JP3551428B2 - 希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輝尽性蛍光体の原料として有用で新規な希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
輝尽性蛍光体の原料として有用な希土類元素含有BaFI結晶の従来の製造方法は、弗化バリウム、ヨウ化バリウム、希土類元素のハロゲン化物などを乾式で混合するか、あるいは溶液中に懸濁させて混合したのち、この混合物を焼成し、粉砕する工程からなっている。このようにして得られる結晶の形状と粒径が不均一なため、これを原料とした蛍光体を塗布したときに得られる蛍光体層は不均一なものとなるという問題があった。このような問題を解決できる可能性のある技術として、特開平7−233369号公報で14面体の製造方法を用いている。しかし、BaFI系に関してはこの特開平7−233369号公報に記載されている合成条件の範囲では14面体型の結晶はおろか、いかなる形でも結晶は得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み、形状と粒径共に均一な新規な希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、BaI2とNH4Fの反応条件を種々検討し本発明を完成したもので、その要旨は、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類元素を含むBaI2水溶液と、混合後の水溶液中のBa濃度が3.0mol/L以下であり、F/Baのモル比が0.7を超えないように液量と濃度を調節したNH4F水溶液とを混合し、70℃以上で加熱しながらBa濃度が3.2mol/L以上になるまで濃縮することによって結晶を析出させることを特徴とする希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
最初に希土類元素を含むBaI2水溶液とNH4 F水溶液を調製する。この際最も重要なのは液の濃度である。しかし希土類元素を含むBaI2水溶液とNH4 F水溶液それぞれ個別の濃度は重要ではなく、両液を混合した後に混合液中のBa濃度が3.0mol/L以下になるように両液の濃度を調整することが重要である。混合液中のBa濃度が3.0mol/Lを超えると結晶成長が不均一になり、凝集した板状の結晶しか得られない。混合液中のBa濃度の下限はないが、濃縮により結晶を析出させるので、濃縮コストを極力抑える意味では3.0mol/Lを超えない範囲で、なるべくこれに近いことが有利である。
次に重要なのは混合するF/Baのモル比である。F/Baモル比は 0.5〜 0.7になるように設定しなければならない。BaFIの化学式からはF/Baモル比は1.0が有利であるように考えられるが、実際はF/Baモル比を 1.0にすると、却って収率が低下することが解かった。F/Baモル比の上限は 0.7であり、これを超えると結晶の粒径が極端に小さくなり、且つ収率が低下する。またF/Baモル比の下限はないが、余り低すぎるのはBaがロスし生産速度の点から商業生産には不適当であるので、0.5 以上とすることが好ましい。
【0006】
次に攪拌しながら希土類元素を含むBaI2水溶液とNH4 F水溶液を混合する。この時の混合方法は、希土類元素を含むBaI2水溶液にNH4 F水溶液を添加しても良く、その逆でも良く、あるいは両方を同時に容器に滴下しながら混合しても良い。どのような方法で混合しても混合時にゲル状の沈殿物が発生するが、これは次の加熱濃縮の過程で消失するので、最終的に得られる希土類元素含有BaFI角状結晶の性状に影響しない。混合速度についても制限はなく、一括して短時間に混合してもよく、滴下しながら時間をかけて混合してもよい。混合時の温度も特に制限はないが、混合に次ぐ操作として加熱濃縮があるので、混合時に加熱しておけば生産時間が短縮できる。
【0007】
次に混合水溶液を加熱濃縮する。加熱温度は70℃以上であることが必要で、70℃未満で加熱濃縮した場合は、細かい凝集した結晶が析出してくるので好ましくない。濃縮を続けるとBa濃度が概略2.8mol/Lの時点で、前記混合工程で生成したゲル状沈殿物が消失する。更に濃縮を続けると3.2mol/Lを超えた時点で新たに結晶の析出が始まる。結晶の析出が始まった時点から更に1時間程度、70℃以上の温度で熟成させて結晶析出を完結させる。
【0008】
