JP2008008204A - 排水機場の制御装置 - Google Patents

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Yoshihiro Uchida
義弘 内田
Ko Fujino
耕 藤野
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Abstract

【課題】故障が発生した場合でも排水量を0にまで低下させない排水機場の制御装置を提供する。
【解決手段】排水機場は、ポンプ10と、該ポンプ10を駆動する駆動機30とを備え、さらに、排水機場の運転状態を示す検知器71と、検知器71の出力値が所定の警告点に到達したときに、ポンプ10を低負荷で運転させる制御装置90とを備える。本発明の制御装置90は、排水機場の運転状態を示す検知器の出力値が所定の警告点に到達したときに、ポンプ10を低負荷で運転させるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、水を移送するための排水機場の制御装置に関し、特に排水機場における不測の故障時において、可能な限り排水運転を継続させ、運転停止による浸水被害を防止するための制御装置に関するものである。
排水機場は、降雨により増水した河川の水を強制的に本川(大河川)に移送し、河川の氾濫を防止するものである。このため、故障による排水機能の停止は、結果として河川の氾濫につながり、周辺地域への浸水を発生させる。浸水は、農作物被害や家屋被害、最悪の場合、死傷者の発生につながる災害であり、安全性および経済性の観点からも未然に防ぐことが重要である。排水機場の排水機能(ポンプ運転)を確保することは、この浸水被害を防止するために必要な条件であり、可能な限りポンプを健全な状態で運転させることが重要とされる。
従来の排水機場においては、可能な限りポンプを健全な状態に維持するため、ポンプに復旧が難しいような損傷を与えない程度の故障を検知して、操作員に警告を発し、故障原因を排除することを促す軽故障検知と、そのまま運転を継続すると復旧に長期間を有するような甚大な損傷を与える危険がある状態を検知し、ポンプを非常停止させる重故障検知という2つの故障検知が行われている。
しかしながら、従来の技術においては以下のような課題があり、完璧な信頼性(河川氾濫の防止能力の確保)は得られていない。
(1)予備機(予備ポンプ)を備えていない。
排水機場の排水能力(排水量)は、統計的な降雨確率や過去の降雨実績等から決められており、現在の排水機場には予備機が設けられていない。これは、予備機の設置は非常に高価であり、コストが高くなるという理由によるものである。しかしながら、予備機がないと、ポンプやその駆動機などに重大な故障が発生してポンプを停止させたときに、必要な排水能力が確保できず、場合によっては浸水被害を発生させるおそれがある。
(2)一つの排水機場に設置されるポンプの台数が少ない。
一般的に、一つの排水機場には2〜4台程度のポンプが設置されている。これは、機場スペースや経済性の観点からポンプ台数が少ない方が有利であるためである。しかしながら、ポンプの設置台数が少ないとポンプ1台当たりの吐出量が大きくなるため、1台のポンプの故障停止による排水能力(排水量)低下の度合いが大きくなるというデメリットがある。この問題の対策として、経済性の悪化を容認して台数を増やすことが考えられるが、ポンプ停止による排水量の低下の度合いは小さくなるものの、台数が多くなった分、ポンプ故障が発生する確率が高くなるというデメリットが生じる。
(3)故障のない機器は存在しない。
故障の発生しない機器の製造は、現実的に不可能である。現状は、故障の要因となる補機等の系統機器を省略するなどの簡素化により故障発生の要因を削減し、信頼性を上げている程度である。
(4)軽故障を検知した後の運転継続を考慮した設備となっていない。
軽故障を検知した場合は警報を発するのみであり、その後の処置については操作員に委ねられている。このため、操作員の熟練度等により故障復旧が行えない場合がある。近年においては、操作員が排水機場内に常駐していない無人機場もあり、復旧の作業が行えず、結果として重故障に発展し、ポンプが非常停止して排水能力を低下させてしまっている。