JPH06239912A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

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JPH06239912A
JPH06239912A JP5029486A JP2948693A JPH06239912A JP H06239912 A JPH06239912 A JP H06239912A JP 5029486 A JP5029486 A JP 5029486A JP 2948693 A JP2948693 A JP 2948693A JP H06239912 A JPH06239912 A JP H06239912A
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acid
vinyl
hydrogen peroxide
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JP5029486A
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English (en)
Inventor
Taketo Toba
健人 鳥羽
Kazuo Takei
一男 竹井
Toshiaki Matsunaga
俊明 松永
Hiroyuki Ikeuchi
博之 池内
Fumihide Tamura
文秀 田村
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts
    • C08F4/28Oxygen or compounds releasing free oxygen
    • C08F4/30Inorganic compounds

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有極性のものも含めた幅広いビニル系単量体
から、両末端に水酸基を有する重合体を容易かつ安価に
効率良く得ることができる方法を提供する。 【構成】 過酸化水素(b)を用い、ビニル系単量体
(a)の重合を行う際、さらに過酸化水素分解促進剤
(c)および/または両親媒性化合物(d)を用いると
ともに、前記4者(a)、(b)、(c)、(d)以外
の成分は実質的に用いないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、それ自身、各種官能
基と反応可能な水酸基を両末端に有する有用な重合体を
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】両末端に水酸基を有する重合体は、上記
末端の水酸基を適当な方法で反応させることによって、
容易に他の官能基との変換が可能であり、また、上記末
端の水酸基の反応性を利用し、この水酸基を適当な方法
で反応させることによって高分子量化および/または網
状化し、その結果、強度、耐熱性、耐候性、耐久性など
種々の良好な物性を有する高分子化合物となる。
【0003】両末端に水酸基を有する、この重合体は、
両末端に水酸基を有するという特徴を発揮することによ
って、たとえば、下記のような大きな利点を持つ。ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹
脂などの各種樹脂原料(架橋剤等)として用いた場合、
材料の物性を損なう未反応物がないため、すべての重合
体が確実に樹脂架橋構造の中に組み込まれる。
【0004】水酸基、カルボキシル基、アミノ基、重合
性不飽和基などの官能基を有するビニル系単量体を共重
合することにより側鎖に官能基を導入した重合体(以
下、官能基含有ビニル系単量体共重合体と略す)は、こ
れを用いて反応させた場合、その末端が樹脂(架橋)構
造に組み込まれない遊び部分(自由端)となるが、両末
端に水酸基を有する重合体では、このようなことが起こ
らない。
【0005】官能基含有ビニル系単量体共重合体に比べ
て、官能基間距離のばらつきが極めて小さいので、反応
点(架橋点)間距離がほぼ一定となり、均一な樹脂(架
橋)構造をつくる。官能基含有ビニル系単量体共重合体
では、平均官能基数が2.0のものを作り、これと、2
官能性の鎖延長剤とを反応させて、熱可塑性ポリマーを
合成しようとしても、合成法に由来する理由で、3官能
以上の重合体も統計的に含まれてしまうため、大部分が
熱硬化性ポリマーとなって、熱可塑性ポリマーを合成す
ることができない。一方、3官能以上の重合体を含まな
い、両末端に水酸基を有する重合体では、鎖延長した熱
可塑性ポリマーを容易に合成することができる。
【0006】このような両末端に水酸基を有する重合体
は、上記の利点を生かすことによって、ポリエステル樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの各
種樹脂、各種ブロックポリマー等の各種樹脂の原料ある
いは添加剤として、または、重合体のままで、塗料(粉
体、ハイソリッド、低温硬化等)、弾性壁材、塗膜防水
材、粘着剤、床材、粘着性付与剤、接着剤、バインダー
(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、
焼成レンガバインダー、グラフト材、マイクロカプセ
ル、グラスファイバーサイジング等)、シーリング材、
ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンR
IM、UV・EB硬化樹脂、熱硬化型エラストマー、マ
イクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振
材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、
人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム
(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス
用樹脂、反応性希釈剤、各種成型材料、弾性繊維、人工
皮革、合成皮革等の用途に非常に有用である。
【0007】従来、前記の用途に用いられる水酸基を有
する重合体としては、水酸基を側鎖に有するビニル系単
量体の共重合体、末端に水酸基を有するポリエーテル、
ポリエステル、ポリブタジエン、ポリカーボネートなど
が挙げられる。まず、水酸基を側鎖に有するビニル系単
量体の共重合体は、水酸基を有する単量体と、水酸基を
有しない単量体とのランダムなラジカル重合で作られる
ので、水酸基を有しない共重合体の副生を抑えにくく、
これを避けようとすると共重合体中の水酸基含有量を多
くする必要があり、また、1分子中の水酸基の数にばら
つきがあった。そのため、水酸基と反応性を有する多官
能性化合物と反応させた場合、反応しない共重合体が残
ってしまう、反応点間の距離に大きなばらつきがある、
反応後の架橋体構造に直接関与しないあそび鎖の部分が
できてしまう、反応に関与しない水酸基が残ってしまう
などの原因により十分に伸びがあり(曲げ加工性がよ
く)かつ強靱な重合体が得られない。他方、末端に水酸
基を有するポリエーテル、ポリエステル、ポリブタジエ
ンなどは、重合体末端に水酸基を有するため、水酸基を
側鎖に有するビニル系単量体の共重合体のような欠点は
少ないものの、ポリエーテルの場合には主鎖中のエーテ
ル結合、ポリエステルの場合は主鎖中のエステル結合、
ポリブタジエンの場合には主鎖中の不飽和二重結合のた
めに、耐候性、耐水性や耐熱性などがよくないという欠
点を有している。
【0008】以上のように、現在のところ、前記用途の
原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原料等と
して用いられる水酸基を有する重合体で、強靱さ、伸び
(曲げ加工性)、耐候性、耐水性などすべての要求性能
を満たすものはない。このような問題は、両末端に水酸
基を有するビニル系重合体により解決されると考えられ
るが、以下にも記すように、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の有極
性ビニル系単量体も含めた幅広いビニル系単量体から両
末端に水酸基を有する重合体を工業的に製造する方法
は、まだ確立されていないのが現状である。
【0009】末端に水酸基を有するビニル系重合体の製
造方法としては、例えば、2−メルカプトエタノールな
どを連鎖移動剤として用いて重合体の片末端に水酸基を
1個導入するとともにメタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル等との共重合で重合体分子中に水酸基を平均もう1個
導入することにより、末端に水酸基を有する重合体を得
る方法がある。
【0010】しかし、この方法では、重合体1分子あた
り平均2個の水酸基が導入されるものの、平均2個の水
酸基のうちの1個が重合体の片末端に導入されるだけで
あり、もう1個の水酸基は、末端ではなく、主鎖の途中
に導入される。また、共重合によりもう1個の水酸基を
導入するため、重合体1分子あたりの合計の水酸基数に
は、1個のものや3個以上のものなど分布(ばらつき)
が見られるとともに、水酸基間距離にも広い分布ができ
る。そのため、得られた重合体は、前述したような、両
末端に水酸基を有する重合体の長所をほとんど発揮する
ことができない。しかも、メルカプタン化合物の添加に
よって、重合が極端に遅くなり重合率が上がらなかった
り、残存メルカプタンの臭気が残ったりするという問題
もあった。
【0011】両末端に水酸基を有するビニル系重合体の
製造方法としては、たとえば、下記(i)〜(iii)に示
したように、各種開始剤や連鎖移動剤等の存在下でビニ
ル系単量体をラジカル重合させる方法がある。 (i) 水酸基を有する開始剤を用いてスチレンまたは
ブタジエンを重合させることにより、両末端に水酸基を
有する重合体を得る方法(「J. Polym. Sc
i.、Part A1」誌、第9巻、第2029頁、1
971年刊を参照)。
【0012】(ii) 水酸基を有する、ジチオカーバメ
ートまたはチウラムジスルフィドを開始剤として用いて
熱重合または光重合させる方法によるか、あるいは、上
記ジチオカーバメートまたはチウラムジスルフィドを連
鎖移動剤として用いるとともに過酸化水素などを開始剤
として用いて重合させることにより、両末端に水酸基を
有する重合体を得る方法(特開昭61−271306号
公報参照)。
【0013】(iii) 両末端に水酸基を有する、ジスル
フィド、トリスルフィドなどを連鎖移動剤として用いた
重合により、両末端に水酸基を有する重合体を得る方法
(特開昭54−47782号公報参照)。しかし、上述
の、両末端に水酸基を有する重合体の製造法(i)〜
(iii)には、以下のように、それぞれ欠点があり、数多
くの種類のビニル系単量体から、両末端に水酸基を有す
る重合体を確実に、安価で簡便に、かつ、工業的に合成
するのは容易ではない。
【0014】まず、(i)の方法では、使用できるビニ
ル系単量体がブタジエンやスチレンに限られ、アクリル
酸エステル類やメタクリル酸エステル類等の有極性のビ
ニル系単量体を使用できないという問題があった。次
に、(ii)のように、水酸基を有する、ジチオカーバメ
ートまたはチウラムジスルフィドを開始剤として使用す
る重合方法、および、(ii)、(iii)のように、水酸基
を有するジスルフィド類等を連鎖移動剤として使用する
重合方法は、開始剤または連鎖移動剤として使用される
上記イオウ化合物が不安定で取り扱いにくい、生成重合
体の着色が見られる等の欠点があった。
【0015】そこで、開始剤として過酸化水素を用いる
と、生成重合体の着色が防げると考えられる。しかし、
前記(ii)の方法のように、過酸化水素を前記イオウ化
合物等の連鎖移動剤と併用すると、やはり、生成重合体
が着色する等の問題が生じ、好ましくない。したがっ
て、連鎖移動剤と併用しない過酸化水素開始剤系が望ま
れる。
【0016】実際に、過酸化水素を用い、ポリ(メタ)
アクリレートの末端に水酸基を導入する方法が知られて
おり、たとえば、下記(iv)、(v)の方法がある。 (iv) 過酸化水素水、硫酸第一鉄、相間移動触媒(臭
化セチルトリメチルアンモニウム)および硫酸(0.01N)
を用い、メタクリル酸メチルまたはアクリル酸メチルの
重合をエマルジョン重合法で行うことにより、末端に水
酸基を有する重合体を得る方法〔「J. Polym.
