JP3551734B2 - 硫酸/過酸化物混合液の利用方法 - Google Patents

硫酸/過酸化物混合液の利用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硫酸/過酸化物混合液の利用方法に関し、特に、使用済みの硫酸/過酸化物混合液廃液の再利用方法として好適に利用できる硫酸/過酸化物混合液の利用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、硫酸/過酸化物混合液は、硫酸/過酸化水素水や、硫酸/オゾン混合液などの形で、主に半導体の製造工程で、半導体ウエーハの洗浄液として、多量に使用されている。
【0003】
このような硫酸/過酸化物混合液は、ウエーハ上のフォトレジストの剥離や、金属、特に重金属、パーティクルの除去を主な目的として使用されている代表的な洗浄液である。これは、他の洗浄液、たとえばアンモニア/過酸化水素水、塩酸/過酸化水素水、希フッ酸等に比べて、その使用量は圧倒的に多い。
【0004】
そのため、使用後は多量の廃液が発生することになるが、この混合液廃液は、これを処理する上で、以下に示すような問題点を有していた。
(1)水と混合すると、激しく発熱する(硫酸の水和熱による問題点)。
(2)酸化力の強いペルオキソ硫酸(カロー酸)が残留している。
(3)過酸化水素水が残留しており、衝撃や不純物混入により急激な発泡(酸素の発生)が生じるおそれがある。
【0005】
以上に示した、発熱や、発泡による圧力の急激な上昇、また、設備の酸化劣化等の問題があるため、安全面や、メンテナンスの観点から、同廃液を直接運搬輸送して硫酸に精製することは、非常に難しいものと考えられていた。このため、同廃液は、多量の水で希釈・冷却された後、消石灰等のアルカリで中和処理され、次に凝集(たとえば無機凝集剤により凝集させ、さらに高分子凝集剤により凝集させることなど)による浄化処理を行った後に、排水として放流されるのが一般的であった。
【0006】
この際に使用される水や凝集剤等薬剤の使用量は、もとの硫酸/過酸化物混合廃液に対して最終的に数十倍から数百倍にもなるため、処理コスト、つまり設備及び同維持費、薬品経費、汚泥の処分費等が高くなり、これは当然のこととしても、廃棄物の発生量が極度に増加してしまうと言う問題点も有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来は、硫酸/過酸化物混合液は、使用後廃液になると処理して放流する以外に手段はなく、再利用はできないものと考えられてきた。
【0008】
本発明者は、硫酸/過酸化物混合液の廃液の廃棄が上述したように様々な問題点を有していることに鑑み、同廃液を再利用して、有効に活用し、かつ、廃棄に伴う問題を抑制可能な技術の開発を試みた。本発明はこの研究の途上でなされたもので、本発明の目的は、硫酸/過酸化物混合液、たとえばその廃液の利用の手法を開発し、同廃液を再利用して有効に活用でき、廃棄に伴う問題を抑制した硫酸/過酸化物混合液の利用方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る硫酸/過酸化物混合液の利用方法は、硫酸/過酸化物混合液に、硝酸、発煙硝酸、二酸化窒素、硝酸塩化合物、塩酸のうちの1種類以上を添加し、該混合液中の過酸化物を分解させることにより、該混合液を硫酸として利用することを特徴とするものである。
【0010】
この発明によれば、硫酸/過酸化物混合液に、硝酸、発煙硝酸、二酸化窒素、硝酸塩化合物、塩酸のうちの1種類以上を添加し、該混合液中の過酸化物を分解させることにより、該混合液を硫酸として利用するので、たとえばこの手法を硫酸/過酸化物混合液の廃液に適用すれば、これを有効に再利用することができる。これにより、同廃液を再利用して有効に活用でき、廃棄に伴う問題を抑制することが可能となる。本発明は、このように硫酸/過酸化物が成分として残存している同混合液の廃液に有効な手法であるが、廃液でない場合も、もちろん、硫酸/過酸化物混合液自体の利用方法としても、これを硫酸としての作用で使用したい場合などに、採用できる。
【0011】
