JP3550755B2 - 磁石式発電機の固定子 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は,2輪自動車等に用いる磁石式発電機の固定子に関する。
【0002】
【従来技術】
2輪自動車に用いられる磁石式発電機は,エンジンに装着され耐震性に優れると共に小形化が要求される。
この磁石式発電機(3相)の固定子9は,図8に示すように,複数(3n個)の磁極90を回転対称形に突設,配置したものである。磁極90は,鉄板を積層したコア91の周囲に電機子コイル92を巻回したものであり,各相(3本)の引出し線93はリード線94に接続される。
【0003】
即ち,3本の引出し線93は浮動しないように互いに捩り合って磁極90から立ち上げられ,被覆を除いてリード線94と半田付けした後スリーブ951で保持し,結線部は絶縁チューブ952で被われる。なお,同図において,右端の引出し線93は被覆を除いた断面で図示したものであり,左端の引出し線93は絶縁チューブ952を除いた内部を図示したものである。
【0004】
一方,リード線94は3本まとめてチューブ940に収容され,クリップ96を介してコア91に係止される。
そして,これらの組付作業は,手作業によって行われている。
同図において,符号961はクリップ96を止める止めネジ,符号971,972は固定子9をエンジンに固定する取付部材と固定ネジ,符号911はコア91の鉄板相互を固定するリベットである。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来の磁石式発電機の固定子には次のような問題点がある。
第1の問題点は,組付の作業性が悪く結線部が不均一となり易いことである。
特に巻線の線径が太くなると手作業による引出し線93の捩り合わせ及び結線作業は困難となる。
また,手作業であるため仕上がりが不均一となり,リード線94の長さにばらつきが生じ,またコア91や取付部材971と結線部との間の絶縁強度が不均一となる。
【0006】
第2の問題点は,省スペース化に対して制約が多いことである。
結線部では,引出し線93とリード線94の導体どうしを直接半田付けするため,引出し線93とリード線94の結線部を平行に配置する必要があり,また半田付けする結線部は一定以上の長さが必要となり,省スペース化と配置の自由度に制約がある。
【0007】
第3の問題点は,結線部がクランプなどによって直接固定されていないので,振動が伝わり易くなり,耐震信頼性に若干欠けることである。
本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,設置スペース上の制約が少なく,結線の信頼性に優れ,耐震性と作業性が良好な磁石式発電機の固定子を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
本発明は,円周上に突設して対称形に配置された複数のコアに,巻線を巻回してなる2輪自動車の磁石式発電機の固定子であって,
該固定子は,上記巻線の引出し線を外部回路側のリード線に接続する中継接続部材を有し,上記コアには該中継接続部材を固定する係止部材が設けられており,
上記中継接続部材は,上記係止部材によって固定されるステーと,上記リード線の端部を固着する外部端子部及び引出し線の端部を固着する内部端子部を有する端子板と,上記ステー及び端子板を支持する合成樹脂製のハウジングとを有しており,
上記外部端子部は,上記リード線の端部を被覆と共に保持する保持部と,上記リード線から被覆を除いた端末の導体を接続する接続部とを有しており,
上記ハウジングは,上記リード線を外部端子部に接続した後に,該リード線の端部,上記ステー,及び上記端子板と共に一体に成形され,また上記引出し線の端部を係止する係止部を有していることを特徴とする磁石式発電機の固定子にある。
【0009】
本発明において最も注目すべきことは,引出し線とリード線とを接続する中継接続部材を設け,これを次のように構成したことである。
即ち,中継接続部材は,コアに固定するためのステーと,リード線及び引出し線に接続する端子板と,合成樹脂製のハウジングとを有しており,上記リード線の端部とステーと端子板とハウジングとは一体に成形されている。
そして,上記外部端子部は,リード線の保持部と接続部とを有し,ハウジングは引出し線の端部を係止する係止部を有している。
【0010】
なお,上記構成に加えて,ハウジングにおけるリード線の導入部に,弾力性に優れた部材からなるリード線挿通用のグロメットを設け,このグロメットを他の部材と共にハウジングと一体成形すると好適である。
かかるグロメットを設けることにより,上記導入部においてリード線にかかる応力を低減することができ,リード線を安定的に保持することができるからである。
