JP3550013B2 - Atm音声帯域信号およびisdnディジタル信号の転送方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(Asynchronous Transfer Mode)網とSTM(Synchronous Transfer Mode )網との接続点に設けられ、STM網から入力される音声帯域信号およびISDNディジタル信号をATMセル化してATM網に転送し、ATM網からのATMセルをSTM信号に変換してSTM網に転送するATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式に関し、更に詳しくは、STM網からATM網へ入力される音声、FAX、音声帯域データおよびISDNディジタル信号に対して通信に要する伝送路帯域を削減し、ATMセル化の遅延時間を低減するATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のSTM網では、通信の有無に関わらず、常に伝送路上に信号を送出しており、不要な信号が伝送路上を占有しており、伝送路帯域の効率的な利用ができない。また、音声帯域信号は有効信号を転送する際に、必ずしも1回線分の伝送路帯域を必要としない信号に対しても、常に一定の伝送路帯域を占有しており、伝送路の効率的な利用ができないということがある。
【0003】
更に、STM網では、信号の圧縮を用いる場合にも圧縮方式が固定であったり、圧縮後の複数の信号の多重が事前に固定された入力回線群を単位としている。音声圧縮設備であるDCME(ディジタル回線多重化装置)は、圧縮された信号を受信した際に、その受信した信号の種別を判別することができないため、送受のDCME間で常時設備間通信を実施し、相互に同期を取る必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来は、圧縮後の信号は事前に固定された回線群単位での多重しかできなく、送出する網も同一の網になり、網からの品質が信号種別によらず同じであり、信号種別単位の通信ができなかったり、信号種別毎に要求品質に適した網への転送ができないという問題がある。
【0005】
複数の圧縮方式を用いて、送信側で1つの通信呼に対して動的に圧縮方式を変更した際に、受信側では、受信した信号に適用されている圧縮方式を認識するために、送信側設備と受信側設備間にて常時制御用の通信を必要とするとともに、また設備間で同期を取る必要があり、そのための伝送帯域を必要とする。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、STM網からATM網に入力される音声、FAX、音声帯域データおよびISDNディジタル信号に対して通信に要する伝送路帯域を削減し、ATMセル化遅延時間を低減し得るATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、STM網から入力される音声帯域信号およびISDNディジタル信号をATMセル化してATM網に転送し、ATM網からのATMセルをSTM信号に変換してSTM網に転送するATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式であって、STM網から入力された信号の無音情報を検出する無音検出手段と、STM網からの信号が音声帯域信号であるかまたはISDNディジタル信号であるかを判定するとともに、音声帯域信号であると識別した場合には該音声帯域信号の信号種別を判定する信号種別判定手段と、前記無音検出手段で検出した無音情報および前記信号種別判定手段で判定した信号種別を用いてSTM網からの信号の圧縮方式を動的に変更し、この圧縮方式で前記信号を圧縮する信号圧縮手段と、前記無音検出手段からの無音情報および前記信号種別判定手段からの信号種別情報を使用して、前記信号圧縮手段で圧縮された信号をATMセル長より短い可変長パケットにパケット化するパケット化手段と、複数の該パケット化手段で生成されたパケットを多重してATMセルを形成し、該ATMセルをATM網に転送するATMセル化手段と、ATM網からのATMセルを受信し、該ATMセルを分解してパケットを生成するATMセル分解手段と、該ATMセル分解手段で生成されたパケットから信号を生成するデパケット化手段と、該デパケット化手段で生成された信号の信号圧縮方式を判定する信号圧縮方式判定手段と、該信号圧縮方式判定手段で判定された信号圧縮方式で前記信号を復元する信号圧縮復元手段と、該信号圧縮復元手段で復元された信号に無音を再生して、STM信号を生成し、STM網に転送する無音再生手段とを有することを要旨とする。
【0008】
