
該車台7の左右側前後位置に各々設けた支持板22に、左右の前リンクアーム23と左右の後リンクアーム24をその各支点部を回動自在に支持する支点軸23a、24aによって軸支し、この両リンクアーム23,24の各下端部を前後に長いクローラフレーム25に各々連結し、この両リンクアーム23,24の上下回動により左右のクローラフレーム25を車台7に対し平行状態で昇降させる。この左右のクローラフレーム25に適宜間隔で配置された中間転輪26及び調整アーム27aに支持される端部転輪27と、車台3の前端部に装着された走行用ミッションケース28の終段から左右側に突設された駆動スプロケット29との間に亘って前記左右の走行クローラ5を巻掛け張設する。
【0013】
該両リンクアーム23,24の各上端部を連結ロッド30によりピン連結すると共に、この連結ロッド30の後端部に、両リンクアーム23,24を上下回動させる左右の昇降シリンダ31のピストン31aの先端部を連結し、この昇降シリンダ31を車台7に固定させる。後リンクアーム23の支点軸23aに、走行クローラ5の昇降量を該アーム23の回動角度によって検出するポテンショメータ等からなる車高ポジションセンサ32を係合配設する。
【0014】
前記操作装置19の一側に、前後操作によって刈取装置1の上下調節を行うと共に、左右操作によって車体3の進行方向の操向制御を行うパワステレバー33を設け、このパワステレバー33に、該レバー33の前側操作つまり刈取装置1の下降操作によって接点をONさせる刈り高さの上下調節制御を行う刈高制御スイッチ34と、車体3の昇降制御を行う車高制御スイッチ35とを各々係合配設する。
【0015】
CPUを主体として演算制御を行う昇降制御装置6の入力側へ、刈高センサ2と、刈高ポジションセンサ4と、穀稈センサ21と、車高ポジションセンサ32と、刈高制御スイッチ34と、車高制御スイッチ35とを各々接続すると共に、出力側へ、刈取装置1を上下回動により昇降させる昇降シリンダ18の作動を行う刈高電磁弁36と、走行クローラ5を車体3に対して昇降させる昇降シリンダ31の作動を行う車高電磁弁37とを各々接続させて設ける。
【0016】
次に、以上の構成による作用について説明する。
刈取装置1の分草体12を地面に近接させて刈刃部14により立毛穀稈の刈り取りを行うコンバイン作業において、この刈り取り時に、図3のフローチャートに示すように、車体3に対する刈取装置1の上下位置を刈高ポジションセンサ4により検出すると共に、地面に対する刈取装置1の刈り高さを刈高センサ2によって検出し、この刈高センサ2の検出値(H2)が、予め昇降制御装置6に設定されている刈り高さの一定値(例えば普通作業時の標準的な刈り高さ)以下の場合、この刈高センサ2の検出値(H2)相当分を刈高ポジションセンサ4の検出値(H1)から差し引いた値(D1)を、地面に対する車体3の沈下量として、予め昇降制御装置6に設定されている車体3の沈下量の一定値(D0)との比較判定を行う。
【0017】
この判定結果が沈下量の一定値(D0)より大きいときは、湿田等により車体3が沈下していると判定し、昇降制御装置6による車高電磁弁37と昇降シリンダ31の作動により走行クローラ5を下降させ、刈り高さを刈高センサ2により一定値に保持させながら、刈高ポジションセンサ4の検出によって車体3を沈下量の一定値(D0)まで上昇させることにより、湿田等の軟弱な地面に対する車体3の沈下を防止して、泥押し等の走行抵抗による馬力ロスを低減して高能率,高精度の作業を行うことができる。
【0018】
また、立毛穀稈条列の刈り取り時に、軟弱な地面の枕地等において車体3の進行方向を変える旋回を行う場合、図4のフローチャートに示すように、刈取装置1の刈取穀稈を搬送する供給搬送部16に設けた穀稈センサ21が、該搬送部16に搬送中の穀稈が無いことを検出したときは、昇降制御装置6による車高電磁弁37と昇降シリンダ31の作動によって、予め設定された位置まで、車高ポジションセンサ32の検出により自動的に走行クローラ5を下降させることによって、前記の如く泥押し等の走行抵抗による馬力ロスを低減して、高能率の作業を行うことができる。
【0019】
また、立毛穀稈条列の刈り取り時に、条端の枕地等において旋回を行い、この旋回終了と共に条合わせを行う際に、図5のフローチャートに示すように、該供給搬送部16に設けた穀稈センサ21が搬送中の穀稈が無いことを検出したときは、この刈り取り状態による車高及び刈り高さを昇降制御装置6にデータ(A)として記憶させ、この記憶終了により車体3及び刈取装置1を上昇させた状態で旋回を行う。
【0020】