【0011】
【作用及び効果】
本発明にかかる磁石式発電機の固定子には,上記のような中継接続部材が設けられており,これによって以下に述べるような作用効果を奏することができる。
中継接続部材は,コアの係止部に取付けられ,一定の位置に設置される。そして,引出し線とリード線とは中継接続部材の端子板に接続され,従来のように引出し線とリード線が直接接続されることがない。
【0012】
そのため,引出し線の結線作業とリード線の結線作業は従来に比べて極めて容易であり,結線品質が良好となり,また結線部の位置が一定となる。
即ち,引出し線はハウジングの係止部によって中継接続部材に係止した後に内部端子部に接続することができるから,結線の作業性が良く結線品質が良好となる。
また結線部の位置が一定となり,その絶縁強度も均一となる。そして,引出し線を捩り合せるなどの作業は不要となる。
【0013】
一方,リード線は,外部端子部の保持部に固定した後,接続部に固着されるから結線の作業性が良好で結線品質が良好となる。
また,結線部の位置が一定し,絶縁強度も均一である。そして,リード線の端部はハウジングと一体に成形されるからハウジングに安定的に保持される。
【0014】
また,リード線と引出し線の結線部は,コアに固定された中継接続部材に保持されるから浮動するようなことがなく,耐震性に優れている。
そして,リード線は端子板に接続され,従来のように引出し線と接続されるわけではないから,リード線を固定子に入線させる方向の制約は少なくなり,結線部の占有スペースも小さく設置上の制約が少なくなる。
【0015】
なぜならば,線材どうしを半田等で接続する場合には接合部の長さが線材と端子板との間の接続に比べて長くなり,またリード線の入線方向が制約され,占有スペースが大きくなると共に設置の方向も制限されるからである。
上記のように,本発明によれば,設置スペース上の制約が少なく,結線の信頼性に優れ,耐震性と作業性が良好な磁石式発電機の固定子を提供することができる。
【0016】
【実施例】
本発明の実施例にかかる磁石式発電機の固定子につき,図1〜図5を用いて説明する。
本例は,図1に示すように,円周上に突設して対称形に配置された複数のコア31に巻線32を巻回してなる2輪自動車の磁石式発電機の固定子1である。
固定子1は,巻線32の引出し線22を外部回路側のリード線21に接続する中継接続部材10を有し,コア31には中継接続部材10を固定する係止部材33が設けられている。
【0017】
中継接続部材10は,図2〜図4に示すように,係止部材33によって固定されるステー11と,リード線21の端部を固着する外部端子部13(図3,図4)及び引出し線22(図2)の端部を固着する内部端子部14を有する端子板12と,ステー11及び端子板12を支持する合成樹脂製のハウジング15とを有する。
【0018】
外部端子部13は,リード線21の端部を被覆と共に保持する保持部131と,リード線21から被覆を除いた端末の導体を接続する接続部132とを有している。
また,ハウジング15は,引出し線22の端部を係止する係止部161(図4)が設けられており,ハウジング15は,リード線21を外部端子部13に接続した後に,リード線21の端部,ステー11,及び端子板12と共に一体に成形される。
【0019】
そして,図3,図4に示すように,ハウジング15におけるリード線21の導入部には,ハウジング15よりも弾力性に優れた部材からなるリード線挿通用のグロメット17が設けられており,グロメット17はハウジング15と一体に成形されている。
【0020】
以下それぞれについて説明を補足する。
固定子1の電機子コイルは,コア31のまわりに巻枠34を介して巻線32を巻回したものである。コア31は,鉄板を積層し,図1,図2に示すように,リベット35で一体にかしめ固定したものである。
【0021】
そして,固定子1は,図1に示す取付板36と止めネジ361によって図示しないエンジンケースに固定される。
中継接続部材10のステー11は,鉄板を折り曲げた部材であり,ハウジング15の外側に露出した部分に取付穴が穿設されており,係止部材33によってコア31に取付けられる。
【0022】
端子板12は,黄銅板などの導電部材によって形成され,図4に示すように,外部端子部13はリード線21を被覆の上からかしめて固定する保持部131と,芯線をかしめ固定する接続部132とを有する。
外部端子部13はハウジング15の内部に封入されるが,内部端子部14はハウジング15の外部に露出させる。
【0023】
引出し線22は,図2,図5に示すように,巻線32から立上げた後,ハウジング15の係止部161に係止し,内部端子部14に半田付けされる。