Sci.」誌、第1巻、第237頁、第466頁、1
946年刊(筆者: J. H. Baxendale およびM. G. Evan
s )を参照〕。
【0017】(v) 過酸化水素およびメタノールを用
い、メタクリル酸メチルの重合を常温での紫外線(波長
253.7nm)照射下で行うことにより、両末端に水酸基を有
する、メタクリル酸メチルの重合体を得る方法(特開昭
51−126238号公報、および、「Makromo
l.Chem.」誌の第177巻、第3139〜315
7頁、1976年刊を参照)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した、
過酸化水素を用いる(iv)、(v)の方法には、以下の
問題点があった。(iv)の方法が記載されている前記文
献では、両末端に水酸基を導入するための素反応を仮定
し、粘度、単量体濃度、過酸化水素初期濃度から求めた
関係式か成立することから、両末端に水酸基が導入でき
たと結論付けている。さらに、得られた重合体について
は、末端水酸基数の算出等の分析を何ら行っていない。
【0019】(v)の方法により得られる重合体は、無
水酢酸のピリジン溶液によりエステル化し、その過剰の
試薬を水酸化カリウム溶液で滴定するというアセチル化
法により求めた平均末端水酸基数が1.2以下と低いも
のである。このように、(iv)、(v)の方法では、過
酸化水素を用いているものの、テレケリックポリマーの
1種である、両末端に水酸基を有する重合体は、実際に
は、得られないか、あるいは、不充分なものしか得られ
ない。
【0020】以上のように、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の有極
性ビニル系単量体も含めた幅広いビニル系単量体から両
末端に水酸基を有する重合体を工業的に製造する方法
は、まだ確立されていないのが現状である。このような
事情に鑑み、この発明は、アクリル酸、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の有極性
のビニル系単量体も含めた幅広いビニル系単量体から、
両末端に水酸基を有する重合体を、確実に、安価で簡便
に、しかも効率良く得ることができる方法を提供するこ
とを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】過酸化水素を用いた前記
従来の重合方法では、重合体の両末端に確実に効率良く
水酸基を導入できない。その理由は、有機溶媒等の溶媒
が共存するため、この溶媒への連鎖移動が起きるととも
に、過酸化水素単独ではOHラジカルを選択的に発生さ
せる効率が悪いからである。そのため、両末端に水酸基
を有する重合体が得られないと考えられる。
【0022】そこで、発明者らは、過酸化水素存在下で
のビニル系単量体の重合を、溶媒を実質的に使用せずに
行うとともに、その際、過酸化水素からのOHラジカル
の発生の効率を大幅に向上するような触媒として過酸化
水素分解促進剤、および/または、過酸化水素とビニル
系単量体との接触面積を増やす化合物として両親媒性化
合物を用いることを考え、検討を重ねたところ、この方
法によれば、有極性のビニル系単量体も含めた幅広いビ
ニル系単量体から、両末端に水酸基を有する重合体を工
業的に製造することが可能になることを実験で確認し
て、この発明を完成した。
【0023】したがって、この発明にかかる、重合体の
製造方法は、ビニル系単量体(a)の重合を、過酸化水
素(b)を用いて行う方法において、さらに過酸化水素
分解促進剤(c)および/または両親媒性化合物(d)
を用いるとともに、前記4者(a)、(b)、(c)、
(d)以外の成分は実質的に用いないことを特徴とす
る。
【0024】ここで、この製造方法により得られる重合
体は、両末端に水酸基を有する重合体である(以下、こ
の重合体を「重合体A」と称することがある)。以下で
は、まず、この発明にかかる、重合体の製造方法につい
て説明する。この発明で用いられるビニル系単量体
(a)としては、従来公知のビニル系単量体であれば特
に制限はないが、たとえば、(メタ)アクリル酸;(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロ
ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸
ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル類;(メタ)アクリル
酸ベンジルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル
類;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル
酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、
γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシ
ラン、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン、メタクリル酸2−スルホエチル
ナトリウム塩などのような、(メタ)アクリル酸の置換
基含有アルキルエステル類;(メタ)アクリル酸メトキ
シエチル、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付
加物などの(メタ)アクリル酸誘導体類;無水マレイン
酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルお
よびジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノア
ルキルエステルおよびジアルキルエステル;スチレン、
α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロスチレ
ン、スチレンスルホン酸およびそのナトリウム塩などの
芳香族ビニル系単量体;(メタ)アクリル酸パーフルオ
ロメチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、(メタ)アク
リル酸パーフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸トリ
フルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフ
ルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオ
ロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロ
エチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメ
チル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリ
ル酸トリパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル
酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエ
チル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエ
チル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシル
エチル、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレ
ン、フッ化ビニリデンなどのフッ素含有ビニル系単量
体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ランなどのトリアルキルオキシシリル基含有ビニル系単
量体類;γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメ
トキシシランなどのケイ素含有ビニル系単量体類;マレ
イミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピ
ルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミ
ド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェ
ニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどのマレ
イミド誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などのニトリル基含有ビニル系単量体類;アクリルアミ
ド、メタクリルアミドなどのアミド基含有ビニル系単量
体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどのビニルエス
テル類;エチレン、プロピレンなどのアルケン類;ブタ
ジエン、イソプレンなどのジエン類;塩化ビニル、塩化
ビニリデン、アリルクロライド、アリルアルコールなど
が挙げられる。これらは、1種だけを用いてもよいし、
あるいは、複数種を併用してもよい。
【0025】上にみたように、この発明において用いら
れるビニル系単量体(a)は、分子中に水酸基、カルボ
キシル基、アミノ基、重合性不飽和基などの官能基を有
する場合があってもよいのである。特に、比較的高い架
橋密度が必要となる場合、たとえば、塗料用途などでは
官能基を有するビニル系単量体を若干量併用すること
が、かえって好ましい。官能基を有するビニル系単量体
の使用量は、特に限定されないが、たとえば、水酸基を
有するビニル系単量体の場合、使用するビニル系単量体
(a)の全量に対して、水酸基を有するビニル系単量体
が、1〜50重量%であることが好ましく、5〜30重
量%であることがさらに好ましい。
【0026】また、カルボキシル基を有するビニル系単
量体が、0.5〜25重量%であることが好ましく、1
〜10重量%であることがさらに好ましい。ビニル系単
量体(a)は、前述のように、従来公知のビニル系単量
体であれば特に制限はないが、たとえば、透明性、耐候
性、耐水性などが必要な場合には、(メタ)アクリル酸
系単量体を主成分とすることが好ましい。この場合、ビ
ニル系単量体(a)全体に対して、(メタ)アクリル酸
系単量体が40重量%以上含まれていることが好まし
い。
【0027】また、つや、塗膜の硬さなどが必要な場合
には、芳香族ビニル系単量体を用いることが好ましい。
この場合、ビニル系単量体(a)全体に対して、芳香族
ビニル系単量体が40重量%以上含まれていることが好
ましい。また、撥水性、撥油性、耐汚染性などが必要な
場合には、フッ素含有ビニル系単量体を用いることが好
ましい。この場合、ビニル系単量体(a)全体に対し
て、フッ素含有ビニル系単量体が10重量%以上含まれ
ていることが好ましい。
【0028】また、無機材質との密着性、耐汚染性など
が必要な場合には、ケイ素含有ビニル系単量体を用いる
ことが好ましい。この場合、ビニル系単量体(a)全体
に対して、ケイ素含有ビニル系単量体が10重量%以上
含まれていることが好ましい。この発明で用いられる過
酸化水素(b)は、その工業的に入手可能な水溶液であ
る過酸化水素水として使用することが可能である。過酸
化水素(b)を過酸化水素水として使用する場合、それ
に含まれる水の量は、全成分量に対して10重量%以下
程度になるようにする。
【0029】過酸化水素(b)自身の使用量は、目的と
する重合体Aの分子量により自ずと決定されるが、一般
的には、ビニル系単量体(a)に対して0.5〜30重
量%であることが好ましい。この発明では、ビニル系単
量体(a)の重合を行う際、過酸化水素(b)ととも
に、過酸化水素分解促進剤(c)および両親媒性化合物
(d)のうちのいずれか一方または両方を用いる。
【0030】この発明で使用される過酸化水素分解促進
剤(c)は、過酸化水素(b)を選択的に分解してOH
ラジカルの発生を効率良く促進し、これにより重合を促
進することのできる化合物である。ただし、この過酸化
水素分解促進剤(c)は、過酸化水素の分解を促進する
物質として一般に知られている全ての物質が使用できる
わけではない。その理由は、過酸化水素分解促進剤
(c)が過酸化水素を効率良くOHラジカルに分解して
初めて、両末端に水酸基を有する重合体を効率良く合成
することができるのであって、たとえば、水酸化ナトリ
ウム等のように、過酸化水素の分解を促進しても、OH
ラジカルを発生させる効率が悪い物質を過酸化水素分解
促進剤(c)として使用した場合、平均末端水酸基数の
低い重合体しか得られないからである。
【0031】この発明で使用できる過酸化水素分解促進
剤(c)としては、特に限定はされないが、たとえば、
以下に述べる、スルホン酸化合物、無機酸、オニウム塩
および複素環アミン等が挙げられる。スルホン酸化合物
としては、特に限定はされないが、たとえば、ベンゼン
スルホン酸、ベンゼンジスルホン酸、ナフタレンスルホ
ン酸、ナフタレンジスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、クロルベンゼンスルホン酸、p−フェノールスルホ
ン酸、1−ナフトール−4─スルホン酸、2−ナフチル
アミン−6−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン
酸、p−フェノールスルホン酸等の芳香族スルホン酸;
メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロピルスルホ
ン酸、オクタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸等が挙
げられる。これらの中でも、ベンゼンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メ
タンスルホン酸が好ましい。スルホン酸化合物の使用量
により、得られる重合体Aの数平均分子量を変えること
が可能である。
【0032】ただし、この発明の製造方法では、ベンゼ
ンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、m−ベンゼンジスルホン酸カリウム、ジオク
チルスルホコハク酸ナトリウム等のような、スルホン酸
化合物の金属塩は用いない。スルホン酸化合物の金属塩
を用いた場合、平均末端水酸基数、および、後述の3官
能イソシアネートによるゲル分率がともに低い重合体し
か得られなくなるからである。
【0033】無機酸としては、特に限定はされないが、
たとえば、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水
素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過ヨウ素酸、
硫酸、発煙硫酸、亜硫酸、硝酸、発煙硝酸、マンガン
酸、過マンガン酸、クロム酸、重クロム酸、その他各種
固体酸、および、塩化水素、フッ化水素等の気体の酸等
が挙げられる。これらの中でも、塩酸、硫酸が好まし
い。ただし、無機酸を水溶液の形で使用する場合、付随
する水が、全成分量に対して10重量%以下程度になる
ようにする。
【0034】オニウム塩としては、特に限定はされない
が、たとえば、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、
塩化テトラエチルアンモニウム、臭化トリエチルベンジ
ルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウ
ム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメ
チルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニ
ウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、水酸化
テトラメチルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルア
ンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テト
ラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモ
ニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩、
N−ベンジルピコリニウムクロライド、ヨウ化テトラメ
チルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニ
ウム、N−ラウリル−4−ピコリニウムクロライド等の
4級アンモニウム塩;塩化テトラブチルホスホニウム、
臭化テトラブチルホスホニウム等のホスホニウム塩;ヨ
ウ化トリメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム
4弗化ホウ素塩、メチルジフェニルスルホニウム4弗化
ホウ素塩等のスルホニウム塩等が挙げられる。これらの
中でも、テトラ−n−ブチルアンモニウム硫酸水素塩、
臭化テトラブチルホスホニウム、トリメチルスルホニウ
ム4弗化ホウ素塩、メチルジフェニルスルホニウム4弗
化ホウ素塩が好ましい。オニウム塩による過酸化水素の
分解促進効果は、オニウム塩の対イオンにより変化し、
特に、アンモニウム塩の硫酸水素塩、ホスホニウム塩の
臭化物、スルホニウム塩の4弗化ホウ素塩は、非常に有
効である。
【0035】複素環アミンとしては、特に限定はされな
いが、たとえば、ピロール、インドール、カルバゾー
ル、オキサゾール、チアゾール等のように窒素原子を1
個含む5員環のピロール類;イミダゾール、ピラゾール
等のように窒素原子を2個含む5員環のイミダゾール
類;ピリジン、キノリン、イソキノリン等のように窒素
原子を1個含む6員環のピリジン類;ニコチン、キニー
ネ等のアルカロイド類等が挙げられる。これらの中で
も、ピリジン、インドール、カルバゾールが好ましい。
【0036】過酸化水素分解促進剤(c)は、1種のみ
を使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。過酸
化水素分解促進剤(c)の好ましい使用量は、全成分量
に対して0.01〜20.0重量%で、より好ましくは
0.01〜10.0重量%で、最も好ましくは0.01
〜5.0重量%である。その使用量が0.01重量%未
満だと、分解促進剤としての効果が見られない。また、
20.0重量%より多く使用しても、数平均分子量の大
きな低下は見られず、しかも重合体が着色する、精製工
程時、水による洗浄の際に分離しにくくなる、といった
問題が生じる。
【0037】この発明で使用される両親媒性化合物
(d)は、過酸化水素(b)とビニル系単量体(a)の
両方に対して親和性を有し、過酸化水素(b)(通常は
水溶液として用いられる)とビニル系単量体(a)との
接触面積を増やすことにより、重合を促進することので
きる化合物である。この両親媒性化合物(d)として
は、特に限定はされないが、たとえば、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテ
ル等の鎖状エーテル類;メトキシエタノール、エトキシ
エタノール(エチルセロソルブとも言う)、ブトキシエ
タノール等のエチレングリコールモノエーテル類(セロ
ソルブ類とも言う);エチレングリコールジエチルエー
テル等のエチレングリコールジエーテル類;酢酸エチ
ル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジ
メチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられ
る。これらの中でも、ジオキサン、エチレングリコール
ジエチルエーテル等の各種エーテル類;エチルセロソル
ブ等のセロソルブ類等が好ましい。
【0038】両親媒性化合物(d)は、1種のみを使用
してもよいし、2種以上を併用してもよい。両親媒性化
合物(d)の好ましい使用量は、全成分量に対して0.