本発明は、次のような本発明者により得られた知見に基づいて、なされたものである。すなわち、本発明者は、上述した課題を克服せんものと鋭意研究を重ねた結果、硫酸/過酸化物混合廃液、たとえば主に半導体製造工程より発生する所定濃度の硫酸/過酸化物混合廃液に、硝酸等の分解促進剤を添加することで、同廃液を再生硫酸として利用できることを見出し、この知見により、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明し、また、本発明の好ましい実施の形態の具体例について、図面を参照して説明する。但し当然のことではあるが、本発明は図示実施の形態例に限定されるものではない。
【0013】
本発明は、硫酸/過酸化物混合液中の過酸化物を分解させることにより、該混合液を硫酸として利用するものであり、この硫酸/過酸化物混合液が、各種用途で使用済みの廃液である同混合液であって、その再利用法である場合に、とりわけ、有効に利用できる。従来は廃棄に伴い多くの問題点を有していたのが、その問題点を抑制できるからである。
【0014】
本発明において、硫酸/過酸化物混合液中の硫酸の濃度が、70重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、80重量%以上であることである。70重量%未満であると、分解促進剤(具体的には後述)を添加しても、過酸化物の分解が生じにくいからである。
【0015】
本発明において、利用する硫酸/過酸化物混合液は、いかなる用途に使用されたものでもよい。一般には、各種洗浄工程で使用されたもの、たとえば電気分野の各種部品や製品の洗浄液として使用されたもの、特に、半導体の製造工程で、レジスト剥離や、その他各種洗浄液として利用されたものが望ましい。半導体の製造工程で使用される硫酸/過酸化物混合液の廃液は、通常、該混合液中の硫酸濃度が70重量%以上になっているからである。
【0016】
硫酸/過酸化物混合液中の過酸化物としては、過酸化水素、オゾン、ペルオキソ硫酸(カロー酸)を挙げることができる。ただし、ペルオキソ硫酸は、硫酸に過酸化水素水やオゾンガスを注入することで発生させるのが一般的である。
【0017】
硫酸/過酸化物混合液中の該過酸化物の濃度は特に限定はない。通常では好ましくは、0.001ppm〜20重量%が適当であり、より好ましくは、0.01ppm〜10重量%が適当である。なお、混合液中に、硫酸及び過酸化物以外の成分(水、無機酸、界面活性剤、分解安定剤等)が、複数含有されていても、特に問題はない。ただし、かかる第3成分の含有量の累計は、30重量%以内であることが好ましい。これより多くなると、該混合液中の過酸化物の分解が阻害されるおそれがあるからである。
【0018】
硫酸/過酸化物混合液の過酸化物の分解の際の温度は、特に限定はない。たとえば、硫酸/過酸化物混合液の通常の使用温度である0〜180℃の範囲で、特に問題ない。なお、通常、混合液温度が高いほど、分解処理時の過酸化物の分解(発泡)速度は速くなる。
【0019】
硫酸/過酸化物混合液の過酸化物の分解の分解促進剤として、硝酸、発煙硝酸、二酸化窒素、硝酸塩化合物、塩酸のうちの1種類以上を該硫酸/過酸化物混合液に添加することは、好ましい態様である。なお、これらのものの濃度は、特に限定はない。また、これらの薬品は、使用前のものでも、使用済み品のものでも、どちらであってもよい。資源の有効利用の観点からは、使用済みのものを使用するのが望ましい。なお、半導体の製造工程では、ウエーハ洗浄液として、上記分解促進剤として機能する薬剤の一部が使用されているので、これらの廃液を分解促進剤として用いることは、同観点から、より望ましい。硫酸/過酸化物混合液への分解促進剤の添加量は、過酸化物の種類や濃度、液温度により、適宜に定めるべきものである。概ね、その添加量としては、0.001ppm〜10重量%(対混合液重量)が好ましく、より好ましくは、0.01ppm〜5重量%である。分解促進剤を添加する際に、該混合液が十分攪拌されていると拡散が容易となるため、分解速度の増加や、添加量の低減が可能となる。
【0020】
上記の分解反応は、該混合液のユースポイント(たとえば半導体製造工程のウエーハ洗浄槽内等の使用位置)で行ってもよいし、または、この分解反応専用の装置にて処理してもよい。なお、この分解反応では、多量のガス(主に酸素ガス)が発生し、分解熱が発生するのが通例であるので、専用の分解処理装置を用いる場合には、分解熱冷却のための攪拌機能、クーラー機能や、発泡ガスによる液面上昇や圧力上昇に対する対策(たとえば、耐圧構造、もしくは圧力開放ラインの設置等)が施されていることが望ましい。
【0021】
より効果的に分解を行うには、該混合液を攪拌した状態で、分解促進剤を滴下注入するとよい。この分解反応は一般に非常に急速であり、分解促進剤を一どきに注入すると、発泡や発熱反応のコントロールが難しくなる傾向が大きい。
