JP3764271B2 - 通信システム及びそのループバック制御方法 - Google Patents
通信システム及びそのループバック制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信端末を収容する複数のノード装置を伝送路によりリング状に接続するとともに、前記各ノード装置間を仮想的な通信パスにより接続してリングと成し、任意のノード装置間または通信端末間の通信を行うリング型の通信システムに係わり、詳しくは、前記通信パスを予備系の通信パスへ折り返すことにより通信を救済するループバック制御機能を有する通信システム及びそのループバック制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、鉄道管理システム、地下鉄管理システム、道路管理システム、下水道管理システム、飛行場管理システム、河川管理システムなどの管理システムにおいては、遠隔地に配置したデータ発生源からのデータを通信技術を用いて管理センタ等に収集し、その収集結果を表示するなどして遠隔地の状況を把握することが基本となっている。このうち、鉄道管理システムを例にあげれば、鉄道に沿って配置される監視カメラや列車感知センサなどをこれらを管轄する各ノード装置に接続し、これら監視カメラやセンサからの情報を対応する各ノード装置を介して例えば管理センタたるノード装置に集めてモニタ装置に表示する等により集中管理するようにしている。また、信号機等の列車制御情報報知手段を鉄道に沿って配置し、管理センタではこれらの手段を用いて各管理区間からの事故等の情報を集め、これらの情報に基づき信号機等を駆動して列車の運行制御等を管理することも行われている。
【0003】
この種の通信システムの構築例として、データ発生源と管理センタを1対1の通信線で接続して情報を集め、また管理センタからも1対1の通信線でデータ受信装置(信号機等)に接続しその制御を行うのが一般的であった。ところが、今日、ATM(Asynchronous Transfer Mode:非同期転送モード)交換方式の実用化に向けた開発が急速に進んできており、このATM技術を上述したような通信システムに応用することで、ATMのメリットを活かした柔軟性のあるシステムの構築が可能になってきている。
【0004】
このATM技術を用いて上述した種々の管理システムを構築する場合、ATM交換機能を有する複数のノード装置を光ファイバ等の伝送路を介してリング状に配置するとともに、これら各ノード装置に上述した監視カメラやモニタ装置等に相当するローカル通信端末を接続したうえで、伝送路に対してリング状に複数の仮想的な通信パスを設定し、該通信パスにより、上記各ローカル通信端末間の情報を各ノード装置を介して送受する形態が考えられる。
【0005】
このATM交換方式を採用して成る通信システムでは、各ノード装置間の通信パスとしては、ユーザ(ローカル通信端末)のデータを送信するユーザパスと、ノード装置へのパス設定などの制御を行う制御用パスが存在する。これら通信パスは、伝送路やノード装置自体に異常が発生した場合、その運用が困難となる。例えば、ノード装置とノード装置とを結ぶ伝送路の断線、あるいはある1箇所のノード装置の故障により障害が発生すると、この障害発生箇所に関わる全ての通信パスが遮断され、システム運用が停止することになる。
【0006】
このための対策として、従来、各ノード装置が隣接部における障害の発生を検出して通信パスのループバックを行うことにより迂回通信パスを形成するループバック制御機能を備えたものもあった。この場合のループバックは、各ノード装置において、自装置内の物理レイヤインタフェース部にて障害を検出し、物理レイヤレベルで全てのパスを機械的に折り返す物理レイヤインタフェースループバックにより実現されていた。そして、この物理レイヤインタフェースループバックを解除する場合には、上記通信パスを一度に解除するようにしていた。
【0007】
このように、物理レイヤレベルで通信パスを折り返す物理レイヤインタフェースループバックを基本とする従来システムでは、全てのセルを折り返すためにユーザパスと同時に制御用パスまでもループバックされることにより、隣接ノード装置へは全く制御が行えないことになった。また、この物理レイヤインタフェースループバックの解除に際しては、ユーザパスと制御用パスが一度に解除されることになるが、その際に、障害が完全に復旧しているという保証はない。かかる状況に際し、物理レイヤインタフェースループバックの状態からユーザパス及び制御用パスを一度に解除する従来システムでは、物理レイヤインタフェースループバック解除時に、障害が完全に復旧していないような場合、隣接ノードとの間で制御情報の送受が行えないために、正常状態へ復旧できないこともあり得た。