JP3546821B2 - ステッピングモータ駆動回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータを駆動するステッピングモータ駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のステッピングモータ駆動回路のブロック図である。図中、11はステッピングモータ駆動回路、12は制御部、13はD/A変換器、18はモータドライバ、19はステッピングモータである。ここで用いるステッピングモータ19は、定電流駆動、いわゆるチョッパ駆動するものとする。
【0003】
制御部12は、D/A(デジタル/アナログ)変換器13を介して、ステッピングモータ19を駆動する際の電流値の基準となる電圧をモータドライバ18に入力する。モータドライバ18は、D/A変換器13から入力された電圧に対応する電流によってステッピングモータ19を駆動する。また制御部12は、ステッピングモータ19の回転速度を決定する駆動信号を発生し、モータドライバ18に入力する。駆動信号としては、例えば、ステッピングモータ19の回転に応じた周波数のクロック信号してモータドライバ18に入力される。モータドライバ18は、入力された駆動信号に基づいて、励磁相を発生してステッピングモータ19を駆動する。
【0004】
しかし、ステッピングモータ19においては、急激に所定の回転速度で駆動させたり、急激に停止させることはできない。そこで、従来より、ステッピングモータ19の回転を開始するときには徐々に駆動信号の周波数を高めてゆき、ステッピングモータ19の回転速度を徐々に速くしてゆくスルーアップを実行する。また、停止するときには徐々に駆動信号の周波数を低下させてゆき、ステッピングモータ19の回転速度を徐々に遅くするスルーダウンを実行している。
【0005】
一般に、ステッピングモータを定電流駆動する場合には、ステッピングモータ19の駆動時の周波数が低く、低速で回転させるほどモータの回転トルクを必要としない。上述のように、ステッピングモータ19の回転開始からしばらくの間は上述したスルーアップが実行されているため、駆動開始時においては駆動周波数が低く、回転トルクはそれほど必要としない。しかし従来は、駆動開始時からステッピングモータ19には高速回転時と同じ電流値で駆動されるため、駆動開始時には必要以上の回転トルクが発生することになる。このため、ステッピングモータ19から動力を伝達される機構がガタついて、騒音や振動が発生してしまう。また、ステッピングモータ19の回転を停止するときも上述のようにスルーダウンを実行するため、回転数が低下するほど必要以上の回転トルクがステッピングモータ19で発生し、機構部のガタつきなどによって騒音や振動が発生していた。
【0006】
このような騒音や振動などの問題を解決する方法としては、スルーアップの実行時に、駆動周波数を高めるにつれて、モータドライバ18に入力する電圧値を徐々に上げる方法が考えられる。このようにすれば、モータドライバ18がステッピングモータ19を駆動するときの電流を徐々に大きくすることができ、ステッピングモータ19の回転開始直後の回転トルクを小さくし、その後、回転トルクを所定値まで徐々に大きくすることができる。これによって、スルーアップの実行時に過大なトルクが発生するのを防止し、ガタつきなどによる騒音や振動を抑えることが可能になる。同様に、スルーダウンの実行時には、駆動周波数を下げるとともにモータドライバ18に入力された電圧値を徐々に下げることによって、回転数が低下したときの回転トルクを小さくし、同じくガタつきなどによる騒音や振動を抑えることが可能になる。
【0007】
しかし、上述のようにスルーアップおよびスルーダウン時にモータドライバ18に入力する電圧値を徐々に変更するためには、D/A変換器13から出力される電圧値をスルーアップおよびスルーダウンを実行している短時間の間に細かく変更してゆく必要がある。このように高速に電圧値を変更するためには、高価なD/A変換器が必要であり、ステッピングモータ駆動回路11の製造コストの増大を招く要因になる。