JP5007434B2 - ポンプ設備 - Google Patents

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Description

本発明は、地下に設置されるポンプ場等、比較的、実揚程の高いポンプ場に設置するのに好適なポンプ設備に関するものである。
地下に設置されるポンプ場など、比較的、実揚程の高いポンプ場においては、機械的強度や経済性の観点から逆止弁や吐出弁を省略する場合がある。この場合、ポンプ吐出部に吐出水を止水する弁は無くなるため、ポンプ停止時にポンプ吐出管内水を逆流させながら停止することが必要となる。
図1は従来のこの種のポンプ停止時にポンプ吐出配管内水を逆流させながら停止するポンプ設備の全体の概略構成を示す図の一例である。本ポンプ設備100は、大深度地下に設置された雨水等の水を集水する吸込水槽101の水を地上等に設置された吐出水槽105に排水するためのポンプ設備である。本ポンプ設備100は、吸込水槽101、吸込配管102、ポンプ103、吐出配管104、吐出水槽105、変速機106、駆動機107、制御装置108等を備えている。
制御装置108の制御により駆動機107を起動することにより、その駆動力は変速機106からポンプ軸109に伝達され、該ポンプ軸109に取付けられた羽根車110を回転する。該羽根車110の回転により、吸込水槽101内の水は、吸込配管102、吐出配管104を通って吐出水槽105内に吐出される。吐出された水は越流堰111を越流して吐出先に流出する。
112は吐出配管104内の圧力(又は水位)を検出する圧力(又は水位)検出器であり、その圧力(又は水位)検出出力は制御装置に伝送されるようになっている。制御装置108は駆動機107や変速機106を介してポンプ103を制御して吸込水槽101内の水を上記のように吐出水槽105に揚水すると共に、揚水を停止してポンプ103を停止するときは、羽根車110の回転数を制御して、吐出配管104を通って逆流する水流量を制御しながら、吐出配管104内の全水量が落水した状態でポンプ103を停止している。
WO2005/040616A1
上記構成のポンプ設備において、下記の課題がある。
(1)駆動機107にディーゼルエンジンやガスタービンを使用する場合、ポンプ103が逆流により、駆動機107の逆回転を起こすと、重大な損傷を引き起こすため駆動機107の逆回転を起こさないように、正回転で吐出配管104内を逆流させる制御をおこなうか、逆転防止クラッチ(ワンウェイクラッチ等)を用いて対応しているが、複雑な制御を伴うことや、逆転防止クラッチの適用容量に上限があり、大容量のポンプには採用できない。
(2)上記事由により、正回転で逆流をさせてポンプ103を停止させる場合、吐出側の水位が高い場合(吐出配管104の水位が高い状態にある場合)に、逆流水(水量及び水頭)がポンプ103の羽根車110に与えるトルクが大きくなり、ポンプ103に過大な振動が生じる。
(3)駆動機107にポンプ103を逆転が許容できる電動機などで駆動する場合は、ポンプの水車特性により、無負荷の逆流による逆回転がポンプ103の定格運転時の回転数より大きくなる(1.2〜1.5倍程度)場合があり、電動機の回転子がその回転数で周速等に対する強度を満足する必要があり、特殊仕様での設計が必要であった。
(4)ポンプ103の起動時に従来吐出弁の開閉動作で、流量を徐々に上げて定格の排水運転点で制御していたが、吐出弁を省略する場合、略瞬時に定格運転点(水量)に到達するため、その過渡現象による吐出水槽105等の吐出し先への影響を配慮する必要がある。例えば、ポンプ始動時の過渡的な噴出流が吐出水槽105の天端に当り、土木躯体に影響を及ぼす。又は天端に開口部が設けられている場合は、この開口部からポンプ場外に水が噴出する可能性があり、地上設備の損傷や点検員等の安全性に配慮する必要がある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記課題を解決し、安全で信頼性が高く、且つ安価で経済性に優れたポンプ設備を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本願発明は、吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記吐出配管の前記吐出水槽内の立上部を略垂直に配置し、該立上部上端との間に下式で示される距離hを設けて吐出水の突流を防御する突流水防御板を設けたことを特徴とする。
h>v /(2×g)
ここで、vは前記ポンプの定格水量Qにおける前記立上部内の流速、gは重力加速度を示す。
また、本願発明は、上記ポンプ設備において、前記吐出配管の前記吐出水槽内の吐出口近傍に該吐出口を通って逆流する水量を制限する仕切板を設け、該仕切板を水に浮上する浮上構造体とし、その下端を前記吐出水槽の底面にヒンジ機構で回動自在に支持すると共に、水位の上下に応じ上下に揺動し、且つ前記ポンプ停止時その上端が水面より上にあることを特徴とする。
また、本願発明は、上記ポンプ設備において、前記ポンプは駆動機により直接又は減速機を介して駆動されるようになっており、前記ポンプ停止時に前記逆流で該ポンプが逆転する場合、前記駆動機又は減速機に前記ポンプの逆転トルクを消費するポンプ逆転トルク消費装置を設け、前記ポンプ逆転トルク消費装置と前記駆動機の連結部、又は前記ポンプ逆転トルク消費装置と前記減速機の連結部にポンプ逆転時にのみ前記ポンプ逆転トルク消費装置にトルクを伝えるワンウェイクラッチ機構を設けたことを特徴とする。
