JP2021156170A - ポンプ装置及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】維持管理や分解点検を省力化し、大水量から小水量の幅広い範囲の排水を行えるとともに、設備のスペースやポンプ容量に関係なく落水時の逆転防止対策を行え、費用を抑えつつより簡易な設備構成を有するポンプ装置を提供する。【解決手段】駆動軸を回転させる原動機24と、原動機の駆動軸に接続している入力軸と出力軸とを有するトルク伝達装置23と、入力軸が前記トルク伝達装置の出力軸に接続している減速機21と、減速機の出力軸に接続している回転軸を有するポンプと、トルク伝達装置を制御する制御装置30と、を備え、トルク伝達装置は、電気をかけることで生じる場の作用で粘性が変化する粘性流体を内蔵し、制御装置は、前記トルク伝達装置に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することで前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸へ伝達されるトルクを制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、排水機場等に設けられるポンプ装置及びこのポンプ装置が備えるトルク伝達装置を制御する制御装置に関する。
従来のこの種のポンプ設備は、ポンプが渦を吸い込まない水位レベル(LWL)以上で運転を行い、LWL以下ではポンプを停止している。このためポンプ吸水槽への水の流入量のバランスが悪い場合(小水量で流れ込んでくる場合等)には、始動・停止を繰り返してしまい、操作・運用性に難があったとともに、故障の確率(危険性)が大きい状態であった。
上記のような問題を解決するために、下記特許文献1乃至6に開示されている対策がとられることもあった。
特許文献1には、気中運転や気水攪拌運転を行わず、全力排水運転のみを行うポンプの先行待機運転方法に係る発明が開示されている。この発明では、ポンプ駆動原動機の出力軸とポンプシャフトとの動力伝送経路中にクラッチを装着し、前記原動機をポンプの吸込水位又は吐出水位に関係なく運転を継続し、吸込水位又は吐出水位が設定値に達したときクラッチをON或いはOFFにすることにより、ポンプ羽根車を回転あるいは停止している。
特許文献2には、揚水遮断運転への切替え時に揚水管内の残存水を速やかに排出して、振動や騒音を抑制すると共に、原動機の燃料消費量を低減してエネルギーの消費を抑え、かつ構造の簡略化を図った排水ポンプの待機運転方法に係る発明が開示されている。この発明では、原動機と主軸の間にクラッチを介設し、水位が揚水開始水位RWLを越える領域から、揚水開始水位RWLを経て揚水遮断水位SWLに低下するまでの間はクラッチがONの状態で正規排水運転を行い、水位が揚水遮断水位SWLまで低下した時点でクラッチをOFFして、主軸及び羽根車の回転を停止させて、揚水を遮断するとともにポンプ内の残存水Wを短時間で吸水井に落水させている。
特許文献3には、揚水遮断運転への切替え時に揚水管内の残存水を速やかに排出して、振動や騒音を抑制するとともに、原動機の燃料消費量を低減してエネルギーの消費を抑える排水ポンプの待機運転方法に係る発明が開示されている。この発明では、原動機と主軸の間にクラッチを介設し、水位が揚水開始水位RWLを越える領域から、揚水開始水位RWLを経て揚水遮断水位SWLに低下するまでの間はクラッチのON状態で全速排水運転を行い、水位が揚水遮断水位SWLまで低下した時点でクラッチをOFFして、主軸及び羽根車の回転を停止させて、揚水を遮断すると共にポンプ内の残存水Wを短時間で吸水井に落水させた後、再びクラッチをONして全速待機運転を行なうようにしている。
特開平7−77191号公報 特開平9−264287号公報 特開平10−18989号公報 特開2000−27788号公報 特開2012−77684号公報 特開平6−117392号公報
しかしながら、上記特許文献1乃至特許文献3に開示されている発明においては、先行待機運転にクラッチの嵌脱を用いる場合、駆動機の始動回数は減るものの、クラッチの嵌脱回数は多くなり、クラッチの寿命・維持管理が課題となる。また、クラッチの消耗部となるクラッチ板は、外見上から見ることが難しく、摩擦状況は分解点検を行なわなければ分からない難しい部分である。クラッチの嵌合回数が増える場合、クラッチ板の消耗・交換の判断が維持管理上の大きな課題になる。従来であれば、クラッチ板の磨耗状況はクラッチ機構を分解して点検することになるが、非常に精密な作業であり、一般のポンプ設備の運用者ではできないという問題があった。これらの特許文献では、この課題については触れておらず、運用性は向上したものの、信頼性については課題を残したままである。
特許文献4には、運転員の負担の軽減、機器費・設置費の低減、異常振動やハンチング運転の防止などを図る立軸ポンプの運転方法に係る発明が開示されている。この発明では、水槽の水位が始動水位SWLに達したら、原動機を始動させ、流体継手を遮断し、かつブレーキを作用させて羽根車の回転数が0%となるように維持しながら揚水開始に備え、水槽の水位が揚水開始水位TWLに達したら、流体継手を伝達状態にして羽根車を回転させ、その回転数が実揚水量0%に相当するようになるまで昇速させ、水槽の水位が更に上昇して運転可能最低水位LWLに達したら、水槽の水位変化率に応じて羽根車の回転数を実揚水量0%に相当する回転数から100%の間で変化させて実揚水運転を行い、ポンプ本体による排水量を調節している。
しかしながら、上記特許文献4に開示されている発明では、上記特許文献1乃至3と同様に、クラッチ(流体継手ともいう)の維持管理、信頼性の確保については、課題を残したままである。また、流体継手による回転数制御機能を付加しているため、当該流体継手には、高価で構造が複雑な可変速型流体継手を使用する必要があり、経済性にも課題がある。
特許文献5には、油圧クラッチ又は湿式クラッチ等の嵌脱手段とポンプ間に、嵌脱手段を脱嵌中にポンプ管内を水が逆流した場合のポンプの逆転を抑制することを目的として、ポンプの回転を抑制する回転抑制機構をもうけ、ポンプの逆転中に嵌脱手段が嵌合して原動機の原動機トルクと、逆流による逆転トルクが軸系に作用することを防止している。
また、クラッチの摩耗や劣化に関する維持管理については、クラッチの嵌合指令の積算回数を記録し、記録された積算嵌合回数が交換推奨嵌合回数以上になった場合などに、クラッチの異常(クラッチ板の交換推奨) を警報するなどの警報システムを備えていた。
