JP3548003B2 - 通信システム及びそのループバック制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のノード装置と該各ノード装置を制御する制御ノード装置とを伝送路によりリング状に接続して成り、任意のノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間での前記伝送路内の通信パスによる通信中、前記制御用ノード装置からのループバック指示に基づき該当する2つのノード装置にて前記通信パスのループバックを行う機能を有する通信システムに係わり、詳しくは、ノード装置の増設や減設あるいは障害復旧を上記通信を中断することなく行えるようにするためのループバック制御方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鉄道管理システムや道路管理システムなどのシステム構築形態の1つとして、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)交換機能を有する複数のノード装置を光ファイバ等の伝送路を介してリング状に配置するとともに、これら各ノード装置に監視カメラやモニタ装置等に相当するローカル通信端末を接続したうえで、伝送路に対してリング状に複数の仮想的な通信パスを設定し、該通信パスにより、上記各ローカル通信端末間の情報を各ノード装置を介して送受する形態が考えられている。
【0003】
通常、この種のシステムでは、通信信頼性向上の観点から、障害発生時、当該障害発生箇所に隣接する2つのノード装置で通信パスをループバックし、該障害発生箇所を迂回した通信パスを形成することにより通信を救済するループバック機能が備わっている。また、このループバック機能は、ノード装置を増設したり減設する場合にも利用される。
【0004】
図16〜図18は、この種の従来システムにおいてノード装置を増設する場合のループ制御の推移を示したものである。まず、図16は、従来システムにおけるノード装置の増設動作開始時点の通信パスの設定状況を示したものであり、ネットワーク制御装置9,ノード装置10A,10B,10C,10D,10Eを伝送路により接続して成るリングにおいて、ノード装置10Dに接続されるカメラ11Aと、ノード装置10Eに接続されるモニタ装置11Bが上記伝送路20内に設定された通信パス21aを介して通信している。この時、通信パス21aと反対回りの通信パス21bはループバック制御のためにリザーブされている。
【0005】
カメラ11Aとモニタ装置11Bとの通信中、例えばノード装置10Aとノード装置10B間にノード装置を増設しようとする場合、まず、図16に示す如く、ネットワーク制御装置9からノード装置10Aに対してループバック指示Aを送出する。このループバック指示Aを受けることにより、ノード装置10Aは、ネットワーク制御装置9との間で、通信パス21aを通信パス21bに折り返すようにループバックを行う。次に、ネットワーク制御装置9は、図17に示す如く、ノード装置10Bに対してループバック指示A′を送出する。このループバック指示A′を受けることにより、ノード装置10Bは、ネットワーク制御装置9との間で、通信パス21aを通信パス21bに折り返すようにループバックを行う。
【0006】
ノード装置10A及びノード装置10Bともにループバックが完了した後、図18に示す如く、増設用ノード装置10Fをノード装置10Aと10B間に介挿し、ノード装置10Fが追加されたリングを構築する。その後、ネットワーク制御装置9からノード装置10A及びノード装置10Bにそれぞれループバック解除指示を送出することにより、上記ループバックを解除し、増設されたノード装置10Fを経由する通信パス21aを設定し直してノード増設動作を完了する。
【0007】
図16〜図18からも分かるように、従来システムにおいてノード装置を増設する場合、ノード増設箇所に隣接する2つのノード装置10A,10Bは、ネットワーク制御装置9側に対してのみループバックを行い、ノード装置10Fを増設しようとする側にはループバックを行っていなかった。これにより、例えば、図16でノード装置10Aがループバックを行った後、図17でノード装置10Bがループバックを完了するまでの間、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信パス21aが遮断され、両者間の通信が行えないことになった。ここで、ノード装置10A及びノード装置10Bに対して同時にループバック指示を与えたとしても、各ノード装置10A,10Bは互いに独立した制御プログラムで動作しているため、ループバックの時間差が生じ、その差に相当する期間、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信は中断されることになった。
【0008】
