JP3548689B2 - 立軸ポンプの運転法及び立軸ポンプ - Google Patents

立軸ポンプの運転法及び立軸ポンプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立軸ポンプの運転方法及びそのための立軸ポンプに関し、特に例えば吸水槽が降雨により増水した際にその分を吐出水槽へ排水するのなどの場合に好適な立軸ポンプの運転方法及びそのための立軸ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の立軸ポンプの一例を図6に示す。図に見られるように、立軸ポンプは、ポンプ本体1とこれを駆動する原動機2を備え、またポンプ本体1と原動機2の間に調速やトルク伝達方向変更のため変速機3を備え、さらに変速機3内のトルク伝達経路の途中に流体継手4やクラッチなどを備えていることがある。原動機2には、一般に電動機又はディーゼル機関やガスタービン等の内燃機関が用いられる。このような立軸ポンプを用いて、例えば吸水槽5から吐出水槽(図示を省略)へ降雨時の増水分を排水する場合には、以下のような運転がなされる。原動機2の始動は、ポンプ本体1の羽根車6の位置より高い水位である運転可能最低水位より上位に設定された始動水位SWLまで吸水槽5の水位が上昇した状態でなされる。そしてこれと同時に、原動機2の動力をポンプ本体1に伝えてその羽根車6を昇速して揚水運転に入り、その後吐出弁7を開いて吐出管17から吐出水槽(図示を省略)の側へ放流している。またこの放流中は、吸水槽5の水位が運転可能最低水位LWLから高水位HWLにある間、原動機2または流体継手4を制御して羽根車6の回転数を変化させ、ポンプ本体1の吐出量を制御している。そして吸水槽5の水位が運転可能最低水位LWLより下がると、原動機2を停止させて揚水を終了する。
【0003】
従来の立軸ポンプの他の例を図7に示す。この立軸ポンプは、先行待機運転を行う方式のもので、図5の例と同様な構成の他に、ポンプ本体1の羽根車6の下側に連通する吸気管9が付加されている。このような立軸ポンプでは、吸水槽5の水位が羽根車6の位置より低い始動水位で原動機2を始動させ、羽根車6をそれが水没していない状態で100%の回転数に昇速する全速先行待機方式による運転がなされる。したがって吸水槽5の水位が羽根車6の位置となる揚水開始水位に至るまでは吸気管9を介して吸気しながら気中運転(空運転)がなされる。この状態で降雨による流入水で水位が上昇して揚水開始水位TWLに至ると、羽根車6が水没して揚水が開始される。この揚水開始時は未だ水位が十分でないため不安定な気水撹拌運転であり、水位の上昇に伴って揚水量100%の安定な揚水運転に移行する。このような運転方法の場合には、ポンプ本体の吐出量制御は通常行われておらず、水位が揚水開始水位TWL以下となると吸気管9より吸気し、さらに水位が下がって始動水位SWL以下となると羽根車以下の水は落水し、羽根車6の回転数は100%であるが揚水のない空運転を続行する。そして再び水位が上昇して始動水位以上になると、気水撹拌運転を経て揚水運転となることを繰り返す。上記のような図7の従来技術は、例えば実開昭63−150097号に開示されている。
【0004】
さらに、先行待機運転方法の別の従来例として、特開坪7−077191号に開示されたものがある。これは、立軸ポンプと原動機が連結されていて、その連結経路にクラッチが介在している。そして、原動機は常時運転状態としておき、吸水槽の水位が吸い込みまたは吐き出しを行うように定められた水位を超えたときに、クラッチをオンとし、その水位以下ではクラッチをオフとするように制御している。なお、この公知例では、ポンプ回転数の制御は行っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の立軸ポンプには以下に挙げるような欠点があり、その改善が求められていた。
【0006】
図6の立軸ポンプでは、原動機2の始動後に吐出弁7を開動作させてポンプによる揚水を開始する。したがって始動水位SWLが羽根車よりも高い位置にならざるを得ず、既に始まっている降雨等により吸水槽の水位が平常水位よりも相当に上昇した状態から揚水を開始することになる。しかるに原動機の始動からポンプ本体における揚水量が100%に達すまでに5〜10分を要するの一般である。このためポンプの運転員は、吸水槽の水位が平常水位よりも相当に上昇してしまった状態で、原動機が作動するか否かについて心配しなければならず、揚水開始まで不安な状態を強いられる。また始動水位SWLを境に原動機とポンプ本体に急激な始動と停止が繰り返されるハンチング運転となり易く、原動機やポンプ本体にかかる負担が大きくなる。