しかしながら、回転抑制機構(逆転防止クラッチ)は、水が逆流した場合にポンプに生じる大きな逆回転のトルクに抗するために、大きな拘束力が必要となり、必要な拘束力が多くなるにつれて回転抑制機構の装置のスペースが必要となるが、ポンプ機場の空間的な制約等により、必ずしも配置できるとは限らないのが実情である。
また、クラッチの摩耗や劣化に関する維持管理について、クラッチの嵌合指令の積算回数を記録して管理する警報システムは、複雑な判断システムを構築する必要があり、適切な交換時期を伝えることに貢献はしても、やはり、クラッチ板の磨耗状況はクラッチ機構を分解して点検するうえで、専門の作業者が必要であり、その人材の育成や手配の問題があった。
特許文献6には、立軸ポンプの流量制御に関して、低揚程小水量には、可変翼の翼角制御を用い、高揚程大水量の範囲は、エンジンのガバナ制御で回転数制御することにより、流量調整範囲の幅を広げて運転することが提案されている。
しかしながら、エンジンの回転数制御(特にディーゼル)は自立運転の関係上限界があり、フル回転に対し80%程度の回転数までしか回転を下げられない。このため、たとえば河川治水で、増水した支川から本川に排水するポンプ機場の場合、吐出側の本川が氾濫危険高水位(HWL)に近づくにつれて、本川の堤防決壊を防止するために、支川から本川に排水するポンプの水量を、次第に低水量に漸減しながら運転することが求められるが、実際には、回転数を低減しても80%までしか低減できず、小水量の制御が困難であった。また、広範囲の回転数制御を行うには、ポンプの運転時に共振を起こす回転数を回避しなければならないが、回転数制御の範囲が限定的であるので、回避できない場合があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、維持管理や分解点検を省力化し、大水量から小水量の幅広い範囲の排水を行えるとともに、設備のスペースやポンプ容量に関係なく落水時の逆転防止対策を行いつつ、費用を抑えより簡易な設備構成を実現可能とするポンプ装置及び制御装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係るポンプ装置は、駆動軸を回転させる原動機と、前記原動機の駆動軸に接続している入力軸と出力軸とを有するトルク伝達装置と、入力軸が前記トルク伝達装置の出力軸に接続している減速機と、前記減速機の出力軸に接続している回転軸を有するポンプと、前記トルク伝達装置を制御する制御装置と、を備え、前記トルク伝達装置は、電気をかけることで生じる場の作用で粘性が変化する粘性流体を前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸までのトルクの伝達経路に内蔵し、前記制御装置は、前記トルク伝達装置に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することで前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸へ伝達されるトルクを制御する。
この構成によれば、減速機の出力軸の回転数を、原動機の駆動軸の回転数を上限とする範囲(例えば、原動機の駆動軸の回転数の0〜100%の範囲)で調整することができる。これにより、維持管理や分解点検を省力化し、大水量から小水量の幅広い範囲の排水を行えるとともに、設備のスペースやポンプ容量に関係なく落水時の逆転防止対策を行え、費用を抑えつつより簡易な設備構成を実現することができる。
本発明の第2の態様に係るポンプ装置は、第1の態様に係るポンプ装置であって、駆動軸を回転させる原動機と、入力軸が前記原動機の駆動軸と接続している減速機と、前記減速機の出力軸に接続している入力軸と出力軸とを有するトルク伝達装置と、前記トルク伝達装置の出力軸が接続している回転軸を有するポンプと、前記トルク伝達装置を制御する制御装置と、を備え、前記トルク伝達装置は、電気をかけることで生じる場の作用で粘性が変化する粘性流体を前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸までのトルクの伝達経路に内蔵し、前記制御装置は、前記トルク伝達装置に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することで前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸へ伝達されるトルクを制御する。
この構成によれば、主軸の回転数を、減速機の出力軸(図示せず)の回転数を上限とする範囲(例えば、減速機の出力軸の回転数の0〜100%の範囲)で調整することができる。これにより、維持管理や分解点検を省力化し、大水量から小水量の幅広い範囲の排水を行えるとともに、設備のスペースやポンプ容量に関係なく落水時の逆転防止対策を行え、費用を抑えつつより簡易な設備構成を実現することができる。
本発明の第3の態様に係るポンプ装置は、第1または2の態様に係るポンプ装置であって、前記トルク伝達装置に電圧または電流を可変的に供給可能な直流電源を備える。
この構成によれば、原動機の回転軸のトルクを減速機の入力軸(図示せず)に伝達する割合(伝達効率)を、電気をかけることで生じる場の強弱の程度により、0%からほぼ100%まで、意図的に連続的に変えることができる。
本発明の第4の態様に係るポンプ装置は、第3の態様に係るポンプ装置であって、 前記制御装置は、ポンプ運転停止時は、前記原動機を駆動した状態のまま、前記トルク伝達装置に供給する電気をゼロとするよう前記直流電源を制御する。
従来の先行待機方式のポンプでは、待機運転時においても、水を攪拌する動力が必要になるが、この構成によれば、制御装置の直流電源からトルク伝達装置に電圧あるいは電流を供給しなくなった後は、水の攪拌動力が必要なく、原動機の無負荷動力のみとなり、ポンプの省エネルギーな待機運転が可能となる。
本発明の第5の態様に係るポンプ装置は、第1から4のいずれかの態様に係るポンプ装置であって、当該ポンプ装置は、支川から本川に排水するポンプ装置であり、前記制御装置は、前記本川の水位に応じて前記トルク伝達装置に、電圧または電流を可変的に供給して、前記ポンプの回転数を制御する。
この構成によれば、吐出側の本川が氾濫危険高水位に近づくにつれて、本川の堤防決壊を防止するために、支川から本川に排水するポンプの水量を、次第に低水量に漸減でき、80%よりも低回転数の状態で運転することが可能となり、河川増水時の支川のポンプ排水の微妙な吐出流量の制御が可能になる。
本発明の第6の態様に係るポンプ装置は、第1から5のいずれかの態様に係るポンプ装置であって、吸込水槽の水位を検知する水位センサを備え、前記制御装置は、前記吸込水槽の水位が低下するにつれて、前記トルク伝達装置に供給する電気を減少させる。
