JP3548127B2 - 低供給電圧アナログ乗算器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回路面積が最低限増加するが低供給電圧での精度の向上が達成されるアナログ乗算器の改善に関する。
【0002】
具体的には、本発明は図3に示すような一対の差動セルを備えた低供給電圧アナログ乗算器に関する。各セルは、エミッタ同士が結合された一対のバイポーラ・トランジスタから成り、各セルの第1のトランジスタは、そのベース端子で入力信号を受け、またバイアス部材を介して第1の基準電圧と接続されたコレクタ端子を有する。
【0003】
【従来の技術】
アナログ信号の処理では、2つのアナログ入力信号の積に比例する信号出力が可能な回路を必要とする場合が多い。
【0004】
このような回路はアナログ乗算器という専門用語で一般に呼ばれている。アナログ乗算器は例えば、変調器のバランスをとるために使用されるだけでなく位相検出器やその種の装置内でも使用される。出力が入力の2次式タイプの伝達関数を有するデジタル信号変換器の場合、アナログ乗算器を用いて、互いに同一の2つのアナログ入力信号に比例する信号の生成を行うことが不可欠である。
【0005】
多くのアナログ乗算器がバイポーラ・トランジスタ(BJT)の指数伝達関数に基づくものである。実際には、エミッタ同士が連結された差動段は(差動)コレクタ出力電流の生成が可能な基本的な乗算セルを構成することができる。このコレクタ出力電流は、その入力(差動段を形成するバイポーラ・トランジスタの対からなるベース端子)に対して印加される電圧差に依存する。
【0006】
基本的なセルを複製することにより、入力電圧の差動平面の2つまたは4つの象限に渡って作動可能なアナログ乗算器を得ることができる。
【0007】
4象限乗算器の典型的なセルはギルバート(Gilbert)セルまたは回路と文献では呼ばれている。
【0008】
この回路構成についての参考文献として、例えば、「“アクティブ・フィードバックを用いる高性能モノリシック乗算器”(A High-Performance Monolithic Multiplier Using Active Feedback")」、半導体回路のIEEEジャーナル、vol. sc-19, No. 6,1974年12月, 米国,ニューヨーク, p.364-373, Berrie Gilbert著がある。
【0009】
この種の乗算器では、回路の非線形性によって導入されるエラーを少なくするための方策が講じられることが多い。簡単に言えば、アナログ乗算器の上流側に予歪段が接続されて、入力信号内に予歪が導入されこの乗算セルの双曲線正接伝達特性が補償される。
【0010】
この予歪段は通常ダイオード構成のバイポーラ・トランジスタの形をしているため、電流入力信号は、双曲線正接の逆数(reciprocal)である伝達関数を持つ電圧出力信号の生成を強いられる。
【0011】
このタイプの乗算器は、例えば「”アナログ集積回路・・・分析と設計”(Analog Integrated Circuits -- Analysis and Design)」、Paul R. Grey and Robert G. Meyer著, McGraw-Hill社)という文献の中で公知である。これらの回路ついての詳細な記述と分析については該文献の10章、p.694〜705以下に記載されている。
【0012】
アナログ乗算器の期待される基本的特徴の中には、高い精度と相対的に低い電力消費量および中程度の回路の複雑さが含まれる。
【0013】
しかし、これらの特徴の中の1つを得るためにその他の特徴の1つまたはすべてをトレードに出す必要が生じる場合もある。
【0014】
特に、上述の従来型のアナログ乗算器は低い供給電圧で実現することはできない。
【0015】
また、コモンモード(common mode)出力電圧は乗算器の中央ノードにおける電位として変動し、この電位は入力の和の1/2に等しい。このため従来型の乗算器は入力信号の急激な変動の影響を受け易い。
【0016】
最後に、DC利得の精度はバイアス・ジェネレータのIの値に依存する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の基底に在る技術上の問題は、独自の簡単な構成上および機能上の特徴をもつアナログ乗算器構造を提供することである。このアナログ乗算器構造には非常に低い供給電圧を供給することができ、また複数段のカスケード接続を行うことで十分な速度を保持しながら入力の線形性を高めることが可能であるために、従来の解決方法の制限が解消される。
【0018】
本発明のもう1つの目的は作動時に非常に信頼性が高く、製造するのに比較的費用のかからないアナログ乗算器を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の基になる原理は、圧縮装置および伸長装置のヘッドにおける信号の動力が乗算器の利得値にかかわらず一定である乗算器の構成である。この原理によって、段の乗算係数に依存しない一定の乗算器の高調波歪が保証される。