請求項1記載の本発明にあっては、送信側のATMセル多重においてSTM網から入力された信号に対し、信号種別判定結果をATMセル多重化手段に通知し、この通知された信号種別毎にATMセルに多重するため、入力信号種別毎に多重を可能とし、信号種別毎に品質が異なるSTM信号をATM網内にて品質等が同一の入力信号のみを多重した1つのATMコネクションとして扱うことができる。
【0009】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記信号圧縮方式判定手段が、前記可変長パケットのパケット長に基づいて前記パケットの信号圧縮方式を判別する手段を有することを要旨とする。
【0010】
請求項2記載の本発明にあっては、ATM網から受信したATMセル内の可変長パケットのパケット長に基づいて送信側で適用された信号圧縮方式を判別するため、予め可変長パケットのパケット長と信号圧縮方式とを対応させることにより、送信側の設備が適用した信号圧縮方式を判別することができる。従って、ATMセル内に信号圧縮方式を識別するための識別子が不要となり、ATMセル内のペイロード使用効率を向上することができる。
【0011】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記ATMセル化手段が、STM網から入力される回線群を基にATMコネクションへの多重化を行うことを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の本発明にあっては、STM網から入力される回線群を基にATMコネクションへの多重化を行う。
【0013】
請求項4記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記ATMセル化手段が、STM網から入力される信号を前記信号種別判定手段で判定した信号種別を基にATMコネクションへの多重化を行うことを要旨とする。
【0014】
請求項4記載の本発明にあっては、STM網から入力される信号を信号種別判定手段で判定した信号種別を基にATMコネクションへの多重化を行う。
【0015】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記ATM網に転送する送信側において、前記パケット化手段が、前記無音検出手段で検出した無音区間を削減し、有音区間のみをパケット化して前記ATMセル化手段に送出するとともに、この送出においてはパケットのヘッダに0から7のシーケンスカウンタを使用し、有音区間の最初のパケットには0を使用し、その後の連続するパケットには1から7を繰り返し使用し、この1から7は無音区間が発生するまで継続し、無音区間が発生した場合は、シーケンスカウンタをリセットし、次の有音区間の最初のパケットには0を使用し、また1から7の繰り返しで使用し、前記ATMセルの受信側には、無音区間が削除され、有音区間のみがパケット化されて送られ、ATMセル内のパケットの受信処理においては該パケットのヘッダ内にあるシーケンスカウンタ値を検出し、該シーケンスカウンタ値が0の場合には、有音区間の最初のパケットであることを検出し、シーケンスカウンタ値が1から7の繰り返しである場合には、有音区間の連続状態であることを検出することにより、有音区間の最初のパケットの検出および連続する有音のパケットが送信から受信の間に損失した場合にその損失したことを検出するとともに、この損失したパケットの数を検出することを要旨とする。
【0016】
請求項5記載の本発明にあっては、送信側ではパケットのヘッダに0から7のシーケンスカウンタを使用し、有音区間の最初のパケットには0を使用し、その後の連続するパケットには1から7を繰り返し使用し、この1から7は無音区間が発生するまで継続し、無音区間が発生した場合は、シーケンスカウンタをリセットし、受信側ではパケットのヘッダ内にあるシーケンスカウンタ値を検出して、有音区間の最初のパケットの検出および連続する有音のパケットが送信から受信の間に損失した場合にその損失したことの検出、この損失したパケットの数の検出を行う。
【0017】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記ATMセル化手段が、1つのATMコネクションに多重化してATM網に転送する場合に、この多重する対象としてSTM入力回線単位および信号圧縮方式単位での多重化を含むATMコネクションへの多重化方法を複数有し、この複数の多重化方法を変更し得ることを要旨とする。
【0018】
