JP2017160877A - ポンプ設備及びポンプ設備のポンプ起動方法 - Google Patents

ポンプ設備及びポンプ設備のポンプ起動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吐出弁全開状態でポンプを起動する場合に、自力サイホン形成等が必要となっても、十分な減電圧始動ができ、安価な電源設備で起動でき、或いは低トルクの駆動機で安価に起動できるポンプ設備及びポンプ設備を提供する。【解決手段】主軸2と、主軸2に取付けられた羽根車20と、吸込口と吐出口を有するケーシング1とを備えたポンプPと、主軸2を回転させる駆動機Mと、ケーシング1またはケーシング1の下流側に分岐接続された通水管30と、通水管30に設けた開閉弁40と、を備えているポンプ設備であって、ポンプPが所定回転数に達すると、ポンプPの起動時に開放状態にある開閉弁40を閉塞制御するように構成されている。【選択図】図5

Description

本発明はポンプ設備及びポンプ設備のポンプ起動方法に関し、例えば雨水排水用の軸流ポンプや斜流ポンプを用いる場合に好適なポンプ設備及びポンプ設備のポンプ起動方法に関する。
特許文献1には、ポンプの起動時に締切軸動力を軽減させるようにしたポンプの軸動力低減装置が開示されている。
当該ポンプの軸動力低減装置は、ポンプの吐出口と吸込口とをバイパス管で連通して吐出口側より吸込口側へ流体を流入するように構成され、バイパス管を開閉するバイパス弁と、ポンプの吸込口周辺で検出穴が互いに円周方向に順方向、逆方向となるように配設した一対の圧力検出管と、該一対の圧力検出管の検出した差圧によって駆動され、弁軸の回動によって流路が開閉されるロータリスイッチと、該ロータリスイッチの開閉動作によりポンプの吐出口の圧力が所定の圧力よりも高くなり軸動力が大きくなるとバイパス管が連通するようにバイパス弁を開くバイパス弁開閉機構とを備えている。
特開平06−330883号公報
上述した特許文献1に開示されたポンプの軸動力低減装置は、ポンプを締切状態で起動する場合の軸動力を低減することを目的とした装置であり、軸流ポンプや高比速度の斜流ポンプは、本来的に締切軸動力が高いため、一般的には吐出弁を全開した状態で起動する。
そのため、締切軸動力付近での運転を想定することなく電動機や原動機(内燃機関)等の駆動機の出力が設定され、始動方式が選択されている。具体的に、ポンプの駆動機として誘導電動機を用いる場合、通常は誘導電動機を例えば60%前後の値で減電圧始動してポンプ起動時の電流を抑制しても、必要な始動トルクが得られるため、安価な低電流容量の電源装置の使用が可能になる。尚、減電圧始動方式としてスターデルタ始動、リアクトル始動及びコンドルファ始動等の始動方式の何れかが採用される。また、ポンプの駆動機として原動機を用いる場合、比較的低トルクの原動機を選定することが可能になる。
しかし、吐出弁を全開した状態でポンプを起動する場合であっても、自力サイホン形成が必要な場合や、高実揚程での起動が必要となる場合には、ポンプ起動から排水開始までの間のポンプ必要トルクが締切トルクに向けた2乗曲線となるために、低い回転速度領域で比較的高い始動トルクが必要となる。そのため、減電圧の程度や定格回転速度以下でのトルク特性によっては、始動時にトルク不足となり始動できなくなる場合がある。
図1から図3には、このような状態を表す特性曲線が示されている。
図1に示すように、吐出弁を開放した状態で、サイホン形成前に軸流ポンプを始動する場合の回転速度/始動トルク特性、吐出量/始動トルク特性が示されている。A´点で始動され、B´点でサイホンが形成され、その後水が吐き出されてC´点で定格運転状態に到る。図1中、一点鎖線はサイホン形成された状態で定格運転状態に到る場合の始動トルク特性で、サイホン形成前に軸流ポンプを始動する場合と比べて要求される始動トルクが低いことが示されている。
図2には、軸流ポンプの始動トルクと回転数の関係が示され、ポンプトルク曲線(通水管なし)が図1に対応する特性である。ポンプを始動して定格運転状態に立ち上げるためには、ポンプトルクより駆動機トルクが上回る必要がある。ポンプトルクと駆動機トルクの差がポンプ回転数の加速トルクとなり、両トルクが一致する点で加速が停止し定格回転数となる。