更に、この種のシステムにおける障害としては、例えば伝送路の2箇所で同時に障害発生する2重障害を起こり得るが、上記物理レイヤインタフェースループバックにより隣接ノード装置に対して全く制御が行えない従来システムでは、該物理レイヤインタフェースループバックを解除する際にこれら障害箇所に挟まれるノード装置が孤立してしまい、正常状態への復帰が困難となっていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上記従来システムでは、障害の発生時、この障害発生箇所に隣接するノード装置が自装置内の物理レイヤインタフェース部にてユーザパス及び制御用パスを機械的に折り返す物理レイヤインタフェースループバックを行い、その解除に際してもユーザパス及び制御用パスを一度に解除するようにしていたため、ループバックを解除した際に必ずしも障害復旧が完全であるとの保証がないままループバック解除がなされる結果、障害が完全に復旧していない状態でループバック解除がなされた場合、正常通信状態へ復帰できなくなるという問題点があった。
【0009】
また、物理レイヤインタフェースループバックによりユーザパス及び制御用パスをループバックしかつこれらを一度に解除する従来システムでは、2重障害が発生した場合、これらの障害発生箇所に挟まれるノード装置と隣接するノード装置間で制御情報の伝達ができず、ループバック解除時、これらノード装置が孤立してしまい、正常通信状態への復帰が円滑に行えないという問題点があった。
【0010】
本発明は上記問題点を除去し、ループバックを解除した際に障害復旧が完全でないために正常通信状態に復帰できなくなることを防止し、障害復旧制御の信頼性向上に寄与できる通信システム及びそのループバック制御方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の別の目的は、2重障害発生後のループバック解除時、これら障害発生箇所に挟まれるノード装置が孤立することを防止することにより、正常通信状態への復帰が円滑に行え、システム全体の運用効率を高めることのできる通信システム及びそのループバック制御方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、複数のノード装置を伝送路によりリング状に接続し、任意のノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間で前記伝送路を通じて設定されたユーザパス及び制御用パスから成る通信パスにより通信を行うとともに、前記通信パスを該通信パスに対して逆方向に設定された予備系の通信パスへループバックするループバック制御機能を有する通信システムにおいて、前記ノード装置は、スイッチ交換により前記通信パスを論理的に切換設定する交換スイッチと、前記交換スイッチと前記伝送路間のインタフェース制御を行うと共に、前記通信パスを物理レイヤレベルで折り返す機能を有する物理レイヤインタフェースと、隣接するノード装置との間の伝送路区間の障害発生を検出して、前記物理レイヤインタフェースにより、前記通信パスを物理レイヤレベルで一括して折り返すことにより前記ループバックを行うとともに、該ループバック開始後、前記ユーザパスに関して前記交換スイッチにより論理的にパスを切換えるスイッチループバックを保持したまま、前記物理レイヤインタフェースでの前記制御用パスのループバックを解除し、該ループバック解除された制御用パスによる隣接するノード装置に対する制御が可能であることが確認された後に前記交換スイッチでの前記ユーザパスのスイッチループバックを解除するループバック制御手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記ノード装置は、非同期転送モード(ATM)の交換機能を有するATM交換装置であることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、複数のノード装置を伝送路によりリング状に接続し、任意のノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間で前記伝送路を通じて設定されたユーザパス及び制御用パスから成る通信パスにより通信を行うとともに、前記通信パスを該通信パスに対して逆方向に設定された予備系の通信パスへループバックするループバック制御機能を有する通信システムのループバック制御方法において、前記ノード装置は、スイッチ交換により前記通信パスを論理的に切換設定する交換スイッチと、前記交換スイッチと前記伝送路間のインタフェース制御を行うと共に、前記通信パスを物理レイヤレベルで折り返す機能を有する物理レイヤインタフェースとを備え、隣接するノード装置との間の伝送路区間の障害発生を検出した前記ノード装置が、前記物理レイヤインタフェースにより、前記通信パスを物理レイヤレベルで一括して折り返すことにより前記ループバックを行うステップと、前記ループバック開始後、前記ユーザパスに関して前記交換スイッチにより論理的にパスを切換えるスイッチループバックを保持したまま、前記物理レイヤインタフェースでの前記制御用パスのループバックを解除するステップと、ループバック解除された前記制御用パスによる隣接するノード装置に対する制御が可能であることが確認された後に前記交換スイッチでの前記ユーザパスのスイッチループバックを解除するステップとを有することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明において、前記ノード装置は、非同期転送モード(ATM)の交換機能を有するATM交換装置であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係わる通信システムの概略構成図である。