JP2875058B2 - ランタン・セリウム・テルビウムりん酸塩蛍光体の製造方法 - Google Patents

ランタン・セリウム・テルビウムりん酸塩蛍光体の製造方法

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JP2875058B2 JP3135333A JP13533391A JP2875058B2 JP 2875058 B2 JP2875058 B2 JP 2875058B2 JP 3135333 A JP3135333 A JP 3135333A JP 13533391 A JP13533391 A JP 13533391A JP 2875058 B2 JP2875058 B2 JP 2875058B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蛍光ランプにおいて使
用のためのランタン・セリウム・テルビウムりん酸塩
(ホスフェート)蛍光体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプにおいて使用のための蛍光体
として、ランタン・セリウム・テルビウムりん酸塩蛍光
体が有用視されている。米国特許第4,423,349
号は、この蛍光体を製造するための2つの方法を開示す
る。一つの方法において、ランタン、セリウム及びテル
ビウムの炭酸塩を70℃で形成し、これをその後75℃
でりん酸と反応せしめてランタン・セリウム・テルビウ
ムりん酸塩を形成する。このりん酸塩を1150℃で7
5分間焼成して蛍光体を形成する。
【0003】もう一つの方法において、ランタン・セリ
ウム・テルビウムのしゅう酸塩共沈物を80℃で形成し
そして800℃で分解して、単一相の、混合原子価状態
のランタン・セリウム・テルビウム修酸塩を形成する。
りん酸ジアンモニウムを当該修酸塩に添加しそして混合
物を700℃で分解して、ランタン・セリウム・テルビ
ウムりん酸塩を形成する。このりん酸塩をその後粉砕し
そして1200℃で4時間焼成して蛍光体を形成する。
フラックス剤としての酸化硼素或いは硼酸アンモニウム
が、反応を促進しそして輝度を改善するために焼成段階
前に添加されうる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、焼成段
階前に希土類化合物の多段階合成を行うか或いは多段階
焼成を行うこといずれかを必要とした。こうした多数の
追加製造段階は非効率でありそしてコスト増を招いた。
更に、使用されるりん酸塩源の揮発性により、超過剰量
のりん酸塩化合物が、蛍光体を形成するための希土類化
合物とりん酸塩との間での反応に必要とされた。
【0005】本発明の課題は、ランタン・セリウム・テ
ルビウムりん酸塩蛍光体を製造する一層効率的な方法を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、単一段階で蛍
光体を合成する方法を提供することによりこれら欠点を
排除する。これは、りん酸塩源としてりん酸硼素の使用
により達成される。昇温下でのりん酸硼素の安定性は、
もっと揮発性のりん酸塩源が使用された場合に起こる過
剰のりん酸塩損失を生じることなく、ほぼ化学量論比に
おいてその使用を可能ならしめることが判明した。
【0007】本発明に従えば、ランタン・セリウム・テ
ルビウム修酸塩をりん酸硼素と適当な温度で反応せしめ
てランタン・セリウム・テルビウムりん酸塩蛍光体と酸
化硼素とを含む混合物を形成する段階と、蛍光体を酸化
硼素から分離する段階とを包含するランタン・セリウム
・テルビウムりん酸塩蛍光体を製造する方法が提供され
る。
【0008】
【作用】本発明は単一段階で蛍光体を合成する方法を提
供する。これは、ランタン・セリウム・テルビウム修酸
塩と、りん酸塩源としてりん酸硼素の使用により達成さ
れる。昇温下でのりん酸硼素の安定性は、もっと揮発性
のりん酸塩源が使用された場合に起こる過剰のりん酸塩
損失を生じることなく、ほぼ化学量論比においてその使
用を可能ならしめる。本発明に従う焼成段階中、りん酸
硼素はランタン・セリウム・テルビウム修酸塩と反応し
て、酸化硼素(B2O3)溶液中にランタン・セリウム・テ
ルビウムりん酸塩蛍光体を形成する。酸化硼素は穏やか
なフラックス媒体として作用して、結晶成長を促進する