図3には、損失曲線が示されている。A´点で起動されてB´点までが実質的に締切運転と同等の状態となり、B´点でサイホンが形成され、C´点で定格運転状態に到る。
駆動機として電動機を用いる場合、全電圧始動するとポンプ負荷に関係なく定格電流の数百%以上の電流が流れるため、高圧電源を用いたり、電源ケーブル径を太くしたりする必要がある(図2中、電動機トルク曲線(定格電圧)参照)。
しかし、減電圧始動して始動電流を低減させると、電動機トルクも低下し、ポンプトルク曲線(通水管なし)のB´点付近で電動機トルクがポンプトルクより下回ると、それ以上加速できないため、定格運転状態に移行できないという不都合がある。
そのため、電動機を用いてポンプを起動する場合には、高いタップ値に切り替えて電動機トルクがポンプトルクを下回ることがないように電動機を選定しなければならなかった。
その結果、高いタップ値であるほど、電動機の始動電流が大きくなり、始動電流に耐えうる高価な電源装置を使用せざるを得ないという問題があった。
また、原動機を用いてポンプを起動する場合には、ポンプ必要トルクに見合う十分なトルクを確保できる大型の高価な原動機を使用せざるを得ないという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、吐出弁全開状態でポンプを起動する場合に、自力サイホン形成等が必要となっても、十分な減電圧始動ができ、安価な電源設備で起動でき、或いは低トルクの駆動機で安価に起動できるポンプ設備及びポンプ設備のポンプ起動方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明によるポンプ設備の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、主軸と、前記主軸に取付けられた羽根車と、吸込口と吐出口を有するケーシングとを備えたポンプと、前記主軸を回転させる駆動機と、前記ケーシングまたは前記ケーシングの下流側に分岐接続された通水管と、前記通水管に設けた開閉弁と、を備えているポンプ設備であって、前記ポンプの回転数によって前記開閉弁を開放または閉塞制御するように構成されている点にある。
ポンプの回転数によって通水管に備えた開閉弁を開放或いは閉塞制御することで、ポンプの羽根車の必要トルクを調整することができるようになり、高価な駆動機を用いることなく効率的に運転することができる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記ポンプが所定回転数に達すると、前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御するように構成されている点にある。
ケーシングまたはケーシングの下流側に分岐接続された通水管を開放した状態でポンプを起動すると、ポンプからの吐出水が速やかに通水管に通流するので実揚程が低下し、ポンプ始動トルクが締切トルクに向けた2乗曲線よりも低下する。従って、駆動機の発生トルクがそれほど高い値でなくても、ポンプを安定起動することができるようになり、設備費を低減することができるようになる。そしてポンプの回転数が定常状態に達すると開閉弁を閉塞して、通水管への不要な通水を停止することにより、無用の動力の消費を抑制することができる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、流れ方向において前記羽根車より下流側に通水管が分岐接続されている点にある。
羽根車より下流側に通水管が分岐接続されることによって実揚程を低下させることができるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記駆動機が電動機である場合に、前記電動機を減電圧始動後に前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御する点にある。
