JP6709774B2 - 立軸ポンプ及びその先行待機運転方法 - Google Patents
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Description
この立軸ポンプでは、立軸ポンプを駆動する原動機とポンプ軸との間にクラッチ機構を設けると共に吸込水槽の水位を検知する水位検知手段を設け、水位検知手段からの水位検出信号によって、吸込水槽が低水位のときはクラッチを切断した状態で原動機のみを運転すると共にポンプ軸の回転を停止しておき、水位が上昇して所定の水位に達したときにクラッチを接続して立軸ポンプの運転を行うように制御している。この立軸ポンプによれば低水位での立軸ポンプの気中運転を回避できるため、水中軸受の損傷やエアロック運転による振動が防止される。
従来のクラッチ機構を設けた立軸ポンプでは、先行待機運転において、吸込水槽に水位計などの水位検知手段を設けて吸込水槽の水位を検知し、検知された水位に応じて気中運転、気水混合運転、揚水運転が行われるように運転制御がなされる。しかしながら、水位計は水槽のごみなどがフロートに絡みついてフロートの動作不良を起こしたり、水面の波立ちによる誤作動を起こしたり、電極棒の腐食や汚れによる導通不良を起こしたりすることがあり、吸込水槽の水位検知に対して必ずしも信頼の置けるものではなかった。
すなわち、本発明の立軸ポンプでは、原動機とポンプ軸との間にクラッチを介装して、原動機が駆動されかつクラッチが切断された状態においてポンプ軸の連れ回りによる回転速度の変化を検出してクラッチを接続し、クラッチが接続されて立軸ポンプが運転された状態においてポンプ軸の回転速度の変化を検出してクラッチを切断するようにしている。したがって、吸込水槽の水位の変化をポンプ軸の回転速度の変化で確実に検知することができ、吸込水槽に水位計等の水位検知手段を設ける必要がない。そのため、水位検知手段の動作不良、誤作動、導通不良等の不具合により運転制御に支障をきたすことがなく、水位変化に伴う回転速度の変化を確実に検知して先行待機運転を行うことができる。
また、ポンプ軸の回転速度の下限値と上限値とを予め設定しておき、ポンプ軸の回転速度の検出値が下限値より低下したときはクラッチを接続し、上限値より上昇したときはクラッチを切断するようにしたので、立軸ポンプの仕様や設置状況等に応じて下限値及び上限値を適宜に設定することによって、クラッチの接続及び切断の制御を確実に行うことができ、好適な先行待機運転が可能となる。
すなわち、本発明の立軸ポンプ及びその先行待機運転方法によれば、原動機が駆動されている状態かつクラッチを切断した状態で、回転検出器で検出した回転速度が所定の下限値にまで低下した際にクラッチを接続し、原動機が駆動されている状態かつクラッチを接続した状態で、回転検出器で検出した回転速度が所定の上限値にまで上昇した際にクラッチを切断するので、吸込水槽の水位の変化をポンプ軸の回転速度の変化で検知することができ、水位計等の水位検知手段を設けずに先行待機運転におけるクラッチの接続及び切断を自動で行うことが可能になる。
したがって、本発明では、水位検知手段の動作不良、誤作動、導通不良等の不具合により運転制御に支障をきたすことがなく、水位変化に伴う回転速度の変化を確実に検知して先行待機運転を行うことができる。
上記制御装置12は、原動機9が駆動されている状態かつクラッチ5を切断した状態で、回転検出器11で検出した回転速度が所定の下限値にまで低下した際にクラッチ5を接続し、原動機9が駆動されている状態かつクラッチ5を接続した状態で、回転検出器11で検出した回転速度が所定の上限値にまで上昇した際にクラッチ5を切断する機能を有している。
上記クラッチ5は、油圧クラッチが採用されている。
このクラッチは、油圧供給装置13に接続されている。
上記油圧供給装置13は、油圧ポンプ、電磁弁等で構成されている。
上記回転検出器11は、光電式回転検出器が採用されている。
上記制御装置12は、上記機能を行う演算処理回路等で構成されている。
制御装置12は、回転検出器11、油圧供給装置13及び原動機9に接続されている。
制御装置12は、回転検出器11からの検出信号を受け、検出された回転速度と予め設定された上限値及び下限値との比較演算を行い、その演算結果に基づき、油圧供給装置13を介してクラッチ5の接続と切断とを制御するように構成されている。
なお、本実施形態の先行待機運転方法を、図2における(1)〜(11)の順に説明する。
(3)水位が羽根車6の下端レベルWL2まで上昇すると、羽根車6の回転トルクに対する抵抗として作用し始め、水位の上昇とともに次第に抵抗が大きくなり、羽根車6の回転速度が次第に低下する。