また、吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記吐出配管の前記吐出水槽内立上部を略垂直に配置すると共に、該立上部上端吐出口近傍に該吐出口を通って逆流する水量を制限する仕切部を設け、該仕切部上端レベルを前記吐出水槽の最高水位以上としたことを特徴とする。
また、吸込水槽、吸込配管、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記吸込配管を通して前記ポンプで吸込み、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に吐出し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記吸込配管に設けたメンテナンス用弁を使用して前記ポンプ停止時における逆流水頭が高い状態で逆流水量を制御して前記ポンプに生じる異常又は過大振動を軽減させることを特徴とする。
また、吸込水槽、吸込配管、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記吸込配管を通して前記ポンプで吸込み、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に吐出し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記吸込配管に設けたメンテナンス用弁に緊急遮断機構を設け、前記ポンプ吐出側水位が計画水位以上となる異常時又は前記ポンプ重故障トリップ時に該緊急遮断機構により水の逆流を遮断することを特徴とする。
また、吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記吐出配管下流部又は下流端に前記ポンプ停止の逆流時の水流に対して、水頭損失を与え、逆流水量を減少させる逆流水量抑制機構を設けたことを特徴とする。
また、吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記吐出配管の水位が前記ポンプの異常又は過大振動に影響を及ぼさない位置と及ぼす位置の境界近傍に、前記ポンプ停止の逆流時の水流に対して、水頭損失を与え、逆流水量を減少させる逆流水量抑制機構を設けたことを特徴とする。
また、上記ポンプ設備において、前記吐出配管の前記逆流水量抑制機構より前記ポンプ側の吐出配管において、前記ポンプの停止時に空気を流入させる空気流入管を設けたことを特徴とする。
また、吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記吐出配管の前記吐出水槽内立上部を略垂直に配置し、前記ポンプの吐出流量を制御する吐出流量制御手段を設け、該ポンプ起動時に発生する突流水を防止することを特徴とする。
また、吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記ポンプは駆動機により直接又は減速機を介して駆動されるようになっており、潤滑油を貯留する潤滑油補助タンクを設け、前記駆動機が逆転する場合、前記駆動機の軸受及び減速機の軸受等の潤滑油給油箇所に前記潤滑油補助タンクから潤滑油を供給する潤滑油供給手段を設けたことを特徴とする。
また、吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記ポンプは駆動機により直接又は減速機を介して駆動されるようになっており、前記駆動機が逆転する原因となる機器の故障を検出する故障検知器を設け、該故障検知器が故障を検知した場合、前記駆動機の軸受及び減速機の軸受等の潤滑油給油箇所に強制的に潤滑油を供給する潤滑油供給手段を設けたことを特徴とする。
また、吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、前記ポンプ逆転の場合に、該ポンプを駆動する駆動機の逆転を防止するための逆転防止用クラッチを前記ポンプの主軸よりも回転数の高い軸部に設けたことを特徴とする。
本願発明によれば、吐出配管の吐出水槽内の立上部を略垂直に配置し、該立上部上端との間に距離h(h>v /(2×g) ここで、vは前記ポンプの定格水量Qにおける前記立上部内の流速、gは重力加速度を示す。)を設けて吐出水の突流を防御する突流水防御板を設けたので、ポンプの始動時の過渡的な噴出流が吐出水槽の天端又は天端に設けられた開口部からポンプ設備外に影響を及ぼさないようにすることができ、定格運転時の吐出水流の邪魔にならず、ポンプの全揚程を上げることなく、過渡現象による影響を防止することができる。
また、本願発明によれば、吐出配管の吐出水槽内の吐出口近傍に該吐出口を通って逆流する水量を制限する仕切板を設け、該仕切板を水に浮上する浮上構造体とし、その下端を吐出水槽の底面にヒンジ機構で回動自在に支持すると共に、水位の上下に応じ上下に揺動し、且つポンプ停止時その上端が水面より上にあるので、水頭の高い位置の水量が少なくなり、吐出配管内の水位を短時間でポンプに過大振動が生じない水位にすることが可能となる。吐出水槽の水位が計画最高水位以上の水位となる異常状態が発生した場合でも吐出水槽の水が逆流するのを防止できる。よって簡単でかつ安価な構成で健全な停止を可能にすると共に、ポンプの停止時間を短くすることができ、短時間でポンプの再始動による排水(揚水)動作に備えることが可能となり、ポンプ停止後の吸込水槽への急な水の流入への排水対応が可能となり、信頼性の高いポンプ設備を提供できる。また、吐出水糟の水位に応答して仕切上端位置が変化するため、ポンプに必要な実揚程も低くなり、効率の良い(消費エネルギーの少ない)ポンプ運転が可能となる。