1〜10.0重量%で、より好ましくは1.0〜5.0
重量%である。なお、過酸化水素分解促進剤(c)と両
親媒性化合物(d)の両方を用いる場合、(c)が全成
分量に対して0.01〜20.0重量%、(d)が全成
分量に対して0.1〜10.0重量%で、それらの合計
が全成分量に対して0.11〜30.0重量%になるよ
うに、(c)と(d)を使用することが好ましい。
【0039】過酸化水素分解促進剤(c)と両親媒性化
合物(d)の両方を用いた場合、反応系がより均一とな
り、分解促進剤(c)の単独使用の場合に比べて、生成
する重合体Aの数平均分子量が低下するという効果がみ
られる。この発明の製造方法では、ビニル系単量体
(a)、過酸化水素(b)、過酸化水素分解促進剤
(c)、両親媒性化合物(d)以外のものを実質的に用
いないようにする。
【0040】具体的には、ビニル系単量体(a)、過酸
化水素(b)、過酸化水素分解促進剤(c)、両親媒性
化合物(d)以外の成分(たとえば、水や溶剤等)の総
量が全成分量に対して10重量%以下程度になるように
する。そして、(a)、(b)、(c)、(d)以外の
成分が5重量%以下であることが好ましく、最も好まし
くは、(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分を全
く用いないことである。
【0041】この発明で使用される重合容器(重合反応
を行う反応器)は、一般的な槽型反応器やニーダーなど
のバッチ式のものでもかまわないし、ピストンフローの
管型タイプのものや、重合体の粘度によっては2軸押し
出し機、連続式ニーダーなどの連続式のものを用いても
よい。また、セミバッチ式の反応器でも全く問題なく使
用できるが、反応器内の各添加物の濃度比を管の途中で
各添加物を加えることにより容易にコントロールできる
ことや、滞留時間が一定であることおよび生産性がよい
点などから、管型反応器、押し出し機や連続式ニーダー
などを用いることが好ましい。管型反応器、押し出し機
および連続式ニーダーの使い分けについては、重合後低
粘度のものは、管型反応器を、比較的高粘度のものは押
し出し機や連続式ニーダーを用いることが好ましい。
【0042】管型反応器の構造については、特に制限は
なく、単管型、多管型、また可動部のない混合器(ノリ
タケ・カンパニー社製や住友重機械工業(株)製など)
など従来公知の管型反応器であれば利用することができ
るが、混合、熱交換効率などの点から、可動部を持たな
い混合器を用いた管型反応器を用いることが好ましい。
同じく、押し出し機や連続式ニーダーについても、1軸
式、2軸式など従来公知の押し出し機であれば利用する
ことができるが、混合、熱交換効率などの点から、2軸
式の押し出し機や連続式ニーダーを用いることが好まし
い。
【0043】ただし、これらの装置の接液部は、好適な
材質を選択すべきであり、一般的には、SUS316、
304L、テフロン、アルミニウム、ガラスなどを挙げ
ることができる。これらの中でも、テフロン、アルミニ
ウム、ガラスが好ましく、テフロン、ガラスが最も好ま
しい。また、他の材質でも、適当な処理を施すことによ
り、テフロンやガラスと同様に使用することが可能であ
る。
【0044】この発明では、反応は常圧で行うことが可
能であるが、オートクレーブや押し出し機中などで加圧
下において行うことも可能である。この発明の製造方法
における重合温度についても、特に制限はなく、通常の
ラジカル重合が行われる、室温〜200℃程度であれ
ば、全く問題はない。この発明により製造される重合体
Aの分子量は、特に限定されないが、末端に反応性を有
する水酸基を有することに起因する特徴をより発揮させ
るためには、数平均分子量が500〜100000であ
ることが好ましく、数平均分子量が1000〜5000
0であることがより好ましい。
【0045】この発明により製造される重合体Aの平均
末端水酸基数(Fn(OH))については、理想的には
2.0であるが、1.8〜2.0であれば、ほぼ理想的
なものと同等の物性を発揮でき、非常に好ましい。少な
くとも1.5であれば、かなり理想的なものに近い物性
が発揮できる。このような理由で、この発明で得ようと
する重合体Aの平均末端水酸基数(Fn(OH))は、
1.5以上であればよい。
【0046】この発明の製造方法により得られる重合体
Aは、その末端の水酸基を、従来公知の有機反応などを
利用して容易に、ビニル基などの重合性不飽和基、カル
ボキシル基、アミノ基、エポキシ基、シラノール基、ア
ルコキシシリル基、ヒドロシリル基、メルカプト基、オ
キサゾリン基、ラクトン基、アズラクトン基、エチニル
基、マレイミド基、ホルミル基、臭素、塩素などの有用
な末端官能基に変換することができる。
【0047】次に、この発明により製造される重合体A
を必須とする組成物について説明する。この組成物は、
重合体Aと、水酸基と反応可能な官能基を1分子中に2
個以上有する化合物(z)とを必須成分として含むもの
である。重合体Aは、1種のみを用いてもよいし、2種
以上を併用してもよい。また、この組成物に含まれる重
合体Aと化合物(z)との重量比(重合体A/化合物
(z)は、特に限定はされないが、99.99/0.0
1〜40/60であることが好ましく、99.9/0.
1〜60/40であることがより好ましい。
【0048】この組成物は、重合体Aに加えて、従来公
知の水酸基を有する低分子化合物や従来公知の水酸基を
有するポリマー(ポリマーポリオール、アクリルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリ
オール、ポリオレフィンポリオール等)を含んでいても
よい。
【0049】上記水酸基と反応可能な官能基を1分子中
に2個以上有する化合物(z)としては、特に限定はさ
れないが、例えば、1分子中に2個以上のイソシアネー
ト基を有する化合物(e)、メチロール化メラミンおよ
びそのアルキルエーテル化物または低縮合化物などのア
ミノプラスト樹脂(f)、多官能カルボン酸およびその
ハロゲン化物などの1分子中に2個以上のカルボキシル
基を有する化合物(g)などが挙げられる。
【0050】1分子中に2個以上のイソシアネート基を
有する化合物(e)は、いわゆる、多官能イソシアネー
ト化合物である。この多官能イソシアネート化合物
(e)としては、従来公知のものをいずれも使用するこ
とができ、例えば、トリレンジイソシアネート(「TD
I」とも言う)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(「MDI」とも言う)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシ
リレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、
水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソ
シアネート化合物;スミジュールN(住友バイエルウレ
タン社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合
物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社
製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)
製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアネ
ート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン
(株)社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合
物、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)の如きア
ダクトポリイソシアネート化合物等を挙げることができ
る。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併用
することもできる。また、ブロックイソシアネートを使
用しても構わない。
【0051】重合体Aと、多官能イソシアネート化合物
(e)とを含んでなる組成物のよりすぐれた耐候性を生
かすためには、多官能イソシアネート化合物(e)とし
ては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、水素
化ジフェニルメタンジイソシアネート、スミジュールN
(住友バイエルウレタン社製)等の芳香環を有しないイ
ソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
【0052】重合体Aと、多官能イソシアネート化合物
(e)との配合比については、特に限定はされないが、
たとえば、多官能イソシアネート化合物(e)が有する
イソシアネート基と、重合体Aが有する水酸基との比率
(NCO/OH(モル比))が0.5〜1.5であるこ
とが好ましく、0.8〜1.2であることがより好まし
い。ただし、この組成物を、優れた耐侯性が要求される
用途に用いる場合は、NCO/OH=3.0程度までの
モル比で用いることもある。
【0053】なお、この組成物中の成分である重合体A
と、多官能イソシアネート化合物(e)とのウレタン化
反応を促進するために、必要に応じて、有機スズ化合物
や第3級アミン等の公知の触媒を用いることは自由であ
る。アミノプラスト樹脂(f)としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、下記一般式化1で表されるトリア
ジン環含有化合物とホルムアルデヒドとの反応物(メチ
ロール化物)、前記トリアジン環含有化合物とホルムア
ルデヒドとの低縮合化物、これらの誘導体、さらに、尿
素樹脂、および、尿素樹脂とホルムアルデヒドとの反応
物(メチロール化物)、尿素樹脂とホルムアルデヒドと
の低縮合化物、これらの誘導体等が挙げられる。
【0054】
【化1】
【0055】上記一般式化1で表されるトリアジン環含
有化合物としては、特に限定はされないが、例えば、メ
ラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグア
ナミン、メチルグアナミン、ビニルグアナミン等を挙げ
ることができる。これらは、1種のみ用いてもよいし、
2種以上を併用してもよい。前記トリアジン環含有化合
物とホルムアルデヒドとの反応物またはその誘導体とし
ては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメトキシメ
チルメラミンやテトラメトキシメチルベンゾグアナミン
等が挙げられる。また、前記トリアジン環含有化合物と
ホルムアルデヒドとの低縮合化物またはその誘導体とし
ては、特に限定はされないが、例えば、前記トリアジン
環含有化合物が、−NH−CH2 −O−CH2 −NH−
結合および/または−NH−CH2 −NH−結合を介し
て数個結合した低縮合化物やアルキルエーテル化ホルム
アルデヒド樹脂〔サイメル(三井サイアナミド(株)
製)〕等が挙げられる。これらのアミノプラスト樹脂
(f)は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0056】前に例を示したアミノプラスト樹脂(f)
を合成する際に用いられる前記トリアジン環含有化合物
とホルムアルデヒドとの比率は、使用される用途により
異なるが、これらのトリアジン環含有化合物とホルムア
ルデヒドとのモル比(トリアジン環含有化合物/ホルム
アルデヒド)が1〜6の範囲であることが好ましく、
1.5〜4の範囲であることがより好ましい。
【0057】重合体Aと、化合物(z)としてアミノプ
ラスト樹脂(f)とを必須成分として含む組成物におけ
る、重合体Aとアミノプラスト樹脂(f)との比率(重
量比)は、95:5〜50:50が好ましく、80:2
0〜60:40がより好ましい。重合体Aとアミノプラ
スト樹脂(f)を必須成分とする、この組成物中に、反
応を促進するためにパラトルエンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸等の従来公知の触媒を用いることは自由であ
る。
【0058】1分子中に2個以上のカルボキシル基を有
する化合物(g)としては、特に限定はされないが、た
とえば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット
酸、無水ピロメリット酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、ジフェン酸、ナフタレンジ
カルボン酸などの多官能カルボン酸またはその無水物、
および、これらのハロゲン化物、カルボキシル基を複数
個有するポリマーなどが挙げられる。化合物(g)は、
1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
化合物(g)と、重合体A中の水酸基とのモル比(化合
物(g)/重合体A中の水酸基)は、1〜3であること
が好ましく、1〜2であることがより好ましい。
【0059】重合体Aと、水酸基と反応可能な官能基を
1分子中に2個以上有する化合物(z)とを必須として
含む組成物(以下、この組成物を単に「組成物A」と称
することがある。)を塗料用組成物として用いる場合に
は、塗膜の硬度が要求されるため、ある程度の架橋密度
が必要となる。そのため、塗料用途に用いられる重合体
Aとしては、水酸基価が10〜300程度のものが好ま
しい。すなわち、水酸基を有する単量体を共重合しない
場合には、重合体Aの数平均分子量は、500〜120
00程度が好ましい。ただし、数平均分子量が1200
0より大きいものでも、水酸基を有する単量体を共重合
することにより用いることができる。また、この組成物
を塗料用組成物として用いる場合、重合体AのTg(ガ
ラス転移温度)としては、−30℃〜100℃が好まし
く、−10℃〜60℃がより好ましい。用いるビニル系
単量体(a)の種類と割合を調整することにより、希望
