JP3546671B2 - 運転補助装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は下肢身障者の運転を補助するための運転補助装置に関し、特にその操作レバー部の構造改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
下肢身障者の運転を補助する運転補助装置として、図4に示すように、運転席と助手席との間のフロア上に設けた本体部Hから一本の操作レバー2´を上方へ延出させ、この操作レバー2´を手で図の鎖線で示すように前後方向へ傾動させることによって、ブレーキとアクセルの操作を行えるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の運転補助装置において、前傾時の操作レバー2´の上端とインストルメントパネルPの干渉を避けるため、これらの間に一定間隙Lを確保しておく必要があり、このため車種によっては十分な前傾操作量を確保できないことがある。そこで、少ないレバー操作量で十分なブレーキ操作を保証するために、従来はレバーの操作量を梃子リンク等で拡大しているが、これによると操作レバーが重くなるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明はこのような課題を解決するもので、インストルメントパネルとの間の狭いスペースで十分なレバー操作量を確保することができる運転補助装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、運転席と助手席の間のフロア上に、ブレーキ操作部およびアクセル操作部を作動させる操作レバー(2)を立設するとともに、操作レバー(2)のアーム下半部(21,22)を上下方向へ延びかつベース体(1)に前後方向へ回動可能に結合された平行リンクで構成して、当該平行リンクの上端に操作レバー(2)のアーム上半部(23)を結合した運転補助装置であって、ベース体(1)に設けられた操作板(4,5)にブレーキ操作部へ至るブレーキ操作ワイヤ(61)とアクセル操作部へ至るアクセル操作ワイヤ(62)を係止するとともに、ブレーキ操作ワイヤ(61)を前方へ、またアクセル操作ワイヤ(62)を後方へ延出させ、平行リンクを非操作時には常に直立姿勢になるように付勢し、平行リンクの直立姿勢よりも前方への傾動により、平行リンクが操作板(4)に前方から係合し、操作板(4)を後方へ押しやりブレーキ操作ワイヤ(61)を引張ることによってブレーキ操作部が作動させられ、平行リンクの直立姿勢よりも後方への傾動により、平行リンクが操作板(5)に後方から係合し、操作板(5)を前方へ押しやりアクセル操作ワイヤ(62)を引張ることによってアクセル操作部が作動させられるようにしたことを特徴としている。
【0006】
本発明において、操作レバーを前方へ操作すると、これに伴ってアーム下半部は傾倒させられるが、平行リンクを構成する上記アーム下半部によってアーム上半部は初期の垂直姿勢を保ったまま前下方へ移動する。すなわち、操作レバーはその下半部のみが大きく傾倒してブレーキ操作部等を十分に作動させ、一方、操作レバーの上半部は傾倒しないから、インストルメントパネルとの間のスペースが狭い場合でも、干渉を生じることなく十分なブレーキ操作等が可能である。そして、操作レバーの下半部を大きく傾倒させることができるから、ここに操作ワイヤ等を接続すれば、従来のように操作量拡大のための梃子リンク等をブレーキ操作部やアクセル操作部への途中に設ける必要はない。したがって、操作レバーの操作力も軽減される。
【0007】
なお、上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に運転補助装置の外観を示す。図において、装置の本体部Hは図略の運転席と助手席の間のフロア上に設けられている。本体部Hの頂面からは上方へ操作レバー2が突出し、一方、本体部Hの前側面と後側面からはそれぞれブレーキ操作部とアクセル操作部へ至る操作ワイヤ61,62が延出している。
【0009】
図2には運転補助装置の側面図を示す。本体部Hはベース体1を有し、このベース体1は、運転席と助手席間のフロア上に設けられたフレームFにボルト15で固定されている。このベース体1には紙面の手前側と向こう側よりカバー体9A,9B(図1参照)がビス止めされている。
【0010】
ベース体1にはシャフト31が紙面垂直方向へ設けられて、これに操作レバー2のアーム下半部を構成するリンク板21の中間部が回動自在に結合されている。リンク板21は長尺の板体で、その下端面21aは中央が湾曲する凹所となっており、この凹所に、ベース体1の底壁上に設けた板バネ18の、山形に湾曲した先端部が当接している。これにより、非操作時には常に直立姿勢になるようにリンク板21(すなわち操作レバー2)が付勢されている。リンク板21の手前側面と向こう側面にはそれぞれ矩形の係合凸部211,212が設けられており、係合凸部211は操作板4に設けた係合凸部41の前面(図2の左面)に当接し、係合凸部212は操作板5に設けた係合凸部51の後面に当接している。