また、本願発明によれば、ポンプ逆転トルク消費装置と駆動機の連結部、又はポンプ逆転トルク消費装置と減速機の連結部にポンプ逆転時にのみポンプ逆転トルク消費装置にトルクを伝えるワンウェイクラッチ機構を設けたので、ポンプの逆転時のみポンプ逆転トルク消費装置を駆動することになり、ポンプの揚水運転時に動力損失が発生せず効率の良い定常運転が可能となる。
以下、本願発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図2は本発明(請求項1の発明)に係るポンプ設備の概略構成を示す図である。本ポンプ設備10は、地下に設置された吸込水槽11、地上等に設置された吐出水槽12、吸込配管13、ポンプ14、吐出配管15を備え、吸込水槽11の水を吸込配管13を通してポンプ14で吸込み、吐出配管15を通して吐出水槽12に吐出す(揚水)るようになっている。16はエンジン又はガスタービン又は電動機からなる駆動機であり、該駆動機16の回転力は減速機17を介してポンプ14に伝達するようになっている。なお、駆動機16の回転数がポンプと一致する立軸の場合は、減速機17は省略できる。
上記ポンプ設備10において、ポンプ14が停止した場合、吐出配管15及び吸込配管13を通して水が吸込水槽11に逆流するのを許しており、ポンプ14の回転数を制御しながら、吐出配管15内の水位を徐々に低下させている。ところが、吐出水槽12には図3に示すように、越流堰12−1が設けられており、ポンプ14が停止した場合、越流堰12−1と吐出水槽12の側壁で囲まれた部分の大容量の水が吐出配管15及び吸込配管13を通して吸込水槽11に逆流する。これによりポンプ停止時には長時間にわたり、過大な振動をポンプ14に生じることになる。
そこでここでは、図2に示すように、吐出配管15の吐出水槽12内の立上部18を略垂直に配置すると共に、該立上部18の上端吐出口18aのレベルを吐出水槽12の最高水位HWL2以上とした。これによりポンプ停止時逆流する水量は立上部18を含む吐出配管15内の水のみとなり、ポンプ14の振動原因となる水頭の高い位置の水量が少なくなる。これにより、短時間にポンプ14に過大(異常)な振動が生じない水位にすることが可能となり、安全に且つ短時間でポンプを停止することが可能となる。よって安全で信頼性の高いポンプ設備を構築できる。
ここで吸込水槽11内の水位をWL1とし、該水位WL1から立上部18の上端吐出口18aまでの落差をH1とすると、吐出配管15の水位が逆流により低下し、水位WL1からの落差がH2になるとポンプ14の過大な振動は著しく低下する。なお、図2において、20は吸込水槽11の底面、21は吸込水槽11の側壁、22は駆動機16及び減速機17等の設置床面、24は側壁である。また、図3おいて図2と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。また、本実施形態例における他の図面においても同様とする。また、H2は概略H2≒0.7H1程度であるが、使用するポンプの特性により、適宜設定を変更するものとする。
上記のように、水頭の高い位置の水量を少なくすることにより、吐出配管15内の水位を短時間にポンプに過大振動が生じない水位とすることができると共に、ポンプ14の停止までの時間を短くすることが可能となり、吸込水槽11内に急な流入水があった場合でも、迅速なポンプ14の再始動により排水対応が可能となる。よって排水ポンプ設備としての信頼性を向上させ、浸水被害を未然に防ぐことが可能となる。
水頭の高い位置の水量を少なくする方法としては、図4(請求項2発明)に示すように、立上部18を含む落差H2(H2≒0.7H1)より上方(下流側:吐出水槽側)の吐出配管15の径を落差H2の下方(上流側:ポンプ側)の径より小さくしてもよい。この場合も立上部18の上端吐出口18aのレベルを吐出水槽12の最高水位HWL2以上とする。これにより上記と同様、水頭の高い位置の水量が少なくなり、短時間でポンプに過大振動が生じない水位することができると共に、ポンプ14の停止までの時間を短くすることが可能となり、吸込水槽11内に急な流入水があった場合でも、迅速なポンプ14の再始動により排水対応が可能となる。よって排水ポンプ設備としての信頼性を向上させ、浸水被害を未然に防ぐことが可能となる。
水頭の高い位置の水量を少なくする方法(請求項3の発明)としては、図5に示すように、吐出水槽12を吐出配管15の上部吐出口15aを挟むように2枚の仕切板25で仕切り、吐出配管15を通って逆流する水を該2枚の仕切板25、25の間の水に限定するようにしてもよい。この場合仕切板25の上部25aのレベルを、吐出水槽12の最高水位HWL以上とする。また、図6に示すように、1枚の仕切板25を吐出配管15の上部吐出口15aに近づけて配置し、該仕切板25と吐出水槽12の壁面12a、12b、12cで上部吐出口15aを囲んでもよい。また、図7に示すように、円筒状の仕切26で上部吐出口15aを囲んでもよい。この場合は、仕切26の上端レベルは最高水位HWL2以上とする。また、図8に示すように、断面コ字型の仕切27と吐出水槽12の壁面12aで上部吐出口15aを囲んでもよい。この場合仕切板27の上端のレベルを、吐出水槽12の最高水位HWL2以上とする。