この構成によれば、入力軸の回転を出力軸に伝達するトルクを徐々に低減し、ポンプの回転数を減少させることで、ポンプの排水量を減少して吸込渦の発生を防止することができる。
本発明の第7の態様に係る制御装置は、第1から6のいずれかの態様に係るポンプ装置が備えるトルク伝達装置を制御する制御装置であって、前記トルク伝達装置に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することで前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸へ伝達されるトルクを制御する。
この構成によれば、原動機あるいは減速機の回転数の0%から100%に、トルク伝達装置の出力軸の回転を制御することができる。これにより、維持管理や分解点検を省力化し、大水量から小水量の幅広い範囲の排水を行えるとともに、設備のスペースやポンプ容量に関係なく落水時の逆転防止対策を行え、費用を抑えつつより簡易な設備構成を実現することができる。
本発明の一態様によれば、原動機と、ポンプと、減速機を備えたポンプ装置で、原動機と減速機の間、または、減速機とポンプの回転軸の間に、電気をかけることで生じる場の作用で、粘性が変化する粘性流体をトルク伝達装置の入力軸からトルク伝達装置の出力軸までのトルクの伝達経路に内蔵し、電気をかけることで生じる場の強弱によって入力軸の回転を出力軸に伝達するトルクを可変にするトルク伝達装置を用いることにより、以下の効果が得られる。
(1)従来、クラッチの嵌合脱嵌により、クラッチ自体に摩擦摩耗、劣化の対策として、維持管理の手間や、嵌合回数の管理が必要だったが、その必要がなくなる。
(2)原動機あるいは減速機の回転数の0%から100%に、トルク伝達装置の出力軸の回転を制御することが可能となり、任意の時間のあいだの出力軸の回転数増加、減速が可能である。このため、電動機においてインバータで行っていたソフトスタート、ソフトストップが電動機に限らず、原動機の種類を問わずに行える。したがって、ポンプの吸込水槽のポンプ起動・停止時の急激な変動や、吐出水槽に生じやすかったアップサージ等、水撃現象が生じないようにすることができる。
(3)急激な嵌合を回避して任意の時間をかけて嵌合することができるので、急激な嵌合によってホンプの主軸、減速機の軸や歯車に生じていた衝撃的な荷重がかかることがなくなり、軸の損傷や歯車等の劣化を防止することができる。
(4)原動機に内燃機関を用いる場合においては、急激な嵌合によって生じていた、失速現象による停止や故障を回避でき信頼性の高いポンプ設備が実現できる。また、ポンプ停止時に、吐出側からの逆流によるポンプの逆転現象については、これまで強力な拘束力を備えた逆転防止クラッチにより、逆転現象の影響が原動機側まで遡ることを防止していたが、ポンプ停止と同時にポンプ運転を停止するように、トルク伝達装置に供給する電気を停止することにより、トルク伝達装置にて、完全に逆転現象は遮断される。
(5)河川排水のような治水の場合、吐出側の河川が危険高水位となった場合、本川の堤防決壊を防止するために、支川排水用のポンプの運転を停止する場合がある。本発明の一態様によれば、支川から本川に排水するポンプ装置が備えるトルク伝達装置の回転数の制御範囲は広いので、原動機を停止させることなく、本川の水位が高くなれば、ポンプの排水量をそれに応じて徐々に低減するように、トルク伝達割合を徐々に低減して回転数を低減し、本川の水位が低くなれば、ポンプの排水量をそれに応じて徐々に増加するように、トルク伝達割合を徐々に増加させ、回転数を増加させ、最適なポンプ運転状態を保ちながら、最適かつ安全な排水が可能な水位になるように、河川の急激な水位変動を抑えて安全な排水を行うことができる。
第1の実施形態に係るポンプ装置の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係るトルク伝達装置23の模式断面図である。 第2の実施形態に係るポンプ装置の一部を示す図である。 第3の実施形態に係るポンプ装置の構成例の一部を示す図である。 図1乃至図4で説明したポンプ装置で、原動機24にエンジンを用いた場合のQ−H線図の模式図である。 図2のトルク伝達装置とは別の態様のトルク伝達装置である。
以下、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。各実施形態では、一例としてポンプ装置が立軸ポンプを備える例について説明するが、これに限らず、横軸ポンプを備えていてもよい。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係るポンプ装置の構成例を示す図である。図示するように、本実施形態に係るポンプ装置100は、ポンプの一例として立軸ポンプPを備える。
立軸ポンプPは、吸込水槽1の上部のポンプ設置床2にポンプベース13を介して該吸込水槽1内に配置された吊り下げ管10と、該吊り下げ管10の上部に接続された屈曲吐出管11と、この屈曲吐出管11に接続された吐出配管12を備える。そして吊り下げ管10の下端にポンプケーシング14が接続され、該ポンプケーシング14の下端には吸込ベルマウス15が接続されている。
立軸ポンプPは、主軸(回転軸ともいう)16を備え、主軸16は屈曲吐出管11を貫通して吊り下げ管10、及びポンプケーシング14内の中央部に配置されており、ポンプケーシング14内に水中軸受(水潤滑軸受)18−1、18−2を介して回転自在に支持されている。主軸16の下端にはポンプインペラ(ポンプ羽根車)17が取り付けられている。主軸16の上部は屈曲吐出管11を貫通して外軸受20に支持され、上端は減速機21の出力軸21bに連結されている。このように、立軸ポンプPは、減速機の出力軸21bに接続している主軸16を有する。
またポンプ装置100は、駆動軸24aを回転させる原動機24を備える。またポンプ装置100は、原動機24の駆動軸24aに接続している入力軸101と出力軸102(図2参照)とを有するトルク伝達装置23を備える。またポンプ装置100は、入力軸(図示せず)がトルク伝達装置23の出力軸102(図2参照)に接続している減速機21を備える。このように、減速機21の入力軸(図示せず)は本実施形態に係るトルク伝達装置23を介して原動機24の駆動軸24aに連結されている。ここで原動機24は例えば、電動機、ディーゼル機関、またはガスタービン等である。吐出弁26は吐出配管12に設けられており、逆流防止弁27は吐出配管12の吐出口に設けられている。また、立軸ポンプPは、ガイドベーン19を備え、ガイドベーン19、ポンプケーシング14、ポンプインペラ17でポンプ部を構成している。