のTgを有する重合体Aを合成することができる。ま
た、アミノプラスト樹脂(f)を用いる場合には、内部
酸触媒として酸基含有ビニル系単量体を共重合すること
が好ましい。
【0060】組成物Aを塗料用組成物として用いる場
合、重合体Aに加えて、従来公知の水酸基を有する低分
子化合物や従来公知の水酸基を有するポリマー(ポリマ
ーポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオレフィン
ポリオール等)、従来公知の塗料用樹脂等が含まれてい
てもよい。
【0061】組成物Aを粘着剤用組成物として用いる場
合、重合体AのTgは、−20℃以下であることが好ま
しく、また、その分子量(重量平均分子量)は、100
0〜1000000であることが好ましい。重量平均分
子量がおよそ1000〜10000程度の低分子量の重
合体Aを、2官能イソシアネート化合物などとの組み合
わせにより、基材に塗布後に、鎖延長させ、粘着剤とし
て用いた場合、官能基を有するビニル系単量体を共重合
させて得られた従来の重合体を用いた場合(通常、重量
平均分子量が100000以上のものが用いられる)に
比べて、粘着剤組成物の粘度が低く、そのため、溶剤の
使用量が減らせる、作業性が良くなるなど、従来の粘着
剤組成物にはなかった効果が得られる。また、基材との
粘着性をより向上させるためには、酸基含有モノマーを
共重合することが好ましい。
【0062】組成物Aを粘着剤用組成物として用いる場
合、この組成物中には、必要に応じて、従来公知の、粘
着付与剤、可塑剤、充填剤および老化防止剤などの添加
剤が含まれていてもよい。使用できる粘着付与剤として
は、特に限定されないが、例えば、ロジン系、ロジンエ
ステル系、ポリテルペン樹脂、クロマン−インデン樹
脂、石油系樹脂およびテルペンフェノール樹脂などが挙
げられる。可塑剤としては、特に限定はされないが、例
えば、液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソ
プレンおよび液状ポリアクリレートなどを挙げることが
できる。充填剤としては、特に限定はされないが、例え
ば、亜鉛華、チタン白、炭酸カルシウム、クレーおよび
各種顔料などを挙げることができる。老化防止剤として
は、特に限定はされないが、例えば、ゴム系酸化防止剤
(フェノール系、アミン系)および金属ジチオカルバメ
ートなどを挙げることができる。以上に挙げた粘着付与
剤、可塑剤、充填剤および老化防止剤は、各々につい
て、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用しても
よい。
【0063】組成物Aを接着剤用組成物として用いる場
合、重合体Aの分子量(重量平均分子量)は、1000
〜1000000であることが好ましい。この重合体A
を、従来公知のイソシアネート化合物などとの組み合わ
せる事により、一液型もしくは二液型接着剤として用い
る事ができる。組成物Aを接着剤用組成物として用いる
場合、この組成物中には、必要に応じて、従来公知の、
ポリオール類(低分子量ポリオール類、高分子量ポリオ
ール類)、粘着性付与剤、カップリング剤、揺変剤、無
機充填剤および安定剤などの添加剤が含まれていてもよ
い。使用できるポリオール類としては、特に限定されな
いが、例えば、低分子量ポリオール類としてエチレング
リコール(EGとも言う)、ジエチレングリコール(D
EGとも言う)、ジプロピレングリコール(DPGとも
言う)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDとも言
う)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HDとも言
う)、ネオペンチルグリコール(NPGとも言う)、ト
リメチロールプロパン(TMPとも言う)等が挙げら
れ、高分子量ポリオールとしてポリエーテルポリオール
〔ポリエチレングリコール(PEGとも言う)、ポリプ
ロピレングリコール(PPGとも言う)、エチレンオキ
サイド/プロピレンオキサイド共重合体(EO/PO共
重合体とも言う)、ポリテトラメチレングリコール(P
TMEGとも言う)〕、ポリエステルポリオール、ひま
し油、液状ポリブタジエン、エポキシ樹脂、ポリカーボ
ネートジオール、ポリマーポリオール、ポリオレフィン
ポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。粘着
性付与剤としては、特に限定されないが、例えば、テル
ペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹
脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂等を挙げることができ
る。カップリング剤としては、特に限定はされないが、
シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げ
られる。無機充填剤としては、特に限定はされないが、
例えば、カーボンブラック、チタン白、炭酸カルシウ
ム、クレーなどを挙げることができる。揺変剤として
は、特に限定されないが、エアロジル、ディスパロン等
が挙げられる。安定剤としては、特に限定はされない
が、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、
耐加水分解安定剤などを挙げることができる。以上に挙
げた、ポリオール類、粘着性付与剤、カップリング剤、
揺変剤、無機充填剤および安定剤は、各々について、1
種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0064】上記接着剤の用途としては、特に限定はさ
れないが、例えば、食品包装用接着剤、靴・履物用接着
剤、美粧紙用接着剤、木材用接着剤、構造用(自動車、
浄化槽、住宅)接着剤、磁気テープバインダー、繊維加
工用バインダー、繊維処理剤等が挙げられる。組成物A
をウレタンフォーム組成物として用いる場合、この組成
物中には、必要に応じて、従来公知の、ポリオール類
(この発明の製造方法により得られる重合体A以外の、
低分子量ポリオール類、高分子量ポリオール類等)、ポ
リイソシアネート(例えば、TDI、MDI等)、触媒
(例えば、アミン系、錫系等)、水、界面活性剤(例え
ば、シリコン系、非イオン系、イオン系等)、添加剤
(例えば、難燃剤、抗微生物剤、着色剤、充填剤、安定
剤等)、発泡助剤(例えば、ハロゲン化炭化水素など)
などが含まれていてもよい。
【0065】組成物Aをシーリング材組成物として用い
る場合、重合体Aの分子量(重量平均分子量)は、10
00〜1000000であることが好ましい。組成物A
をシーリング材組成物として用いる場合、この組成物中
には、必要に応じて、従来公知の、ポリオール類(重合
体A以外の高分子量ポリオール類等)、ポリイソシアネ
ート(例えば、TDI、MDI等)、触媒(例えば、ア
ミン系、錫系、鉛系等)、無機充填剤(例えば、炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー、シリカ、カーボンブラッ
ク、チタンホワイト等)、可塑剤〔例えば、フタル酸ジ
オクチル(DOPとも言う)、フタル酸ジ−i−デシル
(DIDPとも言う)、アジピン酸ジオクチル(DOA
とも言う)等〕、たれ止め剤(例えば、コロイド状シリ
カ、水添ひまし油、有機ベントナイト、表面処理炭酸カ
ルシウムなど)、老化防止剤(例えば、ヒンダートフェ
ノール類、ベンゾトリアゾール、ヒンダートアミン類
等)、発泡抑制剤(例えば、脱水剤、炭酸ガス吸収剤
等)などが含まれていてもよい。
【0066】なお、この発明の製造方法により得られる
重合体Aの有する水酸基を、ヒドロキシシリル基やアル
コキシシリル基、メルカプト基に変換した重合体をシー
リング材組成物の必須成分として用いた場合、そのシー
リング材組成物は、ウレタンとは異なる架橋システムを
持つシーリング材組成物となる。次に、この発明にかか
る製造方法により製造された重合体Aを、水酸基と反応
可能な官能基と重合性不飽和基との2種類の反応性基を
1分子中に併せて有する化合物(h)と反応させて得ら
れる、両末端に重合性不飽和基を有する重合体(以下、
この重合体を「重合体B」と称することがある)につい
て説明する。
【0067】この重合体Bを合成する際、重合体Aと反
応させる、水酸基と反応可能な官能基と重合性不飽和基
との2種類の反応性基を1分子中に併せて有する化合物
(h)としては、特に限定はされないが、例えば、イソ
シアネート基、カルボキシル基、メチロール化されたト
リアジン環などを有するビニル系単量体などが挙げられ
る。より具体的には、例えば、メタクリロイルオキシエ
チルイソシアナート、メタクリロイルイソシアナート、
イソプロペニルジメチルベンジルイソシアナート、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、無水イタコン酸およびこれらのカルボ
キシル基のハロゲン化物、ビニルグアナミンのメチロー
ル化物等が挙げられる。
【0068】また、この反応の際に、溶媒や従来公知の
触媒を用いるのは自由である。この触媒の例としては、
化合物(h)の有する官能基がイソシアネート基である
場合には、トリエチルアミンなどの3級アミン類、ジブ
チルすずジラウレートなどのすず化合物類などが、前記
官能基がカルボキシル基または酸無水物基である場合に
は、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン化合物、
硫酸などの無機酸、および、酢酸ナトリウムなどの有機
酸アルカリ金属塩などが、前記官能基がトリアジン環の
メチロール化物である場合には、ドデシルベンゼンスル
ホン酸などのスルホン酸類および他の弱酸などがそれぞ
れ挙げられる。
【0069】重合体Bを組成物の必須成分として用いる
場合、この組成物に含まれるその他の成分としては、た
とえば、1分子中に重合性不飽和基を1個有するビニル
系単量体などが挙げられる。このビニル系単量体として
は、特に制限はなく、従来公知のものを問題なく用いる
ことができる。たとえば、両末端に水酸基を有する重合
体Aを製造する際に用いられるビニル系単量体(a)
は、すべて使用することができ、特に、スチレン、アク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル等が好ましい。
上記組成物中には、必要に応じて、従来公知の重合開始
剤が含まれていてもよい。また、重合を開始するエネル
ギー源としては、特に限定はされないが、例えば、光、
EB、UV、放射線、熱などを用いることが出来る。
【0070】重合体Bと、上述した1分子中に重合性不
飽和基を1個有するビニル系単量体とを必須成分として
含む組成物の例としては、以下に詳しく述べるゲルコー
ト樹脂組成物、人工大理石用樹脂組成物などが挙げられ
る。上記ゲルコート樹脂組成物は、必要に応じて、1分
子中に2個以上の重合性不飽和基を有する多官能ビニル
系単量体をも含んでいてもよい。この多官能ビニル系単
量体としては、特に限定されないが、例えば、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、1、
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、1種または2種以上の組合せで用いることが
できる。
【0071】前記ゲルコート樹脂組成物に含まれる重合
体Bとビニル系単量体との重量比(重合体B/ビニル系
単量体)は、特に制限はされないが、10/90〜60
/40が好ましく、20/80〜50/50がより好ま
しい。この比が10/90より小さくなると、ゲルコー
ト樹脂層の反応収縮が大きすぎるため、収縮ひずみが大
きくなり、良好なコート表面が得られにくくなるからで
ある。また、その比が60/40より大きくなると、ゲ
ルコート樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、作業性が極
端に落ちることが起こりやすいからである。
【0072】ゲルコート層の表面硬度を得るためには、
本用途に用いられる重合体BのTgおよびビニル系単量
体のTgは、いずれも20℃以上であることが好まし
い。また、表面硬度を得るために架橋密度を上げる必要
がある場合には、重合体Bの前駆体である重合体A中
に、水酸基を有するビニル系単量体を共重合したり、前
記多官能ビニル系単量体を50重量%以下の割合で用い
たりすることが好ましい。
【0073】前記ゲルコート樹脂組成物には、必要に応
じて、ハイドロキノン、カテコール、2,6−ジターシ
ャリーブチルパラクレゾール等の重合禁止剤が加えら
れ、通常、一般的に用いられるラジカル重合開始剤、特
に有機過酸化物開始剤などによって硬化させられる。有
機過酸化物開始剤を用いた場合には、ナフテン酸コバル
ト、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸鉄などの各種還元
性金属塩、アミン類やメルカプタン類の様な還元性化合
物などの硬化促進剤を併用してもよい。
【0074】前記ゲルコート樹脂組成物には、また、必
要に応じて、染料、可塑剤、紫外線吸収剤などの他、シ
リカ、アスベスト粉、水素化ヒマシ油、脂肪酸アミド等
の従来公知の揺変剤、充填剤、安定剤、消泡剤、レベリ
ング剤等の各種添加剤を配合することができる。前記人
工大理石用樹脂組成物には、必要に応じて、1分子中に
2個以上の重合性不飽和基を有する多官能ビニル系単量
体や、充填剤、硬化剤、熱可塑性ポリマーなどの添加剤
などを添加することは自由である。
【0075】人工大理石用樹脂組成物に必要に応じて添
加される多官能ビニル系単量体としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、前述のゲルコート樹脂組成物に含
有されてもよい多官能ビニル系単量体は、すべて使用す
ることができる。多官能ビニル系単量体の添加量は、特
に限定されないが、重合体B、1分子中に重合性不飽和
基を1個有するビニル系単量体および多官能ビニル系単