また、図2及び図4に示す構成のポンプ設備では、吸込配管13に通常メンテナンス用弁28を設けている。このメンテナンス用弁28を使用してポンプ14停止時、水頭が高い状態の逆流水量を制御して、逆流水量をポンプに過大振動を生じさせない水量にし、逆流によるポンプ14に与える流体力を抑制し、ポンプ14に生じる振動を軽減させることができる(請求項4の発明)。これによると格別な費用をかけることなく、健全なポンプ14の停止動作が可能となる。
図9は本発明(請求項5の発明)に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。本ポンプ設備10が図2に示すポンプ設備と異なる点は、吐出配管15の放流部29が吐出配管15の立上部18を囲む筒状又は矩形状になっている点である。放流部29はその比重が水より小さく水に浮上する浮上構造体となっている。そして吐出水槽12の水位WL2の上下に応じ上下動し、且つポンプ14の停止時その吐出口29aが水面より上に位置するようになっている。これにより水頭が高い状態での逆流水量を低減させ、ポンプ14に生じる振動を軽減させることができる。また、放流部29を浮上構造体とすることにより、吐出水槽12の計画最高水位(HWL2)以上の吐出水位となる異常状態が発生した場合でも、該吐出水槽12内の水が吐出配管15を通して、吸込側に逆流することを防止できるから、信頼性の高いポンプ設備10を構築することができる。
図2に示すように、吐出配管15の吐出水槽12内の立上部18を略垂直に配置すると共に、該立上部18の上端吐出口18aのレベルを吐出水槽12の最高水位HWL以上とした場合は、吐出水槽12の水位の変動に関係なく、ポンプ14の揚水能力(揚程)は、吐出水槽12内の立上部18の上端吐出口18aのレベルが吐出レベルとなる。これに対して上記のように放流部29を浮上構造体とすることにより、吐出水槽12の水位に応じて放流部29の上端位置が変化するため、下記に示すように、ポンプ14に必要な実揚程が低くなり、効率のよい(無駄なエネルギー消費の無い)、経済的なポンプの運転が可能となる。
図2に示すポンプ設備の実揚程Hは
H=(立上部18の上端レベル)−(吸込水槽11水位レベルWL1)
図9に示すポンプ設備の実揚程H’は
H’=(吐出水槽12の水位WL2)−(吸込水槽11水位レベルWL1)
H≧H’
図10は本発明(請求項6の発明)に係るポンプ設備の吸込水槽部分の概略構成例を示す図である。吐出配管15の吐出水槽12内の立上部18の近傍に仕切板30を設けている。該仕切板30を水に浮上する浮上構造体とし、その下端を吐出水槽12の底面にヒンジ機構31で回動自在に支持すると共に、吐出水槽12の水位WL2の上下に応じ上下動し、且つポンプ停止時その上端が水位WL2より上にあるようにしている。また、仕切板30が鉛直に立ったとの上端位置は最高水位HWL2以上になるようにする。
上記のように立上部18の近傍に浮上体構造の仕切板30を設け、吐出水槽12の水位WL2の上下に応じ揺動して上下動するようにすることにより、図9に示すポンプ設備と同様、吐出水槽12の水位WL2に応じて仕切板30の上端位置が変化するため、下記に示す、ポンプ14に必要な実揚程が低くなり、効率のよい(無駄なエネルギー消費の無い)、経済的なポンプの運転が可能となる。
図2に示すポンプ設備の実揚程Hは
H=(立上部18の上端レベル)−(吸込水槽11水位レベルWL1)
図10に示すポンプ設備の実揚程H’は
H’=(吐出水槽12の水位WL2)−(吸込水槽11水位レベルWL1)
H≧H’
図9及び図10に示すポンプ設備において、図9に示すように、吸込配管13に設けたメンテナンス用弁に緊急遮断機構(例えば重錘式緊急遮断機構)を設け、吐出水槽12の水位WL2が計画水位HWL2以上となる異常時又はポンプ14の重故障トリップによるポンプ14の正逆転制御不能時に、水の逆流を防止する(請求項7の発明)。これにより異常時の逆流防止とポンプ制御不能時におけるポンプ14の逆転を防止することができ、信頼性の高いポンプ設備が構築できる。
図11は本発明(請求項8の発明)に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。本ポンプ設備10が図2に示すポンプ設備と異なる点は、吐出配管15の立上部18の上端にポンプ停止の逆流時の水流に対して、水頭損失を与え、水流量を減少させる逆流水量抑制機構35を設けた点である。逆流水量抑制機構35の一例としては図12に示すように、逆流時の水流に対して水頭損失を与える水頭損失板36を備え、該水頭損失板36はヒンジピン37により、立上部18の上端に回動自在支持されている。そして吸込水槽11の水を吐出水槽12に揚水している時は、図12(a)に示すように、水頭損失板36はヒンジピン37を中心に上方回動して立上部18の吐出口18aを大きく開放し、逆流時は図12(b)に示すように、ヒンジピン37を中心に略水平位置まで回動し、立上部18の吐出口18aの一部を閉じる。即ち、立上部18の吐出口18aの実質開口面積は揚水時は大きく、逆流時は小さくなる。
従来、揚水時は水を通し、逆流時は水を完全に止水する逆流防止弁(チェッキ弁やフラップ弁等)がある。このような逆流防止弁には下記のような問題がある。
(a)逆流防止弁に加わる荷重は吐出側水位と吸込側水位の差であり、実揚程の高いポンプ設備にあっては、基本的に逆流防止弁の設置位置に関わらず、弁体に加わる荷重が大きくなり、弁体や弁体を支持する弁軸などの剛性を上げる必要があり、高価なものとなると共に、弁型式によっては、現実的に対応できないという場合があった。