ことにより反応を促進する。
【0009】
【実施例】本発明方法は、共沈した希土類修酸塩をりん
酸硼素(BPO4)と反応せしめて希土類蛍光体を形成する
単一段階の合成である。
【0010】希土類原料は、組成(La1-x-yCexTby2(C
2O4)3を有するランタン・セリウム・テルビウム修酸塩
であり得る。この場合、x=0.17〜0.45であ
り、好ましくはx=0.18〜0.44である。y=
0.1〜0.16であり、好ましくはy=0.12〜
0.14である。好ましいランタン・セリウム・テルビ
ウム修酸塩は、組成(La0.446Ce0.424Tb0.1302(C
2O4)3を有する。この修酸塩は酸化ランタン、酸化テル
ビウム、硝酸セリウム及び修酸を含有する硝酸溶液の沈
殿から調製される。
【0011】りん酸硼素は、市販入手しうるが、本発明
において望ましい結果を得るのに充分の純度を有しない
場合もある。充分に高純度のりん酸硼素がほう酸(H3BO
3 )とりん酸ジアンモニウム((NH4)2HPO4)の1:1混
合物を700〜1000℃において2時間加熱すること
により調製しうることが見いだされた。
【0012】りん酸硼素と希土類修酸塩との間での反応
は750〜800℃で始まる。しかし、セリウムとテル
ビウムイオン対との間での望ましいイオン平衡は約11
50〜1300℃の温度に達するまでは起こらない。同
様に、蛍光体結晶の成長も、初期反応温度では開始され
ず、1150〜1300℃の好ましい温度範囲において
起こる。
【0013】りん酸硼素は、2種の低融点修酸塩の反応
から形成されるけれども、1600℃を超える融点を有
する極めて安定な化合物である。本発明におけるように
りん酸硼素がりん酸塩源として使用される場合、希土類
修酸塩及びりん酸硼素のほぼ化学量論的性質が利用しう
る。りん酸硼素は、その高い融点の故に、好ましい蛍光
体反応温度が実現されるまでは蒸発或いは分解しない。
【0014】りん酸ジアンモニウムのような従来技術の
りん酸塩源は、1150℃未満で分解、溶融或いは蒸発
する。従って、蛍光体を形成するべく希土類修酸塩との
反応のための十分量のりん酸塩を確保するには、相当に
過剰量のりん酸塩源が提供されねばならないしそして
(或いは)多数の焼成段階が使用されねばならない。
【0015】本発明に従う焼成段階中、りん酸硼素はラ
ンタン・セリウム・テルビウム修酸塩と反応して、酸化
硼素(B2O3)溶液中にランタン・セリウム・テルビウム
りん酸塩蛍光体を形成する。酸化硼素は穏やかなフラッ
クス媒体として作用して、結晶成長を促進することによ
り反応を促進する。
【0016】この反応においてりん酸塩源としてりん酸
硼素を使用することの利点は、還元剤としてのその能力
である。セリウム及びテルビウムは、ランタン・セリウ
ム・テルビウム修酸塩において+4価のイオンとして存
在している。これら+4価のイオンはりん酸硼素の存在
下で+3価の状態に還元される。この蛍光体を製造する
ための従来からの方法は、この原子価状態での還元をも
たらすために還元性雰囲気を必要とした。本発明に従う
反応は、りん酸硼素の還元性質により不活性雰囲気中で
起こりうる。
【0017】本発明に従う反応は不活性雰囲気中で行な
われることが好ましい。反応の水素の存在は炭素の付着
物の形成を生じ易く、これはプラーク輝度を減じる。
【0018】焼成後、蛍光体はわずかに残留する硼素化
合物不純物を除去するべく塩基性及び酸性溶液中で洗浄
される。
【0019】(実施例1)次の原料を10クオート
(9.5リットル)プラスチック製のV−形ブレンダに
おいて混合した:27.4gの組成(La0.446Ce0.424Tb
0.1302(C2O4)3を有するランタン・セリウム・テルビ
ウム修酸塩;及び10.57gのりん酸硼素、BPO4。従
って、これら成分のモル比は、1モル希土類修酸塩及び
1モルりん酸硼素であった。原料をV−形ブレンダで1
5分間混和しそして更に混合強化用のバーを備えたVー
形ブレンダで15分間混和して一様な混合物を形成し
た。混合物をその後開放るつぼにおいて100%窒素雰
囲気下で1200℃において3時間焼成して蛍光体を形
成した。反応は次の式により示される:(LaxCeyTbz
2(C2O4)3・3H2O + BPO4 → (LaxCeyTbz )PO4