本例の係止部161は,図6(a)に示すように,引出し線22の径より若干狭い溝を形成したものであり,この溝に引出し線22を圧入して固定する。
【0024】
なお,係止部161の代わりに,図6(b)に示す係止部162のように溝の入口を狭くして引出し線22が外れにくくしてもよく,また図6(c)に示すように,係止部163の溝幅を漸減させ適度の溝幅の位置に引出し線22を係止するようにしてもよい。係止部163は各種の線径に対応できる利点がある。
あるいは,図6(d)に示すように,係止部164を引出し線22の挿通穴とすることもできる。
【0025】
一方,本例の内部端子部14は,図7(a)に示すようにU字溝付きの形状を有しており,引出し線22を溝でかぎ形に折り曲げた後に半田で固着する。
なお,上記内部端子部14の他に,図7(b)に示すように溝の入口を狭くして引出し線22が外れにくくした内部端子部141,図7(c)に示すように更に外側に向けた凸部143を設けて引出し線22を巻きつけるようにした内部端子部142,図7(d)に示すように引出し線22を挿入する丸穴145を設けた内部端子部144などがある。
【0026】
なお,本例では,外部端子部13を外周側に配置し,リード線21を固定子1の半径方向から入線させるようにしたが,外部端子部をハウジング15の側部に配置しリード線21を固定子1の接線方向から入線させるようにしてもよい。
【0027】
次に中継接続部材10の組付けの工程について説明する。
始めにリード線21の端部を外部端子部13にかしめて接続する。
次にリード線21をグロメット17の穴に挿入し,3本のリード線21を一体化する。次いでグロメット17,リード線21,及びステー11をインサートした状態で,ハウジング15を合成樹脂で成形する。
【0028】
その後リード線21の外部回路側に保護チューブ38(図1)等を被覆しリード線21をハーネス化する。
次にリード線21を接続した中継接続部材10のステー11を係止部33によってコア31に係止する。その後,引出し線22を立上げてハウジング15の係止部161に係止した後,内部端子部14に半田付けする。
【0029】
次に本例の固定子1の作用効果について説明する。
中継接続部材10は,係止部材33によってコア31に固定されており,リード線21と引出し線22とは中継接続部材10の端子板12に接続され固定される。
従って,リード線21と引出し線22の結線部は従来の固定子のように浮動することがなく,耐震性が向上し,またコア31(及び取付部材36)との絶縁距離が一定となり,絶縁不良等が生じにくくなる。
【0030】
また,リード線21と引出し線22とは共に端子板12に接続され,従来のようにリード線と引出し線とを直接接続することがないから,結線の信頼度が高くなりまた接続作業が容易である。
そして,リード線21の端部,端子板12,及びステー11は,ハウジング15と一体に成形されるから,中継接続部材10の全体の大きさはコンパクトにすることができる。
【0031】
また,リード線21と引出し線22とを直接接続しないから,外部端子部13の位置を変えることによって固定子1に対してリード線21を入線する方向も制約がなくなり,固定子の配置の自由度が大きく,占有スペースも小さくなる。
上記のように,本発明によれば,設置スペース上の制約が少なく結線の信頼性に優れ,かつ耐震性と作業性が良好な磁石式発電機の固定子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にかかる固定子の平面図。
【図2】実施例にかかる固定子の正面図(部分断面図)。
【図3】図2の中継接続部材近傍の拡大断面図。
【図4】図1の中継接続部材近傍の拡大断面図。
【図5】図3のA−A矢視線断面図。
【図6】実施例の引出し線の係止部の各種形状。
【図7】実施例の内部端子部の各種形状。
【図8】従来の磁石式発電機の固定子の平面図。
【符号の説明】
1...固定子,
10...中継接続部材,
11...ステー,
14...内部端子部,
15...ハウジング,
21...リード線,
22...引出し線,
31...コア,
【産業上の利用分野】
本発明は,2輪自動車等に用いる磁石式発電機の固定子に関する。
【0002】
【従来技術】
2輪自動車に用いられる磁石式発電機は,エンジンに装着され耐震性に優れると共に小形化が要求される。
この磁石式発電機(3相)の固定子9は,図8に示すように,複数(3n個)の磁極90を回転対称形に突設,配置したものである。磁極90は,鉄板を積層したコア91の周囲に電機子コイル92を巻回したものであり,各相(3本)の引出し線93はリード線94に接続される。
【0003】
