JP2002138628A - 瓦 - Google Patents

Info

Publication number
JP2002138628A
JP2002138628A JP2000273395A JP2000273395A JP2002138628A JP 2002138628 A JP2002138628 A JP 2002138628A JP 2000273395 A JP2000273395 A JP 2000273395A JP 2000273395 A JP2000273395 A JP 2000273395A JP 2002138628 A JP2002138628 A JP 2002138628A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof tile
head
engagement
tile
roof
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000273395A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigenori Yoshinari
茂紀 吉成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAWARA GIKEN KK
Original Assignee
KAWARA GIKEN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAWARA GIKEN KK filed Critical KAWARA GIKEN KK
Priority to JP2000273395A priority Critical patent/JP2002138628A/ja
Publication of JP2002138628A publication Critical patent/JP2002138628A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付強度が高く、瓦のずれや浮き上がりを防
止することが可能であり、なおかつ、屋根葺き後におけ
る一部の瓦の交換を容易に行なうことができる瓦を提供
する。 【解決手段】 本体2の尻部3側に尻側係合部4を、頭
部5側に頭側係合部6をそれぞれ有し、屋根葺き時に、
一の瓦1aの頭側係合部6が軒側に隣接する瓦1cの尻
側係合部4と係合して配置される瓦1において、瓦桟7
に打ち込むための係止具8を挿通する取付孔9を縦方向
に一定の長さを有する孔とするとともに、頭側係合部6
と尻側係合部4との係合長さL1を取付孔9の縦方向の
有効長さL2と同一又はこれより短く形成する。取付孔
9に拡開部31を形成する。取付孔9の上面20は、そ
の下面29を基準として尻側端部26よりも頭側端部2
7が低くなるように傾斜して形成する。本体2の下面2
9における瓦桟7と接触する部分の頭部5側に係止凸部
32を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等の屋根葺き
用の瓦に関し、特に、瓦のずれや浮き上がりを防止する
ことが可能であり、且つ、屋根葺き後の交換が容易な瓦
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている瓦として、例え
ば、特開平08−93141号公報に記載された瓦51
は、図21に示すように、本体52の横方向一側には本
体52の上面53より一段低い表側面54を有して導水
帯55を形成する差込受部56が、本体52の横方向他
側には前記差込受部56の表側面54に対して重合され
る形状の差込抑部57がそれぞれ形成されるとともに、
本体52の尻部58の横方向中央部近傍における上面5
3に略L字形の突起部59が設けられて係合溝部60が
形成され、前記差込受部56の頭部側角部に、水返し6
1により導水帯55と分離され、且つ差込受部56の表
側面54より低い表側面62を有する薄板形状の係合受
部63が形成されたものである。
【0003】この従来の瓦51は、図22に示すよう
に、屋根葺き時には、横方向については、一の瓦51a
の差込受部56の表側面54に対して横方向一側方に隣
接する瓦51bの前記差込抑部57が重合するように配
置され、縦方向については、一の瓦51aの前記係合受
部63が軒側に隣接する瓦51cの前記係合溝部60に
嵌入されて配置される。そして、本体52の尻部58に
設けられた取付孔64に釘などの係止具65を挿通し、
その下方に配置された瓦桟66に打ち込むことにより所
定位置に固定される。これによって、一の瓦51は、頭
部67側については前記係合受部63が軒側に隣接する
瓦51cの前記係合溝部60に嵌入されて係合されるこ
とにより固定され、尻部58側については前記係止具6
5により瓦桟66に固定されるので、瓦のずれや浮き上
がりを防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の瓦51によると、屋根葺き後、いずれか一の瓦51
が破損した場合など、一部の瓦51の交換が必要な場合
であっても容易に交換することができないという問題が
ある。すなわち、上述の通り、瓦51は、頭部67側に
おいては係合受部63が軒側に隣接する瓦51の係合溝
部60に嵌入されて係合されることにより固定され、尻
部58側においては前記係止具65により瓦桟66に固
定されているので、いずれか一の瓦51を屋根から取り
外すためには、まず前記係止具65を取り外してから当
該瓦51を棟側へずらし、係合受部63を係合溝部60
から抜き取ることが必要となる。ここで、図22に示す
ように、交換を要する瓦51cの尻部58には、棟側に
隣接して配置される一の瓦51aの頭部67が重合して
載置されていることから、交換を要する瓦51cの尻部
58にある係止具65を取り外すためには、当該瓦51
cの棟側に隣接する一の瓦51aの頭部67を持ち上げ
るか、又は一の瓦51aを取り外すことが必要である。
【0005】しかし、交換を要する瓦51cの棟側に隣
接する一の瓦51aの頭部67を持ち上げるためには、
当該一の瓦51aの周囲の瓦51について、互いに係合
している係合受部63又は係合溝部60を破壊し、なお
かつ、当該一の瓦51aの周囲の瓦51を瓦桟66に固
定している係止具65を取り外すか、又は該係止具65
が挿通されている取付孔64を破壊する必要がある。そ
して、破壊された周囲の瓦51の係合受部63又は係合
溝部60、及び取付孔64は、更にその周囲の瓦51に