また、ノード装置を減設する場合、あるいは障害復旧を行う場合にも、該当する2つのノード装置をループバックさせ、その後にループバックを解除させるといった制御を行うが、この場合においても、ネットワーク制御装置9側にしかループバックを行わない従来システムでは、ノード装置増設時と同様、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信中断を免れなかった。また、この片側にしかループバックを行わない従来システムによれば、例えば、障害を除去した後、ループバックを解除する場合においても、通信パスが一時的に遮断状態となり、やはりカメラ11Aとモニタ装置11B間の通信中断が避けられなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記従来システムでは、ノード装置の増設または減設時、あるいは障害復旧時、ループバック指示を受けた2つのノード装置において、当該指示を受けた側に対してのみループバックを行い、ノード装置の増設または減設側あるいは障害発生側に対してはループバックを行っていなかった。このため、例えば、任意のローカル通信端末間での通信中に、ノード装置の増設または減設あるいは障害復旧を行う場合には、一方のノード装置がループバックを開始してから他方のノード装置がループバックを完了するまでの期間(あるいは、一方のノード装置がループバック解除を開始してから他方のノード装置がループバック解除を完了するまでの期間)、現行の通信パスが一時的に遮断状態となり、上記ローカル通信端末間の通信が中断してしまうという問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題点を解消し、ローカル通信端末間での通信中に、当該通信を中断することなくノード装置の増設、減設あるいは障害復旧に対処できる通信システム及びそのループバック制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、複数のノード装置と該各ノード装置を制御する制御ノード装置とを、互いに逆方向の第1及び第2の通信パスを設定可能な伝送路によりリング状に接続し、通常時、前記各ノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間で前記第1の通信パスを通じて情報の通信を行う通信システムにおいて、前記制御ノード装置は、任意の2つのノード装置に対し、制御用パスを介してループバック指示若しくはループバック解除指示を送出する指示手段を具備し、前記ノード装置は、前記制御ノード装置から送出される前記ループバック指示に基づき自装置から見て前記リングの左側で前記第1の通信パスを前記第2の通信パスにループバックし、かつ前記リングの右側で前記第1の通信パスを前記第2の通信パスにループバックする動作を同時に行うと共に、前記制御ノード装置から送出される前記ループバック解除指示に基づき前記ループバックを解除するループバック制御手段を具備することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、ノード装置は、非同期転送モード(ATM)の交換機能を有するATM交換装置であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、複数のノード装置と該各ノード装置を制御する制御ノード装置とを、互いに逆方向の第1及び第2の通信パスを設定可能な伝送路によりリング状に接続し、前記各ノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間での前記第1の通信パスを通じた情報通信中、任意のノード装置にて前記第1の通信パスから第2の通信パスへのループバックと、該ループバックの解除を行う機能を有する通信システムのループバック制御方法において、前記制御ノード装置から任意の2つのノード装置に対し、制御用パスを介してループバック指示を送出するステップと、前記制御ノード装置から前記ループバック指示を受信した前記2つのノード装置が、個々に、該ループバック指示に基づき自装置から見て前記リングの左側で前記第1の通信パスを前記第2の通信パスにループバックし、かつ前記リングの右側で前記第1の通信パスを前記第2の通信パスにループバックする動作を同時に行うステップと、前記制御ノード装置から前記ループバック状態の前記2つのノード装置に対し、前記制御用パスを介してループバック解除指示を送出するステップと、前記制御ノード装置から前記ループバック解除指示を受信した前記2つのノード装置が、個々に、該ループバック指示に基づき前記ループバックを解除するステップとを有し、前記2つのノード装置のいずれが先にループバックまたはループバック解除を完了しても、前記ループバックによる救済対象の通信パスに中断を生じないようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、ノード装置は、非同期転送モード(ATM)の交換機能を有するATM交換装置であることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係わる通信システムの概略構成図である。この通信システムは、ネットワーク制御装置9と、ノード装置10A,10B,10C,10D,10Eとを光ファイバ等を用いた伝送路20によりリング状に接続して構成される。ネットワーク制御装置9及びノード装置10A,10B,10C,10D,10Eには、入出力ポート105を介して、それぞれ1または複数のローカル通信端末が接続される。同図では、ローカル通信端末として、特に、ノード装置10Dに接続されるカメラ11Aとノード装置10Eに接続されるモニタ装置11Bのみを図示している。