上記構成のポンプ装置100において、原動機24を起動して駆動軸24aを回転させる。その駆動軸24aの回転力がトルク伝達装置23及び減速機21を介して主軸16に伝達されるとポンプインペラ17が回転し、吸込ベルマウス15下端開口から吸い込まれた水は、ポンプケーシング14、吊り下げ管10、屈曲吐出管11、及び吐出配管12を通って吐出水槽3に吐き出される。
ポンプ装置100は、トルク伝達装置23を制御する制御装置30を備え、この制御装置30には水位や任意設定等の制御値信号S1、水位センサ(図示せず)で検出した吸込水槽1もしくは吐出水槽3の水位信号S2、減速機21の回転数検出部21aからの回転数検出信号S3が入力され、制御装置30からトルク伝達装置23にトルク伝達指令S4が出力される。
図2は、第1の実施形態に係るトルク伝達装置23の模式断面図である。トルク伝達装置23は、電気をかけることで生じる場の作用で粘性が変化する粘性流体105(図2参照)をトルク伝達装置23の入力軸101からトルク伝達装置23の出力軸102までのトルクの伝達経路に内蔵する。制御装置30は、トルク伝達装置23に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することでトルク伝達装置23の入力軸101からトルク伝達装置23の出力軸102へ伝達されるトルクを制御する。この構成によれば、トルク伝達装置23は、原動機24の駆動軸24aと減速機21の入力軸(図示せず)を遊嵌脱嵌自在に連結するだけでなく、原動機24の駆動軸24aのトルクを減速機21の入力軸(図示せず)に伝達する割合を、0%からほぼ100%まで連続的かつ可変に伝えることが可能である。これにより、嵌合時間(トルクをほぼ100%伝達するのに要する時間)を任意に調整できるように構成されている。
上記構成のポンプ装置100において、吸込水槽1内の水位がポンプインペラ17より下方に位置している状態で、トルク伝達装置23による原動機24の駆動軸24aとトルク伝達装置23の入力軸23aのトルク伝達の割合を0%、すなわち連結を解除(脱嵌)した状態で手動又は自動で原動機24の運転を開始する。吸込水槽1内の吸水位が上昇してポンプインペラ17より上方のポンプ運転開始水位LWLに達したら、制御装置30は嵌脱を指令するトルク伝達指令S4をトルク伝達装置23に出力し、該トルク伝達装置を任意に調整した嵌合時間で嵌合し立軸ポンプPの運転(ポンプインペラ17の回転)を開始する。
図2において、トルク伝達装置23は、入力軸101と、出力軸102とを有している。トルク伝達装置23は、入力軸101に、互いに間隔をおいて設けられている複数のディスク121と、ディスク121のそれぞれを収容する収容空間が設けられたヨーク123とを有する。収容空間の端部には、電気的絶縁性の気密シール104が設けられており、シールされた収容空間内には潤滑油などの電気的絶縁性の液媒体に固体粒子を含んだ粘性流体105が封入されている。出力軸102にはプラス電極が、入力軸101にはマイナス電極が接触し、これらプラス極とマイナス極に電圧をかけることで、収容空間内に電気的な場(電場ともいう)を生じさせるようになっている。
電圧がかかっていない状態では、粘性流体105に電気的な場が生じないので、ディスク121とヨーク123の間には、粘性流体105の液媒体の粘性によって生じるわずかな力しか作用しか生じないので、入力軸101が回転しても、入力軸101のトルクは出力軸102に伝達されず、出力軸102は回転しない。
しかし、徐々に電圧をかけていくと、それに応じて、ディスク121とヨーク123の間の電気的な場が強くなる。粘性流体105の固体粒子は電気的な場の強さに応じてクラスタの形成を促進させる。そして、粘性流体105の粘性は固体粒子のクラスタの成長に応じて大きくなる。このため、ディスク121とヨーク123に作用するトルクは徐々に増大し、入力軸101のトルクが出力軸102に伝達される。それとともに、入力軸101の回転数に対して出力軸102の回転数が徐々に増加する。
そして、粘性流体105に作用する電気的な場の強さが一定以上になると、入力軸101のトルクが、ほとんど100%出力軸102に伝達され、あたかも入力軸101と出力軸102が一体化したようになり、入力軸101の回転数に対して出力軸102の回転数が同じになる。
そして、粘性流体105に作用する電気的な場の強さが一定以上になると、入力軸101のトルクが、ほとんど100%出力軸102に伝達され、あたかも入力軸101と出力軸102が一体化したようになり、入力軸101の回転数に対して出力軸102の回転数が同じになる。
従来の機械式のクラッチを用いた場合には、嵌脱の繰り返しによる疲労破壊等の懸念が生じるとともに、軸・歯車の強度を上げる等の配慮が必要となる。また、油圧クラッチ又は固定速用の充排油型流体継手から選択された湿式クラッチについては、油圧クラッチの場合には、クラッチ板への導油ラインに油圧を調整することで、嵌合時間を調整でき、クラッチプレートの接合面に潤滑油を供給するなどして、クラッチプレートの摩耗の抑制を行えるが、基本的には嵌脱の繰り返しによるクラッチプレートの摩耗が懸念される。充排油型流体継手の場合には、流体を媒体として動力を伝達するため、継手部に摩耗部分がなく、保守点検が容易であり、また、オイルの圧力・流量を制御することで伝達トルク・回転数を自由に調節することが可能であるが、機械接続された継手と比較して、伝達効率を100%にすることは困難で、また、流体継手は負荷が大きくなると滑りが多くなり、伝達効率が落ちる傾向がある。
それに対して、本実施形態では、電気をかけることで生じる場の作用で、粘性が変化する粘性流体をトルク伝達装置23の入力軸101からトルク伝達装置23の出力軸102までのトルクの伝達経路に内蔵したトルク伝達装置23を用いるので、原動機24の回転軸のトルクを減速機21の入力軸(図示せず)に伝達する割合(伝達効率ともいう)を、電気をかけることで生じる場の強弱の程度により、0%からほぼ100%まで、意図的に連続的に変えることが可能であり、また、機械的に接触する部分がないので、摩耗の心配が不要である。