(b)吐出配管の吐出部が鉛直に設置されていると、ポンプ吐出水に含まれる塵芥により、逆流防止弁が閉塞し、止水機能が満足しない可能性があり、設置には十分な配慮が必要であった。
上記逆流水量抑制機構35は逆流時に水流を完全に止めるのではなく、逆流水に対して水頭損失を与え、逆流水量を減少させる構成である。水頭損失板36に加わる水頭荷重は吐出側と吸込側の水位差ではなく、正逆流時に生じる水流の損失水頭となり、従来の逆流防止弁に比べて、強度を大きくする必要がなく極めて簡易な構造とすることが可能である。これにより安価な機構で十分な水頭損失と逆流水量減少効果を生じさせることが可能となる。また、上記逆流水量抑制機構35は、逆流を許容するので、吐出配管15の吐出水槽12内の立上部18を鉛直に設置したとしても、逆流水流により塵芥を除去しやすく、従来の逆流防止弁のように閉塞等の危険性はない。
また、ポンプ14を逆転が許容される電動機などで駆動する場合は、ポンプ14の水車特性により、無負荷時の逆流による逆回転数はポンプ運転時の回転数より大きくなる(1.2〜1.5倍程度)場合があり、電動機はその回転数で回転子の周速等に対する強度を満足する必要があり、特殊な仕様での設計が必要であり、高価なものとしていた。ここで、上記逆流水量抑制機構35を用いることで、逆流水量減少及び水頭損失効果により、逆転回転数をほぼ、正回転時と同程度の回転数で設計することが可能となる。よって、特殊な仕様・設計を必要としない安価な電動機を採用することが可能である。また、これにより経済性の優れたポンプ設備を構築することが可能となる。また、駆動機16に逆転可能な特殊なディーゼルエンジンを使用する場合においても、上記逆流水量抑制機構35により、ポンプの逆転回転数を正回転数で設計することが可能であり、ピストンの速度で略定格速度以内で構成でき、特殊設計を必要としない安価で経済性の良いポンプ設備を提供できる。
また、従来は図3に示すように、水頭の高い位置で吐出水槽12内の包蔵水量が吐出配管15内に逆流し、水位の高い状態での逆流水量が多いことによる過大な振動をポンプに与えていたが、水頭の高い位置での逆流水量を少なくすることにより、ポンプ14に加わる流体力を低減し、流体力(水頭、流量)が及ぼすポンプ14の異常振動を抑え、安全な停止を可能とする。これにより信頼性の高い設備を構築することが可能となる。
なお、図11に示すポンプ設備において、ポンプ14は縦軸斜流渦巻ポンプを想定した例であるが、ポンプ14は通常の縦軸ポンプでもよく、横軸の渦巻ポンプでもよい。
図13乃至図15は逆流水量抑制機構35の構成例を示す図である。図13に示す逆流水量抑制機構35では、円板に切り欠き部36aを形成した形状の1枚の水頭損失板36を備え、該水頭損失板36がヒンジピン37で立上部18の上端部に回動自在に設けられた構成である。なお、図13(a)は平面図、図13(b)はA−A断面図である。
また、図14に示す逆流水量抑制機構35では、半円板に半円状の切り欠き部36aを形成した形状の一対の水頭損失板36を備え、各水頭損失板36をヒンジピン37で立上部18の上端部に回動自在に設けた構成である。なお、図14(a)は平面図、図14(b)はA−A断面図である。なお、図12、図13、図14に示す逆流水量抑制機構35の取付け位置は立上部18の上端に限定されず、上端近傍の上流側(ポンプ側)でもよい。
また、図15に示すように、逆流水量抑制機構35では、立上部18の上端(下流側端)に開口部のない通常のフラップ弁36’をヒンジピン37で開閉自在に設け、該フラップ弁36’から上流側(ポンプ側)に支管41を設けた構成である。逆流時は支管41より逆流させることにより、正流時(揚水時)と逆流時の流体の通過面積を変える。なお、図15(a)は平面図、図15(b)はA−A断面図である。また、図15(c)に示すように、支管41の内部に逆止弁41aを設け、通常運転時(揚水時)は支管41より放流させず、逆流時のみ流体が支管41を通過するように構成してよい。
図16は本発明に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。本ポンプ設備10が図11に示すポンプ設備と異なる点は、逆流水量抑制機構35を吐出配管15内のレベルCに設けた点である。このレベルCは吐出配管15内の水位がポンプ14に過大振動が発生する領域Aとポンプ14に異常振動が発生しなくなる領域Bの境界位置、即ち、吸込水槽11の水位WL1と吐出水槽12の最高水H位WL2の落差H1(図2参照)の約70%の水位レベルH2(H2≒0.7H1)である。また、H2は概略H2≒0.7H1程度であるが、使用するポンプの特性により、適宜設定を変更するものとする。
図17は上記逆流水量抑制機構35の揚水(正流)時と逆流時の動きを示す図であり、図17(a)は揚水時、図17(b)は逆流時を示す。揚水時は図17(a)に示すように、水頭損失板36は正流水(上方に流れる水)による押し上げ力を受け、ヒンジピン27を中心に上方に回動し、大きい水流断面積となる。逆流時は図17(b)に示すように、水頭損失板36は逆流水(下方に流れる水)による押し下げ力を受け、ヒンジピン37を中心に下方に回動し、略水平位置となり小さい水流断面積となる。このように逆流水量抑制機構35をレベルC、即ち吐出配管15内の水位がポンプ14の過大振動が発生する領域Aと発生しない領域Bの略境界レベルに設けることにより、ポンプ14に過大振動が発生する水頭域の逆流水量を減らして、過大振動を抑制すると共に、過大振動が発生しない水頭域になると逆流水量は抑制されることなく、速やかに落水でする。これによりポンプ14の安全停止が可能となる。
