JPH0753615A - 重合体の製造方法 - Google Patents

重合体の製造方法

Info

Publication number
JPH0753615A
JPH0753615A JP20073793A JP20073793A JPH0753615A JP H0753615 A JPH0753615 A JP H0753615A JP 20073793 A JP20073793 A JP 20073793A JP 20073793 A JP20073793 A JP 20073793A JP H0753615 A JPH0753615 A JP H0753615A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
acid
group
hydroxyl group
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20073793A
Other languages
English (en)
Inventor
Taketo Toba
健人 鳥羽
Toshiaki Matsunaga
俊明 松永
Kazuo Takei
一男 竹井
Hiroyuki Ikeuchi
博之 池内
Fumihide Tamura
文秀 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP20073793A priority Critical patent/JPH0753615A/ja
Publication of JPH0753615A publication Critical patent/JPH0753615A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】有極性のものも含めた幅広いビニル系単量体か
ら、1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ、合計2つの
水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体を容易かつ安価
に効率良く得ることができる方法を提供する。 【構成】ビニル系単量体(a)の重合を、1,2−プロ
ピレングリコールを必須とするアルコール類(b)の存
在下、有機過酸化物を必須とする開始剤系(c)を用い
て行う方法であって、さらに有機スルホン酸化合物と無
機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒
(d)を用いるとともに、反応器内に前記4者(a)、
(b)、(c)、(d)以外の成分を実質的に含まない
ことを特徴とする重合体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、両末端に水酸基を有
する重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】両末端に水酸基を有する重合体は、上記
末端の水酸基を適当な方法で反応させることによって、
容易に他の官能基との変換が可能であり、また、上記末
端の水酸基の反応性を利用し、この水酸基を適当な方法
で反応させることによって線状化および/または網状化
し、その結果、強度、耐熱性、耐候性、耐久性など種々
の良好な物性を有する高分子化合物となる。
【0003】両末端に水酸基を有する、この重合体は、
両末端に水酸基を有するという特徴を発揮することによ
って、たとえば、下記のような大きな利点を持つ。
【0004】ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂などの各種樹脂原料(架橋剤等)と
して用いた場合、材料の物性を損なう未反応物がないた
め、すべての重合体が確実に樹脂架橋構造の中に組み込
まれる。
【0005】水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの
官能基を有するビニル系単量体を共重合することにより
側鎖に官能基を導入した重合体(以下、官能基含有ビニ
ル系単量体共重合体と略す)は、これを用いて反応させ
た場合、その末端が樹脂(架橋)構造に組み込まれない
遊び部分(自由端)となるが、両末端に水酸基を有する
重合体では、このようなことが起こらない。
【0006】官能基含有ビニル系単量体共重合体に比べ
て、官能基間距離のばらつきが極めて小さいので、反応
点(架橋点)間距離がほぼ一定となり、均一な樹脂(架
橋)構造をつくる。
【0007】官能基含有ビニル系単量体共重合体では、
平均官能基数が2.0のものを作り、これと、2官能性
の鎖延長剤とを反応させて、熱可塑性ポリマーを合成し
ようとしても、合成法に由来する理由で、3官能以上の
重合体も統計的に含まれてしまうため、大部分が熱硬化
性ポリマーとなって、熱可塑性ポリマーを合成すること
ができないが、3官能以上の重合体を含まない、両末端
に1つずつの水酸基を有する重合体では、鎖延長した熱
可塑性ポリマーを容易に合成することができる。 ま
た、両末端に水酸基を有し、さらに、少なくとも1つの
末端に少なくとも2個の水酸基を有する重合体の場合
は、両末端に水酸基を有しはするが、その末端にはただ
1個の水酸基しか有さない重合体に比較して、架橋密度
が上がるため、架橋体の物理的強度の向上が可能であ
り、また、末端OH基の相乗効果によって、末端OH基
の反応性を向上できる、と言った長所が認められる。
【0008】このような両末端に水酸基を有し、かつ、
少なくとも1つの末端に少なくとも2個の水酸基を有す
る重合体を用いた場合、熱硬化性樹脂用途では、末端に
水酸基をただ1個しか有しない重合体を硬化させる場合
に必要な、高価な3官能NCO化合物や、取扱性の悪い
3官能以上のポリオールを加える必要がない。
【0009】両末端に水酸基を有する重合体は、上記の
利点を生かすことによって、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの各種樹脂、各
種ブロックポリマー等の各種樹脂の原料あるいは添加剤
として、または、重合体のままで、塗料(ハイソリッ
ド、低温硬化、水性2液ウレタン、粉体塗料等)、弾性
壁材、塗膜防水材、粘着剤、床材、粘着性付与剤、接着
剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳
物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マ
イクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、シ
ーリング材、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟
質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、熱硬化型
エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑
剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、
人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、イン
キ用樹脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム
等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成型材
料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革、分散剤、水性ウレ
タンエマルジョン等の用途に非常に有用である。
【0010】従来、前記の用途に用いられる水酸基を有
する重合体としては、水酸基を側鎖に有するビニル系単
量体の共重合体、末端に水酸基を有するポリエーテル、
ポリエステル、ポリブタジエン、ポリカーボネートなど
が挙げられるが、まず、水酸基を側鎖に有するビニル系
単量体の共重合体は、水酸基を有する単量体と、水酸基
を有しない単量体とのランダムなラジカル重合で作られ
るので、水酸基を有しない共重合体の副生を抑えにく
く、これを避けようとすると共重合体中の水酸基含有量
を多くする必要があり、また、1分子中の水酸基の数に
ばらつきがあった。 そのため、水酸基と反応性を有す
る多官能性化合物と反応させた場合、反応しない共重合
体が残ってしまう、反応点間の距離に大きなばらつきが
ある、反応後の架橋体構造に直接関与しないあそび鎖の
部分ができてしまう、反応に関与しない水酸基が残って
しまうなどの原因により十分に伸びがあり(曲げ加工性
がよく)、かつ、強靱でもある重合体が得られない。他
方、末端に水酸基を有するポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリブタジエンなどは、重合体末端に水酸基を有す
るため、水酸基を側鎖に有するビニル系単量体の共重合
体のような欠点は少ないものの、ポリエーテルの場合に
は主鎖中のエーテル結合、ポリエステルの場合は主鎖中
のエステル結合、ポリブタジエンの場合には主鎖中の不
飽和二重結合のために、耐候性、耐水性や耐熱性などが
よくないという欠点を有している。
【0011】以上のように、現在のところ、前記の用途
の原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原料等
として用いられる水酸基を有する重合体で、強靱さ、伸
び(曲げ加工性)、耐候性、耐水性などすべての要求性
能を満たすものはない。
【0012】このような問題は、両末端に水酸基を有す
るビニル系重合体により解決されると考えられるが、以
下にも記すように、アクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の有極性ビニル
系単量体も含めた幅広いビニル系単量体から両末端に水
酸基を有する重合体を工業的に製造する方法は、まだ確
立されていないのが現状である。
【0013】末端に水酸基を有するビニル系重合体の製
造方法としては、例えば、2−メルカプトエタノールな
どを連鎖移動剤として用いて重合体の片末端に水酸基を
1個導入するとともにメタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル等との共重合で重合体分子中に水酸基を平均もう1個
導入することにより、末端に水酸基を有する重合体を得
る方法がある。
【0014】しかし、この方法では、重合体1分子あた
り平均2個の水酸基が導入されるものの、平均2個の水
酸基のうちの1個が重合体の片末端に導入されるだけで
あり、もう1個の水酸基は、末端ではなくて、主鎖の途
中に導入される。また、共重合によりもう1個の水酸基
を導入するため、重合体1分子あたりの合計の水酸基数
には、1個のものや3個以上のものなど分布(ばらつ
き)が見られるとともに、水酸基間距離にも広い分布が
できる。そのため、得られた重合体は、前述したよう
な、両末端に水酸基を有する重合体の長所をほとんど発
揮することができない。 しかも、メルカプタン化合物
の添加によって、重合が極端に遅くなり重合率が上がら
なかったり、残存メルカプタンの臭気が残ったりすると
いう問題もあった。
【0015】両末端に水酸基を有するビニル系重合体の
製造方法としては、たとえば、下記(イ)〜(ニ)に示
したように、各種開始剤や連鎖移動剤等の存在下でビニ
ル系単量体をラジカル重合させる方法がある。
【0016】(イ)水酸基を有する開始剤を用いてスチ
レンまたはブタジエンを重合させることにより、両末端
に水酸基を有する重合体を得る方法(「J.Poly
m.Sci.、Part A1」、第9巻、第2029
頁、1971年刊を参照)。
【0017】(ロ)水酸基を有するジチオカーバメート
またはチウラムジスルフィドを開始剤として用いて熱重
合または光重合させる方法によるか、あるいは、上記ジ
チオカーバメートまたはチウラムジスルフィドを連鎖移
動剤として用いるとともに過酸化水素などを開始剤とし
て用いて重合させることにより、両末端に水酸基を有す
る重合体を得る方法(特開昭61−271306号公報
参照)。
【0018】(ハ)両末端に水酸基を有するジスルフィ
ド、トリスルフィドなどを連鎖移動剤として用いた重合
により、両末端に水酸基を有する重合体を得る方法(特
開昭54−47782号公報参照)。
【0019】(ニ)プロピレングリコールを溶媒兼連鎖
移動剤として用いた重合により、末端に水酸基を有する
重合体をうる方法(特開平5−86124号公報参
照)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来の、両末端に水酸基を有する重合体の製造法(イ)〜
(ニ)には、以下のように、それぞれ欠点があり、数多
くの種類のビニル系単量体から、両末端に水酸基を有す
る重合体を確実に、安価で簡便に、かつ工業的に合成す
るのは容易ではない。
【0021】まず、(イ)の方法では、使用できるビニ
ル系単量体がブタジエンやスチレンに限られ、アクリル
酸エステル類やメタクリル酸エステル類等の有極性のビ
ニル系単量体を使用できないという問題があった。
【0022】次に、(ロ)の方法では、水酸基などの官
能基を有するチウラムジスルフィドが不安定であり、そ
のため、それらの取り扱いが困難であった。また、生成
重合体が黄着色するという問題があった。
【0023】次に、(ハ)の方法では、前記(ロ)の方
法と同じ問題があるとともに、重合体末端に開始剤切片
が入り、片末端にしか水酸基を有さない重合体が副生し
て、末端水酸基数の低い重合体ができるという問題があ
った。
【0024】最後に、(ニ)の方法では、末端に付くと
の記述はあるものの実施例で末端水酸基の定量は行って
おらず、どの程度末端に水酸基が導入されたか不明であ
る。またこの特許は、モノマーをアクリル酸としており
他のモノマーについての記述はない。
【0025】以上のように、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の有極
性ビニル系単量体も含めた幅広いビニル系単量体から両
末端に水酸基を有する重合体を工業的に製造する方法
は、まだ確立されていないのが現状である。
【0026】このような事情に鑑み、この発明は、アク
リル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリ
ル酸エステル等の有極性ビニル系単量体も含めた幅広い
ビニル系単量体から、1級の水酸基1つと3級の水酸基
1つ合計2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体
を容易かつ安価に、しかも効率良く得ることができる方
法を提供することを課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明にかかる、重合体の製造方法は、ビニル系
単量体(a)の重合を、1,2−プロピレングリコール
を必須とするアルコール類(b)の存在下、有機過酸化
物を必須とする開始剤系(c)を用いて行う方法であっ
て、さらに有機スルホン酸化合物と無機酸とからなく群
より選ばれる少なくとも1種の触媒(d)を用いるとと
もに、反応器内に前記4者(a)、(b)、(c)、
(d)以外の成分を実質的に含まないことを特徴とす
る。
【0028】ここで、この発明の製造方法により得られ
る重合体は、1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ合計
2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体である
(以下、この重合体を「重合体A」と称することがあ
る)。
【0029】以下では、まず、この発明にかかる、重合
体の製造方法について説明する。
【0030】この発明で用いられるビニル系単量体
(a)は、従来公知のビニル系単量体であれば特に制限
はないが、たとえば、(メタ)アクリル酸;(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類;(メタ)アクリル酸ベンジ
ルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタ
クリロイルオキシプロピル)トリメトキシシランなどの
(メタ)アクリル酸置換基含有アルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル
酸のエチレンオキサイド付加物などの(メタ)アクリル
酸誘導体類;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸
のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フ
マル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアル
キルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、メチル
スチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸および
そのナトリウム塩などの芳香族ビニル系単量体;(メ
タ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル
酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオ
ロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチル、(メタ)ア
クリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル
酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸
ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−
パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パ
ーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、
(メタ)アクリル酸トリパーフルオロメチルメチル、
(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パー
フルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフ
ルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフ
ルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフル
オロヘキサデシルエチル、パーフルオロエチレン、パー
フルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどのフッ素含
有ビニル系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシランなどのトリアルキルオキシシリル基
含有ビニル系単量体類;γ−(メタクリロイルオキシプ
ロピル)トリメトキシシランなどのケイ素含有ビニル系
単量体類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレ
イミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オク
チルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレ
イミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミ
ドなどのマレイミド誘導体;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系単量体類;
アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有
ビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなど
のビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのアル
ケン類;ブタジエン、イソプレンなどのジエン類;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、アリルア
ルコールなどが挙げられ、これらは、1種だけを用いて
もよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0031】上にみたように、この発明において用いら
れるビニル系単量体(a)は、分子中に水酸基、カルボ
キシル基、アミノ基などの官能基を有する場合があって
もよいのである。
【0032】特に比較的高い架橋密度が必要となる場
合、例えば塗料用途などでは官能基を有するビニル系単
量体を若干量併用することが、かえって好ましい。官能
基を有するビニル系単量体の使用量は、特に限定されな
いが、たとえば、水酸基を有するビニル系単量体の場
合、使用するビニル系単量体(a)の全量に対して、水
酸基を有するビニル系単量体が、1〜50重量%である
ことが好ましく、5〜30重量%であることがさらに好
ましい。
【0033】また、カルボキシル基を有するビニル系単
量体が、0.5〜25重量%であることが好ましく、1
〜10重量%であることがさらに好ましい。
【0034】ビニル系単量体(a)は、前述のように、
従来公知のビニル系単量体であれば特に制限はないが、
たとえば、透明性、耐候性、耐水性などが必要な場合に
は、(メタ)アクリル酸系単量体を主成分とすることが
好ましい。この場合、ビニル系単量体(a)全体に対し
て、(メタ)アクリル酸系単量体が40重量%以上含ま
れていることが好ましい。
【0035】また、つや、塗膜の硬さなどが必要な場合
には、芳香族ビニル系単量体を用いることが好ましい。
この場合、ビニル系単量体(a)全体に対して、芳香族
ビニル系単量体が40重量%以上含まれていることが好
ましい。
【0036】また、撥水性、撥油性、耐汚染性などが必
要な場合には、フッ素含有ビニル系単量体を用いること
が好ましい。この場合、ビニル系単量体(a)全体に対
して、フッ素含有ビニル系単量体が10重量%以上含ま
れていることが好ましい。
【0037】また、無機材質との密着性、耐汚染性など
が必要な場合には、ケイ素含有ビニル系単量体を用いる
ことが好ましい。この場合、ビニル系単量体(a)全体
に対して、ケイ素含有ビニル系単量体が10重量%以上
含まれていることが好ましい。 この発明において、
1,2−プロピレングリコールを必須とするアルコール
類(b)に用いられる1,2−プロピレングリコール以
外のアルコールは、1分子中に水酸基を1個のみ有する
単官能アルコールであってもよいし、1分子中に2個以
上の水酸基を有する多官能アルコールであってもよい。
また、単官能アルコールと多官能アルコールを併用して
もよい。但し、重合条件下、使用するモノマーに関し連