したがって、原動機24の回転軸のトルクを減速機21の入力軸(図示せず)に伝達する割合(伝達効率)を、電気をかけることで生じる場の強弱の程度により、0%からほぼ100%まで徐々に連続的に増加していくことで、ポンプは過渡的に過剰な水量を吐出することがなくなる。したがって、インバータを用いて電動機で行っていた、いわゆるソフトスタートを、原動機の種類を選ばずに容易に行えるので、ポンプの過渡的に過剰な水量の吐出によって生じた吸込水槽1及び吐出水槽3の水位変動が生じなくなる。そのため、水位変動をハンチングなく制御するために必要だった複雑な水位制御システムがこれまで必要だったが、本発明により不要となる。また、原動機が電動機の場合には、繰り返し起動時に、突入電流の問題があり、その対策として、インバータを用いたり、巻き線型電動機に始動制御器(液体抵抗器)を用いたり、などしていたが、高価でスペースを必要としていた。本実施形態のトルク伝達装置23を用いることで、省スペースかつ費用を抑えることができる。
図1に示すように、制御装置30は一例として、トルク伝達装置23に電気(すなわち電圧または電流)を可変的に供給可能な直流電源31を有する。これにより、原動機24の回転軸のトルクを減速機21の入力軸(図示せず)に伝達する割合(伝達効率)を、電気をかけることで生じる場の強弱の程度により、0%からほぼ100%まで、意図的に連続的に変えることができる。具体的には例えば、制御装置30が直流電源を制御することにより、制御装置30に入力される信号S1、S2、S3に応じた電圧あるいは電流が、直流電源31からトルク伝達装置23に供給される。なお、制御装置30は一例として直流電源31を内蔵するが、直流電源31は、制御装置30の外部に設けられていてもよい。
例えば制御装置30は、ポンプ運転停止時は、原動機24を駆動した状態のまま、前記トルク伝達装置に供給する電気をゼロとするよう直流電源31を制御する。従来の先行待機方式のポンプでは、待機運転時においても、水を攪拌する動力が必要になるが、この格構成によれば、制御装置30の直流電源31からトルク伝達装置23に電圧あるいは電流を供給しなくなった後は、水の攪拌動力が必要なく、原動機24の無負荷動力のみとなり、ポンプの省エネルギーな待機運転が可能となる。
また、本実施形態のトルク伝達装置23を用いることで、急激な嵌合を回避して任意の時間をかけて嵌合することができるので、急激な嵌合によってホンプの主軸16、減速機21の軸や歯車に生じていた衝撃的な荷重がかかることがなくなり、軸の損傷や歯車等の劣化を防止できる。さらにまた、原動機24に内燃機関を用いる場合においては、急激な嵌合によって生じていた、失速現象のよる停止や故障を回避できる。このように、本実施形態のトルク伝達装置23を用いることで、信頼性の高いポンプ装置が実現できる。
また、河川排水のような治水の場合、吐出側の河川が危険高水位(HWL)となった場合、本川の堤防決壊を防止するために、支川排水用のポンプの運転を停止する場合がある。従来の先行待機ポンプでは、原動機を停止させる必要があったが、本発明では、トルク伝達装置23に電気を供給する直流電源から、原動機24の回転軸のトルクを減速機21の入力軸23aに伝達する割合/伝達効率を適切に制御することで、原動機を停止させることなく、本川の水位を検知し、本川の水位が高くなれば、ポンプの排水量をそれに応じて徐々に低減するように、直流電源の電圧または電流によるトルク伝達装置への供給を徐々に低減して、トルク伝達割合を徐々に低減し、本川の水位が低くなれば、ポンプの排水量をそれに応じて徐々に増加するように、トルク伝達割合を徐々に増加して、最適なポンプ運転状態を保ちながら、最適かつ安全な排水が可能となるように、河川の急激な水位変動を抑えて安全な排水を行うことができる。
トルク伝達装置23の嵌合時間については、ポンプの仕様によって異なるが、例えば3秒から5秒程度である。ただし、緩嵌合効果を更に向上させることが良いとされ、これまでは、そのために、原動機の回転数を定格回転数より落とした状態でクラッチに嵌合するという組み合わせが推奨され、原動機に回転数制御機能を付加することが推奨されたが、本実施形態では不要であり、原動機に回転数制御を用いることなく、トルク伝達装置23のみで対応が可能である。
以上、第1の実施形態に係るポンプ装置は、駆動軸24aを回転させる原動機24と、
原動機24の駆動軸24aに接続している入力軸101と出力軸102とを有するトルク伝達装置23と、入力軸がトルク伝達装置23の出力軸102に接続している減速機21と、減速機21の出力軸21bに接続している主軸16を有する立軸ポンプPと、トルク伝達装置23を制御する制御装置30と、を備える。トルク伝達装置23は、電気をかけることで生じる場の作用で粘性が変化する粘性流体をトルク伝達装置23の入力軸101からトルク伝達装置23の出力軸102までのトルクの伝達経路に内蔵する。制御装置30は、トルク伝達装置に電気を供給して電気をかけることで生じる場の強弱を調整することでトルク伝達装置23の入力軸101からトルク伝達装置23の出力軸102へ伝達されるトルクを制御する。
この構成によれば、減速機21の出力軸21bの回転数を、原動機24の駆動軸24aの回転数を上限とする範囲(例えば、原動機24の駆動軸24aの回転数の0〜100%の範囲)で調整することができる。
<第2の実施形態>
図3は第2の実施形態に係るポンプ装置の一部を示す図である。図3において図1と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。図示するように、本実施形態に係るポンプ装置100bでは、原動機24と減速機21の間には、トルク伝達装置が配置されず、減速機21と立軸ポンプPの主軸16の間にトルク伝達装置23が設けられている。ここで、トルク伝達装置23は前述したように、図2の模式図で説明した、電気をかけることで生じる場の作用で、粘性が変化する粘性流体を内蔵している。
このような配置構成にしても、図1の第1の実施形態で説明した、急激な嵌合を回避して任意の時間をかけて嵌合することができるので、急激な嵌合によって立軸ポンプPの主軸16、減速機21の軸や歯車に生じていた衝撃的な荷重がかかることがなくなり、軸の損傷や歯車等の劣化を防止できる。さらにまた、原動機24に内燃機関を用いる場合においては、急激な嵌合によって生じていた、失速現象のよる停止や故障を回避できる。
図1の第1の実施形態において、トルク伝達装置23の電気の供給を停止してトルク伝達率を0%としたときには、ポンプインペラによる揚水が停止し、それまで揚水した水が、ポンプ管( 吸込ベルマウス15、ポンプケーシング14、吊り下げ管10、屈曲吐出管11、及び吐出配管12)内を逆流する現象が生じる。このとき、ポンプインペラ17は逆流する水により、揚水方向の回転とは反対に逆転する方向のトルクをうける。この逆転する方向のトルクが生じている最中でも、吸込水槽に雨水等が流入し、その排水をするためにポンプを再び起動しなければならない場合がある。このような場合は、トルク伝達装置23のトルク伝達率を100%とすると、原動機24 の原動機トルクと、逆流による逆転トルクがホンプの主軸16 、減速機21の軸や歯車に生じて、衝撃的な荷重が作用するため、機械的な破損やそれによる故障の虞が大きくなる。
