JP3549791B2 - 屋根瓦の浮き上がり防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の屋根面に葺上げられる平板瓦、桟瓦等の屋根瓦において、とくに、風等によって葺上げ状態から上方等に浮き上がることを防止する屋根瓦の浮き上がり防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、屋根瓦の葺上げにあって、当該瓦の頭部が先に葺上げられる瓦の尻部上面にかつ尻部が次に葺上げられる瓦の頭部下面に位置されるとともに、当該瓦の桟側の側縁が先に葺上げられる瓦の差込み側の側縁上面にかつ差込み側の側縁が次に葺上げられる瓦の桟側の側縁下面に位置するように葺上げられるものであり、該瓦どうしの結合、すなわち、従来における瓦の浮き上がり防止装置としては、図8に示すように、当該瓦の上面に係止金具Kを片持状に取付け、その自由端側を次に葺上げられる瓦に形成した係合凹部L内に挿入係合して当該瓦並びに次に葺上げられる瓦等の浮き上がりを防止するように構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の浮き上がり防止装置にあっては、係止金具により両者をそれぞれ連繋結合するものの、図8に示すように、次に葺上げられる瓦に形成した係合凹部Lと係止金具Kの自由端側との挿入係合の状態が該次に葺上げられる瓦に挿入係合するという葺上げ作業上、必然的に余裕を持つ、いわゆる「ガタ」Sのある挿入係合の状態を採用しなければならず、したがって、その「ガタ」S分の浮き上がりを阻止できない場合がときとして惹起するものであった。
【0004】
そこで、本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、葺上げられた屋根瓦の浮き上がりを未然に防止することができる屋根瓦の浮き上がり防止装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を達成するために、本発明に係る屋根瓦の浮き上がり防止装置は、特許請求の範囲の各請求項に記載のとおりの構成を備えるものである。
したがって、請求項1に記載の発明においては、屋根瓦の葺上げに際し、葺上げられた当該瓦に係止金具を取付けるとともに、該係止金具を次に葺上げられる瓦の係合凹部に係入して係合するものである。このため、葺上げられた当該瓦並びに次に葺上げられる瓦の浮き上がりを未然に防止する。このことは、屋根面に露出される瓦が風等によって吹き上げられることを可及的に阻止して瓦全体の飛散を未然に防止するものである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記係止金具には、前記係合凹部に弾性的に係入するように所望の弾力が蓄積される押圧舌片を形成したことにより、該係合凹部と係止金具との「ガタ」をその押圧舌片によって吸収して両者の係入(係止)状態を確実なものとする。このため、葺上げられた当該瓦並びに次に葺上げられる瓦の浮き上がりを未然に防止するとともに、両者の係入(係止)作業を円滑に行なうものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
さて、図1〜図7に示す屋根瓦としての平板瓦1Aの場合について説明する。
図において、本実施の形態における平板瓦1Aは、図2及び図3に示すように、その瓦本体2が全体として通常の構成を採用するものであり、所定の肉厚に形成され、その上面のほぼ全体には尻部2a及び左右の側縁(桟側及び差込み側)2b,2c側の平面部を残しかつ頭部2d側を開放した所定の深さの凹状瓦面3が形成されている。
【0008】
瓦本体2の一方の側縁2bは葺上げ時に隣接する瓦の差込み側の側縁2cの上部に重ねられる桟側の側縁(以下、桟側の側縁2bともいう。)となすようにその下面側が所定の重合わせ凹部として形成され、他方の側縁2cは葺上げ時に隣接する瓦の桟側の側縁2bの下部に重ねられる差込み側の側縁(以下、差込み側の側縁2cともいう。)となすようにその上面側が所定の重合わせ段部として形成されている。
【0009】