ポンプの起動時に開閉弁を開放して通水管を開放することで、ポンプからの吐出水が速やかに通水管に通流して実揚程が低下し、ポンプ始動トルクが締切トルクに向けた2乗曲線よりも低下するようになる。従って、十分に減電圧して始動電流を抑制した場合の低い始動トルクでもポンプの起動が可能になる。そして、ポンプの起動後には開閉弁が閉塞されて通水管からの無駄な流水が回避されるようになる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第四の特徴構成に加えて、前記電動機を減電圧始動状態から定格電圧駆動に切り替える切替信号により前記開閉弁を閉塞制御するとともに、前記電動機を始動する始動信号または停止する停止信号により前記開閉弁を開放制御する信号処理回路を備えている点にある。
ポンプが定格回転数に立ち上がると、減電圧始動状態から定格電圧駆動に切り替えられ、その際の切替信号により適切に開閉弁が閉塞制御され、電動機を始動する始動信号または停止する停止信号により適切に開閉弁が開放制御される。開閉弁の開閉制御のための専用の信号を生成する必要が無く、信号処理回路によって開閉弁以外の対象に対する信号を利用して開閉弁の開閉制御のための信号が生成されるので、制御部をシンプルに構成することができる。
同第六の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記駆動機が内燃機関である場合に、前記内燃機関の軸動力を前記ポンプの主軸に伝達するクラッチを接続した後に前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御する点にある。
ポンプの起動時に、動力伝達用クラッチを接続して原動機の軸動力がポンプの主軸に伝達されるようになると、開閉弁が開放されてポンプによる吸込水が通水管に通水される。その結果、出力トルクが低い原動機であっても、ポンプを安定起動することができるようになる。
同第七の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述の第一から第七の何れかの特徴構成に加えて、前記ポンプの起動後に所定時間経過すると、前記開閉弁を閉塞制御する点にある。
ポンプの起動後、所定時間経過した時点でポンプが定常状態に立ち上がったと判断して、開閉弁を閉塞制御することでその後の通水管への無駄な通水を回避することができる。
同第八の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述の第一から第七の何れかの特徴構成に加えて、前記通水管は前記ポンプのポンプ口径の20%以上の口径に設定されている点にある。
通水管の口径がポンプ口径の20%以上に設定されていると、ポンプ起動時に十分な水量で通水管に通水でき、実揚程が効果的に低減されるようになる。
本発明によるポンプの起動方法の第一の特徴構成は、同請求項9に記載した通り、主軸と、前記主軸に取付けられた羽根車と、吸込口と吐出口を有するケーシングとを備えたポンプと、前記主軸を回転させる駆動機と、前記ケーシングまたは前記ケーシングの下流側に分岐接続された通水管と、前記通水管に設けた開閉弁と、を備えているポンプ設備のポンプ起動方法であって、前記ポンプの回転数によって前記開閉弁を開放または閉塞制御する点にある。
ポンプの回転数によって通水管に備えた開閉弁を開放或いは閉塞制御することで、ポンプの羽根車の必要トルクを調整することができるようになり、高価な駆動機を用いることなく効率的に起動することができる。例えば、回転数が低いポンプの起動時に、ポンプに吸い込まれた水が吐出口側に分岐接続された通水管を介して通流するようになると実揚程が低下し、ポンプ始動トルクが締切トルクに向けた2乗曲線よりも低下する。そうすると、駆動機発生トルクがそれほど高い値でなくても、ポンプを安定起動することができるようになる。また、回転数が高いポンプの定常状態では、通水管を閉塞することで無駄な吸込み水量を無くすことができる。
同第二の特徴構成は、同請求項10に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記駆動機が電動機である場合に、前記電動機を減電圧始動後に前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御する点にある。