3H2O +0.5B2O3 + 1.5CO + 4.5CO2 ここで、x=0.39〜0.73 y=0.17〜0.45 z=0.10〜0.16
【0020】焼成ケーキを粉砕しそして2%希硝酸、HN
O3中で約90℃において約4時間洗浄した。ろ過後、白
色体蛍光体を洗浄しそして高温脱イオン水で3回ろ過し
た。洗浄した蛍光体をその後5%水酸化アンモニウム、
NH4OH で洗浄した。この塩基洗浄後、蛍光体をろ過しそ
して高温脱イオン水で洗浄した。ろ過蛍光体を約110
℃で約16時間乾燥しそして後378ナイロンメッシュ
篩で分篩した。良好な蛍光体を得た。
【0021】
【発明の効果】本発明は、ランタン・セリウム・テルビ
ウム修酸塩と、りん酸塩源としてりん酸硼素の使用によ
り単一段階でランタン・セリウム・テルビウムりん酸塩
蛍光体を工業的に従来より効率的に合成することに成功
した。
【0022】本発明の好ましい具体例について説明した
が、本発明の範囲内で多くの改変や変更を為しうること
を銘記されたい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 11/00 - 11/89 C01B 25/45

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)ランタン・セリウム・テルビウム修
    酸塩をりん酸硼素とランタン・セリウム・テルビウムり
    ん酸塩蛍光体と酸化硼素とを含む混合物を形成するに適
    当な温度で反応せしめる段階と、 b)ランタン・セリウム・テルビウムりん酸塩蛍光体を
    酸化硼素から分離する段階とを包含するランタン・セリ
    ウム・テルビウムりん酸塩蛍光体を製造する方法。
  2. 【請求項2】 ランタン・セリウム・テルビウム修酸塩
    とりん酸硼素とをほぼ化学量論比において与える請求項
    1の方法。
  3. 【請求項3】 ランタン・セリウム・テルビウムりん酸
    塩蛍光体を次の反応式、即ち (LaCeTb(C・3HO+
    BPO→(LaCeTb)PO+3HO+
    0.5B+1.5CO+4.5CO ここで、x=0.39〜0.73 y=0.17〜0.45 z=0.10〜0.16 に従って形成する請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 反応段階を窒素雰囲気中で行う請求項1
    の方法。
  5. 【請求項5】 反応段階を約1150〜1300℃の温
    度で約1.5〜4時間の単一段階焼成において行う請求
    項1の方法。
  6. 【請求項6】 分離段階を洗浄により行う請求項1の方
    法。
  7. 【請求項7】 ランタン・セリウム・テルビウム修酸塩
    とりん酸硼素とを約1:1〜1:1.05の範囲のモル
    比において与える請求項2の方法。
  8. 【請求項8】 x=0.42〜0.70、y=0.18
    〜0.44そしてz=0.12〜0.14である請求項
    3の方法。
  9. 【請求項9】 x=0.446、y=0.424そして
    z=0.130である請求項3の方法。
  10. 【請求項10】 単一段階焼成段階を約1200℃にお
    いて約2時間行う請求項5の方法。
  11. 【請求項11】 洗浄段階を酸性及び塩基性溶液中にお
    いて行う請求項6の方法。
  12. 【請求項12】 酸性溶液が希硝酸である請求項11の
    方法。
  13. 【請求項13】 塩基性溶液が希釈水酸化アンモニウム
    である請求項11の方法。
JP3135333A 1990-05-14 1991-05-13 ランタン・セリウム・テルビウムりん酸塩蛍光体の製造方法 Expired - Lifetime JP2875058B2 (ja)

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JPH04227787A JPH04227787A (ja) 1992-08-17
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DE69011671T2 (de) 1994-12-08
DE69011671D1 (de) 1994-09-22
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