量体の合計量に対して40重量%以下が好ましい。多官
能ビニル系単量体の添加量が40重量%を超えると、得
られる人工大理石が硬くてもろいものとなり望ましくな
いからである。
【0076】人工大理石用樹脂組成物に必要に応じて添
加される充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、シリカ、石英、アルミナ、ジルコニア、
ガラスパウダー、ガラス繊維、大理石、石灰岩、輝石、
角閃石、砂岩、花こう岩、玄武岩などの天然砕石、不飽
和ポリエステル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂およびメラ
ミン樹脂などの合成樹脂の破砕物などが挙げられる。充
填剤の添加量は、特に限定されないが、重合体B、1分
子中に重合性不飽和基を1個有するビニル系単量体およ
び多官能ビニル系単量体の合計量に対して100〜80
0重量%が好ましい。この添加量が100重量%未満で
あると、耐熱性や難燃性が不十分となる場合があり、ま
た、800重量%を超えると、重合体B、1分子中に重
合性不飽和基を1個有するビニル系単量体および多官能
ビニル系単量体への充填材の分散性が不十分となった
り、成型硬化時の流動性が損なわれて均一な人工大理石
が得られなかったりすることがある。
【0077】人工大理石用樹脂組成物に必要に応じて添
加される硬化剤としては、特に限定はされないが、例え
ば、ベンゾイルパーオキサイド、シクロヘキサノンパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルパーオキシオクトエート等が挙げられる。中でもプレ
ス成形用として好ましいのは、クラックを生じずに透明
性の良い硬化物を与える、中・高温硬化剤のt−ブチル
パーオキシオクトエートやベンゾイルパーオキサイドで
ある。また、中・低温硬化剤は、単独もしくは硬化促進
剤と組み合わせて有機アミンや多価金属の塩類とともに
用いられるが、注型用として好ましいのは、ビス(4−
t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート
(パーカドックスPX−16、日本化薬(株)製)であ
る。
【0078】人工大理石用樹脂組成物に必要に応じて添
加される熱可塑性ポリマーとしては、特に限定はされな
いが、例えば、ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)ア
クリル系ポリマー、(メタ)アクリレート−スチレン共
重合体、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、スチレン−酢
酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、
ポリエチレン、ポリカプロラクタム、飽和ポリエステル
等の従来公知の低収縮化用ポリマーを単独もしくは併用
して用いられる。ただし、低収縮化用の熱可塑性ポリマ
ーを多量に配合すると、混練時の粘度上昇を招いて高充
填剤含量の注型用配合物が得難くなったり、製品の透明
性や耐熱性の点で劣ったものしか得られなくなったりす
ることがある。したがって、低収縮化用の熱可塑性ポリ
マーは、できるだけ少量用いるのがよく、特に限定はさ
れないが、重合体B、1分子中に重合性不飽和基を1個
有するビニル系単量体および多官能ビニル系単量体の合
計量に対して、100重量%以下の範囲で使用すること
が好ましい。
【0079】次に、この発明の製造方法により得られる
重合体Aを、水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル
基との2つの反応性基を1分子中に併せて有する化合物
(i)および/または酸無水物と反応させて得られる、
両末端にカルボキシル基を有する重合体Cについて説明
する。この重合体Cを合成する際、水酸基を有する重合
体Aと反応させる、水酸基と反応可能な官能基とカルボ
キシル基との2つの反応性基を1分子中に併せて有する
化合物(i)としては、特に限定はされないが、例え
ば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、フタル酸、テレフタル酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸などの2塩基酸、クロロ
酢酸、ブロモ酢酸などのハロゲン置換カルボン酸などが
挙げられる。このように、化合物(i)の有する、水酸
基と反応可能な官能基とカルボキシル基との2つの反応
性基とは、2つのカルボキシル基であってもよいし、ハ
ロゲン基等のカルボキシル基以外の官能基とカルボキシ
ル基の組み合わせであってもよいのである。化合物
(i)の代わりに酸無水物を用いてもよいし、あるい
は、化合物(i)と酸無水物を併用してもよい。酸無水
物も、特に限定はされず、例えば、無水コハク酸、無水
グルタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸などが挙げられる。
【0080】両末端に水酸基を有する重合体Aと化合物
(i)および/または酸無水物との反応の際に、溶媒や
従来公知の触媒を用いるのは自由である。この触媒の例
としては、化合物(i)の有する、水酸基と反応可能な
官能基がカルボキシル基である場合には、硫酸、塩酸な
どの無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
無機塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの3級アミ
ン化合物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの有機酸
塩などが、ハロゲン基の場合には、ピリジン、トリエチ
ルアミンなどの3級アミン化合物などがそれぞれ挙げら
れる。
【0081】重合体Aを酸無水物と反応させる場合の反
応温度は、特に限定はされないが、60〜100℃が好
ましい。60℃未満の場合は、反応速度が遅く、最終的
な変換率も低い。また、100℃を超えると、2塩基酸
の反応速度は高くなるが、ジエステルの生成量が増加
し、反応後の分子量が増加するなどの問題が生じる。次
に、両末端にカルボキシル基を有する重合体Cと、カル
ボキシル基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有
する化合物(j)とを必須成分として含むことを特徴と
する樹脂組成物について説明する。
【0082】カルボキシル基を有する重合体Cは、1種
のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ま
た、この樹脂組成物に含まれる、重合体Cと化合物
(j)との重量比(重合体C/化合物(j))は、特に
限定はされないが、99.99/0.01〜40/60
であることが好ましく、99.9/0.1〜60/40
であることがより好ましい。
【0083】カルボキシル基と反応可能な官能基を1分
子中に2個以上有する化合物(j)としては、特に限定
はされないが、例えば、1分子中に2個以上のエポキシ
基を有する化合物、1分子中に2個以上の水酸基を有す
る化合物、1分子中に2個以上のアミノ基を有する化合
物、1分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合
物、1分子中に2個以上のハロゲン基を有する化合物、
1分子中に2個以上のオキサゾリン基を有する化合物、
1分子中に2個以上のアジリジン基を有する化合物、1
分子中に2個以上のエステル基を有する化合物、1分子
中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物などが挙
げられる。
【0084】重合体Cは、エポキシ樹脂組成物の必須成
分として用いてもよい。このようなエポキシ樹脂組成物
中に含まれるその他の必須成分であるエポキシ樹脂とし
ては、従来公知のエポキシ樹脂であれば、特に制限はな
く、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フ
ェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化
ビスフェノールAなどのフェノール類のグリシジルエー
テル;ブタノール、ブタンジオール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール類
のグリシジルエーテル;ヘキサヒドロフタル酸、ダイマ
ー酸などの酸のグリシジルエステル類などを挙げること
ができる。これらは、単独で使用しうる他、2種類以上
を併用しても構わない。
【0085】上記エポキシ樹脂組成物には、必要に応じ
て、充填剤、顔料、硬化剤などの添加剤を添加すること
は自由である。充填剤としては、水酸化アルミニウム、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、タルク、クレー、シリカ、カオリン、酸化チタン、
石英、石英ガラス、アルミナ、ジルコニア、ガラスパウ
ダー、ガラス繊維、大理石、石灰岩、輝石、角閃石、砂
岩、花こう岩、玄武岩などの天然砕石、不飽和ポリエス
テル樹脂、熱硬化型アクリル樹脂およびメラミン樹脂な
どの合成樹脂の破砕物などが挙げられる。硬化剤として
は、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプ
ロピルアミンなどの直鎖状脂肪族アミン類;アミン価の
異なる各種ポリアミド類;メンセンジアミン、イソホロ
ンジアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン
などの脂環族アミン類;m−キシレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、
m−フェニレンジアミンなどの芳香族アミン類;無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水
フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデ
シル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、メチルシクロ
ヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水トリメリット
酸、ポリアゼライン酸無水物などの酸無水物類;フェノ
ールノボラック、クレゾールノボラックなどのフェノー
ル性水酸基含有化合物類;ポリメルカプタン類;2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのアニオン重
合触媒類;BF3 モノエチルアミン錯体などのカチオン
重合触媒類;ジシアンジアミド、アミンアダクト、ヒド
ラジド、アミドアミン、ブロックイソシアネート、カル
バミン酸塩、ケチミン、芳香族ジアゾニウム塩などに代
表される潜在性硬化剤類などが挙げられ、それらの1種
もしくは2種以上を使用することが出来る。
【0086】次に、この発明の製造方法により得られる
重合体Aを必須成分として含むポリオール成分(k)
を、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多
官能イソシアネート化合物(e)と反応させて得られる
ポリウレタンについて説明する。このポリウレタンを合
成する際に用いられる1分子中に2個以上のイソシアネ
ート基を有する多官能イソシアネート化合物(e)は、
前述した通りである。重合体Aを必須成分として含むポ
リオール成分(k)としては、重合体A単独(2種類以
上の重合体Aを用いる場合も含む)でもよいが、重合体
Aをその他のポリオールと組み合わせて用いることもで
きる。その他のポリオールとしては、特に限定されない
が、たとえば、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの低分子
量ポリオールやソルビタン脂肪酸エステルなどの低分子
量ポリオールの部分エステル化物、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール−ポリエチレングリコールブロック共重合体など
のポリエーテルポリオール、前記の低分子ポリオールと
フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸などの多官能カルボン酸より合成し
たポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオー
ル、ブタジエンおよびブタジエン/アクリロニトリル共
重合体主鎖よりなるジエン系ポリオール、ポリオレフィ
ンポリオール、アクリルポリオール、ポリマーポリオー
ルなどの高分子ポリオールなどから選ばれた1種または
2種以上が挙げられる。
【0087】また、この合成の際には、ポリオール成分
(k)と、多官能イソシアネート化合物(e)との全量
を1段階で反応させてもよいし、あるいは、1段階目で
ポリオール成分(k)中の特定成分と、多官能イソシア
ネート化合物(e)とを反応させて、まず、末端に少な
くとも1個のイソシアネート基を有するポリマー(オリ
ゴマー)を合成した後、次の段階で、このポリマー(オ
リゴマー)をさらに他の水酸基を1個有するポリマー
(オリゴマー)と反応させることにより、ポリウレタン
を合成する2段反応を用いてもよい。ただし、2段反応
の場合には、途中で反応後残存したイソシアネート化合
物を系外に取り除く必要のある場合がある。
【0088】このポリウレタンを合成する際の、重合体
Aと多官能イソシアネート化合物(e)との使用量の比
については、特に限定はされない。たとえば、前述の2
段階反応の場合には、化合物(e)中のイソシアネート
基と、重合体A中の水酸基とのモル比(NCO/OH)
は、1より高ければ問題はないが、この段階での分子量
増大を防ぎ、明確なブロック構造を有するポリウレタン
を合成するためには、1.2〜2.0が好ましく、1.