【0022】
以上述べたような処理を行うことにより、硫酸/過酸化物混合液中の過酸化物の分解が、短時間に完結されることになり、その処理後の液は、硫酸として再利用することが可能となる。たとえば、強酸として、あるいはスルホン化剤として利用することができる。たとえば、このように硫酸/過酸化物混合液から得た硫酸を、高分子化合物に対するスルホン化剤として用いることができる。また、高分子化合物の加水分解の反応に用いることができる。
【0023】
分解促進剤は非常に少量でその効果を発揮することが可能である。このため、硫酸/過酸化物混合液中の硫酸の濃度をほとんど低下させることが無くて済む。このため、分解後の処理液を精製して硫酸にする際の再生効率は著しく向上し、すなわち濃硫酸としての再生も容易となる。当然、コスト面においても有利になる。
【0024】
さらに、分解後の処理液は、そのままの状態でも、硫酸として使用できる。たとえば、各種化合物に対するスルホン化剤として、たとえば芳香族化合物を含む不飽和化合物や、ハロゲン、アルコール、酸無水物基を含有する化合物特に炭化水素系有機化合物のスルホン化剤として用いることができる。また、各種化合物の加水分解促進剤として用いることができる。たとえば、不飽和化合物や、シアノ基、アミド基、酸無水物基を含有する化合物特に炭化水素系有機化合物に対する加水分解促進剤として用いることが可能となる。より具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)の合成に用いることができる。以上のものは、各種物質用の分散剤、つまり界面活性剤として、または、帯電防止剤等に、利用できる。
【0025】
また、ポリスチレンとの反応により、各種分散剤たとえばセメント、石炭−水スラリー用分散剤等として、耐熱性熱可塑性樹脂等として、また、帯電防止剤たとえば紙や樹脂、繊維用帯電防止剤として、凝集剤たとえば排水処理用凝集剤として、さらに、糊、イオン交換樹脂等に利用できるポリスチレンスルホン酸、及びそのナトリウム塩を得ることができる。さらにまた、リグニンとの反応により、セメント用分散剤として有効なリグニンスルホン酸、及びその塩を得ることができる。また、ABS樹脂や、SAN樹脂、PAN樹脂中のアクリロニトリル基を加水分解することが可能となり、これらの加水分解物を吸水性樹脂に改質することができるようになる。
【0026】
かかる分解後の処理液にて処理される化合物たとえば有機化合物は、使用前のものであってもよいが、使用済みのもの(廃材)であってもよい。資源の有効利用の観点からは、廃材を原料として用いる方が望ましい。たとえば、使用済みのプラスチック廃材を原料として好ましく用いることができる。
【0027】
以上に示した処理を施すことにより、使用済みの硫酸/過酸化物混合液廃液中の過酸化物を効率よく分解することが可能となり、高濃度の硫酸として回収することが容易となる。またこの回収硫酸は、精製することで再生硫酸として使用できるばかりでなく、未精製の状態でも、各種化合物、たとえば各種有機化合物に対して、スルホン化剤として、また、加水分解促進剤として用いることが可能である。
【0028】
上記により、従来では硫酸/過酸化物混合液の処理に多量の水と薬品を必要とし、結局のところ、多量の廃棄物を発生させていたものが、極端にそのような廃棄物を低減でき、かつそればかりでなく、これまでは廃棄処分されていたこの混合液を、より付加価値の高いものに転換して利用できる。さらに、これまでは廃棄処分されていたたとえばプラスチック廃材についても、これをより付加価値の高い材料に転換利用することが可能となる。
【0029】
以上説明したことから理解されるように、本発明に係る技術を用いることにより、省資源、リサイクル促進が実現でき、廃棄物が低減され、これらの観点から、地球の環境保全が促進されることになる。
【0030】
以下に、本発明の具体的な好ましい実施例をさらに説明するが、本発明は以下説明する実施例により限定を受けるものではない。実施例1及び2で、硫酸/過酸化物混合廃液中の過酸化物の分解についての具体例を示し、実施例3ないし9で、比較例とともに、硫酸/過酸化物混合廃液分解物の利用についての具体例を示す。以下述べる実施例では、硫酸/過酸化物混合廃液中の過酸化物の分解及びその分解物の利用を示すに当たって、以下の硫酸/過酸化物混合廃液(a)(b)を評価に用いた。