図11に示すポンプ設備と同様、逆流水量抑制機構35は逆流時に水流を完全に止めるのではなく、水流に対して水頭損失を与え、逆流水量を減少させるので、水頭損失板36に加わる水頭荷重は吐出側と吸込側の水位差ではなく、正逆流時に生じる水流の損失水頭となり、従来の逆流防止弁に比べて、強度を極めて小さくすることが可能であり、安価な機構で十分な効果生じさせることが可能である。また、上記逆流水量抑制機構35は、逆流を許容するので、吐出配管15内に水頭損失板36を設置したとしても、逆流水流により塵芥を除去しやすく、従来の逆流防止弁にくらべて、閉塞等の危険性はない。
また、ポンプ14を逆転が許容される電動機などで駆動する場合は、上記のようにポンプ14の水車特性により、無負荷時の逆流による逆回転数がポンプ運転時の回転数より大きくなる(1.2〜1.5倍程度)場合があり、電動機はその回転数で回転子の周速等に対する強度を満足させる必要があり、特殊な仕様での設計が必要であった。ここで、上記逆流水量抑制機構35を用いることで、逆流水量及び水頭損失効果により、逆転回転数をほぼ、正回転時と同程度の回転数で設計することが可能であり、特殊な仕様・設計を必要としない安価な電動機を採用することが可能である。また、それにより経済性の優れた設備を構築することが可能である。また、駆動機16に逆転可能な特殊なディーゼルエンジンを使用する場合においても、上記逆流水量抑制機構35により、ポンプの逆転回転数を正回転時と同程度の回転数で設計することが可能であり、ピストンの速度で略定格速度以内で構成でき、特殊設計を必要としない安価で経済性の良いポンプ設備を提供できる。
図18は図16に示すポンプ設備において、吐出配管15の逆流水量抑制機構35の設置位置よりポンプ14側に空気を流入させる空気流入管38を設けている(請求項10の発明)。これによりポンプ停止時に吐出配管15内の水頭がポンプ14に過大振動を発生しない領域(図16のB域参照)に空気を流入(注入)することが可能となる。なお、空気流入管38の上端は吐出水槽12の最高水位HWL2以上になるようにする。これにより、揚水時に該空気流入管38を通して水が吐出されるのを防止できる。
上記ように吐出配管15内の逆流水量抑制機構35の設置レベル以下に空気流入管38の空気吐出口38aを設置し、ポンプ14の停止時吐出配管15内に空気40が流入することにより、ポンプ14の停止時、高落差域(過大振動発生域)と低落差域(過大振動が発生しない域)で逆流時の縁が切れ、低落差域の吐出配管15内の水は速やかに落水する。その後、問題となる高落差域の吐出配管15内の水が逆流水量抑制機構35によりその流水量が制限されて滝状に落水することになる。これにより、ポンプの過大振動を抑制すると共に、ポンプ14の停止時間を短縮することができ、短時間でポンプの再始動による排水(揚水)動作に備えることが可能となり、ポンプ停止後の吸込水槽への急な水の流入への排水対応が可能となり、信頼性の高いポンプ設備を提供できる。
また、空気流入管38が無い場合、逆流量制御機構のポンプ側吐出配管内は負圧となり、高落差域の吐出配管15内の水が圧力差により空気を入れた場合より、多く逆流するため、空気流入管38を設けることで、より逆流水量を制御することが可能となり、ポンプ14の振動を軽減することができる。
図19は空気流入管38に逆止弁又は自動空気抜弁39を設けた例を示す。これにより、空気流入管38の上端を吐出水槽12の最高水位HWL2以上にしなくても、揚水時に空気流入管38を通って水が吐出されることはない。よって、空気流入管38の長さを短くできる。
図20は本発明(請求項11の発明)に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。図示するように、本ポンプ設備10は、吐出配管15の吐出水槽12内の立上部18を略垂直に配置し、該立上部18の上端との間に下式で示される距離hを設けて吐出水の突流を防御する突流水防御板42を設けている。
h>v2/(2×g)
ここで、vは前記ポンプの定格水量Qにおける前記吐出配管15(立上部18)内の流速、gは重力加速度を示す。
ポンプ14の定格運転時においては、図21に示すように、ポンプ14の吐出す水流は吐出配管15の吐出水槽12内の立上部18の上端吐出口18aより(v2/(2×g))だけ高く盛り上がって流れる。立上部18の上端吐出口18aの上方に突流水防御板42を設けることにより、ポンプ14の始動時の過渡的な噴出流が吐出水槽12の天端43又は天端43に設けられた開口部44(図20参照)からポンプ場外に影響を及ぼさないようすることができるが、突流水防止板42の設置位置によっては、ポンプ14の定格運転時の水流の邪魔となり、無駄なエネルギーの消費となる。図21に示すように、突流水防御板42を立上部18の上端吐出口18aよりh>aとなる位置に取り付けることにより、定格運転時の吐出水流の邪魔にならず、ポンプ14の全揚程を上げることなく、過渡現象による影響を防止することができる。
上記のように吐出配管15の吐出水槽12内の立上部18を略垂直に配置し、ポンプ14の吐出し水流を略垂直に放流するポンプ設備10において、ポンプ14の始動時の突流水を発生しないようにするために、始動時の吐出し流量を制御する吐出流量制御機構を設けることにより、効果的にポンプ始動時の突流を防止できる(請求項12の発明)。この吐出流量制御機構としては、例えばポンプ14の回転数を制御する回転数制御手段やポンプ翼角を制御するポンプ翼角制御手段がある。