【0007】
これに対し、図7の立軸ポンプでは、全速先行待機方式であることから、羽根車の位置より低い水位で原動機を始動させることになり、その始動水位SWLが平常水位と近接している。したがって運転員は、降雨等による吸水槽の増水開始の初期に原動機の作動状態を確認することができ、図6の立軸ポンプにおけるような不安な状態を強いられずに済む。しかし原動機を始動後の揚水開始水位TWLまでは、羽根車が水没してしない空の状態で全速運転を行うことになることから、主軸を支持する水中軸受に潤滑及び冷却効果を得るために外部より清水を給水する必要があり、それだけ全体構造が複雑になる。
【0008】
また図7の立軸ポンプでは、吸気により落水させるために、始動水位SWLを羽根車より0.5D(D=吐出管の口径)程度低くし、またベルマウス13の下端を始動水位より1D程度低くし、さらに吸水槽5の床盤14とベルマウス13の下端との間に1D程度が性能面から必要である。この結果、100%の揚水量を発揮する運転可能最低水位LWLから床盤14までの水深はおよそ3Dと深くする必要があり、土木堀削量の増大を来たすことになる。
【0009】
また図7の立軸ポンプでは、羽根車が全速(100%回転数)で気中−気水撹拌−揚水の状態変化で運転されることから、ポンプ本体における水の挙動変化が急激となり、ハイドロリックなスラストや圧力変化あるいは重心位置の移動などを生じて運転中の異常振動を発生し易い。このためポンプ本体自体の強度と共にその支持強度や据付床の強度もアップする必要があるなど、ポンプシステム全体のコスト高をもたらす。
【0010】
さらに図7の立軸ポンプでは、ポンプ自体が吸水槽の水位の変化に応じて揚水や落水をなすことになるので、操作は簡易になっているものの、その反面で、設置してあるポンプ全台のポンプ長さが同一の場合(一般にはそうである場合が多い)に、この全台のポンプを運転中に、各ポンプが一斉に揚水を開始したり再開することになる。このため吸水槽の水位変動が大きくなり、揚水と落水が頻繁に発生するハンチング運転を生じ易く、また全ポンプに一斉に負荷がかかることから原動機が電動機の場合には始動突入電流で受電側異常電圧ドロップ事故につながるおそれもある。
【0011】
さらに特開平07−077191号の公知例では、吸気管を用いずに、クラッチを使って原動機を先行運転できるようにしており、ポンプ縦方向のサイズ増大に伴う高コスト化や、ポンプ内水挙動の急激な変化はさけられる。しかし、大きな動力の伝達をオンオフするクラッチでは、内部に潤滑目的で挿入されている油の粘性により、クラッチオフとなっても完全には回転が遮断されないつれまわり現象が発生する。そうすると、ポンプが揚水していなくても、回転している状態となり、このため水中軸受けの冷却手段を別途必要とするなどの問題があった。
【0012】
本発明は、上記のような従来の立軸ポンプにおける問題点に鑑みてなされたものであり、運転員の負担の軽減、機器費やその設置費の低減、それに異常振動やハンチング運転の防止などに関して、より優れた立軸ポンプの運転方法及びそのための立軸ポンプの提供を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、主軸の先端部に羽根車を備えたポンプ本体と、これを駆動する原動機と、この原動機とポンプ本体とを接続する動力伝達・遮断手段とを備えてなる立軸ポンプの運転方法において、立軸ポンプの回転を制止するためのブレーキを設け、水槽における水位が上昇し始めて羽根車よりも低い位置の始動水位に達したら、原動機を始動させる一方で動力伝達・遮断手段を遮断状態にし、且つ前記ブレーキを作動させ、こうして羽根車の回転数が0%となるように維持しながら揚水開始に備え、水槽の水位がさらに上昇して揚水開始水位に達したら、前記ブレーキを解除すると共に動力伝達・遮断手段を伝達状態にして羽根車を回転させ、且つその回転数が実揚水量0%に相当するようになるまで昇速させるようにしたことを特徴とする立軸ポンプの運転方法を提供する。
【0015】