即ち,3本の引出し線93は浮動しないように互いに捩り合って磁極90から立ち上げられ,被覆を除いてリード線94と半田付けした後スリーブ951で保持し,結線部は絶縁チューブ952で被われる。なお,同図において,右端の引出し線93は被覆を除いた断面で図示したものであり,左端の引出し線93は絶縁チューブ952を除いた内部を図示したものである。
【0004】
一方,リード線94は3本まとめてチューブ940に収容され,クリップ96を介してコア91に係止される。
そして,これらの組付作業は,手作業によって行われている。
同図において,符号961はクリップ96を止める止めネジ,符号971,972は固定子9をエンジンに固定する取付部材と固定ネジ,符号911はコア91の鉄板相互を固定するリベットである。
【0005】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来の磁石式発電機の固定子には次のような問題点がある。
第1の問題点は,組付の作業性が悪く結線部が不均一となり易いことである。
特に巻線の線径が太くなると手作業による引出し線93の捩り合わせ及び結線作業は困難となる。
また,手作業であるため仕上がりが不均一となり,リード線94の長さにばらつきが生じ,またコア91や取付部材971と結線部との間の絶縁強度が不均一となる。
【0006】
第2の問題点は,省スペース化に対して制約が多いことである。
結線部では,引出し線93とリード線94の導体どうしを直接半田付けするため,引出し線93とリード線94の結線部を平行に配置する必要があり,また半田付けする結線部は一定以上の長さが必要となり,省スペース化と配置の自由度に制約がある。
【0007】
第3の問題点は,結線部がクランプなどによって直接固定されていないので,振動が伝わり易くなり,耐震信頼性に若干欠けることである。
本発明は,かかる従来の問題点に鑑み,設置スペース上の制約が少なく,結線の信頼性に優れ,耐震性と作業性が良好な磁石式発電機の固定子を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
本発明は,円周上に突設して対称形に配置された複数のコアに,巻線を巻回してなる2輪自動車の磁石式発電機の固定子であって,
該固定子は,上記巻線の引出し線を外部回路側のリード線に接続する中継接続部材を有し,上記コアには該中継接続部材を固定する係止部材が設けられており,
上記中継接続部材は,上記係止部材によって固定されるステーと,上記リード線の端部を固着する外部端子部及び引出し線の端部を固着する内部端子部を有する端子板と,上記ステー及び端子板を支持する合成樹脂製のハウジングとを有しており,
上記外部端子部は,上記リード線の端部を被覆と共に保持する保持部と,上記リード線から被覆を除いた端末の導体を接続する接続部とを有しており,
上記ハウジングは,上記リード線を外部端子部に接続した後に,該リード線の端部,上記ステー,及び上記端子板と共に一体に成形され,また上記引出し線の端部を係止する係止部を有していることを特徴とする磁石式発電機の固定子にある。
【0009】
本発明において最も注目すべきことは,引出し線とリード線とを接続する中継接続部材を設け,これを次のように構成したことである。
即ち,中継接続部材は,コアに固定するためのステーと,リード線及び引出し線に接続する端子板と,合成樹脂製のハウジングとを有しており,上記リード線の端部とステーと端子板とハウジングとは一体に成形されている。
そして,上記外部端子部は,リード線の保持部と接続部とを有し,ハウジングは引出し線の端部を係止する係止部を有している。
【0010】
なお,上記構成に加えて,ハウジングにおけるリード線の導入部に,弾力性に優れた部材からなるリード線挿通用のグロメットを設け,このグロメットを他の部材と共にハウジングと一体成形すると好適である。
かかるグロメットを設けることにより,上記導入部においてリード線にかかる応力を低減することができ,リード線を安定的に保持することができるからである。
【0011】
【作用及び効果】
本発明にかかる磁石式発電機の固定子には,上記のような中継接続部材が設けられており,これによって以下に述べるような作用効果を奏することができる。
中継接続部材は,コアの係止部に取付けられ,一定の位置に設置される。そして,引出し線とリード線とは中継接続部材の端子板に接続され,従来のように引出し線とリード線が直接接続されることがない。
【0012】
そのため,引出し線の結線作業とリード線の結線作業は従来に比べて極めて容易であり,結線品質が良好となり,また結線部の位置が一定となる。
即ち,引出し線はハウジングの係止部によって中継接続部材に係止した後に内部端子部に接続することができるから,結線の作業性が良く結線品質が良好となる。