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたもので、故障が発生した場合でも、排水機場のポンプ自体の排水量を0にまで低下させない排水機場の制御装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、ポンプと、該ポンプを駆動する駆動機とを備えた排水機場の制御装置であって、前記排水機場の運転状態を示す検知器の出力値が所定の警告点に到達したときに、前記ポンプを低負荷で運転させるように構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記出力値が前記所定の警告点に到達したときに、回転速度制御または翼角度制御により前記ポンプの吐出量を低下させてポンプ負荷(ポンプの運転に必要な軸トルク)を低減させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記制御装置は、故障の原因となる項目を示す一覧表を有し、前記出力値が前記所定の警告点に到達したときに、故障により前記ポンプが非常停止するおそれがあると判断し、故障の原因と考えられる項目を前記一覧表に基づいて提示することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記駆動機はガスタービンユニットであり、該ガスタービンユニットに換気用の開口部を設け、前記出力値が前記所定の警告点に到達したときに、前記開口部を開動作させるように構成されていることを特徴とする。
なお、ポンプの回転速度を変化させた場合のポンプ吐出量及びポンプ負荷は、次式により表される。
Q’=Q×(N’/N)
P’=P×(N’/N)
ここで、Qは定格回転速度におけるポンプ吐出量、Q’はポンプの回転速度を変えた後のポンプ吐出量、Pは定格回転速度におけるポンプ負荷、P’は回転速度を変えた後のポンプ負荷、Nは定格回転速度、N’は変更された回転速度を表す。
上記式から分かるように、ポンプの回転速度を下げると、吐出量が僅かに少なくなるが、吐出量の低減割合に比べ、ポンプ負荷は大きく低減される。つまり、ポンプの排水機能を極力維持しながら、ポンプ負荷を下げることが可能となる。
本発明によれば、ポンプを低負荷で運転させることにより、駆動機にかかる負荷を低減させることができ、これにより、重大な事故の発生を未然に防止し、かつ運転停止を回避することができる。したがって、従来の排水停止に対し、排水能力(排水量)を確保することができるので、浸水被害の発生を防止することが可能である。つまり、本発明によれば、経済性および安全性の観点から優れた排水機場を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、排水機場の全体構成を示す概略図である。
図1に示すように、排水機場は、吸水井1に貯留される水を汲み上げるポンプ10と、ポンプ10の吐出側に配置される電動吐出弁20と、ポンプ10を駆動する駆動機としてのガスタービンユニット30と、ガスタービンユニット30の出力軸35の回転速度を減速させる減速機50と、減速機50に潤滑油を供給する潤滑油供給ユニット60と、ガスタービンユニット30に燃料を供給する燃料小出槽70と、燃料を貯留する燃料槽75と、燃料槽75から燃料小出槽70に燃料を移送する2台の燃料移送ポンプ80とを備えている。
また、排水機場は、ガスタービンユニット30などの排水機場を構成する各要素に故障が生じたか否かを検知する制御部(排水機場の制御装置)90を備えている。吸水井1は導水路等を介して河川(中小河川)に連通しており、図示しない水門を操作することにより、河川の水が吸水井1に導入されるようになっている。
本実施形態に採用されているポンプは、回転軸が鉛直方向に設置される、いわゆる立軸ポンプである。このポンプ10は、吸込ベルマウス11a及び吐出しボウル11bを有するインペラケーシング11と、インペラケーシング11を吸水井1内に吊り下げる吊下管12と、吊下管12の上端に接続される吐出曲管13と、吐出曲管13の吐出側端部に接続される排出管14とを備えている。インペラケーシング11内には図示しない羽根車が収容され、この羽根車は回転軸(立軸)15を介して減速機50に連結されている。吊下管12は、吸水井1上部のポンプ据付床に形成された挿通孔を通して下方に延び、かつポンプ据付床に固定されている。回転軸15は、吐出曲管13、吊下管12、及びインペラケーシング11内を通って縦方向に延びている。
ガスタービンユニット30の出力軸35は連結シャフト36を介して減速機50に連結され、さらに回転軸15を介してインペラケーシング11内の羽根車に連結されている。したがって、ガスタービンユニット30を駆動することにより羽根車が回転し、これにより吸水井1内の水が吸込ベルマウス11aから吸い込まれ、吊下管12、吐出曲管13、および排出管14を通って図示しない本川(大河川)に移送される。ポンプ10の運転時においては、羽根車を収容するインペラケーシング11は、水面よりも下に位置している。なお、立軸ポンプに代えて、横軸ポンプでもよく、また、ポンプの型式は、斜流ポンプや軸流ポンプ、または渦巻ポンプなどのポンプを用いてもよい。