なお、瓦本体2の頭部2dと差込み側の側縁2cとの隅部は既存の頭部切込み部が切り欠き形成されるとともに、尻部2aの下部ほぼ両側にはほぼ三角形状の引掛け部が形出されている。
【0010】
そして、瓦本体2の尻部2a側の中央部において、前記凹状瓦面3の上面には該尻部2aの平面部と同一高さの膨出部3Aが一体状に形成されていて、この膨出部3Aには後述する係止金具4が瓦を桟木5に固定する既存の釘6により該瓦とともに取付けられるように釘孔3aが貫設されている。なお、この膨出部3Aにあっては既存の瓦における釘打ち位置の膨出部をそのまま利用するものであり、葺上げ時において他の瓦が重合する位置となるものである。
【0011】
また、瓦本体2の頭部2d側における桟側の側縁2b下面において、他の瓦との重合部位(重合わせ凹部)より内方寄りには、図4に示すように、重合部位(重合わせ凹部)に向かって膨出部7が形成され、この膨出部7には瓦の流れ方向の両端及び重合わせ凹部側を開放したほぼ横U字状の係合凹部8が所定の長さ形成されている。この係合凹部8は瓦全体のプレス成形時に一体的に形成するか或いはプレス成形後の次工程において所望の工具等により切欠くようにして形成することができる。
【0012】
そして、前記係止金具4は、図5に示すように、所定の幅の鋼板をほぼクランク状に曲折して形成され、その一方側の取付け片4aには前記膨出部3Aの釘孔3aに合致する釘挿通孔9が形成されていて、この取付け片4aは該膨出部3Aに対して釘6により取付け可能とされ、他方側は前記係合凹部8に係入可能な係止片10となし、この係止片10にはほぼ中央部を下方に向けてほぼV字状に切起こした押圧舌片11が一体的に形成されている。
【0013】
なお、取付け片4aにおける押圧舌片11の高さ位置は、当該瓦の該膨出部3Aに取付けられた状態において次に葺上げられる瓦の係合凹部8の位置より若干低くなるように設定されている。
【0014】
上述のように構成された本実施の形態における平板瓦1Aによる千鳥葺きの場合について説明すると、図1に示すように、葺上げられた一枚の平板瓦1Aに対し、その桁行き方向には、当該平板瓦1Aの桟側の側縁2bが隣接する平板瓦の差込み側の側縁2cの上部に重合わされ、当該平板瓦1Aの差込み側の側縁2cには隣接する平板瓦の桟側の側縁2bが上部から重合わされ、以下、順次同様にして桁行き方向に葺上げられる。(図1参照)
【0015】
そして、流れ方向には、当該平板瓦1Aの尻部2a側のほほ半分には次の平板瓦の頭部2d側のほぼ半分が重合わせられ、他の半分には該次の平板瓦の桁行き方向に隣接する次の平板瓦の頭部2d側のほぼ半分が重合わせられ、この状態、すなわち、当該平板瓦1Aの尻部2a側に2枚の平板瓦の頭部2d側が重合わせられようにして、順次葺上げられるものである。(図1参照)
【0016】
なお、各平板瓦1Aは従前の平板瓦と同様にその引掛け部が屋根の野地板に組付けられた桟木に対して引掛けてその流れ方向の位置が決められるものである。
【0017】
上述のように、平板瓦1Aを流れ方向に葺上げていくに際し、図6及び図7に示すように、当該平板瓦1Aをその膨出部3Aの釘孔3aを利用して桟木に対して釘6により釘打ち固定するものであるが、このときに係止金具4を膨出部3A上に取付け固定する。すなわち、該係止金具4の取付け片4aにおける釘挿通孔9を膨出部3Aの釘孔3aに合致して前述の釘打ち固定作業と同時に取付け固定する。
【0018】
そして、係止金具4を取付けた当該平板瓦1Aに対して前述のように次の平板瓦1Aが葺上げられるとき、該平板瓦1Aの係合凹部8内に当該平板瓦1Aの係止金具4の係止片10及び押圧舌片11を係入して両者の係合を行なうものである。
【0019】
この平板瓦1Aの係合凹部8内に係止片10の押圧舌片11が係入される際には、該押圧舌片11が上方に逃げるようにその弾力を蓄積されて押し上げられるので、両者の係入係合を円滑に行なうことができ、その後は、該押圧舌片11が蓄積された弾力により該係合凹部8内の一面に「ガタ」なく確実に接して次の平板瓦1Aを当該平板瓦1A側に弾力を付与しながら押し付けた状態で葺上げるものである。
【0020】