また本発明では、上記のような立軸ポンプの運転方法において、水槽の水位がさらに上昇して運転可能最低水位に達したら、羽根車の回転数をさらに昇速させて実揚水運転を行うものとし、且つこの実揚水運転中には、水槽の水位の変化率を求め、その結果に応じて羽根車の回転数を前記実揚水量0%に相当する回転数から100%の間で変化させてポンプ本体による排水量を調節するようにした立軸ポンプの運転方法を提供する。
【0016】
また本発明では、上記のような立軸ポンプの運転方法において、水槽の水位が下降に向かい始めて始動水位まで低下したら、動力伝達・遮断手段を遮断状態にすると共に前記ブレーキを作動させ、こうして原動機を作動状態のまま羽根車の回転数が0%となるようにして次の揚水開始のために待機させるようにした立軸ポンプの運転方法を提供する。
【0017】
また本発明では、主軸の先端部に羽根車を備えたポンプ本体と、これを駆動する原動機と、この原動機とポンプ本体とを接続する動力伝達・遮断手段とを備えてなる立軸ポンプの運転方法において、
水槽の水位が上昇し始めて羽根車よりも低い位置の始動水位に達したら、原動機を始動させる一方で動力伝達・遮断手段を遮断状態にして揚水開始に備え、水槽の水位がさらに上昇して揚水開始水位に達したら、動力伝達・遮断手段を伝達状態にして羽根車を回転させ且つ、その回転数が実揚水量0%に相当するようになるまで昇速させてこの状態を維持し、この間に水槽の水位がさらに上昇して運転可能最低水位に達したら、羽根車の回転数をさらに昇速させて実揚水運転を行うものとし、且つこの実揚水運転中には、水槽の水位の変化率を求め、その結果に応じて羽根車の回転数を前記実揚水量0%に相当する回転数から100%の間で変化させてポンプ本体による排水量を調節するようにしたことを特徴とする立軸ポンプの運転方法を提供する。
【0018】
また本発明では、主軸の先端部に羽根車を備えたポンプ本体と、
このポンプ本体を駆動する原動機と、
この原動機とポンプ本体とを接続する動力伝達・遮断手段と、
水槽の水位が上昇し始めて羽根車よりも低い位置の始動水位に達したら、原動機を始動させる一方で動力伝達・遮断手段を遮断状態にして揚水開始に備えるようにするための第1の制御手段と、
水槽の水位がさらに上昇して揚水開始水位に達したら、動力伝達・遮断手段を伝達状態にして羽根車を回転させ且つ、その回転数が実揚水量0%に相当するようになるまで昇速させるための第2の制御手段と、
水槽の水位がさらに上昇して運転可能最低水位に達したら、羽根車の回転数をさらに昇速させて実揚水運転を行うものとし、且つこの実揚水運転中には、水槽の水位の変化率を求め、その結果に応じて羽根車の回転数を前記実揚水量0%に相当する回転数から100%の間で変化させてポンプ本体による排水量を調節するように制御するための第3の制御手段と、
を備えて成ることを特徴とする立軸ポンプを提供する。
【0019】
また本発明では、上記のような立軸ポンプにおいて、立て軸ポンプの回転を制止するためのブレーキと、前記第1の制御手段がその揚水開始に備える制御を行っているときに前記ブレーキを作動させるように制御する第4の制御手段とを備えたことを特徴とする立軸ポンプを提供する。
【0020】
上記のような本発明における立軸ポンプの運転方法や立軸ポンプによると、羽根車より低いレベルの始動水位で先ず原動機のみを立上げ、動力伝達・遮断手段を遮断状態にすると共にブレーキの作動でつれ廻りを防止してポンプ本体の羽根車を0%の回転数に維持した状態で待機させる。このため、始動水位を平常水位と近接させることができ、水槽(例えば吸水槽)の水位上昇が小さい間に、立上りが心配な原動機の始動を確認でき、運転員の不安を解消することができる。また羽根車の回転数を0%にしてポンプ本体を待機させるので、ポンプの空運転がない。このためセラミックス軸受等の無給水軸受を用いることができるし、清水等の外部給水ラインも不要とすることができ、システムの簡素化を図れる。さらに待機中に吐出弁の開動作を行うことができ、揚水開始時間の短縮も可能となる。
【0021】
また本発明における立軸ポンプの運転方法や立軸ポンプによると、水位が揚水開始水位に至ることで羽根車の回転を開始させ、ポンプ本体の揚水管を充水して水中軸受に自液水を給水するレベルまで昇速する。この時の羽根車の回転数は、通常の立軸ポンプではおよそ50〜70%であり、この回転数は吐出側へ揚水する能力はなく、実揚水量つまり吐出側へまで揚水する量は0%相当となる。この状態では水の状態変化やゆるやかで、且つ圧力も小さいことから、ハイドロリックスラストや圧力変動も小さくすることができる。したがって異常振動の発生を抑制でき、ポンプ強度やその設置強度などを特に高める必要がなくなり、機器費や土木費の軽減が可能となる。