ガスタービンユニット30には燃料小出槽70から燃料が供給され、これによりガスタービンユニット30が運転される。なお、本実施形態では、燃料として重油、軽油または灯油が用いられている。この燃料小出槽70には燃料槽75から燃料移送ポンプ80によって燃料が補充されるようになっている。燃料小出槽70に貯留されている燃料の液面レベルは液面センサ71により計測されており、この液面センサ71の出力値(液面レベル)は制御部90に送られる。
図2は、図1に示すガスタービンユニットの模式図である。図2に示すように、ガスタービンユニット30は、減速機33を介して出力軸35に連結される出力タービン31と、この出力タービン31に供給するガスを発生させるガスジェネレータ32と、スターターとして機能するDCモータ39とを備えている。ガスジェネレータ32は、燃焼器32aと、圧縮空気を生成する圧縮機32bと、圧縮機32bに連結される高圧タービン32cとから基本的に構成されている。
燃料小出槽70からの燃料は燃料移送ポンプ40により移送され、フィルタ41を通って燃焼器32aに供給される。燃焼器32aでは、燃料が圧縮空気と混合されて混合気が生成され、この混合気が燃焼することで高圧ガスが発生する。高圧ガスは高圧タービン32cを回転させ、これに連結される圧縮機32bを駆動する。圧縮機32bの駆動に伴い、ユニット外部の空気が吸気フィルタ42および吸気サイレンサ43を通じて吸入され、圧縮機32bにより圧縮されて圧縮空気となる。ガスジェネレータ32で発生した高圧ガスは出力タービン31に供給され、これにより出力軸35が回転する。出力タービン31を通過したガスは排気サイレンサ34を通って排気ガスとして外部に排出される。
ガスタービンユニット30には、潤滑油循環システム(図示せず)が組み込まれており、各タービンを支持する軸受に潤滑油を供給するように構成されている。軸受から熱を受け取った潤滑油は、潤滑油循環システムに組み込まれた冷却機により冷却される。潤滑油の温度は、図示しない温度センサにより計測されており、温度センサの出力値(潤滑油の温度)は制御部90に送信される。また、ガスタービンユニット30には、ガスタービン構成機器などの冷却も含めたパッケージ用の換気ファン37が設けられている。
ガスタービンユニット30から排出される排気ガスの温度は温度センサ38により計測されており、温度センサ38の出力値(排気ガス温度)は制御部90に送られるようになっている。また、ガスジェネレータ32内のロータ(高圧タービン32cおよび圧縮機32b)の回転速度、および出力軸35の回転速度も図示しない速度センサにより計測されており、これら速度センサの出力値(ロータおよび出力軸35の回転速度)は制御部90に送られるようになっている。
潤滑油供給ユニット60は潤滑油を移送する潤滑油移送ポンプ61を備えており、この潤滑油移送ポンプ61を駆動することにより、潤滑油は減速機50と潤滑油供給ユニット60との間を循環する。減速機50は複数の歯車およびこれら歯車の軸を支持する軸受などから構成され、潤滑油供給ユニット60より冷却された潤滑油の供給により歯車および軸受が潤滑される。減速機50内には油圧センサ51が設けられており、減速機50に供給された潤滑油の油圧が油圧センサ51によって計測されるようになっている。また、減速機50内には温度センサ52が設けられており、歯車及び軸受の潤滑により減速機50から熱を受け取った潤滑油の温度が計測される。油圧センサ51および温度センサ52の出力値(潤滑油の圧力および温度)は制御部90に送られるようになっている。
潤滑油供給ユニット60には、潤滑油を冷却するための冷却ファン62が設けられており、減速機50から熱を受け取った潤滑油は冷却ファン62により冷却され、再び減速機50に送り込まれる。また、冷却ファン62の上流側にはフィルタ63が設けられており、これにより潤滑油中の不純物が取り除かれる。
制御部90は、上述した各センサの出力値に基づいて排水機場の運転状態が正常であるかどうかを判断する。すなわち、制御部90は、排水機場の運転状態を示すセンサの出力値を監視し、出力値が所定の設定値に達したときには故障が生じたと判断する。排水機場における故障は、注意を喚起するために警報のみを発報する軽故障と、運転を継続させると機場に重大な損傷が発生するため、すぐに運転を停止させることが必要とされる重故障とに分類される。