鎖移動能が大きいアルコールは、末端に水酸基を導入す
る事を妨げるため選択には注意を要する。1,2−プロ
リレングリコールやエチレングリコールは、アルコール
の中でも特に(メタ)アクリル系モノマーに関して連鎖
移動能が低いアルコールである。
【0038】この発明において、1,2−プロピレング
リコールを必須とするアルコール類(b)とビニル系単
量体(a)との使用量の重量比〔アルコール類(b):
ビニル系単量体(a)〕は、好ましくは1:20〜2
0:1であり、より好ましくは1:10〜10:1であ
る。また、アルコール類(b)は、開始剤系(c)に対
しては、2モル倍以上であることが好ましく、50モル
倍以上であることがより好ましい。
【0039】この発明で使用される有機過酸化物を必須
とする開始剤系(c)に用いられる有機過酸化物として
は、特に制限はないが、たとえば、メチルエチルケトン
パーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、
3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ドメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセ
トアセテェートパーオキサイド、アセチルアセトンパー
オキサイドなどのケトンパーオキサイド類、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)バレート、2,2−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド、ジ−イソプウロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、2−(4−メチルシクロヘキシル)−プロパン
ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどのハイド
ロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イ
ソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3など
のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイ
ド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、m−トルイルパーオキサイドなどのジ
アシルパーオキサイド類、ジ−イソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネ
ート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオ
キシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキ
シジカーボネート、ジーアリルパーオキシジカーボネー
トなどのパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパー
オキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパー
オキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノ
エート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサノエ
ート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチル
ヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパー
オキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオ
キシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、クミルパーオキシオクトエート、t−ヘキ
シルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオ
ヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノ
エート、クミルパーオキシネオヘキサノエートなどのパ
ーオキシエステル類、アセチルシクロヘキシルスルフォ
ニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカー
ボネートなどが挙げられる。特にシクロヘキサノンパー
オキサイドやベンゾイルパーオキサイドが好適である。
有機過酸化物は、1種類だけを用いても良いし、あるい
は、複数種を併用しても良い。
【0040】この発明で使用される有機過酸化物を必須
とする開始剤系(c)としては、たとえば、有機過酸化
物と組み合わせることにより重合を促進することのでき
る化合物(e)を有機過酸化物と併用する場合と、有機
過酸化物単独で用いる場合が挙げられる。化合物(e)
としては、有機過酸化物分解触媒、有機過酸化物と酸化
還元反応を行う還元性化合物等が挙げられる。即ち、有
機過酸化物を必須とする開始剤系(c)は、有機過酸化
物単独であってもよいし、あるいは、有機過酸化物を必
須成分とし、有機過酸化物分解触媒および還元性化合物
からなる群の中から選ばれた重合を促進することのでき
る1種または2種以上の化合物を含む混合物であっても
よいのである。
【0041】以下に、有機過酸化物と組み合わせること
により重合を促進することのできる化合物(e)を具体
的に説明する。
【0042】化合物(e)の例である有機過酸化物分解
触媒としては、特に限定されないが、たとえば、塩化リ
チウム、臭化リチウムなどのハロゲン化金属;酸化チタ
ン、二酸化珪素などの金属酸化物;塩酸、硫酸、硝酸、
過塩素酸、臭化水素酸などの無機酸およびその金属塩;
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、イソラク酸、安息
香酸などのカルボン酸およびその金属塩とエステル;ピ
リジン、インドールとその誘導体、イミダゾールとその
誘導体、カルバゾールとその誘導体などの複素環アミン
などが挙げられる。これらは、1種だけを用いても良い
し、複数種を併用しても良い。
【0043】化合物(e)の例である、有機過酸化物と
酸化還元反応を行う還元性化合物としては、特に限定さ
れないが、たとえば、フェロセンなどの有機金属化合
物;ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸ニッケ
ル、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガンなどに例
示される鉄、銅、ニッケル、コバルト、マンガンなどの
金属イオンを発生できる無機金属化合物をはじめ、三フ
ッ化ホウ素エーテル付加物、過マンガン酸カリウム、過
塩素酸などの無機化合物;二酸化硫黄、亜硫酸塩、硫酸
のモノ−または、ジ−アルキルエステル、硫酸のモノ−
または、ジ−アリルエステル、重亜硫酸塩、チオ硫酸
塩、スルホキシ酸塩、ベンゼンスルフィン酸とその置換
体、パラトルエンスルフィン酸などの環状スルフィン酸
の同族体などの硫黄含有化合物;オクチルメルカプタ
ン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、メル
カプトエタノール、α−メルカプトプロピオン酸、チオ
グリコール酸、チオプロピオン酸、α−チオプロピオン
酸ソディウムスルホプロピルエステル、α−チオプロピ
オン酸ソディウムスルホエチルエステルなどのメルカプ
ト化合物;ヒドラジン、β−ヒドロキシエチルヒドラジ
ン、ヒドロキシルアミンなどの窒素含有化合物;ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イ
ソバレリアンアルデヒドなどのアルデヒド類;アスコル
ビン酸などが挙げられる。これらは、1種だけを用いて
も良いし、複数種を併用しても良い。
【0044】開始剤系(c)は、上述のものに限定され
ない。たとえば、有機過酸化物、または、有機過酸化物
と上記化合物(e)を、AIBN(アゾビスイソブチロ
ニトリル)等のアゾ系開始剤、過酸化水素等を例とする
従来公知のラジカル開始剤のうちの1種または2種以上
と併用することもできる。
【0045】開始剤系(c)の使用量は、目的とする重
合体Aの分子量により自ずと決定さるが、一般的には、
ビニル系単量体(a)に対して0.01〜20重量%で
あることが好ましい。
【0046】この発明で使用される有機スルホン酸化合
物と無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の
触媒(d)としては、有機スルフォン酸化合物としては
特に限定されないが、たとえば、メタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、プロパンスルホン酸、オクタンスルホ
ン酸などの脂肪族スルホン酸;ベンゼンスルホン酸、ベ
ンゼンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレ
ンジスルホン酸などの芳香族スルホン酸;クロルベンゼ
ンスルホン酸、1−ナフトール−4−スルホン酸、2−
ナフチルアミン−6−スルホン酸、トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの核置換基を有す
る芳香族スルホン酸;脂環式スルホン酸;イオン交換樹
脂などが挙げられる。上記有機スルホン酸化合物の中で
も、特に、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ド
デシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルフォン酸
等が好ましい。また、ドデシルベンゼンスルホン酸等の
ように界面活性能も有する有機スルホン酸化合物は、特
に有効である。更にパラトルエンスルフォン酸を用いる
と色相の優れたポリマーが得られるためより好ましい。
また、無機酸としては、特に限定されないが、例え
ば、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、
過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過ヨウ素酸、硫酸、
発煙硫酸、マンガン酸、クロム酸、重クロム酸、その他
ヘテロポリ酸等の固体酸等が挙げられる。これらの中で
も、硫酸、塩酸等が好ましい。これらは、1種だけを用
いても良いし、複数種を併用しても良い。
【0047】この発明で使用される有機スルホン酸化合
物と無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の
触媒(d)の好ましい使用量は、重合系全体に対して
0.05〜10重量%である。
【0048】また、この触媒の添加方法は、工業的に用
いられているどんな方法も用いることが出きる。例え
ば、昇温前又は昇温中、昇温後に一括して加えることも
出来、また重合中任意に添加することも可能である。
【0049】この発明の製造方法では、反応中、反応器
内に、ビニル系単量体(a)、1,2−プロピレングリ
コールを必須とするアルコール類(b)、有機過酸化物
を必須とする開始剤系(c)、有機スルホン酸化合物と
無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒
(d)以外の成分が全体の10重量%以下程度になるよ
うにする。そして、(a)、(b)、(c)、(d)以
外の成分が5重量%以下であることが好ましく、最も好
ましくは、(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分
を全く含まないことである。
【0050】(a)、(b)、(c)、(d)以外の成
分が入ると、末端に水酸基が導入される確率が減少する
可能性がある。但し、この(a)、(b)、(c)、
(d)以外の成分を入れることにより系中の粘度の減少
や蒸発潜熱による除熱等製造操作上良い効果をもたらす
事もある。
【0051】ただし、上記4者(a)、(b)、
(c)、(d)以外の成分として界面活性剤(x)を反
応器内の全成分量に対して10重量%未満の範囲で使用
することは、得られる重合体Aへの水酸基の導入を向上
することはあっても低下させることはないので、差し支
えない。
【0052】界面活性剤(x)としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、塩化トリエチルベンジルアンモニ
ウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化トリエチル
ベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモ
ニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化ト
リメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリ
ジニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、水
酸化テトラメチルアンモニウム、臭化トリメチルフェニ
ルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化
テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルア
ンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロ
ゲンサルフェート、N−ベンジルピコリニウムクロライ
ド、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−
n−ブチルアンモニウム、N−ラウリル−4−ピコリニ
ウムクロライド、N−ラウリル−4−ピコリニウムクロ
ライドなどの4級アンモニウム塩;塩化テトラブチルホ
スホニウムなどのホスホニウム塩;ヨウ化トリメチルス
ルホニウムなどのスルホニウム塩;等のオニウム塩;ま
たは、ポリオキシエチレン−ポリプロピレンオキシドブ
ロック共重合体;ポリオキシエチレン硫酸エステルなど
のポリオキシエチレン系界面活性剤;ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコールなどの高級アルコール;およ
びこれら高級アルコールの硫酸エステルとその硫酸エス
テルの金属塩;ラウリン酸、ステアリン酸などの高級脂
肪酸とこれら高級脂肪酸の金属塩およびソルビタンエス
テル類などが挙げられる。これらは、1種だけを用いて
も良いし、複数種を併用しても良い。
【0053】界面活性剤(x)を用いる場合、その使用
量は、反応器内の全成分量に対して10重量%未満、好
ましくは0.1〜5重量%である。界面活性剤(x)を
反応器内の全成分量に対して10重量%以上用いると、
界面活性剤(x)への連鎖移動反応などの副反応によ
り、得られる重合体の平均末端水酸基数(Fn(O
H))が減少するので好ましくない。
【0054】上記界面活性剤(x)の中でも、ポリオキ
シエチレン−ポリプロピレンオキシドブロック共重合体
の様に、それ自身、両末端に水酸基を有している界面活
性剤は、架橋構造に組み込まれるため、架橋体の強靱
性、耐候性、耐水性に与える悪影響が現れないので、精
製、除去の必要がなく、好ましい。
【0055】この発明で使用される重合容器(重合反応
を行う反応器)は、一般的な槽型反応器やニーダーなど
のバッチ式のものでもかまわないし、ピストンフローの
管型タイプのものや、重合体の粘度によっては2軸押し
出し機、連続式ニーダーなどの連続式のものを用いても
よい。また、セミバッチ式の反応器でも全く問題なく使
用できるが、反応器内の各添加物の濃度比を管の途中で
各添加物を加えることにより容易にコントロールできる
ことや、滞留時間が一定であることおよび生産性がよい
点などから、管型反応器、押し出し機や連続式ニーダー
などを用いることが好ましい。管型反応器、押し出し機
および連続式ニーダーの使い分けについては、重合終了
後の反応混合物が低粘度の場合は管型反応器を、比較的
高粘度の場合は押し出し機や連続式ニーダーを用いるこ
とが好ましい。
【0056】ただし、これらの装置の接液部には、好適
な材質を選択すべきであり、一般的には、SUS、テフ
ロン、ハステロイ、ガラスなどを挙げることができる。
これらの中でも、テフロン、ハステロイ、ガラスが好ま
しく、テフロン、ガラスが最も好ましい。
【0057】管型反応器の構造については、特に制限は
なく、単管型、多管型、また可動部のない混合器(ノリ
タケ・カンパニー社製や住友・スルザー社製など)など
従来公知の管型反応器であれば利用することができる
が、混合、熱交換効率などの点から、可動部を持たない
混合器を用いた管型反応器を用いることが好ましい。同
じく、押し出し機や連続式ニーダーについても、1軸
式、2軸式など従来公知の押し出し機であれば利用する
ことができるが、混合、熱交換効率などの点から、2軸
式の押し出し機や連続式ニーダーを用いることが好まし
い。
【0058】この発明では、反応は常圧で行うことが可
能であるが、オートクレーブや押し出し機中などで加圧
下において行うことも可能である。
【0059】この発明の製造方法における重合温度につ
いても、特に制限はなく、通常のラジカル重合が行われ
る、室温〜200℃程度であれば、全く問題はない。
【0060】この発明の製造方法では、重合終了後、過
剰な1,2−プロピレングリコールを必須とするアルコ
ール類(b)を除去する工程が必要となる場合がある。
その際、用いた1,2−プロピレングリコールを必須と
するアルコール類(b)と生成した重合体Aとが相溶し
うるものである場合には、釜もしくは2軸押し出し機、
薄膜蒸留器などを用いて減圧脱揮することによりアルコ
ール類(b)を除去することができる。1,2−プロピ
レングリコールを必須とするアルコール類(b)と重合
体Aとが相溶しないものである場合には、重合終了後の
反応混合物をそのまま静置分離するか、あるいは、上記
反応混合物に、重合体Aは溶解するが1,2−プロピレ
ングリコールを必須とするアルコール類(b)は溶解し
ない溶媒を添加して重合体層の粘度を低減してから静置
分離することによって、大半のアルコール類(b)を除
去した後、液−液抽出または減圧脱揮により残りの1,
2−プロピレングリコールを必須とするアルコール類
(b)を除去することができる。
【0061】減圧脱揮の装置としては、工業的に用いら
れているどんな装置も使用できる。例えば、コンデンサ
ーを備えた釜、フラッシュタンク、ストリッパー、二軸
押し出し機、薄膜蒸発器等が挙げられる。
【0062】この発明の製造法では、酸性物質を触媒と
して用いる事から、重合後適当な次期に中和す事が好ま
しい。中和しない場合、ポリマー中に含まれる酸性物質
の触媒によりポリマーの変質が起こることがある。
【0063】この発明により製造される重合体Aの分子
量は、特に限定されないが、末端に反応性を有する水酸
基を有することに起因する特徴をより発揮させるために
は、数平均分子量が500〜100000であることが
好ましく、数平均分子量が1000〜50000である
ことがより好ましい。
【0064】この発明により製造される重合体Aの平均
末端水酸基数(Fn(OH))については、全て1,2
−プロピレングリコールを用いた場合3.6であれば、
理想的なもの(4.0)とほぼ同等の物性が発揮できる
ので非常に好ましい。また、3.0以上であれば、かな
り理想的なものに近い物性が発揮できる。
【0065】この発明の製造方法により得られる重合体
Aは、その末端の水酸基を、従来公知の有機反応などを
利用して容易に、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基
などの重合性不飽和基、エポキシ基、シラノール基、ア
ルコキシシリル基、ヒドロシリル基、メルカプト基、オ
キサゾリン基、ラクトン基、アズラクトン基、エチニル
基、マレイミド基、ホルミル基、臭素、塩素などの有用
な末端官能基に変換することができる。
【0066】次に、この発明により製造される重合体A
を必須とする組成物について説明する。
【0067】この組成物は、重合体Aと、水酸基と反応
可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物(f)
とを必須成分として含むものである。重合体Aは、1種
のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ま
た、この組成物に含まれる重合体Aと化合物(f)との
重量比(重合体A/化合物(f))は、特に限定はされ
ないが、99.99/0.01〜40/60であること
が好ましく、99.9/0.1〜60/40であること
がより好ましい。
【0068】この組成物は、重合体Aに加えて、従来公
知の水酸基を有する低分子化合物や従来公知の水酸基を
有するポリマー(ポリマーポリオール、アクリルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリ
オール、ポリオレフィンポリオール等)を含んでいても
よい。
【0069】上記水酸基と反応可能な官能基を1分子中
に2個以上有する化合物(f)としては、特に限定はさ
れないが、例えば、1分子中に2個以上のイソシアネー
ト基を有する化合物(ポリマーも含む)(g)、メチロ
ール化メラミンおよびそのアルキルエーテル化物または
低縮合化物などのアミノプラスト樹脂(h)、多官能カ
ルボン酸およびそのハロゲン化物などの1分子中に2個
以上のカルボキシル基を有する化合物(i)などが挙げ
られる。
【0070】1分子中に2個以上のイソシアネート基を
有する化合物(g)は、いわゆる、多官能イソシアネー
ト化合物である。この多官能イソシアネート化合物
(g)としては、従来公知のものをいずれも使用するこ
とができ、例えば、トリレンジイソシアネート(「TD
I」とも言う)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(「MDI」とも言う)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシ
リレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、
水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソ
シアネート化合物;スミジュールN(住友バイエルウレ
タン社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合
物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社
製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)