この通信システムは、例えば6つのノード装置10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6を光ファイバ等を用いた伝送路9によりリング状に接続して構成される。これら各ノード装置10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6としては、例えばATM交換装置が用いられる。ATM交換装置は、VP(Virtual Path:仮想パス)とVC(Virtual Channel:仮想チャネル)という2レベルのネットワークにより実現されるATM交換網内において、入力ポートから取り込まれる固定長のセル(ATMセル)を、このATMセル内に含まれているVPI(Virtual Path Identifier:仮想パス識別子)、及びVCI(Virtual Channel Identifier:仮想チャネル識別子)に従って出力ポートへと交換処理する機能を有するものである。更に、これら各ノード10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6には、それぞれ1または複数のローカル通信端末11が接続される。一例として、図1では、ノード装置10-6に接続されるローカル通信端末11-1とリングノード10-4に接続されるローカル通信端末11-2だけを示している。
【0019】
この通信システムでは、各ノード装置10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6のそれぞれに接続されるローカル通信端末11間で通信を行う場合、これら各ローカル通信端末11を管轄する各ノード装置10の間で伝送路9上に仮想的な通信パスを設定し、この通信パスを用いて上記通信を実現する。伝送路9上に設定可能な仮想的な通信パスとしては、上記ローカル通信端末11間で実際のデータ(ユーザデータ)を送受するためのユーザパスと、ノード装置10へのパス設定などの制御を行う制御用パスの2種類が存在する。
【0020】
ここで、図1に示す通信システムにおいて、ノード装置10-6に接続されるローカル通信端末11-1とノード装置10-4に接続されるローカル通信端末11-2が通信する場合を考える。この場合、上述した通信パスのうちのユーザパスについては、同図に太線で示す如くの構成により実現できる。まず、ノード装置10-6に接続されるローカル通信端末11-1とノード装置10-4に収容されるローカル通信端末11-2間には、ローカル通信端末11-1からノード装置10-6を介してノード装置10-4に接続される通信端末装置11-2へと至るユーザパス20と、ローカル通信端末11-2からノード装置10-4を介してノード装置10-6に接続されるローカル通信端末11-2へと至るユーザパス21とによって、同図に符号R1で示す左回り(反時計回り)の第1のユーザパスが設定される。また、これと同時に、ノード装置10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6間には、上記第1のユーザパスと反対回り(時計回り:符号R2で示す)の第2のユーザパス22が設定される。
【0021】
これら第1及び第2の各ユーザパスのうち、前者(通信パス20及び21)は正常状態で用いられる現用系のユーザパスであり、後者(通信パス22)は、現用系のユーザパスに異常が発生した時に用いられる予備系のユーザパスである。すなわち、正常状態において、ローカル通信端末11-1とローカル通信端末11-2とは、通信パス20と通信パス21を通じて双方向通信を行っている。
【0022】
ここで、予備系通信パス22は、現用系通信パス20,21の設定と同時に設定され、同図に示す如く、現用系通信パス20,21とは逆方向の設定となっている。予備系通信パス22は現用系通信パス20,21と同じバーチャルチャネル〔VCI(Virtual Channel Identifier:仮想チャネル識別子)で識別される〕を用いて設定されている。上記各通信パスの設定は、それぞれのノード装置10へスイッチ設定されることにより実現され、パス設定などの制御命令は、後述する制御用パスを通じて行われる。
【0023】
すなわち、ノード装置10-6に接続されるローカル通信端末11-1とノード装置10-4に接続されるローカル通信端末11-2が通信する場合の制御用パスは、例えば図2に太線で示す如くの構成により実現できる。同図において、12-1と12-2は、それぞれノード装置10-4とノード装置10-6に接続される制御用コンソールを示している。図示はしていないが、この他の各ノード装置10-1,10-2,10-3,10-5についても同様の制御コンソールが接続されている。