(a)半導体製造工程(前工程)の酸化膜形成前の前処理用洗浄液として使用された硫酸/過酸化水素水混合液(初期混合比は、HSO/H=5:1(対体積比)、使用温度:80℃、ただし過酸化水素水は、使用時に少量補充)の廃液
(b)半導体製造工程(前工程)のレジスト剥離用洗浄液として使用された硫酸/オゾン混合液(濃硫酸にオゾンガスを吹き込んだもの、使用温度:110℃)の廃液
なお、元々の硫酸は、96重量%、過酸化水素水は、30重量%のものを使用している。
【0031】
実施例1
攪拌機、及び冷却機付きの反応釜に、廃液(a)を5リットル注入し、同廃液を水温まで冷却した。次に、発煙硝酸廃液(半導体製造工程内のメタル配線処理工程以降のレジスト剥離液として使用されたもの)を、攪拌下で5滴(約各滴0.2g)滴下した。同硝酸の滴下した位置から、過酸化物の分解による発泡が発生し、約2分で消滅した。この分解反応の前後における液中の過酸化水素水残量の分析を行ったところ、分解前は約1重量%だったものが、分解後は10ppm以下までに低減できていた。分解されて得られた分解液中の硫酸の濃度は82重量%であった。精製処理後は、工業硫酸として再利用が可能となった。
【0032】
実施例2
循環フィルター付きウエーハ洗浄槽内の110℃の廃液(b)の20リットルに、70重量%の硝酸を7滴(約各滴0.3g)滴下した。実施例1の場合と同じく、硝酸の滴下した位置から、過酸化物の分解による発泡が発生した。これは、約1分で消滅した。なお、分解の前後で同廃液にレジスト液を滴下したところ、分解前の方はレジスト液注入直後は同液全体が淡黄色となったが、3分以内に元の透明となった。一方、分解済みの方は、その淡黄色はずっと維持されたままの状態であった。これは、本処理により、廃液中の過酸化物の分解が完結したためである。分解されて得られた分解液中の硫酸の濃度は90重量%であった。実施例1と同じく、精製処理後は、工業硫酸として再利用が可能となった。
【0033】
実施例3
実施例1で得られた分解液(硫酸の濃度:82重量%)5gに、8mmカセットテープガードパネルのグレー部分(ABS樹脂)の廃材0.2gを添加し、80℃で60分間反応を行った。反応終了後、固形物を取り出し、酸性分が無くなるまで水洗を行った。その後、得られたゲル物を80℃で2時間乾燥した。得られた黒色固体は、純水に対して自重の約100倍、また、人工尿に対して、約50倍の吸水効果を示した。
【0034】
実施例4
透明のSAN(スチレン−アクリロニトリル)樹脂を原料として、実施例2で得られた分解液(硫酸の濃度:90重量%)を用いて、実施例3と同様の条件で反応を行った。得られた透明固体は、純水に対して自重の約150倍、また、人工尿に対して、約70倍の吸水効果を示した。
【0035】
比較例3′(実施例3に対する比較例)
ここでは硫酸/過酸化物混合廃液(a)を用いた。すなわち、過酸化物を分解する処理を施していない廃液を用いて実施した。それ以外は、実施例3と同様の条件で反応を行った。この場合、同樹脂廃材は残留過酸化物により完全に分解されてしまい、吸水性樹脂には改質することはできなかった。
【0036】
比較例4′(実施例4に対する比較例)
ここでは硫酸/オゾン混合廃液(b)を用いた。すなわち、過酸化物であるオゾンを分解する処理を施していない廃液を用いて実施した。それ以外は、実施例4と同様の条件で反応を行った。この場合も、比較例3′と同じく、SAN樹脂を吸水性樹脂には改質することはできなかった。
【0037】
実施例5
1,2−ジクロロエタンに溶解したポリスチレン(Mw=約28万)に、実施例1で得られた分解液(硫酸の濃度:82重量%)と無水酢酸との混合液(モル比1:1.2)を加え、60℃で5時間加熱反応を行った。反応終了後、同混合液を熱水中に注ぎ入れ、洗浄及び再沈澱を行い、得られた沈澱物を乾燥することにより、10モル%のスルホン化ポリスチレン(SPS)を得た。スルホン化率の調整は、回収硫酸の仕込み量にて行った。次に、得られたスルホン化ポリスチレン(SPS)をテトラヒドロフランに溶解し、これに水酸化ナトリウム水溶液を、スルホン化ポリスチレン(SPS)中のスルホン基と等モル量添加した。その後、溶液を除去し乾燥の後、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(SPS−Na)を得た。得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウム(SPS−Na)のガラス転移温度(Tg)は、原料のポリスチレン(約100℃)に比べて、約40℃向上していた。すなわち、本処理により、ポリスチレンの耐熱化が図れた。