より覆われており、それを修復することはできないた
め、交換した瓦51の周囲の瓦51については、所定の
取付強度を得ることができず、瓦51のずれや浮き上が
りの防止を図ることもできないという問題がある。
【0006】一方、交換を要する瓦51cの棟側に隣接
する一の瓦51aを取り外すためには、当該一の瓦51
aの周囲の瓦51と、それらの棟側に隣接する瓦51を
取り外す必要があり、そのためには、更にそれらの棟側
に隣接する瓦51も取り外す必要があるので、結局、当
該一の瓦51aの周囲及びその棟側に位置するすべての
瓦51を取り外さなければならないこととなり、交換を
要する瓦51cが軒側に位置する場合には、特に多大な
労力と時間を必要とするという問題がある。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、取付強度が高く、瓦のずれや浮き上がりを防止
することが可能であり、なおかつ、屋根葺き後における
一部の瓦の交換を容易に行なうことができる瓦を提供す
ることを技術課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術課題を解決する
ための具体的手段は、次のようなものである。すなわ
ち、請求項1に記載する瓦は、本体の尻部側に尻側係合
部を、頭部側に頭側係合部をそれぞれ有し、屋根葺き時
に、一の瓦の頭側係合部が軒側に隣接する瓦の尻側係合
部と係合して配置される瓦において、瓦桟に打ち込むた
めの係止具を挿通する取付孔を縦方向に一定の長さを有
する孔とするとともに、前記頭側係合部と前記尻側係合
部との係合長さを前記取付孔の縦方向の有効長さと同一
又はこれより短く形成したことを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項2に記載する瓦は、請求項1に記載
する構成において、前記取付孔を縦方向に長い長孔とし
たことを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載する瓦は、請求項1又は2
に記載する構成において、前記取付孔における屋根葺き
時の前記係止具による係止位置以外の位置に、前記係止
具の頭部が挿通可能な拡開部を形成したことを特徴とす
るものである。
【0011】請求項4に記載する瓦は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載する構成において、前記取付孔の周
囲に水返しを形成したことを特徴とするものである。
【0012】請求項5に記載する瓦は、請求項1〜4の
いずれか1項に記載する構成において、前記取付孔の上
面は、その下面を基準として尻側端部よりも頭側端部が
低くなるように傾斜していることを特徴とするものであ
る。
【0013】請求項6に記載する瓦は、請求項1〜5の
いずれか1項に記載する構成において、前記本体の下面
における瓦桟と接触する部分の頭部側に係止凸部を形成
したことを特徴とするものである。
【0014】請求項7に記載する瓦は、請求項1〜6の
いずれか1項に記載する構成において、前記尻側係合部
として係合溝部を、前記頭側係合部として係合受部をそ
れぞれ有し、屋根葺き時に、一の瓦の前記係合受部が軒
側に隣接する瓦の前記係合溝部に嵌入されて配置される
ことを特徴とするものである。
【0015】請求項8に記載する瓦は、請求項1〜6の
いずれか1項に記載する構成において、前記尻側係合部
として係合受部を、前記頭側係合部として係合溝部をそ
れぞれ有し、屋根葺き時に、一の瓦の前記係合溝部が軒
側に隣接する瓦の前記係合受部に嵌合されて配置される
ことを特徴とするものである。
【0016】請求項9に記載する瓦は、請求項7又は8
に記載する構成において、前記係合受部の有効長さを前
記取付孔の有効長さと同一又はこれより短く形成したこ
とを特徴とするものである。
【0017】請求項10に記載する瓦は、請求項1〜9
のいずれか1項に記載する構成において、本体の横方向
一側に差込受部を、横方向他側に差込抑部をそれぞれ有
し、屋根葺き時に、一の瓦の前記差込受部の表側面に対
して一側方に隣接する瓦の前記差込抑部が重合するよう
に配置されることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る瓦1は、例えば図1
に示すように、本体2の尻部3側に尻側係合部4を、頭
部5側に頭側係合部6をそれぞれ有し、瓦桟7に打ち込
むための係止具8(図2参照)を挿通する取付孔9を縦
方向に一定の長さを有する孔とするとともに、前記頭側
係合部6と尻側係合部4との係合長さL1を前記取付孔
9の縦方向の有効長さL2と同一又はこれより短く形成
したものである。そして、図2に示すように、屋根葺き
時に、一の瓦1aの頭側係合部6が軒側に隣接する瓦1
cの尻側係合部4と係合して配置されるものである。以
下、本発明に係る瓦1の実施形態について図面に基づい
て詳細に説明する。
【0019】本発明の第1の実施形態に係る瓦1は、図
1に示すように、本体2の尻部3側の尻側係合部4とし
て係合溝部10を、頭部5側の頭側係合部6として係合
受部11をそれぞれ有し、瓦桟7に打ち込むための係止
具8(図2参照)を挿通する取付孔9を縦方向に一定の
長さを有する孔とするとともに、前記係合受部11と係
合溝部10との係合長さL1を前記取付孔9の縦方向の
有効長さL2と同一又はこれより短く形成したものであ
る。また、本体2の横方向一側には差込受部12を、横
方向他側には差込抑部13をそれぞれ有する。そして、
図2に示すように、屋根葺き時に、縦方向には、一の瓦
1aの係合受部11が軒側に隣接する瓦1cの係合溝部
10に嵌入されることにより係合して配置され、横方向
には、一の瓦1aの前記差込受部12の表側面14に対
して一側方に隣接する瓦1bの前記差込抑部13が重合
するように配置されるものである。
【0020】本実施形態においては、図1に示すよう
に、F形桟瓦を例として説明する。したがって、前記本
体2は略平板形状に形成されるが、より詳細には、中央
部が平板形状に形成されるとともに、横方向両側端縁1
5、16及び尻部3が中央部より一段高く形成され、そ
の段差部はゆるやかに傾斜するように形成されている。
なお、本発明に係る瓦1は、F形桟瓦に限定されるもの
ではなく、例えばS形桟瓦やJ形桟瓦など、これ以外の
形状の瓦においても本発明と同様の構成を有する瓦とす
ることが可能である。
【0021】本体2の横方向一側には、差込受部12が
形成されている。該差込受部12は、本体2の横方向一