請求項6記載の本発明にあっては、STM入力回線単位および信号圧縮方式単位での多重化を含むATMコネクションへの多重化方法を複数有し、この複数の多重化方法を自由に変更することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1および図2は、それぞれ本発明の一実施形態に係るATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式を適用した送信側装置および受信側装置の構成を示すブロック図である。更に詳しくは、図1に示す送信側装置は、STM網から入力される音声、FAX、音声帯域データからなる音声帯域信号およびISDNディジタル信号等からなる種々の信号をATMセル化してATM網に転送し、図2に示す受信側装置は、送信側装置から転送されたATM網からのATMセルを受信し、このATMセルを音声、FAX、音声帯域データからなる音声帯域信号およびISDNディジタル信号等からなるSTM信号に変換してSTM網に転送するように構成されている。
【0021】
送信側装置は、図1に示すように、信号処理機能部1とデータ処理機能部3から構成され、信号処理機能部1は、STM網から入力された信号の無音情報を検出する無音検出部11、STM網からの信号が音声帯域信号であるかまたはISDNディジタル信号であるかを判定するとともに、音声帯域信号であると識別した場合には該音声帯域信号の信号種別を判定する信号種別判定部12、無音検出部11で検出した無音情報および信号種別判定部12で判定した信号種別情報を用いてSTM網からの信号の圧縮方式を最適な圧縮方式に通信の途中で動的に変更し、この圧縮方式で前記信号を圧縮する信号圧縮部13を有する。
【0022】
また、データ処理機能部3は、無音検出部11からの無音情報および信号種別判定部12からの信号種別情報を使用して、信号圧縮部13で圧縮された信号をATMセル長より短い可変長パケットである例えばAAL2パケット等のショートパケットにパケット化するパケット化部14、および複数のパケット化部14で生成されたパケットでATMセルを形成し、該ATMセルを複数束ねて1つのATMコネクションに多重化してATM網に転送するATMセル化部15を有する。
【0023】
受信側装置は、図2に示すように、データ処理機能部5と信号処理機能部7を有し、データ処理機能部5は、図1の送信側装置からATM網に転送され、ATM網から入力されるATMセルを受信し、該ATMセルを分解してパケットを生成するATMセル分解部21、該ATMセル分解部21で生成されたパケットから信号を生成するデパケット化部22、および該デパケット化部22で生成された信号の信号圧縮方式を判定する信号圧縮方式判定部23を有する。
【0024】
また、信号処理機能部7は、該信号圧縮方式判定部23で判定された信号圧縮方式で前記信号を復元する信号圧縮復元部24、および該信号圧縮復元部24で復元された信号に無音を再生して、STM信号を生成し、STM網に転送する無音再生部25を有する。
【0025】
送信側装置の信号圧縮部13は、複数の信号圧縮部13a,13b,13c,13d,13eを有し、これらの各信号圧縮部13a〜13eはそれぞれADPCM方式、LD−CELP方式、CS−ACELP方式、Modem復調方式、PCM方式の信号圧縮方式を使用して信号の圧縮を行うようになっている。ADPCM方式は64kbit/sを32kbit/sに圧縮し、LD−CELP方式は16kbit/sに圧縮し、CS−ACELP方式は8kbit/sに圧縮し、Modem復調方式はFAX用であり、FAXは圧縮すると、受信側で正常に再生できないので、変調を行い、受信側で復調を行うものであり、PCM方式は64kbit/sをそのままスルーで通過させるものである。
【0026】
パケット化部14は、信号圧縮部13a,13b,13c,13dからのADPCM方式、LD−CELP方式、CS−ACELP方式、Modem復調方式で圧縮された信号をそれぞれパケット化するパケット化部14aと信号圧縮部13eからのPCM方式で圧縮された信号をパケット化するパケット化部14bから構成されている。
【0027】
ATMセル化部15は、複数のパケット化部14で形成されたパケットでATMセルを形成し、該ATMセルを複数束ねて1つのATMコネクションに多重してATM網に転送するものであるが、この場合に音声データのみを束ねたり、音声とFAXを束ねる等のように組み合わせを自由に変えることができるというようにSTM網から入力される回線群を基に1つのATMコネクションへの多重化を行ったり、STM網から入力される信号を信号種別判定部12で判定された信号種別を基に1つのATMコネクションに多重化することができる。すなわち、ATMセル化部15は、1つのATMコネクションに多重してATM網に転送する場合に、その多重する対象をSTM入力回線群単位の他、信号圧縮方式単位での多重等のようにATMコネクションに多重する方法を複数有し、この複数の多重化方法を変更できるようにしている。