【0016】
ノード装置10(10A,10B,10C,10D,10E)としては、例えばATM交換装置が用いられる。ATM交換装置は、VP(Virtual Path:仮想パス)とVC(Virtual Channel:仮想チャネル)という2レベルのネットワークにより実現されるATM交換網内で、入力ポートから入力してくる固定長のセル(ATMセル)を、このATMセル内に含まれているVPI(Virtual Path Identifier:仮想パス識別子)及びVCI(Virtual Channel Identifier:仮想チャネル識別子)に従って出力ポートへと交換処理する機能を有するものである。
【0017】
ネットワーク制御装置9は、リング内の各ノード装置10を制御するためのものであり、これら各ノード装置10と同様のATM交換機能に加えて、各ノード装置との間の通信パス及び制御パスの形成制御、通信パスを用いた各ノード装置間あるいはローカル通信端末間の通信制御、ノード装置の増設または減設時あるいは障害発生時における通信パスのループバック制御等の各種制御機能を有する。更に、このネットワーク制御装置9には、マン/マシンインタフェース機能を司る管理用端末8が接続される。
【0018】
ネットワーク制御装置9は、管理用端末8からの指示に基づき上述した各種制御を実行する。例えば、各ノード装置10に接続されるローカル通信端末間で通信を行う場合、ネットワーク制御装置9は、これら各ローカル通信端末を管轄する各ノード装置10間の伝送路20内に仮想的な通信パスを設定し、この通信パスを用いて送信元ローカル通信端末と送信先ローカル通信端末間の通信制御を行う。なお、ノード装置10へのパス設定などの制御は、制御用パスを用いて行われる。つまり、この通信システムでは、伝送路20内に形成可能な仮想的なパスとして、制御用パスと通信パスとの2種類が存在する。
【0019】
通信パスは、リングの右回り方向(ノード10A,10B,10C,10D,10E方向)のものと、これとは逆の左回り方向のものとがある。ローカル通信端末間の通信は、通常状態では右回りの通信パスを用いた双方向通信により実現され、左回りの通信パスは回線障害の際のループバック用にリザーブする形態で実現される。
【0020】
ここで、図2を参照し、ノード装置10Dに接続されるカメラ11Aとノード装置10Eに接続されるモニタ装置11B間で通信を行う場合について説明する。この場合、伝送路20内には、上述した制御により、カメラ11Aからモニタ装置11B方向への右回りの通信パス21aが形成される。なお、図示はしていないが、この時、伝送路20内には、左回りの通信パス21bも形成され、ループバック用にリザーブされている。
【0021】
通信パス設定後、カメラ11Aでの撮影により得られた動画画像情報は、ノード装置10Dの入出力ポート105から入力され、当該ノード装置10DのATMスイッチ部によりノード装置10E方向に交換された後、通信パス21aを通じてノード装置10Eに送られ、当該ノード装置10E内のATMスイッチ部によりその入出力ポート105に交換出力されてモニタ装置11Bに伝送され、再生出力される。また、モニタ装置11Bから出力されるカメラ11Aの制御情報等の情報は、ノード装置10Eの入出力ポート105から入力され、当該ノード装置10EのATMスイッチ部によりネットワーク制御装置9方向に交換出力された後、通信パス21aを通じ、ネットワーク制御装置9、ノード装置10A、10B、10Cを経由してノード装置10Dに送られ、該ノード装置10D内のATMスイッチ部によりその入出力ポート105に交換出力されてカメラ11Aに伝送される。
【0022】
このカメラ11Aとモニタ装置11B間の通信に係わるネットワーク制御装置9及び各ノード装置10(10A,10B,10C,10D,10E)の動作について図3を参照して更に詳しく述べる。図3は、この通信システムを構築するノード装置10の概略構成を示す図であり、制御部101、ATMスイッチ部102、光受信部103a,13b、光送信部104a,104b、入出力ポート105を備える。ネットワーク制御装置9も、管理端末8とのインタフェース機能が備わる他は、基本的な構成は上記各ノード装置10と同様である。
【0023】