製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアネ
ート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン
(株)社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合
物、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)の如きア
ダクトポリイソシアネート化合物;末端をイソシアネー
ト化したポリプロピレングリコールであるポリフレック
スSL265(第一工業製薬)、サンプレンSP−20
02、SP−2005(三洋化成)等を挙げることがで
きる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併
用することもできる。また、ブロックイソシアネートを
使用しても構わない。重合体Aと多官能イソシアネート
化合物(g)とを含んでなる組成物のよりすぐれた耐候
性を生かすためには、多官能イソシアネート化合物
(g)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、スミ
ジュールN(住友バイエルウレタン社製)等の芳香環を
有しないイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
【0071】重合体Aと多官能イソシアネート化合物
(g)との配合比については、特に限定はされないが、
たとえば、この化合物(g)が有するイソシアネート基
と重合体Aが有する水酸基との比率(OH/NCO(モ
ル比))が0.2〜5であることが好ましく、0.8〜
4であることがより好ましい。
【0072】なお、この組成物中の成分である重合体A
と多官能イソシアネート化合物(g)とのウレタン化反
応を促進するために、必要に応じて、有機スズ化合物や
第3級アミン等の公知の触媒を用いることは自由であ
る。
【0073】アミノプラスト樹脂(h)としては、特に
限定はされないが、たとえば、下記一般式(I)で表さ
れるトリアジン環含有化合物とホルムアルデヒドとの反
応物(メチロール化物)、前記トリアジン環含有化合物
とホルムアルデヒドとの低縮合化物、これらの誘導体、
さらに、尿素樹脂、および、尿素樹脂とホルムアルデヒ
ドとの反応物(メチロール化物)、尿素樹脂とホルムア
ルデヒドとの低縮合化物、これらの誘導体等が挙げられ
る。
【0074】
【化1】
【0075】上記一般式(I)で表されるトリアジン環
含有化合物としては、特に限定はされないが、例えば、
メラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグ
アナミン、メチルグアナミン、ビニルグアナミン等を挙
げることができる。これらは、1種のみ用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0076】前記トリアジン環含有化合物とホルムアル
デヒドとの反応物またはその誘導体としては、特に限定
されないが、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミンや
テトラメトキシメチルベンゾグアナミン等が挙げられ
る。また、前記トリアジン環含有化合物とホルムアルデ
ヒドとの低縮合化物またはその誘導体としては、特に限
定はされないが、例えば、前記トリアジン環含有化合物
が、−NH−CH2 −O−CH2 −NH−結合および/
または−NH−CH2 −NH−結合を介して数個結合し
た低縮合化物やアルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹
脂〔サイメル(三井サイアナミド(株)製)〕等が挙げ
られる。これらのアミノプラスト樹脂(h)は、1種の
みを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0077】前に例を示したアミノプラスト樹脂(h)
を合成する際に用いられる前記トリアジン環含有化合物
とホルムアルデヒドとの比率は、使用される用途により
異なるが、これらのトリアジン環含有化合物とホルムア
ルデヒドとのモル比(トリアジン環含有化合物/ホルム
アルデヒド)が1〜6の範囲であることが好ましく、
1.5〜6の範囲であることがより好ましい。
【0078】重合体Aと、化合物(f)としてアミノプ
ラスト樹脂(h)とを必須成分として含む組成物におけ
る、重合体Aとアミノプラスト樹脂(h)との比率(重
量比)は、95:5〜50:50が好ましく、80:2
0〜60:40がより好ましい。
【0079】重合体Aとアミノプラスト樹脂(h)を必
須成分とする、この組成物中に、反応を促進するために
パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の従来
公知の触媒を用いることは自由である。
【0080】1分子中に2個以上のカルボキシル基を有
する化合物(i)としては、特に限定はされないが、た
とえば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット
酸、無水ピロメリット酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、ジフェン酸、ナフタレンジ
カルボン酸などの多官能カルボン酸またはその無水物、
および、これらのハロゲン化物、カルボキシル基を複数
個有するポリマーなどが挙げられる。化合物(i)は、
1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
化合物(i)と、重合体A中の水酸基とのモル比(化合
物(i)/重合体A中の水酸基)は、1〜3であること
が好ましく、1〜2であることがより好ましい。
【0081】重合体Aと、水酸基と反応可能な官能基を
1分子中に2個以上有する化合物(f)とを必須成分と
して含む組成物(以下、この組成物を単に「組成物A」
と称することがある。)を塗料用組成物として用いる場
合には、塗膜の硬度が要求されるため、ある程度の架橋
密度が必要となる。そのため、塗料用途に用いられる重
合体Aとしては、水酸基価が20〜450程度のものが
好ましい。すなわち、水酸基を有する単量体を共重合し
ない場合には、重合体Aの数平均分子量は、500〜1
2000程度が好ましい。ただし、数平均分子量が12
000より大きいものでも、水酸基を有する単量体を共
重合することにより用いることができる。 組成物Aを
塗料用組成物として用いる場合、重合体AのTg(ガラ
ス転移温度)としては、−30℃〜100℃が好まし
く、−10℃〜60℃がより好ましい。用いるビニル系
単量体(a)の種類と割合を調整することにより、希望
のTgを有する重合体Aを合成することができる。ま
た、化合物(f)としてアミノプラスト樹脂(h)を用
いる場合には、内部酸触媒として酸基含有ビニル系単量
体を共重合することが好ましい。
【0082】組成物Aを塗料用組成物として用いる場
合、重合体Aに加えて、従来公知の水酸基を有する低分
子化合物や従来公知の水酸基を有するポリマー(ポリマ
ーポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオレフィン
ポリオール等)、従来公知の塗料用樹脂等が含まれてい
てもよい。
【0083】組成物Aをウレタンフォーム組成物として
用いる場合、この組成物中には、必要に応じて、従来公
知の、ポリオール類(この発明の製造方法により得られ
る重合体A以外の、低分子量ポリオール類、高分子量ポ
リオール類等)、ポリイソシアネート(例えば、TD
I、MDI等)、触媒(例えば、アミン系、錫系等)、
水、界面活性剤(例えば、シリコン系、非イオン系、イ
オン系等)、添加剤(例えば、難燃剤、抗微生物剤、着
色剤、充填剤、安定剤等)、発泡助剤(例えば、ハロゲ
ン化炭化水素など)などが含まれていてもよい。
【0084】組成物Aをシーリング材組成物として用い
る場合、重合体Aの分子量(重量平均分子量)は、10
00〜1000000であることが好ましい。
【0085】組成物Aをシーリング材組成物として用い
る場合、この組成物中には、必要に応じて、従来公知
の、ポリオール類(重合体A以外の高分子量ポリオール
類等)、ポリイソシアネート(例えば、TDI、MD
I、末端をイソシアネート化したポリプロピレングリコ
ールであるポリフレックスSL265(第一工業製
薬)、サンプレンSP−2002、SP−2005(三
洋化成)等)、触媒(例えば、アミン系、錫系、鉛系
等)、無機充填剤(例えば、炭酸カルシウム、タルク、
クレー、シリカ、カーボンブラック、チタンホワイト
等)、可塑剤〔例えば、フタル酸ジオクチル(DOPと
も言う)、フタル酸ジ−i−デシル(DIDPとも言
う)、アジピン酸ジオクチル(DOAとも言う)等〕、
たれ止め剤(例えば、コロイド状シリカ、水添ひまし
油、有機ベントナイト、表面処理炭酸カルシウムな
ど)、老化防止剤(例えば、ヒンダートフェノール類、
ベンゾトリアゾール、ヒンダートアミン類等)、発泡抑
制剤(例えば、脱水剤、炭酸ガス吸収剤等)などが含ま
れていてもよい。
【0086】なお、この発明の製造方法により得られる
重合体Aの有する水酸基を、ヒドロキシシリル基やアル
コキシシリル基、メルカプト基に変換した重合体をシー
リング材組成物の必須成分として用いた場合、そのシー
リング材組成物は、ウレタンとは異なる架橋システムを
持つシーリング材組成物となる。
【0087】次に、この発明の製造方法により得られる
重合体Aを、水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル
基との2つの反応性基を1分子中に併せて有する化合物
(k)および/または酸無水物と反応させて得られる、
両末端にカルボキシル基を有する重合体Cについて説明
する。
【0088】この重合体Cを合成する際、水酸基を有す
る重合体Aと反応させる、水酸基と反応可能な官能基と
カルボキシル基との2つの反応性基を1分子中に併せて
有する化合物(k)としては、特に限定はされないが、
例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、テレフタル酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの2塩基酸、ク
ロロ酢酸、ブロモ酢酸などのハロゲン置換カルボン酸な
どが挙げられる。このように、化合物(k)の有する、
水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル基との2つの
反応性基とは、2つのカルボキシル基であってもよい
し、ハロゲン基等のカルボキシル基以外の官能基とカル
ボキシル基の組み合わせであってもよいのである。化合
物(k)の代わりに酸無水物を用いてもよいし、あるい
は、化合物(k)と酸無水物を併用してもよい。酸無水
物も、特に限定はされず、例えば、無水コハク酸、無水
グルタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸などが挙げられる。
【0089】重合体Aと化合物(k)および/または酸
無水物との反応の際に、溶媒や従来公知の触媒を用いる
のは自由である。この触媒の例としては、化合物(k)
の有する、水酸基と反応可能な官能基がカルボキシル基
である場合には、硫酸、塩酸などの無機酸、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、トリエチルア
ミン、ピリジンなどの3級アミン化合物、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウムなどの有機酸塩などが、ハロゲン基の
場合には、ピリジン、トリエチルアミンなどの3級アミ
ン化合物などがそれぞれ挙げられる。
【0090】重合体Aを酸無水物と反応させる場合の反
応温度は、特に限定はされないが、60〜100℃が好
ましい。60℃未満の場合は、反応速度が遅く、最終的
な変換率も低い。また、100℃を超えると、2塩基酸
の反応速度は高くなるが、ジエステルの生成量が増加
し、反応後の分子量が増加するなどの問題が生じる。
【0091】重合体Aの末端の水酸基とエステル結合で
修飾することにより末端にカルボキシル基を導入する場
合は、重合体Aの末端の1級の水酸基と3級の水酸基と
の反応性の大幅な違いから、1級の水酸基だけを反応さ
せることが出来、熱可塑性のポリマーを合成することが
できる。
【0092】
【作用】この発明の製造方法では、ビニル系単量体
(a)の重合を、1,2−プロピレングリコールを必須
とするアルコール類(b)の存在下、有機過酸化物を必
須とする開始剤系(c)及び有機スルホン酸化合物と無
機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒
(d)を用いて行うようにしている。すると、ビニル系
単量体(a)が重合して、1級の水酸基1つと3級の水
酸基1つ合計2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重
合体を容易かつ安価に、しかも効率良く得ることができ
る。そのため、1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ合
計2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体を、有
極性のビニル系単量体も含めた幅広いビニル系単量体か
ら容易かつ安価に効率良く得ることが可能になる。
【0093】開始剤系(c)の必須成分として用いられ
る有機過酸化物だけでは、重合体の両末端に、1級の水
酸基1つと3級の水酸基1つ合計2つの水酸基をそれぞ
れ導入することはできないが、1,2−プロピレングリ
コールを必須とするアルコール類(b)を用いることに
より、1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ合計2つの
水酸基の導入が一部可能になる。このように一部しか水
酸基が導入できないのは、有機過酸化物(ROOR)の
分解によって発生するORラジカルは非常に不安定であ
るため、水素引抜反応(連鎖移動反応)などの副反応が
起こり易く、重合体の末端に水酸基を確実に導入するに
は難があるからである。しかし、さらに有機スルホン酸
化合物と無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1
種の触媒(d)を共存させることにより、反応の選択性
が向上し、確実に、1級の水酸基1つと3級の水酸基1
つ合計2つの水酸基を両末端にそれぞれ導入することが
可能になる。
【0094】また、この発明の製造方法では、反応器内
に前記4者(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分
を実質的に含まないようにしている。具体的には、
(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分が、全体の
10重量%以下程度になるようにしている。もしも、
(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分(たとえ
ば、溶剤等)が全体の10重量%より多く含まれている
と、片末端もしくは両末端とも全く水酸基の入っていな
い重合体が副生し、重合体の末端水酸基数が低下する。
【0095】ただし、界面活性剤(x)を反応器内の全
成分量に対して10重量%未満の範囲で使用すること
は、製造される重合体への水酸基の導入を向上させるこ
とはあっても低下させることはないので、差し支えな
い。
【0096】この発明の製造方法により得られる重合体
Aは、その主鎖を構成するビニル系単量体(a)の種類
を任意に選択することにより、透明性、耐候性、耐水
性、耐加水分解性、耐薬品性を有し、また、この重合体
Aを含む組成物から誘導されるポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの各種樹脂、
各種ブロックポリマーなどが有する、非常に伸びがあり
(曲げ加工性がよく)かつ強靱であるという特性を発揮
することから、塗料(ハイソリッド、低温硬化等)、弾
性壁材、塗膜防水材、粘着剤、床材、粘着性付与剤、接
着剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、
鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、
マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、
シーリング材、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟
質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、熱硬化型
エラストマー、熱可塑性エラストマー、マイクロセルラ
ー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活
性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用
耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート
接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応
性希釈剤、各種成型材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮
革、分散剤、水性ウレタンエマルジョン等の原料とし
て、また、各種樹脂添加剤およびその原料等として、非
常に有用である。
【0097】重合体Aは、両末端の水酸基を適当な方法
により反応させることにより、他の官能基(例えば、ビ
ニル基などの重合性不飽和基、ホルミル基、アミノ基、
カルボキシル基、エチニル基、エポキシ基、シラノール
基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、メルカプト
基、オキサゾリン基、マレイミド基、アズラクトン基、
ラクトン基、臭素、塩素など)を両末端に有する重合体
へ容易に変換させることが可能である。これらの重合体
も大変有用である。例えば、両末端にカルボキシル基を
有する重合体(重合体C)は、エポキシ接着剤の耐衝撃
性付与剤などとして大変有効である。また、重合体A
は、その末端水酸基にエチレンオキサイドやプロピレン
オキサイドを複数個付加することにより、界面活性剤、
ウレタンフォーム、セメント減水剤、相溶化剤などの原
料となる。
【0098】重合体Aおよび多官能イソシアネート化合
物(g)を必須として含む組成物、ならびに、重合体A
およびアミノプラスト樹脂(h)を必須として含む組成
物を、それぞれ塗料として用いた場合、柔軟かつ強靱で
あるばかりでなく、耐候性、耐水性、耐加水分解性、耐
薬品性、硬度などの非常にすぐれた塗膜を得ることがで
きる。また、低分子量にしても、重合体Aの末端に水酸
基が存在するため、従来のハイソリッド型塗料の欠点で
ある強靱性を改良できる。
【0099】重合体Aおよび多官能イソシアネート化合
物(g)を必須として含む組成物をシーリング材として
用いた場合、非常に柔軟かつ強靱で、耐候性、耐水性、
耐薬品性にすぐれたタックのないシーリング材を得るこ
とができる。
【0100】重合体Aおよび多官能イソシアネート化合
物(g)を必須として含む組成物をウレタンフォーム用
途および熱硬化性ポリウレタンエラストマー用途に用い
た場合、柔軟性、耐候性、耐水性、耐薬品性にすぐれた
ウレタンフォームおよびエラストマーを得ることができ
る。
【0101】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例を比較例
と併せて説明するが、この発明は、下記実施例に限定さ
れない。また、下記実施例および比較例中、「部」およ
び「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表
す。さらに、下記実施例および比較例中、「重合率」
は、重合終了後、ガスクロマトグラムによる各単量体の
残存率から算出した数値で、「数平均分子量(Mn)」
は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて標
準ポリスチレンによる 検量線から換算した数値であ
る。また、「平均末端水酸基数(Fn(OH))」は、
JIS−K−1557に準じて求めたOH価と上記で測
定した数平均分子量(Mn)の値とから算出した数値で
ある。そして、「ゲル分率」は、得られた重合体と、ス
ミジュールN−75(3官能性イソシアネート化合物、
住友バイエルウレタン社製)とを、イソシアネート基と
水酸基のモル比が1.1/1になるように混合して約4
0%のトルエン溶液とした後、これに触媒としてジブチ
ルすずジラウレートを微量添加し、よく攪拌混合したも
のを80℃で3時間反応させてポリウレタンフィルムを
得、次いで、このフィルムを、十分に乾燥させた後、テ
トラヒドロフランを溶媒としたソックスレー抽出に8時
間かけた時に抽出されずに残った不溶分の重量%を表
す。
【0102】さらに、「イソシアネートによる平均末端
官能基数(Fn(OH)NCO)」は、得られた重合体に
若干過剰量のフェニルイソシアネートを、微量の触媒存
在下、80℃で5時間反応させた後、未反応のイソシア
ネートをジブチルアミンと反応し、残存するアミンを塩
酸で滴定して求めた水酸基濃度と、上記で測定した数平
均分子量(Mn)の値とから算出した数値である。この
方法により求められる平均末端官能基数(Fn(OH)
NCO)は、上記JIS−K−1557に準じた方法では
測定できない反応性の低い三級水酸基をも含めた全水酸
基数を求めることが出来る。つまり、(Fn(OH)
NCO)−(Fn(OH))は、ポリマー1分子当りの三
級水酸基の数である。
【0103】−実施例1− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール139部
と、p−トルエンスルホン酸0.78部とを仕込み、フ
ラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒素ガスを吹
き込みながら、140℃に昇温した。内温が140±3
℃で安定した所で、アクリル酸ブチル100部とシクロ
ヘキサノンパーオキサイド1.56部との混合物を、内
温140℃に保ちながら、1時間かけて滴下した。同温
度で10分間熟成して、重合を完了させた。ガスクロマ
トグラムによるアクリル酸ブチルの残存率から重合率を
求めたところ、98%であった。
【0104】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された重合体〔1〕を含むトル
エン溶液を得た。
【0105】精製後の重合体〔1〕の数平均分子量(M
n)は3100であった。また、重合体〔1〕の平均末
端水酸基数(Fn(OH))は1.5(モル/重合体1
モル)であり、ゲル分率は79%であった。また、イソ
シアネートによる平均末端官能基数(Fn(O