また、制御部12がD/A変換器を短い間隔で制御する必要もあり、制御部12の負担も大きくなるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、ステッピングモータのスルーアップまたはスルーダウンを実行するときに、必要以上の回転トルクの発生を防止して騒音や振動を抑えることが可能な、安価なステッピングモータ駆動回路を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステッピングモータ駆動回路において、指定された電圧を発生する電圧発生手段と、その電圧発生手段に対してステッピングモータの回転トルクを制御する電圧を指定しまたステッピングモータの回転速度に関する駆動信号を発生して出力しステッピングモータの駆動制御を行う制御手段と、ステッピングモータのスルーアップ及びスルーダウン時に電圧発生手段で発生する電圧を平滑化するフィルタ手段と、フィルタ手段からの出力電圧値及び前記制御手段から出力される前記駆動信号に基づいてステッピングモータを駆動する駆動手段を有することを特徴とするものである。例えばステッピングモータの駆動開始時に、電圧発生手段で所定の電圧を発生させると、駆動手段に与えられる電圧は、フィルタ手段で徐々に変化するように平滑化される。そのため、ステッピングモータの駆動開始直後のスルーアップ時にはステッピングモータの駆動電流が小さくなって回転トルクが抑えられる。これによって、ステッピングモータにより駆動される機構部における低速時の過大なトルクによるガタつきを抑制し、騒音や振動の発生を抑えることができる。また、スルーダウン時にも、スルーダウン開始時点で電圧発生手段で発生する電圧を所定の値に低下させ、あるいは0Vとすることによって、その後のスルーダウンの実行中はフィルタ手段から徐々に低下する電圧が駆動手段に与えられる。そのため、スルーダウンによってステッピングモータの回転が低速になってきた時点では駆動手段に与えられる電圧は小さくなっており、ステッピングモータの駆動電流が小さくなって回転トルクが抑えられる。これによって、低速回転時の過大なトルクによる機構部のガタつきを抑制して騒音や振動の発生を抑えることができる。また、このような騒音や振動の発生を抑える構成として、フィルタ手段を追加するという簡単な構成で実現しているため、安価にステッピングモータ駆動回路を構成することが可能であり、制御手段における電圧の制御のための負荷もほとんどない。
【0010】
このような構成において、駆動手段は、制御手段で発生した駆動信号に基づいて励磁相を発生してステッピングモータを駆動するように構成することができる。上述のフィルタ手段による電圧の上昇あるいは下降の遅延時間をスルーアップあるいはスルーダウンの時間に合わせておけば、制御手段は、スルーアップやスルーダウン時に、フィルタ手段による電圧の上昇あるいは下降に合わせてステッピングモータの回転速度を制御することが可能であり、簡単な制御によって良好なスルーアップ、スルーダウンを実現することができる。
【0011】
また制御手段は、ステッピングモータがスルーアップおよびスルーダウンの少なくとも一方の動作を実行するときに、その動作の途中で電圧発生手段に対して電圧の指定を変化させるように制御することができる。これによって、フィルタ手段から出力される電圧波形を目標とする電圧波形に近づけることができ、スルーアップおよびスルーダウン時のステッピングモータの回転トルク制御をより精確に行うことができるようになる。そのため、より低騒音、低振動でのステッピングモータの起動および停止を行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のステッピングモータ駆動回路の第1の実施の形態を示すブロック図である。図中、11はステッピングモータ駆動回路、12は制御部、13はD/A変換器、14は遅延フィルタ、15はコンデンサ、16は抵抗器、17はアンプ、18はモータドライバ、19はステッピングモータである。ステッピングモータ駆動回路11は、ステッピングモータ19の駆動制御を行う。特に、ステッピングモータ19の起動時には上述のようにスルーアップを実行し、また、ステッピングモータ19の停止時には上述のようにスルーダウンを実行する。ステッピングモータ19は、定電流駆動されるものとし、モータドライバ18からの入力電流によって回転する。なお、ステッピングモータ19には、2相励磁、1−2相励磁、さらには3相、4相、5相など各種の励磁方式のモータを適用できる。
【0013】