【0024】
これにより、例えば、ノード装置10-6に接続される制御用コンソール12-1より各ノード装置10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6に対して通信パスの制御を行うことによって、当該制御用コンソール12-1からノード装置10-6を経てそれぞれ反時計回り方向及び時計回り方向に分岐してノード装置10-4に接続される制御用コンソール12-2へと至る制御用パス(28,29)と、制御用コンソール12-2からノード装置10-4を経てそれぞれ時計回り方向及び反時計回り方向に分岐してノード装置10-6に接続される制御用コンソール12-1へと至る制御用パス(26,27)とを設定することができる。
【0025】
ここで、制御用パス26と制御用パス28がノード装置10-6とノード装置10-4間の現用系の制御用パスとして用いられる。これに対し、制御用パス27と制御用パス29はノード装置10-6とノード装置10-4間の予備系の制御用パスとして用いられ、同図に示す如く、上記現用系の制御用パスに対してリングの反対側のノード装置10-1,10-2,10-3を経由して設定されている。この予備系の制御用パス(27,29)は現用系の制御用パス(26,28)と同じVCIで設定されている。
【0026】
図1及び図2に示す如くにユーザパス及び制御用パスが設定された状態で、ローカル通信端末11-1とローカル通信端末11-2とは、通信パス20と通信パス21を通じて双方向通信を行っている。この時、予備系の通信パス22は、使用されず、待機状態にある。
【0027】
上記通信中、その通信経路上で何等かの障害発生した場合、当該障害発生箇所に隣接する両端のノード装置10ではそれまでに用いられていた通信パスを折り返すループバック制御を行い、迂回通信パスを形成することにより、通信を救済する措置がとられる。一例として、図3はノード装置10-4とノード装置10-5との間の伝送路9上で障害(同図に×印で示す箇所)が発生した場合の例を示している。この場合、上記障害発生箇所に隣接するノード装置10-4とノード装置10-5において、それまでの通信に利用していたユーザパス20または21をそれぞれ予備系のユーザパス22側に折り返すループバック制御を行う。これにより、ローカル通信端末11-1とローカル通信端末11-2間には、図4に示す如く、伝送路障害が発生したユーザパス20を代用するものとして、通信パス20の一部(20′)及び予備系通信パス22の一部(22′)を利用した通信パス(ノード装置10-6,10-5,10-6,10-1,10-2,10-3,10-4を経由する通信パス)が設定され、この通信パス(20′,22′)により上記伝送路障害に際しても通信の維持が図られる。
【0028】
ここで、ノード装置10の基本動作について図5を参照して説明する。図5は、本発明の通信システムを構成するノード装置10の一例を示す図ブロックであり、制御部101、ATMスイッチ部102、物理レイヤインタフェース部103,104により構成される。更に、ATMスイッチ部102には、ローカル通信端末11が接続される。物理レイヤインタフェース部103,104は伝送路9との間でデータ(ATMセル)の送受に係わる制御を行う。ATMスイッチ部102は、物理レイヤインタフェース部103(または物理レイヤインタフェース部104)からの入力セルを該セルの入力ポートに対応する出力ポートを通じ物理レイヤインタフェース部104(または物理レイヤインタフェース部103)若しくはローカル通信端末11に送出するセル交換の動作を行う。制御部101は、セルの入力ポート及び出力ポートをVPI(Virtual Path Identifier:仮想パス識別子)、VCI(Virtual Channel Identifier:仮想チャネル識別子)に対応付けて登録したスイッチングデーブルを持ち、このスイッチングテーブルに従って、ATMスイッチ部102におけるセル交換動作の制御を行う。
【0029】
更に、物理レイヤインタフェース部103,104には、LOS/LOF(Loss Of Signal:信号断/Loss Of Flame:フレーム同期外れ)を検出して対向側に遠端受信エラーを送出する物理レイヤ終端装置が設けられている。物理レイヤインタフェース部103,104では、上記物理レイヤ終端装置により障害が発生したことを検出することにより、制御用パスの経路を現用系パスから予備系パスに切り換え、この予備系パスを通じ、各ノード装置10に対して予備系パスへの切り返し指示を行う。これと同時に、障害発生箇所に係わる隣接ノード装置10に対しては、ユーザパスをスイッチループバックさせる制御を実行する。この制御により、現用系パスを予備系パスに接続することにより、ATMスイッチ部102からのセルを再びATMスイッチ部102に折り返すループバック動作を行う。このループバック制御は、伝送路障害のみならず、ノード装置自体に障害発生した場合も同様に行われる。