1時間程度の加熱熟成の後析出した結晶を濾過などにより母液から分離する。分離した結晶をメタノール、エタノールあるいはアセトンのような水溶性の有機溶媒で洗浄した後乾燥する。蛍光体として使用する場合には発光特性を向上させるために更に不活性ガス雰囲気下、温度800 〜850 ℃、1〜5時間の熱処理を行う。
【0009】
以下に本発明の製造方法によって得られる基本組成式BaFI:xLnで表される新規な希土類元素含有BaFI角状結晶について説明する。LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類元素を表し、xは0<x≦0.1の範囲の数値を表す。Lnは賦活剤として働き、xはその濃度を表す。xの値が0.1を超えても蛍光体の輝度の向上がないのでxは0.1以下とする。本発明の新規な希土類元素含有BaFI角状結晶の最長辺に対する最短辺の比率が0.5以上であることは結晶の厚さがある程度以上必要であるということである。即ち結晶の厚さがある限度より小さくなると、凝集力が強くなり分散性が悪くなる。蛍光体としてその粒子を何らかの面に塗布する際、分散性の良い粒子の方が均一に塗布できるという大きなメリットがある。その結晶の厚さの限度を示す値、即ち角状結晶の最長辺に対する最短辺の比率が0.5以上ということである。また前記Lnで表されるCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類元素は輝尽性蛍光体の賦活剤として有効なものであり、このうちでもEu が特に有効、実用的である。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態を実施例と比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
500ml のビーカーに 0.03mol/LのEuを含むBaI2の濃度 3.0mol/L の水溶液200ml を入れ攪拌しながら80℃に加熱した。撹拌を続けながらこの溶液にNH4 Fの濃度 6.0mol/L の水溶液50mlを10秒間で投入した。投入開始と同時にゲル状の沈殿物の生成が見られた。投入終了直後の混合液のBa濃度は2.4mol/Lであり、F/Baモル比は 0.5であった。80℃の加熱を続けながら自然蒸発による濃縮を行った。混合液のBa濃度が2.8mol/L付近になると、投入直後に発生したゲル状沈殿物が完全に消失して液が透明になった。更に濃縮を続けて混合液のBa濃度が3.2mol/L付近になったときに結晶が析出し始めた。更に80℃で1時間熟成させた後、ブフナー漏斗で結晶を濾別し、エタノールで洗浄した。さらにこの結晶を100℃で10時間乾燥し、Eu含有BaFI角状結晶83.1g を得た。得られた結晶の形状を図1(写真1)に示す。結晶の一辺の長さはほぼ10〜20μmであり、この写真の全ての結晶の最長辺に対する最短辺の比率は0.5 以上であり、形状もきれいな角状であった。
【0011】
(実施例2)
6.0mol/LのNH4 F水溶液の投入量を70mlとしたこと以外は実施例1と全く同じ方法で合成を行い、87.3g のEu含有BaFI角状結晶を得た。投入終了直後の混合液のBa濃度は 2.22mol/Lであり、F/Baモル比は 0.7であった。得られた結晶の粒径と形状は実施例1と全く同様に全ての結晶の最長辺に対する最短辺の比率は0.5 以上であり、形状もきれいな角状であった。
【0012】
(比較例1)
6.0mol/LのNH4 F水溶液の投入量を 100mlとしたこと以外は実施例1と全く同じ方法で合成を行い、54.3g のEu含有BaFI角状結晶を得た。投入終了直後の混合液のBa濃度は2.0mol/Lであり、F/Baモル比は 1.0であった。得られた結晶の形状は角状だったが、結晶粒子の一辺の長さは1μm程度で強く凝集していた。また、収量は実施例1の65%と低かった。
【0013】
(比較例2)
BaI2水溶液の濃度を高くして、投入直後の混合液のBa濃度を3.2mol/Lとしたこと以外は実施例1と同じ方法で合成を行い、82.7g のEu含有BaFI結晶を得た。得られた結晶の形状を図2(写真2)に示す。結晶の形状は角状ではなく板状で非常に強く凝集していた。
【0014】
(比較例3)
500ml のナス型フラスコに 0.03mol/LのEuを含む3.0mol/LのBaI2水溶液200ml と6.0mol/LのNH4 F水溶液50mlを投入しロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。この時の温度は60℃に保った。実施例1と同じようにゲル状沈殿物の生成、ゲル状沈殿物の溶解、結晶の析出現象が観測された。実施例1と同様の操作で結晶の濾別、洗浄、乾燥を行い73.6g のEu含有BaFI結晶を得た。得られた結晶の微粒子は塊状に凝集しており角状の結晶は得られなかった。