【0028】
また、受信側装置のデパケット化部22は、パケット化部14に対応するようにデパケット化部22aとデパケット化部22bを有し、更に信号圧縮復元部24は信号圧縮部13に対応するようにADPCM方式、LD−CELP方式、CS−ACELP方式、Modem復調方式、PCM方式で圧縮された信号をそれぞれ復元する信号圧縮復元部24a,24b,24c,24d,24eを有する。
【0029】
信号圧縮方式判定部23は、ATMセル内で短い可変長パケットの信号種別を判定するのに、可変長のパケットのパケット長に基づいてパケットの信号圧縮方式を判別している。すなわち、送信側装置のパケット化部14では、使用データによってパケット長が異なるパケットを使用しているので、このパケット長を検出することによりパケットの信号圧縮方式を識別することができるのである。
【0030】
次に、図3および図4に示すフローチャートを参照して、以上のように構成される本実施形態の作用について説明する。
【0031】
まず、図3を参照して、図1の送信側装置の作用について説明する。図1の送信側装置においてSTM網から入力される1つまたは複数の音声、FAX、音声データ、およびISDNディジタル信号は、無音検出部11、信号種別判定部12および信号圧縮部13に供給され、無音検出部11において該信号の中の無音部分が検出され、この無音情報がパケット化部14に通知され、パケット化部14に無音情報が蓄積される(ステップS11)。また、信号種別判定部12において、信号の種別が判定され、この判定された信号種別情報がパケット化部14に通知され、パケット化部14はこの通知された信号種別情報を蓄積する(ステップS13)。この信号種別判定部12における信号種別処理では、まずSTM網からの信号が音声帯域信号であるかまたはISDNディジタル信号であるかを判定し、音声帯域信号であると識別した場合には該音声帯域信号の信号種別を判定している。
【0032】
更に、信号圧縮部13においては、無音検出部11で検出された無音情報および信号種別判定部12で判定された信号種別情報を使用して、前記入力信号の圧縮方式を最適な圧縮方式に通信の途中で動的に変更し、この圧縮方式で前記入力信号を圧縮し、この圧縮されたデータがパケット化部14に入力されパケット化されて蓄積される(ステップS15)。信号圧縮部13における信号圧縮は、複数の信号圧縮部13a,13b,13c,13d,13eによってそれぞれADPCM方式、LD−CELP方式、CS−ACELP方式、Modem復調方式、PCM方式の信号圧縮方式を使用して信号の圧縮を行うようになっている。
【0033】
また、パケット化部14は、信号圧縮方式の判別処理(ステップS17)において、信号種別判定部12からの信号種別情報に基づいてステップS15で蓄積したデータの信号圧縮方式を判別する。この信号圧縮方式は、上述したADPCM方式、LD−CELP方式、CS−ACELP方式、Modem復調方式、およびPCM方式である。
【0034】
ADPCM方式データの処理(ステップS19)では、蓄積された無音および有音情報と照らし合わせ、無音区間の終了時を検出し、蓄積されている連続データを事前に設定されているデータ長(例えば、11オクテット)に区切り、パケット化を実施する。その後に蓄積される連続データに対しても、同一のデータ長に区切り、パケット化を実施する。また、AAL2パケット等のショートパケットのヘッダに有音の最初である情報を付与した後、ATMセル化部15に送出する。また、有音および無音情報と照らし合わせて、パケット化されたデータ区間内がすべて無音である場合には、そのパケットは破棄する。更に、パケット化したデータが有音であった場合には、直前のシーケンスカウンタの値に1加算して、ショートパケットのヘッダに付与した後、ATMセル化部15に送出する。
【0035】
また、LD−CELP方式データの処理(ステップS21)は、ステップS19におけるADPCM方式データの処理と同様であるが、パケット化はLD−CELP方式のパケット長(5オクテット)×n(n=正の整数)とする。
【0036】
更に、CS−ACELP方式データの処理(ステップS23)は、ステップS19におけるADPCM方式データの処理と同様であるが、パケット化はCS−ACELP方式のパケット長(10オクテット)×n(n=正の整数)とする。
【0037】
Modem復調方式データの処理(ステップS25)およびPCM方式データの処理(ステップS27)では、ステップS19におけるADPCM方式データの処理と同様な処理である。
【0038】