H)NCO)は3.0(モル/重合体1モル)であった。
【0106】−実施例2、3− 実施例1において、有機スルホン酸化合物(d)の比率
を後記表1に示した通りとした以外は、実施例1と同様
の手法で重合反応を行った。続いて、実施例1と同様の
手法で、精製された重合体〔2〕、〔3〕を得た。
【0107】精製後の重合体〔2〕、〔3〕について、
数平均分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(O
H))(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を
求め、それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重
合率とともに後記表3に示した。 −実施例4− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール139部
と、p−トルエンスルホン酸0.78部とを仕込み、フ
ラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒素ガスを吹
き込みながら、140℃に昇温した。内温が140±3
℃で安定した所で、アクリル酸ブチル100部とシクロ
ヘキサノンパーオキサイド3.12部との混合物を、内
温140℃に保ちながら、1時間かけて滴下した。同温
度で10分間熟成して、重合を完了させた。ガスクロマ
トグラムによるアクリル酸ブチルの残存率から重合率を
求めたところ、98%であった。
【0108】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された重合体〔4〕を含むトル
エン溶液を得た。
【0109】精製後の重合体〔4〕の数平均分子量(M
n)は2300であった。また、重合体〔4〕の平均末
端水酸基数(Fn(OH))は1.4(モル/重合体1
モル)であり、ゲル分率は75%であった。また、イソ
シアネートによる平均末端官能基数(Fn(O
H)NCO)は2.9(モル/重合体1モル)であった。
【0110】−実施例5− 実施例4において、有機スルホン酸化合物(d)の比率
を後記表1に示した通りとした以外は、実施例4と同様
の手法で重合反応を行った。続いて、実施例4と同様の
手法で、精製された重合体〔5〕を得た。
【0111】精製後の重合体〔5〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例4と同様にして求めた重合率ととも
に後記表3に示した。
【0112】−実施例6− 実施例4において、有機過酸化物(c)に用いたシクロ
ヘキサノンパーオキサイドの比率を後記表1に示した通
りとした以外は、実施例4と同様の手法で重合反応を行
った。続いて、実施例4と同様の手法で、精製された重
合体〔6〕を得た。
【0113】精製後の重合体〔6〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例4と同様にして求めた重合率ととも
に後記表3に示した。
【0114】−実施例7− 実施例4において、アルコール類(b)に用いた1,2
−プロピレングリコールの比率を後記表1に示した通り
とした以外は、実施例4と同様の手法で重合反応を行っ
た。続いて、実施例4と同様の手法で、精製された重合
体〔7〕を得た。
【0115】精製後の重合体〔7〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例4と同様にして求めた重合率ととも
に後記表3に示した。
【0116】−実施例8− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール139部
と、p−トルエンスルホン酸0.78部とを仕込み、フ
ラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒素ガスを吹
き込みながら、140℃に昇温した。内温が140±3
℃で安定した所で、アクリル酸ブチル90.3部とアク
リル酸ヒドロキシエチル9.7部そしてシクロヘキサノ
ンパーオキサイド3.12部との混合物を、内温140
℃に保ちながら、2時間かけて滴下した。同温度で1時
間熟成して、重合を完了させた。ガスクロマトグラムに
よるアクリル酸ブチルの残存率から重合率を求めたとこ
ろ、97%であった。
【0117】続いて、熟成終了後、油浴を外し放冷して
内温が80℃になったところで、炭酸水素ナトリウム
2.72部を重合混合物に添加し、30分間攪拌した。
そして、重合混合物を140℃で2時間ほど5mmHg
以下に減圧して、1,2−プロピレングリコールを脱揮
により除去し、精製された重合体〔8〕を得た。
【0118】精製後の重合体〔8〕の数平均分子量(M
n)は2000であった。また、重合体〔8〕の平均末
端水酸基数(Fn(OH))は4.1(モル/重合体1
モル)であり、ゲル分率は92%であった。また、イソ
シアネートによる平均末端官能基数(Fn(O
H)NCO)は6.3(モル/重合体1モル)であった。
【0119】−実施例9− 実施例8において、有機スルホン酸化合物(d)に用い
たp−トルエンスルホン酸の比率を後記表2に示した通
りとした以外は、実施例8と同様の手法で重合反応を行
った。続いて、実施例8と同様の手法で、精製された重
合体
〔9〕を得た。
【0120】精製後の重合体
〔9〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例8と同様にして求めた重合率ととも
に後記表3に示した。
【0121】また、イソシアネートによる平均末端官能
基数(Fn(OH)NCO)は8.6(モル/重合体1モ
ル)であった。
【0122】−比較例1− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール139部を
仕込み、フラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒
素ガスを吹き込みながら、140℃に昇温した。内温が
140±3℃で安定した所で、アクリル酸ブチル100
部とシクロヘキサノンパーオキサイド1.56部との混
合物を、内温140℃に保ちながら、1時間かけて滴下
した。同温度で10分間熟成して、重合を完了させた。
ガスクロマトグラムによるアクリル酸ブチルの残存率か
ら重合率を求めたところ、97%であった。
【0123】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された比較用重合体〔1〕を含
むトルエン溶液を得た。精製後の比較用重合体〔1〕の
数平均分子量(Mn)は3400であった。また、比較
用重合体〔1〕の平均末端水酸基数(Fn(OH))は
0.6(モル/重合体1モル)であり、ゲル分率は4%
であった。
【0124】−比較例2− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール14部とキ
シレン125部と、p−トルエンスルホン酸0.78部
を仕込み、フラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに
窒素ガスを吹き込みながら、140℃に昇温した。内温
が140±3℃で安定した所で、アクリル酸ブチル10
0部とシクロヘキサノンパーオキサイド1.56部との
混合物を、内温140℃に保ちながら、1時間かけて滴
下した。同温度で10分間熟成して、重合を完了させ
た。ガスクロマトグラムによるアクリル酸ブチルの残存
率から重合率を求めたところ、94%であった。
【0125】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された比較用重合体〔2〕を含
むトルエン溶液を得た。精製後の比較用重合体〔2〕の
数平均分子量(Mn)は5400であった。また、比較
用重合体〔2〕の平均末端水酸基数(Fn(OH))は
0.7(モル/重合体1モル)であり、ゲル分率は8%
であった。
【0126】
【表1】
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】−比較参考例1− (側鎖のみに水酸基を有する共重合体の製造例)滴下ロ
ート、攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を
備えたフラスコに、トルエン100部を仕込み、緩やか
に窒素を吹き込みながら100℃まで昇温し、アクリル
酸ブチル93部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル7部
に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル6.6部を溶
解させたものを2時間かけてフラスコ内に滴下した。滴
下終了後、同温度で1時間攪拌を続けて、重合を完了さ
せた。ガスクロマトグラムによるビニル系単量体の残存
率から重合率を求めたところ、96%であった。 続い
て、トルエンを留去し、さらに減圧下、45℃で乾燥さ
せることにより、精製された比較重合体〔1〕を得た。
【0130】精製後の比較重合体〔1〕の数平均分子量
(Mn)は5000であった。また、比較重合体〔1〕
の平均水酸基数(Fn(OH))は3.0(モル/重合
体1モル)(OH価:34(mgKOH/g))であっ
た。
【0131】−比較参考例2− (片末端および側鎖のみに水酸基を有する共重合体の製
造例)滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計および
還流冷却管を備えたフラスコに、トルエン100部を仕
込み、緩やかに窒素を吹き込みながら100℃まで昇温
し、アクリル酸ブチル93部、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル7部にメルカプトエタノール1.6部を溶解さ
せたものおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
1.6部をトルエン20部に溶解させたものを2時間か
けてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、同温度で1時
間攪拌を続けて、重合を完了させた。ガスクロマトグラ
ムによるビニル系単量体の残存率から重合率を求めたと
ころ、96%であった。 続いて、トルエンを留去し、
さらに減圧下、45℃で乾燥させることにより、精製さ
れた比較重合体〔2〕を得た。
【0132】精製後の比較重合体〔2〕の数平均分子量
(Mn)は4900であった。また、比較重合体〔1〕
の平均水酸基数(Fn(OH))は3.8(モル/重合
体1モル)(OH価:43(mgKOH/g))であっ
た。
【0133】−実施例10〜13− 表4に示した配合物を室温で混合、脱揮し、硬化性組成
物とした。
【0134】このようにして得られた硬化性組成物につ
いてJIS−A5757に準じて弾性シーラントとして
の特性評価を行った。その結果を表5に記す。
【0135】−比較例2、3− 実施例10〜13と同様に表6に示した配合物を室温で
混合、脱揮し、比較用硬化性組成物とした。
【0136】このようにして得られた比較用硬化性組成
物についてJIS−A5757に準じて弾性シーラント
としての特性評価を行った。その結果を表7に記す。
【0137】
【表4】
【0138】
【表5】
【0139】
【表6】
【0140】
【表7】
【0141】
【発明の効果】この発明の製造方法によれば、アクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル等の有極性のビニル系単量体も含めた幅広いビ
ニル系単量体から、1級の水酸基1つと3級の水酸基1
つ合計2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体
(重合体A)を容易かつ安価に効率よく得ることができ
る。
【0142】この製造方法により得られる重合体Aは、
1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ合計2つの水酸基
を両末端にそれぞれ有することにより、それ自身、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、各種ブロックポリマーなどの各種樹脂の原料もしく
は添加剤として、または、重合体のままで、塗料(ハイ
ソリッド、低温硬化等)、弾性壁材、塗膜防水材、粘着
剤、床材、粘着性付与剤、接着剤、バインダー(磁気記
録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レン
ガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラス
ファイバーサイジング等)、シーリング材、ウレタンフ
ォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV
・EB硬化樹脂、熱硬化型エラストマー、熱可塑性エラ
ストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸
音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大
理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹
脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、
合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成型材料、弾
性繊維、人工皮革、合成皮革、分散剤、水性ウレタンエ
マルジョン等の用途に非常に有用であるとともに、両末
端の水酸基を適当な方法により反応させることにより、
水酸基以外の官能基(例えば、ビニル基などの重合性不
飽和基、ホルミル基、アミノ基、カルボキシル基、エチ
ニル基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシリル
基、ヒドロシリル基、メルカプト基、オキサゾリン基、
マレイミド基、アズラクトン基、ラクトン基、臭素、塩
素など)を両末端に有する重合体へ容易に変換すること
が可能である。この重合体も大変有用である。例えば、
両末端にカルボキシル基を有する重合体(重合体C)
は、エポキシ接着剤の耐衝撃性付与剤として大変有効で
ある。また、重合体Aの末端水酸基にエチレンオキサイ
ドやプロピレンオキサイドを複数個付加させることによ
り、界面活性剤、ウレタンフォーム、セメント減水剤、
相溶化剤などの原料となる。
【0143】この発明の製造方法により得られる重合体
Aと、水酸基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上
有する多官能化合物(f)とを必須成分として含む組成
物(組成物A)は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリカーボネート樹脂などの各種樹脂、各種ブロッ
クポリマー、塗料(ハイソリッド、低温硬化等)、弾性
壁材、塗膜防水材、粘着剤、床材、粘着性付与剤、接着
剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳
物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マ
イクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、シ
ーリング材、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟
質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、熱硬化型
エラストマー、熱可塑性エラストマー、マイクロセルラ
ー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活
性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用
耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート
接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応
性希釈剤、各種成型材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮
革、分散剤、水性ウレタンエマルジョン等の原料とし
て、また、各種樹脂添加剤およびその原料等に用いられ
た場合、柔軟で強靭な機械物性を有するのみでなく、重
合体Aの主鎖を構成する単量体成分(a)の種類によっ
ては、非常に良好な透明性、耐候性、耐水性、耐加水分
解性、耐薬品性などの物性も遺憾なく発揮し、非常に良
好な物性を示す。
【0144】組成物Aをシーリング材用途に用いる場
合、重合体Aを、従来公知のイソシアネート化合物など
と組み合わせる事により、柔軟かつ強靱で、耐候性、耐
熱性、耐水性、耐薬品性、反発弾性率において従来のシ
ーリング材組成物にはなかった効果が得られる。また、
組成物Aを用いたシーリング材は、現在用いられている
ポリエーテルポリオールを用いたシーリング材と比べて
耐熱性が優れている。
【0145】重合体Aを、水酸基と反応可能な官能基と
カルボキシル基との2つの反応性基を1分子中に併せて
有する化合物(k)および/または酸無水物と反応させ
て得られる、両末端にカルボキシル基を有する重合体
(重合体C)は、その主鎖を構成するビニル系単量体
(a)の種類を任意に選択することにより、水酸基を有
する重合体Aと同様に、透明性、耐候性、耐水性、耐加
水分解性、耐薬品性を有し、また、重合体Cから誘導さ
れるポリエステルなどの各種樹脂は、非常に伸びがあり
(曲げ加工性が良く)かつ強靱であるという特性を発揮
することから、塗料、粘接着剤、各種成型材料、樹脂改
質材(耐衝撃性付与材)、制振材料、弾性壁材、床材、
繊維加工材、UV・EB硬化樹脂等の原料として有用な
ものである。
【0146】さらに、この重合体Cは、水酸基末端では
用いることが難しかったエポキシ樹脂の硬化剤および添
加剤などにも用いることができるという特徴を有する。
【0147】次に、重合体Cと、カルボキシル基と反応
可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物(l)
とを必須成分として含むことを特徴とする樹脂組成物
は、その主鎖を構成するビニル系単量体(a)の種類を
任意に選択することにより、重合体Aを必須成分として
含む前述の組成物Aと同様に、透明性、耐候性、耐水
性、耐加水分解性、耐薬品性を有し、また、重合体Cを
含む組成物から誘導されるポリエステルなどの各種樹脂
は、非常に伸びがあり(曲げ加工性が良く)かつ強靱で
あるという特性を発揮することから、塗料、粘接着剤、
各種成型材料、樹脂改質材(耐衝撃性付与材)、制振材
料、弾性壁材、床材、繊維加工材、UV・EB硬化樹脂
等の原料として有用なものである。さらに、この重合体
Cを含む組成物は、水酸基末端では用いることが難しか
ったエポキシ樹脂組成物に用いることができるという特
徴を有する。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 重合体の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、両末端に水酸基を有
する重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】両末端に水酸基を有する重合体は、上記
末端の水酸基を適当な方法で反応させることによって、
容易に他の官能基との変換が可能であり、また、上記末
端の水酸基の反応性を利用し、この水酸基を適当な方法
で反応させることによって線状化および/または網状化
し、その結果、強度、耐熱性、耐候性、耐久性など種々
の良好な物性を有する高分子化合物となる。
【0003】両末端に水酸基を有する、この重合体は、
両末端に水酸基を有するという特徴を発揮することによ
って、たとえば、下記のような大きな利点を持つ。
【0004】ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リカーボネート樹脂などの各種樹脂原料(架橋剤等)と
して用いた場合、材料の物性を損なう未反応物がないた
め、すべての重合体が確実に樹脂架橋構造の中に組み込
まれる。
【0005】水酸基、カルボキシル基、アミノ基などの
官能基を有するビニル系単量体を共重合することにより
側鎖に官能基を導入した重合体(以下、官能基含有ビニ
ル系単量体共重合体と略す)は、これを用いて反応させ
た場合、その末端が樹脂(架橋)構造に組み込まれない
遊び部分(自由端)となるが、両末端に水酸基を有する
重合体では、このようなことが起こらない。
【0006】官能基含有ビニル系単量体共重合体に比べ
て、官能基間距離のばらつきが極めて小さいので、反応
点(架橋点)間距離がほぼ一定となり、均一な樹脂(架
橋)構造をつくる。
【0007】官能基含有ビニル系単量体共重合体では、
平均官能基数が2.0のものを作り、これと、2官能性
の鎖延長剤とを反応させて、熱可塑性ポリマーを合成し
ようとしても、合成法に由来する理由で、3官能以上の
重合体も統計的に含まれてしまうため、大部分が熱硬化
性ポリマーとなって、熱可塑性ポリマーを合成すること
ができないが、3官能以上の重合体を含まない、両末端
に1つずつの水酸基を有する重合体では、鎖延長した熱
可塑性ポリマーを容易に合成することができる。 ま
た、両末端に水酸基を有し、さらに、少なくとも1つの
末端に少なくとも2個の水酸基を有する重合体の場合
は、両末端に水酸基を有しはするが、その末端にはただ
1個の水酸基しか有さない重合体に比較して、架橋密度
が上がるため、架橋体の物理的強度の向上が可能であ
り、また、末端OH基の相乗効果によって、末端OH基
の反応性を向上できる、と言った長所が認められる。
【0008】このような両末端に水酸基を有し、かつ、
少なくとも1つの末端に少なくとも2個の水酸基を有す
る重合体を用いた場合、熱硬化性樹脂用途では、末端に
水酸基をただ1個しか有しない重合体を硬化させる場合
に必要な、高価な3官能NCO化合物や、取扱性の悪い
3官能以上のポリオールを加える必要がない。
【0009】両末端に水酸基を有する重合体は、上記の
利点を生かすことによって、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの各種樹脂、各
種ブロックポリマー等の各種樹脂の原料あるいは添加剤
として、または、重合体のままで、塗料(ハイソリッ
ド、低温硬化、水性2液ウレタン、粉体塗料等)、弾性
壁材、塗膜防水材、粘着剤、床材、粘着性付与剤、接着
剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳
物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マ
イクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、シ
ーリング材、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟
質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、熱硬化型
エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑
剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、
人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、イン
キ用樹脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム
等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成型材
料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革、分散剤、水性ウレ
タンエマルジョン等の用途に非常に有用である。
【0010】従来、前記の用途に用いられる水酸基を有
する重合体としては、水酸基を側鎖に有するビニル系単
量体の共重合体、末端に水酸基を有するポリエーテル、
ポリエステル、ポリブタジエン、ポリカーボネートなど
が挙げられるが、まず、水酸基を側鎖に有するビニル系
単量体の共重合体は、水酸基を有する単量体と、水酸基
を有しない単量体とのランダムなラジカル重合で作られ
るので、水酸基を有しない共重合体の副生を抑えにく
く、これを避けようとすると共重合体中の水酸基含有量
を多くする必要があり、また、1分子中の水酸基の数に
ばらつきがあった。 そのため、水酸基と反応性を有す
る多官能性化合物と反応させた場合、反応しない共重合
体が残ってしまう、反応点間の距離に大きなばらつきが
ある、反応後の架橋体構造に直接関与しないあそび鎖の
部分ができてしまう、反応に関与しない水酸基が残って
しまうなどの原因により十分に伸びがあり(曲げ加工性
がよく)、かつ、強靱でもある重合体が得られない。他
方、末端に水酸基を有するポリエーテル、ポリエステ
ル、ポリブタジエンなどは、重合体末端に水酸基を有す
るため、水酸基を側鎖に有するビニル系単量体の共重合
体のような欠点は少ないものの、ポリエーテルの場合に
は主鎖中のエーテル結合、ポリエステルの場合は主鎖中
のエステル結合、ポリブタジエンの場合には主鎖中の不
飽和二重結合のために、耐候性、耐水性や耐熱性などが
よくないという欠点を有している。
【0011】以上のように、現在のところ、前記の用途
の原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原料等
として用いられる水酸基を有する重合体で、強靱さ、伸
び(曲げ加工性)、耐候性、耐水性などすべての要求性
能を満たすものはない。
【0012】このような問題は、両末端に水酸基を有す
るビニル系重合体により解決されると考えられるが、以
下にも記すように、アクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の有極性ビニル
系単量体も含めた幅広いビニル系単量体から両末端に水
酸基を有する重合体を工業的に製造する方法は、まだ確
立されていないのが現状である。
【0013】末端に水酸基を有するビニル系重合体の製
造方法としては、例えば、2−メルカプトエタノールな
どを連鎖移動剤として用いて重合体の片末端に水酸基を
1個導入するとともにメタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル等との共重合で重合体分子中に水酸基を平均もう1個
導入することにより、末端に水酸基を有する重合体を得
る方法がある。
【0014】しかし、この方法では、重合体1分子あた
り平均2個の水酸基が導入されるものの、平均2個の水
酸基のうちの1個が重合体の片末端に導入されるだけで
あり、もう1個の水酸基は、末端ではなくて、主鎖の途
中に導入される。また、共重合によりもう1個の水酸基
を導入するため、重合体1分子あたりの合計の水酸基数
には、1個のものや3個以上のものなど分布(ばらつ
き)が見られるとともに、水酸基間距離にも広い分布が
できる。そのため、得られた重合体は、前述したよう
な、両末端に水酸基を有する重合体の長所をほとんど発
揮することができない。 しかも、メルカプタン化合物
の添加によって、重合が極端に遅くなり重合率が上がら
なかったり、残存メルカプタンの臭気が残ったりすると
いう問題もあった。
【0015】両末端に水酸基を有するビニル系重合体の
製造方法としては、たとえば、下記(イ)〜(ニ)に示
したように、各種開始剤や連鎖移動剤等の存在下でビニ
ル系単量体をラジカル重合させる方法がある。
【0016】(イ)水酸基を有する開始剤を用いてスチ
レンまたはブタジエンを重合させることにより、両末端
に水酸基を有する重合体を得る方法(「J.Poly
m.Sci.、Part A1」、第9巻、第2029
頁、1971年刊を参照)。
【0017】(ロ)水酸基を有するジチオカーバメート
またはチウラムジスルフィドを開始剤として用いて熱重
合または光重合させる方法によるか、あるいは、上記ジ
チオカーバメートまたはチウラムジスルフィドを連鎖移
動剤として用いるとともに過酸化水素などを開始剤とし
て用いて重合させることにより、両末端に水酸基を有す
る重合体を得る方法(特開昭61−271306号公報
参照)。
【0018】(ハ)両末端に水酸基を有するジスルフィ
ド、トリスルフィドなどを連鎖移動剤として用いた重合
により、両末端に水酸基を有する重合体を得る方法(特
開昭54−47782号公報参照)。
【0019】(ニ)プロピレングリコールを溶媒兼連鎖
移動剤として用いた重合により、末端に水酸基を有する
重合体をうる方法(特開平5−86124号公報参
照)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来の、両末端に水酸基を有する重合体の製造法(イ)〜
(ニ)には、以下のように、それぞれ欠点があり、数多
くの種類のビニル系単量体から、両末端に水酸基を有す
る重合体を確実に、安価で簡便に、かつ工業的に合成す
るのは容易ではない。
【0021】まず、(イ)の方法では、使用できるビニ
ル系単量体がブタジエンやスチレンに限られ、アクリル
酸エステル類やメタクリル酸エステル類等の有極性のビ
ニル系単量体を使用できないという問題があった。
【0022】次に、(ロ)の方法では、水酸基などの官
能基を有するチウラムジスルフィドが不安定であり、そ
のため、それらの取り扱いが困難であった。また、生成
重合体が黄着色するという問題があった。
【0023】次に、(ハ)の方法では、前記(ロ)の方
法と同じ問題があるとともに、重合体末端に開始剤切片
が入り、片末端にしか水酸基を有さない重合体が副生し
て、末端水酸基数の低い重合体ができるという問題があ
った。
【0024】最後に、(ニ)の方法では、末端に付くと
の記述はあるものの実施例で末端水酸基の定量は行って
おらず、どの程度末端に水酸基が導入されたか不明であ
る。またこの特許は、モノマーをアクリル酸としており
他のモノマーについての記述はない。
【0025】以上のように、アクリル酸、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル等の有極
性ビニル系単量体も含めた幅広いビニル系単量体から両
末端に水酸基を有する重合体を工業的に製造する方法
は、まだ確立されていないのが現状である。
【0026】このような事情に鑑み、この発明は、アク
リル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリ
ル酸エステル等の有極性ビニル系単量体も含めた幅広い
ビニル系単量体から、1級の水酸基1つと3級の水酸基
1つ合計2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体
を容易かつ安価に、しかも効率良く得ることができる方
法を提供することを課題とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明にかかる、重合体の製造方法は、ビニル系
単量体(a)の重合を、1,2−プロピレングリコール
を必須とするアルコール類(b)の存在下、有機過酸化
物を必須とする開始剤系(c)を用いて行う方法であっ
て、さらに有機スルホン酸化合物と無機酸とからなく群
より選ばれる少なくとも1種の触媒(d)を用いるとと
もに、反応器内に前記4者(a)、(b)、(c)、
(d)以外の成分を実質的に含まないことを特徴とす
る。
【0028】ここで、この発明の製造方法により得られ
る重合体は、1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ合計
2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体である
(以下、この重合体を「重合体A」と称することがあ
る)。
【0029】以下では、まず、この発明にかかる、重合
体の製造方法について説明する。
【0030】この発明で用いられるビニル系単量体
(a)は、従来公知のビニル系単量体であれば特に制限
はないが、たとえば、(メタ)アクリル酸;(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類;(メタ)アクリル酸ベンジ
ルなどの(メタ)アクリル酸アリールエステル類;(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジ
ル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタ
クリロイルオキシプロピル)トリメトキシシランなどの
(メタ)アクリル酸置換基含有アルキルエステル類;
(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル
酸のエチレンオキサイド付加物などの(メタ)アクリル
酸誘導体類;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸
のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル;フ
マル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアル
キルエステル;スチレン、α−メチルスチレン、メチル
スチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸および
そのナトリウム塩などの芳香族ビニル系単量体;(メ
タ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル
酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオ
ロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチル、(メタ)ア
クリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル
酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸
ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−
パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パ
ーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、
(メタ)アクリル酸トリパーフルオロメチルメチル、
(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パー
フルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフ
ルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフ
ルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフル
オロヘキサデシルエチル、パーフルオロエチレン、パー
フルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどのフッ素含
有ビニル系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシランなどのトリアルキルオキシシリル基
含有ビニル系単量体類;γ−(メタクリロイルオキシプ
ロピル)トリメトキシシランなどのケイ素含有ビニル系
単量体類;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレ
イミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オク
チルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレ
イミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミ
ドなどのマレイミド誘導体;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系単量体類;
アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有
ビニル系単量体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなど
のビニルエステル類;エチレン、プロピレンなどのアル
ケン類;ブタジエン、イソプレンなどのジエン類;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、アリルア
ルコールなどが挙げられ、これらは、1種だけを用いて
もよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0031】上にみたように、この発明において用いら
れるビニル系単量体(a)は、分子中に水酸基、カルボ
キシル基、アミノ基などの官能基を有する場合があって
もよいのである。
【0032】特に比較的高い架橋密度が必要となる場
合、例えば塗料用途などでは官能基を有するビニル系単
量体を若干量併用することが、かえって好ましい。官能
基を有するビニル系単量体の使用量は、特に限定されな
いが、たとえば、水酸基を有するビニル系単量体の場
合、使用するビニル系単量体(a)の全量に対して、水
酸基を有するビニル系単量体が、1〜50重量%である
ことが好ましく、5〜30重量%であることがさらに好
ましい。
【0033】また、カルボキシル基を有するビニル系単
量体が、0.5〜25重量%であることが好ましく、1
〜10重量%であることがさらに好ましい。
【0034】ビニル系単量体(a)は、前述のように、
従来公知のビニル系単量体であれば特に制限はないが、
たとえば、透明性、耐候性、耐水性などが必要な場合に
は、(メタ)アクリル酸系単量体を主成分とすることが
好ましい。この場合、ビニル系単量体(a)全体に対し
て、(メタ)アクリル酸系単量体が40重量%以上含ま
れていることが好ましい。
【0035】また、つや、塗膜の硬さなどが必要な場合
には、芳香族ビニル系単量体を用いることが好ましい。
この場合、ビニル系単量体(a)全体に対して、芳香族
ビニル系単量体が40重量%以上含まれていることが好
ましい。
【0036】また、撥水性、撥油性、耐汚染性などが必
要な場合には、フッ素含有ビニル系単量体を用いること
が好ましい。この場合、ビニル系単量体(a)全体に対
して、フッ素含有ビニル系単量体が10重量%以上含ま
れていることが好ましい。
【0037】また、無機材質との密着性、耐汚染性など
が必要な場合には、ケイ素含有ビニル系単量体を用いる
ことが好ましい。この場合、ビニル系単量体(a)全体
に対して、ケイ素含有ビニル系単量体が10重量%以上
含まれていることが好ましい。 この発明において、
1,2−プロピレングリコールを必須とするアルコール
類(b)に用いられる1,2−プロピレングリコール以
外のアルコールは、1分子中に水酸基を1個のみ有する
単官能アルコールであってもよいし、1分子中に2個以
上の水酸基を有する多官能アルコールであってもよい。
また、単官能アルコールと多官能アルコールを併用して
もよい。但し、重合条件下、使用するモノマーに関し連
鎖移動能が大きいアルコールは、末端に水酸基を導入す
る事を妨げるため選択には注意を要する。1,2−プロ
リレングリコールやエチレングリコールは、アルコール
の中でも特に(メタ)アクリル系モノマーに関して連鎖
移動能が低いアルコールである。
【0038】本発明の製造方法により製造される両末端
に水酸基を有する重合体の末端官能基数および重合体末
端の水酸基の反応性は上記アルコール類(b)の組合せ
によりコントロールすることができる。これらの中で
も、強度と伸びなどのバランスから見た性能では1,2
−プロピレングリコールと組み合わせるアルコールとし
てはエチレングリコールなどが好ましい。
【0039】この発明において、1,2−プロピレング
リコールを必須とするアルコール類(b)とビニル系単
量体(a)との使用量の重量比〔アルコール類(b):
ビニル系単量体(a)〕は、好ましくは1:20〜2
0:1であり、より好ましくは1:10〜10:1であ
る。また、アルコール類(b)は、開始剤系(c)に対
しては、2モル倍以上であることが好ましく、50モル
倍以上であることがより好ましい。
【0040】この発明で使用される有機過酸化物を必須
とする開始剤系(c)に用いられる有機過酸化物として
は、特に制限はないが、たとえば、メチルエチルケトン
パーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、
3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイ
ドメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセ
トアセテェートパーオキサイド、アセチルアセトンパー
オキサイドなどのケトンパーオキサイド類、1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチ
ルパーオキシ)バレート、2,2−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド、ジ−イソプウロピルベンゼンハイドロパーオキ
サイド、2−(4−メチルシクロヘキシル)−プロパン
ハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどのハイド
ロパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサ
イド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イ
ソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3など
のジアルキルパーオキサイド類、アセチルパーオキサイ
ド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイル
パーオキサイド、m−トルイルパーオキサイドなどのジ
アシルパーオキサイド類、ジ−イソプロピルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジ
カーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネ
ート、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオ
キシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキ
シジカーボネート、ジーアリルパーオキシジカーボネー
トなどのパーオキシジカーボネート類、t−ブチルパー
オキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレー
ト、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパー
オキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカノ
エート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルエキサノエ
ート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチル
ヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t
−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパー
オキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオ
キシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、クミルパーオキシオクトエート、t−ヘキ
シルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオ
ヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノ
エート、クミルパーオキシネオヘキサノエートなどのパ
ーオキシエステル類、アセチルシクロヘキシルスルフォ
ニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアリルカー
ボネートなどが挙げられる。特にシクロヘキサノンパー
オキサイドやベンゾイルパーオキサイドが好適である。
有機過酸化物は、1種類だけを用いても良いし、あるい
は、複数種を併用しても良い。
【0041】この発明で使用される有機過酸化物を必須
とする開始剤系(c)としては、たとえば、有機過酸化
物と組み合わせることにより重合を促進することのでき
る化合物(e)を有機過酸化物と併用する場合と、有機
過酸化物単独で用いる場合が挙げられる。化合物(e)
としては、有機過酸化物分解触媒、有機過酸化物と酸化
還元反応を行う還元性化合物等が挙げられる。即ち、有
機過酸化物を必須とする開始剤系(c)は、有機過酸化
物単独であってもよいし、あるいは、有機過酸化物を必
須成分とし、有機過酸化物分解触媒および還元性化合物
からなる群の中から選ばれた重合を促進することのでき
る1種または2種以上の化合物を含む混合物であっても
よいのである。
【0042】以下に、有機過酸化物と組み合わせること
により重合を促進することのできる化合物(e)を具体
的に説明する。
【0043】化合物(e)の例である有機過酸化物分解