ポンプの起動時に開閉弁を開放して通水管を開放することで、ポンプからの吐出水が速やかに通水管に通流して実揚程が低下し、ポンプ始動トルクが締切トルクに向けた2乗曲線よりも低下するようになる。従って、十分に減電圧して始動電流を抑制した場合の低い始動トルクでもポンプの起動が可能になる。そして、ポンプの起動後には開閉弁が閉塞されて通水管からの無駄な流水が回避されるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項11に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記駆動機が内燃機関である場合に、前記内燃機関の軸動力を前記ポンプの主軸に伝達するクラッチを接続した後に前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御する点にある。
ポンプの起動時に、動力伝達用クラッチを接続して原動機の軸動力がポンプの主軸に伝達されるようになると、開閉弁が開放されてポンプによる吸込水が通水管に通水される。その結果、出力トルクが低い原動機であっても、ポンプを安定起動することができるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、吐出弁全開状態でポンプを起動する場合に、自力サイホン形成等が必要となっても、十分な減電圧始動ができ、安価な電源設備で起動でき、或いは低トルクの駆動機で安価に起動できるポンプ設備及びポンプ設備のポンプ起動方法を提供することができるようになった。
サイホン形成前、または高実揚程始動時の軸流ポンプの始動トルク特性の説明図 軸流ポンプの始動トルクと回転数の説明図 通水管の有無に対応した管と損失曲線の説明図 軸流ポンプの回転速度と始動トルクの特性を通水管の有無で対比した説明図 縦軸軸流ポンプが組み込まれたポンプ設備の説明図 横軸軸流ポンプが組み込まれたポンプ設備の説明図
以下に本発明によるポンプ設備及びポンプ設備のポンプ起動方法を説明する。
図5に示すように、揚排水機場に設置される高比速度ポンプの一例である縦軸軸流ポンプPは、ケーシング1内で回転可能に配設された主軸2と、主軸2の下端部に固着され主軸2と一体回転する羽根車20と、ケーシング1の下流側に連設された鉛直姿勢の揚水管3と、揚水管3に連設された吐出曲管4と、吐出曲管4の下流側に連設された吐出管6と、ケーシング1の上流側に連設された吸込ケーシング5とを備えている。
羽根車20の上流側に位置する吸込ケーシング5に整流板7が備えられ、羽根車20の下流側に位置するケーシング1に案内羽根8が夫々設けられている。ケーシング1の上流側開口が吸込口となり、ケーシング1の下流側開口が吐出口となる。尚、整流板7は羽根車20に流入する流体を整流し、案内羽根8は羽根車20から吐き出される流体を軸方向に変流してスムーズに揚水管3に導く形状となっている。
建屋の床部に形成された開口にアンカーボルトで固定された取付座に、止水ゴムを介して円環状の鋼板でなるベースプレート9が固定され、ベースプレート9に吐出曲管4が固定されている。尚、吐出管6には吐出弁63が設けられ、その下流側端部に吐出水槽からの逆流を防ぐためにフラップ弁65が設けられている。
吐出曲管4の上部には、主軸2の周囲に封水機構10と、主軸2を支持する軸受機構11が設けられ、主軸2の上端は軸継手としてのカップリング12を介して駆動機である電動機(以下、「電動モータ」と記す。)Mの出力軸に連結されている。
さらに、ケーシング1の下流側に連接された揚水管3に通水管30が分岐接続され、通水管に開閉弁40が設置され、ポンプPを始動或いは停止制御する制御装置50及び入出力インタフェース回路55を備えている。
ポンプ井100に流入した雨水は、吸込ケーシング5を介してケーシング1の吸込口から吐出口に吸い上げられ、揚水管3、吐出曲管4、吐出管6を経由して揚水される。
つまり、ポンプ設備は、主軸2に取付けられた羽根車20と、吸込口と吐出口を有するケーシング1とを備えたポンプPと、主軸20を回転させる駆動機と、ケーシング1またはケーシング1の下流側に分岐接続された通水管30と、通水管30に設けた開閉弁40とを備えている。