【0022】
また本発明における立軸ポンプの運転方法や立軸ポンプによると、運転可能最低水位と高水位の間での実揚水運転は水位の上昇と下降の速度変化率ないし変化量を求め、その結果に応じて原動機や動力伝達・遮断手段として用いた流体継手により連続的に羽根車の回転数を実揚水量0%に相当する回転数から100%の間、具体的には例えば50〜100%の間で変化させてポンプ本体の吐出量を調節するようにしているので、水槽への流入水量に見合った揚水運転を行える。このため、水槽の水位に異常な低下を生じることがなく、ポンプ本体のオン・オフ頻度が少なくなってポンプ運転のハンチングを効果的に避けることができ、また例えば吸水槽の容量を小さなもので済ませることをも期待できる。
【0023】
また本発明における立軸ポンプの運転方法や立軸ポンプによると、水位が低下して再び揚水開始水位まで戻った際には羽根車の回転数が実揚水のない状態(ポンプ内を満たす程度の揚水はあるがポンプから吐出するまでの揚水はない状態)である50〜70%の範囲で最低レベルになるため、ポンプ本体内から落水することはないものの揚水圧力は小さくなっており、ポンプ運転に有害なキャビテーションも発生することなく吸込運転が可能である。またこの状態からさらに水位が低下して始動水位を切るようになると、動力伝達・遮断手段を遮断状態にすると共にブレーキを作動させて羽根車の回転数を0%とするので、従来のポンプシステムにおけるような気水撹拌運転やポンプ揚水管内の残水の温度上昇によるエアロック現象を効果的に防止できる。
【0024】
また本発明における立軸ポンプの運転方法や立軸ポンプによると、羽根車よりも低い位置で吸気させる吸気管を必要としないので、始動水位とベルマウスの下端の間がそれほど深くなくてよいし、また運転可能最低水位での羽根車の回転数が50〜70%と小さいことから、運転可能最低水位から床盤までの深さは従来のポンプ本体より浅くなり、2D以下でもよく、土木堀削量を大巾に少なくして土木費の軽減を図れる。しかもこの没水深さが2D以下となる条件でもポンプに吸気や偏流を起こさせないような羽根車の回転数制御を可能とする。
【0025】
また本発明における立軸ポンプの運転方法や立軸ポンプによると、降雨の継続などが予測される場合には、始動水位より低い水位になっても原動機は運転停止せずに運転続行することで、再始動時間の短縮が可能となることから、運転員の負担も軽減され安定したポンプ運転が可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5を用いて説明する。図1は、本実施形態による立軸ポンプを簡略化した断面の形態で示す。図に見られるように、ポンプ本体1は、セラミックス等の無給水水中軸受11で支持された主軸10と、その先端部に固定された羽根車6を揚水管16とベルマウス13で覆った構造とされ、変速機3を介して原動機2により駆動されるようになっている。また変速機3には、動力伝達・遮断手段としても機能する流体継手4と、原動機2だけ作動させる際に変速機3以降につれ回りが生じるのを防止するためのブレーキ15を設けてある。
【0027】
このポンプ本体1の羽根車6に対する吸水槽5における水位の関係は、原動機2を始動させる始動水位SWLが羽根車6より低い位置にあり、実揚水まで至らない揚水が始まる揚水開始水位TWLが羽根車6がほぼ水没する位置にあるようにしてある。またポンプ本体1からの吐出を伴う実揚水が開始され、揚水量が100%に達する運転可能最低水位(計画最低水位;LWL)は、揚水開始水位TWLより高い位置にあり、底盤14から2D以下の高さとしてある。
【0028】
図2は、図1の立軸ポンプにおける運転に関するタイムチャートの一例を示している。降雨により雨水が吸水槽5に流入して来ると、吸水槽5の水位が平常水位から上昇し始める。そして時刻t1で始動水位SWLに達すると、これを水位計18が検知し、これに基づいて制御装置19が指令を出すことで原動機2が始動して100%回転まで立ち上がる。一方、ポンプ本体1は、流体継手4を遮断状態にし、且つブレーキ15を作動させることで、羽根車6の回転数を0%に維持して待機する。そしてこの間にポンプ本体1の吐出弁7に開動作を行わせる。
【0029】