以上のようにして、パケット化部14で生成されたパケット、すなわちAAL2パケット等のショートパケットは、ATMセル化部15で受信され蓄積される(ステップS29)。この蓄積されたショートパケットに対してATMセル化部15でATM多重方式判定処理(ステップS31)が行われる。このATM多重方式判定処理では、前記蓄積されたショートパケットに対し、事前に1つだけ設定されている複数種類のATMセルへのマッピング方法であるSTM入力回線群別/信号圧縮方式別を参照し、ATMセルへのショートパケットのマッピング方法を判定し(ステップS31)、この判定結果がSTM入力回線群別の場合には、STM入力回線群判定処理(ステップS33)を行い、また信号圧縮方式別の場合には、信号圧縮方式判定処理(ステップS41)を行う。
【0039】
STM入力回線群別の場合のSTM入力回線群判定処理では、ステップS29で蓄積されたショートパケットに対し、その対象となる回線群に設定されているATMコネクション情報を参照して、対応するATMコネクションを判定する(ステップS35)。それから、蓄積されているショートパケットに対し、ステップS31で判定したSTM網の入力回線群単位に、対応する1つのATMコネクション上のATMセルのペイロードにファーストイン・ファーストアウトでマッピングし(ステップS37)、更にこのようにマッピングされ、ATMセル内のペイロードがすべて塞がった後、ATM網に対し、ATMセルを送出する(ステップS39)。また、ATMセル内のペイロードがすべて塞がっていない場合でも、1つのATMセル内でショートパケットが初めてマッピングされた時からタイマを起動し、該タイマが満了した場合に、データがマッピングされていないATMセル内のペイロードに無効データを付与し、ATM網に転送する(ステップS39)。
【0040】
一方、信号圧縮方式別の場合の信号圧縮方式判定処理では、ステップS29で蓄積されたショートパケットに対し、その対象となる信号圧縮方式に設定されているATMコネクション情報を参照して、対応するATMコネクションを判定する(ステップS43)。それから、蓄積されているショートパケットに対し、ステップS31で判定した信号圧縮方式を基に、対応する1つのATMコネクション上のATMセルのペイロードにファーストイン・ファーストアウトでマッピングし(ステップS45)、更にこのようにマッピングされ、ATMセル内のペイロードがすべて塞がった後、ATM網に対し、ATMセルを送出する(ステップS47)。また、ATMセル内のペイロードがすべて塞がってない場合でも、1つのATMセル内でショートパケットが初めてマッピングされた時からタイマを起動し、該タイマが満了した場合に、データがマッピングされていないATMセル内のペイロードに無効データを付与し、ATM網に転送する(ステップS47)。
【0041】
次に、図4を参照して、図2の受信側装置の作用について説明する。図2の受信側装置においてATM網から入力されるATMセルは、ATMセル分解部21で受信されて、53バイトのATMセルからショートパケットに分解される(ステップS51)。それから、このように分解されたショートパケットのショートパケットコネクション識別子フィールドの値に従い、そのショートパケットコネクション識別子の値と予め指定されているSTM側の回線に1対1に対応する回線(例えば、ショートパケット識別子1=STM側回線番号1、ショートパケット識別子値2=STM側回線番号2、・・・)のデパケット化部22に転送される(ステップS53)。
【0042】
デパケット化部22は、ATMセル分解部21から転送されてきたショートパケットを受信して蓄積する(ステップS55)。それから、このショートパケットに対し、ショートパケットヘッダのUUIフィールド値により、連続データの最初のパケット、または連続データの途中のパケットを検出する(ステップS57)。
【0043】
このパケットの検出方法は、詳しくは、ATM網に転送する送信側において、パケット化部14が、無音検出部11で検出した無音区間を削減し、有音区間のみをパケット化してATMセル化部15に送出するとともに、この送出においてはショートパケットのヘッダに0から7のシーケンスカウンタを使用し、有音区間の最初のショートパケットには0を使用し、その後の連続するショートパケットには1から7を繰り返し使用し、この1から7は無音区間が発生するまで継続し、無音区間が発生した場合は、シーケンスカウンタをリセットし、次の有音区間の最初のショートパケットには0を使用し、また1から7の繰り返しで使用し、それからATMセルの受信側において、無音区間が削除され、有音区間のみがショートパケット化されて送られ、ATMセル内のショートパケットの受信処理においては該ショートパケットのヘッダ内にあるシーケンスカウンタ値を検出し、該シーケンスカウンタ値が0の場合には、有音区間の最初のパケットであることを検出し、シーケンスカウンタ値が1から7の繰り返しである場合には、有音区間の連続状態であることを検出することにより、有音区間の最初のショートパケットの検出および連続する有音のショートパケットが送信から受信の間に損失した場合にその損失したことを検出するとともに、この損失したショートパケットの数を検出するというように行われる。