【0020】
この原理に基づいて、上記に示したようなアナログ乗算器によって上記の技術上の問題点が解決される。このアナログ乗算器は各セルの第2のトランジスタがダイオード構成であり、各々対をなす第2のトランジスタのベース端子に対応する共通ノードでセルが相互に接続されることを特徴とする。
【0021】
この発明は、一対の差動セル(10、11)を有し、各セルが接続されたエミッタ同士が結合された一対のバイポーラ・トランジスタ(2、3、6、7)から成り、各セル(10、11)の第1のトランジスタ(2、6)がそのベース端子で入力信号(Vin+、Vin−)を受けコレクタ端子がバイアス部材(4、8)を介して第1の基準電圧(Vcc)に接続され、各セルの第2のトランジスタ(3、7)がダイオード構成を成し、各々対をなす第2のトランジスタ(3、7)のベース端子に相当する共通ノード(A)において前記セルが相互に接続されていることを特徴とする低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0022】
また、前記第1の基準電圧と前記共通ノード(A)との間に接続された電流発生装置(12)を含むことを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0023】
また、前記共通ノード(A)と接続された前記電流発生装置(12)からの電流に等しい電流(2I)を配給するようにされたバイアス電流発生装置(5、9)が、各結合されたエミッタと第2の基準電圧(GND)との間に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0024】
また、各々対をなす前記第1のトランジスタ(2、6)のコレクタ端子が前記乗算器の差動出力(OUT−、OUT+)を形成することを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0025】
また、完全差動構成であることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0026】
また、前記各すべてのトランジスタがnpnバイポーラ・トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0027】
また、前記バイアス部材が前記第1の基準供給電圧に関して順方向にバイアスをかけられるダイオード(4、8)からなることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0028】
また、同一構造を持つ乗算器とカスケード接続され、負荷ダイオードがカスケードの第1のセルとカスケードの最後のセルとに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0029】
また、前記第2のセル(11)の前記第2のトランジスタ(7)の面積が前記第1のセル(10)の第2のトランジスタ(3)の面積を超えることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0030】
本発明による乗算器の特徴と利点は添付図面を参照する以下の説明により明らかになる。例を挙げて以下説明を行う本発明の実施の形態は本発明を限定するものではない。
【0031】
【発明の実施の形態】
これらの図面の特に図1に、本発明を具現化しまた好ましくは信号変調器での使用を意図するアナログ乗算器の回路構成が全体を1で示す概略的形で示されている。
【0032】
この構造1には、相互に接続している第1の回路部分10と第2の回路部分11とが含まれる。これらの部分10と11は、相互に接続されて完全な差動構成になっている本質的差動セルである。
【0033】
第1部分すなわちセル10は、第1の入力信号IN+を受信するように設けられる制御端子(ベース端子)を持つ第1のバイポーラ・トランジスタ2を備えている。
【0034】
第1のトランジスタ2はダイオード4を介して第1の基準供給電圧Vccと接続している導通端子(コレクタ端子)を備えている。このダイオード4は電源に関して順方向にバイアスがかけられる。
【0035】
コレクタ・ノードは乗算器1の第1の出力端子OUT−を形成する。
【0036】
部分10は、第1のトランジスタ2のエミッタ端子と接続されたエミッタ端子を持つ第2のバイポーラ・トランジスタ3をさらに備える。
【0037】
第1のトランジスタ2と第2のトランジスタ3のエミッタ端子は、電流2Iを配給する電流発生装置5を介して第2の基準電圧GNDと接続される。
【0038】
第2のトランジスタ3のベース端子とコレクタ端子とが相互接続されていることによりトランジスタのダイオード構成(ダイオード接続)が提供される。
【0039】
また第2のトランジスタ3のベース端子はまた、回路構成1の第1のセル10と第2のセル11用の相互接続ノードAを形成する。
【0040】