図3において、光受信部103a,103b及び光送信部104a,104bはそれぞれ伝送路20に接続される。本通信システムでは、右回りと左回りの2本の伝送路20(図1,図2参照)があり、光受信部103aと光送信部104aとが例えば右回りの伝送路による通信に利用され、光受信103bと光送信部104bとが左回りの伝送路による通信に利用される。入出力ポート105には、上述したカメラ11Aやモニタ装置11B等のローカル通信端末が接続される。
【0024】
このノード装置10において、例えば光受信部103aから入力されるデータは、ATMスイッチ部102での交換処理によって、制御部101,入出力ポート105,光送信部104a,104bのいずれかに送信される。同様に、光受信部103bから入力されるデータは、ATMスイッチ部102での交換処理によって、制御部101,入出力ポート105,光送信部104a,104bのいずれかに送信される。更に、制御部101または入出力ポート105から入力されるデータは、ATMスイッチ部102での交換処理によって、入出力ポート105,光送信部104a,104bのいずれかまたは制御部101、光送信部104a,104bのいずれかに送信される。
【0025】
係る交換機能により、例えば、図2に示す通信状態でのノード装置10Dにあっては、入出力ポート105から入力するカメラ11Aの動画画像情報をATMスイッチ部102で光送信部104bに送出し、また光受信部103bから入力するモニタ装置11Bからの制御情報をATMスイッチ部102にて入出力ポート105よりカメラ11Aに出力する交換処理がなされる。また、同状態でのノード装置10Eにあっては、光受信部103bから入力するカメラ11Aからの動画画像情報をATMスイッチ部102にて入出力ポート105よりモニタ装置11Bに出力し、また、入出力ポート105から入力するモニタ装置11Bからの制御情報をATMスイッチ部102で光送信部104bに送出する交換処理がなされる。
【0026】
ATMスイッチ部102において、入力データ(上述した動画画像情報や制御情報等)を特定の方路(例えば、モニタ装置11Bを収容するノード装置10E方向やカメラ11Aを収容するノード装置10D方向)に送信するには、例えば制御部101内に設けられる通信パス設定テーブルに、データの単位であるセルの必須付加情報であるアドレスに対応した方路を予め設定しておき、セルが到来する毎に、制御部101において、このセル中のアドレスを基に上記通信パス設定テーブル内の該アドレスに対応する方路を検索し、該方路が形成されるべくATMスイッチ部102をスイッチング制御することにより対処できる。
【0027】
ところで、図3に示す機能構成の各ノード装置10では、例えば、光受信部103aからの入力データをATMスイッチ部102を介して光送信部104bに出力する様にATMスイッチ部102をスイッチング制御することで伝送路(通信パス)のループバックが行える。同様に、光受信部103bからの入力データをATMスイッチ部102を介して光送信部104aに出力する様にATMスイッチ部102をスイッチング制御することで伝送路(通信パス)のループバックが行える。この通信システムでは、リングに新規なノード装置を増設する場合、リングから既存のノード装置を減設する場合、あるいは障害発生時に迂回通信路を形成する場合に、上述した様なATMスイッチ部102でのループバック機能を用い、リングの左右両側の通信パスに対してループバックを行うことによりこれに対処する。
【0028】
以下、本通信システムにおけるノード装置の増設または減設あるいは障害発生時のループ制御動作について述べる。まず、本通信システムにおいて、ノード装置10Aとノード装置10B間にノード装置10Fを増設する場合のループ制御について図4〜図11を参照して説明する。
【0029】
図4は、ノード装置増設開始前の通信パス設定例として、ノード装置10Dに接続されたカメラ11Aとノード装置10Eに接続されたモニタ装置11Bとで通信を行う場合(図2参照)の通信パスの設定状況を示したものである。同図に示す如く、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信中、両者の間には、リングに沿って右回りの通信パス21aと左回りの通信パス21bとが設定されている。右回りの通信パス21aは、カメラ11Aとモニタ装置11Bとの通常通信時に使用され、左回りの通信パス21bは、通常通信には使用されず、ループバックが行われた場合に使用される予備用の通信パスである。
【0030】
図4において、カメラ11Aとモニタ装置11B間で通信パス21aにより通信している時、ノード装置10Aとノード装置10B間にノード装置10Fを増設する場合、図5〜図11に示すような順番でループバック及びループバック解除の制御が推移する。
【0031】
まず、図5においては、上記ノード増設要求の発生により、ネットワーク制御装置9からノード増設箇所に隣接する2つのノード装置のうちの一方のノード装置10Aに制御用パスを通じてループバック指示Aを送出する。このループバック指示Aを受けることにより、ノード装置10Aでは、ネットワーク制御装置9側にループバックを行うとともに、ノード増設側に対してもループバックを行う。つまり、本発明では、ループバック指示Aを受けたノード装置10Aにおいて、リングの左右両側の通信パスに対して、アルファベットの「X」字に相当する態様のループバック(「X」型ループバック)を行う。