【0030】
かかるノード装置10の基本動作を踏まえ、ローカル通信端末11-1とローカル通信端末11-2間における上記一連の通信動作(図1〜図4参照)に際してのノード装置10-5の動作遷移について図6及び図7を参照して更に詳しく説明する。この場合、ノード装置10-5は、ローカル通信端末11-1とローカル通信端末11-2間の通信経路中に介在していることから、図3に示すような伝送路9の障害が発生する前は、図6に示す如くの経路状態に設定されている。すなわち、この段階において、ノード装置10-5は、ユーザパス20及びこれと反対回りの予備系のユーザパス22と、制御用パス26及びこれと反対回りの制御用パス28を、それぞれ自ノード内の物理レイヤインタフェース部103,104及びATMスイッチ部102を単にスルーさせる状態に保持されている。
【0031】
この状態での通信中、ノード装置10-4とノード装置10-5との間で図3に示すような伝送路障害が発生した場合、この障害発生箇所の隣接ノードであるノード装置10-5(ノード装置10-4も同様)では、当該障害発生箇所側の物理レイヤインタフェース部104において、その障害の発生を検出すると同時に、図7に示す如く、ユーザパス20及び22と制御用パス26及び28とを共に折り返すループバック制御を行う。このループバック制御は、機械的に物理レイヤのパスを折り返す物理レイヤインタフェースループバックであり、障害検出と同時に瞬時に全てのパスを折り返すことによって、セルロスの発生を低減することが可能となる。このループバック制御により、ローカル通信端末11-1とローカル通信端末11-2間には図4に示す如くの通信パス(ユーザパス)が形成され、この通信パスを用いて当該端末11-1,11-2間の通信が維持される。
【0032】
次に、障害復旧手順について考えてみる。従来は、障害要因を取り除き、伝送路9の復旧作業を終えた後、ユーザパス及び制御用パスを一度にループバック解除してセルの導通を開始させるようにしていた。この方法では、復旧させたはずの伝送路9が本当に回復しておらず、セルが正常に導通可能でない危険性も十分に考えられる。こうした状態は、特に、高信頼性を要求されるユーザパスについては、致命的な打撃となる。そこで、本発明では、一度にループバックを解除してセルを導通させるのではなく、まず、ATMスイッチ部102にてユーザパスのスイッチループバックを行い、この状態で制御用パスを用いてセルの導通を確認し、導通確認が得られた伝送路9についてのみ上記スイッチループバックを解除し、ユーザパスを導通させる方法を採用している。
【0033】
この本発明に係わるループバック解除手順について、図8を参照して説明する。ここで、図8(a)は、障害発生箇所に隣接するノード装置10-5において、図7に示すループバック制御状態から、当該ループバックを解除する場合の第1ステップでの内部通信路の設定形態を示すものであり、同図(b)は、該ノード装置10-5における第2ステップでの内部通信路設定形態を示すものである。
【0034】
ノード装置10-5でのループバック解除の第1ステップとして、まず、図7に示す如くの物理レイヤインタフェースループバックにより設定されたユーザパス(20′,22′)及び制御用パス(26′,28′)のうち、ユーザパス(20′,22′)については、図8(a)に示す如く、ATMスイッチ部102にてループバックを行うスイッチループバック状態に切り替える。このユーザパス(20′,22′)に対するスイッチループバックは、図5において説明したセル交換制御と同様の制御により実現できる。
【0035】
次に、図8(a)に示す状態でローカル通信端末11-1とローカル通信端末11-2間の通信を維持したまま、同図(b)に示す如く、制御用パス(26′,28′)について上記物理レイヤインタフェースループバックを解除する制御を行う。以後、ノード装置10-5では、上記物理レイヤインタフェースループバックが解除された制御用パス(26,28)を通じて隣接するノード装置10-4への制御を試みる。この時、制御用パス(26,28)が正常に導通し、隣接するノード装置10-4への制御が可能である場合、続いてATMスイッチ部102によりスイッチループバックされていたユーザパス(20′,22′)のスイッチループバックを解除する。これにより、ノード装置10-5は、図6に示す如くの経路状態に戻り、正常運用状態への回復が可能となる。
【0036】
なお、物理レイヤインタフェースループバックが解除された制御用パス(26,28)を通じて隣接するノード装置10-4への制御を試みた結果、この制御用パス(26,28)が正常に導通せず、隣接するノード装置10-4への制御ができなかった場合、ATMスイッチ部102におけるユーザパス(20′,22′)のスイッチループバック状態を、障害が完全に回復し、隣接するノード装置10-4との間でセル導通が確認されるまで維持する。
【0037】