側端縁15に沿って形成された長方形の略平板形状の部
分であって、本体2の横方向一側端縁15における上面
よりも低い表側面14を有する。そして、図2に示すよ
うに、屋根葺き時には、一の瓦1aの差込受部12の表
側面14に対して横方向一側方に隣接して配置される他
の瓦1bの前記差込抑部13が重合するように配置され
る。この際、表側面14は、他の瓦1の差込抑部13と
本体2の横方向一側端縁15との隙間から入った雨水等
を下方へ落とすことなく軒側へ流すための導水帯17を
構成する。そのため、表側面14の外周端部には上方へ
盛り上がった水返し18が形成されており、導水帯17
を流れる水が側方へ落ちることを防止し、すべてが軒側
へ流れるようになっている。
【0022】図1及び裏側から見た斜視図である図3に
示すように、本体2の横方向他側には、差込抑部13が
形成されている。該差込抑部13は、本体2の横方向他
側端縁16に沿って形成された長方形の略平板形状の部
分であって、本体2の横方向他側端縁16における下面
よりも高い裏側面19を有する。そして、差込抑部13
の裏側面19と本体2の横方向他側端縁16とに囲まれ
た空間は、前記差込受部12が収まる大きさ及び形状を
有しており、屋根葺き時には、前述の通り、差込抑部1
3が、横方向他側方に隣接して配置される他の瓦1bの
差込受部12の表側面14に対して重合するように配置
される。
【0023】本体2の尻部3側には、尻側係合部4とし
て係合溝部10が形成されている。ここで、尻側係合部
4とは、本体2の尻部3側に設けられる係合部であっ
て、頭側係合部6と互いに係合可能な対を構成するもの
であり、本実施形態では、係合溝部10としている。該
係合溝部10とは、いずれかの方向に開口する溝部であ
って、該溝部に対して係合受部11が嵌入されることに
より互いに係合可能な対を構成するものである。ここで
は、本体2の尻部3の上面20に突出して設けられた略
L字形の突起部21により形成されるものであって、該
突起部21の水平部22の下面及び垂直部23の内側側
面と本体2の尻部3の上面20により囲まれたコ字形の
溝部である。
【0024】そして、屋根葺き時には、図2に示すよう
に、一の瓦1aの係合溝部10に対して棟側に隣接して
配置される他の瓦1dの係合受部11が嵌入されて係合
される。本実施形態においては、瓦1を千鳥状に配置さ
れているため、一の瓦1aの棟側に隣接して配置される
他の瓦1dの係合受部11は、屋根葺き時には当該一の
瓦1aの尻部3の横方向中央部近傍に位置することとな
る。したがって、それに合わせて、係合溝部10は本体
2の尻部3の横方向中央部近傍に配置されている。ただ
し、係合溝部10の位置は、これに限定されるものでは
なく、屋根葺き時において棟側に隣接して配置される他
の瓦1dの係合受部11の位置に対応する位置に配置す
るものであれば良い。したがって、例えば、瓦1を縦方
向についても直線状に配置する場合には、それに合わせ
て、係合溝部10は、差込受部12の尻部3側に配置さ
れることとなる。
【0025】また、係合溝部10の開口する方向につい
ては、後述する頭側係合部6としての係合受部11が形
成される位置及び形状に合わせて、当該係合受部11を
横方向他側方から嵌入できるように横方向他側方に開口
している。ただし、係合溝部10の開口する方向は、こ
れに限定されるものではなく、係合受部11の形成され
る位置及び形状に合致する方向とすれば良い。なお、図
4に示すように、突起部21の水平部22の下方におけ
る本体2の尻部3に切込部24を設ける場合もある。該
切込部24を設けることにより、本発明に係る瓦1を製
造する際に、切込部24に相当する部分の部材を上方へ
持ち上げて突起部21を形成することができるので、突
起部21の形成する工程を容易にすることができる。
【0026】図1及び図3に示すように、本体2の尻部
3には、取付孔9も形成されている。該取付孔9は、釘
などの係止具8(図2参照)を挿通するための孔であっ
て、屋根葺き時に瓦桟7の上に載置される部分である本
体2の尻部3に貫通して設けられる。取付孔9の形状
は、縦方向に一定の長さを有するものとし、本実施形態
においては縦方向に長い長孔としている。より具体的に
は、係止具8の胴部25(図5参照)を挿通できる程度
の一定の横幅を有し、瓦桟7の幅方向中央部の上方位置
を一方の端部である尻側端部26とし、そこから本体2
の頭部5側へ所定長さだけ離れた位置を他方の端部であ
る頭側端部27とする長孔である。また、図4に示すよ
うに、取付孔9の周囲には、盛り上がった水返し28を
形成すると好適である。該水返し28を設けることによ
り、雨などの際に取付孔9から下方へ水が侵入すること
を防止することができる。
【0027】そして、図2に示すように、該取付孔9に
係止具8を挿通し、その下方に配置された瓦桟7に係止
具8を打ち込むことにより、瓦1を所定位置に固定す
る。この際、取付孔9の尻側端部26が瓦桟7の幅方向
中央部の上方に位置することとなるので、該尻側端部2
6が係止具8による通常の係止位置となる。これによ
り、瓦1を固定した後であっても、強く棟側へ押すこと
により、瓦1を棟側へずらすことが可能となる。したが
って、瓦1の尻部3における取付孔9の近傍の断面図で
ある図5に示すように、この取付孔9の縦方向の有効長
さL2は、尻側端部26と頭側端部27との間の水平距
離L3から係止具8の縦方向の長さL4を引いた長さと
なる。なお、取付孔9の個数は、特に制限はないが、通
常は1個又は2個程度であり、ここでは、瓦桟7の長さ
方向に沿って、瓦1の尻部3における横方向に2箇所設
けられている。
【0028】また本実施形態においては、取付孔9の上
面20、すなわち本体2の尻部3の上面20は、取付孔
9の下面29、すなわち本体2の尻部3の下面29を基
準として尻側端部26よりも頭側端部27が低くなるよ
うに傾斜して形成されている。すなわち、取付孔9が設
けられる尻部3の下面29は、瓦桟7の上面に載置され
る部分であり、屋根葺き時に瓦桟7の上面と略平行にな
るように形成されているので、尻部3の上面20は、尻
部3の下面29を基準として頭部5側が低くなるように
傾斜させて形成することにより、取付孔9の上面20
は、その下面29を基準として尻側端部26よりも頭側
端部27が低くなるように傾斜して形成される。これに
より、図6に示すように、瓦1を棟側へずらした場合に
は、係止具8の頭部30と取付孔9の上面20との間に
大きな隙間を生じさせ、係止具8による拘束を弱くする
ことができる。なお、取付孔9が2個以上設けられる場