また結線部の位置が一定となり,その絶縁強度も均一となる。そして,引出し線を捩り合せるなどの作業は不要となる。
【0013】
一方,リード線は,外部端子部の保持部に固定した後,接続部に固着されるから結線の作業性が良好で結線品質が良好となる。
また,結線部の位置が一定し,絶縁強度も均一である。そして,リード線の端部はハウジングと一体に成形されるからハウジングに安定的に保持される。
【0014】
また,リード線と引出し線の結線部は,コアに固定された中継接続部材に保持されるから浮動するようなことがなく,耐震性に優れている。
そして,リード線は端子板に接続され,従来のように引出し線と接続されるわけではないから,リード線を固定子に入線させる方向の制約は少なくなり,結線部の占有スペースも小さく設置上の制約が少なくなる。
【0015】
なぜならば,線材どうしを半田等で接続する場合には接合部の長さが線材と端子板との間の接続に比べて長くなり,またリード線の入線方向が制約され,占有スペースが大きくなると共に設置の方向も制限されるからである。
上記のように,本発明によれば,設置スペース上の制約が少なく,結線の信頼性に優れ,耐震性と作業性が良好な磁石式発電機の固定子を提供することができる。
【0016】
【実施例】
本発明の実施例にかかる磁石式発電機の固定子につき,図1〜図5を用いて説明する。
本例は,図1に示すように,円周上に突設して対称形に配置された複数のコア31に巻線32を巻回してなる2輪自動車の磁石式発電機の固定子1である。
固定子1は,巻線32の引出し線22を外部回路側のリード線21に接続する中継接続部材10を有し,コア31には中継接続部材10を固定する係止部材33が設けられている。
【0017】
中継接続部材10は,図2〜図4に示すように,係止部材33によって固定されるステー11と,リード線21の端部を固着する外部端子部13(図3,図4)及び引出し線22(図2)の端部を固着する内部端子部14を有する端子板12と,ステー11及び端子板12を支持する合成樹脂製のハウジング15とを有する。
【0018】
外部端子部13は,リード線21の端部を被覆と共に保持する保持部131と,リード線21から被覆を除いた端末の導体を接続する接続部132とを有している。
また,ハウジング15は,引出し線22の端部を係止する係止部161(図4)が設けられており,ハウジング15は,リード線21を外部端子部13に接続した後に,リード線21の端部,ステー11,及び端子板12と共に一体に成形される。
【0019】
そして,図3,図4に示すように,ハウジング15におけるリード線21の導入部には,ハウジング15よりも弾力性に優れた部材からなるリード線挿通用のグロメット17が設けられており,グロメット17はハウジング15と一体に成形されている。
【0020】
以下それぞれについて説明を補足する。
固定子1の電機子コイルは,コア31のまわりに巻枠34を介して巻線32を巻回したものである。コア31は,鉄板を積層し,図1,図2に示すように,リベット35で一体にかしめ固定したものである。
【0021】
そして,固定子1は,図1に示す取付板36と止めネジ361によって図示しないエンジンケースに固定される。
中継接続部材10のステー11は,鉄板を折り曲げた部材であり,ハウジング15の外側に露出した部分に取付穴が穿設されており,係止部材33によってコア31に取付けられる。
【0022】
端子板12は,黄銅板などの導電部材によって形成され,図4に示すように,外部端子部13はリード線21を被覆の上からかしめて固定する保持部131と,芯線をかしめ固定する接続部132とを有する。
外部端子部13はハウジング15の内部に封入されるが,内部端子部14はハウジング15の外部に露出させる。
【0023】
引出し線22は,図2,図5に示すように,巻線32から立上げた後,ハウジング15の係止部161に係止し,内部端子部14に半田付けされる。
本例の係止部161は,図6(a)に示すように,引出し線22の径より若干狭い溝を形成したものであり,この溝に引出し線22を圧入して固定する。
【0024】
なお,係止部161の代わりに,図6(b)に示す係止部162のように溝の入口を狭くして引出し線22が外れにくくしてもよく,また図6(c)に示すように,係止部163の溝幅を漸減させ適度の溝幅の位置に引出し線22を係止するようにしてもよい。係止部163は各種の線径に対応できる利点がある。
あるいは,図6(d)に示すように,係止部164を引出し線22の挿通穴とすることもできる。
【0025】
一方,本例の内部端子部14は,図7(a)に示すようにU字溝付きの形状を有しており,引出し線22を溝でかぎ形に折り曲げた後に半田で固着する。