また、図20に示すポンプ設備において、ポンプ14は駆動機(エンジン又はガスタービン)16により減速機17を介して駆動されるようになっており、ポンプ停止時に逆流を許容するポンプ設備10において、非常時に逆転が起こる可能性がある場合(例えば、逆転防止クラッチの故障等による駆動機16が逆転する場合等)、該駆動機16と減速機17(減速機17は必要な場合に設置)に逆転による軸受損傷を防止するため、ポンプ設備10内に潤滑油補助タンク46を設け、該潤滑油補助タンク46内の潤滑油48を制御弁49を介して駆動機16や減速機17の軸受部(図示せず)に供給するようにする(請求項13の発明)。
軸受の損傷は、駆動機16や減速機17の故障の中でも、非常に大きな要素であり、万が一故障した場合、現場での迅速な復旧を行うことができず、これら機器をメーカの工場に搬入し、大掛かりな補修が必要となる。この場合、日数も相応な日数が必要となり、通常、予備機を設置していない排水機場等では、この補修期間に必要とされる排水能力を備えていないことになる。このような状態で、排水機場能力を決めたのと同等の降雨(流入水)が生じた場合、排水能力不足により、周囲の浸水被害をおこすことになる。
そこで上記のように、潤滑油補助タンク46内の潤滑油48を制御弁49を介して駆動機16や減速機17の軸受部に供給できるようにすることで、軸受損傷(逆転による油切れからなる焼き付き)を防止することが可能となり、必要最小限度の現場修理及び期間での排水能力を回復することが可能となる。従って、より信頼性の高いポンプ排水設備を構築できる。
また、上記のようにポンプ停止時に逆流を許容するポンプ設備10において、例えば逆転防止クラッチの故障等により駆動機16が逆転する等、非常時に駆動機16の逆転が起こる可能性がある場合、故障発生部に故障の発生を検知する検知器を設け、該故障検知器を検知した場合、駆動機16の軸受及び減速機17の軸受に強制的に潤滑油を供給する潤滑油供給手段を設けることにより、駆動機16と減速機17の逆転による軸受損傷を防止することができる(請求項14の発明)。
図22は本発明(請求項16の発明)に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。本ポンプ設備10は、図示するように、減速機17の回転軸にワンウェイクラッチ52を介して逆転トルク消費装置51を連結している。ポンプ14の停止時の逆流でポンプ14が逆転する場合、ワンウェイクラッチ52を介して逆転トルク消費装置51を回転させる。このようにワンウェイクラッチ52を介することにより、逆転時のみ逆転トルク消費装置51を駆動するようにでき、ポンプ14の揚水運転時、即ちポンプ14の正回転運転時の動力損失が発生しない。なお、ワンウェイクラッチ52ではなく、逆流の時のみ該逆転トルク消費装置51を減速機17の回転軸に接続するようにしてもよい(請求項15の発明)。
駆動機16が電動機で減速機17が必要でない場合、図23に示すように、駆動機(電動機)の回転軸にワンウェイクラッチ52を介して逆転トルク消費装置51を連結させてもよい。
逆転トルク消費装置51がない従来のポンプ設備では、上述のようにポンプ特性により、無負荷(拘束力のない状態)時の逆流による逆回転がポンプ運転時の回転数より大きくなる(1.2〜1.5倍程度)場合があり、電動機はその回転数で回転子の周速等に対する強度を満足する必要があり、特殊仕様での設計が必要である。ここでは逆転トルク消費装置51があるから、逆回転に対する拘束力が生じ、逆回転数を定格(100%)の回転数まで制限することが可能であり、特殊な駆動機設計を必要としない安価な駆動機を採用することで、経済性のよいポンプ設備を構成できる。
従来の技術として、駆動機16を発電電動機(この場合は減速機17は必要ない)として、逆流時のポンプ14の逆転回転に上記発電電動機で拘束力を与えることも考えられるが、本ポンプ設備10の場合、逆回転が起こる時間は数分程度であり、且つ発生回数は年に数回程度である。駆動機と同等の発電機機能を駆動機16に設けることは、経済性の観点から現実的でない。ここでは駆動機(電動機)16が逆転を許容できる回転数(100%)まで落とせるだけの拘束力を与える逆転トルク消費装置51でよいから、簡易且つ容量の小さい消費装置を設置するのみでよく、経済性の優れた設備を構成することが可能となる。
図24は本発明(請求項17の発明)に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。本ポンプ設備10は、駆動機(エンジン又はガスタービン)16と減速機17の間に逆転防止クラッチ(ワンウェイクラッチ等)54を設けている。これにより、ポンプ14の停止時の駆動機16の逆転を防止できる。なお、ここでは、駆動機16と減速機17の間に逆転防止クラッチ54を設けたが、これに限定されるものではなく、逆転防止クラッチはポンプ14の主軸よりも回転数の高い軸部に設けるとよい。例えば、駆動機16にガスタービンを用いた場合、タービン部は毎分数千〜1万回転で回転し、その回転出力を減速機を介して外部に出力するようになっているのが通常である。この場合、このタービン部と減速機の間に逆転防止クラッチ(ワンウェイクラッチ等)を設けてもよい。
逆転防止クラッチの仕様は逆転防止クラッチに作用するトルクによって決まる。トルクは、下式によって決まるため、回転数が大きい部分では、逆転防止クラッチに作用するトルクを小さくすることができ、安価又は安全率の高い逆転防止クラッチを採用することが可能となる。従って、逆転防止クラッチ54をポンプ14の主軸よりも回転数の高い軸部に設けることにより、経済性、信頼性に優れたポンプ設備を構築することが可能となる。また、逆転防止クラッチの容量には限界があるため、逆転防止クラッチ54をポンプ14の主軸よりも回転数の高い軸部に設けることにより、従来採用できないポンプの容量範囲で、逆転防止クラッチの採用が可能となる。