合には、いずれか1個のみについて、縦方向に一定の長
さを有するものとすることも可能である。これは、取付
孔9が2個以上設けられる場合であっても、通常使用さ
れる取付孔9はいずれか1個のみであり、他は補助的に
設けられるものであることから、主として使用する取付
孔9のみを長孔とすれば十分である場合が多いからであ
る。
【0029】また、図7に示すように、取付孔9におけ
る屋根葺き時の係止具8による係止位置以外の位置に、
該係止具8の頭部30が挿通可能な拡開部31を形成す
る場合もある。ここでは、係止具8による係止位置は取
付孔9の尻側端部26であるので、その反対側の頭側端
部27に円形の拡開部31を形成している。該拡開部3
1の直径は、係止具8の頭部30の直径よりも大きくな
るように形成する。これにより、瓦1を棟側へずらした
状態で係止具8の頭部30が拡開部31を挿通すること
が可能となるので、瓦桟7に打ち込んだ係止具8を取り
外すことなく、瓦1の尻部3を上方へ持ち上げるのみで
係止具8から取り外すことができる。なお、拡開部31
の形状は円形に限定されるものではなく、係止具8の頭
部30が挿通可能な大きさを確保することができれば他
の形状であっても良い。したがって、図示しないが、例
えば取付孔9の形状は尻側端部26の横幅が狭く頭部5
側に向かって徐々に横幅が広くなる三角形状や涙滴形状
とすることも可能である。また、拡開部31を形成する
位置についても、頭側端部27に限定されるものではな
く、係止具8による係止位置以外の位置であれば良い。
【0030】図3及び図5に示すように、本体2の下面
29における瓦桟7と接触する部分の頭部5側には、係
止凸部32が形成される。該係止凸部32は、瓦1の横
方向に伸びる低い凸条部であり、取付孔9が設けられる
本体2の尻部3の下面29における瓦桟7と接触する部
分の頭部5側に該瓦桟7と隣接するように設けられてい
る。前述の通り、取付孔9の形状を縦方向に一定の長さ
を有する孔としたことにより、瓦1は強く棟側へ押すこ
とにより、棟側へずらすことが可能であるが、強風など
の影響により必要な時以外にずれることがあると不都合
である。そこで、このような係止凸部32を形成するこ
とにより、瓦1が棟側へ容易にずれることを防止してい
る。ただし、係止凸部32をあまりに高く形成すると、
後述するように瓦1を交換する際など必要な時に棟側へ
ずらすことができなくなるので、適度の高さに形成する
ことが必要である。具体的には、係止凸部32の高さは
本体2の尻部3の下面29から2〜3mm程度が好適で
ある。
【0031】図1に示すように、本体2の頭部5側に
は、頭側係合部6として係合受部11が形成されてい
る。ここで、頭側係合部6とは、本体2の頭部5側に設
けられる係合部であって、尻側係合部4と互いに係合可
能な対を構成するものであり、本実施形態では、係合受
部11としている。該係合受部11とは、係合溝部10
における溝の高さ、すなわち係合溝部10を構成する突
起部21の水平部22の下面と本体2の尻部3の上面2
0との間の距離よりも若干薄い一定の厚さを有するよう
に形成された板状部であって、係合溝部10に嵌入され
ることにより互いに係合可能な対を構成するものであ
る。ここでは、本体2の頭部5側における横方向一側、
すなわち、差込受部12の頭部側端部33の近傍の一側
部に形成されている。そして、差込受部12の表側面1
4より低い表側面14を有する幅の狭い長方形の板状に
形成され、差込受部12の導水帯17に対して水返し1
8により分離されている。
【0032】係合受部11と係合溝部10との係合長さ
L1は、前記取付孔9の縦方向の有効長さL2と同一又
はこれより短く形成する。ここで、係合受部11と係合
溝部10との係合長さL1とは、係合受部11と係合溝
部10との係合している部分の長さのことであり、本実
施形態においては、図8にも示すように、屋根葺き時に
おける係合溝部10を構成する突起部21の尻部側端面
34から係合受部11の頭部側端面35までの距離に等
しい。すなわち、前記係合長さL1は、係合受部11が
有効に係合している部分の長さであることから、係合受
部11の有効長さということもできる。このように、前
記係合長さL1を前記取付孔9の縦方向の有効長さL2
と同一又はこれより短く形成することにより、図9に示
すように、瓦1aを取付孔9の有効長さL2一杯まで棟
側へずらした状態、すなわち、係止具8が頭側端部27
に位置するまで棟側へずらした状態では、係合受部11
が軒側に隣接する瓦1cの係合溝部10から外れること
となるので、瓦1の頭部5を上方へ持ち上げることが可
能となる。
【0033】次に、本実施形態に係る瓦1の屋根葺き時
における取付構造について説明する。図2に示すよう
に、横方向には、一の瓦1aの前記差込受部12の表側
面14に対して横方向一側方に隣接して配置される他の
瓦1bの前記差込抑部13が重合するように配置され
る。これにより、他の瓦1bの差込抑部13と本体2の
横方向一側端縁15との隙間から入った雨水等は、差込
受部12に形成された導水帯17により軒側へ流される
こととなる。一方、図2の側面図である図10にも示す
ように、縦方向には、一の瓦1aの頭側係合部6として
の係合受部11が軒側に隣接する瓦1cの尻側係合部4
としての係合溝部10に嵌入されて配置される。そし
て、本体2の尻部3に設けられた取付孔9の尻側端部2
6(図1参照)に釘などの係止具8を挿通し、その下方
に配置された瓦桟7に打ち込むことにより瓦1が所定位
置に固定される。これによって、一の瓦1aは、頭部5
側については係合受部11と係合溝部10との係合によ
り固定され、尻部3側については前記係止具8により瓦
桟7に固定されるので、瓦のずれや浮き上がりを防止す
ることができる。
【0034】そして、一部の瓦1を交換する際には、以
下のようにして行なう。まず、図9に示すように、交換
を要する瓦1cの棟側に隣接して配置される一の瓦1a
を棟側へ押すことにより、取付孔9の有効長さL2一杯
まで棟側へずらす。これにより、一の瓦1aの係合受部
11が交換を要する瓦1cの係合溝部10から外れるこ
ととなる。この際、図6に示すように、係止凸部32が
瓦桟7に乗り上げるように前記一の瓦1aを強く棟側へ
押す必要がある。取付孔9の上面20は、その下面29
を基準として取付孔9の尻側端部26よりも頭側端部2
7が低くなるように傾斜して形成されていることから、
瓦1aが棟側へずれた状態では、係止具8の頭部30と
取付孔9の上面20との間に隙間が生じ、係止具8によ
る拘束が弱くなる。そこで、次に図11に示すように、