【0015】
【発明の効果】
本発明により均一な形状と粒径の希土類元素含有BaFI角状結晶を合成することができるようになり、工業上の有用性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明のEu 含有BaFI角状結晶の形状を撮影した電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例2で得られたEu 含有BaFI結晶の形状を撮影した電子顕微鏡写真である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、輝尽性蛍光体の原料として有用で新規な希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
輝尽性蛍光体の原料として有用な希土類元素含有BaFI結晶の従来の製造方法は、弗化バリウム、ヨウ化バリウム、希土類元素のハロゲン化物などを乾式で混合するか、あるいは溶液中に懸濁させて混合したのち、この混合物を焼成し、粉砕する工程からなっている。このようにして得られる結晶の形状と粒径が不均一なため、これを原料とした蛍光体を塗布したときに得られる蛍光体層は不均一なものとなるという問題があった。このような問題を解決できる可能性のある技術として、特開平7−233369号公報で14面体の製造方法を用いている。しかし、BaFI系に関してはこの特開平7−233369号公報に記載されている合成条件の範囲では14面体型の結晶はおろか、いかなる形でも結晶は得られない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み、形状と粒径共に均一な新規な希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、BaI2とNH4Fの反応条件を種々検討し本発明を完成したもので、その要旨は、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類元素を含むBaI2水溶液と、混合後の水溶液中のBa濃度が3.0mol/L以下であり、F/Baのモル比が0.7を超えないように液量と濃度を調節したNH4F水溶液とを混合し、70℃以上で加熱しながらBa濃度が3.2mol/L以上になるまで濃縮することによって結晶を析出させることを特徴とする希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
最初に希土類元素を含むBaI2水溶液とNH4 F水溶液を調製する。この際最も重要なのは液の濃度である。しかし希土類元素を含むBaI2水溶液とNH4 F水溶液それぞれ個別の濃度は重要ではなく、両液を混合した後に混合液中のBa濃度が3.0mol/L以下になるように両液の濃度を調整することが重要である。混合液中のBa濃度が3.0mol/Lを超えると結晶成長が不均一になり、凝集した板状の結晶しか得られない。混合液中のBa濃度の下限はないが、濃縮により結晶を析出させるので、濃縮コストを極力抑える意味では3.0mol/Lを超えない範囲で、なるべくこれに近いことが有利である。
次に重要なのは混合するF/Baのモル比である。F/Baモル比は 0.5〜 0.7になるように設定しなければならない。BaFIの化学式からはF/Baモル比は1.0が有利であるように考えられるが、実際はF/Baモル比を 1.0にすると、却って収率が低下することが解かった。F/Baモル比の上限は 0.7であり、これを超えると結晶の粒径が極端に小さくなり、且つ収率が低下する。またF/Baモル比の下限はないが、余り低すぎるのはBaがロスし生産速度の点から商業生産には不適当であるので、0.5 以上とすることが好ましい。
【0006】
次に攪拌しながら希土類元素を含むBaI2水溶液とNH4 F水溶液を混合する。この時の混合方法は、希土類元素を含むBaI2水溶液にNH4 F水溶液を添加しても良く、その逆でも良く、あるいは両方を同時に容器に滴下しながら混合しても良い。どのような方法で混合しても混合時にゲル状の沈殿物が発生するが、これは次の加熱濃縮の過程で消失するので、最終的に得られる希土類元素含有BaFI角状結晶の性状に影響しない。混合速度についても制限はなく、一括して短時間に混合してもよく、滴下しながら時間をかけて混合してもよい。混合時の温度も特に制限はないが、混合に次ぐ操作として加熱濃縮があるので、混合時に加熱しておけば生産時間が短縮できる。
【0007】