【0044】
それから、このように検出した連続パケットのシーケンスカウンタ値である無音情報を信号圧縮復元部24および無音再生部25に通知する(ステップS59)。次に、デパケット化部22は、ショートパケットヘッダを取り除き、残りの有効データパケットを信号圧縮方式判定部23に送出する(ステップS61)。
【0045】
信号圧縮方式判定部23は、デパケット化部22から転送される有効データパケットを受信して蓄積する(ステップS63)。それから、信号圧縮方式判定部23は蓄積された有効データパケットのパケット長を検出する(ステップS65)。そして、信号圧縮方式判定部23は、信号圧縮復元部24内の各種音声圧縮方式であるADPCM方式、LD−CELP方式、CS−ACELP方式、Modem復調方式、PCM方式の個々に一意に定まるパケット長(nオクテット(n=正の整数):例えば、ADPCM方式では11オクテット、LD−CELP方式では5オクテット、CS−ACELP方式では10オクテット、Modem復調方式では9オクテット、PCM方式では20オクテット)と前記蓄積された有効データおよびそのパケット長とを対応させて、蓄積されている有効データパケットの信号圧縮復元方式を判定する(ステップS67)。
【0046】
信号圧縮方式判定部23は、このように判定した信号圧縮復元方式に対応する信号圧縮復元部24a〜24eに前記有効データパケットを送出する(ステップS69)。信号圧縮復元部24の各信号圧縮復元部24a〜24eは、それぞれADPCM方式、LD−CELP方式、CS−ACELP方式、Modem復調方式、PCM方式の信号圧縮復元方式で有効データの復元処理を行い(ステップS71)、無音再生部25に供給する。無音再生部25では、信号圧縮復元部24で復元されたデータに対してステップS59でデパケット化部22から通知された無音情報に基づいて無音を再生し、STM信号としてSTM網に転送する(ステップS73)。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送信側のATMセル多重においてSTM網から入力された信号に対し、信号種別判定結果をATMセル多重化手段に通知し、この通知された信号種別を基にATMセルに多重するので、入力信号種別毎に多重を可能とし、信号種別毎に品質が異なるSTM信号をATM網内にて品質等が同一の入力信号のみを多重した1つのATMコネクションとして扱うことができるとともに、通信に要する伝送路帯域を削減し、ATMセル化遅延時間を低減することができる。更に、送信側においてSTM網の回線に対応した回線番号識別子を付与することにより、受信側で受信したATMセルまたは可変長信号パケットからATM網側の対応する回線を識別することができる。
【0048】
また、本発明によれば、ATM網から受信したATMセル内の可変長パケットのパケット長に基づいて送信側で適用された信号圧縮方式を判別するので、予め可変長パケットのパケット長と信号圧縮方式とを対応させることにより、送信側の設備が適用した信号圧縮方式を判別することができ、従ってATMセル内に信号圧縮方式を識別するための識別子が不要となり、ATMセル内のペイロード使用効率を向上することができる。
【0049】
更に、本発明によれば、STM入力回線単位および信号圧縮方式単位での多重化を含むATMコネクションへの多重化方法を複数有し、この複数の多重化方法を自由に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式を適用した送信側装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式を適用した受信側装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す送信側装置の作用を示すフローチャートである。
【図4】図2に示す受信側装置の作用を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 無音検出部
12 信号種別判定部
13 信号圧縮部
14 パケット化部
15 ATMセル化部
21 ATMセル分解部
22 デパケット化部
23 信号圧縮方式判定部