一の瓦1aの頭部5を上方へ持ち上げる。これにより、
交換を要する瓦1cの係止具8が現れるので、該係止具
8を取り外すことができる。そして、当該瓦1cを棟側
へずらし、その係合受部11を軒側に隣接して配置され
た瓦1eの係合溝部10から外せば、交換を要する瓦1
cのみを単独で取り外すことができる。また、取付孔9
に前記拡開部31を形成している場合には、係止具8を
取り外すことなく、棟側へずらすことのみにより瓦1c
を取り外すことができる。その後は、当該瓦1cを取り
外したのと逆の順序で新たな瓦1を取り付けることによ
り、交換が完了する。
【0035】以上、本発明の第1の実施形態に係る瓦1
について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定さ
れるものではなく、従来から知られているあらゆる種類
の瓦について適用することができる。そこで、次に、本
発明に係る瓦1の他の実施形態について説明する。本発
明の第2の実施形態に係る瓦1は、図12に示すよう
に、前記第1の実施形態と同様にF形桟瓦であるが、本
体2の形状、特に尻部3の周辺の形状において大きく異
なっている。すなわち、前記第1の実施形態においては
横方向両側縁15、16及び尻部3が中央部より高く形
成され、その段差部はゆるやかに傾斜するように形成さ
れているのに対し、本実施形態においては、本体2のほ
ぼ全体が平板形状に形成されるとともに、尻部3のみに
他の部分よりわずかに高い隆起部36が形成されている
点で異なる。ここで、隆起部36は、本体2の尻部3の
端縁に沿った一定幅の直線状に形成されており、その前
方における本体2の尻部3の上面20との段差部はほぼ
直角に形成されている。そして、隆起部36の上面39
には、尻側係合部4として略L字形の突起部21が突出
して設けられ、係合溝部10を形成している。この際、
突起部21の形成を容易にするため、該突起部21の水
平部22の下方に切込部24を設けている。
【0036】また、図13にも示すように、取付孔9の
上面37は、前記第1の実施形態と異なり、取付孔9の
下面29、すなわち本体2の尻部3の下面29に対して
平行に形成されている。ここでは、隆起部36と連続し
て取付孔9の周囲に盛り上がった水返し38が形成され
ており、取付孔9の上面37がすなわち水返し38の上
面37となっている。したがって、取付孔9の上面37
は隆起部36の上面39と同一の平面を構成するもので
あって、本体2の尻部3の上面20及び下面29と平行
に形成されている。この場合、瓦1を棟側へずらすこと
によっては係止具8の頭部30と取付孔9の上面37と
の間に大きな隙間が生じることはない。しかし、瓦1と
瓦桟7との間が完全には密着していないこととの関係
で、係止具8を取付孔9の上面37に対して隙間なく打
ち付けることは不可能であり、多少の隙間が当初から生
じているのが通常である。したがって、前記第1の実施
形態の場合ほど容易ではないが、当初から生じている隙
間を利用して瓦1を棟側へずらし、その頭部5を上方へ
持ち上げることにより、瓦1を交換することが可能であ
る。ただし、係止凸部32を前記第1の実施形態と同様
に形成すると瓦1の交換などの際に棟側へずらすことが
できなくなるため、係止凸部32は非常に低く形成する
か、又は全く形成しないこととする。
【0037】また、図12に示すように、差込受部12
は、その頭部側端部33が前記第1の実施形態の場合と
比較して尻部3側で短く切断された形状となっている。
これは、屋根葺き時において、導水帯17の軒側端部と
なる差込受部12の頭部側端部33の下方に、軒側に隣
接して配置される瓦1の上面20が位置していれば、差
込受部12の導水帯17を流れて来た雨水等は瓦1の上
面20に落下してそこを流れるため、導水帯17として
の機能は発揮され、水が瓦1よりも下方へ落下すること
を防止することができる。そこで、そのような範囲で差
込受部12を短くしたものである。なお、その他の部分
については前記第1の実施形態に係る瓦1と同様であ
る。
【0038】本発明の第3の実施形態に係る瓦1は、図
14に示すように、前記第2の実施形態に係る瓦1に近
似する形状を有しているが、尻側係合部4として形成さ
れる係合溝部10、及び頭側係合部6として形成される
係合受部11の形状において異なっている。すなわち、
前記第2の実施形態においては前記第1の実施形態と同
様、係合溝部10が横方向他側方に向けて開口するよう
に形成されているのに対し、本実施形態においては、係
合溝部10が尻部3側に向けて開口するように形成され
ており、また、それに合致するように、係合受部11が
本体2の頭部5側における横方向一側、すなわち、差込
受部12の頭部側端部33に形成されている点において
異なる。ここで、係合溝部10は、本体2の尻部3の上
面20において尻部3側斜め上方へ向けて突出した突起
部21により形成されるものであって、該突起部21の
下面及び本体2の尻部3の上面20により囲まれた略V
字形の溝部である。したがって、係合溝部10は尻部3
側に向けて開口する方向に形成されることとなる。な
お、突起部21の下方には、前記第2の実施形態のよう
な切込部24(図12参照)は設けられない。一方、係
合受部11は、係合溝部10の溝の形状に合致するよう
に形成された略V字形の傾斜部であり、差込受部12の
頭部側端部33において、頭部側へ直線的に傾斜するよ
うに形成されている。
【0039】したがって、本実施形態に係る瓦1は、屋
根葺き時に、縦方向には、図15に示すように、一の瓦
1aの頭側係合部6としての係合受部11が軒側に隣接
する瓦1cの尻側係合部4としての係合溝部10に嵌入
されて係合される。ここで、係合受部11と係合溝部1
0との係合長さL1は、屋根葺き時における係合溝部1
0を構成する突起部21の尻部側端面34から係合受部
11の頭部側端面35までの距離に等しく、これを前記
取付孔9の縦方向の有効長さL2(図14参照)と同一
又はこれより短く形成する。
【0040】本発明の第4の実施形態に係る瓦1は、図
16に示すように、前記第3の実施形態に係る瓦1と同
様に、尻側係合部4としての係合溝部10が尻部3側に
向けて開口するように形成されているが、頭側係合部6
としての係合受部11は特別に形成されるものではな
く、本体2の頭部側端部33が係合受部11として機能
するものである。また、本体2の中央及び横方向両側に
はそれぞれ縦方向に長い隆起部40が形成されている。
本実施形態に係る瓦1は、本体2の頭部側端部33がそ