しかしながら、図3の第2の実施形態においては、減速機21と立軸ポンプPの主軸16の間にトルク伝達装置23を設けることにより、原動機24と減速機21は運転したままで、トルク伝達装置23の電気の供給をゼロにしてポンプの揚水を停止することが可能である。この操作により、瞬時に原動機24及び減速機21と立軸ポンプPとの連結がなくなり、ポンプは揚水を停止する。それと同時に、それまで揚水した水が、ポンプ管を逆流する現象によって、ポンプインペラ17に逆転トルクが生じるが、原動機24及び減速機21と立軸ポンプPとの連結がないので、原動機24と減速機21には逆転トルクが伝達されずに、原動機24と減速機21には影響を与えない。
この最中に吸込水槽1に雨水等が流入し、その排水をするためにポンプを再び起動しなければならない場合には、トルク伝達装置23の電気の供給を徐々に増加して主軸16に正転トルクを加えていくことができるので、ホンプの主軸16、減速機21の軸や歯車に衝撃的な荷重が作用するのを防止でき、軸系の負担を軽減し軸系の損傷・劣化を防止できるから、信頼性の高いポンプ装置を実現できる。
以上、第2の実施形態に係るポンプ装置100bは、駆動軸24aを回転させる原動機24と、入力軸が原動機24の駆動軸と接続している減速機21と、減速機21の出力軸に接続している入力軸101と出力軸102とを有するトルク伝達装置と、トルク伝達装置23の出力軸102が接続している主軸16を有する立軸ポンプPと、トルク伝達装置23を制御する制御装置30と、を備える。トルク伝達装置23は、電気をかけることで生じる場の作用で粘性が変化する粘性流体を内蔵する。制御装置30は、トルク伝達装置23に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することでトルク伝達装置23の入力軸101からトルク伝達装置23の出力軸102へ伝達されるトルクを制御する。
この構成によれば、主軸16の回転数を、減速機21の出力軸(図示せず)の回転数を上限とする範囲(例えば、減速機21の出力軸の回転数の0〜100%の範囲)で調整することができる。
<第3の実施形態>
図4は第3の実施形態に係るポンプ装置の構成例の一部を示す図である。図4において図1及び図3と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。図示するように、本実施形態に係るポンプ装置100cでは、原動機24と減速機21の間と、減速機21と立軸ポンプの主軸16の間にそれぞれトルク伝達装置23が設けられている。ここで、両方のトルク伝達装置23は前述したように、図2の模式図で説明した、電気をかけることで生じる場の作用で、粘性が変化する粘性流体を内蔵している。
図3の第2の実施形態では、トルク伝達装置23の電気の供給をゼロにしてポンプの揚水を停止している間、原動機24と減速機21は運転したままの状態とした。しかしながら、減速機21が運転している状態は、原動機24と減速機21との間に設けられた歯車もしくはクラッチ板によって機械的な摩耗等を促進する可能性がある。そこで、原動機24と減速機21の間にもトルク伝達装置23を備えることで、トルク伝達装置23にトルク伝達率を0%となるように、電気の供給を停止すれば、原動機24のみを運転したままの状態とし、減速機21の運転を停止させることができるので、減速機21の機械的な信頼性を向上できる。
なお、図4の第3の実施形態として、トルク伝達装置23とトルク伝達装置23の対の組み合わせの配置のほかに、原動機24と減速機21の間に、従来用いられていた油圧クラッチや、流体継手を用いて、減速機21と立軸ポンプの主軸16の間をトルク伝達装置23とすることや、原動機24と減速機21の間にトルク伝達装置23を用いて、減速機21と立軸ポンプの主軸16の間に、従来用いられてきたポンプの回転を回転抑制する回転抑制機構(ブレーキ)を設けることも可能である。このことは、既存の設備において、原動機24と減速機21の間か、もしくは減速機21と立軸ポンプの主軸16の間にトルク伝達装置23を設置しても、十分に本願発明の趣旨を達成できることを意味する。
図5は、図1乃至図4で説明したポンプ装置で、原動機24にエンジンを用いた場合のQ−H線図の模式図である。図5の縦軸は揚程Hであり、横軸は流量Qである。ポンプの回転数がフル回転のときを100%としたときは、性能曲線n1であらわしている。同じようにポンプの回転数がフル回転のときの80%の回転数のときの性能曲線はn2、ポンプの回転数がフル回転のときの60%の回転数のときの性能曲線はn3、ポンプの回転数がフル回転のときの40%の回転数のときの性能曲線はn4、ポンプの回転数がフル回転のときの30%の回転数のときの性能曲線はn5である。また、曲線r1乃至r5は、流路抵抗等の抵抗曲線である。
例えば河川治水で、増水した支川から本川に排水するポンプ機場の場合、吐出側の本川が氾濫危険高水位(HWL)に近づくにつれて、本川の堤防決壊を防止するために、支川から本川に排水するポンプの水量を、次第に低水量に漸減しながら運転することが求められる。
このような場合、線n1と抵抗曲線r1の交点で示される運転点Aから、揚程H1を保ちながら、バルブの開度を変えるなどして抵抗曲線を変え、同時に回転数を減少させて、運転点Bへ、さらに、運転点C乃至運転点Eへと変えていくことが求められる。このようにすることで、流量はQ1からQ2へ,さらに流量Q3乃至Q5へと低減することが可能になる。
ところで、従来のエンジンの回転数制御(特にディーゼル)は自立運転の関係上限界があり、100%回転に対し80%程度の回転数までしか回転を下げられなかった。すなわち、この線図上では運転点Aから運転点Bにまでしか、すなわち流量Q2までしか低減することができなかった。
それに対して、各実施形態に係るポンプ装置は、支川から本川に排水するポンプ装置であってもよく、その場合制御装置30は、本川の水位に応じてトルク伝達装置23に、電圧または電流を可変的に供給して、ポンプの回転数を制御してもよい。
図1乃至図4で説明したポンプ装置では、図2を用いて説明したように、電気をかけることで生じる場の作用で、粘性が変化する粘性流体をトルク伝達装置の入力軸101からトルク伝達装置の出力軸102までのトルクの伝達経路に内蔵したトルク伝達装置を用いるので、(1)電圧がかかっていない状態では、粘性流体105に電気的な場が生じないので、ディスク121とヨーク123の間には、粘性流体105の液媒体の粘性によって生じるわずかな力しか作用しか生じないので、入力軸101が回転しても、入力軸101のトルクは出力軸102に伝達されず、出力軸102は回転しない。