触媒としては、特に限定されないが、たとえば、塩化リ
チウム、臭化リチウムなどのハロゲン化金属;酸化チタ
ン、二酸化珪素などの金属酸化物;塩酸、硫酸、硝酸、
過塩素酸、臭化水素酸などの無機酸およびその金属塩;
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラク酸、イソラク酸、安息
香酸などのカルボン酸およびその金属塩とエステル;ピ
リジン、インドールとその誘導体、イミダゾールとその
誘導体、カルバゾールとその誘導体などの複素環アミン
などが挙げられる。これらは、1種だけを用いても良い
し、複数種を併用しても良い。
【0044】化合物(e)の例である、有機過酸化物と
酸化還元反応を行う還元性化合物としては、特に限定さ
れないが、たとえば、フェロセンなどの有機金属化合
物;ナフテン酸鉄、ナフテン酸銅、ナフテン酸ニッケ
ル、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガンなどに例
示される鉄、銅、ニッケル、コバルト、マンガンなどの
金属イオンを発生できる無機金属化合物をはじめ、三フ
ッ化ホウ素エーテル付加物、過マンガン酸カリウム、過
塩素酸などの無機化合物;二酸化硫黄、亜硫酸塩、硫酸
のモノ−または、ジ−アルキルエステル、硫酸のモノ−
または、ジ−アリルエステル、重亜硫酸塩、チオ硫酸
塩、スルホキシ酸塩、ベンゼンスルフィン酸とその置換
体、パラトルエンスルフィン酸などの環状スルフィン酸
の同族体などの硫黄含有化合物;オクチルメルカプタ
ン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、メル
カプトエタノール、α−メルカプトプロピオン酸、チオ
グリコール酸、チオプロピオン酸、α−チオプロピオン
酸ソディウムスルホプロピルエステル、α−チオプロピ
オン酸ソディウムスルホエチルエステルなどのメルカプ
ト化合物;ヒドラジン、β−ヒドロキシエチルヒドラジ
ン、ヒドロキシルアミンなどの窒素含有化合物;ホルム
アルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒ
ド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イ
ソバレリアンアルデヒドなどのアルデヒド類;アスコル
ビン酸などが挙げられる。これらは、1種だけを用いて
も良いし、複数種を併用しても良い。
【0045】開始剤系(c)は、上述のものに限定され
ない。たとえば、有機過酸化物、または、有機過酸化物
と上記化合物(e)を、AIBN(アゾビスイソブチロ
ニトリル)等のアゾ系開始剤、過酸化水素等を例とする
従来公知のラジカル開始剤のうちの1種または2種以上
と併用することもできる。
【0046】開始剤系(c)の使用量は、目的とする重
合体Aの分子量により自ずと決定さるが、一般的には、
ビニル系単量体(a)に対して0.01〜20重量%で
あることが好ましい。
【0047】この発明で使用される有機スルホン酸化合
物と無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の
触媒(d)としては、有機スルフォン酸化合物としては
特に限定されないが、たとえば、メタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、プロパンスルホン酸、オクタンスルホ
ン酸などの脂肪族スルホン酸;ベンゼンスルホン酸、ベ
ンゼンジスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレ
ンジスルホン酸などの芳香族スルホン酸;クロルベンゼ
ンスルホン酸、1−ナフトール−4−スルホン酸、2−
ナフチルアミン−6−スルホン酸、トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などの核置換基を有す
る芳香族スルホン酸;脂環式スルホン酸;イオン交換樹
脂などが挙げられる。上記有機スルホン酸化合物の中で
も、特に、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ド
デシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルフォン酸
等が好ましい。また、ドデシルベンゼンスルホン酸等の
ように界面活性能も有する有機スルホン酸化合物は、特
に有効である。更にパラトルエンスルフォン酸を用いる
と色相の優れたポリマーが得られるためより好ましい。
また、無機酸としては、特に限定されないが、例え
ば、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、
過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、過ヨウ素酸、硫酸、
発煙硫酸、マンガン酸、クロム酸、重クロム酸、その他
ヘテロポリ酸等の固体酸等が挙げられる。これらの中で
も、硫酸、塩酸等が好ましい。これらは、1種だけを用
いても良いし、複数種を併用しても良い。
【0048】この発明で使用される有機スルホン酸化合
物と無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の
触媒(d)の好ましい使用量は、重合系全体に対して
0.05〜10重量%である。
【0049】また、この触媒の添加方法は、工業的に用
いられているどんな方法も用いることが出きる。例え
ば、昇温前又は昇温中、昇温後に一括して加えることも
出来、また重合中任意に添加することも可能である。
【0050】この発明の製造方法では、反応中、反応器
内に、ビニル系単量体(a)、1,2−プロピレングリ
コールを必須とするアルコール類(b)、有機過酸化物
を必須とする開始剤系(c)、有機スルホン酸化合物と
無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒
(d)以外の成分が全体の10重量%以下程度になるよ
うにする。そして、(a)、(b)、(c)、(d)以
外の成分が5重量%以下であることが好ましく、最も好
ましくは、(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分
を全く含まないことである。
【0051】(a)、(b)、(c)、(d)以外の成
分が入ると、末端に水酸基が導入される確率が減少する
可能性がある。但し、この(a)、(b)、(c)、
(d)以外の成分を入れることにより系中の粘度の減少
や蒸発潜熱による除熱等製造操作上良い効果をもたらす
事もある。
【0052】ただし、上記4者(a)、(b)、
(c)、(d)以外の成分として界面活性剤(x)を反
応器内の全成分量に対して10重量%未満の範囲で使用
することは、得られる重合体Aへの水酸基の導入を向上
することはあっても低下させることはないので、差し支
えない。
【0053】界面活性剤(x)としては、特に限定はさ
れないが、たとえば、塩化トリエチルベンジルアンモニ
ウム、塩化テトラエチルアンモニウム、臭化トリエチル
ベンジルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモ
ニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化ト
リメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリ
ジニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、水
酸化テトラメチルアンモニウム、臭化トリメチルフェニ
ルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化
テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルア
ンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウムハイドロ
ゲンサルフェート、N−ベンジルピコリニウムクロライ
ド、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−
n−ブチルアンモニウム、N−ラウリル−4−ピコリニ
ウムクロライド、N−ラウリル−4−ピコリニウムクロ
ライドなどの4級アンモニウム塩;塩化テトラブチルホ
スホニウムなどのホスホニウム塩;ヨウ化トリメチルス
ルホニウムなどのスルホニウム塩;等のオニウム塩;ま
たは、ポリオキシエチレン−ポリプロピレンオキシドブ
ロック共重合体;ポリオキシエチレン硫酸エステルなど
のポリオキシエチレン系界面活性剤;ラウリルアルコー
ル、ステアリルアルコールなどの高級アルコール;およ
びこれら高級アルコールの硫酸エステルとその硫酸エス
テルの金属塩;ラウリン酸、ステアリン酸などの高級脂
肪酸とこれら高級脂肪酸の金属塩およびソルビタンエス
テル類などが挙げられる。これらは、1種だけを用いて
も良いし、複数種を併用しても良い。
【0054】界面活性剤(x)を用いる場合、その使用
量は、反応器内の全成分量に対して10重量%未満、好
ましくは0.1〜5重量%である。界面活性剤(x)を
反応器内の全成分量に対して10重量%以上用いると、
界面活性剤(x)への連鎖移動反応などの副反応によ
り、得られる重合体の平均末端水酸基数(Fn(O
H))が減少するので好ましくない。
【0055】上記界面活性剤(x)の中でも、ポリオキ
シエチレン−ポリプロピレンオキシドブロック共重合体
の様に、それ自身、両末端に水酸基を有している界面活
性剤は、架橋構造に組み込まれるため、架橋体の強靱
性、耐候性、耐水性に与える悪影響が現れないので、精
製、除去の必要がなく、好ましい。
【0056】この発明で使用される重合容器(重合反応
を行う反応器)は、一般的な槽型反応器やニーダーなど
のバッチ式のものでもかまわないし、ピストンフローの
管型タイプのものや、重合体の粘度によっては2軸押し
出し機、連続式ニーダーなどの連続式のものを用いても
よい。また、セミバッチ式の反応器でも全く問題なく使
用できるが、反応器内の各添加物の濃度比を管の途中で
各添加物を加えることにより容易にコントロールできる
ことや、滞留時間が一定であることおよび生産性がよい
点などから、管型反応器、押し出し機や連続式ニーダー
などを用いることが好ましい。管型反応器、押し出し機
および連続式ニーダーの使い分けについては、重合終了
後の反応混合物が低粘度の場合は管型反応器を、比較的
高粘度の場合は押し出し機や連続式ニーダーを用いるこ
とが好ましい。
【0057】ただし、これらの装置の接液部には、好適
な材質を選択すべきであり、一般的には、SUS、テフ
ロン、ハステロイ、ガラスなどを挙げることができる。
これらの中でも、テフロン、ハステロイ、ガラスが好ま
しく、テフロン、ガラスが最も好ましい。
【0058】管型反応器の構造については、特に制限は
なく、単管型、多管型、また可動部のない混合器(ノリ
タケ・カンパニー社製や住友・スルザー社製など)など
従来公知の管型反応器であれば利用することができる
が、混合、熱交換効率などの点から、可動部を持たない
混合器を用いた管型反応器を用いることが好ましい。同
じく、押し出し機や連続式ニーダーについても、1軸
式、2軸式など従来公知の押し出し機であれば利用する
ことができるが、混合、熱交換効率などの点から、2軸
式の押し出し機や連続式ニーダーを用いることが好まし
い。
【0059】この発明では、反応は常圧で行うことが可
能であるが、オートクレーブや押し出し機中などで加圧
下において行うことも可能である。
【0060】この発明の製造方法における重合温度につ
いても、特に制限はなく、通常のラジカル重合が行われ
る、室温〜200℃程度であれば、全く問題はない。
【0061】この発明の製造方法では、重合終了後、過
剰な1,2−プロピレングリコールを必須とするアルコ
ール類(b)を除去する工程が必要となる場合がある。
その際、用いた1,2−プロピレングリコールを必須と
するアルコール類(b)と生成した重合体Aとが相溶し
うるものである場合には、釜もしくは2軸押し出し機、
薄膜蒸留器などを用いて減圧脱揮することによりアルコ
ール類(b)を除去することができる。1,2−プロピ
レングリコールを必須とするアルコール類(b)と重合
体Aとが相溶しないものである場合には、重合終了後の
反応混合物をそのまま静置分離するか、あるいは、上記
反応混合物に、重合体Aは溶解するが1,2−プロピレ
ングリコールを必須とするアルコール類(b)は溶解し
ない溶媒を添加して重合体層の粘度を低減してから静置
分離することによって、大半のアルコール類(b)を除
去した後、液−液抽出または減圧脱揮により残りの1,
2−プロピレングリコールを必須とするアルコール類
(b)を除去することができる。
【0062】減圧脱揮の装置としては、工業的に用いら
れているどんな装置も使用できる。例えば、コンデンサ
ーを備えた釜、フラッシュタンク、ストリッパー、二軸
押し出し機、薄膜蒸発器等が挙げられる。
【0063】この発明の製造法では、酸性物質を触媒と
して用いる事から、重合後適当な次期に中和す事が好ま
しい。中和しない場合、ポリマー中に含まれる酸性物質
の触媒によりポリマーの変質が起こることがある。
【0064】この発明により製造される重合体Aの分子
量は、特に限定されないが、末端に反応性を有する水酸
基を有することに起因する特徴をより発揮させるために
は、数平均分子量が500〜100000であることが
好ましく、数平均分子量が1000〜50000である
ことがより好ましい。
【0065】この発明により製造される重合体Aの平均
末端水酸基数(Fn(OH))については、全て1,2
−プロピレングリコールを用いた場合3.6であれば、
理想的なもの(4.0)とほぼ同等の物性が発揮できる
ので非常に好ましい。また、3.0以上であれば、かな
り理想的なものに近い物性が発揮できる。
【0066】この発明の製造方法により得られる重合体
Aは、その末端の水酸基を、従来公知の有機反応などを
利用して容易に、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基
などの重合性不飽和基、エポキシ基、シラノール基、ア
ルコキシシリル基、ヒドロシリル基、メルカプト基、オ
キサゾリン基、ラクトン基、アズラクトン基、エチニル
基、マレイミド基、ホルミル基、臭素、塩素などの有用
な末端官能基に変換することができる。
【0067】次に、この発明により製造される重合体A
を必須とする組成物について説明する。
【0068】この組成物は、重合体Aと、水酸基と反応
可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物(f)
とを必須成分として含むものである。重合体Aは、1種
のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ま
た、この組成物に含まれる重合体Aと化合物(f)との
重量比(重合体A/化合物(f))は、特に限定はされ
ないが、99.99/0.01〜40/60であること
が好ましく、99.9/0.1〜60/40であること
がより好ましい。
【0069】この組成物は、重合体Aに加えて、従来公
知の水酸基を有する低分子化合物や従来公知の水酸基を
有するポリマー(ポリマーポリオール、アクリルポリオ
ール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリ
オール、ポリオレフィンポリオール等)を含んでいても
よい。
【0070】上記水酸基と反応可能な官能基を1分子中
に2個以上有する化合物(f)としては、特に限定はさ
れないが、例えば、1分子中に2個以上のイソシアネー
ト基を有する化合物(ポリマーも含む)(g)、メチロ
ール化メラミンおよびそのアルキルエーテル化物または
低縮合化物などのアミノプラスト樹脂(h)、多官能カ
ルボン酸およびそのハロゲン化物などの1分子中に2個
以上のカルボキシル基を有する化合物(i)などが挙げ
られる。
【0071】1分子中に2個以上のイソシアネート基を
有する化合物(g)は、いわゆる、多官能イソシアネー
ト化合物である。この多官能イソシアネート化合物
(g)としては、従来公知のものをいずれも使用するこ
とができ、例えば、トリレンジイソシアネート(「TD
I」とも言う)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(「MDI」とも言う)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシ
リレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシ
アネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、
水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソ
シアネート化合物;スミジュールN(住友バイエルウレ
タン社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合
物;デスモジュールIL、HL(バイエルA.G.社
製)、コロネートEH(日本ポリウレタン工業(株)
製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアネ
ート化合物;スミジュールL(住友バイエルウレタン
(株)社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合
物、コロネートHL(日本ポリウレタン社製)の如きア
ダクトポリイソシアネート化合物;末端をイソシアネー
ト化したポリプロピレングリコールであるポリフレック
スSL265(第一工業製薬)、サンプレンSP−20
02、SP−2005(三洋化成)等を挙げることがで
きる。これらは、単独で使用し得るほか、2種以上を併
用することもできる。また、ブロックイソシアネートを
使用しても構わない。重合体Aと多官能イソシアネート
化合物(g)とを含んでなる組成物のよりすぐれた耐候
性を生かすためには、多官能イソシアネート化合物
(g)としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、スミ
ジュールN(住友バイエルウレタン社製)等の芳香環を
有しないイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。
【0072】重合体Aと多官能イソシアネート化合物
(g)との配合比については、特に限定はされないが、
たとえば、この化合物(g)が有するイソシアネート基
と重合体Aが有する水酸基との比率(OH/NCO(モ
ル比))が0.2〜5であることが好ましく、0.8〜
4であることがより好ましい。
【0073】なお、この組成物中の成分である重合体A
と多官能イソシアネート化合物(g)とのウレタン化反
応を促進するために、必要に応じて、有機スズ化合物や
第3級アミン等の公知の触媒を用いることは自由であ
る。
【0074】アミノプラスト樹脂(h)としては、特に
限定はされないが、たとえば、下記一般式(I)で表さ
れるトリアジン環含有化合物とホルムアルデヒドとの反
応物(メチロール化物)、前記トリアジン環含有化合物
とホルムアルデヒドとの低縮合化物、これらの誘導体、
さらに、尿素樹脂、および、尿素樹脂とホルムアルデヒ
ドとの反応物(メチロール化物)、尿素樹脂とホルムア
ルデヒドとの低縮合化物、これらの誘導体等が挙げられ
る。
【0075】
【化1】
【0076】上記一般式(I)で表されるトリアジン環
含有化合物としては、特に限定はされないが、例えば、
メラミン、ベンゾグアナミン、シクロヘキサンカルボグ
アナミン、メチルグアナミン、ビニルグアナミン等を挙
げることができる。これらは、1種のみ用いてもよい
し、2種以上を併用してもよい。
【0077】前記トリアジン環含有化合物とホルムアル
デヒドとの反応物またはその誘導体としては、特に限定
されないが、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミンや
テトラメトキシメチルベンゾグアナミン等が挙げられ
る。また、前記トリアジン環含有化合物とホルムアルデ
ヒドとの低縮合化物またはその誘導体としては、特に限
定はされないが、例えば、前記トリアジン環含有化合物
が、−NH−CH2 −O−CH2 −NH−結合および/
または−NH−CH2 −NH−結合を介して数個結合し
た低縮合化物やアルキルエーテル化ホルムアルデヒド樹
脂〔サイメル(三井サイアナミド(株)製)〕等が挙げ
られる。これらのアミノプラスト樹脂(h)は、1種の
みを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0078】前に例を示したアミノプラスト樹脂(h)
を合成する際に用いられる前記トリアジン環含有化合物
とホルムアルデヒドとの比率は、使用される用途により
異なるが、これらのトリアジン環含有化合物とホルムア
ルデヒドとのモル比(トリアジン環含有化合物/ホルム
アルデヒド)が1〜6の範囲であることが好ましく、
1.5〜6の範囲であることがより好ましい。
【0079】重合体Aと、化合物(f)としてアミノプ
ラスト樹脂(h)とを必須成分として含む組成物におけ
る、重合体Aとアミノプラスト樹脂(h)との比率(重
量比)は、95:5〜50:50が好ましく、80:2
0〜60:40がより好ましい。
【0080】重合体Aとアミノプラスト樹脂(h)を必
須成分とする、この組成物中に、反応を促進するために
パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の従来
公知の触媒を用いることは自由である。
【0081】1分子中に2個以上のカルボキシル基を有
する化合物(i)としては、特に限定はされないが、た
とえば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、フタル酸、無水フタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット
酸、無水ピロメリット酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、ジフェン酸、ナフタレンジ
カルボン酸などの多官能カルボン酸またはその無水物、
および、これらのハロゲン化物、カルボキシル基を複数
個有するポリマーなどが挙げられる。化合物(i)は、
1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
化合物(i)と、重合体A中の水酸基とのモル比(化合
物(i)/重合体A中の水酸基)は、1〜3であること
が好ましく、1〜2であることがより好ましい。
【0082】重合体Aと、水酸基と反応可能な官能基を
1分子中に2個以上有する化合物(f)とを必須成分と
して含む組成物(以下、この組成物を単に「組成物A」
と称することがある。)を塗料用組成物として用いる場
合には、塗膜の硬度が要求されるため、ある程度の架橋
密度が必要となる。そのため、塗料用途に用いられる重