のまま係合受部11として機能するものであり、その形
状について特に制限はない。しかし、例えば前記第3の
実施形態のように、本体2の頭部側端部33の厚みがあ
る場合には、係合溝部10もそれに合わせて高く形成す
ることが必要となり、係合溝部10を形成する突起部2
1の強度を確保しにくくなるため、本体2の頭部側端部
33は薄く形成する方が好適である。そこで、本実施形
態においては、係合受部11は、本体2の頭部側端部3
3を頭部5側斜め下方へ向けて傾斜して突出するように
形成している。一方、係合溝部10は、本体2の尻部3
の上面20に突出し、尻部3側に向けて開口する溝部を
形成する突起部21により形成される。そして、係合溝
部10の形状は、本体2の頭部側端部33に合致する形
状、すなわち、図17に示すように、本体2の頭部側端
部33の断面形状に対して若干大きい断面形状となるよ
うに形成される。なお、ここでは、係合溝部10を形成
する突起部21は、その頭部5側において本体2の中央
の隆起部40と連続するように形成されている。
【0041】したがって、本実施形態に係る瓦1は、屋
根葺き時に、縦方向には、図17に示すように、一の瓦
1aの頭側係合部6としての係合受部11となる本体2
の頭部側端部33が軒側に隣接する瓦1cの尻側係合部
4としての係合溝部10に嵌入されて係合される。ここ
で、係合受部11と係合溝部10との係合長さL1は、
屋根葺き時における係合溝部10を構成する突起部21
の尻部側端面34から本体2の頭部側端部33の端面4
1までの距離に等しく、これを前記取付孔9の縦方向の
有効長さL2(図16参照)と同一又はこれより短く形
成する。
【0042】本発明の第5の実施形態に係る瓦1は、図
18に示すように、本体2の尻部3側に尻側係合部4と
して係合受部11を有し、本体2の頭部5側に頭側係合
部6として係合溝部10を有するものであり、前記第1
から第4までの実施形態とは、係合受部11と係合溝部
10とのそれぞれの形成される位置が尻部3側と頭部5
側で反対である点で大きく異なる。なお、頭側係合部6
及び尻側係合部4以外の部分については前記第2の実施
形態に係る瓦1と同様であるため、斜視図は省略する。
そして、本実施形態においては、係合受部11は、本体
2の尻部3の端面上部42から後方へ突出し、その突出
量及び厚さが一定の平板形状に形成されている。係合受
部11の横方向の長さ(図18における紙面に垂直な方
向の長さ)については、瓦1の本体2の横方向の全域に
形成することも可能であるし、又は係合溝部10との係
合部分の近傍のみに形成することも可能である。一方、
係合溝部10は、本体2の頭部5の下面29に突出して
設けられた略L字形の突起部21により形成されるコ字
形の溝部であり、頭部5側に向けて開口する方向に配置
されている。
【0043】したがって、本実施形態に係る瓦1は、屋
根葺き時に、縦方向には、一の瓦1aの頭側係合部6と
しての係合溝部10が軒側に隣接する瓦1cの尻側係合
部4としての係合受部11に嵌合されて係合される。こ
こで、係合受部11と係合溝部10との係合長さL1
は、屋根葺き時における係合溝部10を構成する突起部
21の頭部側端面43から係合受部11の尻部側端面4
4までの距離に等しく、これを前記取付孔9の縦方向の
有効長さL2と同一又はこれより短く形成する。
【0044】本発明の第6の実施形態に係る瓦1は、図
19に示すように、前記第5の実施形態に係る瓦1と同
様、本体2の尻部3側に尻側係合部4として係合受部1
1を有し、本体2の頭部5側に頭側係合部6として係合
溝部10を有するものである。本実施形態においては、
係合受部11は、前記第5の実施形態と同様、本体2の
尻部3の端面上部42(図20参照)から後方へ突出
し、その突出量及び厚さが一定の平板形状に形成されて
いる。また、ここでは係合溝部10を構成する突起部2
1を係合するための係合凹部45が形成されている。な
お、該係合凹部45を形成しない場合もある。一方、係
合溝部10は、本体の頭部5側における横方向一側、す
なわち、差込受部12の頭部側端部33の近傍の一側部
において、本体2の下面29よりも下方へ突出するとと
もに、その下端部46が頭部5側へ突出した一定幅の略
L字形の突起部21により形成されている。すなわち、
本体2の下面29と突起部21における頭部5側へ突出
した下端部46の上面との間が係合溝部10であり、当
該部分に係合受部11が嵌入される。
【0045】したがって、本実施形態に係る瓦1は、屋
根葺き時に、縦方向には、図20に示すように、一の瓦
1aの頭側係合部6としての係合溝部10が軒側に隣接
する瓦1cの尻側係合部4としての係合受部11に嵌合
されて係合される。ここで、係合受部11と係合溝部1
0との係合長さL1は、屋根葺き時における係合溝部1
0を構成する突起部21の下端部46の頭部側端面43
から係合受部11の尻部側端面44までの距離に等し
く、これを前記取付孔9の縦方向の有効長さL2と同一
又はこれより短く形成する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
又は2に係る瓦によれば、瓦桟に打ち込むための係止具
を挿通する取付孔を縦方向に一定の長さを有する孔又は
縦方向に長い長孔とするとともに、前記頭側係合部と前
記尻側係合部との係合長さを前記取付孔の縦方向の有効
長さと同一又はこれより短く形成したことにより、瓦を
係止具で瓦桟に固定した後であっても、強く棟側へ押す
ことにより、瓦を棟側へずらすことが可能となり、前記
頭側係合部を軒側に隣接する瓦の前記尻側係合部から外
すことができるので、瓦の頭部を上方へ持ち上げ、係止
具を取り外すことが可能となる。したがって、通常の係
止位置では、前記頭側係合部と前記尻側係合部との係合
により高い取付強度を発揮して、瓦のずれや浮き上がり
を防止することが可能であるとともに、瓦を棟側へずら
すことにより、前記頭側係合部と前記尻側係合部との係
合を外し、容易に一部の瓦の交換を行なうことができ
る。
【0047】本発明の請求項3に係る瓦によれば、上述
の効果に加えて、前記取付孔における屋根葺き時の前記
係止具による係止位置以外の位置に、前記係止具の頭部
が挿通可能な拡開部を形成したことにより、瓦を棟側へ
ずらした状態で係止具の頭部が拡開部を挿通させること
ができ、瓦桟に打ち込んだ係止具を取り外すことなく、
瓦の尻部を上方へ持ち上げるのみで係止具から取り外す
ことができる。
【0048】本発明の請求項4に係る瓦によれば、上述
の効果に加えて、前記取付孔の周囲に水返しを形成した
ことにより、雨などの際に前記取付孔から下方へ水が侵