負荷トルクT=α×{(ポンプ出力kW)/(回転数rpm)}
αは係数、
上記実施形態の説明では、請求項1乃至請求項17に係る発明の実施形態例を独立に説明したが、例えば段落番号0028乃至0044に示すように、請求項1乃至請求項17に係る発明をいくつか組み合わせた発明も当然あり得る。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
従来のポンプ設備の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。 従来のポンプ設備の吐出水槽部の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の吐出水槽部の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の吐出水槽部の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の吐出水槽部の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の吐出水槽部の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の吐出水槽部の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の吐出水槽部の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の逆流水量抑制機構の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の逆流水量抑制機構の略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の逆流水量抑制機構の略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の逆流水量抑制機構の略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の逆流水量抑制機構の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の逆流水量抑制機構の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の逆流水量抑制機構の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の吐出配管の上端部概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の概略構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の減速機と逆転トルク消費装置の結合構成例を示す図である。 本発明に係るポンプ設備の略構成例を示す図である。
符号の説明
10 ポンプ設備
11 吸込水槽
12 吐出水槽
13 吸込配管
14 ポンプ
15 吐出配管
16 駆動機
17 減速機
18 立上部
25 仕切板
26 仕切
27 仕切
28 メンテナンス用弁
29 放流部
30 仕切板
35 逆流水量抑制機構
36 水頭損失板
37 ヒンジピン
38 空気流入管
41 支管
42 突流水防御板
43 天端
44 開口部
46 潤滑油補助タンク
48 潤滑油
49 制御弁
51 逆転トルク消費装置
52 ワンウェイクラッチ

Claims (3)

  1. 吸込水槽、ポンプ、吐出配管、吐出水槽を備え、前記吸込水槽の水を前記ポンプにより、前記吐出配管を通して前記吐出水槽に揚水し、前記ポンプ停止時に前記吐出配管を通して逆流を許容するポンプ設備において、
    前記吐出配管の前記吐出水槽内の立上部を略垂直に配置し、該立上部上端との間に下式で示される距離hを設けて吐出水の突流を防御する突流水防御板を設けたことを特徴とするポンプ設備。
    h>v /(2×g)
    ここで、vは前記ポンプの定格水量Qにおける前記立上部内の流速、gは重力加速度を示す。
  2. 請求項1に記載のポンプ設備において、
    前記吐出配管の前記吐出水槽内の吐出口近傍に該吐出口を通って逆流する水量を制限する仕切板を設け、該仕切板を水に浮上する浮上構造体とし、その下端を前記吐出水槽の底面にヒンジ機構で回動自在に支持すると共に、水位の上下に応じ上下に揺動し、且つ前記ポンプ停止時その上端が水面より上にあることを特徴とするポンプ設備。
  3. 請求項1又は2に記載のポンプ設備において、
    前記ポンプは駆動機により直接又は減速機を介して駆動されるようになっており、
    前記ポンプ停止時に前記逆流で該ポンプが逆転する場合、前記駆動機又は減速機に前記ポンプの逆転トルクを消費するポンプ逆転トルク消費装置を設け、
    前記ポンプ逆転トルク消費装置と前記駆動機の連結部、又は前記ポンプ逆転トルク消費装置と前記減速機の連結部にポンプ逆転時にのみ前記ポンプ逆転トルク消費装置にトルクを伝えるワンウェイクラッチ機構を設けたことを特徴とするポンプ設備。
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