第2のセル11は第1のセルと類似し、第1のセル10と鏡像関係をなして接続されている。また第2のセル11は第2の入力信号IN−を受信するように設けられるベース端子を備えた第1のバイポーラ・トランジスタ6を備える。
【0041】
第2のセル11の第1のトランジスタ6は、ダイオード8を通じて第1の基準供給電圧Vccと接続されるコレクタ端子を有する。このダイオード8は電源に関して順方向にバイアスがかけられる。
【0042】
コレクタ・ノードは乗算器1の第2の出力端子OUT+を形成する。
【0043】
第2のセル11は、第1のトランジスタ6のエミッタ端子と接続されたエミッタ端子を備えた第2のバイポーラ・トランジスタ7をさらに備える。
【0044】
第2のセル11の第1のトランジスタ6と第2のトランジスタ7のエミッタ端子は、電流2Iを配給する電流発生装置9を介して第2の基準電圧GNDと接続される。
【0045】
第2のトランジスタ7のベース端子とコレクタ端子とが相互に接続されることによりトランジスタのダイオード構成が提供される。
【0046】
好ましくは、ノードAへ電流2Iを配給する電流発生装置12が、セル10と11とを相互に接続するノードAと第1の基準電圧Vccとの間で接続されることが望ましい。
【0047】
構造1のトランジスタはすべてnpnバイポーラ・トランジスタである。しかし、この回路はnpnトランジスタの代わりにpnpトランジスタで構成することもできる。
【0048】
さらに別の実施の形態では、第2のセル11の第2のトランジスタ7の寸法は第1のセル10の第2のトランジスタ3より1.8倍大きくてもよい。
【0049】
電流発生装置5、9、12の電流Iの値を変更することによりトランジスタ3と7の相互コンダクタンスを変えることができ、それによって乗算器の利得値が変更される。
【0050】
従来の解決方法とは異なり、本発明の乗算器は、バイアス・ジェネレータの電流Iが変動しても一定のままであるDC出力電圧Voutを有する。これは最低限の高調波歪に最適の状態である。
【0051】
図2に図示のように本発明の乗算器は同タイプの他の乗算器とのカスケード接続に適している。この場合、入力の線形性が高められる。負荷ダイオード4、8がカスケード接続された第1のセル及び最後のセルに接続される。
【0052】
本発明による乗算器によって上記技術上の問題点が解決され、いくつかの利点が提供される。それらの利点の中で最も大きな利点は3V以下の非常に低い電圧を乗算器に供給できることである。
【0053】
コモンモード電圧とは図1のトランジスタ2と3の間のベース・エミッタ電圧低下による電圧差である。
【0054】
本発明の回路構成はきわめて簡単であり、非常に高速であることが証明されている。
【0055】
本乗算器は非常に低い電圧の供給が可能であり、しかも、ピーク・トゥ・ピーク振幅の入力信号が600mV以上の場合でも、高速動作と出力信号の低い高調波歪とが示される。
【0056】
添付の請求項に定義された本発明の範囲内で本明細書で上述された構造に対する変更および修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による低供給電圧アナログ乗算器を概略的に示す図である。
【図2】本発明による1組のカスケード接続された低供給電圧アナログ乗算器の更なる詳細図である。
【図3】従来技術によるアナログ乗算器を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 低供給電圧アナログ乗算器、2 第1のバイポーラ・トランジスタ、3第2のバイポーラ・トランジスタ、4 ダイオード、5 電流発生装置、6 第1のバイポーラ・トランジスタ、7 第2のバイポーラ・トランジスタ、8 ダイオード、9 電流発生装置、10 第1の回路部分(セル)、11 第2の回路部分(セル)、12 電流発生装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は回路面積が最低限増加するが低供給電圧での精度の向上が達成されるアナログ乗算器の改善に関する。
【0002】
具体的には、本発明は図3に示すような一対の差動セルを備えた低供給電圧アナログ乗算器に関する。各セルは、エミッタ同士が結合された一対のバイポーラ・トランジスタから成り、各セルの第1のトランジスタは、そのベース端子で入力信号を受け、またバイアス部材を介して第1の基準電圧と接続されたコレクタ端子を有する。
【0003】
【従来の技術】
アナログ信号の処理では、2つのアナログ入力信号の積に比例する信号出力が可能な回路を必要とする場合が多い。
【0004】
このような回路はアナログ乗算器という専門用語で一般に呼ばれている。アナログ乗算器は例えば、変調器のバランスをとるために使用されるだけでなく位相検出器やその種の装置内でも使用される。出力が入力の2次式タイプの伝達関数を有するデジタル信号変換器の場合、アナログ乗算器を用いて、互いに同一の2つのアナログ入力信号に比例する信号の生成を行うことが不可欠である。
【0005】