(4)羽根車6の回転速度が予め設定した下限値(一例として羽根車6の全体が水没した時(水位WL3に相当)のポンプ軸4の回転速度)に達すると、制御装置12から油圧供給装置13に制御信号が送信され、クラッチ5が接続されて出力軸10の回転動力がポンプ軸4に伝達され、揚水運転が開始される。
(6)羽根車6の回転速度が予め設定した上限値(一例として全速回転速度の99%値)に達すると、制御装置12から制御信号が送信され、クラッチ5が切断されて出力軸10とポンプ軸4との接続が遮断されて再び待機運転となる。
このとき、クラッチ5を切断した状態であるが、クラッチ板間に存在する潤滑油の粘性等により原動機9の動力がポンプ軸4に伝達され、連れ回りによりポンプ軸4は一定速度で回転している。
(8)そして、水位が羽根車6の下端レベルまで上昇すると、羽根車6の回転トルクに対する抵抗として作用し始め、水位の上昇とともに次第に抵抗が大きくなり、羽根車6の回転速度が次第に低下する。
(9)羽根車6の回転速度が予め設定した下限値(一例として羽根車6の全体が水没した時(水位WL3に相当)のポンプ軸4の回転速度)に達すると、制御装置12から油圧供給装置13に制御信号が送信され、クラッチ5が接続されて出力軸10の回転動力がポンプ軸4に伝達され、揚水運転が開始される。
(11)羽根車6の回転速度が予め設定した上限値(一例として全速回転速度の99%値)に達すると、制御装置12から制御信号が送信され、クラッチ5が切断されて出力軸10とポンプ軸4との接続が遮断されて再び待機運転となる。
このとき、クラッチ5を切断した状態であるが、クラッチ板間に存在する潤滑油の粘性等により原動機9の動力がポンプ軸4に伝達され、連れ回りによりポンプ軸4は一定速度で回転している。
以上の工程が先行待機運転が必要な間、繰り返して行われる。
また、第2実施形態では、内燃機関である原動機20とクラッチ22との間に減速装置25が設けられている。
例えば、上記実施形態ではポンプ軸の回転速度を検出する回転検出器として光電式回転検出器を用いたが、これに限られるものではなく、電磁式回転検出器を用いてもよい。
Claims (4)
- 原動機と、
前記原動機により回転駆動されるポンプ軸と、
前記ポンプ軸の下部に設けられた羽根車と、
前記原動機と前記ポンプ軸との間に介装され前記原動機の回転動力を前記ポンプ軸に対して伝達及び遮断するクラッチと、
前記ポンプ軸の回転速度を検出する回転検出器と、
前記原動機及び前記クラッチの制御を行う制御装置とを備え、
前記ポンプ軸が、前記原動機が駆動されている状態かつ前記クラッチを切断した状態で、前記クラッチのクラッチ板間に介在する粘性を有した潤滑油を介して伝達される前記原動機の回転動力により連れ回り可能であり、
前記制御装置が、前記原動機が駆動されている状態かつ前記クラッチを切断した状態で、前記回転検出器で検出した前記回転速度が所定の下限値にまで低下した際に前記クラッチを接続し、前記原動機が駆動されている状態かつ前記クラッチを接続した状態で、前記回転検出器で検出した前記回転速度が所定の上限値にまで上昇した際に前記クラッチを切断することを特徴とする立軸ポンプ。 - 請求項1に記載の立軸ポンプにおいて、
前記原動機が、電動機であることを特徴とする立軸ポンプ。 - 請求項1に記載の立軸ポンプにおいて、
前記原動機が、内燃機関であることを特徴とする立軸ポンプ。 - 立軸ポンプの先行待機運転方法であって、
前記立軸ポンプが、原動機と、
前記原動機により回転駆動されるポンプ軸と、
前記ポンプ軸の下部に設けられた羽根車と、
前記原動機と前記ポンプ軸との間に介装され前記原動機の回転動力を前記ポンプ軸に対して伝達及び遮断するクラッチと、
前記ポンプ軸の回転速度を検出する回転検出器とを備え、
前記ポンプ軸が、前記原動機が駆動されている状態かつ前記クラッチを切断した状態で、前記クラッチとの間に介在する粘性を有した潤滑油を介して伝達される前記原動機の回転動力により連れ回り可能であり、
前記原動機が駆動されている状態かつ前記クラッチを切断した状態で、前記回転検出器で検出した前記回転速度が所定の下限値にまで低下した際に前記クラッチを接続し、前記原動機が駆動されている状態かつ前記クラッチを接続した状態で、前記回転検出器で検出した前記回転速度が所定の上限値にまで上昇した際に前記クラッチを切断することを特徴とする立軸ポンプの先行待機運転方法。
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JP2017238196A JP6709774B2 (ja) | 2017-12-13 | 2017-12-13 | 立軸ポンプ及びその先行待機運転方法 |
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