制御部12は、ステッピングモータ駆動回路11の各部を介して、ステッピングモータ19の駆動を制御する。特に、ステッピングモータ19を回転駆動させるために与える電流値を規定する電圧値をD/A変換器13に出力する。後述するように、ステッピングモータ19の起動時(スルーアップ開始時)に、ステッピングモータ19の回転時の電圧値に設定し、回転中はその設定値を維持する。また、ステッピングモータ19を停止させる際にはスルーダウン開始時に0Vあるいは所定の電圧値に変更し、ステッピングモータ19の停止中はその値を維持する。なお、スルーアップ中およびスルーダウン中に数回の電圧値の変更を行ってもよい。また制御部12は、ステッピングモータの回転速度に関する駆動信号を発生し、モータドライバ18に対して出力する。駆動信号としては、例えば、ステッピングモータ19の回転に応じた周波数のクロック信号としてモータドライバ18に入力することができる。この駆動信号の周波数を次第に高くしてゆくことによりスルーアップを実行させ、その後、一定の周波数の駆動信号を出力することで所定の速度でステッピングモータを回転させることができる。また、ステッピングモータ19を停止させる際には、駆動信号の周波数を次第に低下させてスルーダウンを実行する。停止中は駆動信号を与えなくてよい。さらに制御部12は、モータドライバ18に対して回転方向の設定や励磁モードの設定など、各種の設定などを行うことができるように構成されていてもよい。
【0014】
D/A変換器13は、制御部12から入力されたデジタルの電圧値に基づいて、指定された電圧を発生させる電圧発生手段として機能する。発生した電圧は、遅延フィルタ14に対して出力される。
【0015】
遅延フィルタ14は、この例ではコンデンサ15、抵抗器16、アンプ17から構成される。このコンデンサ15および抵抗器16からなるCR回路によって、D/A変換器13で発生した電圧を平滑化する。このCR回路の時定数によって、電圧が定常状態に達するまでの時間が決定されるが、この時間をスルーアップあるいはスルーダウンに要する時間に合わせておくなど、ステッピングモータ19を駆動する電流の制御に応じた時定数となるように回路を構成することができる。また、スルーアップとスルーダウンの時間が異なる場合には、異なる時定数回路を切り換えて用いるように構成してもよい。CR回路で平滑化された電圧は、アンプ17で増幅した上で、モータドライバ18に入力している。なお、この遅延フィルタ14の構成は、このようなCR回路に限られるものではなく、電圧波形の平滑化を行う任意のフィルタ回路を適用することが可能である。
【0016】
モータドライバ18は、遅延フィルタ14から入力された電圧を基準電圧とし、この電圧に基づいてステッピングモータ19を駆動する際の電流値を決定する。さらに、制御部12から送られてくる駆動信号に基づき、例えば2相、1−2相、3相など予め設定されている励磁方式に従って励磁相を発生し、決定した電流値によりステッピングモータ19を駆動する。これによってステッピングモータ19は、与えられた電流値に対応する回転トルクによって回転することになる。
【0017】
図2は、本発明のステッピングモータ駆動回路の第1の実施の形態における動作の一例の説明図である。図2(D)において駆動信号は、モータドライバ18に指示あるいは入力する1秒あたりのパルス数を示しており、この例では1秒あたり600パルスでステッピングモータ19を定速駆動する場合を一例として示している。ステッピングモータ19を動作させる場合には、上述のように、まずスルーアップによって所定の速度まで徐々に加速し、定速で回転させる。また、停止させる場合には、スルーダウンによって徐々に減速して停止させる。以下、特にスルーアップ時およびスルーダウン時の動作について述べる。
【0018】
ステッピングモータ19の駆動を開始する際には、まず制御部12がD/A変換器13に定速駆動時の基準電圧に対応するデジタル値をセットする。D/A変換器13は、制御部12から入力された信号に基づいて、図2(A)に示すように電圧を変化させる。このD/A変換器13から出力された電圧は遅延フィルタ14に入力される。遅延フィルタ14は、CR回路によって入力された電圧を平滑化する。これによって遅延フィルタ14からの出力電圧は、図2(B)に示すように次第に高くなるように変化し、この電圧が基準電圧としてモータドライバ18に入力される。モータドライバ18は、基準電圧に応じた駆動電流によりステッピングモータ19を駆動する。従って、ステッピングモータ19の回転開始直後では小さな駆動電流によりステッピングモータ19が駆動されるので、ステッピングモータ19で発生する回転トルクは小さい。そして次第に駆動電流が大きくなってゆくに従い、ステッピングモータ19で発生する回転トルクは大きくなる。このようにして、ステッピングモータ19の回転トルクは図2(C)に示すように変化することになる。