5〜2.0がより好ましい。また、1段階反応の場合の
多官能イソシアネート化合物(e)中のイソシアネート
基と、重合体A中の水酸基とのモル比(NCO/OH)
は、0.5〜1.5であることが好ましく、0.8〜
1.2であることがより好ましい。
【0089】このポリウレタンを合成の際には、ウレタ
ン化反応促進のために、有機スズ化合物や第3級アミン
等の公知の触媒を用いたり、各種溶媒を用いたりするこ
とは自由である。次に、この発明の製造方法により得ら
れる重合体Aを必須成分として含むポリオール成分
(k)を、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有す
る化合物(g)と反応させて得られるポリエステルにつ
いて説明する。
【0090】このポリエステルを合成する際に用いられ
る、重合体Aを必須成分とするポリオール成分(k)
は、上記のポリウレタンのところで説明したものと同じ
である。また、1分子中に2個以上のカルボキシル基を
有する化合物(g)も、前述のものと同じである。ま
た、この合成の際には、エステル化反応促進のために硫
酸などの無機酸などの公知の触媒を用いたり、各種溶媒
を用いることは自由である。
【0091】上述したポリウレタンまたはポリエステル
を成型材料として用いる場合、成型材料中には、必要に
応じて、他の成分として、従来の成型材料に含まれてい
るようなガラス繊維、パルプ等の充填材、離型材、炭酸
カルシウム、酸化チタン等の顔料、紫外線吸収材、酸化
防止材等が含まれていてもよい。成型方法としては、従
来公知のどの成型方法を用いてもよい。成型物の形状に
ついては、フィルム状、シート状等、種々の形に成型す
ることができる。
【0092】次に、この発明の製造方法により得られる
重合体Aを必須成分として含むブロックポリマーについ
て説明する。このブロックポリマーを得る方法として
は、特に限定はされないが、たとえば、下記〜の4
つの方法等が挙げられる。 この発明の製造方法により得られる異なる種類の重
合体Aまたは重合体Aと他のポリオールとの組合せより
なる2種類以上のポリオールを用い、これらと、水酸基
と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物
とを反応させる方法。
【0093】 この発明の製造方法により得られる重
合体Aと、水酸基を1分子中に1個のみ有する重合体
と、水酸基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上有
する化合物とを反応させる方法。 この発明の製造方法により得られる重合体Aと、水
酸基と反応可能な官能基を1分子中に1個または2個以
上有する重合体とを反応させる方法。
【0094】 この発明の製造方法により得られる重
合体Aを開始剤として用い、エチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、テトラハイドロフラン等の環状エー
テルの1種または2種以上を開環重合する方法。 前記、およびの方法において、水酸基と反応可能
な官能基としては、特に限定はされないが、たとえば、
イソシアネート基、カルボキシル基、トリアジン環、メ
チロール化トリアジン環、酸無水物、アズラクトン環、
シラノール基、カーボネート基、エポキシ基、酸ハライ
ド基などが挙げられる。
【0095】また、前記、およびの方法における
反応の手法としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、前述のポリウレタンおよびポリエステルの説明にお
いて述べた、1段で反応させる方法および多段反応法の
いずれも用いることができる。このブロックポリマーの
用途については、特に限定はされないが、たとえば、界
面活性剤、相溶化剤、トナー用樹脂、ホットメルト接着
剤、熱可塑性エラストマー、熱硬化性エラストマー、樹
脂改質剤、粘着剤、分散剤、耐熱性透明樹脂、耐衝撃性
透明樹脂、人工皮革、合成皮革、セメント減水剤、ウレ
タンフォーム等である。
【0096】このブロックポリマーの構造は、特に限定
はされないが、各々の用途に応じて自ずと決まってく
る。たとえば、界面活性剤用途を例にして説明すると、
ブロックポリマーを構成する2種類以上のセグメント
は、親水性セグメントと疎水性セグメントとからなるも
のであることが望ましい。また、エラストマー用途を例
にして説明すると、ブロックポリマーを構成する2種類
以上のセグメントは、ガラス転移温度がお互いに10℃
以上異なっているものであることが望ましい。
【0097】
【作用】この発明の製造方法では、ビニル系単量体
(a)の重合を、過酸化水素(b)とともに、過酸化水
素分解促進剤(c)および/または両親媒性化合物
(d)を用いて行うようにしている。すると、ビニル系
単量体(a)が重合して生成する重合体の両末端に対し
て水酸基が容易かつ確実に、しかも効率良く導入され
る。そのため、両末端に水酸基を有する重合体を、有極
性のビニル系単量体も含めた幅広いビニル系単量体から
容易かつ安価に効率良く得ることが可能になる。
【0098】過酸化水素(b)だけでは、重合体の両末
端に水酸基を導入することはできないが、過酸化水素分
解促進剤(c)および/または両親媒性化合物(d)を
過酸化水素(b)と併用することにより、確実に両末端
に水酸基を導入することが可能になる。また、この発明
の製造方法では、前記4者(a)、(b)、(c)、
(d)以外の成分を実質的に用いないようにしている。
具体的には、(a)、(b)、(c)、(d)以外の成
分が、全成分量に対して10重量%以下程度になるよう
にしている。もしも、(a)、(b)、(c)、(d)
以外の成分(例えば、水や溶剤等)が全成分量に対して
10重量%より多く含まれていると、片末端もしくは両
末端とも全く水酸基の入ってない重合体が副生し、重合
体の末端水酸基数が低下する。
【0099】この発明の製造方法により得られる重合体
Aは、その主鎖を構成するビニル系単量体(a)の種類
を任意に選択することにより、透明性、耐候性、耐水
性、耐加水分解性、耐薬品性を有し、また、この重合体
Aを含む組成物から誘導されるポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの各種樹脂、
各種ブロックポリマーなどが有する、非常に伸びがあり
(曲げ加工性がよく)かつ強靱であるという特性を発揮
することから、塗料(ハイソリッド、低温硬化等)、弾
性壁材、塗膜防水材、粘着剤、床材、粘着性付与剤、接
着剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、
鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、
マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、
シーリング材、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟
質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、熱硬化型
エラストマー、熱可塑性エラストマー、マイクロセルラ
ー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活
性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用
耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート
接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応
性希釈剤、各種成型材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮
革等の原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原
料等として、非常に有用である。
【0100】重合体Aは、両末端の水酸基を適当な方法
により反応させることにより、他の官能基(例えば、ビ
ニル基などの重合性不飽和基、ホルミル基、アミノ基、
カルボキシル基、エチニル基、エポキシ基、シラノール
基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、メルカプト
基、オキサゾリン基、マレイミド基、アズラクトン基、
ラクトン基、臭素、塩素など)を両末端に有する重合体
へ容易に変換させることが可能である。これらの重合体
も大変有用である。例えば、両末端にカルボキシル基を
有する重合体(重合体C)は、エポキシ接着剤の耐衝撃
性付与剤などとして大変有効である。また、重合体A
は、その末端水酸基にエチレンオキサイドやプロピレン
オキサイドを複数個付加することにより、界面活性剤、
ウレタンフォーム、セメント減水剤、相溶化剤などの原
料となる。
【0101】重合体Aおよび多官能イソシアネート化合
物(e)を必須として含む組成物、ならびに、重合体A
およびアミノプラスト樹脂(f)を必須として含む組成
物を、それぞれ塗料の必須原料として用いた場合、柔軟
かつ強靱であるばかりでなく、耐候性、耐水性、耐加水
分解性、耐薬品性、硬度などの非常にすぐれた塗膜を得
ることができる。また、低分子量にしても、重合体Aの
末端に水酸基が存在するため、従来のハイソリッド型塗
料の欠点である強靱性を改良できる。
【0102】重合体Aおよび多官能イソシアネート化合
物(e)を必須成分として含む組成物をシーリング材と
して用いた場合、非常に柔軟かつ強靱で、耐候性、耐水
性、耐薬品性にすぐれたシーリング材を得ることができ
る。重合体Aおよび多官能イソシアネート化合物(e)
を必須として含む組成物をウレタンフォーム用途および
熱硬化性ポリウレタンエラストマー用途に用いた場合、
柔軟性、耐候性、耐水性、耐薬品性にすぐれたウレタン
フォームおよびエラストマーを得ることができる。
【0103】重合体Aを、1分子中に水酸基と反応可能
な官能基と重合性不飽和基との2種類の反応性基を併せ
て有する化合物(h)と反応させて得られる重合性不飽
和基を有する重合体Bに加えて、1分子中に重合性不飽
和基を少なくとも1個有するビニル系単量体を必須成分
として含む組成物をゲルコート樹脂組成物用途に用いた
場合、ゲルコート層成型時の反応収縮が小さく、ゲルコ
ート樹脂組成物の作業時の粘度が低く、ゲルコート作業
性がよく、また硬度が大きく、強靱で耐候性のよいゲル
コート層が得られる。
【0104】重合体Aと多官能イソシアネート化合物
(e)とを反応させて得られるポリウレタン、および、
重合体Aと1分子中に2個以上のカルボキシル基を有す
る化合物(g)とを反応させて得られるポリエステル
を、それぞれ成型材料の必須成分として用いた場合、加
工性、耐加水分解性、耐候性、耐薬品性および低温特性
にすぐれた成型材料を得ることができる。
【0105】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例を比較例
と併せて説明するが、この発明は、下記実施例に限定さ
れない。また、下記実施例および比較例中、「部」およ
び「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表
す。さらに、下記実施例および比較例中、「重合率」
は、重合終了後、ガスクロマトグラムによる各単量体の
残存率から算出した数値で、「数平均分子量(Mn)」
は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて標
準ポリスチレンによる検量線から換算した数値である。
また、「平均末端水酸基数(Fn(OH))」は、JI
S−K−1557に準じて求めたOH価と上記で測定し
た数平均分子量(Mn)の値とから算出した数値であ
る。そして、「ゲル分率」は、得られた重合体と、スミ
ジュールN−75(3官能性イソシアネート化合物、住
友バイエルウレタン社製)とを、イソシアネート基と水
酸基のモル比が1.1/1になるように混合して約40
%のトルエン溶液とした後、これに触媒としてジブチル
すずジラウレートを微量添加し、よく攪拌混合したもの
を80℃で3時間反応させてポリウレタンフィルムを
得、次いで、このフィルムを、十分に乾燥させた後、テ
トラヒドロフランを溶媒としたソックスレー抽出に8時
間かけた時に抽出されずに残った不溶分の重量%を表
す。
【0106】−実施例1− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、アクリル酸ブチル100部と、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸11部と、60%過酸化水素水3.9
部とを仕込み、フラスコ内の窒素置換を行った後、緩や
かに窒素ガスを吹き込みながら、140℃に加熱し、同
温度で10分間攪拌を続けて、重合を完了させた。ガス
クロマトグラムによるアクリル酸ブチルの残存率から重
合率を求めたところ、96%であった。
【0107】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。トルエンを留去
し、さらに減圧下、45℃で乾燥させることにより、精
製された重合体〔1〕を得た。精製後の重合体〔1〕の
数平均分子量(Mn)は13000であった。また、重
合体〔1〕の平均末端水酸基数(Fn(OH))は2.