合体Aとしては、水酸基価が20〜450程度のものが
好ましい。すなわち、水酸基を有する単量体を共重合し
ない場合には、重合体Aの数平均分子量は、500〜1
2000程度が好ましい。ただし、数平均分子量が12
000より大きいものでも、水酸基を有する単量体を共
重合することにより用いることができる。 組成物Aを
塗料用組成物として用いる場合、重合体AのTg(ガラ
ス転移温度)としては、−30℃〜100℃が好まし
く、−10℃〜60℃がより好ましい。用いるビニル系
単量体(a)の種類と割合を調整することにより、希望
のTgを有する重合体Aを合成することができる。ま
た、化合物(f)としてアミノプラスト樹脂(h)を用
いる場合には、内部酸触媒として酸基含有ビニル系単量
体を共重合することが好ましい。
【0083】組成物Aを塗料用組成物として用いる場
合、重合体Aに加えて、従来公知の水酸基を有する低分
子化合物や従来公知の水酸基を有するポリマー(ポリマ
ーポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポ
リオール、ポリブタジエンポリオール、ポリオレフィン
ポリオール等)、従来公知の塗料用樹脂等が含まれてい
てもよい。
【0084】組成物Aをウレタンフォーム組成物として
用いる場合、この組成物中には、必要に応じて、従来公
知の、ポリオール類(この発明の製造方法により得られ
る重合体A以外の、低分子量ポリオール類、高分子量ポ
リオール類等)、ポリイソシアネート(例えば、TD
I、MDI等)、触媒(例えば、アミン系、錫系等)、
水、界面活性剤(例えば、シリコン系、非イオン系、イ
オン系等)、添加剤(例えば、難燃剤、抗微生物剤、着
色剤、充填剤、安定剤等)、発泡助剤(例えば、ハロゲ
ン化炭化水素など)などが含まれていてもよい。
【0085】組成物Aをシーリング材組成物として用い
る場合、重合体Aの分子量(重量平均分子量)は、10
00〜1000000であることが好ましい。
【0086】組成物Aをシーリング材組成物として用い
る場合、この組成物中には、必要に応じて、従来公知
の、ポリオール類(重合体A以外の高分子量ポリオール
類等)、ポリイソシアネート(例えば、TDI、MD
I、末端をイソシアネート化したポリプロピレングリコ
ールであるポリフレックスSL265(第一工業製
薬)、サンプレンSP−2002、SP−2005(三
洋化成)等)、触媒(例えば、アミン系、錫系、鉛系
等)、無機充填剤(例えば、炭酸カルシウム、タルク、
クレー、シリカ、カーボンブラック、チタンホワイト
等)、可塑剤〔例えば、フタル酸ジオクチル(DOPと
も言う)、フタル酸ジ−i−デシル(DIDPとも言
う)、アジピン酸ジオクチル(DOAとも言う)等〕、
たれ止め剤(例えば、コロイド状シリカ、水添ひまし
油、有機ベントナイト、表面処理炭酸カルシウムな
ど)、老化防止剤(例えば、ヒンダートフェノール類、
ベンゾトリアゾール、ヒンダートアミン類等)、発泡抑
制剤(例えば、脱水剤、炭酸ガス吸収剤等)などが含ま
れていてもよい。
【0087】なお、この発明の製造方法により得られる
重合体Aの有する水酸基を、ヒドロキシシリル基やアル
コキシシリル基、メルカプト基に変換した重合体をシー
リング材組成物の必須成分として用いた場合、そのシー
リング材組成物は、ウレタンとは異なる架橋システムを
持つシーリング材組成物となる。
【0088】次に、この発明の製造方法により得られる
重合体Aを、水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル
基との2つの反応性基を1分子中に併せて有する化合物
(k)および/または酸無水物と反応させて得られる、
両末端にカルボキシル基を有する重合体Cについて説明
する。
【0089】この重合体Cを合成する際、水酸基を有す
る重合体Aと反応させる、水酸基と反応可能な官能基と
カルボキシル基との2つの反応性基を1分子中に併せて
有する化合物(k)としては、特に限定はされないが、
例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸、テレフタル酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの2塩基酸、ク
ロロ酢酸、ブロモ酢酸などのハロゲン置換カルボン酸な
どが挙げられる。このように、化合物(k)の有する、
水酸基と反応可能な官能基とカルボキシル基との2つの
反応性基とは、2つのカルボキシル基であってもよい
し、ハロゲン基等のカルボキシル基以外の官能基とカル
ボキシル基の組み合わせであってもよいのである。化合
物(k)の代わりに酸無水物を用いてもよいし、あるい
は、化合物(k)と酸無水物を併用してもよい。酸無水
物も、特に限定はされず、例えば、無水コハク酸、無水
グルタル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イタ
コン酸などが挙げられる。
【0090】重合体Aと化合物(k)および/または酸
無水物との反応の際に、溶媒や従来公知の触媒を用いる
のは自由である。この触媒の例としては、化合物(k)
の有する、水酸基と反応可能な官能基がカルボキシル基
である場合には、硫酸、塩酸などの無機酸、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、トリエチルア
ミン、ピリジンなどの3級アミン化合物、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウムなどの有機酸塩などが、ハロゲン基の
場合には、ピリジン、トリエチルアミンなどの3級アミ
ン化合物などがそれぞれ挙げられる。
【0091】重合体Aを酸無水物と反応させる場合の反
応温度は、特に限定はされないが、60〜100℃が好
ましい。60℃未満の場合は、反応速度が遅く、最終的
な変換率も低い。また、100℃を超えると、2塩基酸
の反応速度は高くなるが、ジエステルの生成量が増加
し、反応後の分子量が増加するなどの問題が生じる。
【0092】重合体Aの末端の水酸基とエステル結合で
修飾することにより末端にカルボキシル基を導入する場
合は、重合体Aの末端の1級の水酸基と3級の水酸基と
の反応性の大幅な違いから、1級の水酸基だけを反応さ
せることが出来、熱可塑性のポリマーを合成することが
できる。
【0093】
【作用】この発明の製造方法では、ビニル系単量体
(a)の重合を、1,2−プロピレングリコールを必須
とするアルコール類(b)の存在下、有機過酸化物を必
須とする開始剤系(c)及び有機スルホン酸化合物と無
機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1種の触媒
(d)を用いて行うようにしている。すると、ビニル系
単量体(a)が重合して、1級の水酸基1つと3級の水
酸基1つ合計2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重
合体を容易かつ安価に、しかも効率良く得ることができ
る。そのため、1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ合
計2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体を、有
極性のビニル系単量体も含めた幅広いビニル系単量体か
ら容易かつ安価に効率良く得ることが可能になる。
【0094】開始剤系(c)の必須成分として用いられ
る有機過酸化物だけでは、重合体の両末端に、1級の水
酸基1つと3級の水酸基1つ合計2つの水酸基をそれぞ
れ導入することはできないが、1,2−プロピレングリ
コールを必須とするアルコール類(b)を用いることに
より、1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ合計2つの
水酸基の導入が一部可能になる。このように一部しか水
酸基が導入できないのは、有機過酸化物(ROOR)の
分解によって発生するORラジカルは非常に不安定であ
るため、水素引抜反応(連鎖移動反応)などの副反応が
起こり易く、重合体の末端に水酸基を確実に導入するに
は難があるからである。しかし、さらに有機スルホン酸
化合物と無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1
種の触媒(d)を共存させることにより、反応の選択性
が向上し、確実に、1級の水酸基1つと3級の水酸基1
つ合計2つの水酸基を両末端にそれぞれ導入することが
可能になる。
【0095】また、この発明の製造方法では、反応器内
に前記4者(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分
を実質的に含まないようにしている。具体的には、
(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分が、全体の
10重量%以下程度になるようにしている。もしも、
(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分(たとえ
ば、溶剤等)が全体の10重量%より多く含まれている
と、片末端もしくは両末端とも全く水酸基の入っていな
い重合体が副生し、重合体の末端水酸基数が低下する。
【0096】ただし、界面活性剤(x)を反応器内の全
成分量に対して10重量%未満の範囲で使用すること
は、製造される重合体への水酸基の導入を向上させるこ
とはあっても低下させることはないので、差し支えな
い。
【0097】この発明の製造方法により得られる重合体
Aは、その主鎖を構成するビニル系単量体(a)の種類
を任意に選択することにより、透明性、耐候性、耐水
性、耐加水分解性、耐薬品性を有し、また、この重合体
Aを含む組成物から誘導されるポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの各種樹脂、
各種ブロックポリマーなどが有する、非常に伸びがあり
(曲げ加工性がよく)かつ強靱であるという特性を発揮
することから、塗料(ハイソリッド、低温硬化等)、弾
性壁材、塗膜防水材、粘着剤、床材、粘着性付与剤、接
着剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、
鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、
マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、
シーリング材、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟
質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、熱硬化型
エラストマー、熱可塑性エラストマー、マイクロセルラ
ー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活
性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用
耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート
接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応
性希釈剤、各種成型材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮
革、分散剤、水性ウレタンエマルジョン等の原料とし
て、また、各種樹脂添加剤およびその原料等として、非
常に有用である。
【0098】重合体Aは、両末端の水酸基を適当な方法
により反応させることにより、他の官能基(例えば、ビ
ニル基などの重合性不飽和基、ホルミル基、アミノ基、
カルボキシル基、エチニル基、エポキシ基、シラノール
基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基、メルカプト
基、オキサゾリン基、マレイミド基、アズラクトン基、
ラクトン基、臭素、塩素など)を両末端に有する重合体
へ容易に変換させることが可能である。これらの重合体
も大変有用である。例えば、両末端にカルボキシル基を
有する重合体(重合体C)は、エポキシ接着剤の耐衝撃
性付与剤などとして大変有効である。また、重合体A
は、その末端水酸基にエチレンオキサイドやプロピレン
オキサイドを複数個付加することにより、界面活性剤、
ウレタンフォーム、セメント減水剤、相溶化剤などの原
料となる。
【0099】重合体Aおよび多官能イソシアネート化合
物(g)を必須として含む組成物、ならびに、重合体A
およびアミノプラスト樹脂(h)を必須として含む組成
物を、それぞれ塗料として用いた場合、柔軟かつ強靱で
あるばかりでなく、耐候性、耐水性、耐加水分解性、耐
薬品性、硬度などの非常にすぐれた塗膜を得ることがで
きる。また、低分子量にしても、重合体Aの末端に水酸
基が存在するため、従来のハイソリッド型塗料の欠点で
ある強靱性を改良できる。
【0100】重合体Aおよび多官能イソシアネート化合
物(g)を必須として含む組成物をシーリング材として
用いた場合、非常に柔軟かつ強靱で、耐候性、耐水性、
耐薬品性にすぐれたタックのないシーリング材を得るこ
とができる。
【0101】重合体Aおよび多官能イソシアネート化合
物(g)を必須として含む組成物をウレタンフォーム用
途および熱硬化性ポリウレタンエラストマー用途に用い
た場合、柔軟性、耐候性、耐水性、耐薬品性にすぐれた
ウレタンフォームおよびエラストマーを得ることができ
る。
【0102】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例を比較例
と併せて説明するが、この発明は、下記実施例に限定さ
れない。また、下記実施例および比較例中、「部」およ
び「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表
す。さらに、下記実施例および比較例中、「重合率」
は、重合終了後、ガスクロマトグラムによる各単量体の
残存率から算出した数値で、「数平均分子量(Mn)」
は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて標
準ポリスチレンによる 検量線から換算した数値であ
る。また、「平均末端水酸基数(Fn(OH))」は、
JIS−K−1557に準じて求めたOH価と上記で測
定した数平均分子量(Mn)の値とから算出した数値で
ある。そして、「ゲル分率」は、得られた重合体と、ス
ミジュールN−75(3官能性イソシアネート化合物、
住友バイエルウレタン社製)とを、イソシアネート基と
水酸基のモル比が1.1/1になるように混合して約4
0%のトルエン溶液とした後、これに触媒としてジブチ
ルすずジラウレートを微量添加し、よく攪拌混合したも
のを80℃で3時間反応させてポリウレタンフィルムを
得、次いで、このフィルムを、十分に乾燥させた後、テ
トラヒドロフランを溶媒としたソックスレー抽出に8時
間かけた時に抽出されずに残った不溶分の重量%を表
す。
【0103】さらに、「イソシアネートによる平均末端
官能基数(Fn(OH)NCO)」は、得られた重合体に
若干過剰量のフェニルイソシアネートを、微量の触媒存
在下、80℃で5時間反応させた後、未反応のイソシア
ネートをジブチルアミンと反応し、残存するアミンを塩
酸で滴定して求めた水酸基濃度と、上記で測定した数平
均分子量(Mn)の値とから算出した数値である。この
方法により求められる平均末端官能基数(Fn(OH)
NCO)は、上記JIS−K−1557に準じた方法では
測定できない反応性の低い三級水酸基をも含めた全水酸
基数を求めることが出来る。つまり、(Fn(OH)
NCO)−(Fn(OH))は、ポリマー1分子当りの三
級水酸基の数である。
【0104】−実施例1− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール139部
と、p−トルエンスルホン酸0.78部とを仕込み、フ
ラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒素ガスを吹
き込みながら、140℃に昇温した。内温が140±3
℃で安定した所で、アクリル酸ブチル100部とシクロ
ヘキサノンパーオキサイド1.56部との混合物を、内
温140℃に保ちながら、1時間かけて滴下した。同温
度で10分間熟成して、重合を完了させた。ガスクロマ
トグラムによるアクリル酸ブチルの残存率から重合率を
求めたところ、98%であった。
【0105】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された重合体〔1〕を含むトル
エン溶液を得た。
【0106】精製後の重合体〔1〕の数平均分子量(M
n)は3100であった。また、重合体〔1〕の平均末
端水酸基数(Fn(OH))は1.5(モル/重合体1
モル)であり、ゲル分率は79%であった。また、イソ
シアネートによる平均末端官能基数(Fn(O
H)NCO)は3.0(モル/重合体1モル)であった。
【0107】−実施例2、3− 実施例1において、有機スルホン酸化合物(d)の比率
を後記表1に示した通りとした以外は、実施例1と同様
の手法で重合反応を行った。続いて、実施例1と同様の
手法で、精製された重合体〔2〕、〔3〕を得た。
【0108】精製後の重合体〔2〕、〔3〕について、
数平均分子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(O
H))(モル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を
求め、それらの結果を、実施例1と同様にして求めた重
合率とともに後記表3に示した。 −実施例4− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール139部
と、p−トルエンスルホン酸0.78部とを仕込み、フ
ラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒素ガスを吹
き込みながら、140℃に昇温した。内温が140±3
℃で安定した所で、アクリル酸ブチル100部とシクロ
ヘキサノンパーオキサイド3.12部との混合物を、内
温140℃に保ちながら、1時間かけて滴下した。同温
度で10分間熟成して、重合を完了させた。ガスクロマ
トグラムによるアクリル酸ブチルの残存率から重合率を
求めたところ、98%であった。
【0109】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された重合体〔4〕を含むトル
エン溶液を得た。
【0110】精製後の重合体〔4〕の数平均分子量(M
n)は2300であった。また、重合体〔4〕の平均末
端水酸基数(Fn(OH))は1.4(モル/重合体1
モル)であり、ゲル分率は75%であった。また、イソ
シアネートによる平均末端官能基数(Fn(O
H)NCO)は2.9(モル/重合体1モル)であった。
【0111】−実施例5− 実施例4において、有機スルホン酸化合物(d)の比率
を後記表1に示した通りとした以外は、実施例4と同様
の手法で重合反応を行った。続いて、実施例4と同様の
手法で、精製された重合体〔5〕を得た。
【0112】精製後の重合体〔5〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例4と同様にして求めた重合率ととも
に後記表3に示した。
【0113】−実施例6− 実施例4において、有機過酸化物(c)に用いたシクロ
ヘキサノンパーオキサイドの比率を後記表1に示した通
りとした以外は、実施例4と同様の手法で重合反応を行
った。続いて、実施例4と同様の手法で、精製された重
合体〔6〕を得た。
【0114】精製後の重合体〔6〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例4と同様にして求めた重合率ととも
に後記表3に示した。
【0115】−実施例7− 実施例4において、アルコール類(b)に用いた1,2
−プロピレングリコールの比率を後記表1に示した通り
とした以外は、実施例4と同様の手法で重合反応を行っ
た。続いて、実施例4と同様の手法で、精製された重合
体〔7〕を得た。
【0116】精製後の重合体〔7〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例4と同様にして求めた重合率ととも
に後記表3に示した。
【0117】−実施例8− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール139部
と、p−トルエンスルホン酸0.78部とを仕込み、フ
ラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒素ガスを吹
き込みながら、140℃に昇温した。内温が140±3
℃で安定した所で、アクリル酸ブチル90.3部とアク
リル酸ヒドロキシエチル9.7部そしてシクロヘキサノ
ンパーオキサイド3.12部との混合物を、内温140
℃に保ちながら、2時間かけて滴下した。同温度で1時
間熟成して、重合を完了させた。ガスクロマトグラムに
よるアクリル酸ブチルの残存率から重合率を求めたとこ
ろ、97%であった。
【0118】続いて、熟成終了後、油浴を外し放冷して
内温が80℃になったところで、炭酸水素ナトリウム
2.72部を重合混合物に添加し、30分間攪拌した。
そして、重合混合物を140℃で2時間ほど5mmHg
以下に減圧して、1,2−プロピレングリコールを脱揮
により除去し、精製された重合体〔8〕を得た。
【0119】精製後の重合体〔8〕の数平均分子量(M
n)は2000であった。また、重合体〔8〕の平均末
端水酸基数(Fn(OH))は4.1(モル/重合体1
モル)であり、ゲル分率は92%であった。また、イソ
シアネートによる平均末端官能基数(Fn(O
H)NCO)は6.3(モル/重合体1モル)であった。
【0120】−実施例9− 実施例8において、有機スルホン酸化合物(d)に用い
たp−トルエンスルホン酸の比率を後記表2に示した通
りとした以外は、実施例8と同様の手法で重合反応を行
った。続いて、実施例8と同様の手法で、精製された重
合体
〔9〕を得た。
【0121】精製後の重合体
〔9〕について、数平均分
子量(Mn)、平均末端水酸基数(Fn(OH))(モ
ル/重合体1モル)およびゲル分率(%)を求め、それ
らの結果を、実施例8と同様にして求めた重合率ととも
に後記表3に示した。
【0122】また、イソシアネートによる平均末端官能
基数(Fn(OH)NCO)は8.6(モル/重合体1モ
ル)であった。
【0123】−実施例10− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール126部、
エチレングリコール13部とp−トルエンスルホン酸
0.78部とを仕込み、フラスコ内の窒素置換を行った
後、緩やかに窒素ガスを吹き込みながら、140℃に昇
温した。内温が140±3℃で安定した所で、アクリル
酸ブチル94部とシクロヘキサノンパーオキサイド0.