このようにして、各平板瓦1Aをその係止金具4の係止片10及び押圧舌片11と係合凹部8との係合を行ない、流れ方向及び桁行き方向に順次葺上げるものである。
【0021】
上記のようにして、各平板瓦1Aは、流れ方向に対してそれぞれ頭部2dと尻部2aとの重合わせ部位において互いに結合され、桁行き方向に対しては、桟側の側縁2bと差込み側の側縁2cとが上下に重合わせられることになり、全体として互いに関連した「ガタ」の生じない結合状態(葺上げ状態)を得ることができる。
【0022】
これによって、各平板瓦1Aの頭部2dが先の各平板瓦1Aの尻部2aに確実に結合され、平板瓦1Aの頭部2dが風等により浮き上がることを未然に阻止できるものであり、とくに、平板瓦における千鳥葺きに簡単に対応するものであり、瓦の葺上げの重なり状態(葺合わせ面)と相まって、当該葺上げられる瓦どうしを一層強固に結合することができ、風等による瓦全体の飛散を未然に防止することができるものである。
【0023】
なお、本実施の形態を平板瓦1Aとして説明したが、通常の桟瓦等の場合も同様であり、その葺上げも千鳥葺きの場合に限定するものではない。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の発明においては、係止金具を次に葺上げられる瓦の係合凹部に係入して係合するものであるため、葺上げられた当該瓦並びに次に葺上げられる瓦の浮き上がりを未然に防止することができる。このことは、屋根面に露出される瓦が風等によって吹き上げられることを可及的に阻止して瓦全体の飛散を未然に防止するものである。
【0025】
また、請求項2の発明においては、上記した請求項1の効果に加え、係合凹部と係止金具との「ガタ」をその押圧舌片によって吸収して両者の係入(係止)状態を確実なものとすることができる。このため、葺上げられた当該瓦並びに次に葺上げられる瓦の浮き上がりを未然に防止するとともに、両者の係入(係止)作業を円滑に行なうものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】平板瓦をその葺上げ状態とともに説明する平面図である。
【図2】平板瓦の平面図である。
【図3】同じく側面図である。
【図4】図2のX―X線断面図である。
【図5】係止金具の斜視図である。
【図6】係止金具と係合凹部との係合状態を示す拡大側面図である。
【図7】同じく係止金具と係合凹部との係合状態を示す拡大側面図である。
【図8】従来の係合状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1A 平板瓦
2 瓦本体
2a 尻部
2b 桟側の側縁
2c 差込み側の側縁
2d 頭部
3 膨出部
4 係止金具
8 係合凹部
10 係止片
11 押圧舌片
Claims (2)
- 屋根の桁行き方向において桟側の側縁が先に葺上げられる瓦の差込み側の側縁上面に、差込み側の側縁が次に葺上げられる瓦の桟側の側縁下面にそれぞれ重合され、さらに屋根の流れ方向において頭部が先に葺上げられる瓦の尻部上面にかつ尻部が次に葺上げられる瓦の頭部下面にそれぞれ重合されるとともに上位における瓦どうしの桁行き方向の重合部位が下位の瓦の幅方向ほぼ中央部位に位置するように千鳥葺き状に葺上げられる屋根瓦であって、
該屋根瓦を構成する瓦本体の尻部における上位の瓦との重合部位の上面ほぼ中央部には、所定の高さの膨出部を形成し、
該瓦本体の頭部桟側の側縁における重合部位の内方寄り下面には、少なくとも該側縁外方側を開放した係合凹部を形成し、
前記膨出部には、前記係合凹部と係脱可能でかつ該瓦本体と別体の係止金具を取付け、
この係合凹部と係止金具とは、瓦の葺上げに際し、当該瓦の係止金具と上位の瓦の係合凹部との係合により上方への抜脱を阻止する対の凹凸係合状態となしたことを特徴とする屋根瓦の浮き上がり防止装置。 - 請求項1記載の屋根瓦の浮き上がり防止装置であって、前記係止金具には、前記係合凹部に弾性的に係入するように所望の弾力が蓄積される押圧舌片を形成した屋根瓦の浮き上がり防止装置。
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