0(モル/重合体1モル)であり、ゲル分率は91%で
あった。
【0108】−実施例2、3− 実施例1においてビニル系単量体(a)、過酸化水素
(b)、過酸化水素分解促進剤(c)の種類、比率を後
記表1に示した通りとした以外は、実施例1と同様の手
法で重合反応を行った。続いて、実施例1と同様の手法
で、精製された重合体〔2〕、〔3〕を得た。
【0109】精製後の重合体〔2〕、〔3〕について、
数平均分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(O
H))(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を
求め、それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重
合率とともに後記表5に示した。 −実施例4− 住友/スルザーのSMXタイプのエレメント(スルザー
社製)および外部ジャッケットを備えた反応管(内径4
2.7mm、長さ450mm、エレメント数12、SU
S316製、実質内容量190ml)を5本連結した管
型反応器に、後記表1に示した比率でビニル系単量体
(a)および過酸化水素分解促進剤(c)を混合したも
のと、過酸化水素(b)とを、それぞれプランジャーポ
ンプを用いて、(a)、(b)、(c)の全量が32m
l/分の流量で連続的に供給されるよう設定し、内温が
後記表1に示した重合温度で安定するようジャッケット
内に熱媒を流し、連続重合を行った。平均滞留時間は3
0分であった。次に実施例1と同様の精製方法により精
製し、重合体〔4〕を得た。
【0110】精製後の重合体〔4〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率ととも
に後記表5に示した。 −実施例5− 原料供給口、製品取り出し口以外に供給口と取り出し口
の中間にもう一つの原料供給口も備えた外部ジャケット
付2軸押し出し機(内径1インチ、L/D=48、バレ
ル数8、スクリューSACM645製、シャフトSNC
M439製、その他SACM645製)に、後記表1に
示した比率のビニル系単量体(a)および過酸化水素分
解促進剤(c)を混合したものと、過酸化水素(b)と
を、それぞれプランジャーポンプを用いて、(a)、
(b)、(c)の全量が20ml/分の流量で連続的に
供給されるよう設定し、定常状態での平均滞留時間が3
0分程度となるようにスクリューの形状、回転数を決
め、内温が後記表1に示した重合温度で安定するようジ
ャッケット内に熱媒を流し、連続重合を行った。
【0111】精製後の重合体〔5〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率ととも
に後記表5に示した。 −実施例6− 実施例1において、過酸化水素分解促進剤(c)として
塩酸を用いる以外は、実施例1と同様の手法で重合反応
を行った。続いて、実施例1と同様の手法で、精製され
た重合体〔6〕を得た。
【0112】精製後の重合体〔6〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率ととも
に後記表5に示した。 −実施例7− 住友/スルザーのSMXタイプのエレメント(スルザー
社製)および外部ジャッケットを備えた反応管(内径4
2.7mm、長さ450mm、エレメント数12、SU
S316製、実質内容量190ml)を5本連結した管
型反応器に、後記表2に示した比率でビニル系単量体
(a)および過酸化水素分解促進剤(c)を混合したも
のと、過酸化水素(b)とを、それぞれプランジャーポ
ンプを用いて、(a)、(b)、(c)の全量が32m
l/分の流量で連続的に供給されるよう設定し、内温が
後記表2に示した重合温度で安定するようジャッケット
内に熱媒を流し、連続重合を行った。平均滞留時間は3
0分であった。次に実施例1と同様の精製方法により精
製し、重合体〔7〕を得た。
【0113】精製後の重合体〔7〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率ととも
に後記表5に示した。 −実施例8− 実施例1において、ビニル系単量体(a)、過酸化水素
(b)、過酸化水素分解促進剤(c)の種類、比率を後
記表2に示した通りとした以外は、実施例1と同様の手
法で重合反応を行った。続いて、実施例1と同様の手法
で、精製された重合体〔8〕を得た。
【0114】精製後の重合体〔8〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率ととも
に後記表5に示した。 −実施例9− 住友/スルザーのSMXタイプのエレメント(スルザー
社製)および外部ジャッケットを備えた反応管(内径4
2.7mm、長さ450mm、エレメント数12、SU
S316製、実質内容量190ml)を5本連結した管
型反応器に、後記表2に示した比率でビニル系単量体
(a)および過酸化水素分解促進剤(c)を混合したも
のと、過酸化水素(b)とを、それぞれプランジャーポ
ンプを用いて、(a)、(b)、(c)の全量が32m
l/分の流量で連続的に供給されるよう設定し、内温が
後記表2に示した重合温度で安定するようジャッケット
内に熱媒を流し、連続重合を行った。平均滞留時間は3
0分であった。次に実施例1と同様の精製方法により精
製し、重合体
〔9〕を得た。
【0115】精製後の重合体
〔9〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率ととも
に後記表5に示した。 −実施例10、11− 実施例1において、ビニル系単量体(a)、過酸化水素
(b)、過酸化水素分解促進剤(c)の種類、比率を後
記表2、3に示した通りとした以外は、実施例1と同様
の手法で重合反応を行った。続いて、実施例1と同様の
手法で、精製された重合体〔10〕、〔11〕を得た。
【0116】精製後の重合体〔10〕、〔11〕につい
て、数平均分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn
(OH))(モル/重合体1モル)およびゲル分率
(%)を求め、それらの結果を、実施例1と同様にして
求めた重合率とともに後記表5に示した。 −実施例12− 原料供給口、製品取り出し口を備えた外部ジャケット付
KRCニーダー(内径2インチ、L/D=13.2、有
効内容積 1.2L、(株)栗本鉄工所製)に、後記表
3に示した比率のビニル系単量体(a)および過酸化水
素分解促進剤(c)を混合したものと、過酸化水素
(b)とを、それぞれプランジャーポンプを用いて、
(a)、(b)、(c)の全量が20ml/分の流量で
連続的に供給されるよう設定し、パドル回転数20rp
mとし、定常状態での平均滞留時間が30分で、内温が
後記表3に示した重合温度で安定するようジャッケット
内に熱媒を流し、連続重合を行った。
【0117】精製後の重合体〔12〕について、数平均
分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))
(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、
それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率と
ともに後記表5に示した。 −実施例13− 実施例1において、ビニル系単量体(a)、過酸化水素
(b)、両親媒性化合物(d)の種類、比率を後記表3
に示した通りとした以外は、実施例1と同様の手法で重
合反応を行った。続いて、実施例1と同様の手法で、精
製された重合体〔13〕を得た。
【0118】精製後の重合体〔13〕について、数平均
分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))
(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、
それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率と
ともに後記表5に示した。 −実施例14− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、アクリル酸ブチル35部と、ジオキサン
1.0部と、60%過酸化水素水5.3部とを仕込み、
フラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒素ガスを
吹き込みながら、140℃に加熱し、共沸脱水しながら
60分間攪拌を続けて、重合を完了させた。ガスクロマ
トグラムによるアクリル酸ブチルの残存率から重合率を
求めたところ、85%であった。
【0119】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。トルエンを留去
し、さらに減圧下、45℃で乾燥させることにより、精
製された重合体〔14〕を得た。精製後の重合体〔1
4〕について、数平均分子量(Mn)、平均末端水酸基
数(Fn(OH))(モル/重合体1モル)およびゲル
分率(%)を求め、それらの結果を、実施例1と同様に
して求めた重合率とともに後記表5に示した。
【0120】−実施例15− 住友/スルザーのSMXタイプのエレメント(スルザー
社製)および外部ジャッケットを備えた反応管(内径4
2.7mm、長さ450mm、エレメント数12、SU
S316製、実質内容量190ml)を5本連結した管
型反応器に、後記表3に示した比率でビニル系単量体
(a)および両親媒性化合物(d)を混合したものと、
過酸化水素(b)とを、それぞれプランジャーポンプを
用いて、(a)、(b)、(d)の全量が32ml/分
の流量で連続的に供給されるよう設定し、内温が後記表
3に示した重合温度で安定するようジャッケット内に熱
媒を流し、連続重合を行った。平均滞留時間は30分で
あった。次に実施例1と同様の精製方法により精製し、
重合体〔15〕を得た。
【0121】精製後の重合体〔15〕について、数平均
分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))
(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、
それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率と
ともに後記表5に示した。 −実施例16− 実施例1において、ビニル系単量体(a)、過酸化水素
(b)、過酸化水素分解促進剤(c)および両親媒性化
合物(d)の種類、比率を後記表4に示した通りとした
以外は、実施例1と同様の手法で重合反応を行った。続
いて、実施例1と同様の手法で、精製された重合体〔1
6〕を得た。
【0122】精製後の重合体〔16〕について、数平均
分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))
(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、
それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率と
ともに後記表5に示した。 −実施例17− 原料供給口、製品取り出し口以外に供給口と取り出し口
の中間にもう一つの原料供給口も備えた外部ジャケット
付2軸押し出し機(内径1インチ、L/D=48、バレ
ル数8、スクリューSACM645製、シャフトSNC
M439製、その他SACM645製)に、後記表4に
示した比率のビニル系単量体(a)、過酸化水素分解促
進剤(c)および両親媒性化合物(d)を混合したもの
と、過酸化水素(b)とを、それぞれプランジャーポン
プを用いて、(a)、(b)、(c)、(d)の全量が
20ml/分の流量で連続的に供給されるよう設定し、
定常状態での平均滞留時間が30分程度となるようにス
クリューの形状、回転数を決め、内温が後記表4に示し
た重合温度で安定するようジャッケット内に熱媒を流
し、連続重合を行った。
【0123】精製後の重合体〔17〕について、数平均
分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))
(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、
それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率と
ともに後記表5に示した。 −比較例1− 実施例1において、過酸化水素分解促進剤(c)を用い
ない以外は実施例1と同様にして、後記表6に示した比
率で重合を行い、比較用重合体〔1〕を得た。
【0124】得られた比較用重合体〔1〕の数平均分子
量、平均末端水酸基数(Fn(OH))および三官能イ
ソシアネートを用いたゲル分率を実施例1と同様にして
求めたところ、数平均分子量46000、平均末端水酸
基数(Fn(OH))0.9およびゲル分率27%とい
う結果が得られた。この結果を、実施例1と同様にして
求めた重合率とともに後記表8に示した。
【0125】−比較例2− 実施例1において、ビニル系単量体(a)、過酸化水素
(b)および過酸化水素分解促進剤(c)の種類、比率
を後記表6に示した通りとするとともに、これら
(a)、(b)、(c)以外の成分(溶媒)としてトル
エン18部を用いる以外は実施例1と同様にして、比較
用重合体〔2〕を得た。
【0126】得られた比較用重合体〔2〕の数平均分子
量、平均末端水酸基数(Fn(OH))および三官能イ
ソシアネートを用いたゲル分率を実施例1と同様にして
求めたところ、数平均分子量16000、平均末端水酸
基数(Fn(OH))0.8およびゲル分率10%とい
う結果が得られた。この結果を、実施例1と同様にして
求めた重合率とともに後記表8に示した。
【0127】−比較例3− 実施例1において、ビニル系単量体(a)、過酸化水素
(b)および過酸化水素分解促進剤(c)の種類、比率
を後記表6に示した通りとするとともに、これら
(a)、(b)、(c)以外の成分(溶媒)として水1
9部を用いる以外は実施例1と同様にして、比較用重合
体〔3〕を得た。
【0128】得られた比較用重合体〔3〕の数平均分子
量、平均末端水酸基数(Fn(OH))および三官能イ
ソシアネートを用いたゲル分率を実施例1と同様にして
求めたところ、数平均分子量49000、平均末端水酸
基数(Fn(OH))0.5およびゲル分率5%という
結果が得られた。この結果を、実施例1と同様にして求
めた重合率とともに後記表8に示した。
【0129】−比較例4− 実施例2において、過酸化水素分解促進剤(c)にドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.8部を用いる以
外は実施例2と同様にして、後記表7に示した比率で重
合を行い、比較用重合体〔4〕を得た。得られた比較用
重合体〔4〕の数平均分子量、平均末端水酸基数(Fn
(OH))および三官能イソシアネートを用いたゲル分
率を実施例1と同様にして求めたところ、数平均分子量
36000、平均末端水酸基数(Fn(OH))1.2
およびゲル分率48%という結果が得られた。この結果
を、実施例1と同様にして求めた重合率とともに後記表
8に示した。
【0130】−比較例5、6− 実施例7において、過酸化水素分解促進剤(c)の代わ
りに、ジブチルアミンあるいはトリブチルアミンを、後
記表7に示した比率で、実施例7と同様に管型反応器を
用いて重合を行い、比較用重合体〔5〕、〔6〕を得
た。得られた比較用重合体〔5〕、〔6〕の数平均分子
量、平均末端水酸基数(Fn(OH))および三官能イ
ソシアネートを用いたゲル分率を実施例7と同様にして
求めたところ、両方ともに、数平均分子量約5000、
平均末端水酸基数(Fn(OH))約1.0およびゲル
分率10%前後という結果が得られた。この結果を、実
施例1と同様にして求めた重合率とともに後記表8に示
した。
【0131】
【表1】
【0132】
【表2】
【0133】
【表3】
【0134】
【表4】
【0135】
【表5】
【0136】
【表6】
【0137】
【表7】
【0138】
【表8】
【0139】
【発明の効果】この発明の製造方法によれば、アクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル等の有極性のビニル系単量体も含めた幅広いビ
ニル系単量体から、両末端に水酸基を有する重合体(重
合体A)を、確実に、安価で簡便に、しかも効率よく得
ることができる。
【0140】この製造方法により得られる重合体Aは、
両末端に水酸基を有することにより、それ自身、ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂
などの各種樹脂の原料もしくは添加剤として、または重
合体のままで、塗料(粉体、ハイソリッド、低温硬化
等)、弾性壁材、塗膜防水材、粘着剤、床材、粘着性付
与剤、接着剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバイ
ンダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラ
フト材、マイクロカプセル、グラスファイバーサイジン
グ等)、シーリング材、ウレタンフォーム(硬質、半硬
質、軟質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、熱
硬化型エラストマー、熱可塑性エラストマー、マイクロ
セルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、