図3はガスタービンユニットの故障例を示す表である。図3に示すように、ガスタービンユニット30における重故障の例としては、ガスタービン始動渋滞、潤滑油温度高、排気ガス温度高、潤滑油圧力低、ガスジェネレータ速度高、出力軸速度高、出力軸速度低、制御系異常などが挙げられる。また、軽故障の例としては、排気ガス温度センサ断線、ガスタービン停止渋滞、換気ファン故障、燃料小出槽油面低下などが挙げられる。ここで、「渋滞」とは、ある一定の時間内に所定の動作が起こらないことをいう。また、ここでいう「潤滑油」は、ガスタービンユニット30内を循環する潤滑油のことである。
次に、制御部の動作について図4および図5を参照して説明する。図4は排気ガスの温度に基づいてガスタービンユニットに故障が発生したことを制御部が検知する様子について説明するグラフである。通常、ガスタービンユニット30が正常に運転されている間は、排気ガスの温度はほぼ一定に保たれている。しかしながら、ガスタービンユニット30に何らかの異常が発生した場合、図4に示すように、排気ガスの温度が上昇することがある。排気ガスの温度が上昇し続け、重故障検知点に到達すると、制御部90はガスタービンユニット30に重故障が発生したと判断する。そして、制御部90は電動吐出弁20およびガスタービンユニット30に運転停止指令を出し、電動吐出弁20を閉じるとともに、ガスタービンユニット30の運転を停止させる。しかしながら、上述したように、排水機場の運転停止は河川の氾濫を招く可能性を高くし、周辺地域に浸水被害を発生させてしまう危険性を大きくする。
そこで、本実施形態では、制御部90が重故障の発生を予測し、重故障が発生する前にポンプ10を低負荷で運転させることで排水機場の運転停止を回避する。すなわち、図4に示すように、重故障検知点の手前に中故障検知点(警告点)を設け、排気ガスの温度が中故障検知点に到達したときに、制御部90は中故障が発生したと判断する(図5のステップ1)。このとき、制御部90は、ガスタービンユニット30の回転速度(出力軸35の回転速度)を、例えば低70%にまで低下させ、ガスタービンユニット30を減速運転させる(ステップ2)。
ガスタービンユニット30の回転速度を70%にまで低下させることにより、ポンプ10の吐出量は定格吐出量の70%にまで低下するが、排水機場の排水機能は確保される(すなわち、排水機場の排水量は0とならない)。この場合、ポンプ10の駆動機(本実施形態ではガスタービンユニット30)にかかる負荷は約35%にまで軽減できるので(ステップ3)、図4の点線に示すように、排気ガスの温度上昇を抑えることが可能となる。したがって、排気ガスの温度は重故障検知点に到達せず、重故障によるポンプトリップ(緊急停止)を防止することが可能となる。
低負荷運転を行っている間に、操作員が排気ガスの温度上昇の原因を調査及び特定し(ステップ4)、ガスタービンユニット30の復旧作業を行う(ステップ5)。復旧作業が完了した後、ガスタービンユニット30の回転速度を上昇させ(ステップ6)、ポンプ10を定格速度で運転させる(ステップ7)。これによりポンプ10の排水能力は100%となる。このように、ポンプ10の吐出量を定格吐出量からある程度低下させることにより(すなわち、ポンプ10を低負荷で運転させることにより)、駆動機としてのガスタービンユニット30にかかる負荷を軽減することができる。したがって、重故障による排水機場の運転停止を未然に防ぐことができる。
排気ガスの温度上昇の原因として考えられるのは、図3に示すように、負荷の増大、排気ダクト圧損増(ダクトのつぶれ等)、給気温度の上昇、ガスタービンユニット30の制御システムの故障などである。したがって、制御部90は、排気ガスの温度が中故障検知点(警告点)に到達したときに、排水機場に何らかの故障が発生していると判断し、図3に示す表に基づいて、排気ガスの温度上昇の原因として推定される原因を提示することが好ましい。このようなガイダンス機能により、操作員は中故障の原因を速やかに特定し、これを取り除くことができる。したがって、復旧作業に要する時間を短縮させることができるとともに、排水機場の信頼性を向上させることができる。
なお、本実施形態は、ガスタービンユニット30の運転速度を低下させる例を示しているが、可変速型流体継手を有している場合には、この流体継手を操作することによりポンプ10の回転速度を下げるようにしてもよい。また、駆動機として電動機を用いている場合には、インバータ装置などの回転速度制御装置により電動機の回転速度を下げるようにしてもよい。また、駆動機としてディーゼルエンジンを用いる場合には、エンジンガバナにより回転速度を下げるようにしてもよい。さらには、ポンプ10の羽根車の翼角度を変えることで吐出量を下げるようにしてもよい。つまり、ポンプ10の運転を継続させつつ、ポンプ10の前記手段により吐出量を低下させることで、故障の原因となる、または誘因する負荷を軽減させることが重要である。