24 信号圧縮復元部
25 無音再生部
Claims (6)
- STM網から入力される音声帯域信号およびISDNディジタル信号をATMセル化してATM網に転送し、ATM網からのATMセルをSTM信号に変換してSTM網に転送するATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式であって、
STM網から入力された信号の無音情報を検出する無音検出手段と、
STM網からの信号が音声帯域信号であるかまたはISDNディジタル信号であるかを判定するとともに、音声帯域信号であると識別した場合には該音声帯域信号の信号種別を判定する信号種別判定手段と、
前記無音検出手段で検出した無音情報および前記信号種別判定手段で判定した信号種別を用いてSTM網からの信号の圧縮方式を動的に変更し、この圧縮方式で前記信号を圧縮する信号圧縮手段と、
前記無音検出手段からの無音情報および前記信号種別判定手段からの信号種別情報を使用して、前記信号圧縮手段で圧縮された信号をATMセル長より短い可変長パケットにパケット化するパケット化手段と、
複数の該パケット化手段で生成されたパケットを多重してATMセルを形成し、該ATMセルをATM網に転送するATMセル化手段と、
ATM網からのATMセルを受信し、該ATMセルを分解してパケットを生成するATMセル分解手段と、
該ATMセル分解手段で生成されたパケットから信号を生成するデパケット化手段と、
該デパケット化手段で生成された信号の信号圧縮方式を判定する信号圧縮方式判定手段と、
該信号圧縮方式判定手段で判定された信号圧縮方式で前記信号を復元する信号圧縮復元手段と、
該信号圧縮復元手段で復元された信号に無音を再生して、STM信号を生成し、STM網に転送する無音再生手段と
を有することを特徴とするATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式。 - 前記信号圧縮方式判定手段は、前記可変長パケットのパケット長に基づいて前記パケットの信号圧縮方式を判別する手段を有することを特徴とする請求項1記載のATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式。
- 前記ATMセル化手段は、STM網から入力される回線群を基にATMコネクションへの多重化を行うことを特徴とする請求項1記載のATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式。
- 前記ATMセル化手段は、STM網から入力される信号を前記信号種別判定手段で判定した信号種別を基にATMコネクションへの多重化を行うことを特徴とする請求項1記載のATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式。
- 前記ATM網に転送する送信側において、前記パケット化手段は、前記無音検出手段で検出した無音区間を削減し、有音区間のみをパケット化して前記ATMセル化手段に送出するとともに、この送出においてはパケットのヘッダに0から7のシーケンスカウンタを使用し、有音区間の最初のパケットには0を使用し、その後の連続するパケットには1から7を繰り返し使用し、この1から7は無音区間が発生するまで継続し、無音区間が発生した場合は、シーケンスカウンタをリセットし、次の有音区間の最初のパケットには0を使用し、また1から7の繰り返しで使用し、
前記ATMセルの受信側には、無音区間が削除され、有音区間のみがパケット化されて送られ、ATMセル内のパケットの受信処理においては該パケットのヘッダ内にあるシーケンスカウンタ値を検出し、該シーケンスカウンタ値が0の場合には、有音区間の最初のパケットであることを検出し、シーケンスカウンタ値が1から7の繰り返しである場合には、有音区間の連続状態であることを検出することにより、有音区間の最初のパケットの検出および連続する有音のパケットが送信から受信の間に損失した場合にその損失したことを検出するとともに、この損失したパケットの数を検出することを特徴とする請求項1記載のATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式。 - 前記ATMセル化手段は、1つのATMコネクションに多重化してATM網に転送する場合に、この多重する対象としてSTM入力回線単位および信号圧縮方式単位での多重化を含むATMコネクションへの多重化方法を複数有し、この複数の多重化方法を変更し得ることを特徴とする請求項1記載のATM音声帯域信号およびISDNディジタル信号の転送方式。
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