多くのアナログ乗算器がバイポーラ・トランジスタ(BJT)の指数伝達関数に基づくものである。実際には、エミッタ同士が連結された差動段は(差動)コレクタ出力電流の生成が可能な基本的な乗算セルを構成することができる。このコレクタ出力電流は、その入力(差動段を形成するバイポーラ・トランジスタの対からなるベース端子)に対して印加される電圧差に依存する。
【0006】
基本的なセルを複製することにより、入力電圧の差動平面の2つまたは4つの象限に渡って作動可能なアナログ乗算器を得ることができる。
【0007】
4象限乗算器の典型的なセルはギルバート(Gilbert)セルまたは回路と文献では呼ばれている。
【0008】
この回路構成についての参考文献として、例えば、「“アクティブ・フィードバックを用いる高性能モノリシック乗算器”(A High-Performance Monolithic Multiplier Using Active Feedback")」、半導体回路のIEEEジャーナル、vol. sc-19, No. 6,1974年12月, 米国,ニューヨーク, p.364-373, Berrie Gilbert著がある。
【0009】
この種の乗算器では、回路の非線形性によって導入されるエラーを少なくするための方策が講じられることが多い。簡単に言えば、アナログ乗算器の上流側に予歪段が接続されて、入力信号内に予歪が導入されこの乗算セルの双曲線正接伝達特性が補償される。
【0010】
この予歪段は通常ダイオード構成のバイポーラ・トランジスタの形をしているため、電流入力信号は、双曲線正接の逆数(reciprocal)である伝達関数を持つ電圧出力信号の生成を強いられる。
【0011】
このタイプの乗算器は、例えば「”アナログ集積回路・・・分析と設計”(Analog Integrated Circuits -- Analysis and Design)」、Paul R. Grey and Robert G. Meyer著, McGraw-Hill社)という文献の中で公知である。これらの回路ついての詳細な記述と分析については該文献の10章、p.694〜705以下に記載されている。
【0012】
アナログ乗算器の期待される基本的特徴の中には、高い精度と相対的に低い電力消費量および中程度の回路の複雑さが含まれる。
【0013】
しかし、これらの特徴の中の1つを得るためにその他の特徴の1つまたはすべてをトレードに出す必要が生じる場合もある。
【0014】
特に、上述の従来型のアナログ乗算器は低い供給電圧で実現することはできない。
【0015】
また、コモンモード(common mode)出力電圧は乗算器の中央ノードにおける電位として変動し、この電位は入力の和の1/2に等しい。このため従来型の乗算器は入力信号の急激な変動の影響を受け易い。
【0016】
最後に、DC利得の精度はバイアス・ジェネレータのIの値に依存する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の基底に在る技術上の問題は、独自の簡単な構成上および機能上の特徴をもつアナログ乗算器構造を提供することである。このアナログ乗算器構造には非常に低い供給電圧を供給することができ、また複数段のカスケード接続を行うことで十分な速度を保持しながら入力の線形性を高めることが可能であるために、従来の解決方法の制限が解消される。
【0018】
本発明のもう1つの目的は作動時に非常に信頼性が高く、製造するのに比較的費用のかからないアナログ乗算器を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の基になる原理は、圧縮装置および伸長装置のヘッドにおける信号の動力が乗算器の利得値にかかわらず一定である乗算器の構成である。この原理によって、段の乗算係数に依存しない一定の乗算器の高調波歪が保証される。
【0020】
この原理に基づいて、上記に示したようなアナログ乗算器によって上記の技術上の問題点が解決される。このアナログ乗算器は各セルの第2のトランジスタがダイオード構成であり、各々対をなす第2のトランジスタのベース端子に対応する共通ノードでセルが相互に接続されることを特徴とする。
【0021】
この発明は、一対の差動セル(10、11)を有し、各セルが接続されたエミッタ同士が結合された一対のバイポーラ・トランジスタ(2、3、6、7)から成り、各セル(10、11)の第1のトランジスタ(2、6)がそのベース端子で入力信号(Vin+、Vin−)を受けコレクタ端子がバイアス部材(4、8)を介して第1の基準電圧(Vcc)に接続され、各セルの第2のトランジスタ(3、7)がダイオード構成を成し、各々対をなす第2のトランジスタ(3、7)のベース端子に相当する共通ノード(A)において前記セルが相互に接続されていることを特徴とする低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0022】
また、前記第1の基準電圧と前記共通ノード(A)との間に接続された電流発生装置(12)を含むことを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0023】