図6はガスタービンユニット内を循環する潤滑油の温度に基づいてガスタービンユニットに故障が発生したことを制御部が検知する様子について説明するグラフである。図6に示すように、重故障検知点の手前には中故障検知点が設けられ、潤滑油の温度が中故障検知点に到達したときに、制御部90は中故障が発生したと判断する(図7のステップ1)。このとき、制御部90は、ガスタービンユニット30の回転速度(出力軸35の回転速度)を、例えば低70%にまで低下させ、ガスタービンユニット30を減速運転させる(ステップ2)。同時に、ガスタービンユニット30の図示しないパッケージ扉(キャビネット扉)を開く。
潤滑油の温度が上昇しているということは、ガスタービンユニット30の換気ファン37が故障しているか、排水機場を収容する建物に付帯する換気設備が故障しているために建物内の温度が上昇している可能性がある。そこで、ガスタービンユニット30を低速運転させることに加え、ガスタービンユニット30のパッケージ扉を開け、換気を行うことにより、潤滑油の冷却効果を向上させることができる。なお、パッケージ扉を開放することに代えて、換気用の開口部をガスタービンユニット30あるいはダクトに設け、これを開くようにしてもよい。さらに、建物の窓や扉を開くことにより、冷却効果をさらに向上させてもよい。パッケージ扉、換気用開口部、建物の扉の開動作は作動装置により自動的に行ってもよく、操作員にこれらの開動作を行うようディスプレイにガイダンスとして表示させてもよい。
ガスタービンユニット30の回転速度を70%にまで低下させることにより、ポンプ10の吐出量は定格の70%にまで低下するが、排水機場の排水機能は確保される(すなわち、排水機場の排水量は0とならない)。この場合、ポンプ10の駆動機(本実施形態ではガスタービンユニット30)にかかる負荷は約35%にまで軽減できるので(ステップ3)、図6の点線に示すように、潤滑油の温度上昇を抑えることが可能となる。したがって、潤滑油の温度は重故障検知点に到達せず、重故障によるポンプトリップ(緊急停止)を防止することが可能となる。
低負荷運転を行っている間に、操作員が潤滑油の温度上昇の原因を調査及び特定し(ステップ4)、ガスタービンユニット30の復旧作業を行う(ステップ5)。復旧作業が完了した後、ガスタービンユニット30の回転速度を上昇させ、ポンプ10を定格速度で運転させる(ステップ6)。これによりポンプ10の排水能力は100%となる。
潤滑油の温度上昇の原因として考えられるのは、図3に示すように、潤滑油冷却器故障、換気ファンの故障、ガスタービンユニットの制御システムの故障などである。したがって、制御部90は、排気ガスの温度が中故障検知点(警告点)に到達したときに、排水機場に何らかの故障が発生していると判断し、図3に示す表に基づいて、潤滑油の温度上昇の原因として推定される原因を提示することが好ましい。このようなガイダンス機能により、操作員は中故障の原因を速やかに特定し、これを取り除くことができる。したがって、復旧作業に要する時間を短縮させることができるとともに、排水機場の信頼性を向上させることができる。
なお、この例では、ガスタービンユニット30内を循環する潤滑油の温度に基づく故障検知について説明したが、減速機50を潤滑させる潤滑油の温度に基づいて故障検知を行ってもよい。
図8はガスタービンユニットに燃料を供給する燃料小出槽の液面レベルに基づいて故障が発生したことを制御部が検知する様子について説明するグラフである。図3に示すように、燃料小出槽70の液面レベルの低下は軽故障に分類されているが、燃料小出槽70が空になると、重大な故障につながる。特に、燃料小出槽70が空になると、ガスタービンユニット30の機関の燃料配管に空気が入り、燃料を補充して再始動する前に、機関内に入った空気を抜く作業が必要となる。このような作業は駆動機としてガスタービンを用いた場合でもディーゼルエンジンを用いた場合でも必要な作業である。この作業は複雑であり、専門の整備員がこの作業を行う必要がある。このため、空気抜きを含む復旧作業には相当の時間が必要となり、排水機場の信頼性を著しく損じてしまう。
また、燃料切れが起こると、機関での燃焼が行えなくなり、出力軸35の速度が低下し、やがてポンプトリップ(緊急停止)となる。運転が停止している間、排水量は0となってしまうため、排水機場の周辺地域に浸水被害をもたらすおそれがある。つまり、燃料切れになる前に燃料を燃料小出槽70に補給し、運転を継続させることが重要となる。