入することを防止することができる。
【0049】本発明の請求項5に係る瓦によれば、上述
の効果に加えて、前記取付孔の上面は、その下面を基準
として尻側端部よりも頭側端部が低くなるように傾斜し
ていることにより、瓦を棟側へずらした場合に係止具の
頭部と取付孔の上面との間に隙間を生じさせ、係止具に
よる拘束を弱くすることができる。したがって、容易に
瓦の頭部を上方へ持ち上げ、係止具を取り外すことが可
能となる。
【0050】本発明の請求項6に係る瓦によれば、上述
の効果に加えて、本体の下面における瓦桟と接触する部
分の頭部側に係止凸部を形成したことにより、強風など
の影響により必要な時以外に瓦が棟側へずれることを防
止することができる。
【0051】本発明の請求項7又は8に係る瓦によれ
ば、上述の効果に加えて、前記尻側係合部として係合溝
部を形成した場合には前記頭側係合部として係合受部を
形成し、また、前記尻側係合部として係合受部を形成し
た場合には前記頭側係合部として係合溝部を形成し、屋
根葺き時に、前記係合溝部と係合受部とを嵌合させて係
合することにより、頭側係合部と尻側係合部との係合を
確実に行なうことができ、なおかつ、瓦を棟側へずらす
ことによりその係合を容易に取り外すことができる。
【0052】本発明の請求項9に係る瓦によれば、上述
の効果に加えて、前記係合受部の有効長さを前記取付孔
の有効長さと同一又はこれより短く形成したことによ
り、瓦を係止具で瓦桟に固定した後であっても、強く棟
側へ押すことにより、瓦を棟側へずらすことが可能とな
り、前記頭側係合部を軒側に隣接する瓦の前記尻側係合
部から外すことができるので、瓦の頭部を上方へ持ち上
げ、係止具を取り外すことが可能となる。
【0053】本発明の請求項10に係る瓦によれば、上
述の効果に加えて、本体の横方向一側に差込受部を、横
方向他側に差込抑部をそれぞれ有し、屋根葺き時に、一
の瓦の前記差込受部の表側面に対して一側方に隣接する
瓦の前記差込抑部が重合するように配置されることによ
り、横方向についても隣接する瓦が互いに係合して瓦の
ずれや浮き上がりを防止するとともに、隣接する瓦同士
の隙間から入った雨水等が下方へ落ちることを防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る瓦を示す斜視図
である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る瓦を屋根に配置
する際の状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る瓦を裏側から見
た状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る瓦であって尻部
に切込部を設けるとともに取付孔の周囲に水返しを設け
たものを示す尻部周辺の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る瓦を通常の係止
位置で係止した場合における取付孔の近傍の断面図であ
る。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る瓦を棟側へずら
した場合における取付孔の近傍の断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る瓦の取付孔に拡
開部を形成した場合における取付孔の近傍を示す平面図
である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る瓦の屋根葺き時
における係合部近傍を示す平面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る瓦を棟側へずら
した状態を示す平面図である。
【図10】図2の側面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る瓦の交換時状
態を示す側面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る瓦を示す斜視
図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る瓦の取付孔の
近傍を示す断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る瓦を示す斜視
図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る瓦の係合部の
近傍を示す断面図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る瓦を示す斜視
図である。
【図17】本発明の第4の実施形態に係る瓦の係合部の
近傍を示す断面図である。
【図18】本発明の第5の実施形態に係る瓦の係合部の
近傍を示す断面図である。
【図19】本発明の第6の実施形態に係る瓦を示す斜視
図である。
【図20】本発明の第6の実施形態に係る瓦の係合部の
近傍を示す断面図である。
【図21】従来例に係る瓦を示す斜視図である。
【図22】従来例に係る瓦を屋根に配置する際の状態を
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 瓦 2 本体 3 尻部 4 尻側係合部 5 頭部 6 頭側係合部 7 瓦桟 8 係止具 9 取付孔 10 係合溝部 11 係合受部 12 差込受部 13 差込抑部 20 取付孔の上面(本体の尻部におけるの上面) 26 取付孔の尻側端部 27 取付孔の頭側端部 29 取付孔の下面(本体の尻部におけるの下面) 32 係止凸部 L1 係合長さ L2 取付孔の縦方向の有効長さ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体の尻部側に尻側係合部を、頭部側に
    頭側係合部をそれぞれ有し、屋根葺き時に、一の瓦の頭
    側係合部が軒側に隣接する瓦の尻側係合部と係合して配
    置される瓦において、 瓦桟に打ち込むための係止具を挿通する取付孔を縦方向
    に一定の長さを有する孔とするとともに、前記頭側係合
    部と前記尻側係合部との係合長さを前記取付孔の縦方向
    の有効長さと同一又はこれより短く形成したことを特徴
    とする瓦。
  2. 【請求項2】 前記取付孔を縦方向に長い長孔としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の瓦。