この間にさらに水位が上昇して、時刻t2で揚水開始水位TWLに達すると、同じく水位計18の検知に基づく制御装置19からの制御により、ブレーキ15を解除すると共に流体継手4を伝達状態にして羽根車6を回転させる。この状態では羽根車6の回転数を例えば約60%まで昇速する。この回転数では、揚水管16の内部までの揚水はあるものの、吐出側へ揚水する能力はなく、実揚水量は0%相当となっている。
【0030】
それからさらに水位が上昇して時刻t3で運転可能最低水位に達すると、水位計18で検知している吸水槽5の水位の上昇変化から水位の変化率を制御装置19が演算し、これで求められた水位変化率に応じて、羽根車6の回転数を例えば60%以上から最大100%の範囲で昇速する。この運転によりポンプ本体1は、吸水槽5から吐出水槽8に向けて揚水・吐出を続ける。
【0031】
この運転を続けている間に、吸水槽5の水位が高水位HWLを割り込んで下降に転じると、水位の変化率がマイナスになる。そうすると、この下降における水位変化率に応じて羽根車6の回転数を減速させ、水位が運転可能最低水位LWLに戻る時刻t4では例えば約60%まで落とす。その後にさらに水位が低下して時刻t5で始動水位SWLまで下がると、流体継手4を遮断状態にすると共にブレーキ15を作動させることで羽根車6の回転数を0%にして待機する。この間に水位がさらに下がって始動水位SWL以下となることがあっても、継続した降雨の可能性がある場合には、原動機2の100%回転を維持し、次の降雨で立上がる時刻t6に備える運転を行う。
【0032】
次に、図3〜図5を参照して、本発明における羽根車回転数の始動水位SWLから運転可能最低水位LWLの間での制御に関する考え方を説明する。図3は、吐出水槽8の最低水位Lが吐出管17の管底位置17Lよりも低い場合を示し、図4は、吐出水槽8の最低水位Lが吐出管17の管底位置17Lよりも高い場合を示している。これら何れの場合も、吸水槽5の水位が上昇して始動水位SWLに達した際には、原動機を立上げて100%回転にする一方で、羽根車6の回転数は揚水開始水位TWLまで0%に維持する。ここで、揚水開始水位TWLと吐出管底との差をHa1とし(図3の場合)、また揚水開始水位TWLと吐出水槽8の最低水位Lとの差をHa2とする(図4の場合)。図5は、ポンプの流量対揚程の特性を、回転数をパラメータとして図示したもので、この図から、ポンプ本体の吐出量が0%となる、つまり実揚水が0%となるポンプの回転数は、図3の場合は揚程Ha1、流量0を通る曲線の回転数で、それは約55%である。また、図4の場合は揚程Ha2、流量0を通る曲線の回転数で、それは約68%となる。すなわち図3の場合は羽根車6を約55%の回転数で回転させ、また図4の場合は羽根車6を約68%の回転数で回転させれば、吐出量は0%となって、実揚水はないものの、揚水管16の内部を自液水で満たすことができ、無給水軸受11に自液水を供給して潤滑と冷却効果を得ることができる。このことから、実揚水量0%に相当する羽根車の回転数は、一般的に50〜70%の範囲にあり、これがブレーキ解除後のポンプ回転数を約60%とした理由である。
【0033】
以上の実施形態は、雨水が流入する吸水槽から吐出水槽に向けて排水する場合に立軸ポンプを適用した例であったが、本発明をこれ以外の場合に適用し、そこでも本発明の効果を奏することが可能であることは当業者にとって容易に理解できることである。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、立軸ポンプについて、運転員の負担を軽減することができ、また機器費やその設置費を低減することも可能となり、さらに異常振動やハンチング運転も効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による立軸ポンプを吸水槽に設置した状態の概略を断面的に示した図である。
【図2】図1の立軸ポンプにおける運転に関するタイムチャートである。
【図3】吐出水槽の最低水位が吐出管の管底よりも低い場合の説明図である。
【図4】吐出水槽の最低水位が吐出管の管底よりも高い場合の説明図である。
【図5】本発明の立軸ポンプにおける吸水槽低水位状態での羽根車の回転制御についての説明図である。
【図6】従来の立軸ポンプを吸水槽に設置した状態の概略を断面状態で示した図である。
【図7】従来の他の立軸ポンプを吸水槽に設置した状態の概略を断面状態で示した図である。
【符号の説明】
1 ポンプ本体
2 原動機
3 変速機
4 流体継手(動力伝達・遮断手段)
5 吸水槽(水槽)