次に混合水溶液を加熱濃縮する。加熱温度は70℃以上であることが必要で、70℃未満で加熱濃縮した場合は、細かい凝集した結晶が析出してくるので好ましくない。濃縮を続けるとBa濃度が概略2.8mol/Lの時点で、前記混合工程で生成したゲル状沈殿物が消失する。更に濃縮を続けると3.2mol/Lを超えた時点で新たに結晶の析出が始まる。結晶の析出が始まった時点から更に1時間程度、70℃以上の温度で熟成させて結晶析出を完結させる。
【0008】
1時間程度の加熱熟成の後析出した結晶を濾過などにより母液から分離する。分離した結晶をメタノール、エタノールあるいはアセトンのような水溶性の有機溶媒で洗浄した後乾燥する。蛍光体として使用する場合には発光特性を向上させるために更に不活性ガス雰囲気下、温度800 〜850 ℃、1〜5時間の熱処理を行う。
【0009】
以下に本発明の製造方法によって得られる基本組成式BaFI:xLnで表される新規な希土類元素含有BaFI角状結晶について説明する。LnはCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類元素を表し、xは0<x≦0.1の範囲の数値を表す。Lnは賦活剤として働き、xはその濃度を表す。xの値が0.1を超えても蛍光体の輝度の向上がないのでxは0.1以下とする。本発明の新規な希土類元素含有BaFI角状結晶の最長辺に対する最短辺の比率が0.5以上であることは結晶の厚さがある程度以上必要であるということである。即ち結晶の厚さがある限度より小さくなると、凝集力が強くなり分散性が悪くなる。蛍光体としてその粒子を何らかの面に塗布する際、分散性の良い粒子の方が均一に塗布できるという大きなメリットがある。その結晶の厚さの限度を示す値、即ち角状結晶の最長辺に対する最短辺の比率が0.5以上ということである。また前記Lnで表されるCe、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類元素は輝尽性蛍光体の賦活剤として有効なものであり、このうちでもEu が特に有効、実用的である。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施の形態を実施例と比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
500ml のビーカーに 0.03mol/LのEuを含むBaI2の濃度 3.0mol/L の水溶液200ml を入れ攪拌しながら80℃に加熱した。撹拌を続けながらこの溶液にNH4 Fの濃度 6.0mol/L の水溶液50mlを10秒間で投入した。投入開始と同時にゲル状の沈殿物の生成が見られた。投入終了直後の混合液のBa濃度は2.4mol/Lであり、F/Baモル比は 0.5であった。80℃の加熱を続けながら自然蒸発による濃縮を行った。混合液のBa濃度が2.8mol/L付近になると、投入直後に発生したゲル状沈殿物が完全に消失して液が透明になった。更に濃縮を続けて混合液のBa濃度が3.2mol/L付近になったときに結晶が析出し始めた。更に80℃で1時間熟成させた後、ブフナー漏斗で結晶を濾別し、エタノールで洗浄した。さらにこの結晶を100℃で10時間乾燥し、Eu含有BaFI角状結晶83.1g を得た。得られた結晶の形状を図1(写真1)に示す。結晶の一辺の長さはほぼ10〜20μmであり、この写真の全ての結晶の最長辺に対する最短辺の比率は0.5 以上であり、形状もきれいな角状であった。
【0011】
(実施例2)
6.0mol/LのNH4 F水溶液の投入量を70mlとしたこと以外は実施例1と全く同じ方法で合成を行い、87.3g のEu含有BaFI角状結晶を得た。投入終了直後の混合液のBa濃度は 2.22mol/Lであり、F/Baモル比は 0.7であった。得られた結晶の粒径と形状は実施例1と全く同様に全ての結晶の最長辺に対する最短辺の比率は0.5 以上であり、形状もきれいな角状であった。
【0012】
(比較例1)
6.0mol/LのNH4 F水溶液の投入量を 100mlとしたこと以外は実施例1と全く同じ方法で合成を行い、54.3g のEu含有BaFI角状結晶を得た。投入終了直後の混合液のBa濃度は2.0mol/Lであり、F/Baモル比は 1.0であった。得られた結晶の形状は角状だったが、結晶粒子の一辺の長さは1μm程度で強く凝集していた。また、収量は実施例1の65%と低かった。
【0013】
(比較例2)
BaI2水溶液の濃度を高くして、投入直後の混合液のBa濃度を3.2mol/Lとしたこと以外は実施例1と同じ方法で合成を行い、82.7g のEu含有BaFI結晶を得た。得られた結晶の形状を図2(写真2)に示す。結晶の形状は角状ではなく板状で非常に強く凝集していた。