この旋回により次の穀稈条列に条合わせを行い、この条合わせの終了により、オペレータによるパワステレバー33の前側傾斜操作によって刈取装置1を下降させ、この下降により車高制御スイッチ35と刈高制御スイッチ34とがONとなって、この両スイッチ35,34のONにより、昇降制御装置6によって車高及び刈り高さを、前記条端における刈取終了時のデータ(A)に基づいた元の位置へ復帰させる。
【0021】
これらの作用により、軟弱な地面の湿田等において、旋回時は車高を上昇させて泥押し等の走行抵抗による馬力ロスを低減して、高能率の作業を行わせると共に、旋回終了後の刈取開始時には前回の車高と刈り高さを復元させることによって、高精度の作業により作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体を示す側面図。
【図2】走行装置及び刈取装置関係の制御回路を示すブロック図。
【図3】走行装置関係の制御手順を示すフローチャート。
【図4】走行装置関係の制御手順を示すフローチャート。
【図5】走行装置及び刈取装置関係の制御手順を示すフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1…刈取装置、2…刈高センサ、3…車体、4…刈高ポジションセンサ、5…走行クローラ、6…昇降制御装置、16…供給搬送部、21…穀稈センサ、33…パワステレバー、A…データ。
Claims (1)
- 刈取装置1の地面に対する上下位置を検出する刈高センサ2と、車体3に対する上下位置を検出する刈高ポジションセンサ4と、走行クローラ5に対し車体3を昇降させる昇降制御装置6とを有するコンバインにおいて、刈高センサ2における検出値が一定値以下で、走行クローラ5の沈下による刈高ポジションセンサ4の検出値が一定値より高位置にあるときは、走行クローラ5に対し車体3を上昇させるように構成し、さらに、立毛穀稈条列の刈取時に条端の枕時において旋回を行い、この旋回終了と共に条合わせを行う際において、前記刈取装置1の刈取穀稈を搬送する供給搬送部16に設ける穀稈センサ21が、搬送中の穀稈が無くなったことを検出すると、車高及び刈り高さを前記昇降制御装置6にデータ(A)として記憶し、この記憶終了により車体3及び刈取装置1を上昇させた状態で旋回を行い、この旋回により次の穀稈条列に条合わせを行い、この条合わせの終了により、オペレータによるパワステレバー33の前側傾斜操作によって刈取装置1を下降させ、この刈取装置1の下降開始により、車高及び刈り高さを、前記昇降制御装置6に記憶している車高及び刈り高さの条端における刈取終了時のデータ(A)に基づいて元の位置へ復帰させるように構成したことを特徴とするコンバインの車体昇降制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01371094A JP3552261B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | コンバインの車体昇降制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01371094A JP3552261B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | コンバインの車体昇降制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07213143A JPH07213143A (ja) | 1995-08-15 |
JP3552261B2 true JP3552261B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=11840796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01371094A Expired - Lifetime JP3552261B2 (ja) | 1994-02-07 | 1994-02-07 | コンバインの車体昇降制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3552261B2 (ja) |
-
1994
- 1994-02-07 JP JP01371094A patent/JP3552261B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07213143A (ja) | 1995-08-15 |
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