【0019】
さらに、このようにして基準電圧、駆動電流、回転トルクが変化している間に、ステッピングモータ19を回転駆動させる駆動信号を図2(D)に示すように変化させ、ステッピングモータ19の回転速度を徐々に上げて行く。この例では、当初200pps(パルス/秒)で回転させる命令を送り、以降300pps、400pps、500ppsと駆動を指示するパルス数を増加させ、ステッピングモータ19の回転速度を所定の速度まで上昇させる。
【0020】
従来のステッピングモータ駆動回路では、図2(A)に示すD/A変換器13の出力電圧波形と同様にステッピングモータ19の回転開始当初から大きな回転トルクがステッピングモータ19で発生していた。そのため、駆動開始直後の低速回転時にも不必要に大きな回転トルクが発生しており、機構部のガタつきなどによる騒音や振動の原因となっていた。しかし本発明では、図2(C)に示すように、低速回転時には回転トルクが小さく、機構部などにおいてガタつきの発生が抑えられ、騒音や振動を低減することができる。
【0021】
ステッピングモータ19を停止させる際には、上述のようにスルーダウンを行う。本発明では、スルーダウンの開始時に制御部12はD/A変換器13に与えるデジタル値を0または所定の値に設定してしまう。しかしこれによってモータドライバ18に入力される基準電圧が急激に変化するわけではなく、遅延フィルタ14によって図2(B)に示すように基準電圧は徐々に低下してゆくことになる。そのため、モータドライバ18はステッピングモータ19への駆動電流を徐々に少なくすることになる。したがって、ステッピングモータ19で発生する回転トルクも図2(C)に示すように徐々に小さくなってゆく。
【0022】
また、制御部12は、D/A変換器13へ与えるデジタル値を0または所定の値に設定した後に、モータドライバ18に送る駆動信号を図2(D)に示すように変化させ、ステッピングモータ19の回転速度を徐々に下げてゆく。この例では、600ppsから順次、500pps,400pps,300pps,200ppsと駆動を指示するパルス数を低減させ、ステッピングモータ19の回転速度を遅くしてゆき、停止させている。このようにして、ステッピングモータ19の回転トルクを徐々に小さくしながら回転速度を遅くしてゆき、スルーダウンを行うことができる。
【0023】
従来はステッピングモータ19が停止するまでD/A変換器13の出力電圧は同じ値に保たれていた。そのため、スルーダウンによってステッピングモータ19の回転が低速になっても高速回転時と同じ回転トルクが発生しており、機構部のガタつきなどによる騒音や振動が発生していた。しかし本発明では、図2(C)に示すように、ステッピングモータ19の回転が低速になると、発生する回転トルクも小さくなり、機構部などにおいてガタつきの発生が抑えられ、騒音や振動を低減することができる。
【0024】
このように、スルーアップおよびスルーダウン時に、ステッピングモータ19の回転速度に応じてステッピングモータ19の駆動電流を制御できるので、低速回転時には小さな回転トルクを発生させ、高速回転時には所定の回転トルクが発生するように駆動制御することができる。そのため、低速回転時に過大な回転トルクによって機構部ががたつくことはなく、騒音や振動の発生を抑えることができる。
【0025】
なお、ステッピングモータ19やステッピングモータ駆動回路11の性能、D/A変換器13の応答特性にはばらつきがあり、ステッピングモータ19の回転を開始しようとしても基準電圧が0で回転トルクが発生しなかったり、ステッピングモータ19が停止する前にトルクが消滅して急停止することが想定される。このような問題を回避するため、図2に示した例では、ステッピングモータ19の停止時およびスルーダウン時には、D/A変換器13に与えるデジタル値として0ではなく、所定の値を与え、基準電圧にオフセットを設けている。これによって、ステッピングモータ19の駆動開始直後や停止直前に回転トルクが0になることはなく、急加速や急停止を防止することができる。なお、オフセット電圧の発生方法は任意であり、D/A変換器13の出力が0でもオフセット電圧が発生するような種々の回路を構成することができる。