【0014】
(比較例3)
500ml のナス型フラスコに 0.03mol/LのEuを含む3.0mol/LのBaI2水溶液200ml と6.0mol/LのNH4 F水溶液50mlを投入しロータリーエバポレーターで減圧濃縮した。この時の温度は60℃に保った。実施例1と同じようにゲル状沈殿物の生成、ゲル状沈殿物の溶解、結晶の析出現象が観測された。実施例1と同様の操作で結晶の濾別、洗浄、乾燥を行い73.6g のEu含有BaFI結晶を得た。得られた結晶の微粒子は塊状に凝集しており角状の結晶は得られなかった。
【0015】
【発明の効果】
本発明により均一な形状と粒径の希土類元素含有BaFI角状結晶を合成することができるようになり、工業上の有用性は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた本発明のEu 含有BaFI角状結晶の形状を撮影した電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例2で得られたEu 含有BaFI結晶の形状を撮影した電子顕微鏡写真である。
Claims (1)
- Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm及びYbからなる群より選ばれる少なくとも1種の希土類元素を含むBaI2水溶液と、混合後の水溶液中のBa濃度が3.0mol/L以下であり、F/Baのモル比が0.7を超えないように液量と濃度を調節したNH4F水溶液とを混合し、70℃以上で加熱しながらBa濃度が3.2mol/L以上になるまで濃縮することによって結晶析出させることを特徴とする希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20212997A JP3551428B2 (ja) | 1997-07-11 | 1997-07-11 | 希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20212997A JP3551428B2 (ja) | 1997-07-11 | 1997-07-11 | 希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1129324A JPH1129324A (ja) | 1999-02-02 |
JP3551428B2 true JP3551428B2 (ja) | 2004-08-04 |
Family
ID=16452454
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20212997A Expired - Fee Related JP3551428B2 (ja) | 1997-07-11 | 1997-07-11 | 希土類元素含有BaFI角状結晶の製造方法 |
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JP (1) | JP3551428B2 (ja) |
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JP2002274844A (ja) | 2001-03-15 | 2002-09-25 | Fuji Photo Film Co Ltd | 無機微粒子の製造方法、無機微粒子、希土類賦活フッ化ハロゲン化バリウム蛍光体、放射線像変換パネル |
JPWO2006082715A1 (ja) * | 2005-02-04 | 2008-06-26 | コニカミノルタエムジー株式会社 | 希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体の前駆体の製造方法、希土類賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物輝尽性蛍光体及び放射線画像変換パネル |
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1997
- 1997-07-11 JP JP20212997A patent/JP3551428B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1129324A (ja) | 1999-02-02 |
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