このように、本発明では、障害発生により物理レイヤインタフェースループバック状態としたユーザパス及び制御用パスのループバック解除に際し、まず、ユーザパスのみをATMスイッチ部102にてスイッチループバック状態とし、次いで制御用パスの物理レイヤインタフェースループバックを解除して当該制御用パスにより隣接するノード装置との間の制御を実行し、これにより隣接ノード装置との正常な制御情報の流通が確認された後、ユーザパスのスイッチループバックを解除するようにしている。この方法によれば、制御用パスを通じて隣接ノード装置との間のセル導通が完全に確認されるまでスイッチループバックされたユーザパスを通じてローカル通信端末間のセル転送を維持でき、常に、障害が完全に回復してからユーザパスのループバックを解除できることから、ループバック解除後、隣接ノード装置とのセル転送が行えないといった事態に陥らずに済む。
【0038】
次に、本発明の通信システムにおいて、図9に示す如く、ノード装置10-2とノード装置10-3間及びノード装置10-4とノード装置10-5間の2箇所で伝送路9の障害(同図に×印で示す箇所)に陥る2重障害が発生した場合について考えてみる。尚、ここでは、ノード装置10-6に接続された制御用コンソール(図示せず)から各ノード装置10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6に対して通信パスの制御を行っているものとする。
【0039】
この場合、各々の障害箇所に隣接するノード装置10-2とノード装置10-3、ノード装置10-4とノード装置10-5では、上述した方法により、個々にループバック制御を行うことになる。そして、これら各々の障害箇所で障害要因を取り除き、伝送路9の復旧作業を行った後、ループバックの解除を行う訳であるが、この場合に、従来のように、ユーザパス及び制御用パスを一度にループバック解除する方法では、ノード装置10-3とノード装置10-4が制御情報を伝送できずに孤立してしまうことになる。
【0040】
このための対策として、本発明では、ノード装置10-2及びノード装置10-5において、図8で説明したような方法により段階的にループバックを解除する制御を行うことにより、障害復旧時におけるノード装置10-3とノード装置10-4の孤立を防止できる。すなわち、本発明では、図9に示すような2重障害時のループバック状態からそのループバックを解除する場合、ノード装置10-2及びノード装置10-5において、まず、ユーザパスのみをATMスイッチ部102にてスイッチループバック状態とし、次いで制御用パスの物理レイヤインタフェースループバックを解除して該制御用パスにより隣接するノード装置10-3または10-4との間の制御を実行し、これにより隣接ノード装置10-3または10-4との正常な制御情報の流通が確認された後、ユーザパスのスイッチループバックを解除する手順を実行する。
【0041】
このループバック解除方法によれば、ATMスイッチ部102でのユーザパスのスイッチループバックの解除前に、制御用パスを通じてノード装置10-2,10-3間及びノード装置10-5,10-4間でそれぞれセル導通が可能かどうかの確認が行え、それぞれにセル導通を確認後、ユーザパスのスイッチループバック解除を経て正常運用状態へ復帰できる。これにより、本発明では、2重障害からの復旧に際しても、この障害発生箇所に挟まれたノード装置10-3,10-4の孤立を防止することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ノード装置が、隣接するノード装置との間の伝送路区間の障害発生を検出して、物理レイヤインタフェースにより、通信パス(ユーザパスと制御パスから成る)を物理レイヤレベルで一括して折り返すことによりループバックを行うとともに、該ループバック開始後、ユーザパスに関して交換スイッチにより論理的にパスを切換えるスイッチループバックを保持したまま、物理レイヤインタフェースでの制御用パスのループバックを解除し、該ループバック解除された制御用パスによる隣接するノード装置に対する制御が可能であることが確認された後に交換スイッチでのユーザパスのスイッチループバックを解除するループバック制御機能を有するため、通信パスを物理レイヤレベルで一括してループバックさせた後、交換スイッチでの論理的パス切換えによるユーザパスのループバック、物理レイヤレベルでの制御用パスのループバック解除という段階的なパス切換制御と、ループバック解除された制御用パスによる隣接するノード装置に対する制御試行機能を利用して、構成を複雑化させることなく、常に、障害が完全に復旧したことが確認された後にユーザパスをループバック解除でき、その結果、ループバック解除時には確実に正常通信状態に復帰でき、障害復旧制御の信頼性を向上させることができる。
【0043】