【0032】
次に、ネットワーク制御装置9は、図6に示す如く、ノード増設箇所に隣接するもう一方のノード装置10Bに制御パスを通じてループバック指示A′を送出する。このループバック指示A′を受けることにより、ノード装置10Bでは、ノード装置10Aと同様、ネットワーク制御装置9側とノード増設側との双方に「X」字ループバックを行う。
【0033】
このように、本発明では、ノード増設箇所に隣接する2つのノード装置(10A、10B)が、ループバック指示に基づき、それぞれ「X」型ループバックを行うようにしている。この「X」型ループバックによれば、例えばノード装置10Aが先にループバックした場合(図5参照)、該ノード装置10Aとネットワーク制御装置9との間で右回りの通信パス21aが左回りの通信パス21bに折り返されると同時に、ノード装置10Aとノード増設側のノード装置10Bとの間で上記折り返された左回りの通信パス21bが右回りの通信パス21aに折り返される結果、当該ノード装置10Aのループバックに際し、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信路の遮断が生じない。この動作は、ノード装置10Bが先にループバックした場合も同様である。つまり、本発明では、ノード装置10Aとノード装置10Bとのループバックに時間差が生じた場合にも、カメラ11Aとモニタ装置11B間に常に通信パスを確保でき、該通信パスを通じてカメラ11Aとモニタ装置11B間の通信を維持できる。
【0034】
ノード装置10A及びノード装置10Bともループバックが完了した後、図7に示す如く、該ノード装置10Aとノード装置10B間のノード増設箇所にノード装置10Fを介挿し、更にこのノード装置10Fとノード装置10A及びノード装置10B間の伝送路の接続等の必要な接続処理を行う。接続完了後、ノード装置10Fの電源を投入することにより、図8に示す如く、「X」型ループバック中のノード装置10A及びノード装置10Bのノード増設側ループバック路とノード装置10Eとの間に同図点線で示す如くの通信路が形成される。
【0035】
この状態で、ネットワーク制御装置9は、図9に示す如く、ノード増設箇所に隣接する一方のノード装置10Aに制御用パスを通じてループバック解除指示Bを送出する。このループバック解除指示Bを受けることにより、ノード装置10Aでは、それまで行っていた「X」型ループバックを解除する。
【0036】
次に、ネットワーク制御装置9は、図10に示す如く、ノード増設箇所に隣接する他方のノード装置10Bに制御用パスを通じてループバック解除指示B′を送出する。このループバック解除指示B′を受けることにより、ノード装置10Bでは、それまで行っていた「X」型ループバックを解除する。
【0037】
上記ループバック解除制御において、例えばノード装置10Aが先にループバック解除した場合(図9参照)、該ノード装置10Aとネットワーク制御装置9との間における右回りの通信パス21aと左回りの通信パス21bとの折り返しが解かれると同時に、この折り返しの解かれた右回りの通信パス21aがノード装置10Aから増設ノード装置10Eを経てノード装置10B内に至り、その増設側ループバック路で左回りの通信パス21bに折り返される結果、当該ノード装置10Aのループバック解除に際し、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信路の遮断が生じない。この動作は、ノード装置10Bが先にループバック解除した場合も同様である。これにより、本発明では、ノード装置10Aとノード装置10Bとのループバック解除に時間差が生じた場合にも、カメラ11Aとモニタ装置11B間に遮断されることない通信パスを確保でき、該通信パスを通じてカメラ11Aとモニタ装置11B間の通信を維持できる。
【0038】
次に、本通信システムにおけるノード装置減設時のループ制御動作について図11〜図15を参照して説明する。図11において、カメラ11Aとモニタ装置11Bとが通常通信パス21aにより通信している状態で、ノード装置10Bを減設しようとした場合、図12〜図15に示すような順番でループバック及びループバック解除の制御が推移する。
【0039】
まず、図11においては、上記ノード減設要求の発生により、ネットワーク制御装置9から減設ノード装置10Bに隣接する2つのノード装置のうちの一方のノード装置10Aに制御用パスを通じてループバック指示Cを送出する。このループバック指示Cを受けることにより、ノード装置10Aでは、ネットワーク制御装置9側とノード減設側との双方に「X」型ループバックを行う。
【0040】