6 羽根車
7 吐出弁
8 吐出水槽
10 主軸
11 水中軸受
13 ベルマウス
14 底盤
15 ブレーキ
16 揚水管
17 吐出管
18 水位計
19 制御装置

Claims (6)

  1. 主軸の先端部に羽根車を備えたポンプ本体と、これを駆動する原動機と、この原動機とポンプ本体とを接続する動力伝達・遮断手段とを備えてなる立軸ポンプの運転方法において、
    立軸ポンプの回転を制止するためのブレーキを設け、水槽における水位が上昇し始めて羽根車よりも低い位置の始動水位に達したら、原動機を始動させる一方で動力伝達・遮断手段を遮断状態にし、且つ前記ブレーキを作動させ、こうして羽根車の回転数が0%となるように維持しながら揚水開始に備え、水槽の水位がさらに上昇して揚水開始水位に達したら、前記ブレーキを解除すると共に動力伝達・遮断手段を伝達状態にして羽根車を回転させ、且つその回転数が実揚水量0%に相当するようになるまで昇速させるようにしたことを特徴とする立軸ポンプの運転方法。
  2. 水槽の水位がさらに上昇して運転可能最低水位に達したら、羽根車の回転数をさらに昇速させて実揚水運転を行うものとし、且つこの実揚水運転中には、水槽の水位の変化率を求め、その結果に応じて羽根車の回転数を前記実揚水量0%に相当する回転数から100%の間で変化させてポンプ本体による排水量を調節するようにした請求項1に記載の立軸ポンプの運転方法。
  3. 水槽の水位が下降に向かい始めて始動水位まで低下したら、動力伝達・遮断手段を遮断状態にすると共に、前記ブレーキを作動させ、こうして原動機を作動状態のまま羽根車の回転数が0%となるようにして次の揚水開始のために待機させるようにした請求項2に記載の立軸ポンプの運転方法。
  4. 主軸の先端部に羽根車を備えたポンプ本体と、これを駆動する原動機と、この原動機とポンプ本体とを接続する動力伝達・遮断手段とを備えてなる立軸ポンプの運転方法において、
    水槽の水位が上昇し始めて羽根車よりも低い位置の始動水位に達したら、原動機を始動させる一方で動力伝達・遮断手段を遮断状態にして揚水開始に備え、水槽の水位がさらに上昇して揚水開始水位に達したら、動力伝達・遮断手段を伝達状態にして羽根車を回転させ、且つその回転数が実揚水量0%に相当するようになるまで昇速させてこの状態を維持し、この間に水槽の水位がさらに上昇して運転可能最低水位に達したら、羽根車の回転数をさらに昇速させて実揚水運転を行うものとし、且つこの実揚水運転中には、水槽の水位の変化率を求め、その結果に応じて羽根車の回転数を前記実揚水量0%に相当する回転数から100%の間で変化させてポンプ本体による排水量を調節するようにしたことを特徴とする立軸ポンプの運転方法。
  5. 主軸の先端部に羽根車を備えたポンプ本体と、
    このポンプ本体を駆動する原動機と、
    この原動機とポンプ本体とを接続する動力伝達・遮断手段と、
    水槽の水位が上昇し始めて羽根車よりも低い位置の始動水位に達したら、原動機を始動させる一方で動力伝達・遮断手段を遮断状態にして揚水開始に備えるようにするための第1の制御手段と、
    水槽の水位がさらに上昇して揚水開始水位に達したら、動力伝達・遮断手段を伝達状態にして羽根車を回転させ且つ、その回転数が実揚水量0%に相当するようになるまで昇速させるための第2の制御手段と、
    水槽の水位がさらに上昇して運転可能最低水位に達したら、羽根車の回転数をさらに昇速させて実揚水運転を行うものとし、且つこの実揚水運転中には、水槽の水位の変化率を求め、その結果に応じて羽根車の回転数を前記実揚水量0%に相当する回転数から100%の間で変化させてポンプ本体による排水量を調節するように制御するための第3の制御手段と、
    を備えて成ることを特徴とする立軸ポンプ。
  6. 立て軸ポンプの回転を制止するためのブレーキと、前記第1の制御手段がその揚水開始に備える制御を行っているときに前記ブレーキを作動させるように制御する第4の制御手段とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の立軸ポンプ。
JP20037198A 1998-07-15 1998-07-15 立軸ポンプの運転法及び立軸ポンプ Expired - Fee Related JP3548689B2 (ja)

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