【0038】
実施例6
CD−ROMドライバー用ハウジングの廃材(ポリスチレン−ポリフェニレンエーテルアロイ物;カーボンブラック含有)を用いた以外は、実施例5と同じ内容で処理を行った。得られた樹脂のガラス転移温度(Tg)は、元の廃材に比べて、約30℃向上していた。
【0039】
比較例6′(実施例6に対する比較例)
ここでは硫酸/オゾン混合廃液(b)を用いた。それ以外は、実施例6と同様の条件で反応を行った。この場合、発泡スチロール廃材は、スルホン化反応中に完全に分解してしまった。
【0040】
実施例7
5%のジビニルベンゼンにて架橋されたポリスチレンビーズを、実施例2で得られた分解液に投入し、80℃で15時間スルホン化を行った。反応後、ろ過を行い、多量の水で洗浄することにより、陽イオン交換樹脂が得られた。
【0041】
実施例8
実施例1で得られた分解液18gと、ポリスチレン(Mw=1万)8g、及びナフタレン8gを混合し、150℃で5時間反応した。この後、90℃まで冷却し、水10gを加え、37%のホルマリン7gを滴下しながら、100℃で5時間反応した。反応終了後、水30g、48%の水酸化ナトリウム水溶液10gを加えて、80℃で30分攪拌した後、さらに水酸化カルシウム5gを加えて、1時間攪拌した。これをろ過して得られたものは、セメント用減水剤や石炭−水スラリー用分散剤として利用できた。
【0042】
実施例9
50℃に維持されたシクロヘキサン70gの入った反応器に、実施例1で得られた分解液12gと、発泡スチロール廃材3.5gがシクロヘキサン68gで加熱溶解された溶液とを、60分かけて同時滴下した。その後、50±2℃の温度に保ち、1時間反応を行った。反応の進行とともに、反応液にスラリー状の生成物が発生した。次に、水酸化ナトリウム水溶液を攪拌しながら反応系に徐々に加えて中和を行った。その後、加熱により、反応系中のシクロヘキサンの溶媒留去を行った。残留物の水溶液は、水酸化ナトリウムで最終的にpH8に調整し、10重量%の高分子電解質水溶液を得た。得られた水溶性の高分子電解質は、工場排水や下水処理用の高分子凝集剤や脱水剤として利用できた。
【0043】
【発明の効果】
上述したように、本発明により、硫酸/過酸化物混合液の新規な利用法が提供され、これにより、たとえば硫酸/過酸化物混合液の廃液を硫酸として利用することが可能となった。この結果、同廃液の処理が不要となるため、資源の有効利用ができ、かつ、廃棄物(排水等)の大幅な低減も可能となった。さらに本発明では、該廃液中の硫酸濃度を低減せずに過酸化物を完全に分解するようにすることが可能で、各種化合物(特に、たとえばポリマー)の改質剤(スルホン化剤や加水分解促進剤等)として使用することができる。また、過酸化物を分解して得た分解液を、樹脂廃材の改質剤として用いることができ、これにより、廃棄物を、高付加価値材料に転換することも可能となる。以上のことより、本発明は、廃棄物の低減、資源の有効利用という面で、地球の環境保全に大いに貢献することができる。

Claims (6)

  1. 硫酸/過酸化物混合液に、硝酸、発煙硝酸、二酸化窒素、硝酸塩化合物、塩酸のうちの1種類以上を添加し、
    該混合液中の過酸化物を分解させることにより、該混合液を硫酸として利用することを特徴とする硫酸/過酸化物混合液の利用方法。
  2. 請求項1記載の硫酸/過酸化物混合液が、使用済みの廃液であって、その再利用法であることを特徴とする硫酸/過酸化物混合液の利用方法。
  3. 請求項1記載の硫酸/過酸化物混合液中の硫酸の濃度が、70重量%以上であることを特徴とする硫酸/過酸化物混合液の利用方法。
  4. 請求項1記載の硫酸/過酸化物混合液中の過酸化物が、過酸化水素、オゾン、ペルオキソ硫酸のいずれか1種、または2種以上であることを特徴とする硫酸/過酸化物混合液の利用方法。
  5. 請求項1記載の硫酸/過酸化物混合液が、半導体製造工程で使用された廃液であることを特徴とする硫酸/過酸化物混合液の利用方法。
  6. 請求項1記載の硫酸/過酸化物混合液中の過酸化物分の分解促進剤として、半導体製造工程で使用された硝酸、発煙硝酸、二酸化窒素、硝酸塩化合物、塩酸の各廃液のうちの1種類以上を使用することを特徴とする硫酸/過酸化物混合液の利用方法。
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