そこで、本実施形態では、図8に示すように、重故障検知点の手前に軽故障検知点(警告点)を設け、燃料小出槽70の液面レベルが軽故障検知点に到達したときに、制御部90は軽故障が発生したと判断する(図9のステップ1)。このとき、制御部90は、ガスタービンユニット30の回転速度(出力軸35の回転速度)を、例えば低70%にまで低下させ、ガスタービンユニット30を減速運転させる(ステップ2)。
ガスタービンユニット30の回転速度を70%にまで低下させることにより、ポンプ10の吐出量は定格の70%にまで低下するが、排水機場の排水機能は確保される(すなわち、排水機場の排水量は0とならない)。この場合、ポンプ10の駆動機(本実施形態ではガスタービンユニット30)にかかる負荷は約35%にまで軽減できるので(ステップ3)、図8の点線に示すように、燃料消費量を一時的に低減させ、補充に要する時間を確保することができる(ステップ4)。したがって、燃料小出槽70の液面レベルは重故障検知点に到達せず、重故障によるポンプトリップ(緊急停止)を防止することが可能となる。燃料小出槽70への燃料の補充が完了した後、ガスタービンユニット30の回転速度を上昇させ(ステップ5)、ポンプ10を定格速度で運転させる(ステップ6)。これにより排水能力は100%となる。
このように、本発明によれば、重事故の発生を予測してポンプを低負荷運転させることにより、重事故の発生を未然に防止することができる。したがって、排水機場の排水量が0となることが回避され、周辺地域への浸水被害を防ぐことができる。
排水機場の全体構成を示す概略図である。 図1に示すガスタービンユニットの模式図である。 ガスタービンユニットの故障例を示す表である。 排気ガスの温度に基づいてガスタービンユニットに故障が発生したことを制御部が検知する様子について説明するグラフである。 制御部の動作を示すフローチャートである。 ガスタービンユニット内を循環する潤滑油の温度に基づいてガスタービンユニットに故障が発生したことを制御部が検知する様子について説明するグラフである。 制御部の動作を示すフローチャートである。 ガスタービンユニットに燃料を供給する燃料小出槽の液面レベルに基づいて故障が発生したことを制御部が検知する様子について説明するグラフである。 制御部の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 吸水井
10 ポンプ
11 インペラケーシング
12 吊下管
13 吐出曲管
14 排出管
15 回転軸
20 電動吐出弁
30 ガスタービンユニット
31 出力タービン
32 ガスジェネレータ
32a 燃焼器
32b 圧縮機
32c 高圧タービン
33 減速機
34 排気サイレンサ
35 出力軸
36 連結シャフト
37 換気ファン
38 温度センサ
39 DCモータ
40 燃料移送ポンプ
41 フィルタ
42 吸気フィルタ
43 吸気サイレンサ
50 減速機
51 油圧センサ
52 温度センサ
60 潤滑油供給ユニット
61 潤滑油移送ポンプ
62 冷却ファン
63 フィルタ
70 燃料小出槽
71 液面センサ
75 燃料槽
80 燃料移送ポンプ
90 制御部

Claims (4)

  1. ポンプと、該ポンプを駆動する駆動機とを備えた排水機場の制御装置であって、
    前記排水機場の運転状態を示す検知器の出力値が所定の警告点に到達したときに、前記ポンプを低負荷で運転させるように構成されていることを特徴とする排水機場の制御装置。
  2. 前記出力値が前記所定の警告点に到達したときに、回転速度制御または翼角度制御により前記ポンプの吐出量を低下させてポンプ負荷を低減させることを特徴とする請求項1に記載の排水機場の制御装置。
  3. 前記制御装置は、故障の原因となる項目を示す一覧表を有し、
    前記出力値が前記所定の警告点に到達したときに、故障により前記ポンプが非常停止するおそれがあると判断し、故障の原因と考えられる項目を前記一覧表に基づいて提示することを特徴とする請求項1または2に記載の排水機場の制御装置。
  4. 前記駆動機はガスタービンユニットであり、該ガスタービンユニットに換気用の開口部を設け、前記出力値が前記所定の警告点に到達したときに、前記開口部を開動作させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の排水機場の制御装置。
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