界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大
理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミ
ネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹
脂、反応性希釈剤、各種成型材料、弾性繊維、人工皮
革、合成皮革等の用途に非常に有用であるとともに、両
末端の水酸基を適当な方法により反応させることによ
り、水酸基以外の官能基(例えば、ビニル基などの重合
性不飽和基、ホルミル基、アミノ基、カルボキシル基、
エチニル基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシ
リル基、ヒドロシリル基、メルカプト基、オキサゾリン
基、マレイミド基、アズラクトン基、ラクトン基、臭
素、塩素など)を両末端に有する重合体へ容易に変換す
ることが可能である。この重合体も大変有用である。例
えば、両末端にカルボキシル基を有する重合体(重合体
C)は、エポキシ接着剤の耐衝撃性付与剤として大変有
効である。また、重合体Aの末端水酸基にエチレンオキ
サイドやプロピレンオキサイドを複数個付加させること
により、界面活性剤、ウレタンフォーム、セメント減水
剤、相溶化剤などの原料となる。
【0141】この発明の製造方法により得られる重合体
Aは、必ず両末端に水酸基を持つため容易に熱可塑性樹
脂にすることができるので、熱可塑性の水性塗料の原料
として用いることができる。また、重合体Aは、分子量
が小さくても、必ず両末端に水酸基を持つため、水に対
する分散性または溶解性に優れ且つ耐水性等の良好な塗
膜物性を有する水性の硬化性塗料(たとえば、水性2液
ウレタン樹脂系塗料等)の原料として用いることができ
る。
【0142】重合体Aは、前述のように、必ず両末端に
水酸基を持つため容易に熱可塑性樹脂にすることができ
るので、熱可塑性の水性接着剤の原料として用いること
もできる。また、重合体Aは、分子量が小さくても、必
ず両末端に水酸基を持つため、水に対する分散性または
溶解性に優れ且つ耐水性等の良好な接着物性を有する水
性の硬化性接着剤の原料として用いることができる。
【0143】重合体Aは、エポキシ樹脂系塗料の曲げ加
工性向上用添加剤としても有効である。特に、分子量1
000〜5000のエポキシ樹脂をメラミン樹脂で架橋
するPCM(プレコートメタル)の曲げ加工性向上用添
加剤として大変有効である。この発明の製造方法により
得られる重合体Aと、水酸基と反応可能な官能基を1分
子中に2個以上有する多官能化合物(z)とを必須成分
として含む組成物(組成物A)は、ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの各種樹
脂、各種ブロックポリマー、塗料(粉体、ハイソリッ
ド、低温硬化等)、弾性壁材、塗膜防水材、粘着剤、床
材、粘着性付与剤、接着剤、バインダー(磁気記録媒
体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバ
インダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラスファ
イバーサイジング等)、シーリング材、ウレタンフォー
ム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV・E
B硬化樹脂、熱硬化型エラストマー、熱可塑性エラスト
マー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材
料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石
用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、
フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、合わ
せガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成型材料、弾性繊
維、人工皮革、合成皮革等の原料として、また、各種樹
脂添加剤およびその原料等に用いられた場合、柔軟で強
靭な機械物性を有するのみでなく、重合体Aの主鎖を構
成する単量体成分(a)の種類によっては、非常に良好
な透明性、耐候性、耐水性、耐加水分解性、耐薬品性な
どの物性も遺憾なく発揮し、非常に良好な物性を示す。
【0144】例えば、重合体Aとして重量平均分子量が
およそ1000〜10000程度の低分子量のものを用
い、これを、2官能イソシアネート化合物などとの組み
合わせにより、基材に塗布後に、鎖延長させ、粘着剤と
して用いた場合、官能基を有するビニル系単量体を共重
合させて得られた従来の重合体を用いた場合(通常、重
量平均分子量が100000以上のものが用いられる)
に比べて、粘着剤組成物の粘度が低く、そのため、溶剤
の使用量が減らせる、作業性が良くなるなど、従来の粘
着剤組成物にはなかった画期的な効果を持った粘着剤組
成物が得られる。
【0145】前記組成物Aを接着剤組成物用途に用いる
場合、この組成物は、必須成分の一つとして、重合体A
を含んでいるため、官能基を有するビニル系単量体を共
重合させて得られたアクリル系の重合体を用いた場合に
比べて、同等の接着性能を出す場合、接着剤組成物の粘
度が低く、そのため、溶剤の使用量が減らせる、作業性
が良くなるなど、従来の接着剤組成物にはなかった効果
が得られる。また、この発明の組成物を用いた接着剤
は、現在用いられているポリエーテルポリオールを用い
た接着剤と比べて耐熱性が優れているとともに、現在用
いられているポリエステルポリオールを用いた接着剤と
比べると耐加水分解性が優れている。
【0146】組成物Aをウレタンフォーム用途に用いる
場合、重合体Aを、従来公知のイソシアネート化合物な
どと組み合わせて用いるため、柔軟性、耐候性、耐熱
性、耐水性、耐薬品性、反発弾性率において従来のウレ
タンフォーム組成物にはなかった効果が得られる。ま
た、組成物Aを用いたウレタンフォームは、現在用いら
れているポリエーテルポリオールを用いたウレタンフォ
ームと比べて耐熱性が優れており、現在用いられている
ポリエステルポリオールを用いたウレタンフォームと比
べると耐加水分解性が優れている。
【0147】組成物Aをシーリング材用途に用いる場
合、重合体Aを、従来公知のイソシアネート化合物など
と組み合わせる事により、柔軟かつ強靱で、耐候性、耐
熱性、耐水性、耐薬品性、反発弾性率において従来のシ
ーリング材組成物にはなかった効果が得られる。また、
この発明の組成物を用いたシーリング材は、現在用いら
れているポリエーテルポリオールを用いたシーリング材
と比べて耐熱性が優れている。
【0148】重合体Aを、1分子中に水酸基と反応可能
な官能基と重合性不飽和基との2種類の反応性基を併せ
て有する化合物(h)と反応させて得られる、両末端に
重合性不飽和基を有する重合体(重合体B)に加えて、
1分子中に重合性不飽和基を少なくとも1個有するビニ
ル系単量体を必須成分として含む組成物をゲルコート樹
脂組成物、人工大理石用樹脂組成物、合わせガラス用樹
脂組成物等に用いた場合、成型時の反応収縮が小さく、
作業時の粘度が低く、作業性がよく、また、硬化物の硬
度が大きく、強靭で耐候性のよい樹脂が得られる。
【0149】前記の人工大理石用樹脂組成物から得られ
る人工大理石は、耐熱性、耐候性に優れるとともに、前
記重合体Bを用いることにより、本組成物は成型時の重
合による収縮が小さいので、成型時にクラックが発生す
るなどの問題が解決される。また、重合体の末端で架橋
構造に組み込まれるため、重合体主鎖にゴム成分を用い
ることにより、成型物の可とう性を大幅に向上させ、耐
衝撃性の極めて良好な成型物を得ることができる。ま
た、同様の理由で、切削加工時の欠けなどもなく、切削
加工性も良好なものである。
【0150】さらに、重合時の重合収縮を抑え、成型物
に可とう性を与えるために、従来より行われていた重合
性不飽和基を有さない熱可塑性ポリマーを添加した場合
と異なり、添加する重合体が両末端に重合性不飽和基を
有するため、成型後も架橋構造に組み込まれるので、添
加量を増やしても、耐熱性が低下するなどの問題も生じ
ず、また、可とう性も十分に付与される。
【0151】重合体Aを、多官能イソシアネート化合物
(e)と反応させて得られるポリウレタン、ならびに、
重合体Aを、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有
する化合物(g)と反応させて得られるポリエステル
は、成型材料に用いた場合、柔軟で強靭な機械物性を有
するのみでなく、重合体Aの主鎖を構成するビニル系単
量体成分(a)の種類によっては、非常に良好な透明
性、耐候性、耐水性、耐加水分解性、耐油性、耐薬品性
などの物性も遺憾なく発揮し、非常に良好な物性を示す
非常に有用なものである。
【0152】重合体Aを、水酸基と反応可能な官能基と
カルボキシル基との2つの反応性基を1分子中に併せて
有する化合物(i)および/または酸無水物と反応させ
て得られる、両末端にカルボキシル基を有する重合体
(重合体C)は、その主鎖を構成するビニル系単量体
(a)の種類を任意に選択することにより、水酸基を有
する重合体Aと同様に、透明性、耐候性、耐水性、耐加
水分解性、耐薬品性を有し、また、重合体Cから誘導さ
れるポリエステルなどの各種樹脂は、非常に伸びがあり
(曲げ加工性が良く)かつ強靱であるという特性を発揮
することから、塗料、粘接着剤、各種成型材料、樹脂改
質材(耐衝撃性付与材)、制振材料、弾性壁材、床材、
繊維加工材、UV・EB硬化樹脂等の原料として有用な
ものである。さらに、この重合体Cは、水酸基末端では
用いることが難しかったエポキシ樹脂の硬化剤および添
加剤などにも用いることができるという特徴を有する。
【0153】次に、重合体Cと、カルボキシル基と反応
可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物(j)
とを必須成分として含むことを特徴とする樹脂組成物
は、その主鎖を構成するビニル系単量体(a)の種類を
任意に選択することにより、重合体Aを必須成分として
含む前述の組成物Aと同様に、透明性、耐候性、耐水
性、耐加水分解性、耐薬品性を有し、また、重合体Cを
含む組成物から誘導されるポリエステルなどの各種樹脂
は、非常に伸びがあり(曲げ加工性が良く)かつ強靱で
あるという特性を発揮することから、塗料、粘接着剤、
各種成型材料、樹脂改質材(耐衝撃性付与材)、制振材
料、弾性壁材、床材、繊維加工材、UV・EB硬化樹脂
等の原料として有用なものである。さらに、この重合体
Cを含む組成物は、水酸基末端では用いることが難しか
ったエポキシ樹脂組成物に用いることができるという特
徴を有する。
【0154】重合体Cを必須成分として含むことを特徴
とするエポキシ樹脂組成物では、重合体Cをゴム成分と
してエポキシ樹脂に添加する事により靱性が改善される
とともに、耐熱性と耐候性において従来のエポキシ樹脂
組成物にはなかった効果が得られる。つまり、この発明
の重合体Cを用いたエポキシ樹脂組成物は、現在用いら
れているポリブタジエンポリオールやポリブタジエン/
アクリロニトリルポリオールを添加したエポキシ樹脂組
成物と比べて耐熱性と耐候性が優れている。
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】この発明で使用される両親媒性化合物
(d)は、過酸化水素(b)とビニル系単量体(a)の
両方に対して親和性を有し、過酸化水素(b)(通常は
水溶液として用いられる)とビニル系単量体(a)との
接触面積を増やすことにより、重合を促進することので
きる化合物である。この両親媒性化合物(d)として
は、特に限定はされないが、たとえば、ジオキサン、テ
トラヒドロフラン等の環状エーテル類;ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−プロピルエーテ
ル等の鎖状エーテル類;エチレングリコールジエチルエ
ーテル等のエチレングリコールジエーテル類;アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチ
ルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。こ
れらの中でも、ジオキサン、エチレングリコールジエチ
ルエーテル等の各種エーテル類等が好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0119
【補正方法】変更
【補正内容】
【0119】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。トルエンを留去
し、さらに減圧下、45℃で乾燥させることにより、精
製された重合体〔14〕を得た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0120
【補正方法】変更
【補正内容】
【0120】精製後の重合体〔14〕について、数平均
分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))
(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、
それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率と
ともに後記表5に示した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0121
【補正方法】変更
【補正内容】
【0121】−実施例15− 実施例1において、ビニル系単量体(a)、過酸化水素
(b)、過酸化水素分解促進剤(c)および両親媒性化
合物(d)の種類、比率を後記表4に示した通りとした
以外は、実施例1と同様の手法で重合反応を行った。続
いて、実施例1と同様の手法で、精製された重合体〔
〕を得た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0122
【補正方法】変更
【補正内容】
【0122】精製後の重合体〔15〕について、数平均
分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))
(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、
それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重合率と
ともに後記表5に示した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】−比較例1− 実施例1において、過酸化水素分解促進剤(c)を用い
ない以外は実施例1と同様にして、後記表6に示した比
率で重合を行い、比較用重合体〔1〕を得た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正内容】
【0133】
【表3】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0134
【補正方法】変更
【補正内容】
【0134】
【表4】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正内容】
【0135】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池内 博之 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒中央研究所内 (72)発明者 田村 文秀 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒中央研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体(a)の重合を、過酸化
    水素(b)を用いて行う方法において、さらに過酸化水
    素分解促進剤(c)を用いるとともに、前記3者
    (a)、(b)、(c)以外の成分は実質的に用いない
    ことを特徴とする重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ビニル系単量体(a)の重合を、過酸化
    水素(b)を用いて行う方法において、さらに両親媒性
    化合物(d)を用いるとともに、前記3者(a)、
    (b)、(d)以外の成分は実質的に用いないことを特
    徴とする重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ビニル系単量体(a)の重合を、過酸化
    水素(b)を用いて行う方法において、さらに過酸化水
    素分解促進剤(c)と両親媒性化合物(d)を用いると
    ともに、前記4者(a)、(b)、(c)、(d)以外
    の成分は実質的に用いないことを特徴とする重合体の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 過酸化水素分解促進剤(c)が、スルホ
    ン酸化合物、無機酸、オニウム塩および複素環アミンか
    らなる群の中から選ばれた少なくとも1種である請求項
    1または3記載の重合体の製造方法。
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