【0011】
各操作板4,5は下方へ漸次幅広となる略扇形をなし、各上端部が上記シャフト31に回動自在に結合されている。操作板4の外周部後端面に形成された切欠き42内には、操作ワイヤ61のインナワイヤ611の一端が係止され、一方、操作板5の外周部前端面に形成された切欠き52内には、操作ワイヤ62のインナワイヤ621の一端が係止されている。
【0012】
ベース体1には上記シャフト31から間隔をおいた後方の同一高さ位置にシャフト32が紙面垂直方向へ設けられており、これにリンク板22の下端が回動自在に結合されている。リンク板22は上記リンク板21と平行に上方へ延びて平行リンクを構成している。操作レバー2のアーム上半部23は側面視でL字形に成形された長板体で、その下辺の前後端がそれぞれリンク板21,22の各上端に同一高さ位置で回動自在に結合されている。アーム上半部23の上端には受け片231が接合されて、この受け片231上に樹脂製操作ノブ24が載置固定されている。
【0013】
このような構造の運転補助装置において、身障者が操作ノブ24を掴んで操作レバー2を前方(図2の左方)へ倒すと、鎖線で示すように各リンク板21,22は前方へ傾動して各シャフト31,32を中心に図の反時計方向へ回動する。これに伴い、リンク板21の係合凸部211が係合凸部41を後方へ押しやって、操作板4を同方向へ回動させ、操作ワイヤ61のインナワイヤ611を引いてブレーキ操作がなされる。この間、操作レバー2のアーム上半部23は、前後のリンク板21,22によりその垂直姿勢を保ったままで前下方へ移動させられる。これにより、図3に示すように、従来の操作レバー2´では上端がインストルメントパネルPに干渉してしまう(図の鎖線)ような角度まで操作レバー2のリンク板21,22を大きく前方へ傾動させても、操作レバー2の操作ノブ24がインストルメントパネルPと干渉することはない。そして、リンク板21,22を大きく傾動させることができるから、従来のようにリンク梃子等を使用してレバー操作量を拡大する必要はなく、操作レバー2の操作力を小さくすることができる。
【0014】
なお、操作レバー2が後方へ倒されると、各リンク板21,22は後方へ傾動して各シャフト31,32を中心に図2の時計方向へ回動し、リンク板21の係合凸部212が係合凸部51を前方へ押しやって、操作板5を介して操作ワイヤ62のインナワイヤ621を引き、アクセル操作がなされる。
【0015】
【発明の効果】
以上のように、本発明の運転補助装置によれば、インストルメントパネルとの間の狭いスペースで十分なレバー操作量を確保することができるとともに、操作力の軽減も併せて実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】運転補助装置の全体斜視図である。
【図2】運転補助装置の全体側面図である。
【図3】運転補助装置の概略側面図である。
【図4】従来の運転補助装置を設けた運転席の概略側面図である。
【符号の説明】
H…本体部、1…ベース体、2…操作アーム、21,22…リンク板(アーム下半部)、23…アーム上半部、31,32…シャフト。

Claims (1)

  1. 運転席と助手席の間のフロア上に、ブレーキ操作部およびアクセル操作部を作動させる操作レバーを立設するとともに、前記操作レバーのアーム下半部を上下方向へ延びかつベース体に前後方向へ回動可能に結合された平行リンクで構成して、当該平行リンクの上端に前記操作レバーのアーム上半部を結合した運転補助装置であって、前記ベース体に設けられた操作板に前記ブレーキ操作部へ至るブレーキ操作ワイヤと前記アクセル操作部へ至るアクセル操作ワイヤを係止するとともに、前記ブレーキ操作ワイヤを前方へ、また前記アクセル操作ワイヤを後方へ延出させ、前記平行リンクを非操作時には常に直立姿勢になるように付勢し、前記平行リンクの前記直立姿勢よりも前方への傾動により、前記平行リンクが前記操作板に前方から係合し、前記操作板を後方へ押しやり前記ブレーキ操作ワイヤを引張ることによって前記ブレーキ操作部が作動させられ、前記平行リンクの前記直立姿勢よりも後方への傾動により、前記平行リンクが前記操作板に後方から係合し、前記操作板を前方へ押しやり前記アクセル操作ワイヤを引張ることによって前記アクセル操作部が作動させられるようにしたことを特徴とする運転補助装置。
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