次に、図12においては、ネットワーク制御装置9から減設ノード装置10Bに隣接するもう一方のノード装置10Cに制御用パスを通じてループバック指示C′を送出する。このループバック指示C′を受けることにより、ノード装置10Cでは、同図に示す如く、ネットワーク制御装置9側とノード増設側との双方に「X」字型のループバックを行う。以上のループバック制御によれば、図5及び図6を参照して述べた場合と同様の理由で、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信を停止させないようにできる。
【0041】
ノード装置10A及びノード装置10Cともループバックが完了した後、図13に示す如く、これらノード装置10Aとノード装置10C間に配置されていたノード装置10Bを取り外し、ノード装置10Aとノード装置10Cとの間の伝送路(点線で示す)の接続等の必要な接続処理を行う。
【0042】
接続完了後、ネットワーク制御装置9は、図14に示す如く、ノード減設箇所に隣接する一方のノード装置10Aに制御用パスを通じてループバック解除指示Dを送出する。このループバック解除指示Dを受けることにより、ノード装置10Aでは、それまで行っていた「X」型ループバックを解除する。次に、ネットワーク制御装置9は、図15に示す如く、ノード減設箇所に隣接する他方のノード装置10Cに制御用パスを通じてループバック解除指示D′を送出する。このループバック解除指示D′を受けることにより、ノード装置10Cでは、それまで行っていた「X」型ループバックを解除する。以上のループバック解除制御によれば、図9及び図10を参照して述べた場合と同様の理由で、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信を停止させないようにできる。
【0043】
この他、本発明の通信システムでは、例えばあるノード装置10で障害が発生した場合、ネットワーク制御装置9から上記障害発生ノード装置10に隣接する2つのノード装置10にループバック指示を与え、該当する2つのノード装置10を「X」型ループバックさせることにより、迂回通信路を形成して通信の救済を行う。以後、障害発生ノード装置10の障害を取り除き、障害復旧作業を終えた後、上記2つのノード装置10に対してネットワーク制御装置9からループバック解除指示を与えることで当該各ノード装置10の「X」ループバックを解除する。
【0044】
この時、ネットワーク制御装置9からループバック解除指示を送出し、ループバック解除が完了するまでのループ制御は、例えば、図9、図10に示した如くの順番で推移する。この場合、図9及び図10にて説明したのと同様の理由でカメラ11Aとモニタ装置11B間の通信を維持できる。すなわち、この場合、障害発生ノード装置10に隣接する2つのノード装置10のうちのどちらかが先にループバック解除されたとしても、もう一方のノード装置が先に解除されたノード装置側にもループバックを行っている状態であるため、たとえこれら2つのノード装置間にループバック解除時間の差が生じても、カメラ11Aとモニタ装置11B間の通信が中断されることがない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ノード装置に、制御ノード装置から送出されるループバック指示に基づき自装置から見てリングの左側で第1の通信パスを第2の通信パスにループバックし、かつリングの右側で第1の通信パスを第2の通信パスにループバックする動作を同時に行うと共に、制御ノード装置から送出されるループバック解除指示に基づきループバックを解除するループバック制御手段を設け、制御ノード装置から任意の2つのノード装置に対して制御用パスを介してループバック指示を送出することにより、これら2つのノード装置に、個々に、自装置から見てリングの左側で第1の通信パスを第2の通信パスにループバックし、かつリングの右側で第1の通信パスを第2の通信パスにループバックする動作を同時に行わせ、また、制御ノード装置からループバック状態の上記2つのノード装置に対して制御用パスを介してループバック解除指示を送出することにより、これら2つのノード装置に、個々に、ループバックを解除させるようにしたため、制御ノード装置から送出されるループバック指示若しくはループバック解除指示に基づき、リング上の任意の2つのノード装置でループバックあるいはそのループバック解除を行なう時、これら2つのノード装置のループバックまたはループバック解除に時間差が生じても、現行の通信パスを遮断せずに済み、該通信パスによる通信中においても、当該通信を中断することなくノード装置の増設、減設あるいは障害復旧に対処できる。
特に、本発明では、制御ノード装置から制御用パスを介してループバックあるいはループバック解除の指示を与える構成のため、ループバック対象のノード装置は任意に選択でき、1つのノード装置の増設または減設に留まらず、任意の数のノード装置を挟んだ2つのノード装置にループバック指示及びループバック解除指示を与えることで、これら2つのノード装置間の任意の数のノード装置の同時増設あるいは減設が行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるリング型通信システムの概略構成を示す図。