制御装置50は、水位を検知する水位センサからの信号に基づいてポンプ井100の水位がポンプ起動位水位に達したと判断するとポンプPを始動制御し、水位センサからの信号に基づいてポンプ井100の水位がポンプ停止位水位に達したと判断するとポンプPを停止制御する。尚、水位センサとして、フロート式、圧力式、超音波式、電波式、静電容量式、電極式、フロート転倒式、測定柱式など各種の形式のものを採用することができる。
制御装置50は、ポンプPの始動時に吐出弁を開放した状態で、通水管30に備えた開閉弁40を開放制御して、電動モータMを減電圧始動し、ポンプPが所定回転数(定格回転数)に達すると、電動モータMを全電圧制御に切り替えて開閉弁40を閉塞制御する。
図2に示すように、揚水管3に分岐接続された通水管30を開放した状態でポンプPを起動すると、ポンプPからの吐出水が速やかに通水管30に通流するので実揚程が低下し、ポンプ始動トルクが締切トルクに向けた2乗曲線(図2中、A´点→B´点→二点鎖線)よりも低下する(図2中、A´点→B点→C点)。
換言すると、図3に示すように、A´点で始動すると速やかに通水管30に通流してB点に到り、C点で定常運転状態になる。
従って、電動モータMを十分な減電圧始動として、始動トルクが低下しても、ポンプPを安定起動することができるようになり、高価な電源設備を用いることなく低い電流値で減電圧始動することができ、設備費を低減することができるようになる。そしてポンプPの回転数が定常状態に達すると開閉弁を閉塞して、通水管への不要な通水を停止することにより、無用の動力の消費を抑制することができる。
図5に示した例では、通水管30が揚水管3の下方、つまりケーシング1の吐出口の近傍に分岐接続されているが、通水管30がケーシング1の吐出口側に分岐接続されていてもよい。少なくとも流れ方向に沿って羽根車20より下流側で、吐出曲管4よりも上流側の管に分岐接続されていればよいが、実揚程を効果的に低下させるためには、羽根車20の下流側近傍位置に分岐接続されることが好ましい。
駆動機として電動モータMを用いる場合には、ポンプPの起動時または起動時以前に開閉弁40を開放するとともに電動モータMを減電圧始動後に開閉弁40を閉塞制御することが好ましい。
ポンプPの起動時または起動時以前に開閉弁40を開放して通水管30を開放することで、ポンプPからの吐出水が速やかに通水管30に通流して実揚程が低下し、ポンプ始動トルクが締切トルクに向けた2乗曲線よりも低下するようになる。
従って、出力トルクの低い小型の電動モータであっても十分な減電圧始動が可能になる。そして、ポンプPの始動後になるべく早く開閉弁40で閉塞制御を行なうことで通水管30からの無駄な流水が回避されるようになる。
入出力インタフェース55には、電動モータMを減電圧始動状態から定格電圧駆動に切り替える切替信号(制御装置50から出力される制御信号)により開閉弁40を閉塞制御するとともに、電動モータMを始動する始動信号または停止する停止信号により開閉弁40を開放制御するゲート回路である信号処理回路が組み込まれている。
ポンプPが定格回転数に立ち上がると、減電圧始動状態から定格電圧駆動に切り替えられ、その際の切替信号により適切に開閉弁が閉塞制御され、電動モータMを始動する始動信号または停止する停止信号により適切に開閉弁が開放制御される。開閉弁の開閉制御のための専用の信号を生成する必要が無く、信号処理回路によって開閉弁以外の対象に対する信号を利用して開閉弁の開閉制御のための信号が生成されるので、制御部をシンプルに構成することができる。
例えば、制御装置50から出力される正論理の減電圧始動信号と電動機始動信号がOR回路に入力され、何れかの信号がハイレベルとなれば開閉弁開放信号を出力するゲート回路で構成することができる。
つまり、通水管30に備えた開閉弁40は、ポンプPの回転数によって開放または閉塞制御するように制御装置50によって制御されるように構成されている。
これにより、ポンプPの羽根車20の必要トルクを調整することができるようになり、高価な駆動機を用いることなく効率的に運転することができる。
通水管30の先端は分岐接続部よりも低位になるように配置されていれば、大気開放されていてもよいし、ポンプ井100に水没するように配置されていてもよい。