また、前記共通ノード(A)と接続された前記電流発生装置(12)からの電流に等しい電流(2I)を配給するようにされたバイアス電流発生装置(5、9)が、各結合されたエミッタと第2の基準電圧(GND)との間に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0024】
また、各々対をなす前記第1のトランジスタ(2、6)のコレクタ端子が前記乗算器の差動出力(OUT−、OUT+)を形成することを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0025】
また、完全差動構成であることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0026】
また、前記各すべてのトランジスタがnpnバイポーラ・トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0027】
また、前記バイアス部材が前記第1の基準供給電圧に関して順方向にバイアスをかけられるダイオード(4、8)からなることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0028】
また、同一構造を持つ乗算器とカスケード接続され、負荷ダイオードがカスケードの第1のセルとカスケードの最後のセルとに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0029】
また、前記第2のセル(11)の前記第2のトランジスタ(7)の面積が前記第1のセル(10)の第2のトランジスタ(3)の面積を超えることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器にある。
【0030】
本発明による乗算器の特徴と利点は添付図面を参照する以下の説明により明らかになる。例を挙げて以下説明を行う本発明の実施の形態は本発明を限定するものではない。
【0031】
【発明の実施の形態】
これらの図面の特に図1に、本発明を具現化しまた好ましくは信号変調器での使用を意図するアナログ乗算器の回路構成が全体を1で示す概略的形で示されている。
【0032】
この構造1には、相互に接続している第1の回路部分10と第2の回路部分11とが含まれる。これらの部分10と11は、相互に接続されて完全な差動構成になっている本質的差動セルである。
【0033】
第1部分すなわちセル10は、第1の入力信号IN+を受信するように設けられる制御端子(ベース端子)を持つ第1のバイポーラ・トランジスタ2を備えている。
【0034】
第1のトランジスタ2はダイオード4を介して第1の基準供給電圧Vccと接続している導通端子(コレクタ端子)を備えている。このダイオード4は電源に関して順方向にバイアスがかけられる。
【0035】
コレクタ・ノードは乗算器1の第1の出力端子OUT−を形成する。
【0036】
部分10は、第1のトランジスタ2のエミッタ端子と接続されたエミッタ端子を持つ第2のバイポーラ・トランジスタ3をさらに備える。
【0037】
第1のトランジスタ2と第2のトランジスタ3のエミッタ端子は、電流2Iを配給する電流発生装置5を介して第2の基準電圧GNDと接続される。
【0038】
第2のトランジスタ3のベース端子とコレクタ端子とが相互接続されていることによりトランジスタのダイオード構成(ダイオード接続)が提供される。
【0039】
また第2のトランジスタ3のベース端子はまた、回路構成1の第1のセル10と第2のセル11用の相互接続ノードAを形成する。
【0040】
第2のセル11は第1のセルと類似し、第1のセル10と鏡像関係をなして接続されている。また第2のセル11は第2の入力信号IN−を受信するように設けられるベース端子を備えた第1のバイポーラ・トランジスタ6を備える。
【0041】
第2のセル11の第1のトランジスタ6は、ダイオード8を通じて第1の基準供給電圧Vccと接続されるコレクタ端子を有する。このダイオード8は電源に関して順方向にバイアスがかけられる。
【0042】
コレクタ・ノードは乗算器1の第2の出力端子OUT+を形成する。
【0043】
第2のセル11は、第1のトランジスタ6のエミッタ端子と接続されたエミッタ端子を備えた第2のバイポーラ・トランジスタ7をさらに備える。
【0044】
第2のセル11の第1のトランジスタ6と第2のトランジスタ7のエミッタ端子は、電流2Iを配給する電流発生装置9を介して第2の基準電圧GNDと接続される。
【0045】
第2のトランジスタ7のベース端子とコレクタ端子とが相互に接続されることによりトランジスタのダイオード構成が提供される。
【0046】
好ましくは、ノードAへ電流2Iを配給する電流発生装置12が、セル10と11とを相互に接続するノードAと第1の基準電圧Vccとの間で接続されることが望ましい。
【0047】