【0026】
同様にスルーアップ開始時に回転トルクがなくなるのを防止する別の方法として、駆動信号を与える前からD/A変換器13により所定の電圧を発生させ、遅延フィルタ14によってある程度の電圧が出力されるタイミングで、駆動信号の送出を開始するように構成してもよい。この場合、遅延フィルタ14の出力電圧が所定電圧に達するまでの時間は、スルーアップに要する時間よりも多少長く設定しておくことになる。また、このように遅延フィルタ14の出力電圧が所定電圧から0Vに低下するまでの時間をスルーダウンに要する時間よりも多少長く設定しておくことによって、スルーダウン終了時に回転トルクがなくなるのを防止することができる。
【0027】
図3は、本発明のステッピングモータ駆動回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。20は電圧調整部、21,22,24は抵抗器、23は切替スイッチである。この第2の実施の形態は、電圧調整部20を設けてモータドライバ18へ入力する基準電圧を切り替えるようにした点が上述の第1の実施の形態と異なる。
【0028】
電圧調整部20は、抵抗器21,22,24、切替スイッチ23から構成された電圧発生手段であり、発生する電圧を2段階に切り替えることができる。発生した電圧は、遅延フィルタ14に出力される。
【0029】
抵抗器21,22は、それぞれ異なる抵抗値を有しており、電圧調整部20に並列に設けられている。切替スイッチ23は、制御部12に制御されて抵抗器21,22のいずれか一方のみが抵抗器24と直列に接続される。そして電源電圧が抵抗器24と抵抗器21または抵抗器22により分圧され、出力される。抵抗器21の抵抗値は、抵抗器21が抵抗器24と接続された時に発生する電圧が、ステッピングモータ19が高速回転駆動時に必要とする電圧となるように設定されている。また、抵抗器22の抵抗値は、抵抗器22が抵抗器24と接続されたときに発生する電圧が、例えば基準電圧がオフセット電圧となるように設定されている。
【0030】
制御部12は、ステッピングモータ19のスルーアップ開始時に電圧調整部20に対して抵抗器22から抵抗器21への切り替えを指示し、また、スルーダウン開始時に抵抗器21から抵抗器22への切り替えを指示する。これによって、上述の図2(A)に示すような電圧が発生して遅延フィルタ14に入力されることになる。そのほかのスルーアップ時およびスルーダウン時の動作は上述の第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0031】
次に、本発明の本発明のステッピングモータ駆動回路の第3の実施の形態について説明する。ここでは回路構成は図1に示したものと同様であるとする。この第3の実施の形態では、スルーアップあるいはスルーダウンの途中においてD/A変換器13で発生する電圧を変更可能な場合について説明する。図4は、スルーアップ途中で発生する電圧を変更する場合の電圧波形とステッピングモータにおけるトルクの変化の説明図である。図4(A)は、D/A変換器13で発生する電圧出力、すなわち遅延フィルタ14へ入力される電圧を示している。また、図4(B)はモータドライバ18に入力される基準電圧の変化を示し、さらに図4(C)にはステッピングモータ19の回転トルクの変化を示している。
【0032】
図4に示した例では、スルーアップ途中の時刻t1において、D/A変換器13で発生する電圧が変化している。例えばスルーアップ開始から時刻t1までは、その後の電圧の60%程度とすることができる。もちろん、この電圧値は任意に制御部12から設定可能である。
【0033】
このように2段階に発生する電圧を変化させることによって、遅延フィルタ14から出力される2つの平滑化された電圧波形の組合せにより、ある程度、電圧波形を制御することが可能になる。例えば低回転トルクの期間を伸ばしたい場合には、最初に発生させる電圧を低めに設定したり、電圧を切り換えるまでの時間t1を長めに設定すればよい。特に機構部におけるガタつきは、移動開始当初において発生しやすいので、このガタつきを吸収するための時間は低トルクの状態としておき、その後、回転トルクを次第に大きくしてゆくような制御が可能である。このようにして、機構部におけるガタつきをなくし、騒音や振動をさらに減少させることが可能になる。もちろん、最初に発生させる電圧値や電圧を切り換えるまでの時間は、各部の状態に応じて設定することが可能である。