また、本発明によれば、ユーザパスのループバックの解除前に、制御用パスによる隣接ノード装置との間の制御が可能かどうかの確認手順が介在することから、2重障害の発生時にも、これら障害発生箇所に挟まれるノード装置に対して上記手順により制御情報を伝達することでこれらノード装置の孤立を防止でき、これによって正常通信状態への復帰が円滑に行え、システム全体の運用効率の向上に寄与できるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる通信システムの概略構成及びユーザパスの設定例を示す図。
【図2】本発明に係わる通信システムの制御用パスの設定例を示す図。
【図3】本発明に係わる通信システムの障害発生状況を示す図。
【図4】図3における障害発生時の通信パスの設定例を示す図。
【図5】本発明に係わる通信システムを構築するノード装置の概略構成図。
【図6】ノード装置における障害発生前の通信パスの設定例を示す図。
【図7】図6に示すノード装置の障害発生時のループバック制御に係わる通信パスの設定例を示す図。
【図8】図6に示すノード装置のループバック解除時の通信パス設定手順を示す図。
【図9】本発明に係わる通信システムの2重障害発生状況を示す図。
【符号の説明】
10,10-1,〜,10-6 ノード装置
101 制御部
102 ATMスイッチ部
103,104 物理レイヤインタフェース部
11,11-1,11-2 ローカル通信端末
12-1,12-2 制御用コンソール
20,21 ユーザパス(現用系)
22 ユーザパス(予備系)
20′,22′ ユーザパス(ループバック時)
26,28 制御用パス(現用系)
27,29 制御用パス(予備系)
26′,28′ 制御用パス(ループバック時)
9 伝送路
R1 パス方向(反時計回り)
R2 パス方向(時計回り)
Claims (4)
- 複数のノード装置を伝送路によりリング状に接続し、任意のノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間で前記伝送路を通じて設定されたユーザパス及び制御用パスから成る通信パスにより通信を行うとともに、前記通信パスを該通信パスに対して逆方向に設定された予備系の通信パスへループバックするループバック制御機能を有する通信システムにおいて、
前記ノード装置は、
スイッチ交換により前記通信パスを論理的に切換設定する交換スイッチと、
前記交換スイッチと前記伝送路間のインタフェース制御を行うと共に、前記通信パスを物理レイヤレベルで折り返す機能を有する物理レイヤインタフェースと、
隣接するノード装置との間の伝送路区間の障害発生を検出して、前記物理レイヤインタフェースにより、前記通信パスを物理レイヤレベルで一括して折り返すことにより前記ループバックを行うとともに、該ループバック開始後、前記ユーザパスに関して前記交換スイッチにより論理的にパスを切換えるスイッチループバックを保持したまま、前記物理レイヤインタフェースでの前記制御用パスのループバックを解除し、該ループバック解除された制御用パスによる隣接するノード装置に対する制御が可能であることが確認された後に前記交換スイッチでの前記ユーザパスのスイッチループバックを解除するループバック制御手段と
を具備することを特徴とする通信システム。 - 前記ノード装置は、非同期転送モード(ATM)の交換機能を有するATM交換装置である
ことを特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 複数のノード装置を伝送路によりリング状に接続し、任意のノード装置間または前記各ノード装置に接続された通信端末間で前記伝送路を通じて設定されたユーザパス及び制御用パスから成る通信パスにより通信を行うとともに、前記通信パスを該通信パスに対して逆方向に設定された予備系の通信パスへループバックするループバック制御機能を有する通信システムのループバック制御方法において、
前記ノード装置は、
スイッチ交換により前記通信パスを論理的に切換設定する交換スイッチと、
前記交換スイッチと前記伝送路間のインタフェース制御を行うと共に、前記通信パスを物理レイヤレベルで折り返す機能を有する物理レイヤインタフェースと
を備え、
隣接するノード装置との間の伝送路区間の障害発生を検出した前記ノード装置が、前記物理レイヤインタフェースにより、前記通信パスを物理レイヤレベルで一括して折り返すことにより前記ループバックを行うステップと、
前記ループバック開始後、前記ユーザパスに関して前記交換スイッチにより論理的にパスを切換えるスイッチループバックを保持したまま、前記物理レイヤインタフェースでの前記制御用パスのループバックを解除するステップと、
ループバック解除された前記制御用パスによる隣接するノード装置に対する制御が可能であることが確認された後に前記交換スイッチでの前記ユーザパスのスイッチループバックを解除するステップと
を有することを特徴とする通信システムのループバック制御方法。 - 前記ノード装置は、
非同期転送モード(ATM)の交換機能を有するATM交換装置である
ことを特徴とする請求項3記載の通信システムのループバック制御方法。
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