(2)徐々に電圧をかけていくと、それに応じて、ディスク121とヨーク123の間に電気的な場が強くなる。粘性流体105の固体粒子は電気的な場の強さに応じてクラスタの形成を促進させる。そして、粘性流体105の粘性は固体粒子のクラスタの成長に応じて大きくなる。このため、ディスク121とヨーク123に作用するトルクは徐々に増大し、入力軸101のトルクが出力軸102に伝達される。それとともに、出力軸102の回転数が徐々に増加する。
(3)粘性流体105に作用する電気的な場の強さが一定以上になると、入力軸101のトルクが、ほとんど100%出力軸102に伝達され、あたかも入力軸101と出力軸102が一体化したようになり、入力軸101の回転数に対して出力軸102の回転数が同じになる。
以上のように、電気の強さに応じて、出力軸102の回転数を変えることが可能であり、その範囲は入力軸101の回転数の0%から100%まで可能である。すなわち、図5に示したように、80%よりも低回転数の状態で運転することが可能となり、前述した、河川増水時の支川のポンプ排水の微妙な吐出流量の制御が可能になる。
このように、吐出側の本川が氾濫危険高水位(HWL)に近づくにつれて、本川の堤防決壊を防止するために、支川から本川に排水するポンプの水量を、次第に低水量に漸減でき、80%よりも低回転数の状態で運転することが可能となり、河川増水時の支川のポンプ排水の微妙な吐出流量の制御が可能になる。
また、入力軸101の回転数に、エンジンのガバナ制御による回転数制御を行うことで、エンジンの状態に対しても、出力軸102の回転数を維持したり、変えたりすることが可能であり、ポンプ機場の機器の運転状態を安定的にすることが可能になる。
そのほか、本実施形態の回転数制御によれば、次のような事例でも高価を発揮できる。すなわち、ポンプの排水量が一定であると、吸込水槽の水位が低下するにつれて、吸込渦が発生しやすくなる。それに対して、各実施形態に係るポンプ装置は、吸込水槽1の水位を検知する水位センサ(図示せず)を備え、制御装置30は、吸込水槽1の水位が低下するにつれて、トルク伝達装置に供給する電気を減少させてもよい。これにより、入力軸101の回転を出力軸102に伝達するトルクを徐々に低減し、ポンプの回転数を減少させることで、ポンプの排水量を減少して吸込渦の発生を防止することができる。
また、電気をかけることで生じる場の作用で、粘性が変化する粘性流体を内蔵したトルク伝達装置の出力軸の回転数は、入力軸の回転数のほぼ0%から100%まで、電気のかけることで生じる場の強さに応じて連続的に変えられるので、ポンプの運転時に共振を起こす回転数を回避しなければならない場合には、その振動数を避けた近傍の回転数に調整して運転することが可能である。
各実施形態では、図2のトルク伝達装置を使用すると説明したが、これに限ったものではなく、次の図6に示すトルク伝達装置を使用してもよい。
図6は、図2のトルク伝達装置とは別の態様のトルク伝達装置である。図6のトルク伝達装置23bは、図2と同じく、入力軸101と、出力軸102とを有する。入力軸101には、複数のディスク121が互いに間隔をおいて設けられている。トルク伝達装置23bは、ヨーク123を備え、このヨーク123の内部には、入力軸101とディスク121のそれぞれを収容する収容空間が形成されている。収容空間の両端部には、気密シール104が設けられており、シールされた収容空間内には潤滑油などの液媒体に固体粒子を含んだ粘性流体105が封入されている。収容空間の側方にはコイル103 が設けられており、出力シャフト101の収容空間を囲む部分はヨーク123となっている。コイル103 に通電することにより、コイル103から磁場が生じ、ディスク121周辺の収容空間に液媒体に固体粒子に作用する場131が形成される。粘性流体105の固体粒子は、場131の強さに応じてクラスタを形成する。クラスタを介してディスク121から収容空間の壁面へトルクが伝達され、入力軸101と出力軸102とが連結される。
電流の大きさによってコイル103から生じる磁場の状態は異なる。電流がコイルに通電していない状態では、粘性流体105に作用する磁場が生じないので、ディスク121とヨーク123の間には、粘性流体105の液媒体の粘性によって生じるわずかな力しか生じないので、入力軸101が回転しても、入力軸101のトルクは出力軸102に伝達されず、出力軸102は回転しない。
しかし、徐々に電流を大きくしていくと、それに応じて、コイル103からディスク121とヨーク123の間に磁場が形成され、これにより、粘性流体105の固体粒子が磁場の強さに応じてクラスタを形成する。そして、粘性流体105の粘性は固体粒子のクラスタの成長に応じて大きくなる。このため、ディスク121とヨーク123に作用するトルクは徐々に増大し、入力軸101のトルクが出力軸102に伝達される。それに伴い出力軸102の回転数が徐々に増加する。
そして、粘性流体105に作用する磁場の強さが一定以上になると、入力軸101のトルクが、ほとんど100%出力軸102に伝達され、あたかも入力軸101と出力軸102が一体化したようになり、入力軸101と出力軸102の回転数は同じになる。
以上述べたように、図6に係るトルク伝達装置23bを図2で説明したトルク伝達装置23の代わりに用いることができる。
以上、各実施形態によれば、原動機と、ポンプと、減速機を備えたポンプ装置で、原動機と減速機の間、または、減速機とポンプの回転軸の間に、電気をかけることで生じる場の作用で、粘性が変化する粘性流体をトルク伝達装置の入力軸101からトルク伝達装置の出力軸102までのトルクの伝達経路に内蔵し、電気をかけることで生じる場の強弱によって入力軸の回転を出力軸に伝達するトルクを可変にするトルク伝達装置を用いることにより、以下の効果が得られる。
(1)従来、クラッチの嵌合脱嵌により、クラッチ自体に摩擦摩耗、劣化の対策として、維持管理の手間や、嵌合回数の管理が必要だったが、その必要がなくなる。
(2)原動機あるいは減速機の回転数の0%から100%に、トルク伝達装置の出力軸の回転を制御することが可能となり、任意の時間のあいだの出力軸の回転数増加、減速が可能である。このため、電動機においてインバータで行っていたソフトスタート、ソフトストップが電動機に限らず、原動機の種類を問わずに行える。したがって、ポンプの吸込水槽のポンプ起動・停止時の急激な変動や、吐出水槽に生じやすかったアップサージ等、水撃現象が生じないようにすることができる。