上述した例では駆動機に電動モータMを用いた例を説明したが、駆動機としてガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関を用いることも可能である。
この場合、ポンプPの起動時または起動時以前に開閉弁40を開放し、内燃機関の軸動力をポンプPの主軸2に伝達するクラッチを接続した後に開閉弁40を閉塞制御するように構成すればよい。尚、通常、クラッチとして油圧クラッチを用いるが、油圧クラッチ以外に遠心クラッチ、流体継手、電磁クラッチ等を用いることができる。
そして、ポンプPの起動後に所定時間経過すると、開閉弁40を閉塞制御するように構成することが好ましい。ポンプPの起動後、所定時間経過した時点でポンプPが定常状態に立ち上がったと判断して、開閉弁40を閉塞制御することでその後の通水管30への無駄な通水を回避することができる。
例えば、ポンプPの起動後、約10秒経過するとたいていのポンプは定常状態に立ち上がっているので、所定時間を約10秒に設定したタイマー制御が好ましい。尚、立上りの早いポンプであれば所定時間を10秒以内、例えば5秒に設定してもよく、逆に10秒より長い値に設定してもよい。
ポンプPの起動時に、クラッチを接続して内燃機関の軸動力がポンプPの主軸2に伝達されるようになると、開閉弁40が開放されてポンプPによる吸込水が通水管30に通水される。その結果、出力トルクが低い安価な内燃機関であっても、ポンプPを安定起動することができるようになる。
図4には、通水管30が無い場合のポンプの始動トルク特性、口径がポンプ口径の20%(小径)及び30%(大径)の通水管30を用いた場合のポンプの始動トルク特性が示されている。
通水管30の口径は、小さ過ぎると実揚程の低下に寄与することができず、大き過ぎると揚水できなくなるため、ポンプPのポンプ口径の20%以上の口径に設定されていることが好ましい。この範囲に設定されていると、ポンプ起動時に十分な水量で通水管に通水でき、実揚程が効果的に低減されるようになる。
以上説明したように、本発明によるポンプの起動方法は、主軸と、主軸に取付けられた羽根車と、吸込口と吐出口を有するケーシングとを備えたポンプと、前記主軸を回転させる駆動機と、ケーシングまたはケーシングの下流側に分岐接続された通水管と、通水管に設けた開閉弁と、を備えているポンプ設備のポンプ起動方法であって、ポンプの回転数によって開閉弁を開放または閉塞制御するように構成されている。
そして、駆動機が電動モータMである場合に、ポンプPの起動時または起動時以前に開閉弁40を開放するとともに電動モータMを減電圧始動後に開閉弁40を閉塞制御するように構成されている。
また、駆動機が内燃機関である場合に、ポンプPの起動時または起動時以前に開閉弁40を開放し、内燃機関の軸動力をポンプPの主軸2に伝達するクラッチ(図示せず)を接続した後に開閉弁40を閉塞制御するように構成されている。
図6には、横軸軸流ポンプPを用いたポンプ設備が示されている。各符号は図5に対応する。符号Eは内燃機関、符号CLはクラッチ、符号Gはべベルギヤ、符号60は真空ポンプである。
本実施形態では、吐出管6の終端側にフラップ弁65が設けられ、吐出管6の終端側が吐出水面に水没するように配置されている。吸込水面に水没した吸込管5から吐出管6までの管路にサイホンを形成するための真空ポンプ60が設置されている。
ポンプ井100から揚水するため、制御装置50によって先ず真空ポンプ60が駆動されてサイホンが形成される。また、クラッチCLが開放された状態で内燃機関Eが起動される。
サイホンが形成された後にクラッチCLが接続されてポンプPが起動される。ポンプPの起動時または起動時以前に開閉弁40が開放され、内燃機関Eの軸動力をポンプの主軸に伝達するクラッチCLを接続した後に開閉弁40が閉塞制御される。
吐出水面に水没するように配置されたフラップ弁65を開放するために必要な実揚程を低減するために通水管30が設置されている。この例では、真空ポンプ60によってサイホンが形成される必要があるため、通水管30の他端は吸込水面に水没しているか、揚水管3等に接続されている状態が好ましい。
但し、吸込水面までの距離が遠く、通水管が長くなってしまう場合は、通水管に備えたバルブの開閉により真空ポンプにてサイホンを形成する際に空気が入らないようにすればよい。