  3. 【請求項3】 前記取付孔における屋根葺き時の前記係
    止具による係止位置以外の位置に、前記係止具の頭部が
    挿通可能な拡開部を形成したことを特徴とする請求項1
    又は2記載の瓦。
  4. 【請求項4】 前記取付孔の周囲に水返しを形成したこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の
    瓦。
  5. 【請求項5】 前記取付孔の上面は、その下面を基準と
    して尻側端部よりも頭側端部が低くなるように傾斜して
    いることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に
    記載の瓦。
  6. 【請求項6】 前記本体の下面における瓦桟と接触する
    部分の頭部側に係止凸部を形成したことを特徴とする請
    求項1から5のいずれか1項に記載の瓦。
  7. 【請求項7】 前記尻側係合部として係合溝部を、前記
    頭側係合部として係合受部をそれぞれ有し、屋根葺き時
    に、一の瓦の前記係合受部が軒側に隣接する瓦の前記係
    合溝部に嵌入されて配置されることを特徴とする請求項
    1から6のいずれか1項に記載の瓦。
  8. 【請求項8】 前記尻側係合部として係合受部を、前記
    頭側係合部として係合溝部をそれぞれ有し、屋根葺き時
    に、一の瓦の前記係合溝部が軒側に隣接する瓦の前記係
    合受部に嵌合されて配置されることを特徴とする請求項
    1から6のいずれか1項に記載の瓦。
  9. 【請求項9】 前記係合受部の有効長さを前記取付孔の
    有効長さと同一又はこれより短く形成したことを特徴と
    する請求項7又は8記載の瓦。
  10. 【請求項10】 本体の横方向一側に差込受部を、横方
    向他側に差込抑部をそれぞれ有し、屋根葺き時に、一の
    瓦の前記差込受部の表側面に対して一側方に隣接する瓦
    の前記差込抑部が重合するように配置されることを特徴
    とする請求項1から9のいずれか1項に記載の瓦。
JP2000273395A 2000-08-25 2000-09-08 Pending JP2002138628A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000273395A JP2002138628A (ja) 2000-08-25 2000-09-08

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000255375 2000-08-25
JP2000-255375 2000-08-25
JP2000273395A JP2002138628A (ja) 2000-08-25 2000-09-08

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002138628A true JP2002138628A (ja) 2002-05-17

Family

ID=26598460

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000273395A Pending JP2002138628A (ja) 2000-08-25 2000-09-08

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002138628A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277938A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Tsuruya:Kk 屋根の隅棟部構造
JP2011529537A (ja) * 2008-07-29 2011-12-08 グリーン アイピー ボックス リミテッド 連結可能なタイル
CN110206232A (zh) * 2019-06-27 2019-09-06 湖北名望世家装饰材料股份有限公司 一种高耐候性高分子的屋顶装饰瓦

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007277938A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Tsuruya:Kk 屋根の隅棟部構造
JP2011529537A (ja) * 2008-07-29 2011-12-08 グリーン アイピー ボックス リミテッド 連結可能なタイル
CN110206232A (zh) * 2019-06-27 2019-09-06 湖北名望世家装饰材料股份有限公司 一种高耐候性高分子的屋顶装饰瓦

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2719423C (en) Roof structure with snow guard and method of installing
US8122649B2 (en) Interlocking tiles employing adjustable rain lock
JP2002138628A (ja)
JP3549791B2 (ja) 屋根瓦の浮き上がり防止装置
JP3526024B2 (ja) 耐風性を改善した平板瓦及びこれを葺く工法ならびにこの工法に使用する止具
JP2004225341A (ja) 屋根瓦
JPH09170296A (ja) 平板瓦
JPH10299186A (ja) 瓦固定具及び瓦の葺き構造
JP3746444B2 (ja) 平板瓦
JPS6123140Y2 (ja)
JP3095385B2 (ja)
JP2000356013A (ja) 雪止め金具
JP3535915B2 (ja) 屋根用瓦
JPS647177B2 (ja)
JP2534178B2 (ja) 建築物の屋根
JP3511103B2 (ja) 桟 瓦
JP3706088B2 (ja) 屋根用桟瓦
JP3706122B1 (ja) 防災瓦
JP2004232247A (ja) 屋根瓦、横桟及び屋根瓦の取付構造
JPH08209861A (ja) 屋根瓦
JPH11256770A (ja) 瓦の吹き上がり防止装置
JP2001132170A (ja) 屋根瓦
JP2000291208A (ja) 防災瓦
JP2000034819A (ja) 乾式施工用下地用板材とボードおよびその製造方法
JP2003343040A (ja) 耐風瓦