構造1のトランジスタはすべてnpnバイポーラ・トランジスタである。しかし、この回路はnpnトランジスタの代わりにpnpトランジスタで構成することもできる。
【0048】
さらに別の実施の形態では、第2のセル11の第2のトランジスタ7の寸法は第1のセル10の第2のトランジスタ3より1.8倍大きくてもよい。
【0049】
電流発生装置5、9、12の電流Iの値を変更することによりトランジスタ3と7の相互コンダクタンスを変えることができ、それによって乗算器の利得値が変更される。
【0050】
従来の解決方法とは異なり、本発明の乗算器は、バイアス・ジェネレータの電流Iが変動しても一定のままであるDC出力電圧Voutを有する。これは最低限の高調波歪に最適の状態である。
【0051】
図2に図示のように本発明の乗算器は同タイプの他の乗算器とのカスケード接続に適している。この場合、入力の線形性が高められる。負荷ダイオード4、8がカスケード接続された第1のセル及び最後のセルに接続される。
【0052】
本発明による乗算器によって上記技術上の問題点が解決され、いくつかの利点が提供される。それらの利点の中で最も大きな利点は3V以下の非常に低い電圧を乗算器に供給できることである。
【0053】
コモンモード電圧とは図1のトランジスタ2と3の間のベース・エミッタ電圧低下による電圧差である。
【0054】
本発明の回路構成はきわめて簡単であり、非常に高速であることが証明されている。
【0055】
本乗算器は非常に低い電圧の供給が可能であり、しかも、ピーク・トゥ・ピーク振幅の入力信号が600mV以上の場合でも、高速動作と出力信号の低い高調波歪とが示される。
【0056】
添付の請求項に定義された本発明の範囲内で本明細書で上述された構造に対する変更および修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による低供給電圧アナログ乗算器を概略的に示す図である。
【図2】本発明による1組のカスケード接続された低供給電圧アナログ乗算器の更なる詳細図である。
【図3】従来技術によるアナログ乗算器を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1 低供給電圧アナログ乗算器、2 第1のバイポーラ・トランジスタ、3第2のバイポーラ・トランジスタ、4 ダイオード、5 電流発生装置、6 第1のバイポーラ・トランジスタ、7 第2のバイポーラ・トランジスタ、8 ダイオード、9 電流発生装置、10 第1の回路部分(セル)、11 第2の回路部分(セル)、12 電流発生装置。
Claims (9)
- 一対の差動セルを有し、各セルが接続されたエミッタ同士が結合された一対のバイポーラ・トランジスタから成り、各セルの第1のトランジスタがそのベース端子で入力信号を受けコレクタ端子がバイアス部材を介して第1の基準電圧に接続され、各セルの第2のトランジスタがダイオード構成を成し、各々対をなす第2のトランジスタのベース端子に相当する共通ノードにおいて前記セルが相互に接続されていることを特徴とする低供給電圧アナログ乗算器。
- 前記第1の基準電圧と前記共通ノードとの間に接続された電流発生装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器。
- 前記共通ノードと接続された前記電流発生装置からの電流に等しい電流を配給するようにされたバイアス電流発生装置が、各結合されたエミッタと第2の基準電圧との間に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の低供給電圧アナログ乗算器。
- 各々対をなす前記第1のトランジスタのコレクタ端子が前記乗算器の差動出力を形成することを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器。
- 完全差動構成であることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器。
- 前記各すべてのトランジスタがnpnバイポーラ・トランジスタであることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器。
- 前記バイアス部材が前記第1の基準供給電圧に関して順方向にバイアスをかけられるダイオードからなることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器。
- 同一構造を持つ乗算器とカスケード接続され、負荷ダイオードがカスケードの第1のセルとカスケードの最後のセルとに設けられたことを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器。
- 前記第2のセルの前記第2のトランジスタの面積が前記第1のセルの第2のトランジスタの面積を超えることを特徴とする請求項1に記載の低供給電圧アナログ乗算器。
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