上述したように、ポンプPの起動時または起動時以前に開閉弁40を開放し、内燃機関Eの軸動力をポンプPの主軸2に伝達するクラッチを接続した後に開閉弁40を閉塞制御するように構成すればよい。
ポンプPの起動時に、動力伝達用クラッチCLを接続して内燃機関Eの軸動力がポンプPの主軸2に伝達されるようになると、開閉弁40が開放されてポンプPによる吸込水が通水管30に通水される。その結果、出力トルクが低い安価な内燃機関であっても、ポンプPを安定起動することができるようになる。
上述した実施形態では、縦軸ポンプを例に本発明を説明したが、本発明は遠心ポンプを除くターボ型のポンプ、つまり斜流ポンプにも適用可能であり、吐出弁を開放状態で始動する際に、低電位の減電圧始動による安定起動、低トルクエンジンで安定始動できるようになる。
上述した実施形態は本発明の一態様であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:ケーシング
2:主軸
3:揚水管
4:吐出曲管
6:吐出管
20:羽根車
30:通水管
40:開閉弁
50:制御装置
P:ポンプ

Claims (11)

  1. 主軸と、前記主軸に取付けられた羽根車と、吸込口と吐出口を有するケーシングとを備えたポンプと、前記主軸を回転させる駆動機と、前記ケーシングまたは前記ケーシングの下流側に分岐接続された通水管と、前記通水管に設けた開閉弁と、を備えているポンプ設備であって、
    前記ポンプの回転数によって前記開閉弁を開放または閉塞制御するように構成されているポンプ設備。
  2. 前記ポンプが所定回転数に達すると、前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御するように構成されている請求項1記載のポンプ設備。
  3. 流れ方向において前記羽根車より下流側に通水管が分岐接続されている請求項1または2記載のポンプ設備。
  4. 前記駆動機が電動機である場合に、前記電動機を減電圧始動後に前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御する請求項1から3の何れかに記載のポンプ設備。
  5. 前記電動機を減電圧始動状態から定格電圧駆動に切り替える切替信号により前記開閉弁を閉塞制御するとともに、前記電動機を始動する始動信号または停止する停止信号により前記開閉弁を開放制御する信号処理回路を備えている請求項4記載のポンプ設備。
  6. 前記駆動機が内燃機関である場合に、前記内燃機関の軸動力を前記ポンプの主軸に伝達するクラッチを接続した後に前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御する請求項1から3の何れかに記載のポンプ設備。
  7. 前記ポンプの起動後に所定時間経過すると、前記開閉弁を閉塞制御する請求項1から6の何れかに記載のポンプ設備。
  8. 前記通水管は前記ポンプのポンプ口径の20%以上の口径に設定されている請求項1から7の何れかに記載のポンプ設備。
  9. 主軸と、前記主軸に取付けられた羽根車と、吸込口と吐出口を有するケーシングとを備えたポンプと、前記主軸を回転させる駆動機と、前記ケーシングまたは前記ケーシングまたは前記ケーシングの下流側に分岐接続された通水管と、前記通水管に設けた開閉弁と、を備えているポンプ設備のポンプ起動方法であって、
    前記ポンプの回転数によって前記開閉弁を開放または閉塞制御するポンプ設備のポンプ起動方法。
  10. 前記駆動機が電動機である場合に、前記電動機を減電圧始動後に前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御する請求項9記載のポンプ設備のポンプ起動方法。
  11. 前記駆動機が内燃機関である場合に、前記内燃機関の軸動力を前記ポンプの主軸に伝達するクラッチを接続した後に前記ポンプの起動時に開放状態にある前記開閉弁を閉塞制御する請求項9記載のポンプ設備のポンプ起動方法。
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