【0034】
上述の例では、スルーアップ時に発生する電圧を2段階に変化させたが、これに限らず、3段階以上であってもよい。しかし、あまり細かくすると、D/A変換器13の応答特性の高速なものを用いる必要が生じ、コストアップとなる。本発明では遅延フィルタ14などの平滑化を行うフィルタ手段を併用することによって、D/A変換器13における発生電圧の変更を最小限にとどめ、D/A変換器13のコストを低減することができる。
【0035】
また上述の例ではスルーアップ時について説明したが、スルーダウン時においても同様に制御することが可能である。さらに、上述の例では図1に示したD/A変換器13を用いた構成を用いて説明したが、例えば図3に示した構成のように、抵抗器を切り換える構成においても、切替可能な抵抗器を増やすことによって対応することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電圧発生手段で発生した電圧をフィルタ手段によって平滑化して、ステッピングモータの駆動電流を制御するための基準電圧として駆動手段に入力するので、電圧発生手段で発生する電圧を変化させた場合に、基準電圧を徐々に変化させることができる。これによって、例えばスルーアップ時あるいはスルーダウン時に基準電圧を徐々に変化させることによって、低速回転時の回転トルクを小さくし、機構部に過大な負荷をかけないで移動を開始あるいは停止することができるので、機構部のガタつきを防止し、騒音や振動の発生を低減することができる。また、フィルタ手段を設けるだけでこのような回転トルクの制御を行うことから安価に構成でき、また、応答速度の速いD/A変換器などは必要なく、低コストのステッピングモータ駆動回路を提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステッピングモータ駆動回路の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】本発明のステッピングモータ駆動回路の第1の実施の形態における動作の一例の説明図である。
【図3】本発明のステッピングモータ駆動回路の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】スルーアップ途中で発生する電圧を変更する場合の電圧波形とステッピングモータにおけるトルクの変化の説明図である。
【図5】従来のステッピングモータ駆動回路のブロック図である。
【符号の説明】
11…ステッピングモータ駆動回路、12…制御部、13…D/A変換器、14…遅延フィルタ、15…コンデンサ、16…抵抗器、17…アンプ、18…モータドライバ、19…ステッピングモータ、20…電圧調整部、21,22,24…抵抗器、23…切替スイッチ。
Claims (3)
- 指定された電圧を発生する電圧発生手段と、該電圧発生手段に対してステッピングモータの回転トルクを制御する電圧を指定しまたステッピングモータの回転速度に関する駆動信号を発生して出力しステッピングモータの駆動制御を行う制御手段と、ステッピングモータのスルーアップ及びスルーダウン時に前記電圧発生手段で発生する電圧を平滑化するフィルタ手段と、該フィルタ手段からの出力電圧値及び前記制御手段から出力される前記駆動信号に基づいてステッピングモータを駆動する駆動手段を有することを特徴とするステッピングモータ駆動回路。
- 前記駆動手段は、前記制御手段で発生した前記駆動信号に基づいて励磁相を発生して前記ステッピングモータを駆動することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ駆動回路。
- 前記制御手段は、前記ステッピングモータがスルーアップおよびスルーダウンの少なくとも一方の動作を実行するときに、該動作の途中で前記電圧発生手段に対して電圧の指定を変化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステッピングモータ駆動回路。
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