【図2】ローカル通信端末間の通信動作を説明するための図。
【図3】ノード装置の概略構成を示す図。
【図4】ノード増設動作開始前の通信パス設定状況を示す図。
【図5】ノード増設動作開始時点の通信パス設定状況を示す図。
【図6】ノード増設動作中の図5に続く時点での通信パス設定状況を示す図。
【図7】ノード増設動作中の図6に続く時点での通信パス設定状況を示す図。
【図8】ノード増設動作中の図7に続く時点での通信パス設定状況を示す図。
【図9】ノード増設動作中の図8に続く時点での通信パス設定状況を示す図。
【図10】ノード増設完了時の通信パス設定状況を示す図。
【図11】ノード減設動作開始時点の通信パス設定状況を示す図。
【図12】ノード減設動作中の図11に続く時点での通信パス設定状況を示す図。
【図13】ノード減設動作中の図12に続く時点での通信パス設定状況を示す図。
【図14】ノード減設動作中の図13に続く時点での通信パス設定状況を示す図。
【図15】ノード減設完了時の通信パス設定状況を示す図。
【図16】従来システムでのノード増設動作開始時点の通信パス設定状況を示す図。
【図17】従来システムでのノード増設動作開始後の通信パス設定状況を示す図。
【図18】従来システムでのノード増設完了時の通信パス設定状況を示す図。
【符号の説明】
8 管理用端末
9 ネットワーク制御装置
10A,10B,10C,10D,10E ノード装置
10F 増設用ノード装置
101 制御部
102 ATM(非同期転送モード)スイッチ部
103a,103b 光受信部
104a,104b 光送信部
105 入出力ポート
11a カメラ
11b モニタ装置
20 伝送路
21a,21b 通信パス
Claims (4)
- 複数のノード装置と該各ノード装置を制御する制御ノード装置とを、互いに逆方向の第1及び第2の通信パスを設定可能な伝送路によりリング状に接続し、通常時、前記各ノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間で前記第1の通信パスを通じて情報の通信を行う通信システムにおいて、
前記制御ノード装置は、
任意の2つのノード装置に対し、制御用パスを介してループバック指示若しくはループバック解除指示を送出する指示手段
を具備し、
前記ノード装置は、
前記制御ノード装置から送出される前記ループバック指示に基づき自装置から見て前記リングの左側で前記第1の通信パスを前記第2の通信パスにループバックし、かつ前記リングの右側で前記第1の通信パスを前記第2の通信パスにループバックする動作を同時に行うと共に、前記制御ノード装置から送出される前記ループバック解除指示に基づき前記ループバックを解除するループバック制御手段
を具備することを特徴とする通信システム。 - 前記制御ノード装置及びノード装置は、非同期転送モード(ATM)の交換機能を有するATM交換装置である
ことを特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 複数のノード装置と該各ノード装置を制御する制御ノード装置とを、互いに逆方向の第1及び第2の通信パスを設定可能な伝送路によりリング状に接続し、前記各ノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間での前記第1の通信パスを通じた情報通信中、任意のノード装置にて前記第1の通信パスから第2の通信パスへのループバックと、該ループバックの解除を行う機能を有する通信システムのループバック制御方法において、
前記制御ノード装置から任意の2つのノード装置に対し、制御用パスを介してループバック指示を送出するステップと、
前記制御ノード装置から前記ループバック指示を受信した前記2つのノード装置が、個々に、該ループバック指示に基づき自装置から見て前記リングの左側で前記第1の通信パスを前記第2の通信パスにループバックし、かつ前記リングの右側で前記第1の通信パスを前記第2の通信パスにループバックする動作を同時に行うステップと、
前記制御ノード装置から前記ループバック状態の前記2つのノード装置に対し、前記制御用パスを介してループバック解除指示を送出するステップと、
前記制御ノード装置から前記ループバック解除指示を受信した前記2つのノード装置が、個々に、該ループバック指示に基づき前記ループバックを解除するステップと
を有し、
前記2つのノード装置のいずれが先にループバックまたはループバック解除を完了しても、前記ループバックによる救済対象の通信パスに中断を生じないようにした
ことを特徴とする通信システムのループバック制御方法。 - 前記制御ノード装置及びノード装置は、非同期転送モード(ATM)の交換機能を有するATM交換装置である
ことを特徴とする請求項3記載の通信システムのループバック制御方法。
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