78部との混合物を、内温140℃に保ちながら、1時
間かけて滴下した。同温度で10分間熟成して、重合を
完了させた。ガスクロマトグラムによるアクリル酸ブチ
ルの残存率から重合率を求めたところ、99%であっ
た。
【0124】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された重合体〔10〕を含むト
ルエン溶液を得た。
【0125】精製後の重合体〔10〕の数平均分子量
(Mn)は5300であった。また、重合体〔10〕の
平均末端水酸基数(Fn(OH))は3.7(モル/重
合体1モル)であり、ゲル分率は88%であった。ま
た、イソシアネートによる平均末端官能基数(Fn(O
H)NCO)は5.5(モル/重合体1モル)であった。
【0126】−実施例11− 実施例10において、プロピレングリコールの量を70
部、エチレングリコールの量を70部とし、アクリル酸
ブチル94部とシクロヘキサノンパーオキサイド0.7
8部との混合物の滴下時間を2時間とする以外は、実施
例10と同様の操作を行い、精製された重合体〔11〕
を含むトルエン溶液を得た。
【0127】ガスクロマトグラムによるアクリル酸ブチ
ルの残存率からこの重合の重合率を求めたところ、97
%であった。
【0128】精製後の重合体〔11〕の数平均分子量
(Mn)は5600であった。また、重合体〔11〕の
平均末端水酸基数(Fn(OH))は5.9(モル/重
合体1モル)であり、ゲル分率は100%であった。ま
た、イソシアネートによる平均末端官能基数(Fn(O
H)NCO)は7.7(モル/重合体1モル)であった。
【0129】−比較例1− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール139部を
仕込み、フラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに窒
素ガスを吹き込みながら、140℃に昇温した。内温が
140±3℃で安定した所で、アクリル酸ブチル100
部とシクロヘキサノンパーオキサイド1.56部との混
合物を、内温140℃に保ちながら、1時間かけて滴下
した。同温度で10分間熟成して、重合を完了させた。
ガスクロマトグラムによるアクリル酸ブチルの残存率か
ら重合率を求めたところ、97%であった。
【0130】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された比較用重合体〔1〕を含
むトルエン溶液を得た。精製後の比較用重合体〔1〕の
数平均分子量(Mn)は3400であった。また、比較
用重合体〔1〕の平均末端水酸基数(Fn(OH))は
0.6(モル/重合体1モル)であり、ゲル分率は4%
であった。
【0131】−比較例2− 攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えた
フラスコに、1,2−プロピレングリコール14部とキ
シレン125部と、p−トルエンスルホン酸0.78部
を仕込み、フラスコ内の窒素置換を行った後、緩やかに
窒素ガスを吹き込みながら、140℃に昇温した。内温
が140±3℃で安定した所で、アクリル酸ブチル10
0部とシクロヘキサノンパーオキサイド1.56部との
混合物を、内温140℃に保ちながら、1時間かけて滴
下した。同温度で10分間熟成して、重合を完了させ
た。ガスクロマトグラムによるアクリル酸ブチルの残存
率から重合率を求めたところ、94%であった。
【0132】続いて、トルエン/水系の抽出溶媒を用い
て、この重合体を含む反応混合物から重合体を抽出分離
し、重合体を含むトルエン溶液を得た。このトルエン溶
液を、飽和食塩水・飽和炭酸水素ナトリウム水溶液・飽
和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
自然濾過した後、溶液に窒素をバブリングさせてトルエ
ン留去し濃縮して、精製された比較用重合体〔2〕を含
むトルエン溶液を得た。精製後の比較用重合体〔2〕の
数平均分子量(Mn)は5400であった。また、比較
用重合体〔2〕の平均末端水酸基数(Fn(OH))は
0.7(モル/重合体1モル)であり、ゲル分率は8%
であった。
【0133】
【表1】
【0134】
【表2】
【0135】
【表3】
【0136】−比較参考例1− (側鎖のみに水酸基を有する共重合体の製造例)滴下ロ
ート、攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を
備えたフラスコに、トルエン100部を仕込み、緩やか
に窒素を吹き込みながら100℃まで昇温し、アクリル
酸ブチル93部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル7部
に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル6.6部を溶
解させたものを2時間かけてフラスコ内に滴下した。滴
下終了後、同温度で1時間攪拌を続けて、重合を完了さ
せた。ガスクロマトグラムによるビニル系単量体の残存
率から重合率を求めたところ、96%であった。 続い
て、トルエンを留去し、さらに減圧下、45℃で乾燥さ
せることにより、精製された比較重合体〔1〕を得た。
【0137】精製後の比較重合体〔1〕の数平均分子量
(Mn)は5000であった。また、比較重合体〔1〕
の平均水酸基数(Fn(OH))は3.0(モル/重合
体1モル)(OH価:34(mgKOH/g))であっ
た。
【0138】−比較参考例2− (片末端および側鎖のみに水酸基を有する共重合体の製
造例)滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計および
還流冷却管を備えたフラスコに、トルエン100部を仕
込み、緩やかに窒素を吹き込みながら100℃まで昇温
し、アクリル酸ブチル93部、アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル7部にメルカプトエタノール1.6部を溶解さ
せたものおよび2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
1.6部をトルエン20部に溶解させたものを2時間か
けてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、同温度で1時
間攪拌を続けて、重合を完了させた。ガスクロマトグラ
ムによるビニル系単量体の残存率から重合率を求めたと
ころ、96%であった。 続いて、トルエンを留去し、
さらに減圧下、45℃で乾燥させることにより、精製さ
れた比較重合体〔2〕を得た。
【0139】精製後の比較重合体〔2〕の数平均分子量
(Mn)は4900であった。また、比較重合体〔1〕
の平均水酸基数(Fn(OH))は3.8(モル/重合
体1モル)(OH価:43(mgKOH/g))であっ
た。
【0140】−実施例10〜13− 表4に示した配合物を室温で混合、脱揮し、硬化性組成
物とした。
【0141】このようにして得られた硬化性組成物につ
いてJIS−A5757に準じて弾性シーラントとして
の特性評価を行った。その結果を表5に記す。
【0142】−比較例2、3− 実施例10〜13と同様に表6に示した配合物を室温で
混合、脱揮し、比較用硬化性組成物とした。
【0143】このようにして得られた比較用硬化性組成
物についてJIS−A5757に準じて弾性シーラント
としての特性評価を行った。その結果を表7に記す。
【0144】
【表4】
【0145】
【表5】
【0146】
【表6】
【0147】
【表7】
【0148】
【表8】
【0149】
【表9】
【0150】
【発明の効果】この発明の製造方法によれば、アクリル
酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル等の有極性のビニル系単量体も含めた幅広いビ
ニル系単量体から、1級の水酸基1つと3級の水酸基1
つ合計2つの水酸基を両末端にそれぞれ有する重合体
(重合体A)を容易かつ安価に効率よく得ることができ
る。
【0151】この製造方法により得られる重合体Aは、
1級の水酸基1つと3級の水酸基1つ合計2つの水酸基
を両末端にそれぞれ有することにより、それ自身、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、各種ブロックポリマーなどの各種樹脂の原料もしく
は添加剤として、または、重合体のままで、塗料(ハイ
ソリッド、低温硬化等)、弾性壁材、塗膜防水材、粘着
剤、床材、粘着性付与剤、接着剤、バインダー(磁気記
録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レン
ガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラス
ファイバーサイジング等)、シーリング材、ウレタンフ
ォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV
・EB硬化樹脂、熱硬化型エラストマー、熱可塑性エラ
ストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸
音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大
理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹
脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、
合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成型材料、弾
性繊維、人工皮革、合成皮革、分散剤、水性ウレタンエ
マルジョン等の用途に非常に有用であるとともに、両末
端の水酸基を適当な方法により反応させることにより、
水酸基以外の官能基(例えば、ビニル基などの重合性不
飽和基、ホルミル基、アミノ基、カルボキシル基、エチ
ニル基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシリル
基、ヒドロシリル基、メルカプト基、オキサゾリン基、
マレイミド基、アズラクトン基、ラクトン基、臭素、塩
素など)を両末端に有する重合体へ容易に変換すること
が可能である。この重合体も大変有用である。例えば、
両末端にカルボキシル基を有する重合体(重合体C)
は、エポキシ接着剤の耐衝撃性付与剤として大変有効で
ある。また、重合体Aの末端水酸基にエチレンオキサイ
ドやプロピレンオキサイドを複数個付加させることによ
り、界面活性剤、ウレタンフォーム、セメント減水剤、
相溶化剤などの原料となる。
【0152】この発明の製造方法により得られる重合体
Aと、水酸基と反応可能な官能基を1分子中に2個以上
有する多官能化合物(f)とを必須成分として含む組成
物(組成物A)は、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリカーボネート樹脂などの各種樹脂、各種ブロッ
クポリマー、塗料(ハイソリッド、低温硬化等)、弾性
壁材、塗膜防水材、粘着剤、床材、粘着性付与剤、接着
剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳
物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マ
イクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、シ
ーリング材、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟
質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、熱硬化型
エラストマー、熱可塑性エラストマー、マイクロセルラ
ー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活
性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用
耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート
接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応
性希釈剤、各種成型材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮
革、分散剤、水性ウレタンエマルジョン等の原料とし
て、また、各種樹脂添加剤およびその原料等に用いられ
た場合、柔軟で強靭な機械物性を有するのみでなく、重
合体Aの主鎖を構成する単量体成分(a)の種類によっ
ては、非常に良好な透明性、耐候性、耐水性、耐加水分
解性、耐薬品性などの物性も遺憾なく発揮し、非常に良
好な物性を示す。
【0153】組成物Aをシーリング材用途に用いる場
合、重合体Aを、従来公知のイソシアネート化合物など
と組み合わせる事により、柔軟かつ強靱で、耐候性、耐
熱性、耐水性、耐薬品性、反発弾性率において従来のシ
ーリング材組成物にはなかった効果が得られる。また、
組成物Aを用いたシーリング材は、現在用いられている
ポリエーテルポリオールを用いたシーリング材と比べて
耐熱性が優れている。
【0154】重合体Aを、水酸基と反応可能な官能基と
カルボキシル基との2つの反応性基を1分子中に併せて
有する化合物(k)および/または酸無水物と反応させ
て得られる、両末端にカルボキシル基を有する重合体
(重合体C)は、その主鎖を構成するビニル系単量体
(a)の種類を任意に選択することにより、水酸基を有
する重合体Aと同様に、透明性、耐候性、耐水性、耐加
水分解性、耐薬品性を有し、また、重合体Cから誘導さ
れるポリエステルなどの各種樹脂は、非常に伸びがあり
(曲げ加工性が良く)かつ強靱であるという特性を発揮
することから、塗料、粘接着剤、各種成型材料、樹脂改
質材(耐衝撃性付与材)、制振材料、弾性壁材、床材、
繊維加工材、UV・EB硬化樹脂等の原料として有用な
ものである。
【0155】さらに、この重合体Cは、水酸基末端では
用いることが難しかったエポキシ樹脂の硬化剤および添
加剤などにも用いることができるという特徴を有する。
【0156】次に、重合体Cと、カルボキシル基と反応
可能な官能基を1分子中に2個以上有する化合物(l)
とを必須成分として含むことを特徴とする樹脂組成物
は、その主鎖を構成するビニル系単量体(a)の種類を
任意に選択することにより、重合体Aを必須成分として
含む前述の組成物Aと同様に、透明性、耐候性、耐水
性、耐加水分解性、耐薬品性を有し、また、重合体Cを
含む組成物から誘導されるポリエステルなどの各種樹脂
は、非常に伸びがあり(曲げ加工性が良く)かつ強靱で
あるという特性を発揮することから、塗料、粘接着剤、
各種成型材料、樹脂改質材(耐衝撃性付与材)、制振材
料、弾性壁材、床材、繊維加工材、UV・EB硬化樹脂
等の原料として有用なものである。さらに、この重合体
Cを含む組成物は、水酸基末端では用いることが難しか
ったエポキシ樹脂組成物に用いることができるという特
徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池内 博之 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒中央研究所内 (72)発明者 田村 文秀 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体(a)の重合を、1,2
    −プロピレングリコールを必須とするアルコール類
    (b)の存在下、有機過酸化物を必須とする開始剤系
    (c)を用いて行う方法であって、さらに有機スルホン
    酸化合物と無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも
    1種の触媒(d)を用いるとともに、反応器内に前記4
    者(a)、(b)、(c)、(d)以外の成分を実質的
    に含まないことを特徴とする重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ビニル系単量体(a)、1,2−プロピ
    レングリコールを必須とするアルコール類(b)、有機
    過酸化物を必須とする開始剤系(c)、有機スルホン酸
    化合物と無機酸とからなる群より選ばれる少なくとも1
    種の触媒(d)以外の成分として界面活性剤(x)を反
    応器内の全成分量に対して10重量%未満用いる請求項
    1記載の重合体の製造方法。
JP20073793A 1993-08-12 1993-08-12 重合体の製造方法 Pending JPH0753615A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20073793A JPH0753615A (ja) 1993-08-12 1993-08-12 重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20073793A JPH0753615A (ja) 1993-08-12 1993-08-12 重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0753615A true JPH0753615A (ja) 1995-02-28

Family

ID=16429341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20073793A Pending JPH0753615A (ja) 1993-08-12 1993-08-12 重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0753615A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06239912A (ja) 重合体の製造方法
JP2594402B2 (ja) 重合体の製造方法
JPH06211922A (ja) 硬化性組成物
EP0610515B1 (en) Process for producing polymer
JPH08120046A (ja) 樹脂組成物
JP5316214B2 (ja) 硬化性組成物
US11292866B2 (en) Low viscosity poly(alkynyl carbamate) polymers
JPH06116312A (ja) 重合体の製造方法
JPH08283310A (ja) 重合体の製造方法
JPH0753615A (ja) 重合体の製造方法
JP2996426B2 (ja) 硬化性組成物
JPH0859784A (ja) 樹脂組成物
US11352460B2 (en) Waterborne azido-alkyne click compositions
JP2769074B2 (ja) 重合体の製造方法
JP3222573B2 (ja) 樹脂組成物
JP2004143411A (ja) 特殊構造グラフト共重合体の製造方法
JPH07228618A (ja) 重合体の製造方法
JPH07206973A (ja) 硬化性組成物
JP2000053723A (ja) 水酸基末端重合体組成物及び用途
JP2963834B2 (ja) 硬化性組成物
JP3084238B2 (ja) 両末端に水酸基を有する重合体を含む組成物とその用途
JPH10168156A (ja) アクリル系ポリイソシアネート組成物
JP3446235B2 (ja) 常温硬化性樹脂組成物
JPH06100610A (ja) 重合体の製造方法、前記重合体を含む組成物ならびに前記組成物から誘導されるポリマー
JPH06234803A (ja) 重合体の製造方法