なお,上記内部端子部14の他に,図7(b)に示すように溝の入口を狭くして引出し線22が外れにくくした内部端子部141,図7(c)に示すように更に外側に向けた凸部143を設けて引出し線22を巻きつけるようにした内部端子部142,図7(d)に示すように引出し線22を挿入する丸穴145を設けた内部端子部144などがある。
【0026】
なお,本例では,外部端子部13を外周側に配置し,リード線21を固定子1の半径方向から入線させるようにしたが,外部端子部をハウジング15の側部に配置しリード線21を固定子1の接線方向から入線させるようにしてもよい。
【0027】
次に中継接続部材10の組付けの工程について説明する。
始めにリード線21の端部を外部端子部13にかしめて接続する。
次にリード線21をグロメット17の穴に挿入し,3本のリード線21を一体化する。次いでグロメット17,リード線21,及びステー11をインサートした状態で,ハウジング15を合成樹脂で成形する。
【0028】
その後リード線21の外部回路側に保護チューブ38(図1)等を被覆しリード線21をハーネス化する。
次にリード線21を接続した中継接続部材10のステー11を係止部33によってコア31に係止する。その後,引出し線22を立上げてハウジング15の係止部161に係止した後,内部端子部14に半田付けする。
【0029】
次に本例の固定子1の作用効果について説明する。
中継接続部材10は,係止部材33によってコア31に固定されており,リード線21と引出し線22とは中継接続部材10の端子板12に接続され固定される。
従って,リード線21と引出し線22の結線部は従来の固定子のように浮動することがなく,耐震性が向上し,またコア31(及び取付部材36)との絶縁距離が一定となり,絶縁不良等が生じにくくなる。
【0030】
また,リード線21と引出し線22とは共に端子板12に接続され,従来のようにリード線と引出し線とを直接接続することがないから,結線の信頼度が高くなりまた接続作業が容易である。
そして,リード線21の端部,端子板12,及びステー11は,ハウジング15と一体に成形されるから,中継接続部材10の全体の大きさはコンパクトにすることができる。
【0031】
また,リード線21と引出し線22とを直接接続しないから,外部端子部13の位置を変えることによって固定子1に対してリード線21を入線する方向も制約がなくなり,固定子の配置の自由度が大きく,占有スペースも小さくなる。
上記のように,本発明によれば,設置スペース上の制約が少なく結線の信頼性に優れ,かつ耐震性と作業性が良好な磁石式発電機の固定子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例にかかる固定子の平面図。
【図2】実施例にかかる固定子の正面図(部分断面図)。
【図3】図2の中継接続部材近傍の拡大断面図。
【図4】図1の中継接続部材近傍の拡大断面図。
【図5】図3のA−A矢視線断面図。
【図6】実施例の引出し線の係止部の各種形状。
【図7】実施例の内部端子部の各種形状。
【図8】従来の磁石式発電機の固定子の平面図。
【符号の説明】
1...固定子,
10...中継接続部材,
11...ステー,
14...内部端子部,
15...ハウジング,
21...リード線,
22...引出し線,
31...コア,
Claims (2)
- 円周上に突設して対称形に配置された複数のコアに,巻線を巻回してなる2輪自動車等の磁石式発電機の固定子であって,
該固定子は,上記巻線の引出し線を外部回路側のリード線に接続する中継接続部材を有し,上記コアには該中継接続部材を固定する係止部材が設けられており,
上記中継接続部材は,上記係止部材によって固定されるステーと,上記リード線の端部を固着する外部端子部及び引出し線の端部を固着する内部端子部を有する端子板と,上記ステー及び端子板を支持する合成樹脂製のハウジングとを有しており,
上記外部端子部は,上記リード線の端部を被覆と共に保持する保持部と,上記リード線から被覆を除いた端末の導体を接続する接続部とを有しており,
上記ハウジングは,上記リード線を外部端子部に接続した後に,該リード線の端部,上記ステー,及び上記端子板と共に一体に成形され,また上記引出し線の端部を係止する係止部を有していることを特徴とする磁石式発電機の固定子。 - 請求項1において,上記ハウジングにおけるリード線の導入部には,上記ハウジングよりも弾力性に優れた部材からなるリード線挿通用のグロメットが設けられており,該グロメットは,上記ハウジングと一体成形されていることを特徴とする磁石式発電機の固定子。
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