(3)急激な嵌合を回避して任意の時間をかけて嵌合することができるので、急激な嵌合によってホンプの主軸、減速機の軸や歯車に生じていた衝撃的な荷重がかかることがなくなり、軸の損傷や歯車等の劣化を防止することができる。
(4)原動機に内燃機関を用いる場合においては、急激な嵌合によって生じていた、失速現象による停止や故障を回避でき信頼性の高いポンプ設備が実現できる。また、ポンプ停止時に、吐出側からの逆流によるポンプの逆転現象については、これまで強力な拘束力を備えた逆転防止クラッチにより、逆転現象の影響が原動機側まで遡ることを防止していたが、ポンプ停止と同時にポンプ運転を停止するように、トルク伝達装置に供給する電気を停止することにより、トルク伝達装置にて、完全に逆転現象は遮断される。
(5)河川排水のような治水の場合、吐出側の河川が危険高水位となった場合、本川の堤防決壊を防止するために、支川排水用のポンプの運転を停止する場合がある。本発明の一態様によれば、支川から本川に排水するポンプ装置が備えるトルク伝達装置の回転数の制御範囲は広いので、原動機を停止させることなく、本川の水位が高くなれば、ポンプの排水量をそれに応じて徐々に低減するように、トルク伝達割合を徐々に低減して回転数を低減し、本川の水位が低くなれば、ポンプの排水量をそれに応じて徐々に増加するように、トルク伝達割合を徐々に増加させ、回転数を増加させ、最適なポンプ運転状態を保ちながら、最適かつ安全な排水が可能な水位になるように、河川の急激な水位変動を抑えて安全な排水を行うことができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
く、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の
変形が可能である。例えば、上記実施形態では、吸込み側に吸込水槽1、吐出し側に吐出水槽3を備えたポンプ排水機場を例に説明したが、本発明に係るポンプ装置はこのようポンプ排水機場に限定されるものではなく、例えば吐出し側が一般河川である治水を目的としたポンプ機場等、吸込み側及び吐出し側にそれぞれ水位が形成されるポンプ機場に適用できる。また、立軸斜流ポンプの実施形態で説明したが、本発明は横軸ポンプに使用しても構わないし、ポンプの型式が異なる場合(渦巻ポンプ等)でも適用可能である。
1 吸込水槽
10 下げ管
100、100b、100c ポンプ装置
101 入力軸
102 出力軸
104 気密シール
105 粘性流体
11 屈曲吐出管
12 吐出配管
121 ディスク
123 ヨーク
13 ポンプベース
14 ポンプケーシング
15 吸込ベルマウス
16 主軸
17 ポンプインペラ
19 ガイドベーン
2 ポンプ設置床
20 外軸受
21 減速機
21a 回転数検出部
21b 出力軸
23 トルク伝達装置
23a 入力軸
24 原動機
26 吐出弁
27 逆流防止弁
3 吐出水槽
30 制御装置
31 直流電源
P 立軸ポンプ

Claims (7)

  1. 駆動軸を回転させる原動機と、
    前記原動機の駆動軸に接続している入力軸と出力軸とを有するトルク伝達装置と、
    入力軸が前記トルク伝達装置の出力軸に接続している減速機と、
    前記減速機の出力軸に接続している回転軸を有するポンプと、
    前記トルク伝達装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記トルク伝達装置は、電気をかけることで生じる場の作用で粘性が変化する粘性流体を前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸までのトルクの伝達経路に内蔵し、
    前記制御装置は、前記トルク伝達装置に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することで前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸へ伝達されるトルクを制御する
    ポンプ装置。
  2. 駆動軸を回転させる原動機と、
    入力軸が前記原動機の駆動軸と接続している減速機と、
    前記減速機の出力軸に接続している入力軸と出力軸とを有するトルク伝達装置と、
    前記トルク伝達装置の出力軸が接続している回転軸を有するポンプと、
    前記トルク伝達装置を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記トルク伝達装置は、電気をかけることで生じる場の作用で粘性が変化する粘性流体を前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸までのトルクの伝達経路に内蔵し、
    前記制御装置は、前記トルク伝達装置に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することで前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸へ伝達されるトルクを制御する
    ポンプ装置。
  3. 前記トルク伝達装置に電圧または電流を可変的に供給可能な直流電源を備える
    請求項1または2に記載のポンプ装置。
  4. 前記制御装置は、ポンプ運転停止時は、前記原動機を駆動した状態のまま、前記トルク伝達装置に供給する電気をゼロとするよう前記直流電源を制御する
    請求項3に記載のポンプ装置。
  5. 当該ポンプ装置は、支川から本川に排水するポンプ装置であり、
    前記制御装置は、前記本川の水位に応じて前記トルク伝達装置に、電圧または電流を可変的に供給して、前記ポンプの回転数を制御する
    請求項1から4のいずれか一項に記載のポンプ装置。
  6. 吸込水槽の水位を検知する水位センサを備え、
    前記制御装置は、前記吸込水槽の水位が低下するにつれて、前記トルク伝達装置に供給する電気を減少させる
    請求項1から5のいずれか一項に記載のポンプ装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のポンプ装置が備えるトルク伝達装置を制御する制御装置であって、
    前記トルク伝達装置に電気を供給して前記電気をかけることで生じる場の強弱を調整することで前記トルク伝達装置の入力軸から前記トルク伝達装置の出力軸へ伝達されるトルクを制御する
    制御装置。
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